JP3100026U - 電圧検出測定装置 - Google Patents

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田尾 哲也
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新光電業株式会社
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Abstract

【課題】被測定抵抗体の揺動等による衝撃で測定子が折損するのを防止し、被測定抵抗体の抵抗値変化を高い精度で検出可能にする。
【解決手段】動的条件下における微小抵抗変化を測定するために、被測定抵抗体の両端より電圧を取り出すのに使用する測定子であって、測定子支持部材の中心孔に潤滑部材を介して測定子が摺動自在に設けられ、この測定子を尖端部が接触子の嵌合孔内の側壁に突当てるように測定子をコイルスプリングにより付勢する。
【選択図】図1

Description

 本考案は、被測定抵抗体の両端から測定子を突き当てて電圧を取り出して検出する電圧検出測定装置に関する。
 従来から、車両用のジャンパー線、主電動機用口出線、プラグとソケットで接続されるケーブル等の素線の減線、断線を測定するのに、電圧検出測定装置が用いられている。この電圧検出測定装置では、測定対象部位の両端に電圧測定針を直接接触させて抵抗値を測定するという方法が、一般的に採用される(例えば、特許文献1参照)。また、ケーブル等の素線の減線、断線は静止状態の測定では発見できない場合がある。この場合にはケーブル等を揺動させて、抵抗値の変化を測定する方法が採用される。
実公昭58−88163号公報
 この電圧検出測定装置の問題点は、電圧検出測定装置で素線等の減線、断線を測定する際に、電圧測定針を直接測定対象部位に接触させていることであり、これにより測定対象部位の揺動によるショックを受けて、電圧測定針が極めて容易に折損してしまうことである。
 本考案はこのような従来の問題を解決するものであり、測定対象部位の揺動にも拘らず、この測定対象部位からのショックを緩和しながら、被測定抵抗体との接触抵抗を極力小さく抑えることで、被測定抵抗体自体の抵抗値変化を高い精度で検出することができる測定子を提供することを目的とする。
 本考案に係る電圧検出測定装置は、動的条件下における微小抵抗変化を被測定抵抗体の両端より電圧を取り出し測定する電圧検出測定装置であって、被測定抵抗体には筒状の接触子が接続され、この接続詞の嵌合孔に測定子支持部材が着脱可能に挿入され、この測定子支持部材の中心孔に潤滑部材を介して測定子が摺動自在に配設されると共に、前記測定子の尖端部を前記接触子の嵌合孔内の側壁にコイルスプリングの付勢で突当てることを特徴とする。
 これにより、測定子の尖端部は、被測定抵抗体に対する接触面積を極小に抑え、これらの電気的な接触抵抗を極小値に抑える。また、測定子の尖端部はコイルスプリングの弾発力に対応した一定圧力で被測定抵抗体に接触する。このため、被測定抵抗体の測定対象部位が揺動した場合にも、測定子には大きなショックが加わることがなく、従って測定子の折損事故を未然に回避することができる。
 本考案の電圧検出測定装置は、尖端部を持った測定子を、測定子支持部材に装填されているコイルスプリングを介して付勢することで、測定子の尖端部を被測定抵抗体に一定かつ極小の接触圧にて接触させることができる。従って、抵抗値の測定結果にばらつきを生じることがない。また、コイルスプリングは測定子に印加されるショックを吸収するため、折損することはない。
 従って、被測定抵抗体の両端の端子電圧およびこれの揺動等による抵抗値の変化を、安全かつ高精度に測定することができるという利点がある。
 本考案の電圧検出測定装置は、測定子と被測定抵抗体との間の電気的な接触抵抗を極力小さく抑えるために、測定子に尖端部を設け、かつ測定子をコイルスプリングの付勢によって弾性支持させることである。
 以下、本考案の実施の一形態を図について説明する。図1はソケットとプラグとの接続構造を示す断面説明図、図2は図1に示す測定子支持部材の拡大断面図、図3は図2に示す測定子支持部材の他の例を示す拡大断面図、図4は本考案の測定子による電圧検出測定原理を説明するためのブロック図である。
 図1に示す接続構造において、ソケット4は一端が側板10によって塞がれた円筒体11と、この円筒体11内で側板10と絶縁支持部材12とによって支持された接触子13とからなる。なお、側板10および円筒体11はプラスチックなどの絶縁材からなる。接触子13は測定子支持部材17を着脱自在に挿入する嵌合孔が開口され、導電部材で形成され、絶縁性の接触子支持部材14を介して側板10の中心部に保持されている。3は被測定ケーブルの芯線などの被測定抵抗体である。
 一方、プラグ5には、測定子16を摺動自在に支持する測定子支持部材17が配設されている。この測定子支持部材17は、先端部が拡径した円錐円筒体15と、この円錐円筒体15内に絶縁部材15aを介して測定子支持部材17で支持された測定子16が配設されている。
 この測定子支持部材17は、図2に示すように、絶縁材料からなる筒形ソケット部材18と、筒形ソケット部材18の中心孔18a内に嵌め込まれた潤滑部材としての絶縁チューブ19とを備えている。また、中心孔18aは後半分が小径部で、絶縁チューブ19で測定子16の軸部16aが摺動自在に支持されている。
 この測定子16は一端が筒形ソケット部材18の先端側に突出し、その突出端が尖端部16bとなっている。前記中心孔18aは前半分が大径部となっており、この大径部内に、測定子16を一定の弾発力にて前方へ付勢するコイルスプリング20が設けられている。ここでは、尖端部16bのあご部16cと大径部端に設置した絶縁座21との間に、予め圧縮したコイルスプリング20が介在されている。この測定子支持部材17の筒形ソケット部材18は、図1に示す接触子13の嵌合孔13aに繰り返し着脱可能な形状、サイズとなっている。
