JP3100998B2 - アーク蒸発源装置 - Google Patents

アーク蒸発源装置

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JP3100998B2
JP3100998B2 JP03125954A JP12595491A JP3100998B2 JP 3100998 B2 JP3100998 B2 JP 3100998B2 JP 03125954 A JP03125954 A JP 03125954A JP 12595491 A JP12595491 A JP 12595491A JP 3100998 B2 JP3100998 B2 JP 3100998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば工具鋼の表面
へのTiNなどの耐摩耗性皮膜のコーティングに使用され
るアークイオンプレーティング装置に備えられ、アーク
放電により陰極物質を蒸発させイオン化するアーク蒸発
源装置に関し、長時間運転した際、陰極蒸発面が消耗し
て後退し陰極点転移防止用のシールドの上縁部の高さ位
置よりも低くなることによるアーク放電の頻繁な消弧を
防止するようにした、アーク蒸発源装置に関するもので
ある
【0002】
【従来の技術】周知のように、アークイオンプレーティ
ング装置(真空アーク蒸着装置とも呼ばれている。)
は、真空チャンバ内にて、皮膜形成用金属からなる陰極
と真空チャンバ内壁間に、あるいは陰極と真空チャンバ
内に設けられた陽極間にアーク放電を発生させることに
より、陰極の蒸発面から陰極物質を蒸発かつイオン化
し、真空チャンバ内に配置され負のバイアス電圧を印加
した被蒸着物の表面にイオン化された陰極物質を蒸着さ
せるようにしたものである。このアークイオンプレーテ
ィング装置には、上面が蒸発面とされる陰極と、アーク
放電が消弧したときこれを再点弧するためのトリガ電極
と、シールドとを有し、アーク放電により陰極の蒸発面
から陰極物質を蒸発させイオン化するアーク蒸発源装置
が備えられている。シールドは、アーク放電によって陰
極の蒸発面に陰極物質の激しい蒸発・イオン化を伴いな
がらランダムに動き回るように形成される陰極点を、そ
の蒸発面に維持し陰極の側面などへの転移を防止するた
めのものである。
【0003】図3は、アークイオンプレーティング装置
に備えられた従来のアーク蒸発源装置の断面構成説明図
である。同図において、71は真空チャンバであり、真空
チャンバ71には、軸線Aを有し、小径部上に大径部が形
成された段差を有する円柱状の陰極支持通電導体72が真
空チャンバ71内部に突出した状態でセラミック絶縁体73
を介して取り付けられている。この陰極支持通電導体72
上に、円板形の陰極74がその軸線(中心線)を軸線Aに
一致させて載置されるようになっている。なお、陰極支
持通電導体72は、図示しない直流アーク電源の負極端子
に接続されるようになっている。
【0004】陰極74は皮膜形成用の金属材料からなり、
その上面が蒸発面741 とされるものである。75は、その
軸線を陰極74の軸線Aに一致させた状態で陰極74の側面
を2〜3mm程度の間隙Gをあけて取り囲むようにした円
筒状のシールドであり、このシールド75は絶縁体76を介
して真空チャンバ71に固定されている。
【0005】上記シールド75は、その上縁部75u が陰極
74の装置運転開始後に蒸発面741 とされる上面と同じ高
さ位置になるように設定されている。これは、アークイ
オンプレーティング時において、シールド75の上縁部75
u が蒸発面741 より高い位置にある場合には、蒸発され
た陰極物質がシールド75に付着して間隙Gを埋め、陰極
点のシールド75への転移が起こるからである。また、上
縁部75u が蒸発面741よりも低い位置にある場合には、
シールド75によって囲まれていない陰極74の側面部分に
陰極点が形成されてこの部分で陰極物質の蒸発が起こ
り、その結果、陰極物質が間隙Gを埋め、やはり陰極点
がシールド75に転移することになるからである。
【0006】77は、陰極74と真空チャンバ71内壁間に、
あるいは陰極74とその上方に設けられた陽極間にアーク
放電を起こすための点弧用のトリガ電極であり、絶縁体
78を介して真空チャンバ71に固定されている。トリガ電
極77は直流アーク電源(図示省略)の点弧回路に接続さ
れるものであり、アーク放電は、まずトリガ電極77によ
