JP3099941B2 - Frp製のロツクボルトおよびその製法 - Google Patents

Frp製のロツクボルトおよびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル掘削や急
勾配の法面カツトに際しての地山の補強において、地山
本来の保持能力をより発揮させるようにするとともに、
さらに例えばセメント等を注入するに際し充分適合しう
る等、有用なFRP製のロツクボルトに関する。ことに
山岳型の工事だけでなく、大断面化や多断面化する都市
あるいは海底型地下空間等の工事、さらには各種地山性
状の条件の良くない切土ないし盛土法面等の補強工事な
ど、多様化や高性能化ならびに取扱い易さのニーズに対
応して適合し、広く採用し得るFRP製のロツクボルト
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種トンネルや各種地下空間ある
いは道路や住宅地の造成法面等における地山補強の一つ
として、従来の鋼鉄製ボルトに代えて、軽くて強くしか
も腐食がなく電気絶縁性でありさらに容易に切断加工が
できるFRP製ロツクボルトが普及し、益々多用化され
るようになりつつある。
【0003】例えば本出願人が既に出願した特開昭54ー
148087号公報には、熱硬化性樹脂を含浸したガラス繊維
からなる棒状樹脂基体表面の外周軸線方向に糸状繊維を
螺旋状に一体的に巻きつけられており、該糸状繊維によ
り連続凸状線が形成されてなるガラス繊維補強樹脂体。
ならびにガラス繊維補強樹脂体の連続成形方法におい
て、熱硬化性樹脂を含浸したガラス繊維を配向板、スク
イズ用金型および加熱金型から引き抜いて棒状樹脂基体
を成形した後、該棒状樹脂基体表面の外周軸線方向に糸
状繊維を螺旋状に連続的に巻きつけ、連続凸状線を形成
し、ついで硬化加熱炉で加熱硬化させるガラス繊維補強
樹脂体を製造する方法を記載されており、棒状樹脂基体
がプラスチツク等の棒材を芯材として使用し、該棒材上
に熱硬化性樹脂を含浸させたガラスロービングを引き揃
えてなること、および糸状繊維としてはガラスロービン
グ、ナイロン、ビニロンまたはテトロン等を使用するこ
とを開示している。
【0004】また例えば本出願人が既に出願した特公昭
57ー18484 号公報には、ガラス繊維補強樹脂体の表面に
凹凸模様を成形する方法を記載されており、ガラス繊維
補強樹脂体の連続引抜成形方法において、マンドレルの
表面に熱硬化性樹脂を含浸したガラス繊維を引き揃えた
ガラス繊維補強樹脂体を加熱金型中を通過させて半硬化
状とした後、該樹脂体表面の外周軸線方向に圧接具によ
り連続的に螺旋状溝を形成し、ついで硬化加熱炉で前記
樹脂体を加熱硬化させることでなすことを開示してい
る。
【0005】一方、例えば実公平3ー18555 号公報に
は、地盤中の削孔内に定着用の自硬性材料とともに挿入
される引張補強材において、前記引張補強材は未硬化の
熱硬化性樹脂を含浸した補強用繊維束の外周面を、熱可
塑性樹脂で被覆した複合ストランドを、撚り合せ、ある
いは編組した後、前記熱硬化性樹脂を硬化し、かつ隣接
する前記複合ストランドの熱可塑性樹脂同士を、その相
互の接触部において長手方向にわたつて全面的に融着接
合されたロープ状構造よりなる地盤削孔に挿入される引
張補強材が記載されている。
【0006】また例えば特公平3ー49358 号公報には、
ロツクアンカー工法において、ロツクボルトが、削孔に
充填した自硬性材料に抗して挿入できる150kg /mm2
上の圧縮弾性率を有すると共に、削孔口の曲げと削孔自
体の曲がりに対応できる15kg/mm2 〜100kg /mm2 の範
囲の曲げ弾性率を有するロープ状構造であつて、該ロー
プ状構造を補強繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させたもの
を芯材とし、該芯材の外周を熱可塑性樹脂で被覆した複
合ストランドを撚合せ或いは編組した後、前記熱硬化性
樹脂を加熱硬化し、かつ前記撚合せ或いは編組した複合
ストランドにおける熱可塑性樹脂の接触部を融着接合し
た繊維強化熱硬化性樹脂・複合材料とし、これを前記削
孔内に挿入することが記載されている。
【0007】さらにまた例えば特公平4ー89346 号公報
には、コンクリート補強部材及びその製造法が記載され
ており、長手方向に配した強化用繊維で熱硬化性樹脂を
補強したロッド状のコア材の外周に強化用繊維を長手方
向に配設し、この強化用繊維に熱硬化性樹脂を含浸し、
この樹脂含浸被覆層の表面に適宜な手段により長手方向
に凹凸を並設し、この被覆層とロッド状のコア材とを一
体に熱硬化せしめたものであり、また熱硬化性樹脂が含
浸された強化用繊維をダイに通して未硬化もしくは半硬
化状のコア材を形成し、このコア材の外周に強化用繊維
を長手方向に配設し、この強化用繊維に熱硬化性樹脂を
含浸し、この樹脂含浸被覆層の外層に締付材を間隔をお
いて捲回し、被覆層の表面に長手方向に凹凸を並設し、
この被覆層と未硬化もしくは半硬化状態のロッド状のコ
