JP3100485B2 - 着色ペーストとカラーフィルター - Google Patents

着色ペーストとカラーフィルター

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JP3100485B2
JP3100485B2 JP33141292A JP33141292A JP3100485B2 JP 3100485 B2 JP3100485 B2 JP 3100485B2 JP 33141292 A JP33141292 A JP 33141292A JP 33141292 A JP33141292 A JP 33141292A JP 3100485 B2 JP3100485 B2 JP 3100485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルターの製
造に適用される着色ペーストとカラーフィルターに係
り、特に、透明性と彩度が高く明瞭で鮮やかな色彩表現
が可能な着色ペーストとカラーフィルターの改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種のカラーフィルターは、ガラス等
の透明基板と、この透明基板上の画素部位に設けられそ
の透過光を画素毎に着色する青色、緑色、及び、赤色の
各色別の透明着色パターンとでその主要部が構成されて
おり、上記透明着色パターンはそれぞれの色に対応する
色彩の顔料が含まれたカラーレジストにより形成されて
いる。そして、このカラーレジストは、感光性化合物等
から成るフォトレジストとこれに混合された着色ペース
トとでその主要部が構成され、このカラーレジストを透
明基板上に一様に塗布し、かつ、選択的に露光、現像し
て上記各色別の透明着色パターンが形成されているもの
である。
【0003】ところで、特公平4−37987号公報に
おいては、上記カラーレジストにおける顔料に関する要
件として粒径1μm以上の粒子が全粒子の10重量%以
下で粒径0.01μm〜0.7μmの粒子が全粒子の3
0重量%以上であるような粒径分布を有することとし、
かつ、形成後の塗膜に関する要件として可視領域の分光
特性曲線における光吸収領域の光透過率が20%以下、
光透過領域の光透過率が50%以上にすることにより特
性の優れたカラーフィルターが製造できるとしており、
また、特公平4−39041号公報においては、上記顔
料に関する要件として粒径1μm以上の粒子が全粒子の
10重量%以下で粒径0.01μm〜0.3μmの粒子
が全粒子の60重量%以上であるような粒径分布を有す
ることとし、かつ、形成後の塗膜に関する要件として上
記と同様に可視領域の分光特性曲線における光吸収領域
の光透過率が20%以下、光透過領域の光透過率が50
%以上にすることにより優れたカラーフィルターが製造
できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平4
−37987号公報、及び、特公平4−39041号公
報に記載された発明においてはその透過率が考慮されて
いるに過ぎず、彩度については全く考慮がなされていな
いため、色鮮やかなカラー表現ができない場合があると
いう問題点を有していた。
【0005】すなわち、上記各発明においては形成後の
塗膜に関し可視領域の分光特性曲線における光吸収領域
の光透過率が20%以下、光透過領域の光透過率が50
%以上であることが条件となっているが、このような条
件ではカラーフィルターに必要な彩度が実現されない場
合がある。例えば、NTSC規格ではxy座標系におけ
る色の三原色が決められており、この三原色の座標に近
くなるようにカラーフィルターの色が調整されている。
しかし、上記各発明においては透過率範囲しか規定して
いるに過ぎず、単に透過率範囲を規定しただけでは彩度
に優れたカラーフィルターを製造することができない。
彩度に優れたカラーフィルターを製造するには透過率範
囲よりも透過スペクトルの形状を検討する必要がある。
【0006】他方、粒径分布についても上記各発明にお
いては最大粒径が1μm以上となっているが、一般に可
視波長よりも大きな粒径(700nm)をもつ粒子が混
入すると透過率が低下し、彩度も低下してしまう。これ
は透過率が大きく、彩度も高いカラーフィルターの要求
に反するものである。従って、最大粒径の範囲について
検討することを要する。
【0007】また、顔料の着色力は顔料の粒径に依存
し、顔料の粒径が小さくなるにつれて着色力は大きくな
るが、ある程度以上小さくなると逆に着色力は小さくな
る。一方、透過率は顔料の粒径が小さくなるほど大きく
なる。また、上記着色力、透過率は顔料の色によってそ
の粒径の依存性が異なる。
【0008】従って、なるべく彩度が高く、透過率が大
きいカラーフィルターを少量の顔料で実現しようとする
場合、顔料の粒径によってその最適範囲が存在すること
が考えられる。にも拘らず上記各発明においてはかかる
要件に関する解明が全くなされていない。
【0009】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたものであって、その課題とするところは、透明性と
彩度に優れた着色ペーストとカラーフィルターを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような技術的背景の
下、本発明者は透明性と彩度に優れた着色ペーストとカ
ラーフィルターを提供するため、各色別の顔料について
以下に述べるようにその最大粒径の範囲、最適な平均粒
径の範囲、及び、透過スペクトルの形状等を分析し本発
明を完成するに至ったものである。
【0011】まず、カラーフィルターにおける彩度は、
その色彩に応じて顔料中に含まれる最大粒径と顔料の平
均粒径に依存する傾向があり、可視波長より大きな粒径
を持つ顔料が混入すると透過率が低下すると共にその彩
