JP2003201800A - ロックボルト - Google Patents

ロックボルト

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JP2003201800A
JP2003201800A JP2002314373A JP2002314373A JP2003201800A JP 2003201800 A JP2003201800 A JP 2003201800A JP 2002314373 A JP2002314373 A JP 2002314373A JP 2002314373 A JP2002314373 A JP 2002314373A JP 2003201800 A JP2003201800 A JP 2003201800A
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layer
tubular body
fiber
tubular
resin
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Koshiro Hayashi
耕四郎 林
Takeshi Itohiya
剛 糸日谷
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AGC Matex Co Ltd
Original Assignee
Asahi Glass Matex Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】半径方向の破裂強度または耐ねじりトルク強度
に優れた中空管形状のFRP製ロックボルトの提供。 【解決手段】各々繊維強化樹脂からなる内層、中間層、
外層がこの順に積層している、先端部と基端部が開放し
た中空管形状の管状体であって、前記内層は、強化材と
して前記管状体の軸方向に配向する連続繊維を含む繊維
強化樹脂層であり、前記中間層は、強化材として前記管
状体の周方向に巻回された連続繊維を含む繊維強化樹脂
層であり、前記外層は、強化材として前記管状体の軸方
向に配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、前
記外層の表面には、樹脂材料を含浸させた連続繊維束が
螺旋状に巻回されている管状ロックボルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル掘削、ま
たは急勾配の法面カットの際の地山補強目的に使用され
る繊維強化樹脂(FRP)製の中空管形状のロックボル
トおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種トンネルや各種地下空間ある
いは道路や住宅地の造成法面等における地山補強の一つ
として、鋼鉄製または繊維強化樹脂(FRP)製のロッ
クボルトを地盤に挿入して支持部材とすることが行われ
ている。これらのロックボルトのうち、FRP製のロッ
クボルトは、鋼製のロックボルトに比べて、軽くて強
く、しかも腐食がないことに加えて、電気絶縁性であ
り、しかも容易に切断加工できるといった長所を有して
いる。FRP製のロックボルトは、当初、木材、プラス
チック等のむく材の芯材を繊維強化熱硬化性樹脂で覆っ
た棒状体(中実体)であった(例えば、特許文献1参
照)。このような棒状体のロックボルトを地山と一体化
させるには、削孔内に予め接着剤を注入してから、ロッ
クボルトを挿入し、固定させることによって行われてい
た。しかし、この方法では、ロックボルトを挿入するま
でに接着剤の硬化が進んで流動性がなくなり、ロックボ
ルトが挿入できなくなったり、ロックボルトと接着剤の
間に隙間が生じ、地山との一体性が損なわれるという問
題があった。
【0003】この問題を解決するため、中空管形状のF
RP製ロックボルトを削孔内に挿入し、定着材としてウ
レタン樹脂やモルタルといったグラウトを注入してロッ
クボルトを固定する方法が行わるようになっている(例
えば、特許文献2参照)。この方法で使用される中空管
形状のFRP製ロックボルトの製造には、フィラメント
ワインディング成形法により、樹脂含浸繊維束で耐食層
となる最内層を形成し、樹脂を硬化した後に樹脂製の強
化層を機械成形し、その後、硬化炉にて硬化、脱型、仕
上げを経るバッチ方式による製造法と、塩化ビニル等の
合成樹脂製のパイプに軸方向にガラス繊維等の強化繊維
を配向させて、合成樹脂製のパイプを内層とする中空管
を引き抜き成形する方法(例えば、特許文献3参照)、
若しくは軸状のマンドレルの周囲に樹脂含浸連続繊維を
マンドレルの軸方向に配向するように引きそろえて、マ
ンドレルを引っ張ることにより、中空管を連続的に引き
抜き成形する方法のようなロックボルトを連続的に製造
する方法がある。
【0004】しかし、バッチ方式による製造では、要求
される性能は確保できるが、生産性が低く、製造コスト
が高くつくという問題点があった。一方、マンドレルの
周囲に樹脂材料を含浸させた連続繊維を引きそろえて引
き抜き成形により中空管形状のロックボルトを連続して
製造する場合、生産性は優れており、また、強化材であ
る連続繊維が軸方向に配向するため、引張強度は優れて
いるが、周方向の強度、より具体的には周方向の破裂強
度が十分ではない。このため、周方向の圧力に対して脆
弱であり、グラウト剤を20〜80kg/cm2 といっ
た比較的高圧で注入した場合、ロックボルトが破損する
恐れがある。合成樹脂製のパイプに強化繊維を配向させ
る場合、軸方向に配置する繊維量が多いため硬化時間が
律速となり、生産性が低く、また、本来耐食性や耐候性
が要求されない内部領域についてもこのような機能が必
要となっていた。
【0005】また、ロックボルトを地盤に敷設する場合
の別の問題として、地盤が軟弱な場合、ロックボルトの
挿入前または挿入時に敷設孔の壁面が崩れロックボルト
の挿入が困難になる。この問題を解決するため、先端部
に刃先を有する削孔ビットを装着して、穿孔機により旋
回させることで地盤に孔を形成しながら、地盤に挿入さ
れる自穿孔タイプの管状ロックボルトが用いられる。こ
のような自穿孔タイプのロックボルトは、旋回させなが
ら地盤に挿入するため、ねじり強さが要求される。ねじ
り強さが不十分な場合には、地盤への挿入時にロックボ
ルトが折損するおそれがあり、ロックボルトが折損した
場合、ロックボルトを挿入していた地盤の近くに新たな
掘削孔を形成して別のロックボルトを挿入することが必
要となる。
【0006】このような自穿孔ロックボルトとしては、
硬化樹脂から成るパイプの肉厚内に、該パイプの長手方
向に配向した直線状ガラス繊維及び螺旋状ガラス繊維を
各々有するFRP製のロッドの両端外周部にネジ部を形
成したことを特徴とする自穿孔ロックボルトが開示され
ている(例えば、特許文献4参照)。このような構成を
した自穿孔タイプのロックボルトでは、ロッドのネジ部
の螺旋方向に働く回転モーメントを伝達する際に、螺旋
状ガラス繊維により径方向に圧縮されることによって、
捩じれと圧力に対するロッドの強度を一層高めることが
出来るとされている。しかし、このような従来のFRP
製の自穿孔タイプのロックボルトは、ねじれ強さが十分
ではなかった。
【0007】
【特許文献1】特公昭56−23040号公報
【特許文献2】特開平10−227200号公報
【特許文献3】特開平8−326499号公報
【特許文献4】特開平9−184400号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の中空管形状のロックボルトの周方向の強度に関わる
問題点を解決するため、強度、特に周方向の破裂強度が
優れたFRP製の中空管形状のロックボルトを提供する
ことを課題とする。本発明は、また従来の自穿孔タイプ
のロックボルトの強度に関わる問題点を解消するため、
ねじり強さに優れたFRP製の自穿孔タイプの中空管形
状のロックボルトを提供することを課題とする。本発明
は、さらにまたこのような中空管形状のロックボルトを