ア材とを加熱して一体に熱硬化せしめることでなしたと
いう製造法が記載されている。
【0008】さらにまた例えば、特開平2-147749号公報
に記載の繊維複合材から成る棒状引張材の固定装置があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、前記
特開昭54ー148087号公報に記載のガラス繊維補強樹脂体
およびその製造方法は、例えばトンネルの壁面に注入さ
れたモルタル等に打ち込んだ場合、充分な剛直性を保有
し、ガラスロービングでの補強で耐剪断力ならびに耐引
張力に優れ、また表面螺旋状に巻くガラスロービングに
よる凹凸状で強固に固定され、トンネル壁面の強化に充
分寄与するものであって、さらに需要が高まり多様化す
るなかで、より頑固な補強材とより効果的構造ならびに
より効率的な製造ができるような方法が場合によっては
さらに必要になりつつあり、この点で極めて充分である
とは必ずしも言い難いものである。
【0010】また、前記特公昭57ー18484 号公報に記載
のガラス繊維補強樹脂体の表面に凹凸模様を形成する方
法は、前記樹脂体が加熱金型で半硬化状でもって、離型
剤を塗布または被覆した金属線条を巻き付けて巻き取り
して外すこと、あるいは内面に連続ねじ山を有するダイ
ス状金型である圧接具を、樹脂体軸芯を中心として回転
せしめる方法で行うため、ライン上で行うことでの高生
産性があるものの、前者では巻き付けによる凹凸模様が
必ずしも充分ではなく、両者とも莫大な機械力を必要と
し、巻き取りして外す設備あるいはダイス状金型等の圧
接具も必要とするものであって、より頑固な補強材とよ
り効果的構造ならびにより効率的な製造ができるような
方法というようなニーズに対し、必ずしも充分答えられ
るとは言い難いものである。
【0011】さらに、前記実公平3ー18555 号公報なら
びに特公平3ー49358 号公報に記載のロープ状構造より
なる引張補強材、あるいは特定弾性率を有するロープ状
構造を加工して芯材とし、その外周にさらに加工を加え
繊維強化熱硬化性樹脂・複合材料としたロツクボルト等
は、その工程が必ずしも簡単とは言い難く、また曲げ弾
性率等物性面で優れるものとは必ずしも言えず、より頑
固な補強材とより効果的構造ならびにより効率的な製造
ができるような方法というようなニーズに対し、到底及
ばないと言えるものである。
【0012】さらにまた、従来のマンドレル等中空棒状
体を用いたFRP製のロックボルトでは、セメント等を
注入する際に中空棒状体内周面にかかる内圧、例えば約
50kgf/cm2 程度の内圧に耐えるものはなく、特に前記
した工事においてセメント等を注入する機会が多々ある
最近においては、約50kg f/cm2 程度以上の内圧に耐え
て充分該内圧をクリアし安定かつ確実に安心してセメン
ト等を注入することができるようなFRP製のロックボ
ルトが待望されているところである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような点に
鑑みてなしたものであり、要求される多様でかつより高
度な性能を有ししかも多用し得、トンネルの掘削時ある
いはトンネル自体等、各種地下構造物や崖等を含む各種
地面の軟弱な地盤の補強改良に、補強用鉄筋等に代わ
り、しかもFRP製のロツクボルト製品の自身でもっ
て、中空棒状体内にセメント等を注入する際に中空棒状
体内周面にかかる内圧、例えば約50kg f/cm 2 程度の内
圧に耐える従来のFRP製ロックボルトより頑固な補強
材ならびにより効果的な構造を備え、鉄製アンカ−ボル
トとも構造的にも強度的にも連結使用ができる等、最近
のニ−ズに適応できる有用なFRP製のロツクボルトを
提供するものである。
【0014】
【問題点を解決するための手段】すなわち、本発明は、
熱硬化性樹脂を含浸し長さ方向に連続する長繊維状繊維
物の表面に、糸状繊維物を外周軸方向で間隔をおいて螺
旋状に一体的に巻付けて締め上げ、該巻付け締め上げた
糸状繊維物部が螺旋状の凹状溝部を、かつ隣合う該螺旋
状の凹状溝部の間隔の間が凸状山部をそれぞれ形成し、
該凸状山部と前記凹状溝部の高低差が0.5 〜2.5mm であ
って、かつ前記凹状溝部の半径に対する該高低差の値の
割合が0.02〜0.25であり、しかも前記凸状山部あるいは
前記凹状溝部のピッチが 5〜20mmになるよう繰り返し連
続して成るFRP製ロックボルトであって、該ロックボ
ルトは肉厚1.5〜2.5mmの樹脂からなる中空棒状体を心材
とし、前記中空棒状体内における耐内圧が50kg f/cm2
以上を有するように長繊維状繊維物を選択するととも
に、糸状繊維物によって巻付けて締め上げられたもので
あることを特徴とするセメント注入用中空部を有する
RP製のロツクボルト。
【0015】 また、前記FRP製のロツクボルトが、
その表面に繊維自身が露出することなく、また表面を滑
らかに仕上げるための熱硬化性樹脂を被覆してなること
を特徴とする上述したFRP製のロツクボルト。
【0016】またさらに、前記FRP製のロツクボルト