度が低下する。そして、高い彩度のカラーフィルターを
得るためには、顔料中に含まれる粒子の最大粒径は一定
の大きさ(1μm)以下のものでなければならず、ま
た、この最大粒径に近い大粒径(700〜1000n
m)の粒子も一定の混入率(5重量%)以下であること
を要することが判明した。
【0012】また、顔料の着色力は上述したように顔料
の粒径に依存する。そして、一般に顔料の粒径が小さく
なるにつれて着色力は大きくなるが、ある特定の粒径の
ときに最高の着色力を示しこの特定の粒径より小さくな
ると反ってその着色力が低下しその彩度も低下すること
が実験により判明した。
【0013】そして、最大の着色力を示す平均粒径は顔
料の色彩に応じて異なる。
【0014】(1)まず、波長440〜470nmの範囲
に最大の分光透過率Tb を有する青色の顔料において
は、最大透過率を示す波長をλb peak、粒子の拡散速度
から算出した青色顔料の平均粒径:db ave としたと
き、 0.2λb peak < db ave < 0.5λb peak の範囲にあり、 (2)また、波長530〜550nmの範囲に最大の分光
透過率Tg を有する緑色の顔料においては、最大透過率
を示す波長をλg peak、粒子の拡散速度から算出した緑
色顔料の平均粒径:dg ave としたとき、 0.3λg peak < dg ave < 0.6λg peak の範囲にあり、 (3)赤色の顔料においては、640nmの波長を
λ640 、粒子の拡散速度から算出した赤色顔料の平均粒
径: r ave としたとき、 0.2λ640 =128nm < r ave < 0.5λ640 =320nm の範囲であることが判明した。
【0015】請求項1に係る発明はこのような技術的根
拠に基づき完成されたものである。すなわち、請求項1
に係る発明は、顔料と分散剤を主成分としカラーフィル
ターの製造に適用される青色、緑色、及び、赤色の着色
ペーストを前提とし、上記青色の着色ペーストについて
は、440〜470nmの波長で最大透過率を示す波長
をλb peakとしたとき、粒子の拡散速度から算出した青
色顔料の平均粒径:db ave が、 0.2λb peak < db ave < 0.5λb peak の範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記青色顔料の最大粒
径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径400
nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
り、上記緑色の着色ペーストについては、530〜55
0nmの波長で最大透過率を示す波長をλg peakとした
とき、粒子の拡散速度から算出した緑色顔料の平均粒
径:dg ave が、 0.3λg peak < dg ave < 0.6λg peak の範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記緑色顔料の最大粒
径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径500
nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
り、また、上記赤色の着色ペーストについては、640
nmの波長をλ640 としたとき、粒子の拡散速度から算
出した赤色顔料の平均粒径: r ave が、 0.2λ640 =128nm < r ave < 0.5λ640 =320nm の範囲にあり、かつ、重量粒径分布測定法による上記赤
色顔料の最大粒径が1μm以下であると共に、粒径70
0nm〜1000nmの粒子が全体の5重量%以下、及
び、粒径500nm以下の粒子が全体の80重量%以上
に設定されていることを特徴とするものである。
【0016】そして、請求項1に係る着色ペーストにお
いては、青色、緑色、及び、赤色のそれぞれの顔料につ
いて、最大粒径、大粒径の粒子の混入率、平均粒径が高
い透明性と彩度を示す範囲に選定されているため、この
ような着色ペーストを適用して製造されるカラーフィル
ターにおいてはその青色、緑色、及び、青色のそれぞれ
について高い透明性と彩度を示し鮮やかなカラー表現が
可能となる。
【0017】次に、上述したような粒径分布を有する請
求項1に係る着色ペーストについて詳細にその透過スペ
クトルを検討した結果、彩度の高い透過スペクトルの形
状は次のような条件を満たしていることが必要であるこ
とが判明した。請求項2に係る発明はこのような技術的
根拠に基づき完成されたものである。
【0018】すなわち、請求項2に係る発明は、透明基
板上の画素部位に青色、緑色、及び、赤色の各色別に設
けられた透明着色パターンを具備するカラーフィルター
を前提とし、可視波長領域(400〜700nm)の各
色の透過スペクトルの形状が、青色の透明着色パターン
については、その最大透過率を示すピークの短波長側及
び長波長側で透過率の波長についての微分dT/dλに
おける絶対値の最大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.5(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.3(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長440〜470n
m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
るときの波長幅λb 1/2dと最大透過率Tb の比率(λ
b 1/2d/Tb :単位nm/%)が、 Wb 1/2
1.4 の範囲にあり、緑色の透明着色パターンについ
