JP3102942B2 - 電気化学的ガス圧縮機 - Google Patents

電気化学的ガス圧縮機

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JP3102942B2
JP3102942B2 JP04039605A JP3960592A JP3102942B2 JP 3102942 B2 JP3102942 B2 JP 3102942B2 JP 04039605 A JP04039605 A JP 04039605A JP 3960592 A JP3960592 A JP 3960592A JP 3102942 B2 JP3102942 B2 JP 3102942B2
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秀雄 前田
憲朗 光田
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガスを電気化学的な
反応を利用して圧縮するための電気化学的ガス圧縮機に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス圧縮機は、ガスを空間内で密
封しその空間の容積を機械的な運動に伴い減少させるこ
とによりガスの圧縮を行なっていた。このような圧縮機
では機械的な運動による振動や部品の劣化が問題となっ
ていた。そのため、機械的な部品を使わない圧縮機とし
て、イオン電導性の膜を用いた電気化学的ガス圧縮機が
提案されている。例えば、図7は米国特許明細書第46
71080号に開示された従来の電気化学的水素圧縮機
の断面を拡大して示す図で、同図において、1は約0.
2mmの厚みを有するイオン導電性膜、2は白金等の触
媒を担持した陽極のガス拡散電極、3は同様の触媒を担
持した陰極のガス拡散電極、4は陽極側のガス流路、5
は陰極側のガス流路、6は陽極側の金属集電体、7は陰
極側の金属集電体である。
【0003】次に動作について説明する。ガス拡散電極
2側のガス流路4に入った水素ガスは、このガス拡散電
極2上で電子を失い下記化1に従って水素イオンを生成
する。 H2+2H2O→2e~+2H3+
【0004】水素イオンはイオン導電性膜1中の水を伴
い電圧を駆動力として他方のガス拡散電極3まで進み、
このガス拡散電極3上で電子を受け取り下記化2に従っ
て水素ガスに戻る。 2e~+2H3+→H2+2H2
【0005】上記ガス拡散電極3上で生成した水素ガス
はイオン導電性膜1を通ることができず、また、電圧に
よるイオンの移動力は大きいので、ガス拡散電極3側に
水素ガスが徐々に蓄積されて水素ガスの圧力が上昇す
る。このとき、金属集電体6、7は各ガス拡散電極2、
3に電圧を印加すると共にガス拡散電極2、3及びイオ
ン導電性膜1を機械的に補強する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気化学的水素
圧縮機は、上述のように構成されており、ガス拡散電極
2、3間に掛ける電圧は下記数1のようになる。 E=E0+(RT/2F)×ln(P2/P1)+ir
【0007】但し、数1においてE0は水素のイオン化
電位、Rは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、
1はガス拡散電極2側の水素圧力、P2はガス拡散電極
3側の水素圧力、iは電流、rは電気抵抗を示す。
【0008】ここで上記両極2、3にかかる電圧につい
て内訳を見ると、右辺第1項のイオン化電位E0は0.
02V、第2項はいわゆるネルンスト加電圧で、この加
電圧は両極2、3のガス圧力で決まるが、ガス圧力を1
00気圧に圧縮した時でも0.06Vである。しかしな
がら、第3項の抵抗は400mA/cm2程度の電流で
も0.1Vと大きく、全電圧の55%を占めている。つ
まり、この圧縮機の電圧効率はイオン導電性膜4の電気
抵抗が大きいために非常に小さくなるという問題があっ
た。イオン導電性膜4の抵抗はその厚みが約0.2mm
の時のものであり、イオン導電性膜4の電気抵抗を小さ
くするためにはその膜厚を薄くすればよいが、膜厚を薄
くすれば、その機械的強度が落ち、例えば、0.2mm
の膜厚では100気圧の差圧には十分耐えるが、膜厚が
0.025mmでは20気圧、0.13mmでは7気圧
程度の差圧にしか耐えられない。従って、従来の電気化
学的水素ガス圧縮機では、電気的特性を上げようとする
と、機械的な信頼性が低下するという課題があった。
【0009】また、従来の電気化学的水素ガス圧縮機で
は、イオン導電性膜4のイオン導電性維持するために
は、イオン導電性膜4に十分な水分が必要であるが、水
素イオンが膜中を移動する際に、上述のように水分も一