が、引張強さが20ton f(52kg f/mm2)以上、かつネジ剪
断強さが17ton f 以上であることを特徴とする上述した
FRP製のロツクボルト。
【0017】更に、本発明は、前記FRP製のロックボ
ルトの製法において、中空棒状体25を心材として送出
し、他方、支持ラツクの支軸に回転自在に軸支された複
数個のロービング巻束6よりロービングを引き出し、熱
硬化性樹脂液を満たした樹脂液槽8の中を通過させて前
記樹脂液を含浸させ、該含浸ロービング7’を配向板9
に送る工程、中央部に円形開孔を有し、該開孔の周囲に
複数列に略一様に分散するよう配置した含浸ロービング
用細孔が設けられた配向板9に前記含浸ロービング7’
を通過せしめる工程、引き続き、ガイドおよびスクイズ
用のヒーター付き金型10において、含浸ロービング7’
の余分な樹脂液のしぼり除去、ヒーターによる温度調整
により、棒状長繊維状繊維物の外径、該繊維物中の繊維
の割合を整え、含浸樹脂が未硬化状態の棒状長繊維状繊
維物24を形成する工程、次いで、前記棒状長繊維状繊維
物24の回りを公転するワインディングマシン11より巻束
から引き出される糸状繊維物を棒状長繊維状繊維物24に
対し螺旋状に巻付け、締め上げることにより、螺旋状に
凹状溝部および凸状山部を形成する工程、続いて、適宜
加熱手段をもって初段階において約80〜100 ℃、終段階
において約120 〜140 ℃に漸次加熱しキュアし、FRP
製のロックボルト1とする工程、更に、上下から、FR
P製のロックボルト1の連続する波状の凹凸面表面を挟
持するキャタビラ状を備える引抜機18によって前記ロッ
クボルト1を引き出し、切断機19によって所要の長さに
切断する工程、からなるFRP製のロックボルトの製法
提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】ここで、前記長繊維とは、例えば
好ましくはガラス繊維、なかでもEーガラス繊維等から
なるガラスロービングであって、主に入手し易さ、切断
荷重や抗張力(一般に径が小さい方が大きい)等から例
えば6〜30μm径程度、好ましくは11〜27μm程度、よ
り好ましくは13〜24μm径程度の繊維径を用い、また樹
脂の含浸程度や断面上の配列化と均一化、生産効率なら
びに製造時の安定性、所期の製品強度の達成等から例え
ば1150〜 9240tex程度、好ましくは2310〜4620tex 程度
のロービングであり、さらに例えば該テツクス(tex )
のロービングを約100 乃至250 本程度、好ましくは約12
0 乃至230 本程度、より好ましくは約130 乃至210 本程
度を用いる。他の繊維としては、例えばガラス繊維のな
かでも抗張力が大きいSガラス、YMガラス、強度アップ
ガラス等でもよく、さらにカーボン繊維、ケプラー繊維
等各種有機あるいは他の無機繊維を混入せしめる複合繊
維、さらに場合によっては微細な金属繊維をも単一また
は組み合わせ含むものでもよいものであって、各種繊維
の特徴が相乗するようにする。
【0019】また、前記熱硬化性樹脂とは、例えば不飽
和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂あるいは
エポキシ系樹脂等である。なかでも経済的には不飽和ポ
リエステル系樹脂であり、好ましいのはビニルエステル
系樹脂あるいはエポキシ系樹脂であるが、エポキシ樹脂
はどちらかと言えば高価であるので採用し難いものであ
る。該熱硬化性樹脂の調製としては、例えばビニルエス
テル系樹脂の場合には、t-Butyl peroxy-2-ethylhexano
nte 等を適宜添加混合し、含浸のし易さと均一性ならび
に含浸量を所期の程度内にすることおよび次工程の条件
を満たすことができるためには、樹脂溶液の粘度を例え
ば550 〜750cps程度、好ましくは600 〜700CPS程度とす
るものである。
【0020】さらに、前記熱硬化性樹脂を含浸し長さ方
向に連続する棒状長繊維状繊維物については、前記中空
棒状体を心材として充分長繊維であるロービングが断面
で均一分散して長さ方向に連続するなかで熱硬化性樹脂
が含浸し、前記凹状溝部と前記凸状山部を形成する最適
な状態に適宜保持し、糸状繊維物を外周軸方向で間隔を
おいて螺旋状に一体的に所期の巻付け締め上げができる
ことが肝心であり、長繊維であるロービングと含浸せし
める樹脂の割合は、例えばガラス繊維の場合にはガラス
繊維が約60〜70 vol%程度であり、この範囲程度から外
れると次第に前記巻き上げ時に変形や製品の各種強度、
ことに所期の引張強度や剪断強度等を得ることが困難に
なる等であって、好ましくは約62〜68vol %程度であ
る。
【0021】前記心材としての中空棒状体については、
通常合成樹脂製、例えば塩化ビニル製やポリカ−ボネ−
ト製等のパイプ(マンドレルというものも含む)であ
り、前記凹状溝部と前記凸状山部を形成することに対し
阻害とならない程度の大きさの外径であって、かつめざ
すFRP製のロックボルトをより強度アップし、より軽
量化に結びつくような肉厚と内外径であれば好ましく、
