JP3099407B2 - りん酸形燃料電池の水処理システム - Google Patents
りん酸形燃料電池の水処理システムInfo
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、りん酸形燃料電池に
おける冷却水の電気電導度を低く抑えて燃料電池の液絡
を防止するためにに設けられる水処理システム、ことに
燃焼排ガスからの復水中に含まれる炭酸水素イオンを排
除する水処理システムに関する。
おける冷却水の電気電導度を低く抑えて燃料電池の液絡
を防止するためにに設けられる水処理システム、ことに
燃焼排ガスからの復水中に含まれる炭酸水素イオンを排
除する水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池を高効率で長時間運転するため
には、電池反応に伴う発熱を除熱して単位セルの積層体
(スタックと呼ぶ)内の温度分布を所定の運転温度(り
ん酸形燃料電池では190°C 前後)にできるだけ均一
に保持することが求められる。そこで、スタックは複数
の単位セルを1ブロックとしてブロック間に冷却板を積
層し、この冷却板に埋設された冷却パイプに冷却媒体と
しての冷却水を通流して冷却する水冷式の燃料電池が知
られている。また、水冷式燃料電池では異なる電位にあ
る冷却板間で冷却水による液絡が生ずることを防ぐた
め、冷却水はその電気電導度が極力低い(電気抵抗が高
い)ことが求められるので、冷却水の循環系にイオン交
換式水処理装置を含む水処理系を連結したものが知られ
ている。
には、電池反応に伴う発熱を除熱して単位セルの積層体
(スタックと呼ぶ)内の温度分布を所定の運転温度(り
ん酸形燃料電池では190°C 前後)にできるだけ均一
に保持することが求められる。そこで、スタックは複数
の単位セルを1ブロックとしてブロック間に冷却板を積
層し、この冷却板に埋設された冷却パイプに冷却媒体と
しての冷却水を通流して冷却する水冷式の燃料電池が知
られている。また、水冷式燃料電池では異なる電位にあ
る冷却板間で冷却水による液絡が生ずることを防ぐた
め、冷却水はその電気電導度が極力低い(電気抵抗が高
い)ことが求められるので、冷却水の循環系にイオン交
換式水処理装置を含む水処理系を連結したものが知られ
ている。
【0003】図6はりん酸形燃料電池の従来の水処理シ
ステムを示す構成図、図7は水冷式燃料電池の冷却構造
図である。図において、単位セル2の積層体からなるり
ん酸形燃料電池(スタックともよぶ)1には複数単位セ
ル毎に冷却板3が積層されており、冷却板3に埋設され
た複数の冷却パイプ3Aはその両端が一対のヘッダ−3
Bに並列に連結され、絶縁継手3Cを介して冷却水9の
入口側および出口側一対の集合管3Dに連結される。ま
た、一対の集合管3Dは燃料電池の外部で循環ポンプ6
および水蒸気分離器5を含む冷却水循環系10に連結さ
れる。水蒸気分離器5は燃料電池の運転温度例えば19
0°C に対して所定温度低い冷却水9を包蔵しており、
循環ポンプ6により冷却水9を冷却板3に循環すること
により、燃料電池スタック1の温度が運転温度に保持さ
れる。
ステムを示す構成図、図7は水冷式燃料電池の冷却構造
図である。図において、単位セル2の積層体からなるり
ん酸形燃料電池(スタックともよぶ)1には複数単位セ
ル毎に冷却板3が積層されており、冷却板3に埋設され
た複数の冷却パイプ3Aはその両端が一対のヘッダ−3
Bに並列に連結され、絶縁継手3Cを介して冷却水9の
入口側および出口側一対の集合管3Dに連結される。ま
た、一対の集合管3Dは燃料電池の外部で循環ポンプ6