連続的に製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、本発明は、各々繊維強化樹脂からなる内
層、中間層、外層がこの順に積層している、先端部と基
端部が開放した中空管形状の管状体であって、前記内層
は、強化材として前記管状体の軸方向に配向する連続繊
維を含む繊維強化樹脂層であり、前記中間層は、強化材
として前記管状体の周方向に巻回された連続繊維を含む
繊維強化樹脂層であり、前記外層は、強化材として前記
管状体の軸方向に配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂
層であり、前記外層の表面には、突起層が設けられてい
る管状ロックボルトを提供する。本発明の管状ロックボ
ルトは、好ましくは、前記内層、中間層および外層は、
加熱硬化または紫外線硬化させた樹脂硬化物をマトリッ
クスとする。本発明の管状ロックボルトにおいて、前記
突起層は、前記管状体に周方向または傾斜した周方向に
配向しており、かつ前記管状体の外部表面に突出してい
る連続層であることが好ましい。本発明の管状ロックボ
ルトにおいて、前記突起層は、樹脂材料を含浸させた連
続繊維束を前記外層の外部表面に螺旋状に巻回してなる
繊維強化樹脂層であることが好ましい。
【0010】本発明は、また各々繊維強化樹脂からなる
内層、中間層、外層がこの順に積層している、先端部と
基端部が開放した中空管形状の管状体であって、前記内
層は、強化材として前記管状体の軸方向に配向する連続
繊維を含む繊維強化樹脂層であり、前記中間層は、強化
材として前記管状体の周方向に巻回された連続繊維を含
む繊維強化樹脂層であり、前記外層は、強化材として前
記管状体の軸方向に配向する連続繊維を含む繊維強化樹
脂層であり、前記外層の表面には、樹脂材料を含浸させ
た連続繊維束が螺旋状に巻回されてなる自穿孔タイプの
管状ロックボルト(以下、「自穿孔ロックボルト」とも
いう。)を提供する。本発明の自穿孔ロックボルトは、
好ましくは、前記内層、中間層および外層は、加熱硬化
または紫外線硬化させた樹脂硬化物をマトリックスとす
る。本発明の自穿孔ロックボルトは、好ましくは前記管
状体の外表面上の螺旋状に巻回された樹脂材料を含浸さ
せた連続繊維束を有する先端側および/または基端側に
取り付けられたねじ部を有する。
【0011】本発明は、さらにまた、繊維強化樹脂から
なり、中空管形状をした多層構造の管状体を連続して製
造する方法であって、樹脂材料を含浸させた第1の連続
繊維を、進行する軸状のマンドレルの周囲にその軸方向
に配向するように引きそろえて、軸方向に配向する連続
繊維を含んだ繊維強化樹脂からなる中空管形状をした内
層を引き抜き成形し、前記内層の外部表面上に、樹脂材
料を含浸させた第2の連続繊維を前記管状体の周方向に
巻回することにより、周方向に配向する連続繊維を含ん
だ繊維強化樹脂からなる中間層を形成し、前記中間層の
外部表面上に、樹脂材料を含浸させた第3の連続繊維
を、その進行方向に配向するよう配置することにより、
軸方向に配向する連続繊維を含んだ繊維強化樹脂からな
る外層を形成し、前記外層の外部表面上に、樹脂材料を
含浸させた連続繊維束を前記管状体の周方向または傾斜
した周方向に螺旋状に巻回することを特徴とする繊維強
化樹脂からなる、中空管形状をした、多層構造の管状体
を連続して製造する方法を提供する。本発明の多層構造
の管状体を連続して製造する方法において、好ましく
は、前記中間層の形成を、前記内層のマトリックスをな
す樹脂が少なくとも部分硬化してから行い、前記外層の
形成を、前記中間層のマトリックスをなす樹脂が未硬化
または部分硬化の状態で行い、前記樹脂材料を含浸させ
た連続繊維束の巻回を、前記外層のマトリックスをなす
樹脂が未硬化または部分硬化の状態で行い、前記樹脂材
料を含浸させた連続繊維束の巻回後に、樹脂を加熱硬化
または紫外線硬化させる。本発明は、また、本発明の多
層構造の管状体を製造する方法で得られた中空管形状の
管状体を所望の長さで切断することにより、中空管形状
の管状ロックボルトを製造する方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。なお、図面中、手前を先端、先端の反対
側を基端とする。本発明の第1の実施形態は、周方向の
破裂強度に優れ、グラウト注入時におけるロックボルト
の破損の恐れが低減された中空管形状をした管状ロック
ボルトに関する。図1は、本発明の管状ロックボルトの
1例の斜視図である。図示するように、管状ロックボル
ト1は、先端部がテーパー状になっており、先端部およ
び基端部が開放している中空形状の管状体であって、そ
の外部表面には螺旋状の突起層5が設けられている。図
2は、テーパ―状をした先端部の形状が異なる別の形態
をした管状ロックボルトを示している。但し、先端部が
テーパー状であることは、必須ではなく、図示したロッ
クボルトの基端部と同様に、先端部が管状体の他の部分
と同一の径を有していてもよい。
【0013】図3は、本発明の管状ロックボルトの一部
破断斜視図であり、図4は本発明のロックボルトを軸方
向に対して垂直方向に切断した部分断面図である。両
図、特に図3を参照すると、本発明の管状ロックボルト
は、管状体の軸方向に配向する連続繊維を有する内層
2、管状体の周方向に配向する連続繊維を有する中間層
3、管状体の軸方向に配向する連続繊維を有する外層4
がこの順に積層した3層構造をしており、外層4の外部
表面には、螺旋状の突起層5が設けられている。以下、
3層構造を構成する各層および螺旋状の突起層につい
て、詳細に説明する。
【0014】[内層]内層2は、強化材として管状体の
軸方向に配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂層であ
り、止水層および耐食層の役割を担う。内層2の内径
は、ロックボルトの管径および設置時に内部を通過させ
るグラウトの量にもよるが、通常は6〜22mmであ
る。内層2の層厚は、ロックボルトの管径および用途に
もよるが、通常1〜10mmであり、好ましくは1.5
mm〜4mmである。層厚が上記であると、十分な止水
層が得られ、かつ同時に引張り強度が得られる。
【0015】内層のマトリックスをなす樹脂材料は、熱
硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂であることが好まし
く、これらの樹脂材料を加熱硬化または紫外線硬化させ
て樹脂硬化物とする。熱硬化性樹脂としては、例えば、
エポキシ樹脂、ビニルエステル(エポキシ(メタ)アク
リレート)、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ジア
リルフタレート樹脂等、またはこれらの混合物に熱硬化
性触媒を添加したものを用いることができる。熱硬化触
媒としては、エポキシ系の熱硬化性樹脂に対してはジシ
アンジアミドや酸無水物などを、その他のものに対して
はケトンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ア
ルキルパーエステル、パーカーボネート、ハイドロパー
オキサイド、パーオキシケタールなどの過酸化物などを
用いることができる。
【0016】紫外線硬化性樹脂としては、上記の熱硬化
性樹脂に例示したものに加えて、単官能または2官能エ
ポキシモノマー、ヒドロキシプロピルアクリレート,ト
リメチルプロパントリアクリレート,ネオペンチルグリ
コールジアクリレート等の(メタ)アクリレート系のモ
ノマー、スチレン,ジビニルベンゼン,酢酸ビニル,無
水マレイン酸,N−ビニルピロリドン等のビニルモノマ
ーなどの重合性のモノマー、あるいはこれらの混合物が
挙げられ、通常これらとともに光開始剤が使用される。
光開始剤としては、公知のものを用いることができる。
【0017】内層の強化材をなす連続繊維は、繊維強化
樹脂材料において、強化材として使用されるものであれ
ばいずれであってもよく、ガラス繊維、炭素繊維、セラ
ミック繊維等の無機繊維、ビニロン繊維、アラミド繊