例えば塩ビ製パイプとしては、外径が約10〜18mm程度、
内径が約6〜14mm程度、肉厚が約1.5 〜2.5mm 程度であ
り、使用を妨げないものであることが肝心である。
【0022】また、前記糸状繊維物を外周軸方向で間隔
をおいて螺旋状に一体的に巻付けて締め上げることにつ
いては、確実にかつ安定したテーパー状でかつ凸起の頂
点が円弧状の凸状山部ならびに充分な引っ掛かりを有す
る凹状溝部をなし、基本的には改めて例えば螺刻する必
要がないようにするためであって、巻付けて締め上げる
力である巻張力が約0.5 〜5 kgf 程度、好ましくは約 1
〜 4kgf 程度であり、該間隔である前記凹状溝部あるい
は前記凸状山部のピツチとしては、約 5〜20mm程度、好
ましくは約 6〜17mm程度、より好ましくは約 7〜15mm程
度であって、前記凹状溝部と前記凸状山部のピツチがほ
ぼ同程度となり、凹状溝部と凸状山部の形成、柔軟の程
度ならびにロービングの割合さらに棒状長繊維状繊維物
の柔軟の程度および径等によって適宜自在に調整し所期
のものを得るものである。
【0023】さらに、前記糸状繊維物とは、充分な凹状
溝部をなすとともに巻張力に耐えしかも少なくとも巻き
付けによって染み出す樹脂を充分含浸して一体的になる
もので凹状溝部としてそのまま残し得るものであり、し
かも全体の強度アップに繋がるものであり、例えばビニ
ロン(例えば約1500〜2000デニール程度、具体的には約
1700〜1900デニール)であって、また例えばテトロン、
ケプラー、ナイロン、さらにガラスヤーン(5.6 〜135t
ex)やガラスロービング(1150〜4620tex )等であっ
て、その径は 4〜18μm程度例えば 6〜13μm程度であ
り、該各種のうち1種単一状であるいは複数種例えば2
〜3種を組み合わせ複合混在状で用いてもよく、その断
面形状は特に限定されるものではないが、例えば適宜帯
状となる断面形状でなるようにすると螺子としてもよ
い。なお該糸状繊維物は樹脂を含浸し用いてもよいが必
ずしも含浸を必要としない。
【0024】また、前記巻付け締め上げた糸状繊維物部
が螺旋状の凹状溝部にすることについては、前記螺刻的
な形状や使用時の引っ掛かりとしての馴染み等から、該
凹状溝部の深さである前記凸状山部と該凹状溝部の高低
差としては0.5 〜2.5mm 程度であり、0.5 mm未満では引
っ掛かりとしての螺子や使用時の馴染みが不充分とな
り、2.5mm を超えると凹状溝部が深くなりすぎて樹脂の
割合が少なくなりすぎ、しかも凸状山部の変形や樹脂の
垂れ状ならびに繊維のバラツキを生じ、ひいては強度の
低下を招く等が発現することとなり、好ましくは該深さ
が約0.7 〜2.3mm程度、より好ましくは約0.8 〜2.0mm
程度である。
【0025】さらに、前記凹状溝部の半径に対する該高
低差の値の割合が0.02〜0.25であるとしたのは、前記F
RP製のロツクボルトの外径として、重量的な作業性な
らびに使用時の必要本数等から例えば約18〜38mm径程
度、好ましくは約20〜32mm程度、より好ましくは約21〜
32mm程度であって、特に鉄製アンカ−ボルトの外径が32
mm程度あり、これに連結できることが好ましく該FRP
製のロツクボルトの外径としても同じ32mm程度とするこ
とが最適であり、該外径の範囲内で前記凹状溝部の深さ
を適宜選択するに当たり、所期のめざす強度を得るため
の一因子として凹状溝部の半径に対する該高低差の値の
割合を加味する必要がありその範囲が約0.02〜0.25程度
であって、好ましくは約0.03〜0.22程度、より好ましく
は約0.04〜0.20程度である。
【0026】さらに、前記引抜装置については、特に限
定されるものではないが、例えば約15〜60cm/min 程
度、好ましくは約20〜50cm/min 程度、より好ましくは
約25〜40cm/min 程度の引張速度がトラブルもなく安定
して操業でき、しかも製品として曲がり等の変形も発現
することなく、所期の形状と強度を得ることができるこ
ととなる。
【0027】さらにまた、本発明のFRP製のロックボ
ルトを製造するに当たり重要なことは、樹脂、繊維、含
浸量、形状、大きさ等前記したことはもちろん、前記金
型から出た直後で適宜最適な柔軟度を有する状態にある
棒状長繊維状繊維物に、糸状繊維物を巻き上げる要領で
ある。
【0028】さらにまた、前記FRP製のロツクボルト
の大きさについては、外径としては前記したように強度
や取扱上等から約18〜38mmφ程度、好ましくは約20〜32
mmφ程度、より好ましくは約21〜32mmφ程度であり、長
さとしては単品では特に制限はなく適宜自在に切断し選
択できるものであり、製造場所や製品ニーズ等の関係か
らおのずと制約を受ける程度の制約であって、好ましく
は約0.8 〜3 m程度、より好ましくは約1〜2m程度で
あり、さらに繋ぎ合わした結果の長さとしては約0.8 〜
10m程度、通常約1〜6 m程度であって、好ましくは約
1.2 〜5 m程度であり、その径とその長さを必要に応じ