緒に移動するため、陽電極2上には水分を補給する必要
がある。しかし、電流が少ない時には陰電極3上の水が
拡散によって膜4を逆流して陽電極2に戻るが、別途に
水を供給しなければ、大きな電流を継続して流すことが
難しいという課題があった。
【0010】この発明は、上記課題を解決するためにな
されたもので、機械的な信頼性及び優れた電気的特性を
有すると共に、軽量且つコンパクトで大きな出力を得る
ことができる電気化学的ガス圧縮機を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、両ガス拡
散電極間に、イオン導電性固体電解質体とガス拡散電極
とを交互に複数積層して複数の単電池を一体構造にした
ものである。
【0012】第二の発明は、第一の発明における、各単
電池間に位置するガス拡散電極に水分補給する水分補給
路を設けたものである。
【0013】第三の発明は、第一の発明または第二の発
明のおける、各単電池間に位置するガス拡散電極に外部
電気回路を接続し、複数の各単電池にかかる電圧を可変
にしたものである。
【0014】第四の発明は、イオン導電性固体電解質体
に補強体を一体化して設けたものである。
【0015】第五の発明は、第四の発明における補強体
に水分を補給する水分補給路を設けたものである。
【0016】
【作用】第一の発明によれば、各単電池間に介在するガ
ス拡散電極によってイオン導電性固体電解質体を機械的
に補強すると共にそれぞれの電極内に含まれる水分でイ
オン導電性固体電解質体の水分を保持することができ
る。
【0017】第二の発明によれば、水分補給路から各単
電池間に位置するガス拡散電極へ水分を直接補給してこ
れらの電極を常時湿潤な状態に保持すると共にガス拡散
電極を介してイオン導電性固体電解質体へこの水分を補
給することができる。
【0018】第三の発明によれば、ガス圧縮機の圧縮時
のガス圧力に適した電圧を各単電池に印加することがで
きる。
【0019】第四の発明によれば、イオン導電性固体電
解質体と一体化された補強体によって単電池の機械的強
度を補強することができる。
【0020】第五の発明によれば、水分補給路から補強
体へ水分を直接補給してイオン導電性固体電解質体の水
分を保持することができる。
【0021】
【実施例】以下、図1〜図6に示す実施例に基づいて従
来と同一または相当部分には同一符号を付してこの発明
を説明する。
【0022】実施例1.この実施例の電気化学的ガス圧
縮機は、図1に示すように、従来公知のイオン導電性固
体電解質体(プロトン導電性膜)1の両側それぞれに白
金等の従来公知の触媒を担持したガス拡散電極2、3を
配してなる電池に、イオン化可能な水素ガスを投入して
両ガス拡散電極2、3に所定の電位を与えることによ
り、投入されたガスが一方のガス拡散電極2上でイオン
化してプロトン導電性膜1をイオンとして移動し、他方
のガス拡散電極3上でガスに戻ることにより、他方のガ
ス拡散電極3側で圧縮したガスを得ることができるよう
に構成されている。そして、上記ガス拡散電極2は陽極
を、ガス拡散電極3は陰極を構成し、各ガス拡散電極
2、3の外面には水素ガスのガス流路4、5が形成され
た金属集電体6、7が従来と同様に設けられている。
【0023】而して、上記電気化学的ガス圧縮機は、上
記ガス拡散電極2、3間に3枚のプロトン導電性膜1、
11、12と2枚のガス拡散電極8、18とが交互に順
次圧着積層されて3個の単電池を構成し、これら3個の
単電池が一体構造として構成されている。そして、上記
ガス拡散電極2、3間に介在するガス拡散電極8、18
はそれぞれの上下の単電池に共有されている。また、ガ
ス拡散電極8の周囲には各プロトン導電性膜1、11の
周縁部に位置するスペーサ9が溝を形成して介装されて
いる。これと同様に、ガス拡散電極18の周囲にもスペ
ーサ9が設けられている。
【0024】次に上記電気化学的ガス圧縮機の動作につ
いて説明する。まず、ガス流路4に流入した水素ガス
は、ガス拡散電極2上で従来と同様に下記化3に示すよ
うにその電子を失ってイオン化して水素イオンを生成す
る。 H2+2H2O→2e~+2H3+
【0025】水素イオンはプロトン導電性膜1中の水を
伴い電圧を駆動力としてガス拡散電極8まで進み、ガス
拡散電極8上で電子を受け取り下記化4に従ってガスに
戻る。 2e~+2H3+→H2+2H2
【0026】上記ガス拡散電極8上でガスに戻った水素
は、ガス拡散電極8上のプロトン導電性膜11の近傍で
再度電子を失って水素イオンを生成し、プロトン導電性
膜11をヒドロニウムイオンとしてガス拡散電極18ま
で移動し、更にガス拡散電極18上で再度電子を受け取
って水素ガスに戻る。更に、プロトン導電性膜12の近
