JP3100499U - 樹脂成形容器 - Google Patents

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林  義彦
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株式会社三栄工業
宮都テクノ株式会社
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Abstract

【課題】 蓋と身を一体成形した樹脂製容器を蓋と身を重ねて嵌合させたとき折り曲げ部の両端部に形成される角によって人体が勢いよく接触した場合に切り傷の生じる恐れがあった。この問題の解決。
【解決手段】 蓋と身を一体成形した容器において、閉蓋時に密着する蓋外縁平坦部と身外縁平坦部との連結部に蓋を折り曲げ易くする凹部を形成し、該折り曲げ凹部の両端部に蓋と身の外縁線に接続する先端が円弧のほぼV形の切り込みを前記先端の円弧を前記折り曲げ凹部の折り曲げ線より身側又は蓋側のどちらかの側に寄せて形成してなり、どちらかの外縁線の接続部の円弧と折り曲げ線とが接線状に接続され、閉蓋時に折り曲げ部両端に角が形成されないようになしたものである。
【選択図】    図5

Description

 本考案はコンビニエンスストア,スーパーマーケット,百貨店等で販売される惣菜,菓子類の容器に関するもので、特に蓋付容器の樹脂成形品に係る。
 市販品の樹脂成形の蓋付容器は、図1に示すように一般に身31と蓋32が連続した形で一体成形されている。そして閉蓋時の折り曲げ部となる身31と蓋32との間の連結部33に凹部34がほぼ深さ一様に形成されており、連結部33に折り曲げ易いように形成された折り曲げ線36の両端はカットラインの円弧35の中心に位置し、この円弧35が身31と蓋32のそれぞれの外縁線31a,32aに接続する形状を有している。
 また、特許文献1のものは、図3に示すように身41と蓋42が連結部43により一体成形されている。身41と蓋42とを合わせて嵌合させたとき連結部43の凹部45のほぼ中央位置で折り曲がり易いように一般には折り曲げ線44が形成されている。そして、この折り曲げ線44の両端には身41の平坦外縁部41a、蓋42の平坦外縁部42aのそれぞれの外縁線41b,42bとの交わる位置を尖鋭角の細長いほぼV形46で先端が折り曲げ線44に合うように深く切り込まれている。〔例えば、特許文献1参照〕
実用新案登録第3094756号
 一般の市販品の蓋付容器は身31と蓋32の連結部33の折り曲げ線36の両端が円弧35の切り込みとなっている。そして、円弧の中心と凹部34の折り曲げ線36とがほぼ一致するように形成されているため、閉蓋時には図2に示すように折り曲げた連結部33の折り曲げ線36の端は段がつき、折り曲げ線で角37が立つ状態となる。
 容器のシートの厚みは薄く且つ相当な硬さを有しているので、不用意に手などが勢い良く接触すると切り傷が発生するという危険がある。
 また、特許文献1の蓋付容器は、V形46を尖鋭角としてその先端が折り曲げ線44に一致するように切り込まれているので、折り曲げて身41に蓋42を重ねて嵌合させたとき、図4に示すように折り曲げ位置の接続点47で角ができず滑らかな線となる。
 しかし、V形46が細長い尖鋭角であるため、成形時の型の寿命が短くなり、型代が高くなる。さらにV先端が尖鋭であるため、その部から裂け且つ裂け目で怪我をするという問題が生じた。
 本考案は従来のこのような問題点に鑑みなされたものであって、目的とするところは蓋・身一体の成形容器の折り曲げ端部に鋭利な角度を形成せず、型の寿命が延び製品に裂け目の入らない樹脂成形容器を提供しようとするものである。
 上述のようであるので請求項1の考案は、蓋と身を一体成形した容器において、閉蓋時に密着する蓋外縁平坦部と身外縁平坦部との連結部に蓋を折り曲げ易くする折り曲げ凹部を形成し、該折り曲げ凹部の両端部に蓋と身の外縁線に接続する先端が円弧のほぼV形の切り込みを前記先端の円弧を前記折り曲げ凹部の折り曲げ線より身側又は蓋側のどちらかの側に寄せて形成してなり、閉蓋時に蓋外縁線又は身外縁線と折り曲げ線とが滑らかに接続され折り曲げ部両端に角が形成されないようになしたものである。
 請求項1の考案によれば、蓋と身の連結部の折り曲げ線両端の切り込みを、先端を円弧とするほぼV形とし円弧部を折り曲げ線のどちらかの側に寄せたので、閉蓋時の折り曲げ部外縁と蓋・身の外縁線との接続線が滑らかになり鋭利な角部が形成されない。