って点弧され主放電に移行され、装置運転中に消弧した
ときにはこのトリガ電極77によって再点弧されるように
なっている。このように従来のアーク蒸発源装置は、前
記の陰極支持通電導体72、セラミック絶縁体73、陰極7
4、シールド75、絶縁体76及びトリガ電極77により構成
されている。
【0007】上記のように構成されるアーク蒸発源装置
を備えたアークイオンプレーティング装置では、陰極支
持通電導体72と真空チャンバ71内壁間に、あるいは陰極
支持通電導体72と真空チャンバ71内に設けられた陽極間
に、直流アーク電源から直流電圧を印加すると、陰極74
と真空チャンバ71内壁間に、あるいは陰極74とその上方
に設けられた陽極間にアーク放電が発生する。これによ
り、真空チャンバ71内に配置され負のバイアス電圧が印
加された被蒸着物(図示省略)の表面に、陰極74の蒸発
面741 から蒸発・イオン化された陰極物質を蒸着させる
ようにしている。
【0008】そして、アーク蒸発源装置の運転を長時間
行うと、陰極の消耗の様子を示す図の図4に示すよう
に、陰極74の蒸発面741 は、消耗して凹状に後退し、底
部と壁部を有する形状となり、蒸発面741 の壁部上面74
1aはその高さ位置がシールド75の上縁部75u よりも図4
に示す寸法Dだけ低くなる。
【0009】このため、蒸発された陰極物質がシールド
75の上縁部75u 付近の内面に付着して間隙Gを埋め、こ
れによってシールド75と陰極74とが短絡され、陰極点が
シールド75に転移するようになる。そして、陰極点がシ
ールド75に転移したとき、間隙Gを埋めていた陰極物質
がアークによって溶融蒸発され、シールド75と陰極74間
の短絡が開放されることにより、アーク放電の消弧(ア
ーク切れ)が間欠的に頻繁に発生するようになる。な
お、アークが消弧すると、直ちにトリガ電極77が作動し
て、再びアーク放電が行われるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の
ーク蒸発源装置では、長時間にわたって運転を行うと
陰極が消耗してその蒸発面が後退することにより、アー
ク放電の一時的な消弧の回数が極端に多くなってアーク
放電が不安定になる。このため、アーク放電の一時的な
中断により生産性や被蒸着物の品質の低下を招くととも
に、陰極点の転移によるアーク消弧の原因であるシール
ド上縁部と後退した陰極蒸発面との高さ位置の差をなく
すために、まだ使用可能な陰極を新しいものに代えるこ
とになり、陰極の利用効率が悪いという問題があった。
【0011】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであって、長時間運転により陰極が消耗し
てその蒸発面が後退したことを自動的に検知し、頻繁な
アーク消弧(アーク切れ)を発生させないようにシール
ド上縁部と後退した陰極蒸発面との高さ位置の差を小さ
くするようにした手段を設けることにより、頻繁なアー
ク消弧をおこすことなく安定したアーク放電を長時間に
わたって維持することができるアーク蒸発源装置の提供
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、真空チャンバ内にて蒸発面からそ
の構成物質をアーク放電により蒸発させイオン化するた
めの陰極と、前記アーク放電が消弧したときこれを再点
弧するためのトリガ電極と、筒状をなし、前記陰極の軸
線とその軸線を一致させて陰極の側面を間隔を隔てて取
り囲み、その上縁部が前記陰極の蒸発面とされる上面と
略同じ高さ位置になるように真空チャンバ内に設けられ
たシールドとを有するアーク蒸発源装置において、前記
アーク放電のあらかじめ定められた時間当たりの消弧回
数を検出し、検出した前記消弧回数があらかじめ定めら
れた設定回数になったときに陰極蒸発面後退検知信号を
出力するアーク消弧回数検出装置と、前記陰極蒸発面後
退検知信号に基づいて前記陰極と前記シールドの少なく
ともいずれか一方を、その軸線方向における前記陰極の
蒸発面と前記シールドの上縁部との高さ位置の差が小さ
くなる方向に、あらかじめ定められた距離移動させる移
動機構とを設けている。
【0013】
【作用】図2は、Tiからなる陰極を用いてアーク電流10
0 アンペアの標準条件において、アークイオンプレーテ
ィング装置(従来のアーク蒸発源装置を備えたもの)
よる蒸着処理開始後の運転時間と1時間当たりのアーク