維、芳香族ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維等の
有機繊維が挙げられる。中でも、強度、製造コスト、成
形性等の兼ね合いからガラス繊維、特にE−ガラス繊維
等からなるヤーン、モノフィラメント、ロービングが好
ましく、特にフィラメント径4〜30μm、好ましく
は、11〜27μm、ストランド番手500〜1000
0tex、より好ましくは1000〜5000texの
ガラスロービングが好ましい。内層における連続繊維の
含有率は、約30〜70vol%であることが好まし
い。連続繊維の含有率が上記の範囲であると、製造時の
作業性と製造されたロックボルトの強度のいずれも優れ
るため好ましい。
【0018】[中間層]中間層3は、内層2上に積層さ
れ、強化材として内層2の外部表面に管状体の周方向に
巻回された連続繊維を含む繊維強化樹脂層である。中間
層3は、強化材である連続繊維が管状体の周方向に配向
しているため、半径方向の強度を向上させる役割を果た
す。また、中間層3は、内層2と外層4とを強固に結合
させる接着層として作用する。中間層3は、樹脂材料を
含浸させた連続繊維を内層の外部表面に巻回することで
形成するため、その層厚は、巻回する繊維束の径と同程
度であり、具体的には例えば、0.1〜1mm程度であ
る。中間層3のマトリックスをなす樹脂材料は、内層2
について例示したものを全て好適に使用することができ
る。ただし、内層2との接着性を高めるため、内層のマ
トリックスをなす樹脂材料と同種であることが好まし
い。
【0019】中間層3の強化材をなす連続繊維は、繊維
強化樹脂の補強繊維として通常使用されるものであれば
いずれも使用することができる。具体的には、ガラス繊
維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ビニロン
繊維、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリア
リレート繊維等の有機繊維が挙げられる。これら繊維の
うちから、使用する樹脂材料等の条件に応じて適宜選択
することができる。例えば、紫外線硬化性樹脂材料を使
用する場合は、光透過性のガラス繊維、セラミック繊
維、ビニロン繊維等を選択することが好ましく、熱硬化
性樹脂材料を使用する場合は、耐熱性の高いガラス繊
維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機繊維や、アラミ
ド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維
等の耐熱性の有機繊維を選択することが好ましい。
【0020】中間層3は、管状ロックボルトの半径方向
の強度を担うことから、連続繊維は、モノフィラメント
ではなく、ロービング等の連続繊維束であることが好ま
しく、具体的には、フィラメント径4〜30μm、好ま
しくは、11〜27μm、ストランド番手100〜30
00tex、より好ましくは100〜1000texの
ロービングが好ましい。同様の理由から、連続繊維は管
状体の周方向に密に巻回されていることが好ましい。例
えば、巻回のピッチが1〜20mm/回、好ましくは1
〜10mm/回であれば、接着性に優れ、かつロックボ
ルトの周方向の強度にも寄与する。中間層における連続
繊維の含有率は、上記のように樹脂材料を含浸させた連
続繊維を密に巻回することで形成されるため、40〜8
0vol%である。
【0021】[外層]外層4は、中間層3上に積層さ
れ、強化材として管状体の軸方向に配向する連続繊維を
必要量含み、管状ロックボルトの強化層の役割を担う。
外層4の層厚は、ロックボルトの径および用途にもよる
が、1〜15mm程度である。層厚がこの範囲である
と、十分な引張り強度が得られる。マトリックスをなす
樹脂材料および強化材をなす連続繊維については、上記
内層について例示したものをいずれも使用することがで
きる。ただし、樹脂材料については、中間層3との接着
性を高めるため、中間層のマトリックスを構成する樹脂
材料と同種であることが好ましい。外層における連続繊
維の含有率は、ロックボルトに要求される性能、特に強
度によって異なり、20〜70vol%である。連続繊
維の含有率は、ロックボルトにおいて重視すべき要件に
応じてこの範囲内で適宜選択する。例えば、ロックボル
トの強度を重視する場合、連続繊維の含有率を高めに設
定する。一方、強度よりも耐食性を重視する場合は、連
続繊維の含有率を低めに設定する。
【0022】[突起層]本発明の管状ロックボルトで
は、このような3層構造からなる管状体の外部表面に突
起層が設けられている。突起層は外層の表面に多数の突
起を設けたものであってもよいが、好ましくは管状体の
周方向若しくは傾斜した周方向に配向して、管状体の外
部表面に突出して形成された線状若しくは長尺体状の連
続層であり、より好ましくは、樹脂材料を含浸させた連
続繊維束を外層の外部表面に周方向または傾斜した周方
向に螺旋状に巻回することにより形成される繊維強化樹
脂層である。このような突起層を設けることにより、削
孔内に挿入時に定着剤との有効接触面積を増加させ、ロ
ックボルトの固定をより確実にする。
【0023】突起層を形成する連続繊維および樹脂材料
は、中間層について例示したものをいずれも使用するこ
とができる。ただし、外層4との接着性を高めるため、
外層のマトリックスをなす樹脂材料と同種であることが
好ましい。また、連続繊維束は、外層表面に確実に接着
させるため巻張力に耐えることが要求され、また、ある
程度の高さの凸部を設ける必要があり、かつ外部環境か
らの衝撃、圧力等に晒されることから、フィラメント径
6〜30μm、好ましくは、11〜27μm、ストラン
ド番手100〜5000texのロービングが好まし
い。
【0024】形成される突起層の高さは、ロックボルト
の径にもよるが、0.5〜3mm程度であることが好ま
しい。また、突起層はこのような高さの突起が1〜20
0mm/回程度のピッチで配置されるように螺旋をなす
ことが好ましく、より好ましくは5〜120mm/回程
度、さらに好ましくは5〜20mm/回程度のピッチで
配置されるように螺旋をなす。
【0025】突起層を形成する連続繊維束は、特公平1
−32058号公報に開示されているような、複数本の
連続繊維束を撚った撚り紐状のロービングであることが
好ましい。このような撚り紐状のロービングで突起層を
形成すると、より高い突起層を形成しやすく、また、外
層表面への接着性が優れている。突起層を形成する連続
繊維束として、撚り紐状のロービングを用いる場合、撚
り本数は、管状体の外径または個々の繊維束の太さにも
よるが、2〜10本であることが好ましく、より好まし
くは2〜4本である。また、個々の繊維束の太さは、管
状体の外径が1cmであるとすれば、管状体に対して4
〜10g/mに相当する太さであることが好ましい。撚
りピッチ数は、管状体の外径や、個々の繊維束の太さ、
または撚り本数にもよるが、1本当たりの太さが2〜3
g/mの繊維束を2本撚り合わせる場合、3〜15回/
10cm、好ましくは5〜10回/10cmである。
【0026】本発明の管状ロックボルトの外径は、強度
や取扱上等から約15〜40mmφ程度、好ましくは約
20〜35mmφ程度、より好ましくは約20〜30m
mφ程度である。長さとしては単品では特に制限はなく
適宜自在に切断し選択できるものであるが、製造場所や
製品ニーズ等の関係からある程度制約され、通常は約1
〜6m程度であり、好ましくは約1〜5m程度である。
もちろん、管状ロックボルトの径および長さは必要に応
じて適宜選択できることは言うまでもない。
【0027】本発明の管状ロックボルトの機械的特性
は、例えば曲げ弾性率が4,000kgf/mm2 (4
点曲げ)程度以上、引張り強度が40kgf/mm2
度以上、好ましくは70kgf/mm2 程度以上(例え
ば70〜100kgf/mm2程度)、剪断強さが7k
gf/mm2 程度以上、好ましくは10kgf/mm2
程度以上(例えば10〜30kgf/mm2 程度)、曲
げ強さが45〜80kgf/mm2 程度、伸び率が1.