および水蒸気分離器5を含む冷却水循環系10に連結さ
れる。水蒸気分離器5は燃料電池の運転温度例えば19
0°C に対して所定温度低い冷却水9を包蔵しており、
循環ポンプ6により冷却水9を冷却板3に循環すること
により、燃料電池スタック1の温度が運転温度に保持さ
れる。
【0004】冷却板3は導電材からなり、互いにスタッ
ク内の異なる電位に保持されるので、ヘッダ−3Bと集
合管3Dとの間に絶縁ホ−ス等の絶縁継手3Cを配して
冷却板3に埋設された冷却パイプ3Aを冷却板単位で相
互に絶縁する。しかしながら、冷却水の電気電導度が高
いと絶縁継手内の冷却水を通して冷却板間に短絡電流が
流れる液絡現象が発生し、発電電力の一部が無駄に消費
されることになる。そこで冷却水9の電気電導度を1μ
S/cm以下に保持するために冷却水循環系10に水処
理系11が連結される。すなわち、水処理系11は補水
タンク12内の混合水9Dをポンプ13により、例えば
カ−ボンフイルタを通してイオン交換式水処理装置14
に送り、得られた低電気電導度のイオン交換水9E(補
給水とよぶ)を水タンク15に蓄えるよう構成される。
一方、冷却水循環系10では水蒸気分離器5内の冷却水
9をブロ−水9Bとして外部に放出するよう構成され、
ブロ−水の放出により不足した冷却水9を、水タンク1
5から補給されるイオン交換水9Eに置き換えるよう構
成され、運転中徐々に高くなる冷却水9の電気電導度を
低電気電導度のイオン交換水9Eを加えることにより1
μS/cm以下に保持することができる。なお、イオン
交換水9Eは冷却水循環系に補給されるだけでなく、燃
料改質器4にも送られて水蒸気改質反応の反応水の不足
分を補給する補給水としても利用される。
ク内の異なる電位に保持されるので、ヘッダ−3Bと集
合管3Dとの間に絶縁ホ−ス等の絶縁継手3Cを配して
冷却板3に埋設された冷却パイプ3Aを冷却板単位で相
互に絶縁する。しかしながら、冷却水の電気電導度が高
いと絶縁継手内の冷却水を通して冷却板間に短絡電流が
流れる液絡現象が発生し、発電電力の一部が無駄に消費
されることになる。そこで冷却水9の電気電導度を1μ
S/cm以下に保持するために冷却水循環系10に水処
理系11が連結される。すなわち、水処理系11は補水
タンク12内の混合水9Dをポンプ13により、例えば
カ−ボンフイルタを通してイオン交換式水処理装置14
に送り、得られた低電気電導度のイオン交換水9E(補
給水とよぶ)を水タンク15に蓄えるよう構成される。
一方、冷却水循環系10では水蒸気分離器5内の冷却水
9をブロ−水9Bとして外部に放出するよう構成され、
ブロ−水の放出により不足した冷却水9を、水タンク1
5から補給されるイオン交換水9Eに置き換えるよう構
成され、運転中徐々に高くなる冷却水9の電気電導度を
低電気電導度のイオン交換水9Eを加えることにより1
μS/cm以下に保持することができる。なお、イオン
交換水9Eは冷却水循環系に補給されるだけでなく、燃
料改質器4にも送られて水蒸気改質反応の反応水の不足
分を補給する補給水としても利用される。
【0005】また、補水タンク12に蓄える混合水9D
には、改質器4におけるバ−ナ4Bの燃焼排ガス4G中
の水蒸気(燃焼生成水)と、燃料電池スタック1から排
出される反応済み空気(空気オフガスと呼ぶ)1G中の
水蒸気の一部とを熱交換器8により回収し、得られた復
水9Cに適量の水道水9Aを混合したものが用いられ
る。なお、空気オフガス1G中に水蒸気として含まれる
発電生成水には、単位セルから飛散した少量のりん酸が
含まれているので、熱交換器7で空気オフガスを幾分冷
却してりん酸を含む凝縮水を廃棄水1Wとして分離し、
