JP3099856B2 - 焼結材の溶接前処理方法 - Google Patents
焼結材の溶接前処理方法Info
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Description
法に係わり、特に、焼結材に含まれた油や水の除去に関
する。
ある。
め、油、水分等を含みやすい。そして、焼結部品に対し
ては、精度確保のため、焼結後潤滑用の油雰囲気中で寸
法矯正したり、成形方法における制限に対して所定の形
状に仕上げるために、加工液を使用しながら機械加工し
たりすることが一般的に行われる。したがって、寸法矯
正や機械加工が施された焼結材は、そのポア内に油、水
分、汚れ等をかなり含んだ状態にある。この状態で溶接
を行うと、油、水分が溶融中に気化、膨脹するため、溶
接接合部に巨大なブローホールが発生する。
去する方法としては、例えば有機溶剤による洗浄があ
る。しかし、有機溶剤では、油、水分等を完全には除去
できず、溶接接合部における大きなブローホールの発生
は防止できない。
は、焼結材の脱脂、脱水および汚れの除去を確実にする
ために、焼結材の溶接前処理方法として、油、水分等を
含んだ焼結材を再焼結する方法が提案されている。この
再焼結は、例えば1130℃の温度で120分間行われるもの
である。これによれば、焼結材に含まれた油、水分等を
完全に除去できるものの、焼結がさらに進むことによ
り、焼結材に寸法変化が生じ、せっかく寸法矯正や機械
加工で精度よく仕上げた寸法が崩れ、焼結材の寸法が所
定寸法から外れてしまうという不具合を生じる。
を良好に溶接するには、焼結後の寸法矯正や機械加工の
工程などで焼結材に含まれることになる油や水分等を完
全に除去することが必要である。この油や水分等の除去
は、有機溶剤による洗浄では完全にはできない。また、
特開昭64-66086号公報に記載のような再焼結では、油や
水分等を完全に除去できるものの、寸法変化を生じる問
題がある。
とするもので、寸法変化をきたすことなく、焼結材に含
まれた油、水分および汚れ等を完全に除去でき、その後
の焼結材の溶接を良好に行うことを可能とする溶接前処
理方法を提供することを目的とする。
処理方法は、前記目的を達成するために、焼結材を溶接
する前に、この焼結材をアンモニア分解ガスまたは水素
ガス雰囲気中において400〜600℃で加熱処理するもので
ある。
を400〜600℃で加熱処理することにより、寸法矯正や機
械加工等を経た焼結材に含まれている油や水分あるいは
汚れを溶接前に完全に除去する。これとともに、前記加
熱処理をアンモニア分解ガスまたは水素ガス雰囲気中で
行うことにより、溶接に悪影響を及ぼす焼結材の赤錆等
をも除去する。その後、焼結材が溶接されるが、このと
き、油、水分、汚れおよび錆等が除去されていることに
より、溶接が良好になされる。
この実施例は、鉄系焼結材を還元雰囲気中で加熱処理し
た後、レーザー溶接に供したものである。以下、その詳
細を説明する。
%、炭素0.7%、残りが鉄)の組成を有し、相対密度が8
6%の焼結材であって、焼結後油雰囲気中で寸法矯正を
施したものである。また、試験片の寸法は、厚さ5mm、
幅50mm、長さ100mmである。この試験片に対して、それ
ぞれ下記a,b,cの条件で溶接前処理を施した。ここ
で、条件aが本発明の一実施例であり、条件b,cは対
照例である。
+3H2)中において500℃で90分間加熱。
理。
はしない。
て、同条件の一対の試験片を突き合わせて、レーザー溶
接を行った。溶接条件は同一であり、溶接速度は1.5m/
min、レーザー出力は4.5kWとした。なお、溶接に際し
ては、割れが発生しないように、Fe-Mn-Ni-Cr系の溶加
材を用いた。そして、溶接後の試験片の断面検査を行っ
た。これとともに、溶接後の試験片を図2に示すような
引張り試験片1に加工した後、引張り試験を行った。同
図において、2は元の一対の試験片、3は溶接部であ
る。寸法は図示の通りである。
よる溶接部3の断面写真の概略を示してある。同図にお
いて、4は溶加材、5はブローホールである。図からわ
かるように、有機溶剤による脱脂処理の条件bや、脱油
処理なしの条件cでは、溶接部3に巨大なブローホール
5が生じている。これに対して、本発明の一実施例であ
る条件aでは、ブローホール5は生じていない。
力は下記の通りである。なお、母材強度は38.5kg/mm2で
ある。
りも大幅に強度が高くなっていることがわかる。
て溶接前に残油率も測定したが、その結果は下記の通り
である。
できていないのに対して、本発明の一実施例である条件
aでは、油がほとんど完全に除去できている。
材をアンモニア分解ガス中で加熱処理することにより、
この焼結材に含まれた油を完全に除去できる。これとと
もに、還元雰囲気での加熱であることにより、焼結材に
溶接に悪影響を及ぼす赤錆(Fe2O3)ができていても、
これを完全に除去できる。このように焼結材に含まれた
油や錆等を完全に除去し、その後にレーザー溶接を行う
ことにより、良好な溶接接合を行える。しかも、加熱温
度が焼結時の温度よりも大幅に低い500℃にすぎないの
で、溶接前処理によって焼結材には寸法変化や機械的特
性(硬さ、強度、じん性等)の変化が生じない。
例の500℃に限らないが、油等の除去と寸法変化の防止
との兼ね合いから、400〜600℃の範囲が好ましい。ま
た、加熱時間も90分に限らない。さらに、還元雰囲気を
形成するガスも、前記アンモニア分解ガスに限るもので
はなく、水素ガスでもよい。また、溶接も、前記実施例
のレーザー溶接に限らず、抵抗溶接等、任意の溶接に対
して本発明を適用できる。
に、この焼結材をアンモニア分解ガスまたは水素ガス雰
囲気中において400〜600℃で加熱処理することにより、
寸法矯正や機械加工等を経た焼結材に含まれている油、
水分および汚れを完全に除去できるのみならず、錆等も
完全に除去でき、したがって、焼結材の溶接を良好に行
える。しかも、加熱温度が400〜600℃なので、焼結材に
寸法変化や機械的特性の変化を生じさせずに済む。
断面写真の概略図、(b)および(c)は、その対照例
における溶接部の断面写真の概略図である。
(B)は側面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 焼結材を溶接する前に、この焼結材をア
ンモニア分解ガスまたは水素ガス雰囲気中において400
〜600℃で加熱処理することを特徴とする焼結材の溶接
前処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05078192A JP3099856B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 焼結材の溶接前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05078192A JP3099856B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 焼結材の溶接前処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287782A JPH06287782A (ja) | 1994-10-11 |
JP3099856B2 true JP3099856B2 (ja) | 2000-10-16 |
Family
ID=13655138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05078192A Expired - Fee Related JP3099856B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | 焼結材の溶接前処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3099856B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT500561B1 (de) * | 2004-05-26 | 2006-12-15 | Miba Sinter Austria Gmbh | Verfahren zum schweissen eines gesinterten formkörpers |
-
1993
- 1993-04-05 JP JP05078192A patent/JP3099856B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06287782A (ja) | 1994-10-11 |
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