ては、その最大透過率を示すピークの短波長側及び長波
長側で透過率の波長についての微分dT/dλにおける
絶対値の最大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.4(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.4(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長530〜550n
m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
るときの波長幅λg 1/2dと最大透過率Tg の比率(λ
g 1/2d/Tg :単位nm/%)が、 Wg 1/2
1.2 の範囲にあり、また、赤色の透明着色パターン
については、波長550〜660nmの透過スペクトル
の透過率についての微分dT/dλの最大値(dT/d
λ)max が、(dT/dλ)max ≧ 3.0(%/n
m)の範囲にあり、かつ、透過率の最大値が70%以上
であると共に、640nmにおける透過率T640 と、そ
の透過率が半分になるときの波長λr 1/2 と640nm
の差(640−λr 1/2 )との比率[(640−λ
r 1/2 )/T640 :単位nm/%]が、 Wr 1/2
0.55 の範囲にあることを特徴とするものであ
る。
【0019】ここで、請求項1に係る着色ペーストは、
水又はアルコール等の水系溶剤と、界面活性剤、顔料、
及び、分散剤を主成分とするものである。
【0020】そして、上記界面活性剤としてはアニオン
系界面活性剤又は非イオン系界面活性剤が使用でき、ア
ニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型アニオン系
界面活性剤やスルホサクシネート型アニオン系界面活性
剤が使用できる他、下記構造式で示されるジアルキルス
ルホ琥珀酸エステルナトリウム塩等が使用できる。
【0021】
【化1】 (但し、式中Rはアルキル基を示す。)一方、非イオン
系界面活性剤としては下記構造式で示されるポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコールエーテルや、
【化2】 下記構造式で示される脂肪酸ポリエチレングリコールエ
ステルに加えて、
【化3】 ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。
【0022】尚、着色ペースト全体に対する界面活性剤
の添加量は0.1〜10重量%の範囲が望ましい。
【0023】また、上記顔料としては任意の顔料が利用
でき、例えば、赤色有機顔料としてPigment Red 149
(パーマネントレッドBL)、Pigment Red 144 (Crom
ophtalRed typel)等が、また、緑色有機顔料としてPig
ment Green 7 (フタロシアニングリーン)、青色有機
顔料としてPigment Blue 15 (銅フタロシアニン)等が
挙げられる。
【0024】尚、着色ペースト中のこれ等顔料の添加割
合は、その着色力と透明性を考慮すると5〜40重量%
が適当である。
【0025】次に、水等の水系溶剤中に上記顔料を均一
かつ良好に分散させる分散剤としては、ポリビニルアル
コール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド等の水溶性樹脂が適用でき、その添加量は1〜
10重量%が適当である。
【0026】そして、例えば、上記分散剤と界面活性剤
並びに水系溶剤とを室温で攪拌しながらこの中へ顔料を
徐々に加え、充分混ざったところでガラスビーズを加え
サンドミルによって混練・分散させた後、遠心分離、濾
過を行うことにより上述した粒径分布が実現され目的の
着色ペーストが求められる。
【0027】また、この着色ペーストを用いてカラーレ
ジストを求めるには上記着色ペーストに水系の感光性組
成物を混合させることにより得られる。
【0028】そして、この水系感光性組成物はポリマー
樹脂と光架橋剤を主成分とするもので、光架橋剤として
は着色、排水処理の点でジアゾ化合物が望ましい。尚、
この他に重クロム酸塩、クロム酸塩、ビスアジド化合物
等が適用できる。
【0029】一方、上記ポリマー樹脂としては、下記構
造式で示される2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA)、メトキシメチルアクリルアミド(MAA
m)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DM
APMA)、メタクリル酸(MMA)、アクリル酸(A
A)等の重合物が適用できる。尚、モノマー組成として
のHEMAの含有量が感光性化合物全体の固形分の70
重量%以上であることが好ましい。この他に、光架橋剤
に反応するポリマーとしてポリビニルアルコール(PV
A)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を
用いてもよい。
【0030】
【化4】 また、上記感光性組成物としてモノマー又はオリゴマー
と光重合開始剤の組合わせを適用してもよい。このよう
なモノマー又はオリゴマーとしては、アクリル酸、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、スチ
レン、酢酸ビニル、テトラエチレングリコールジアクリ
レート等が使用でき、また、光重合開始剤としては、4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロ
キシ−2−プロピル)ケトン(メルク社製;Darocur295
9 )、アゾビスイソブチロニトリル、アントラキノン等
が適用できる。
【0031】