 請求項2の考案は、前記折り曲げ凹部の折り曲げ線位置を薄肉としたものである。
 請求項2の考案によれば、連結部の折り曲げ線位置を薄肉となしたので、薄肉折り曲げ線と身と蓋の嵌合によって折り曲げ線位置が正確に決められてV形切り込みの山の円弧部分が折り曲げ線に対しどちらかの側に確実に偏位させることができる。
 請求項3の考案は、前記折り曲げ凹部の折り曲げ線位置にミシン目を形成したものである。
 請求項3の考案によれば、折り曲げ線位置にミシン目を形成したので、請求項2と同様に規定位置で確実に折り曲げることができ、切込部のV形先端の円弧を折り曲げ線に対しどちらかの側に確実に偏位させることができる。
 請求項4の考案は、前記先端の円弧の半径は0.5乃至10mmとするものである。
 請求項4の考案によれば、切り込みV形の先端の円弧半径は少量収納用の小形パックから大量収納用の大形パックまで対応ができる。
 請求項5の考案は、前記凹部の両端部において深さが端に向かって次第に浅くなる傾斜面となしたものである。
 請求項5の考案によれば、折り曲げ部の凹部両端が外方に次第に深さが浅くなる傾斜面であるので、閉蓋時折り曲げたときの蓋・身の外縁線と連結部の端の凹部の開口部が塞がり、この開口部でのひっかかりがなくなる。
 請求項6の考案は、折り曲げ線位置がV形先端の円弧に接線に近い状態で接続されるものである。
 請求項6の考案によれば、V形先端の円弧に折り曲げ線が接線状に接続されるので、先端円弧は確実に折り曲げ線より身側または蓋側に寄せることができ、接続は滑らかとなる。
 本考案は次のような効果を奏する。
 請求項1の考案は、折り曲げる連結部の折り曲げ線の両端の切り込み先端を円弧とするほぼV形として、円弧部を折り曲げ線のどちらかの側に寄せたので、蓋・身を重ねて嵌合した場合円弧の全域が身側又は蓋側に入り連結部の折り曲げ線の両端に角が形成されず滑らかな線となり、人体が不用意に勢いよく接触しても切り傷が生じる恐れがなく安全である。
 そして、連結部の切込み型の先端が先鋭部でなく円弧となしたので型の寿命が長くなり、切り込み先端に裂け目が生じない。
 請求項2の考案は、折り曲げ線位置が薄肉となっているので、折り曲げ位置が常に安定して正確である。このため身と蓋を嵌合させたとき切り込み部の円弧の全域が確実に折り曲げ線より所定量確実に円弧の形で身側又は蓋側に偏位させることができ、折り曲げ線端の角でのひっかかりが生じない。
 請求項3の考案は、折り曲げ線位置にミシン目を形成したので、容器に特に薄肉シートを使用した場合折り曲げ線をさらに薄肉に形成し難い難点が解消でき、請求項2と同様の効果がある。
 請求項4の考案は、円弧の半径を0.5乃至10mmとなしたので、大形・小形パックに対応して最適の円弧を選択することができる。
 請求項5の考案は、連結部の凹部両端部が端に向かって次第に深さが浅い傾斜面となっているの折り曲げが容易で身に蓋を折り曲げ重ねたとき、連結部の凹部端の開口部がなくなり、人体の不用意な勢いのある接触でも切り傷を生じる恐れがない。
 請求項6の考案は、折り曲げ線位置がV形先端の円弧に接線に近い状態で接続されるので、先端の円弧部の全域が確実に折り曲げ線に対して身側又は蓋側に寄り接続は滑らかとなり、手に傷を生じさせる恐れがなくなる。
 蓋・身一体成形の樹脂製容器を展開した平面図の図5、閉蓋時の平面図の図6、図5のA−A線断面図の図7、図5のB−B矢視図の図8にもとづき説明する。
 容器の身1と蓋2とを連結部3で一体成形されている。この連結部3は蓋2を折り曲げ易くするために、折り曲げ線(折り曲げ線となる位置を含む)4をほぼ中心として凹部が形成されている。
 身1には惣菜・菓子類を収容する深い凹部1cが形成されており、凹部1cの上端部に凹部1cを取り囲む嵌合壁1dが立ち上げられている。一方、蓋2には凹部1cに対応する少し浅い凹部2eが形成され、その周囲に身1の嵌合壁1dに嵌合する壁面2dを有する堤2cが形成されている。
 そして、凹部(溝)5の両端部は、身1の平坦外縁部1aの外縁線1bと蓋2の平坦外縁部2aの外縁線2bとの交わる位置に向けて先端を円弧としたほぼV形6で凹部5に深く切り込まれている。そして、V形6の先端の円弧7は折り曲げ線4より図では蓋2側に依って位置している。即ち、折り曲げ線4は円弧7に対して接線に近い状態の位置関係をとる。