5〜2.5%程度、引張り弾性率が2,100〜3,0
00kgf/mm2 程度以上、好ましくは引張り弾性率
が3,500〜7,000kgf/mm2 程度であるこ
とが好ましい。破裂強度は使用するグラウトの種類にも
よるが、ウレタン系のグラウトを使用する場合、約20
kg/cm 2 以上、好ましくは約30kg/cm2 であ
り、モルタルグラウトを使用する場合、80kg/cm
2 以上、好ましくは90kg/cm2 以上である。比重
は1.4〜2.0であることが好ましい。
【0028】本発明の管状ロックボルトにおいて、各層
を構成する繊維強化樹脂層には、マトリックスである樹
脂材料と強化材である連続繊維以外の他の成分、炭酸カ
ルシウム、クレー、ガラスミルドファイバー等の増量剤
を配合してもよい。このような増量剤を配合は、破裂強
度を改善し、連続繊維の含有量を減らすことができる。
このような増量剤は、繊維強化樹脂層の全量に対して、
20〜50質量%配合することが好ましい。
【0029】本発明の管状ロックボルトは、上記構成以
外に補強目的の他の繊維層を含んでいてもよい。例え
ば、内層中、内層と中間層の間、中間層と外層の間、若
しくは外層と突起層の間に補強目的の他の層、例えば、
短繊維を含んだクロス、チョップドストランドマット、
コンティニュアストランドマット、フィラメントマット
等の繊維層または繊維強化樹脂層を設けてもよい。ここ
で、繊維および樹脂材料は、上記各層について例示した
ものをいずれも使用することができる。ただし、樹脂材
料は、隣接する層との接着性を高めるため、隣接する層
のマトリックスをなす樹脂材料と同種であることが好ま
しい。
【0030】本発明の管状ロックボルトは、ロックボル
トにおいて有用な他の構成要素を含んでもよい。このよ
うな構成要素としては、具体的には例えば、地山に固定
する際にナット等の固定部材と係合させたり、グラウト
の注入器具のアダプタと係合させるためのネジ構造部を
ロックボルトの基端部に設けてもよく、また、グラウト
に2液硬化性ウレタン樹脂等の薬剤を使用する場合に薬
剤を混合するための静止ミキサをロックボルトの内部に
設けてもよい。
【0031】本発明の第2の実施形態は、ねじれ強度に
優れた自穿孔タイプの管状ロックボルトに関する。以
下、第2の実施形態の管状ロックボルトについて、前記
第1の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項
の説明は省略する。図5は、本発明の自穿孔ロックボル
トの1例の斜視図である。図示するように、自穿孔ロッ
クボルト1’は、先端部81および基端部82が内腔7
0によって開放している中空管状体であって、その外表
面上には連続繊維束5’が螺旋状に巻きつけられてい
る。図示した形態において、自穿孔ロックボルト1’の
先端81には削孔ビットを接続するためのねじ部91が
設けられており、その基端部82には、穿孔機またはグ
ラウト注入機のアダプタを接続するためのねじ部92が
設けられている。ただし、これらのねじ部91、92は
任意の構成要素であり、本発明の自穿孔ロックボルトの
必須構成要件ではない。図6は、本発明の自穿孔ロック
ボルトの一部破断斜視図であり、図7は本発明の自穿孔
ロックボルトを軸方向に対して垂直方向に切断した部分
断面図である。なお、理解を容易にするため、図6およ
び7では、ねじ部91、92は省略されている。
【0032】両図、特に図6を参照すると、本発明の自
穿孔ロックボルト1’の管状体部分は、本発明の第1の
実施形態の管状ロックボルトと同様に、管状体の軸方向
に配向する連続繊維を有する内層2と、管状体の周方向
に配向する連続繊維を有する中間層3と、管状体の軸方
向に配向する連続繊維を有する外層4とがこの順に積層
した3層構造をしている。但し、本発明の自穿孔ロック
ボルト1’では、このような管状体の外表面に樹脂材料
を含浸させた連続繊維束5’が、螺旋状に、好ましくは
管状体の軸方向に対して所定の巻回角度および所定の巻
回ピッチで螺旋状に、巻回されている。本発明の第1の
実施形態の管状ロックボルトの突起層とは異なり、この
連続繊維束5’は管状体の外表面から突出することを意
図して巻回することは必要ではない。
【0033】本発明の自穿孔ロックボルトにおいて、3
層構造をした管状体部分については、本発明の第1の実
施形態の管状ロックボルトの管状体部分と同様であるた
め、各層の層厚、樹脂材料の種類、連続繊維の種類、連
続繊維の含有率および中間層における連続繊維束の巻回
ピッチ数については、重複記載を避けるため、本発明に
第1の実施形態の管状ロックボルトについての記載を参
照することとする。
【0034】本発明の自穿孔ロックボルト1’では、こ
のような3層構造をした管状体の外表面上に、樹脂材料
を含浸させた連続繊維束5’が螺旋状に巻回されてい
る。横断面が矩形や円形の棒の長手方向の1端を固定し
て、反対側の1端に対して軸を中心に時計周りまたは反
時計周りの方向に回転モーメント(ねじりモーメント:
r.m.)を加えた場合、棒には、回転モーメントとは
反対方向になる関係で、軸方向に対して45度方向にせ
ん断応力(引張り応力)が加わることが知られている
(複合材料活用辞典、日本複合材料学会複合材料活用辞
典編集委員会編集、2001年4月20日発行、第41
1頁「第3章 構造設計するための基礎、7棒のねじ
り」、および複合材料術語辞典、アグネ承風社、199
4年12月10日発行、第231頁「捩り試験」参
照)。
【0035】したがって、図8Aに示すように、管状体
1”の基端側82を固定して、先端側81に軸70’を
中心に時計方向に回転させるように回転モーメント
(r.m.)を加えた場合、管状体1”には、その軸方
向(X軸とする)および回転モーメント(r.m.)に
対して反対方向(Y軸とする)との関係で45度方向に
せん断応力(引張り応力)Fが作用することが知られて
いる。このせん断応力Fは、管状体1”に加えられた回
転モーメント(r.m.)の方向に依存する。図8Bに
示すように、管状体1”に対して軸70’を中心に反時
計周りの方向に回転モーメント(r.m.)が加えられ
た場合、図8Aにおける−45度方向にせん断応力(引
張り応力)Fが作用する。また、このせん断応力(引張
り応力)Fは、管状体1”の板厚方向において、外表面
に対して最も大きく作用することが知られている。
【0036】本発明の自穿孔ロックボルト1’は、管状
体の外表面上に樹脂材料を含浸させた連続繊維束5’を
このせん断応力(引張り応力)Fの作用方向と略同一方
向になるように、螺旋状に巻回することで、このような
せん断応力Fに対する補強層が与えられており、管状体
のねじり強度が向上されている。すなわち、連続線維束
5’をせん断応力(引張り応力)Fと略同一方向に巻回
すれば、該連続線維束5’に引張り方向の力が作用し、
該連続線維束5’が管状体1”を締め付けることとな
る。これにより自穿孔ロックボルト1’のねじり強度が
向上される。
【0037】上記のような理由により、連続線維束の巻
回方向は、自穿孔ロックボルトに加わることが想定され
る回転モーメント(r.m.)の方向によって選択され
ることが好ましい。図5および6に示した自穿孔ロック
ボルト1’は、図8Aに示すように軸70’に対して時
計方向の回転モーメント(r.m.)が加わる場合を想
定したものである。一方、図8Bに示すように、管状体
の軸70’に対して反時計方向の回転モーメント(r.