【作用】請求項1に係る発明によれば、青色の着色ペー
ストについては、440〜470nmの波長で最大透過
率を示す波長をλb peakとしたとき、粒子の拡散速度か
ら算出した青色顔料の平均粒径:db ave が、 0.2λb peak < db ave < 0.5λb peak の範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記青色顔料の最大粒
径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径400
nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
り、緑色の着色ペーストについては、530〜550n
mの波長で最大透過率を示す波長をλg peakとしたと
き、粒子の拡散速度から算出した緑色顔料の平均粒径:
g ave が、 0.3λg peak < dg ave < 0.6λg peak の範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記緑色顔料の最大粒
径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径500
nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
り、また、赤色の着色ペーストについては、640nm
の波長をλ640 としたとき、粒子の拡散速度から算出し
た赤色顔料の平均粒径: r ave が、 0.2λ640 =128nm < r ave < 0.5λ640 =320nm の範囲にあり、かつ、重量粒径分布測定法による上記赤
色顔料の最大粒径が1μm以下であると共に、粒径70
0nm〜1000nmの粒子が全体の5重量%以下、及
び、粒径500nm以下の粒子が全体の80重量%以上
に設定されている。
【0032】従って、青色、緑色、及び、赤色のそれぞ
れの顔料について、最大粒径、大粒径の粒子の混入率、
平均粒径が高い透明性と彩度を示す範囲に選定されてい
るため、このような着色ペーストを適用して製造される
カラーフィルターにおいてはその青色、緑色、及び、赤
色のそれぞれについて高い透明性と彩度を示し鮮やかな
カラー表現が可能となる。
【0033】他方、請求項2に係る発明によれば、可視
波長領域(400〜700nm)の各色の透過スペクト
ルの形状が、青色の透明着色パターンについては、その
最大透過率を示すピークの短波長側及び長波長側で透過
率の波長についての微分dT/dλにおける絶対値の最
大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.5(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.3(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長440〜470n
m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
るときの波長幅λb 1/2dと最大透過率Tb の比率(λ
b 1/2d/Tb :単位nm/%)が、 Wb 1/2
1.4 の範囲にあり、緑色の透明着色パターンについ
ては、その最大透過率を示すピークの短波長側及び長波
長側で透過率の波長についての微分dT/dλにおける
絶対値の最大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.4(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.4(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長530〜550n
m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
るときの波長幅λg 1/2dと最大透過率Tg の比率(λ
g 1/2d/Tg :単位nm/%)が、 Wg 1/2
1.2 の範囲にあり、また、赤色の透明着色パターン
については、波長550〜660nmの透過スペクトル
の透過率についての微分dT/dλの最大値(dT/d
λ)max が、(dT/dλ)max ≧ 3.0(%/n
m)の範囲にあり、かつ、透過率の最大値が70%以上
であると共に、640nmにおける透過率T640 と、そ
の透過率が半分になるときの波長λr 1/2 と640nm
の差(640−λr 1/2 )との比率[(640−λ
r 1/2 )/T640 :単位nm/%]が、 Wr 1/2
0.55 の範囲にある。
【0034】従って、青色、緑色、及び、赤色の透明着
色パターンについてその各分光透過スペクトルが急峻な
ピーク又は急峻な傾きをもち高い彩度を示す範囲に設定
されているため、その青色、緑色、及び、赤色のそれぞ
れについて高い透明性と彩度を示し鮮やかなカラー表現
が可能となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0036】[実施例1] 『青色の透明着色パターン』 (1)青色の着色ペースト 平均重合度2000、ケン化度80%PVAの10重量
%水溶液100gに、水80g、界面活性剤としてポリ
オキシエチレンオレイルエーテル0.2g、着色顔料と
してC.I.Pigment Blue 15 (銅フタロシアニン)20g
を混合してミルベースとし、このミルベースにメディア
としてガラスビーズを250g加え、分散装置としてサ
ンドミルを使用して分散し着色ペーストを求めた。分散
時間を2時間とした着色ペースト中の顔料の平均粒径
を、拡散速度から算出したところ、250nmであっ
た。また、大塚電子(株)製レーザー粒径解析システム
により顔料の粒度分布を測定したところ、顔料の最大粒