傍で再度電子を失って水素イオンを生成し、プロトン導
電性膜12をヒドロニウムイオンとしてガス拡散電極3
まで移動してガス拡散電極3上で電子を受け取って水素
ガスになる。斯くして、陰極であるガス拡散電極3側に
水素ガスが徐々に蓄積されて水素ガスが徐々に圧縮され
る。
【0027】従って、実施例1によれば、ガス拡散電極
8、18を各プロトン導電性膜1、11、12間に介在
させたため、これらの電極8、18によって各プロトン
導電性膜1、11、12を機械的に補強することがで
き、電気化学的ガス圧縮機の機械的な信頼性を向上させ
ることができる。また、このように機械的強度が補強さ
れた各プロトン導電性膜1、11、12それぞれの膜厚
は薄くすることができ、ガス拡散電極2、8、18中か
ら移動してくる水の各膜1、11、12での拡散力が大
幅に向上して電気化学的ガス圧縮機の電気的特性を向上
させることができる。
【0028】また、上記電気化学的ガス圧縮機では、ガ
ス拡散電極2、3間にかける電圧Eは下記数2に示すよ
うになる。 E=E0×3+(RT/2F)×ln(P2/P1)+i
【0029】この実施例の電気化学的ガス圧縮機の印加
電圧を従来のものと比較すると、この実施例の電気化学
的ガス圧縮機の印加電圧を示す上記数1の右辺第2項の
ネルンスト加電圧は0.06Vで従来のもののネルンス
ト加電圧と変らないが、右辺第1項のイオン化電位E0
は従来の単電池の3倍の0.06Vになっている。ま
た、第3項の抵抗については、上記各プロトン導電性膜
1、11、12の膜厚を上述のように薄くすることがで
き、総和でも従来のその膜厚よりも薄くすることがで
き、更に、これらの各膜1、11、12には上述のよう
に水分がその拡散により十分に供給されるため、各膜自
体の抵抗が小さくなって総加電圧を小さくして電気的特
性を向上させることができる。
【0030】以上説明したようにこの実施例1によれ
ば、機械的な信頼性及び優れた電気的特性を有すると共
に、軽量且つコンパクトで大きな出力を得ることができ
る電気化学的ガス圧縮機を提供することができる。
【0031】実施例2.この実施例の電気化学的ガス圧
縮機は、図2、図3に示すように、実施例1における電
気化学的ガス圧縮機の金属集電体7に二つの水分補給路
20、21が設けられている。そして、各プロトン導電
性膜11、12及びスペーサ9、9には孔11A、12
A、12B及び9A、9A、9Bをそれぞれ設けられ、
これらの孔11A、12A、12B及び9A、9A、9
Bを介して各水分補給路20、21からの水を各ガス拡
散電極8、18へそれぞれ補給するようにしている。即
ち、一方の水分補給路20からはガス拡散電極8へ、他
方の水分補給路21からはガス拡散電極18へ水分をそ
れぞれ補給するようにしている。その他は実施例1と同
様に構成されている。
【0032】従って、実施例2においても実施例1と同
様にして水素ガスを圧縮することができるため、ここで
は水分の補給についてのみ説明する。実施例2では、水
素イオンの移動に伴い、各プロトン導電性膜1、11、
12の陽極側の水は陰極側へ移動する。この際、各プロ
トン導電性膜1、11、12内の水の拡散が十分でない
と、各プロトン導電性膜1、11、12の陽極側の表面
が乾燥しがちになる。そこで、水分補給路20から水を
補給すると、この補給水は、図3に実線で示すようにプ
ロトン導電性膜12の孔12A、スペーサ9の孔9A及
びプロトン導電性膜11の孔11Aを経由してスペーサ
9の孔9Aからその内側の溝に達し、この溝でガス拡散
電極8に浸透する。浸透した水はガス拡散電極8を介し
てプロトン導電性膜11の乾燥した陽極側表面を潤し、
プロトン導電性膜11におけるイオン導電性の低下を防
止する。また、水分補給路21から水を補給すると、こ
の補給水は、図3に実線で示すようにプロトン導電性膜
12の孔12B、スペーサ9の孔9Bを経由してスペー
サ9の内側の溝に達し、この溝でガス拡散電極18に浸
透し、同様にプロトン導電性膜12のイオン導電性の低
下を防止し、延いては実施例1の電気化学的ガス圧縮機
よりも電気的特性が向上し、大流量の水素ガスを圧縮す
ることができる。
【0033】尚、実施例2において、水を補給する場合
には、外部にポンプを設置してこれから水を補給するよ
うにしてもよいが、水の注入口と高圧側のガスの出口5
をバルブを介して接続して圧縮した圧力を利用して水を
補給するようにしてもよい。このことは後述する実施例
5においても同様である。
【0034】実施例3.この実施例の電気化学的ガス圧
縮機は、図4に示すように、実施例1または実施例2に
おける電気化学的ガス圧縮機の各ガス拡散電極8、18
に外部電気回路30が接続されて、各単電池にかかる電