m.)が加わることが想定される場合、図9に示すよう
に、図5とは螺旋の向きが反対になるように連続線維束
5”を巻回する。さらに、また自穿孔ロックボルト1’
に加わる回転モーメント(r.m.)の方向が明らかで
ない場合を考慮して、図10に示すように、螺旋の方向
が互いに反対方向の2つの連続線維束5’、5”を互い
に交差するように巻回してもよい。
【0038】本発明の自穿孔ロックボルト1’は、軸方
向を中心として時計方向または反時計方向に回転モーメ
ント(r.m.)を加えた際に生じるせん断応力、より
具体的には、軸方向をX軸(0度)、回転モーメントの
反対方向をY軸(90度)とした場合に45度方向に生
じるせん断応力への補強を与えるには、連続繊維束
5’、5”をせん断応力と同一方向(すなわち、上記X
軸、Y軸との関係で45度方向)方向に螺旋状に巻回す
ることが最も好ましい。しかし、連続線維束5’、5”
の巻回角度が、せん断応力の方向とある程度異なってい
ても、回転モーメントと反対方向になるように螺旋状に
巻回しさえすれば、程度の差こそあれせん断応力に対す
る補強作用を生じる。
【0039】したがって、連続繊維束5’、5”は、上
記X軸およびY軸との関係において、巻回角度が5〜9
0度となるように螺旋状に巻回することができる。連続
繊維束5’、5”の巻回角度は、20〜70度がより好
ましく、30〜50度がさらに好ましく、45度付近が
最も好ましい。連続繊維束5’、5”の巻回角度が上記
の範囲であれば、自穿孔ロックボルトがねじり強さに優
れている。なお、ここで巻回角度が90度とは、回転モ
ーメントの方向とは正反対の方向になるように、管状体
の軸方向に対して直角方向に複数の連続繊維束5’を間
隔を開けて巻回したものである。
【0040】本発明の自穿孔ロックボルト1’におい
て、管状体の外表面上に螺旋状に巻回される連続繊維
5’、5”および該連続繊維に含浸させる樹脂材料は、
本発明の第1の実施形態の管状ロックボルトを構成する
3層構造の管状体および突起層について例示したものを
いずれも使用することができる。ただし、外層4との接
着性を高めるため、外層4のマトリックスをなす樹脂材
料と同種であることが好ましい。また、連続繊維束
5’、5”は、外層4表面に確実に接着させるため巻張
力に耐えることが要求され、かつ外部環境からの衝撃、
圧力等に晒されることから、フィラメント径4〜30μ
m、好ましくは、11〜27μm、ストランド番手10
0〜10,000texのロービングが好ましい。
【0041】連続繊維束5’、5”の巻回ピッチは、1
〜200mm/回であり、好ましくは1〜120mm/
回であり、より好ましくは10〜60mm/回である。
ここで、連続繊維束5’、5”の巻回ピッチは、管状体
の外表面上に巻回された隣接する2つの繊維束がなす山
の間の距離をいう。巻回ピッチが上記の範囲であれば、
自穿孔ロックボルトがねじり強さに優れている。
【0042】本発明の自穿孔ロックボルトでは、管状体
の外表面に巻回された繊維束の量を自穿孔ロックボルト
単位長さ当たりに巻回された繊維束のテックス量で表
す。これは、ロックボルトの径、使用する連続繊維束の
数、繊維束自体のテックス量および巻回角度によって異
なるが、例えば外径80mmの管状体に575テックス
(すなわち、1000m当たりの重さが575g)のロ
ービング1本を、上記のX軸およびY軸との関係で、巻
回角度45度で巻回した場合、ロックボルトの単位長さ
(1m)当たりのロービングの巻回量は、以下の式によ
り8600テックス/mとなる。 繊維束自体のテックス量×ロックボルト1m当たりの巻
回数×繊維束の巻回単位長さ(π・d(管状体の直径)
/sinθ(管状体の軸方向に対する繊維束の巻回角
度))=ロックボルトの単位長さ当たりのロービングの
巻回量(テックス/m)
【0043】一方、外径30mmの管状体に、8900
テックスの繊維束を、巻回角度45度、巻回ピッチ1m
mで巻回した場合、単位長さ当たりの総巻回量は、以下
の式により12600テックス/mとなる。 8900(テックス)×1/((3.14×0.03×
1/tan45度(=1))=10.6)(ロックボル
ト1m当たりの巻回数)×3.14×0.03/sin
45度(繊維束の巻回単位長さ)≒12600(テック
ス/m)
【0044】本発明の自穿孔ロックボルトにおいて、ロ
ックボルトの単位長さ(1m)当たりの連続繊維束の巻
回量は、5,000〜1,000,000テックス/m
の範囲である。自穿孔ロックボルトの単位長さ当たりの
連続繊維束の巻回量が上記の範囲であれば、自穿孔ロッ
クボルトはねじり強さに優れており、かつ製造コストの
点で経済性にも優れている。
【0045】本発明の自穿孔ロックボルトにおいて、管
状体の外表面上に巻回された連続繊維束は、本発明の第
1の実施形態の管状ロックボルトの突起層とは異なり管
状体の外表面上に凹凸を形成することを意図していない
が、通常は管状体の外表面上に多少の凹凸を形成する。
螺旋状に巻回された連続繊維束の管状体の外表面からの
最大高さは、ロックボルトの径にもよるが、通常0.5
〜3mm程度であり、1.5mm以下であることがより
好ましい。連続繊維束の管状体の外表面からの高さが上
記の範囲であれば、所望のねじり強度を得るのに必要な
連続繊維束の量が少なくて済み、ロックボルトの製造コ
ストの点で優れている。
【0046】本発明の自穿孔ロックボルトにおいて、螺
旋状の繊維束を除いた管状体部分の外径およびロックボ
ルトの長さについては、本発明の第1の実施形態の管状
ロックボルトについての記載を参照すればよい。
【0047】本発明の自穿孔ロックボルトは、好ましく
は管状体の先端側81および基端側82にねじ部91、
92が取り付けられている。このようなねじ部91、9
2は、例えば、特開2001−32810号公報および
特開平9−184400号公報に開示されるように、ス
レッディングによりねじ部を形成したねじ金具を、ロッ
クボルトの外周上に接着剤等を用いて取り付けたもので
ある。なお、管状体の先端側81および基端側82にね
じ部を取り付ける際は、ロックボルトとねじ金具を確実
に接合させるため、管状体外表面のねじ部を取り付ける
部位の凸部を削って、外表面を滑らかにしてからねじ金
具をかしめる。ねじ部は、後述するように、主として削
孔ビットや、穿孔機またはグラウト注入機のアダプタと
接続する際に使用されるが、これ以外に地山に固定する
際にナット等の固定部材と係合させるのに使用してもよ
い。
【0048】本発明の自穿孔ロックボルトは、ねじり強
さ、すなわち後述するねじり試験におけるロックボルト
の折損時のねじりトルクが、基準ロックボルト(連続線
維束を巻回していない点以外は同一のロックボルト)に
比べて、1割以上、好ましくは2割以上大きくなってい
る。具体的には、例えば、後述する比較例のロックボル
ト、ねじり強さ250N・m)を基準とした場合、ねじ
り強さが270N・m以上であり、好ましくは300N
・m以上である。
【0049】ロックボルトの他の機械的特性に関して
は、本発明の第1の実施形態の管状ロックボルトについ
ての記載を参照する。本発明の自穿孔ロックボルトは、
本発明の第1の実施形態の管状ロックボルトと同様に、
他の要素、すなわち各繊維強化樹脂層にマトリクスであ
る樹脂材料および強化材である連続繊維束以外の他の成
分を含んでもよく、また3層構造を構成する繊維強化樹
脂層および管状体の外表面に螺旋状に巻回される連続繊
維束以外の他の繊維層または繊維強化樹脂層を含んでも
よい。本発明の自穿孔ロックボルトは、ロックボルトの
先端部および基端部に取り付けられるねじ部以外に、本