径は3μmであった。
【0037】着色顔料としてC.I.Pigment Violet 23
(オキサジンバイオレット)を使用し、その他は同様の
方法で配合・分散して着色ペーストを求めた。こうして
求めた着色ペースト中の顔料の平均粒径は180nm、
最大粒径は4μmであった。
【0038】こうして求めた二種類の着色ペーストを混
合してカラーフィルターに用いられる青色の色調整を行
った。色彩の目標をNTSC規格の青の色座標[x−y
国際表示系で(0.14、0.08)]とした。そして、更に粗
大粒子を除去して粒度分布を調整するため、上記着色ペ
ーストを遠心分離した。こうして粗大粒子を除去した後
の着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散速度から算出)
b ave は178nm、重量平均粒径は128nmであ
り、最大透過率Tb を示す波長λb peakは450nmで
あった。この着色ペースト中の粒度分布を表1に、透過
率及びC光源を用いて測定した色度座標を表2に示す。
【0039】
【表1】
【表2】 比較例として遠心分離前の着色ペーストの粒度分布を表
3に、また、その透過率と色度座標を表4に示す。尚、
遠心分離前の着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散速度
から算出)db ave は530nm、重量平均粒径は38
0nmであった。
【0040】
【表3】
【表4】 上記表1及び表2と、表3及び表4を比較すると、遠心
分離して粗大粒子を除去した後の着色ペーストは遠心分
離前の着色ペーストに較べて同じ透過率でしかもNTS
C規格に近く、彩度が高いことが確認できる。
【0041】次に、比較のため、更に長時間遠心分離し
て平均粒径(粒子の拡散速度から算出)db ave が50
〜80nmの着色ペーストを求めたところ、透過率は格
段に増大して透明性が向上したが、彩度が低下するとい
う現象が見られた。これは極端な微粒子化によって着色
力が低下したものと考えられる。
【0042】(2)青色の透明着色パターンの分光透過
スペクトル 次に、分光透過スペクトルの形状と色座標及び刺激純度
の関係を調べた。
【0043】すなわち、平均粒径db ave が178nm
の顔料を含有する着色ペーストを透明基板上に塗布しそ
の分光透過率Tを調べた。この結果を図1(A)の実線
により、この分光透過率Tの勾配(dT/dλ)を図1
(B)の実線により示す。また、色座標及び刺激純度を
表5に示す。
【0044】ここで、最大透過率Tb は69%、分光透
過スペクトルの勾配(dT/dλ)の正領域での絶対値
の最大値(dT/dλ)max は2.0%/nm、負領域
での絶対値の最大値(dT/dλ)max は1.7%/n
mであり、また、最大透過率Tb を示すピークの両側で
半分の透過率になる時の波長幅λb 1/2dと最大透過率T
b の比率(λb 1/2d/Tb :単位nm/%)が、W
b 1/2 =1.38nm/%であったまた、比較例として
粒径1μm以上の粒子を全粒子の約5重量%、400n
m以下の粒子を全粒子の60%含む顔料の分光透過率T
を図1(A)の破線により、この分光透過率Tの勾配
(dT/dλ)を図1(B)の破線により示す。また、
色座標及び刺激純度を表5に示す。
【0045】尚、比較例において最大透過率Tb は69
%、分光透過スペクトルの勾配(dT/dλ)の正領域
での絶対値の最大値(dT/dλ)max は1.8%/n
m、負領域での絶対値の最大値(dT/dλ)max
1.0%/nmであり、また、最大透過率Tb を示すピ
ークの両側で半分の透過率になる時の波長幅λb 1/2d
最大透過率Tb の比率(λb 1/2d/Tb :単位nm/
%)が、Wb 1/2 =1.49nm/%であった。
【0046】
【表5】 以上の図1(A)、(B)及び表5から明らかなよう
に、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.5(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.3(%/nm) の範囲にあり、かつ、Wb 1/2 ≦ 1.4 の範囲を
満たす実施例に係る青色の透明着色パターンは、これら
を満たさない比較例に係る透明着色パターンと較べて色
座標がNTSC規格に近く、また刺激純度が高くより彩
度が高いことが確認された。
【0047】『緑色の透明着色パターン』 (1)緑色の着色ペースト 着色顔料として緑色のC.I.Pigment Green 7 (フタロシ
アニングリーン)を使用した点を除き上記青色の着色ペ
ーストと同様にPVA水溶液、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルと混合し、サンドミルで分散して着色ペー
ストを求めた。分散時間を2時間とした着色ペースト中
の顔料の平均粒径(粒子の拡散速度から算出した平均粒
径)は300nmであった。また、大塚電子(株)製レ
ーザー粒解析システムにより顔料の粒度分布を測定した
ところ、顔料の最大粒径は3μmであった。
【0048】同様に黄色のC.I.Pigment Yellow 83 (ジ
スアゾイエロー)を使用した点を除き上記青色の着色ペ
ーストと同様にPVA水溶液、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルと混合しサンドミルで分散して着色ペース
トを求めた。分散時間を2時間とした着色ペースト中の
顔料の平均粒径(粒子の拡散速度から算出した平均粒
径)は450nmであった。また、大塚電子(株)製レ
ーザー粒解析システムにより顔料の粒度分布を測定した
ところ、顔料の最大粒径は5μmであった。
【0049】こうして求めた二種類の着色ペーストを混