圧を可変にしたものである。電気回路30は、陽極であ
るガス拡散電極2に接続された導線31、陰極であるガ
ス拡散電極3にそれぞれ接続された導線32、これらの
導線31、32を介してガス拡散電極2、3にそれぞれ
接続された直流電源33、ガス拡散電極8に接続された
導線34、導線31、34を介してガス拡散電極2、8
にそれぞれ接続された直流電源35、及びガス拡散電極
18に接続された導線36、導線31、36を介してガ
ス拡散電極2、18にそれぞれ接続された直流電源37
を備えている。
【0035】従って、実施例3においても実施例1と同
様にして水素ガスを圧縮することができるため、各単電
池の印加電圧を変える場合について説明する。ガス拡散
電極2に水素ガスを流し、直流電源33からガス拡散電
極2、3間に電圧を印加すると、水素ガスは、実施例1
で説明したようにガス拡散電極3上で圧縮された状態で
流出するが、この際、ガス拡散電極2、8間及びガス拡
散電極8、18間の印加電圧はそのときのガス圧力の状
態で変動する。この際、各ガス拡散電極間の電圧を任意
に設定すれば、導線34、36に電流が流れている間、
各ガス拡散電極8、18の空孔内に蓄積される水素ガス
の量が増減してガス圧力が変動して各電極間のネルンス
ト電圧が変化する。その設定した電圧に見合うだけのネ
ルンスト電圧に見合う圧力分布に達した時、導線34、
36に流れる電流は止まり、設定した電圧に応じた圧力
分布になる。従って、この実施例によれば、各ガス拡散
電極間に印加する電圧を適宜設定することによって各単
電池毎の性能を最大限に引き出して効率のよいガス圧縮
を実現することができる。
【0036】実施例4.この実施例の電気化学的ガス圧
縮機を構成する単電池は、図5に示すように、電気化学
的ガス圧縮機におけるプロトン導電性膜1の内部に補強
体を40を挿入して一体化したものである。この補強体
40は、機械的強度があり水を誘導することができ、金
属イオンを遊離しない材料であれば特に制限されず、ま
た、その形態はメッシュ状、繊維状、多孔質性状、中空
構造等にすることができるがこれらに制限されるもので
はない。而して、このような補強体40の材料として
は、有機材料、無機材料のいずれであってもよく、有機
材料としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン等
の合成繊維や、麻、木綿等の天然繊維を挙げることがで
き、また、無機材料としては、親水性を有するものであ
れば、金属、非金属のいずれであってもよく、例えば、
炭素繊維等の無機繊維等を挙げることができる。勿論、
この実施例の補強体40は上記各実施例及び従来の電気
化学的ガス圧縮機についてそれぞれ適用することができ
る。
【0037】従って、実施例4によれば、実施例1の電
気化学的ガス圧縮機と同様の作用によって水素ガスを圧
縮することができる他、補強体40によってプロトン導
電性膜1を補強してあるため、軽量且つコンパクトな形
態で単電池の機械的強度を補強することができ、その機
械的信頼性及び電気的特性を更に向上させることができ
る。
【0038】実施例5.この実施例の電気化学的ガス圧
縮機は、図6に示すように、実施例5の電気化学的ガス
圧縮機の金属集電体7にプロトン導電性膜1の補強体4
0へ水分を補給する水分補給路41が設けられている。
【0039】従って、実施例5における水分の補給につ
いてのみ説明すると、水素イオンの移動に伴い、プロト
ン導電性膜1の陽極側の水は陰極側へ移動する。この
際、プロトン導電性膜1内の水の拡散が十分でないと、
プロトン導電性膜1の陽極側の表面が乾燥しがちであ
る。そこで、水分補給路41から水を補給すると、この
補給水は、補強体41に浸透する。浸透した水はプロト
ン導電性膜1の乾燥した陽極側表面を潤し、陽極である
ガス拡散電極2側の表面に達し、イオン導電性の低下を
防止して、実施例4の電気化学的ガス圧縮機の電気的特
性をより向上させることができる。
【0040】尚、この発明は、上記各実施例に何等制限
されるものではなく、例えば、積層するプロトン導電性
膜及びガス拡散電極の枚数を電気化学的ガス圧縮機の能
力に応じて適宜変更することができる。
【0041】
【発明の効果】第一の発明によれば、複数の単電池を一
体化したため、機械的な信頼性及び優れた電気的特性を
有すると共に、軽量且つコンパクトで大きな出力を得る
ことができる電気化学的ガス圧縮機を提供することがで
きる。
【0042】第二の発明によれば、第一の発明の電気化
学的ガス圧縮機のガス拡散電極に水分補給する水分補給
路を設けたため、より電気的特性が向上し、大流量の水
素ガスを圧縮することができる電気化学的ガス圧縮機を
提供することができる。