て適宜自在に選べることは言うまでもない。
【0029】また、前記FRP製のロツクボルトの製品
としての特性は、前記中空棒状体の中空部における耐内
圧が約50kg f/cm2 程度以上、好ましく約80kg f/cm2
程度以上、より好ましくは約100kg f /cm2 程度以上の
値を有するものとなり、さらに引張強さが約20ton f(52
kg f/mm2)好ましくは約21ton f(55kg f/mm2)以上、か
つネジ剪断強さが約17ton f 以上、好ましくは約19ton
f 以上の値を有するものとなるものである。
【0030】また例えば曲げ弾性率が 400ton f / cm2
(4点曲げ)程度以上、曲げ強さが4〜8ton f /cm2
程度、伸び率が1.5 〜2.5 %程度以下、引張り弾性率が
210〜300ton f/cm2 程度、好ましくは引張り弾性率が5
00 〜700ton f/cm2 程度、比重が1.6 〜2.0 程度等で
ある。
【0031】前述したように、本発明のFRP製のロツ
クボルトによれば、中空棒状体とガラス繊維等である長
繊維状繊維物とビニルエステル系樹脂等である熱硬化性
樹脂とから成り、熱硬化性樹脂を含浸し長さ方向に連続
する特異な状態にある棒状長繊維状繊維物の表面に、ビ
ニロン等である糸状繊維物を外周軸方向で間隔をおいて
螺旋状に一体的に巻付けて締め上げ、螺旋状の凹状溝部
とこれに隣合う凸状山部をそれぞれ連続に形成し、該凸
状山部と前記凹状溝部の高低差が0.5 〜2.5mmであっ
て、かつ前記凹状溝部の半径に対する該高低差の値の割
合が0.02〜0.25であり、しかも前記凸状山部あるいは前
記凹状溝部のピッチが 5〜20mmになるよう繰り返し連続
して硬化して成り、前記中空部内の耐内圧が50kg f/cm
2 以上を有するFRP製のロツクボルトとしたことによ
り、特異に限定された形状とともに、特定されるような
樹脂と長繊維状繊維物との割合で均一の配列分散の状態
となり、凸状山部と凹状溝部の繊維と樹脂の前記状態を
できるだけ変化しないように最小限に押さえることがで
き、繊維自身が表面に露出することなく樹脂でカバーで
きるものとなって表面がきれいに仕上がり、FRP製ロ
ツクボルト自身の特性に加え各種強度アップすることは
もちろん確実で正確な螺子をなし、螺刻の必要をする必
要もなく、螺刻作業も必要なくしかもそれによる強度低
下を招くこともないものとなり、少ない本数でもって要
求される多様でかつより高度な性能を有ししかも多用し
得、トンネルの掘削時あるいはトンネル自体等、各種地
山性状の条件の良くない急勾配の切土ないし盛土法面
等、さらに山岳型の工事だけでなく、大断面化や多断面
化する都市あるいは海底型地下空間等各種地下構造物や
崖等を含む各種地面の軟弱な地盤の補強改良に、地山本
来の保持能力をより発揮させるようにする、補強用鉄筋
等に代わる従来のFRP製ロックボルトより頑固な補強
材ならびにより効果的な構造を備え、多様化や高性能化
ならびに取扱い易さのニーズに対応して適合し広く採用
し得る有用なFRP製のロツクボルトである。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例を詳細に説明する。ただし本発明は係る実施例に限定
されるものではない。
【0033】図1は、本発明のFRP製のロツクボルト
を一部切欠、省略し示す部分拡大した正面図であって、
該FRP製のロツクボルトは、中空棒状体25と長繊維
状繊維物と熱硬化性樹脂とから成り、さらにその構成が
中空棒状体25を心材とし、熱硬化性樹脂を含浸し長さ方
向に連続する棒状長繊維状繊維物の表面に、糸状繊維物
2を外周軸方向で間隔をおいて螺旋状に一体的に巻付け
て締め上げ、該巻付け締め上げた糸状繊維物部2が螺旋
状の凹状溝部4を径dとし、かつ隣合う該螺旋状の凹状
溝部4の間隔の間が凸状山部3をFRP製のロツクボル
の外径Dとしてそれぞれ形成し、該凸状山部3と前
記凹状溝部4の高低差Δdが0.5 〜2.5mm であって、か
つ前記凹状溝部4の径dに対する該高低差の値Δdの割
合が0.02〜0.25であり、しかも前記凸状山部3あるいは
前記凹状溝部4のピッチであるAまたはaが 5〜20mmに
なるよう繰り返し連続して硬化して成るものである。
【0034】図2は、本発明の他の一実施例のFRP製
のロツクボルトを示す部分拡大した正面図であって、該
FRP製のロツクボルト’は、上記したFRP製のロ
ツクボルトと同様中空棒状体25と長繊維状繊維物と熱
硬化性樹脂とから成るものであって、その構成が熱硬化
性樹脂を含浸し長さ方向に連続する棒状長繊維状繊維物
の表面に、2本の糸状繊維物2を平帯状に外周軸方向で
間隔をおいて螺旋状に一体的に巻付けて締め上げ、該巻
付け締め上げた糸状繊維物部2が螺旋状の平帯状の凹状
溝部4’を形成し、かつ隣合う該螺旋状の凹状溝部4’
の間隔の間が凸状山部3’をFRP製のロツクボルト
’の外径となるよう形成し、その凹状溝部4’の径を
dとし前記外径をDとした際、図1に示すと同様に該凸
状山部3’と前記凹状溝部4’の高低差Δdが0.5 〜2.