合してカラーフィルターに用いられる緑色の色調整を行
った。色彩の目標をNTSC規格の緑の色座標[x−y
国際表示系で(0.21、0.71)]とした。そして、更に粗
大粒子を除去して粒度分布を調整するため上記着色ペー
ストを遠心分離した。こうして粗大粒子を除去した後の
着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散速度から算出)d
g ave は242nm、重量平均粒径は320nmであ
り、最大透過率Tg を示す波長λg peakは530nmで
あった。この着色ペースト中の粒度分布を表6に、透過
率及びC光源を用いて測定した色度座標を表7に示す。
【0050】
【表6】
【表7】 比較例として遠心分離前の着色ペーストの粒度分布を表
8に、また、その透過率と色度座標を表9に示す。尚、
遠心分離前の着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散速度
から算出)dg ave は395nm、重量平均粒径は52
3nmであった。
【0051】
【表8】
【表9】 上記表6及び表7と、表8及び表9を比較すると、遠心
分離して粗大粒子を除去した後の着色ペーストは遠心分
離前の着色ペーストに較べて同じ透過率でしかもNTS
C規格に近く、彩度が高いことが確認できた。
【0052】次に、比較のため、更に長時間遠心分離し
て、平均粒径(粒子の拡散速度から算出)dg ave が5
0〜100nmの着色ペーストを求めたところ、透過率
は格段に増大して透明性が向上したが、彩度が低下する
という現象が見られた。これは極端な微粒子化によって
着色力が低下したものと考えられる。
【0053】(2)緑色の透明着色パターンの分光透過
スペクトル 次に、分光透過スペクトルの形状と色座標及び刺激純度
の関係を調べた。
【0054】すなわち、平均粒径dg ave が242nm
の顔料を含有する着色ペーストを透明基板上に塗布しそ
の分光透過率Tを調べた。この結果を図2(A)の実線
により、この分光透過率Tの勾配(dT/dλ)を図2
(B)の実線により示す。また、色座標及び刺激純度を
表10に示す。
【0055】ここで、最大透過率Tg は74%、分光透
過スペクトルの勾配(dT/dλ)の正領域での絶対値
の最大値(dT/dλ)max は1.80%/nm、負領
域での絶対値の最大値(dT/dλ)max は1.76%
/nmであり、また、最大透過率Tg を示すピークの両
側で半分の透過率になる時の波長幅λg 1/2dと最大透過
率Tg の比率(λg 1/2d/Tg :単位nm/%)が、W
g 1/2 =1.11nm/%であった。
【0056】また、比較例として粒径1μm以上の粒子
を全粒子の約5重量%、500nm以下の粒子を全粒子
の60重量%含む顔料の分光透過率Tを図2(A)の破
線により、この分光透過率Tの勾配(dT/dλ)を図
2(B)の破線により示す。また、色座標及び刺激純度
を表10に示す。
【0057】尚、比較例において最大透過率Tg は74
%、分光透過スペクトルの勾配(dT/dλ)の正領域
での絶対値の最大値(dT/dλ)max は1.20%/
nm、負領域での絶対値の最大値(dT/dλ)max
1.02%/nmであり、また最大透過率Tg を示すピ
ークの両側で半分の透過率になる時の波長幅λg 1/2d
最大透過率Tg の比率(λg 1/2d/Tg :単位nm/
%)が、Wg 1/2 =1.39nm/%であった。
【0058】
【表10】 以上の図2(A)、(B)及び表10から分かるよう
に、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
1.4(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
1.4(%/nm) の範囲にあり、かつ、Wg 1/2 ≦ 1.2 の範囲を
満たす実施例に係る緑色の透明着色パターンは、これら
を満たさない比較例に係る透明着色パターンと較べて色
座標がNTSC規格に近く、また刺激純度が高くより彩
度が高いことが確認された。
【0059】『赤色の透明着色パターン』 (1)赤色の着色ペースト 着色顔料として赤色のC.I.Pigment Red 48(パーマネン
トレッド)を使用した点を除き上記青色の着色ペースト
と同様にPVA水溶液、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルと混合し、サンドミルで分散して着色ペーストを
求めた。分散時間を2時間とした着色ペースト中の顔料
の平均粒径(粒子の拡散速度から算出した平均粒径)は
200nmであった。また、大塚電子(株)製レーザー
粒解析システムにより顔料の粒度分布を測定したとこ
ろ、顔料の最大粒径は2μmであった。
【0060】また、同様に黄色のC.I.Pigment Yellow 8
3 (ジスアゾイエロー)を使用した点を除き上記青色の
着色ペーストと同様にPVA水溶液、ポリオキシエチレ
ンオレイルエーテルと混合し、サンドミルで分散して着
色ペーストを求めた。分散時間を2時間とした着色ペー
スト中の顔料の平均粒径(粒子の拡散速度から算出した
平均粒径)は450nmであった。また、大塚電子
(株)製レーザー粒解析システムにより顔料の粒度分布
を測定したところ、顔料の最大粒径は5μmであった。
【0061】こうして求めた二種類の着色ペーストを混
合してカラーフィルターに用いられる赤色の色調整を行
った。色彩の目標をNTSC規格の赤の色座標[x−y
国際表示系で(0.67、0.33)]とした。そして、更に粗
大粒子を除去して粒度分布を調整するため、上記着色ペ
ーストを遠心分離した。こうして粗大粒子を除去した後
の着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散速度から算出)