消弧回数との関係の一例を示す図である。この図は、蒸
着処理開始後、17時間から18時間までの期間になると、
この期間のアーク消弧回数(回/時間)が30回以上とそ
れ以前の期間に比べ極端に多くなることを示している。
この場合、実験結果によると、陰極の蒸発面における壁
部上面とシールド上縁部との高さ位置の差D(図4参
照)は、約0.5 〜1mmである。
【0014】また、図2は、この極端にアーク消弧回数
が増加する前の装置運転時間が16時間から17時間までの
期間では、アーク消弧回数が5〜10回程度となってそれ
以前に比べ増加するという傾向があることを示してい
る。
【0015】この発明は、上記のことを利用したもので
ある。この発明によるアーク蒸発源装置では、運転が開
始されると、アーク消弧回数検出装置によって、あらか
じめ定められた時間当たりにおけるアーク放電の一時的
な消弧の回数が検出され、消弧回数があらかじめ定め
られた設定回数になったときに陰極蒸発面後退検知信号
が移動機構に与えられる。これを受けて移動機構が作動
することにより、陰極とシールドの少なくともいずれか
一方が、その軸線方向における陰極の蒸発面とシールド
の上縁部との高さ位置の差が小さくなる方向に、あらか
じめ定められた距離移動される。これにより、シールド
上縁部と陰極の後退した蒸発面との高さ位置の差が小さ
くされ、アークの頻繁な消弧が防止される。なお、上記
図2においては、運転開始後16〜17時間の間でそれ以前
に比べアーク消弧回数が増加する例を挙げたが、陰極物
質、アーク電流の条件などによってこのような傾向が生
じるまでの時間は異なるものの、他の場合においても同
様の傾向を示すものである。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明を説明す
る。図1は、この発明の一実施例による、アークイオン
プレーティング装置に備えられたアーク蒸発源装置の構
成説明図である。
【0017】図1において、31は真空チャンバであり、
真空チャンバ31は、チャンバ本体31aと、チャンバ本体
31aに絶縁フランジ31bを介して固定されたチャンバ側
面部材31cとにより気密な室が形成され、その内部が真
空引きされるようになっている。チャンバ側面部材31c
には、図に示すように、後述する回転進退軸1が真空チ
ャンバ31内に出入り可能なようにチャンバ貫通孔が設け
られており、このチャンバ側面部材31cのチャンバ貫通
孔の部位の外面に、雌ネジ部が形成された貫通孔を有す
る導電性を備えた環状の支持板2が固定されている。
【0018】上記回転進退軸1は、導電性を備え、円柱
状をなし、外周面の一部に上記支持板の貫通孔の雌ネ
ジ部に螺合する雄ネジ部が形成されており、支持板
貫通孔の雌ネジ部にその雄ネジ部が螺合された状態で支
持され、その先端部を真空チャンバ31の内部に突出させ
て設けられている。回転進退軸1とチャンバ側面部材31
cとの間にはシール部材3が設けられ、回転進退軸1が
真空チャンバ31内に出入りしても真空チャンバ31内の気
密が保持されるようになっている。
【0019】図示しない直流アーク電源の負極端子に接
続される上記の回転進退軸1の先端部には、その軸線を
回転進退軸1の軸線Aに一致させた状態で導電性を有す
る陰極支持通電導体4が固定されており、この陰極支持
通電導体4上に、皮膜形成用の金属材料からなり、その
上面が蒸発面51とされる円板形の陰極5がその軸線を軸
線Aに一致させて載置されている。
【0020】そして、チャンバ側面部材31cには、陰極
5の軸線Aとその軸線を一致させた状態で陰極5及び陰
極支持通電導体4の側面を取り囲むようにした円筒形の
側面部シールド6aが、絶縁体7を介して固定されてい
る。この側面部シールド6aの上周縁には、陰極5の側面
を約0.5 mm程度の間隔Gを隔てて取り囲むように上周縁
から内方に突出した円環状の上端シールド6bが固定され
おり、側面部シールド6a及び上端シールド6bによりシー
ルド6が構成されている。8はアーク放電を起こすため
の点弧用のトリガ電極であり、トリガ電極8は、チャン
バ側面部材31cに絶縁された状態で取り付けられるとと
もに、直流アーク電源(図示省略)の点弧回路に接続さ
れるようになっている。
【0021】9は、真空チャンバ31の外部に設けられた
固定台に取り付けられた陰極進退用のモータであり、こ
の陰極進退用モータ9の減速機軸に、モータ9との絶縁
が施された歯車10が取り付けられている。陰極進退用モ