りん酸を除去した空気オフガス1GAを熱交換器8に送
って燃焼排ガス4Gに混合し、りん酸を含まない復水9
Cを回収するよう構成される。
には、改質器4におけるバ−ナ4Bの燃焼排ガス4G中
の水蒸気(燃焼生成水)と、燃料電池スタック1から排
出される反応済み空気(空気オフガスと呼ぶ)1G中の
水蒸気の一部とを熱交換器8により回収し、得られた復
水9Cに適量の水道水9Aを混合したものが用いられ
る。なお、空気オフガス1G中に水蒸気として含まれる
発電生成水には、単位セルから飛散した少量のりん酸が
含まれているので、熱交換器7で空気オフガスを幾分冷
却してりん酸を含む凝縮水を廃棄水1Wとして分離し、
りん酸を除去した空気オフガス1GAを熱交換器8に送
って燃焼排ガス4Gに混合し、りん酸を含まない復水9
Cを回収するよう構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の水処理システム
では、補水タンク12に蓄える補給水9Dとして水道水
9Aと復水9Cを混合して使用することにより、水道水
の使用量を減らすよう構成されているが、燃焼排ガスか
らの復水が炭酸水素イオンや炭酸ガス等のイオンや不純
物を多量に含んでいるために電気電導度が高い。そこで
補給水中のイオンや不純物をイオン交換式水処理装置1
4で除去する必要がある。ところが、イオン交換樹脂の
陰イオン交換能力が炭酸水素イオンや炭酸ガスにより著
しく低下し、陽イオン交換能力が充分有るにも係わらず
イオン交換水の電気電導度が著しく増加してしまうとい
う問題点が判明し、イオン交換樹脂の可使用寿命が短く
なるばかりか、イオン交換樹脂の再生やその交換作業等
の保守費用が嵩む経済的不利益が問題になっており、そ
の改善が求められている。
では、補水タンク12に蓄える補給水9Dとして水道水
9Aと復水9Cを混合して使用することにより、水道水
の使用量を減らすよう構成されているが、燃焼排ガスか
らの復水が炭酸水素イオンや炭酸ガス等のイオンや不純
物を多量に含んでいるために電気電導度が高い。そこで
補給水中のイオンや不純物をイオン交換式水処理装置1
4で除去する必要がある。ところが、イオン交換樹脂の
陰イオン交換能力が炭酸水素イオンや炭酸ガスにより著
しく低下し、陽イオン交換能力が充分有るにも係わらず
イオン交換水の電気電導度が著しく増加してしまうとい
う問題点が判明し、イオン交換樹脂の可使用寿命が短く
なるばかりか、イオン交換樹脂の再生やその交換作業等
の保守費用が嵩む経済的不利益が問題になっており、そ
の改善が求められている。
【0007】この発明の目的は、復水と水道水の混合水
をイオン交換樹脂を通して補給水とする水処理システム
において、そのシステム構成を大幅に複雑化することな
く、イオン交換樹脂の寿命を長期化し、保守を容易化す
ることにある。
をイオン交換樹脂を通して補給水とする水処理システム
において、そのシステム構成を大幅に複雑化することな
く、イオン交換樹脂の寿命を長期化し、保守を容易化す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、燃料改質器の燃焼排ガス中の水
蒸気を凝縮して得られる復水を、イオン交換式水処理装
置を通して低電気電導度の補給水とした後、これを冷却
水循環系の冷却水と合流または燃料改質器に供給するも
のにおいて、 りん酸形燃料電池の空気オフガスを冷
却して得られる凝縮水の少なくとも一部を前記復水に添
加することにより前記復水のPHを下げる水質調整手段
を備えてなることとする、または、 りん酸形燃料電
池の空気オフガス出口マニホールド内で回収したりん酸