発明の第1の実施形態の管状ロックボルトについて記載
したようなロックボルトにとって有用な他の構成要素を
含んでもよい。
【0050】本発明の自穿孔ロックボルトの地盤への固
定は、従来の方法で実施すればよい。このような自穿孔
ロックボルトを地盤へ固定する方法は、例えば特開20
00−8797号公報に開示されている。同公報に開示
の方法によれば、自穿孔ロックボルトの先端部に削孔ビ
ットを、基端部に穿孔機を接続して、自穿孔ロックボル
トを旋回させて地盤を削孔しながら地盤に挿入する。そ
の後、自穿孔ロックボルトの基端側から穿孔機を取り外
して、グラウト注入機を装着し所定の圧力でモルタル、
ウレタン等のグラウト材を注入し、地盤に形成された孔
と自穿孔ロックボルトの隙間をグラウト材で充填させ
て、自穿孔ロックボルトをボルトおよびナットを用いて
地盤に固定する。本発明の自穿孔ロックボルトは、管状
体の外表面上に連続繊維束が螺旋状に巻回されているこ
とで、ねじり強さが優れており、上記の手順で自穿孔ロ
ックボルトを地盤に設置する際に、ロックボルトを旋回
させて地盤に挿入する過程において、ねじりトルクによ
ってロックボルトが折損することが防止される。
【0051】本発明の第3の実施形態は、繊維強化樹脂
からなり、中空管形状をした多層構造の管状体を連続し
て製造する方法に関する。この方法は、上記した本発明
の第1の実施形態の管状ロックボルトおよび本発明の第
2の実施形態の自穿孔ロックボルトを製造するのに好適
である。以下、図11を参照して本発明の第3の実施形
態の管状体を製造する方法について説明する。この方法
は、但し、図面は発明の理解を容易にするため、発明を
実施するための装置の一例を示すものであり、本発明の
方法はこれに限定されない。
【0052】必要数の複数個の連続繊維巻束6(図では
2本のみ示す)から引き出された第1の連続繊維7は、
液状の熱硬化性樹脂材料が入った含浸槽8を通過するこ
とで熱硬化性樹脂材料が含浸される。熱硬化性樹脂材料
が含浸された第1の連続繊維7の先端は、ローラ10に
より駆動され図面を右側に進行する軸状のマンドレル9
に固定されている。第1の連続繊維7は、マンドレル9
の進行により引き出され、ガイドプレート11によっ
て、マンドレル9の周囲にその軸方向に配向するように
引きそろえられる。マンドレルの軸方向に引きそろえら
れた第1の連続繊維7は、ヒータ12で加熱される。こ
れにより、軸方向に配向する連続繊維を含んだ繊維強化
樹脂からなる中空管形状の内層13が引き抜き成形され
る。引き抜き成形された内層13は、ヒータ12の温度
調整により少なくとも部分硬化の状態に保たれている。
部分硬化の状態とは、内層13のマトリックスをなす樹
脂材料のべたつきが解消されているが、未だ可塑性を有
する状態を指す。このような状態であれば、樹脂材料は
未だ架橋反応が可能であり、内層13の外部表面に中間
層を形成し、その後加熱した際に、中間層のマトリック
スをなす樹脂材料との間で架橋反応を行い、両層が一体
的に結合する。この一方で、内層13は自立で中空管形
状を維持でき、その外側に中間層を形成するのに好都合
である。
【0053】次いで、連続繊維巻束14から引き出され
た第2の連続繊維15は、液状の熱硬化性樹脂材料が入
った含浸槽16を通過することにより、熱硬化性樹脂材
料が含浸される。熱硬化性樹脂材料が含浸された第2の
連続繊維15は、マンドレル9の周方向に回転可能なワ
インディングマシン17を用いて、内層13の外部表面
に周方向に巻回される。これにより、内層13の外部表
面上に周方向に配向する連続繊維を含んだ中間層13’
が形成される。中間層13’の形成時または形成後、樹
脂が未硬化のまま次の工程に送ってもよいが、ヒータに
より樹脂を加熱硬化させて部分硬化の状態にしてから送
ってもよい。このような状態であれば、中間層13’を
構成する樹脂材料は、未だ架橋反応が可能であり、中間
層18の外部表面上に外層を形成し、その後加熱した際
に両層のマトリックスをなす樹脂材料が架橋反応するこ
とにより両層が一体的に結合する。
【0054】次いで、連続繊維巻束18から引き出され
た第3の連続繊維19は、液状の熱硬化性樹脂材料が入
った含浸槽20を通過することにより、熱硬化性樹脂材
料が含浸される。熱硬化性樹脂材料が含浸された第3の
連続繊維19は、ガイドプレート21により、中間層1
3’の外部表面上に軸方向に配向するように配置され
る。この状態で、型22を通過することにより、中間層
18の外部表面上に軸方向に配向する連続繊維を含んだ
繊維強化樹脂からなる外層13''が形成される。
【0055】外層13''の形成後、樹脂材料が未硬化の
まま次の工程に送ってもよいが、ヒータにより樹脂材料
を加熱硬化させ、部分硬化の状態にしてから送ってもよ
い。このような状態であれば、外層13''のマトリック
スをなす樹脂材料は未だ架橋反応が可能であり、その外
部表面上に、樹脂材料を含浸させた連続繊維束を巻回
し、その後加熱した際に外層および連続繊維束に含浸さ
せた樹脂材料が架橋反応することにより、両者が一体的
に結合する。
【0056】次いで、連続繊維巻束24から引き出され
た連続繊維束25は、液状の熱硬化性樹脂材料の入った
含浸槽26を通過することにより、熱硬化性樹脂材料が
含浸される。熱硬化性樹脂が含浸された連続繊維束25
は、第2のワインディングマシーン27を用いてガイド
ピン28を介して、外層13''の外部表面上に螺旋状に
巻回される。
【0057】次いで、各層および螺旋状の連続繊維束が
形成された管状体を、ヒータ30により加熱し、樹脂材
料を加熱硬化させる。これにより、繊維強化樹脂からな
る多層構造の中空管形状の管状体が連続的に製造され
る。このようにして得られた中空管形状の管状体は、切
断機31によりマンドレル9ごと所望の長さに切断し、
マンドレルを引き抜くことにより、管形状をしたロック
ボルトを得ることができる。
【0058】なお、樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いて本
発明の製造方法を説明したが、熱硬化性樹脂の代わりに
紫外線硬化樹脂を用いて、紫外線硬化により樹脂硬化物
を得てもよい。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明の第1の実施形態
の管状ロックボルトおよび第2の実施形態の自穿孔ロッ
クボルトについてより具体的に説明する。 実施例1 実施例1は、本発明の第1の実施形態の管状ロックボル
トに関する。実施例1では、図1に示す外観、図3およ
び図4に示す構造を有する3層構造からなる管状体の外
表面上に突起層が形成された本発明の管状ロックボルト
を作製した。実施例の管状ロックボルトの仕様は以下の
通りである。管状ロックボルト 長さ:3m 外径:27mm 内径:17mm 重量:1.0kg/m内層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手2700テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:2mm 繊維含有率:60%中間層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手575テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:1mm 繊維含有率:45% 巻回ピッチ数:3mm/回外層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手2700テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:5mm 繊維含有率:45%突起層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手1500×3テックス、形状:三