ータ9によってこの歯車10が回転されることにより、上
記の回転進退軸1が回転されて陰極5が低速度でもって
回転しながら図における上下方向に進退されるようにな
っている。
【0022】11はアーク消弧電圧検出回路であって、チ
ャンバ本体31aと支持板2間の電圧が入力され、蒸着処
理中にアーク放電が消弧するとその電圧がアーク放電中
の電圧約18ボルトに比べ約60ボルトと急増することを検
出し、このことを示すアーク消弧パルスをカウンタ12に
与えるものである。カウンタ12は、この実施例では、蒸
着処理開始後の1時間当たりにおける前記アーク消弧パ
ルス数を計数し、その計数値が消弧回数設定器13によっ
てあらかじめ設定されている設定消弧回数Nになると、
陰極蒸発面後退検知信号Sをモータ制御回路14に与える
ものである。アーク消弧電圧検出回路11、カウンタ12及
び消弧回数設定器13は、アーク消弧回数検出装置15を構
成している。
【0023】モータ制御回路14は、上記の陰極進退用モ
ータ9を駆動制御して回転進退軸1及び陰極支持通電導
体4を介して陰極5を図における上下方向に進退させる
ための回路である。モータ制御回路14は、上記アーク消
弧回数検出装置15から陰極蒸発面後退検知信号Sが与え
られると、この実施例では前進距離設定器16によってあ
らかじめ設定されている設定前進距離dだけ陰極5を前
進させるように陰極進退用モータ9を制御するようにな
っている。17は手動操作にて陰極進退用モータ9を駆動
するための手動操作器である。
【0024】上記回転進退軸1、支持板2、シール部材
3、陰極支持通電導体4、陰極進退用モータ9、歯車1
0、モータ制御回路14と前進距離設定器16及び手動操作
器17は、移動機構としての陰極移動機構18を構成してい
る。なお、この実施例では、チャンバ本体31aの所定部
位の内壁と陰極5間にアーク放電を発生させ、真空チャ
ンバ31内の陰極5の上方に配置され負のバイアス電圧が
印加された図示しない被蒸着物の表面に蒸発・イオン化
された陰極物質を蒸着させるようにしている。
【0025】上記構成になるアーク蒸発源装置を備えた
アークイオンプレーティング装置の動作を図1を参照し
ながら以下に説明する。まず、装置運転開始に先立ち、
陰極進退用モータ9を駆動して、陰極5の蒸発面51とさ
れる上面がシールド6の上縁部6bu と同じ高さ位置にな
るように位置決めしておく。また、この実施例では、消
弧回数設定器13によって設定される設定消弧回数NをN
=10に設定するとともに、前進距離設定器16により設定
される設定前進距離dをd=0.1 mmに設定しておく。次
いで運転を開始してアーク放電を発生させ、陰極5の蒸
発面51からその皮膜形成用金属を蒸発と同時にイオン化
し、被蒸着物の表面にイオン化された陰極物質を蒸着さ
せて行く。
【0026】運転が開始されその運転時間の経過にとも
なって陰極5の蒸発面51は消耗して凹状に後退し、蒸発
面51の壁部上面の高さ位置がシールド6の上縁部6bu よ
りも低くなることによって、アーク放電の消弧回数が多
くなってくる。そして、1時間当たりの消弧回数が設定
消弧回数N=10になると、モータ制御回路14にカウンタ
12から陰極蒸発面後退検知信号Sが入力される。
【0027】これにより、陰極進退用モータ9が駆動さ
れ、陰極5がこの実施例ではd=0.1 mm前進されて、シ
ールド上縁部6bu と蒸発面51の壁部上面との高さ位置の
差が小さくされる。このような制御が装置運転中に繰り
返し行われる結果、長時間運転により陰極5の蒸発面51
が後退しても、1時間当たり消弧回数が30回以上となる
ようなアーク放電の頻繁な消弧が発生する前に、シール
ド上縁部6bu と陰極蒸発面51における壁部上面との高さ
位置の差が小さくなるように自動的に調整されるので、
陰極5の寿命に至るまで頻繁なアーク消弧をおこすこと
なく安定したアーク放電が維持される。また、作業者に
よるアーク放電状態の監視作業が不要になり、この発明
によるアーク蒸発源装置を備えたアークイオンプレーテ
ィング装置によれば無人化された連続運転を実現するこ
とができる。
【0028】なお、移動機構としては、上記実施例で
は、陰極蒸発面後退検知信号Sに基づいてシールド上縁
部6bu と陰極蒸発面51における壁部上面との高さ位置の
差が小さくなるように陰極5を前進させるようにした陰
極移動機構18について例示したが、当然ながら、陰極蒸