を前記復水に添加する水質調整手段を備えてなることと
する。
に、本発明においては、燃料改質器の燃焼排ガス中の水
蒸気を凝縮して得られる復水を、イオン交換式水処理装
置を通して低電気電導度の補給水とした後、これを冷却
水循環系の冷却水と合流または燃料改質器に供給するも
のにおいて、 りん酸形燃料電池の空気オフガスを冷
却して得られる凝縮水の少なくとも一部を前記復水に添
加することにより前記復水のPHを下げる水質調整手段
を備えてなることとする、または、 りん酸形燃料電
池の空気オフガス出口マニホールド内で回収したりん酸
を前記復水に添加する水質調整手段を備えてなることと
する。
【0009】上述の構成において、前記水質調整手段に
は、前記復水にシステム外からの水を混合して前記復水
の不足分を補う手段を設けることとし、また、前記水質
調整手段により前記復水または復水にシステム外からの
水を混合した混合水のPHを4乃至5に調整し、さら
に、前記復水または混合水中に溶解した炭酸ガスの外部
への放出を促進する炭酸ガス除去手段、例えば、水蒸気
分離器のブロー水と前記混合水とを熱交換させる手段ま
たは前記ブロー水に空気を混合して前記復水若しくは混
合水に吹き込むエゼクタを設けることとすれば、より好
適である。
は、前記復水にシステム外からの水を混合して前記復水
の不足分を補う手段を設けることとし、また、前記水質
調整手段により前記復水または復水にシステム外からの
水を混合した混合水のPHを4乃至5に調整し、さら
に、前記復水または混合水中に溶解した炭酸ガスの外部
への放出を促進する炭酸ガス除去手段、例えば、水蒸気
分離器のブロー水と前記混合水とを熱交換させる手段ま
たは前記ブロー水に空気を混合して前記復水若しくは混
合水に吹き込むエゼクタを設けることとすれば、より好
適である。
【0010】
【作用】この発明の構成は、イオン交換樹脂の寿命を短
縮する主たる原因が、燃焼排ガスからの復水中に多く含
まれる炭酸水素イオン(HCO3 -)および炭酸ガス(C
O2)であること、復水中では炭酸水素イオンと炭酸ガ
スは互いに平衡状態にあり、水のPH値や温度により平
衡が移動すること、および水がPH値4ないし5程度の
酸性になると水中の炭酸水素イオンの殆どが炭酸ガスに
変わり排気中に放出できること等、本願出願人らの知見
に基づいて成されたものである。すなわち、空気オフガ
スに含まれるりん酸を混合水に添加して混合水のPH値
を4ないし5に調整し,燃焼排ガスからの復水に含まれ
る炭酸水素イオンを炭酸ガスに変えた混合水を生成する
水質調整手段を備えるよう構成したことにより、りん酸
形燃料電池から空気オフガスとともに排出されるりん酸
を活用して炭酸水素イオンを炭酸ガスに変換できる。そ
の際、イオン交換樹脂の陽イオン交換負荷であるりん酸
の増加に対して、陰イオン交換負荷であるHCO3 -イオ
ンやCO2がその2倍程度減ることにより、イオン交換
樹脂を再生処理する頻度を低減し,イオン交換樹脂の可
使用寿命を延ばす機能が得られる。
縮する主たる原因が、燃焼排ガスからの復水中に多く含
まれる炭酸水素イオン(HCO3 -)および炭酸ガス(C
O2)であること、復水中では炭酸水素イオンと炭酸ガ
スは互いに平衡状態にあり、水のPH値や温度により平
衡が移動すること、および水がPH値4ないし5程度の
酸性になると水中の炭酸水素イオンの殆どが炭酸ガスに
変わり排気中に放出できること等、本願出願人らの知見
に基づいて成されたものである。すなわち、空気オフガ
スに含まれるりん酸を混合水に添加して混合水のPH値
を4ないし5に調整し,燃焼排ガスからの復水に含まれ
る炭酸水素イオンを炭酸ガスに変えた混合水を生成する