5mm であって、かつ前記凹状溝部4’の径dに対する該
高低差の値Δdの割合が0.02〜0.25であり、しかも前記
凸状山部3’あるいは前記凹状溝部4’のピッチである
Aまたはaが 5〜20mmになるよう繰り返し連続して硬化
して成るものである。
【0035】図3は、本発明のFRP製のロツクボルト
を製造するための一部断面を含む一実施例の引抜装置全
体の概要図であって、該装置に基づいて本発明のFRP
製のロツクボルトの製法を併せ説明する。
【0036】中空棒状体25を心材として供給し、必要数
の複数個のロービング巻束6(図では1本のみ示す)を
床面上に設けた支持ラツク(図示せず)に巻軸がその支
軸のまわりを自由自在に回転するようセツトし、該ロー
ビング巻束6の回転によってその巻束からロービング7
が引き出され、相当多数本のロービング7が同時に熱硬
化性樹脂液を満たした樹脂液槽8に送られる。なお該液
槽8もロービング7の数に応じて適宜複数個配置する。
【0037】送られてくる該各ロービング7は前記樹脂
液槽8内の熱硬化性樹脂液の中をガイドロール20、21に
よつてガイドされて通過することで、前記樹脂液が含浸
されて右方向に引き出され、含浸ロービング7’が適宜
支持されている配向板9に進む。
【0038】該配向板9は、中央部に径が多少大きい程
度の円形開孔を有し、該開孔の周囲に複数列に略一様に
分散するよう配置した含浸ロービング7’用細孔22が設
けられており、前記含浸ロービング7’が円形断面上で
できるだけ所定の分布となるよう細孔22を選択し通過せ
しめ、ガイドおよびスクイズ用であるヒーター23付きの
金型10に到る。
【0039】該金型10では、熱硬化性樹脂を含浸し長さ
方向に連続する、例えば断面でロービングが正しく整列
し引き揃えられ一様に分散した棒状長繊維状繊維物24に
形成し、余分な樹脂液のしぼり除去および脱泡をするこ
とさらにヒーター23による温度調整等でもって、外径が
ほぼ18〜38mm程度の範囲でかつ繊維の割合がほぼ60〜70
vol%程度にするとともに、該金型から出た直後で柔軟
性を有し、充分凹状溝部と凸状山部を形成するための巻
付けて締め上げる操作が可能なような状態にあるものと
する。
【0040】次いで、前記棒状長繊維状繊維物24の回り
を公転するワインディングマシン11が支持され、巻束か
ら引き出される例えばビニロン(例えば約1500〜2000デ
ニール程度)の糸状繊維物2を公転しつつ棒状長繊維状
繊維物24に対し螺旋状で一体的に巻付けて締め上げる力
である巻張力が約0.5 〜5 kgf 程度で適宜自在に調整し
巻き付ける。キュア後、該間隔である前記凹状溝部ある
いは前記凸状山部のピツチとしては約 5〜20mm程度であ
って、該凹状溝部の深さである前記凸状山部と該凹状溝
部の高低差としては約0.5 〜2.5mm 程度、前記凹状溝部
の半径に対する該高低差の値の割合が0.02〜0.25程度、
前記FRP製ロツクボルトの外径として例えば約18〜38
mm径程度であるものになるように調整する。
【0041】続いて、遠赤外線加熱炉12のヒーター13で
もって約80〜100 ℃程度で第一段階の加熱を、高周波加
熱炉14のヒーター15でもって約100 〜120 ℃程度で第二
段階の加熱を、さらに遠赤外線加熱炉16のヒーター17で
もって約120 〜140 ℃程度で第三段階の加熱を行いキュ
アし、充分内部まで成熟するようにする。なお本装置で
は三つの炉でもってガスが拡散するようにしているが、
例えばガスの処理さえできれば当然一つにまとめた加熱
炉としてもよいことは言うまでもない。
【0042】上述のキュアまででなる本発明のFRP製
のロックボルトの表面に連続する波状の規則正しいと言
える凹凸面と、上下から該FRP製のロックボルトの表
面を挟持するキャタビラ状を備える引抜機18によって矢
印で示す右方向に引き出す。なお、該キャタビラ状を備
える引抜機18は、回動ベルトの外側にゴム板を多数等間
隔に突出させ、目的物を弾力的に把持し、その表面に傷
を付けることない。
【0043】次に、引き出されたFRP製のロックボル
トを切断機19によって所要の長さに切断し定尺のFRP
製のロックボルトを得る。実施例1 図3に示した引抜装置でもって図1に示すような外径約
32mmφのFRP製のロックボルトを得た。
【0044】該引抜装置において、外径約16±0.3 mm程
度、内径約12〜13mm程度、肉厚約1.5 〜2.0mm 程度の塩
ビ製のパイプ(マンドレル)である中空棒状体25を心材
として供給し、ロービングとしては約24μのガラス繊維
で約4630tex のものを約210±10本程度用い、該ロービ
ングに含浸させる熱硬化性樹脂としてはビニルエステル
樹脂を用い、該ビニルエステル樹脂100 部に対してt-Bu
tyl peroxy-2-ethylhexanonte 約2部程度を混合したも
のを主体とし約650 ±20cps 程度の粘度に調製した樹脂
液とした。また糸状繊維物としては繊維径約14μで1800