つ撚りロービング) 樹脂材料:ビニルエステル 突起高:1mm 繊維含有率:60% 巻回ピッチ数:7mm/回
【0060】機械的特性評価 作製した管状ロックボルトについて、以下の機械的特性
を測定した。 引張軸力 引張軸力は、図12に示す装置を用いて測定した。管状
ロックボルト40の軸の両端に定着ジグ51、52を固
定させる。この状態で、片側の定着ジグ(固定側)51
を動かないように固定した状態で、反対側の定着ジグ
(可動側)を管状ロックボルト40の軸を伸張させる方
向に動かし、ロードセルを介して管状ロックボルト40
の引張軸力を測定した。引張軸力の測定値は23000
kgfであった。 剪断強さ 剪断強さは、横剪断強さに関するJIS K7058の
ジグを円筒型に改良した図13に示す試験装置を用いて
2面剪断試験を行うことで測定した。図において、管状
ロックボルト40を2面剪断試験用のジグ60に取り付
けた状態で、管状ロックボルト40の軸方向に対して垂
直方向から荷重を付加することにより、管状ロックボル
トの剪断強さを測定した。なお、ジグ60の中空部分6
1には、セメントモルタルを充填して、実際に敷設され
た状態を模擬した。剪断強さの測定値は9000kgf
であった。 曲げ強さ 曲げ強さは、JIS K7058に準じ、全断面の4点
曲げ試験を実施、実荷重の測定を行った。曲げ強さの測
定値は1000kgfであった。 破裂強度 破裂強度はロックボルトの一方の端部をめくら材または
コーキング材で塞ぎ、他端から水を圧入して、ロックボ
ルトの側面から水が漏出するに至る圧力を測定すること
により求めた。破裂強度の測定値は100kgf/cm
2 であった。これにより、本発明の管状ロックボルト
が、要求される機械的特性を十分満足することが確認さ
れた。特に、破裂強度が100kgf/cm2 と非常に
高く、グラウト材注入時に管にかかる20〜80kgf
/cm2 に十分耐えることができる。
【0061】実施例2 実施例2は、本発明の第2の実施形態の自穿孔ロックボ
ルトに関する。実施例2では、図5に示す外観(但し、
先端部81および基端部82にねじ部91、92は取り
付けられていない)、図6および図7に示す構造を有す
る3層構造からなる管状体の外表面上に樹脂材料を含浸
させた連続繊維束が螺旋状に巻回された本発明の自穿孔
ロックボルトを作製した。実施例2の自穿孔ロックボル
トの管状体部分の仕様は以下の通りである。管状体 長さ:3m 外径:29mm 内径:12mm 重量:1.0kg/m内層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手2700テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:2mm 繊維含有率:60%中間層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手575テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:1mm 巻回ピッチ数:3mm/回 繊維含有率:45%外層 連続繊維:E−ガラスロービング(フィラメント径20
μm、ストランド番手4450テックス) 樹脂材料:ビニルエステル 層厚:6.5mm 繊維含有率:45%
【0062】上記の管状体の外表面上に連続繊維束を巻
回して本発明の自穿孔ロックボルトを作製した。 例1:4450テックスのロービングを巻き角度27度
で8本巻回した。ロービングの巻回ピッチ(山−山間)
は23mmであった。 例2:4450テックスのロービングを巻き角度45度
で4本巻回した。ロービングの巻回ピッチは23mmで
あった。 例3:4450テックスのロービングを巻き角度63度
で2本巻回した。ロービングの巻回ピッチは23mmで
あった。 例4:4450テックスのロービングを巻き角度27度
で4本巻回した。ロービングの巻回ピッチは46mmで
あった。 例5:2250テックスのロービングを巻き角度45度
で4本巻回した。ロービングの巻回ピッチは23mmで
あった。 例6:8900テックスのロービングを巻き角度45度
で2本巻回した。ロービングの巻回ピッチは46mmで
あった。 これらに加えて、上記の管状体に連続繊維束を巻回して
いないものを比較例とした。
【0063】上記の例1〜5および比較例のロックボル
トの先端部および基端部にねじ金具を装着して、ねじり
試験装置を用いてねじりトルク試験を実施した。試験値
は、ロックボルトの折損時のねじりトルク量(N・m)
である。試験結果を表1に示した。本実施例では、さら
に以下の手順により、連続繊維束の単位巻回量当たり耐
ねじりトルク強度を求めた。 (各実施例の試験値(平均値)−比較例の試験値(平均値))/自穿孔ロックボ ルト単位長さ(1m)当たりの巻き付け総テックス量……(1) 上記式(1)により、巻回量1テックス当たりのねじり
トルクの上昇率が得られる。この値に巻回量(1000
0テックス、20000テックス等)を掛ければ、ある
巻回量当たりのねじりトルク量の上昇分が求まるので、
下記式(2)により、ある巻回量でのねじりトルク値を
求めることができる。 ある巻回量でのねじりトルク強度=(1)式×巻回テックス量+比較例1の試験 値……(2)
【0064】例えば、実施例1の自穿孔ロックボルトの
場合、巻回量1テックス当たりのねじりトルク上昇率
は、式(1)より以下のように求められる。 (370[N・m]−250[N・m])/39900[テックス] =3.0×10-3[N・m/テックス] ここから、総量20000テックスのロービングを巻回
した場合のねじりトルク強度は、式(2)より以下のよ
うに求めることができる。 3.0×10-3[N・m/テックス]×20000[テ
ックス]+250[N・m]=310[N・m] このようにして得られた巻回量当たりのねじりトルク量
を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の管状ロックボルトは、各々強化
材である連続繊維が管状体の軸方向に配向している内層
および外層の間に、連続繊維が管状体の周方向に配向し
た中間層が存在することにより、強度、特に半径方向の
破裂強度が優れている。また、連続繊維が管状体の軸方
向に配向する内層および外層が間に中間層をはさんで積
層されていることにより、止水層または耐食層である内
層にも軸力を負担させているため、連続繊維の利用効率
が高い。さらに、3層構造の管状体の外部表面に、樹脂
材料を含浸させた連続繊維を螺旋状に巻回することによ
り突起層が形成されているため、ロックボルトの一体性
が優れており、かつ外部の有効面積が拡大されており、
削孔に挿入してグラウトを注入した際にロックボルトが
確実に固定される。本発明の自穿孔ロックボルトは、連
続繊維が管状体の軸方向に配向する内層と、連続繊維が
管状体の周方向に巻回された中間層と、連続繊維が管状
体の軸方向に配向する外層とが積層された3層構造をし
た繊維強化樹脂製の管状体の外表面に樹脂材料を含浸さ
せた連続繊維を螺旋状に巻回されていることにより耐ね
じりトルク強度が優れている。本発明のロックボルトの
製造方法は、繊維強化樹脂からなる中空管形状をした多
層構造の管状体を連続的に製造した後、所望の長さに切
断することにより管状ロックボルトを得るため、強度、