r ave は158nm、重量平均粒径は94nmであっ
た。この着色ペースト中の粒度分布を表11に、透過率
及びC光源を用いて測定した色度座標を表12に示す。
【0062】
【表11】
【表12】 比較例として遠心分離前の着色ペーストの粒度分布を表
13に、また、その透過率と色度座標を表14に示す。
尚、遠心分離前の着色ペーストの平均粒径(粒子の拡散
速度から算出)dr ave は520nm、重量平均粒径は
310nmであった。
【0063】
【表13】
【表14】 上記表11及び表12と、表13及び表14を比較する
と、遠心分離して粗大粒子を除去した後の着色ペースト
は遠心分離前の着色ペーストに較べて同じ透過率でしか
もNTSC規格に近く、彩度が高いことが確認できた。
【0064】次に、比較のため、更に長時間遠心分離し
て、平均粒径(粒子の拡散速度から算出)dr ave が2
0〜60nmの着色ペーストを求めたところ、透過率は
格段に増大して透明性が向上したが、彩度が低下すると
いう現象が見られた。これは極端な微粒子化によって着
色力が低下したものと考えられる。
【0065】(2)赤色の透明着色パターンの分光透過
スペクトル 次に、分光透過スペクトルの形状と色座標及び刺激純度
の関係を調べた。
【0066】すなわち、平均粒径dr ave が158nm
の顔料を含有する着色ペーストを透明基板上に塗布しそ
の分光透過率Tr を調べた。この結果を図3(A)の実
線により、この分光透過率Tの勾配(dT/dλ)を図
3(B)の実線により示す。また、色座標及び刺激純度
を表15に示す。
【0067】ここで、波長640nmの分光透過率T
640 は85%、分光透過スペクトルの勾配(dT/d
λ)の最大値(dT/dλ)max は3.4%/nm、上
記透過率T640 と、その透過率が半分になるときの波長
λr 1/2 と640nmの差(640−λr 1/2 )との比
率[(640−λr 1/2 )/T640 :単位nm/%]
が、Wr 1/2 =0.51nm/%であった。
【0068】また、比較例として粒径1μm以上の粒子
を全粒子の約5重量%、500nm以下の粒子を全粒子
の60重量%含む顔料の分光透過率Tを図3(A)の破
線により、この分光透過率Tの勾配(dT/dλ)を図
3(B)の破線により示す。また、色座標及び刺激純度
を表15に示す。
【0069】尚、比較例において波長640nmの分光
透過率T640 は87%、分光透過スペクトルの勾配(d
T/dλ)の最大値(dT/dλ)max は2.0%/n
m、上記透過率T640 と、その透過率が半分になるとき
の波長λr 1/2 と640nmの差(640−λr 1/2
との比率[(640−λr 1/2 )/T640 :単位nm/
%]が、 Wr 1/2 =0.57nm/%であった。
【0070】
【表15】 以上の図3(A)、(B)及び表15から明らかなよう
に、(dT/dλ)max ≧ 3.0(%/nm)の範
囲にあり、かつ、Wr 1/2 ≦ 0.55を満たす実施
例に係る赤色の透明着色パターンは、これらを満たさな
い比較例に係る透明着色パターンと較べて色座標が上記
NTSC規格に近く、また刺激純度が高くより彩度が高
いことが確認された。
【0071】[実施例2]上記実施例1の結果に基づい
て各色の着色ペーストと水溶性の感光性樹脂を混合して
カラーレジストを製造した。
【0072】まず、モノマー組成として2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(HEMA)82%、メトキシメ
チルアクリルアミド(MAAm)14%、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)3%、ア
クリル酸(AA)1%を重合する。以上のモノマーを重
合開始剤を含む85℃に保った20%酢酸水溶液中に滴
下し、滴下重合法で重合してポリマー樹脂を生成した。
【0073】次に、このポリマー樹脂3.8gに上記実
施例1で求めた各色の着色ペーストを10g、20%酢
酸水を6g混合し、更に光架橋剤としてジアゾ化合物を
0.05g混合して感光性樹脂組成物を求め、この感光
性樹脂組成物5gと上記着色ペースト10gを混合して
各色別のカラーレジストを製造した。
【0074】このカラーレジストをガラス基板上に塗布
し、露光、現像してガラス基板上の画素部位に透明着色
パターンを形成した。尚、露光は超高圧水銀灯を用いそ
の照射量は100〜300J/cm2 の条件であった。ま
た、現像液は2%酢酸水溶液を用いた。
【0075】そして、上記手順を3回繰り返してガラス
基板上の画素部位に赤色、青色、緑色の透明着色パター
ンを備えるカラーフィルターを製造した。
【0076】このようにして製造されたカラーフィルタ
ーは、その青色、緑色、及び、赤色のそれぞれについて
高い透明性と彩度を示し鮮やかなカラー表現を可能にす
る特性を有するものであった。
【0077】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、青色、緑
色、及び、赤色のそれぞれの顔料について、最大粒径、
大粒径の粒子の混入率、平均粒径が高い透明性と彩度を
示す範囲に選定されているため、このような着色ペース
トを適用して製造されるカラーフィルターにおいてはそ
の青色、緑色、及び、赤色のそれぞれについて高い透明
性と彩度を示し鮮やかなカラー表現が可能となる効果を
有している。
【0078】また、請求項2に係る発明によれば、青
色、緑色、及び、赤色の透明着色パターンについてその
各分光透過スペクトルが急峻なピーク又は急峻な傾きを
もち高い彩度を示す範囲に設定されているため、その青
色、緑色、及び、赤色のそれぞれについて高い透明性と
彩度を示し鮮やかなカラー表現が可能となる効果を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施例及び比較例に係る青色の分