デニールのビニロン繊維を用い、巻張力としては約1.5
〜4 kgf 程度で適宜自在に調整し巻き付けた。
【0045】さらに遠赤外線加熱炉としては約90±10℃
程度で、高周波加熱炉としては約100 ±10℃程度で、さ
らに遠赤外線加熱炉としては約120 ±10℃程度で加熱を
行い合計約11±2 分程度のキュアをした。
【0046】さらにまた引抜機の引き抜き速度としては
約35±5cm /min 程度で行った。得られたFRP製のロ
ックボルトは、外径が約32mmφ程度、凸状山部と凹状溝
部の高低差が約0.9 ±0.1mm 程度、かつ凹状溝部の径に
対する該高低差の値の割合が0.035 ±0.005 であり、し
かも凸状山部あるいは凹状溝部のピッチは約10±1mm 程
度となり、またガラス繊維の vol%としては約62%前後
程度であって、引張強さが約85kgf /mm2 以上であり、
引張り弾性率が約500 〜700ton f/cm2 程度となり、し
かも充分ジョイントナットや金具の取り付けがそのまま
の表面で可能なものとなり、めざす本発明のFRP製の
ロックボルトであった。
【0047】実施例2 実施例1と同様に第3図に示した引抜装置でもって、第
2図に示すような外径約32mmφのFRP製のロックボル
トを得た。
【0048】ロービングとしては、実施例1と同様なも
のを約130 ±10本程度用い、樹脂液ならびに糸状繊維物
は実施例1と同様なものとし、ただ糸状繊維物を2本用
い平帯状に外周軸方向で間隔をおいて螺旋状に一体的に
巻付けて締め上げ平帯状の凹状溝部を形成した。
【0049】加熱温度および加熱時間とも実施例1と同
様にしてキュアするとともに、引抜機の引き抜き速度も
ほぼ実施例1と同様にした。得られたFRP製のロック
ボルトは、外径が約32mmφ程度、凸状山部と凹状溝部の
高低差が約1.5 ±0.7mm 程度、かつ凹状溝部の径に対す
る該高低差の値の割合が0.055 ±0.005 であり、しかも
凸状山部あるいは凹状溝部のピッチは約11±1mm 程度と
なり、ガラス繊維の vol%としては約65%前後程度であ
って、引張強さが約60kg f/mm2 と現行品の約1.5 〜 2
倍程度以上であり、しかも充分ジョイントナットや金具
の取り付けがそのままの表面で可能なものとなり、所期
のめざす本発明のFRP製のロックボルトであった。
【0050】
【発明の効果】上述したように、本発明のFRP製のロ
ツクボルトは、中空棒状体を心材とし、螺旋状の凹状溝
部とこれに隣合う凸状山部を連続に形成し、凸状山部と
凹状溝部の高低差が0.5 〜2.5mm 、かつ凹状溝部の半径
に対する高低差の値の割合が0.02〜0.25、しかも凸状山
部あるいは凹状溝部のピッチが 5〜20mmになるよう連続
して硬化して成り、前記中空部内における耐内圧を50kg
f/cm2 以上とするFRP製のロツクボルトとしたこと
により、特異に限定された形状であって、特定されるよ
うな樹脂と長繊維状繊維物との割合内で均一の配列分散
の状態となり、凸状山部と凹状溝部の繊維と樹脂の前記
状態をできるだけ変化しないようにでき、繊維自身が表
面に露出することなく樹脂でカバーできて表面が滑らか
に仕上がり、FRP製のロツクボルト自身の特性に加え
各種の強度アップをし、確実で正確な螺子をなし、螺刻
の必要をする必要もなく、螺刻作業も必要なくしかもそ
れによる強度低下を招くこともないものとなり、中空棒
状体内を通してのセメント等の注入が安定して確実かつ
簡便にでき、しかも鉄アンカ−ボルトと直結できて連結
併用ができることとなし得たものである。
【0051】また、少ない本数でもって要求される多様
でかつより高度な性能を有し、トンネルの掘削時あるい
はトンネル自体等、各種地山性状の条件の良くない急勾
配の切土ないし盛土法面等、さらに山岳型の工事だけで
なく、大断面化や多断面化する都市あるいは海底型地下
空間等各種地下構造物や崖等を含む各種地面の軟弱な地
盤の補強改良に、地山本来の保持能力をより発揮させる
ようにする、補強用鉄筋等に代わる従来のFRP製ロッ
クボルトより頑固な補強材ならびにより効果的な構造を
備え、多様化や高強度高性能化ならびに取扱い易さのニ
ーズに対応して適合し広く採用し得る有用なFRP製の
ロツクボルトを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRP製のロツクボルトを一部切欠、
省略して示す部分拡大した正面図である。
【図2】本発明の他の一実施例のFRP製のロツクボル
トを一部切欠、省略して示す部分拡大した正面図であ
る。
【図3】本発明のFRP製のロツクボルトを製造するた
めの一部断面を含む一実施例の引抜装置全体の概要図で
ある。