【0043】第三の発明によれば、各単電池間に位置す
るガス拡散電極に外部電気回路を接続し、各単電池にか
かる電圧を可変にしたため、各ガス拡散電極間に印加す
る電圧を適宜設定することによって各単電池毎の性能を
最大限に引き出した、効率のよいガス圧縮を実現するこ
とができる電気化学的ガス圧縮機を提供することができ
る。
【0044】第四の発明によれば、イオン導電性固体電
解質体に補強体を一体化したため、機械的な信頼性及び
優れた電気的特性を有すると共に、軽量且つコンパクト
で大きな出力を得ることができる電気化学的ガス圧縮機
を提供することができる。
【0045】第五の発明によれば、第四の発明の電気化
学的ガス圧縮機の補強体に水分を補給する水分補給路を
設けたため、より電気的特性が向上し、大流量の水素ガ
スを圧縮することができる電気化学的ガス圧縮機を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明の一実施例の電気化学的ガス圧縮機
を示す断面図である。
【図2】第二の発明の一実施例の電気化学的ガス圧縮機
を示す断面図である。
【図3】図2に示す電気化学的ガス圧縮機を分解して示
す斜視図である。
【図4】第三の発明の一実施例の電気化学的ガス圧縮機
の電気回路を示す図である。
【図5】第四の発明の一実施例の電気化学的ガス圧縮機
の要部を示す断面図である。
【図6】第五の発明の一実施例の電気化学的ガス圧縮機
を示す断面図である。
【図7】従来の電気化学的ガス圧縮機の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 プロトン導電性膜(イオン導電性固体電解質体) 2 下のガス拡散電極(陽極) 3 上のガス拡散電極(陰極) 8 ガス拡散電極 11 プロトン導電性膜(イオン導電性固体電解質体) 12 プロトン導電性膜(イオン導電性固体電解質体) 18 ガス拡散電極 20 水分補給路 21 水分補給路 30 電気回路 40 補強体 41 水分補給路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−7886(JP,A) 特開 平2−311302(JP,A) 特開 平5−21079(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 H01J 41/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン導電性固体電解質体の両側それぞ
    れに触媒を担持したガス拡散電極を配してなる電池に、
    イオン化可能なガスを投入し両ガス拡散電極に所定の電
    位を与えることにより、投入されたガスが一方のガス拡
    散電極上でイオン化して上記イオン導電性固体電解質体
    をイオンとして移動し、他方のガス拡散電極上でガスに
    戻ることにより、他方のガス拡散電極側で圧縮したガス
    を得ることができる電気化学的ガス圧縮機において、上
    記両ガス拡散電極間に、イオン導電性固体電解質体とガ
    ス拡散電極とを交互に複数積層して複数の単電池を一体
    構造にしたことを特徴とする電気化学的ガス圧縮機。
  2. 【請求項2】 上記各単電池間に位置するガス拡散電極
    に水分補給する水分補給路を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の電気化学的ガス圧縮機。
  3. 【請求項3】 上記各単電池間に位置するガス拡散電極
    に外部電気回路を接続し、各単電池にかかる電圧を可変
    にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気
    化学的ガス圧縮機。
  4. 【請求項4】 イオン導電性固体電解質体の両側それぞ
    れに触媒を担持したガス拡散電極を配してなる電池に、
    イオン化可能なガスを投入し両ガス拡散電極に所定の電
    位を与えることにより、投入されたガスが一方のガス拡
    散電極上でイオン化して上記イオン導電性固体電解質体
    をイオンとして移動し、他方のガス拡散電極上でガスに
    戻ることにより、他方のガス拡散電極側で圧縮したガス
    を得ることができる電気化学的ガス圧縮機において、上
    記イオン導電性固体電解質体に補強体を一体化して設け
    たことを特徴とする電気化学的ガス圧縮機。
  5. 【請求項5】 上記補強体に水分を補給する水分補給路
    を設けたことを特徴とする請求項4に記載の電気化学的
    ガス圧縮機。
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