水質調整手段を備えるよう構成したことにより、りん酸
形燃料電池から空気オフガスとともに排出されるりん酸
を活用して炭酸水素イオンを炭酸ガスに変換できる。そ
の際、イオン交換樹脂の陽イオン交換負荷であるりん酸
の増加に対して、陰イオン交換負荷であるHCO3 -イオ
ンやCO2がその2倍程度減ることにより、イオン交換
樹脂を再生処理する頻度を低減し,イオン交換樹脂の可
使用寿命を延ばす機能が得られる。
【0011】また、前記復水または混合水中に溶解した
炭酸ガスの外部への放出を促進する炭酸ガス除去手段、
例えば、水蒸気分離器のブロー水と前記復水若しくは混
合水とを熱交換させる手段または、前記ブロー水に空気
を混合して前記復水若しくは混合水に吹き込むエゼクタ
を設けることとすれば、混合水中の溶存炭酸ガスがさら
に低減され、よりイオン交換樹脂の可使用寿命の延長が
可能になる。
炭酸ガスの外部への放出を促進する炭酸ガス除去手段、
例えば、水蒸気分離器のブロー水と前記復水若しくは混
合水とを熱交換させる手段または、前記ブロー水に空気
を混合して前記復水若しくは混合水に吹き込むエゼクタ
を設けることとすれば、混合水中の溶存炭酸ガスがさら
に低減され、よりイオン交換樹脂の可使用寿命の延長が
可能になる。
【0012】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の実施例になるりん酸形燃料電池の
水処理システムを示す構成図であり、以下従来の装置と
同じ構成部分には同一参照符号を付すことにより、重複
した説明を省略する。図において、水処理システム20
には、空気オフガス1G中の水蒸気を凝縮して回収する
空気オフガス凝縮水回収タンク30および前記回収タン
ク30から回収されたりん酸を含む凝縮水1Wの任意の
所定量と燃焼排ガス4Gからの復水と水道水とを混合す
る補水タンク23で構成される水質調整手段21が付加
される。本構成により、炭酸水素イオンを含む燃焼排ガ
ス4Gからの復水9Cと水道水9Aの混合水29にりん
酸を含む空気オフガス1Gからの凝縮水1Wを加えるこ
とにより、前記混合水29をPH値4ないし5またはそ
れより強い酸性水に調整し、溶存炭酸水素イオンを炭酸
ガスに変えることができる。また、図示しないPHセン
サを補水タンク23に設けてPH値を監視することによ
り、所望のPH値に調整することができる。
る。図1はこの発明の実施例になるりん酸形燃料電池の
水処理システムを示す構成図であり、以下従来の装置と
同じ構成部分には同一参照符号を付すことにより、重複
した説明を省略する。図において、水処理システム20
には、空気オフガス1G中の水蒸気を凝縮して回収する
空気オフガス凝縮水回収タンク30および前記回収タン
ク30から回収されたりん酸を含む凝縮水1Wの任意の
所定量と燃焼排ガス4Gからの復水と水道水とを混合す
る補水タンク23で構成される水質調整手段21が付加
される。本構成により、炭酸水素イオンを含む燃焼排ガ
ス4Gからの復水9Cと水道水9Aの混合水29にりん
酸を含む空気オフガス1Gからの凝縮水1Wを加えるこ
とにより、前記混合水29をPH値4ないし5またはそ
れより強い酸性水に調整し、溶存炭酸水素イオンを炭酸
ガスに変えることができる。また、図示しないPHセン
サを補水タンク23に設けてPH値を監視することによ
り、所望のPH値に調整することができる。
【0013】また、補水タンク23には炭酸ガス除去手
段として水蒸気分離器5からのブロー水9Bを熱媒体と
する熱交換器25が設けられ、混合水29を80°C程
度に加熱することにより、温度に逆比例して溶解炭酸ガ