特に半径方向の破裂強度が優れた管状ロックボルトを高
い生産性で製造することができる。また、各層が未硬化
または部分硬化の状態で成形し、最後に全体を加熱硬化
または紫外線硬化させるため、各層間が強固に結合して
おり、ロックボルトの一体性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の管状ロックボルトの斜視図である。
【図2】 図1とは先端部の形状が異なる本発明の管状
ロックボルトの斜視図である。
【図3】 本発明の管状ロックボルトの一部破断斜視図
である。
【図4】 本発明の管状ロックボルトを軸方向に対して
垂直方向に切断した部分断面図である。
【図5】 本発明の自穿孔ロックボルトの一例を示す斜
視図である。
【図6】 本発明の自穿孔ロックボルトの一部破断斜視
図である。
【図7】 本発明の自穿孔ロックボルトを軸方向に対し
て垂直方向に切断した部分断面図である。
【図8】 管状体に回転モーメントを加えた際に生じる
せん断応力の方向を示すための説明図であり、図8A
は、管状体の軸方向を中心に時計方向に回転モーメント
を加えた際のせん断応力の方向を示しており、図8B
は、管状体の軸方向を中心に反時計方向に回転モーメン
トを加えた際のせん断応力を示している。
【図9】 図5と同様の本発明の自穿孔ロックボルトの
斜視図であり、連続線維束の螺旋の方向が、図5とは反
対になっている。
【図10】 図5と同様の本発明の自穿孔ロックボルト
の斜視図であり、互いに螺旋の方向が反対である2つの
連続線維束が交差するように巻回されている。
【図11】 本発明の製造方法に用いる装置の一例の概
略図である。
【図12】 管状ロックボルトの引張軸力の測定に使用
した装置の概念図である。
【図13】 管状ロックボルトの剪断強さの測定に使用
した装置の概念図である。
【符号の説明】
1:管状ロックボルト 1’:自穿孔ロックボルト 1”:管状体 2:内層 3:中間層 4:外層 5:突起層 5’,5”:螺旋状に巻回された連続繊維束 6,14,18,24:連続繊維巻束 7,15,19,25:連続繊維 8,16,20,26:含浸槽 9:マンドレル 10:ローラ 11,21:ガイドプレート 12,30:ヒータ 13:内層 13’:中間層 13'':外層 17,27:ワインディングマシン 22:型 28:ガイドピン 31:切断機 40:管状ロックボルト 51:定着ジグ(固定側) 52:定着ジグ(可動側) 60:2点剪断試験用のジグ 61:ジグ60の中空部 70:内腔 70’:軸 81:先端部 82:基端部 91,92:ねじ部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々繊維強化樹脂からなる内層、中間層、
    外層がこの順に積層している、先端部と基端部が開放し
    た中空管形状の管状体であって、 前記内層は、強化材として前記管状体の軸方向に配向す
    る連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記中間層は、強化材として前記管状体の周方向に巻回
    された連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記外層は、強化材として前記管状体の軸方向に配向す
    る連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記外層の表面には、突起層が設けられている管状ロッ
    クボルト。
  2. 【請求項2】前記内層、中間層および外層は、加熱硬化
    または紫外線硬化させた樹脂硬化物をマトリックスとす
    る請求項1に記載の管状ロックボルト。
  3. 【請求項3】前記突起層は、前記管状体に周方向または
    傾斜した周方向に配向しており、かつ前記管状体の外部
    表面に突出している連続層である請求項1または2に記
    載の管状ロックボルト。
  4. 【請求項4】前記突起層は、樹脂材料を含浸させた連続
    繊維束を前記外層の外部表面に螺旋状に巻回してなる繊
    維強化樹脂層である、請求項1ないし3のいずれかに記
    載の管状ロックボルト。
  5. 【請求項5】各々繊維強化樹脂からなる内層、中間層、
    外層がこの順に積層している、先端部と基端部が開放し
    た中空管形状の管状体であって、 前記内層は、強化材として前記管状体の軸方向に配向す
    る連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記中間層は、強化材として前記管状体の周方向に巻回
    された連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記外層は、強化材として前記管状体の軸方向に配向す
    る連続繊維を含む繊維強化樹脂層であり、 前記外層の外表面上に、樹脂材料を含浸させた連続繊維
    束が螺旋状に巻回されてなる自穿孔ロックボルト。
  6. 【請求項6】前記内層、中間層および外層は、加熱硬化
    または紫外線硬化させた樹脂硬化物をマトリックスとす
    る請求項5に記載の自穿孔ロックボルト。
  7. 【請求項7】前記管状体の外表面上の先端側および/ま
    たは基端側に取り付けられたねじ部を有する請求項5ま
    たは6に記載の自穿孔ロックボルト。
  8. 【請求項8】繊維強化樹脂からなり、中空管形状をした
    多層構造の管状体を連続して製造する方法であって、 樹脂材料を含浸させた第1の連続繊維を、進行する軸状
    のマンドレルの周囲にその軸方向に配向するように引き
    そろえて、軸方向に配向する連続繊維を含んだ繊維強化
    樹脂からなる中空管形状をした内層を引き抜き成形し、 前記内層の外部表面上に、樹脂材料を含浸させた第2の
    連続繊維を前記管状体の周方向に巻回することにより、
    周方向に配向する連続繊維を含んだ繊維強化樹脂からな
    る中間層を形成し、 前記中間層の外部表面上に、樹脂材料を含浸させた第3
    の連続繊維を、その進行方向に配向するよう配置するこ
    とにより、軸方向に配向する連続繊維を含んだ繊維強化
    樹脂からなる外層を形成し、 前記外層の外部表面上に、樹脂材料を含浸させた連続繊
    維束を前記管状体の周方向または傾斜した周方向に螺旋
    状に巻回することを特徴とする繊維強化樹脂からなる、
    中空管形状をした、多層構造の管状体を連続して製造す
    る方法。
  9. 【請求項9】前記中間層の形成を、前記内層のマトリッ
    クスをなす樹脂が少なくとも部分硬化してから行い、 前記外層の形成を、前記中間層のマトリックスをなす樹
    脂が未硬化または部分硬化の状態で行い、 前記樹脂材料を含浸させた連続繊維束の巻回を、前記外
    層のマトリックスをなす樹脂が未硬化または部分硬化の
    状態で行い、 前記樹脂材料を含浸させた連続繊維束の巻回後に、樹脂
    を加熱硬化または紫外線硬化させることを特徴とする請
    求項8に記載の繊維強化樹脂からなる、中空管形状をし
    た多層構造の管状体を連続して製造する方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の方法で得られ
    た中空管形状の管状体を所望の長さで切断することによ
    り、中空管形状の管状ロックボルトを製造する方法。
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