【符号の説明】 FRP製のロツクボルト ’FRP製のロツクボルト 2 糸状繊維物 3 凸状山部 3’凸状山部 4 凹状溝部 4’凹状溝部 5 側断面部 6 ロービング巻束 7 ロービング 8 樹脂液槽 9 配向板 10 金型 11 ワインディングマシン 12 遠赤外線加熱炉 14 高周波加熱炉 16 遠赤外線加熱炉 18 引抜機 19 切断機 25 中空棒状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽馬 徹 大阪府大阪市北区西天満三丁目2番17号 株式会社ケー・エフ・シー内 (72)発明者 鈴木 捷宏 東京都千代田区神田錦町3ー7ー1 セ ントラル硝子株式会社内 (72)発明者 神川 良顕 東京都千代田区神田錦町3ー7ー1 セ ントラル硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−217628(JP,A) 特開 平2−115499(JP,A) 特開 昭54−148087(JP,A) 特開 平4−64619(JP,A) 特開 平4−368599(JP,A) 特開 平2−225814(JP,A) 特公 昭57−18484(JP,B2) 特公 平5−19640(JP,B2) 実公 平4−34240(JP,Y2) 実公 昭58−10753(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 20/00 - 21/00 F16B 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を含浸し長さ方向に連続す
    る長繊維状繊維物の表面に、糸状繊維物を外周軸方向で
    間隔をおいて螺旋状に一体的に巻付けて締め上げ、該巻
    付け締め上げた糸状繊維物部が螺旋状の凹状溝部を、か
    つ隣合う該螺旋状の凹状溝部の間隔の間が凸状山部をそ
    れぞれ形成し、該凸状山部と前記凹状溝部の高低差が0.
    5 〜2.5mm であって、かつ前記凹状溝部の半径に対する
    該高低差の値の割合が0.02〜0.25であり、しかも前記凸
    状山部あるいは前記凹状溝部のピッチが 5〜20mmになる
    よう繰り返し連続して成るFRP製ロックボルトであっ
    て、該ロックボルトは肉厚1.5〜2.5mmの樹脂からなる中
    空棒状体を心材とし、前記中空棒状体内における耐内圧
    が50kg f/cm2以上を有するように長繊維状繊維物を選
    択するとともに、糸状繊維物によって巻付けて締め上げ
    られたものであることを特徴とするセメント注入用中空
    部を有するFRP製のロツクボルト。
  2. 【請求項2】 FRP製のロツクボルトが、その表面に
    繊維自身が露出することなく、また表面を滑らかに仕上
    げるための熱硬化性樹脂を被覆してなることを特徴とす
    る請求項1記載のFRP製のロツクボルト。
  3. 【請求項3】 FRP製のロツクボルトが、引張強さが
    20ton f(52kg f/mm2)以上、かつネジ剪断強さが17ton
    f 以上であることを特徴とする請求項1または2記載の
    FRP製のロツクボルト。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のFRP製のロックボルト
    の製法において、中空棒状体25を心材として送出し、他
    方、支持ラツクの支軸に回転自在に軸支された複数個の
    ロービング巻束6よりロービングを引き出し、熱硬化性
    樹脂液を満たした樹脂液槽8の中を通過させて前記樹脂
    液を含浸させ、該含浸ロービング7’を配向板9に送る
    工程、 中央部に円形開孔を有し、該開孔の周囲に複数列に略一
    様に分散するよう配置した含浸ロービング用細孔が設け
    られた配向板9に前記含浸ロービング7’を通過せしめ
    る工程、 引き続き、ガイドおよびスクイズ用のヒーター付き金型
    10において、棒状長繊維状繊維物を形成すべく含浸ロー
    ビング7’の余分な樹脂液のしぼり除去、ヒーターによ
    る温度調整により、棒状長繊維状繊維物の外径、該繊維
    物中の繊維の割合 を整え、含浸樹脂が未硬化状態の棒状
    長繊維状繊維物24を形成する工程、 次いで、前記棒状長繊維状繊維物24の回りを公転するワ
    インディングマシン11より巻束から引き出される糸状繊
    維物を棒状長繊維状繊維物24に対し螺旋状に巻付け、締
    め上げることにより、螺旋状に凹状溝部および凸状山部
    を形成する工程、続いて、適宜加熱手段をもって初段階
    において約80〜100 ℃、終段階において約120 〜140 ℃
    に漸次加熱しキュアし、FRP製のロックボルト1とす
    る工程、 更に、上下から、FRP製のロックボルト1の連続する
    波状の凹凸面表面を挟持するキャタビラ状を備える引抜
    機18によって前記ロックボルト1を引き出し、切断機19
    によって所要の長さに切断する工程、からなることを特
    徴とするFRP製のロックボルトの製法。
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