 このような構成のソケット4とプラグ5との連結状態において、被測定ケーブルである被測定抵抗体3が何らかの原因で揺動する場合がある。このとき、接触子13とこの接触子13の嵌合孔13a内に嵌合された測定子16の筒形ソケット部材18が相互に揺動する。このため、測定子16の尖端部16bは、嵌合孔13a内の側壁13bに一定の接触圧で突き当たった状態(点接触状態)にて摺動する。従って、この点接触位置が変化しても電気的な接触抵抗値に変わりはない。
 また、接触状態時の接触抵抗値は、上記従来の測定針を用いた場合に比べて数桁小さくなる。この接触抵抗値はコイルスプリング20の反発力の強さによって一意的に決まるため、接触抵抗値を極力小さい一定値に維持しながら、信頼性の高い抵抗値測定を実施できる。従って、減線や断線による微小の抵抗値変化を、接触抵抗に大きく影響されずに略正確に検出することができる。また、抵抗値の測定結果がばらつくことはない。
 また、コイルスプリング20は被測定抵抗体の測定対象部位が揺動した場合でも、測定子16に大きなショックが及ぶことを防止するため、測定子16の折損事故の発生を未然に回避することができる。電圧記録計9は前記微小の抵抗値変化を、増幅器8を介して電圧値の変化として記録することになる。図1に示すように、各測定子16には増幅器8側への電圧取り出し線7が接続されている。
 図3は測定子の他の例を示すものである。この電圧検出測定装置では、測定子支持部材17Aが、図2に示した測定子支持部材17と基本的に同一の機能を持ち、筒状ソケット部材22、絶縁チューブ23、測定子24、コイルスプリング25および絶縁座26からなる。この例では、筒状ソケット部材22が全体的に軸方向に長尺に形成され、絶縁チューブ23および絶縁座26が筒状ソケット部材22の先端部に設置されている。なお、この場合、長い測定子支持部材17Aに嵌合される接触子も、長目に形成される。
 この測定子支持部材17Aの作用は、図2に示した測定子支持部材17と略同一であり、これらの接触子13に対する接触は、接触面積の小さい点接触であるため、電気的な接触抵抗を小さい値に抑えることができる。また、接触圧は人力によらず、前記実施の形態と同様に、コイルスプリング25の弾発力によって加えられるため、常時測定値にばらつきのない安定な一定値とすることができる。従って、ケーブルの芯線が揺動した場合にも測定子24との接触抵抗の値が変動することを防止でき、減線や断線による抵抗値変化を高い精度で検出できる。また、このとき測定子24が無理なショックを受けて折損するという事故も回避できる。また、芯線などの被測定抵抗体15の減線や断線による微小抵抗値の変化をも高精度に測定することができる。
 図4は測定子16を持つ本考案の電圧検出測定装置の電圧測定原理を説明するブロック図である。図4において、1はバッテリ等を含む直流定電流電源であり、この直流定電流電源1には、被測定抵抗体3が両端側のソケット4およびプラグ5を介して接続されている。この被測定抵抗体(電線)を含む直流回路の配線Lの途中には、電流計2が直列接続されている。なお、被測定抵抗体3はケーブルの芯線等であり、ここでは抵抗器のシンボルにて象徴的に示した。
 また、各ソケット4および各プラグ5の接続部には測定子16の尖端部16bが接触するように接続され、各測定子16の他端は電圧取り出し線7を介して増幅器8および電圧記録計9に順次接続されている。従って、本考案の電圧検出測定装置では、前記測定子16が被測定抵抗体3の両端に発生する電圧を検出し、この電圧を増幅器8を介して電圧記録針9で計測、記録する。
 被測定抵抗体を電気回路に電気的に接続するソケットおよびプラグの接続部において、測定子の折損を防止しながら、測定子を被測定抵抗体に一定の接触圧で点接触させることによって、揺動中の被測定抵抗体の抵抗値の微小変化を高い精度で検出し、ケーブル等の減線や断線を判定する用途に適用できる。
本考案の実施の一形態による測定子を備えたプラグとソケットの接続構造を示す断面図。 図1に示す測定子支持部材の拡大断面図。 図2に示す測定子支持部材の他の例を示す拡大断面図。 本考案の測定子による電圧検出測定原理を説明するためのブロック図。
符号の説明
 3…被測定抵抗体、17,17A…測定子支持部材、18,22…筒状ソケット部材、19、23…絶縁チューブ(潤滑部材)、16,24…測定子、20,25…コイルスプリング。

Claims (3)

  1.  動的条件下における微小抵抗変化を被測定抵抗体の両端より電圧を取り出して測定する電圧検出測定装置であって、
     前記被測定抵抗体には筒状の接触子が接続され、この接触子の嵌合孔に測定子支持部材が着脱可能に挿入され、この測定子支持部材の中心孔に潤滑部材を介して測定子が摺動自在に配設されると共に、前記測定子の尖端部を前記接触子の嵌合孔内の側壁にコイルスプリングの付勢で突当てることを特徴とする電圧検出測定装置。
  2.  前記測定子支持部材は、絶縁材料からなる筒形ソケット部材と、筒形ソケット部材の中心孔内に嵌め込まれた潤滑部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載の電圧検出測定装置。
  3.  潤滑部材が、絶縁チューブで形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電圧検出測定装置。
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