発面後退検知信号Sに基づいてシールド6をその軸線方
向に後退させるようにしたもの、あるいは、陰極5及び
シールド6の両者を上記高さ位置の差が小さくなるよう
に移動させるように構成してもよい。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によるアー
ク蒸発源装置によると、アーク放電のあらかじめ定めら
れた時間当たりの消弧回数を検出し、検出した消弧回数
があらかじめ定められた設定回数になったときに陰極蒸
発面後退検知信号を出力するアーク消弧回数検出装置
と、上記陰極蒸発面後退検知信号に基づいて陰極とシー
ルドの少なくともいずれか一方を、その軸線方向におけ
る陰極の蒸発面とシールドの上縁部との高さ位置の差が
小さくなる方向に、あらかじめ定められた距離移動させ
る移動機構とを備えたものであるから、長時間運転によ
り陰極が消耗しその蒸発面が後退しても、アーク放電が
消弧する原因となるシールド上縁部と陰極蒸発面との高
さ位置の差が小さくなるように自動的に調整されるの
で、頻繁なアーク消弧をおこすことなく安定したアーク
放電が維持される。
【0030】これにより、この発明によるアーク蒸発源
装置を備えたアークイオンプレーティング装置によれ
ば、頻繁なアーク消弧をおこすことなく安定したアーク
放電を維持でき、アーク放電の頻繁な消弧による生産性
の低下や被蒸着物品質の低下を解消することができると
ともに、蒸発面が後退しただけのまだ使用可能な陰極を
新しいものに交換することなく、陰極をその寿命まで使
用することが可能となり、陰極の利用効率を高めること
ができる。さらに、作業者によるアーク放電状態の監視
作業が不要になり、無人化された連続運転を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による、アークイオンプレ
ーティング装置に備えられたアーク蒸発源装置の構成説
明図である。
【図2】アークイオンプレーティング装置(従来のアー
ク蒸発源装置を備えたもの)による蒸着処理開始後の運
転時間と1時間当たりのアーク消弧回数との関係の一例
を示す図である。
【図3】アークイオンプレーティング装置に備えられた
従来のアーク蒸発源装置の断面構成説明図である。
【図4】陰極の消耗の様子を示す図である。
【符号の説明】
31…真空チャンバ 31a…チャンバ本体 31b…絶縁フ
ランジ 31c…チャンバ側面部材 1…回転進退軸 2
…支持板 3…シール部材 4…陰極支持通電導体 5
…陰極 51…蒸発面 6…シールド 6a…側面部シール
ド 6b…上端シールド 6bu …上縁部 7…絶縁体 8
…トリガ電極 9…陰極進退用モータ10…歯車 11…ア
ーク消弧電圧検出回路 12…カウンタ 13…消弧回数設
定器14…モータ制御回路 15…アーク消弧回数検出装置
16…前進距離設定器 18…陰極移動機構 A…軸線
G…間隔 S…陰極蒸発面後退検知信号
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01J 27/08 H01J 37/08 H01J 37/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内にて蒸発面からその構成
    物質をアーク放電により蒸発させイオン化するための
    極と、前記アーク放電が消弧したときこれを再点弧する
    ためのトリガ電極と、筒状をなし、前記陰極の軸線とそ
    の軸線を一致させて陰極の側面を間隔を隔てて取り囲
    み、その上縁部が前記陰極の蒸発面とされる上面と略同
    じ高さ位置になるように真空チャンバ内に設けられたシ
    ールドとを有するアーク蒸発源装置において、前記アー
    ク放電のあらかじめ定められた時間当たりの消弧回数を
    検出し、検出した前記消弧回数があらかじめ定められた
    設定回数になったときに陰極蒸発面後退検知信号を出力
    するアーク消弧回数検出装置と、前記陰極蒸発面後退検
    知信号に基づいて前記陰極と前記シールドの少なくとも
    いずれか一方を、その軸線方向における前記陰極の蒸発
    面と前記シールドの上縁部との高さ位置の差が小さくな
    る方向に、あらかじめ定められた距離移動させる移動機
    構とを備えたことを特徴とするアーク蒸発源装置
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