光透過スペクトルを示すグラフ図、図1(B)は実施例
及び比較例に係る青色の分光透過スペクトルの勾配を示
したグラフ図である。
【図2】図2(A)は実施例及び比較例に係る緑色の分
光透過スペクトルを示すグラフ図、図2(B)は実施例
及び比較例に係る緑色の分光透過スペクトルの勾配を示
したグラフ図である。
【図3】図3(A)は実施例及び比較例に係る赤色の分
光透過スペクトルを示すグラフ図、図3(B)は実施例
及び比較例に係る赤色の分光透過スペクトルの勾配を示
したグラフ図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料と分散剤を主成分としカラーフィルタ
    ーの製造に適用される青色、緑色、及び、赤色の着色ペ
    ーストにおいて、 上記青色の着色ペーストについては、 440〜470nmの波長で最大透過率を示す波長をλ
    b peakとしたとき、 粒子の拡散速度から算出した青色顔料の平均粒径:d
    b ave が、 0.2λb peak < db ave < 0.5λb peak の範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記青色顔料の最大粒
    径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
    0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径400
    nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
    り、 上記緑色の着色ペーストについては、 530〜550nmの波長で最大透過率を示す波長をλ
    g peakとしたとき、 粒子の拡散速度から算出した緑色顔料の平均粒径:d
    g ave が、 0.3λg peak < dg ave < 0.6λg peakの範囲にあり、 かつ、重量粒径分布測定法による上記緑色顔料の最大粒
    径が1μm以下であると共に、粒径700nm〜100
    0nmの粒子が全体の5重量%以下、及び、粒径500
    nm以下の粒子が全体の80重量%以上に設定されてお
    り、 また、上記赤色の着色ペーストについては、 640nmの波長をλ640 としたとき、 粒子の拡散速度から算出した赤色顔料の平均粒径:
    r ave が、 0.2λ640 =128nm < r ave < 0.5λ640 =320nm の範囲にあり、かつ、重量粒径分布測定法による上記赤
    色顔料の最大粒径が1μm以下であると共に、粒径70
    0nm〜1000nmの粒子が全体の5重量%以下、及
    び、粒径500nm以下の粒子が全体の80重量%以上
    に設定されていることを特徴とする着色ペースト。
  2. 【請求項2】透明基板上の画素部位に青色、緑色、及
    び、赤色の各色別に設けられた透明着色パターンを具備
    するカラーフィルターにおいて、 可視波長領域(400〜700nm)の各色の透過スペ
    クトルの形状が、 青色の透明着色パターンについては、 その最大透過率を示すピークの短波長側及び長波長側で
    透過率の波長についての微分dT/dλにおける絶対値
    の最大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
    1.5(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
    1.3(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長440〜470n
    m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
    に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
    るときの波長幅λb 1/2dと最大透過率Tb の比率(λ
    b 1/2d/Tb :単位nm/%)が、 Wb 1/2
    1.4 の範囲にあり、 緑色の透明着色パターンについては、 その最大透過率を示すピークの短波長側及び長波長側で
    透過率の波長についての微分dT/dλにおける絶対値
    の最大値(dT/dλ)max が、 dT/dλが正の領域で (dT/dλ)max
    1.4(%/nm) dT/dλが負の領域で −(dT/dλ)max
    1.4(%/nm) の範囲にあり(但し、ピーク波長530〜550n
    m)、かつ、透過率の最大値が60%以上であると共
    に、最大透過率を示すピークの両側で半分の透過率にな
    るときの波長幅λg 1/2dと最大透過率Tg の比率(λ
    g 1/2d/Tg :単位nm/%)が、 Wg 1/2
    1.2 の範囲にあり、 また、赤色の透明着色パターンについては、 波長550〜660nmの透過スペクトルの透過率につ
    いての微分dT/dλの最大値(dT/dλ)max が、
    (dT/dλ)max ≧ 3.0(%/nm)の範囲に
    あり、かつ、透過率の最大値が70%以上であると共
    に、640nmにおける透過率T640 と、その透過率が
    半分になるときの波長λr 1/2 と640nmの差(64
    0−λr 1/2 )との比率[(640−λr 1/2 )/T
    640 :単位nm/%]が、 Wr 1/2 ≦ 0.55
    の範囲にあることを特徴とするカラーフィルター。
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