 さらに、本考案の特徴を明白にするために連結部近傍の外縁線(カットライン)を従来の図1の場合の図9と、本考案の図5の場合の図10とを対比すると、図9では切り込み部の先端Rのほぼ中心に折り曲げ線36が通るようにカットラインが形成される。図10では身のカットライン1bが折り曲げ線4に滑らかに接続するように円弧部7と接線状に形成されている。このように形成することにより、折り曲げて蓋と身を嵌合させたとき蓋2の切込部のカットライン2b及び円弧7は身1のカットライン1bの内側に入り、切欠き先端の円弧部の全域が内側に入る状態となる。
 このように成形または後で切り込まれた容器は、蓋2を折り曲げて身の嵌合壁1dに蓋2の堤2cの壁面2dを嵌合させる。この嵌合によって身1と蓋2とは一体となり折り曲げ線4の位置が安定したものとなる。従って、円弧7が折り曲げ線4に掛からない。
 切り込みのV形先端のRは型の耐久性を考慮して小径は0.5mmRで外縁部の平均部が広くなり商品形成が困難になること及び外観を考慮して大径は10mmRとするのが良い。
 なお、好ましい値は1mmR乃至3mmRである。
 いままでの説明では切欠き部の円弧7が蓋2側に寄せたもので説明したが、円弧7を身1側に寄せたものを図11,図12に示した。このものは図5,図6に対応するものであり、他の点は同じであるので同符号を付して説明を省略する。
 折り曲げられたとき身1の外縁線1bに対し蓋2の外縁線2bは図10に示すように円弧分内側へ確実に入った位置となる。従って円弧部は完全に身1側に位置するために接続点には角ができず滑らかな線で接続される。
 なお身1と蓋2との連結部3は折り曲げ線4に沿って折り曲げ易いように形成されている凹部5の両端部5aは底面が端に向かって次第に浅くなる傾斜面に形成されている。
 そして、身1の外縁線1aと蓋2の外縁線2aとの交わる位置において深さが零に形成されることが理想である。
従来の身・蓋一体成形容器の展開平面図である。 図1の身と蓋とを重ねて嵌合したときの平面図である。 他の従来の身・蓋とを一体形成容器の展開平面図である。 図3の身と蓋とを重ねて嵌合したときの平面図である。 V形切込みを蓋側に寄せた一体成形容器の展開平面図である。 図5の身と蓋とを重ねて嵌合したときの平面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線矢視図である。 図1の身と蓋とを重ねて嵌合したときの外縁線(カットライン)と折り曲げ線との関係を示す部である。 図5の身と蓋とを重ねて嵌合したときの外縁線(カットライン)と折り曲げ線との関係を示す部である。 V形切り込みを身側に寄せた一体成形容器の展開図である。 図11の身と蓋とを重ねて嵌合したときの平面図である。
符号の説明
     1 身     2 蓋
     3 連結部   4 折り曲げ線
     5 凹部    6 V形
     7 円弧

Claims (6)

  1.  蓋と身を一体成形した容器において、閉蓋時に密着する蓋外縁平坦部と身外縁平坦部との連結部に蓋を折り曲げ易くする折り曲げ凹部を形成し、該折り曲げ凹部の両端部に蓋と身の外縁線に接続する先端が円弧のほぼV形の切り込みを前記先端の円弧を前記折り曲げ凹部の折り曲げ線より身側又は蓋側のどちらかの側に寄せて形成してなり、閉蓋時に蓋外縁線又は身外縁線と折り曲げ線とが滑らかに接続され折り曲げ部両端に角が形成されないようになしたことを特徴とする樹脂成形容器。
  2.  前記折り曲げ凹部の折り曲げ線位置を薄肉とした請求項1に記載の樹脂成形容器。
  3.  前記折り曲げ凹部の折り曲げ線位置にミシン目を形成した請求項1に記載の樹脂成形容器。
  4.  前記先端の円弧の半径は0.5乃至10mmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂成形容器。
  5.  前記凹部の両端部において深さが端に向かって次第に浅くなる傾斜面となした請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂成形容器。
  6. 折り曲げ線位置がV形先端の円弧に接線に近い状態で接続されるものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂成形容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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