ス量が低下する水の性質を利用して炭酸ガスの排ガス中
への放出が促進される。混合水29はポンプ13により
イオン交換式水処理装置14に送られて不純物が除去さ
れ、電気電導度が1μS/cm以下の補給水29Aとし
て水タンク15に貯留されるが、混合水29はりん酸を
含んでおり、これがイオン交換樹脂の負荷になる。しか
しながら、混合水のPH値を4ないし5に調整した場
合、りん酸の添加量の2倍程度の炭酸水素イオンを除去
できるので、イオン交換樹脂の負荷を相対的に半分程度
に減らすことができ、したがってイオン交換樹脂の再生
処理の頻度も従来の1/2程度に減り、その再生処理費
用およびその作業工数を半減できる利点が得られる。
段として水蒸気分離器5からのブロー水9Bを熱媒体と
する熱交換器25が設けられ、混合水29を80°C程
度に加熱することにより、温度に逆比例して溶解炭酸ガ
ス量が低下する水の性質を利用して炭酸ガスの排ガス中
への放出が促進される。混合水29はポンプ13により
イオン交換式水処理装置14に送られて不純物が除去さ
れ、電気電導度が1μS/cm以下の補給水29Aとし
て水タンク15に貯留されるが、混合水29はりん酸を
含んでおり、これがイオン交換樹脂の負荷になる。しか
しながら、混合水のPH値を4ないし5に調整した場
合、りん酸の添加量の2倍程度の炭酸水素イオンを除去
できるので、イオン交換樹脂の負荷を相対的に半分程度
に減らすことができ、したがってイオン交換樹脂の再生
処理の頻度も従来の1/2程度に減り、その再生処理費
用およびその作業工数を半減できる利点が得られる。
【0014】図2および図3は上述の実施例における炭
酸ガス除去手段の変形例を示す要部の構成図であり、図
2の場合、水蒸気分離器5からのブロ−水9Bを高温の
空気混合蒸気として補水タンク23の混合水に吹き込む
エゼクタ26を設けるよう構成されており、空気混合蒸
気の加熱および瀑気効果を利用して混合水中の溶解炭酸
ガス量を、その温度に対応し,かつバブリング空気の炭
酸ガス濃度に平衡した飽和溶解量にまで大幅に減らすこ
とができる。また、図3の場合、補水タンク23内にラ
シヒリングの充填対からなる直接接触式熱交換器24を
設け、ブロワ27から吹き込んだ空気と復水9Cを直接
接触式熱交換器24で向流接触させることにより、溶解
炭酸ガス量が空気中の炭酸ガス濃度と平衡した飽和溶解
量にまで低減された混合水29を得ることができる。な
お、温風機28を付加して復水温度を高めれば、より炭
酸ガスの排出を促進する効果が得られる。
酸ガス除去手段の変形例を示す要部の構成図であり、図
2の場合、水蒸気分離器5からのブロ−水9Bを高温の
空気混合蒸気として補水タンク23の混合水に吹き込む
エゼクタ26を設けるよう構成されており、空気混合蒸
気の加熱および瀑気効果を利用して混合水中の溶解炭酸
ガス量を、その温度に対応し,かつバブリング空気の炭
酸ガス濃度に平衡した飽和溶解量にまで大幅に減らすこ
とができる。また、図3の場合、補水タンク23内にラ
シヒリングの充填対からなる直接接触式熱交換器24を
設け、ブロワ27から吹き込んだ空気と復水9Cを直接
接触式熱交換器24で向流接触させることにより、溶解
炭酸ガス量が空気中の炭酸ガス濃度と平衡した飽和溶解
量にまで低減された混合水29を得ることができる。な
お、温風機28を付加して復水温度を高めれば、より炭
酸ガスの排出を促進する効果が得られる。
【0015】図4はこの発明の異なる実施例を示す要部
の構成図であり、水質調整手段を、りん酸形燃料電池1
の空気オフガス出口マニホ−ルド1A内に飛散したりん
酸を捕集するりん酸溜め32およびりん酸受け33から
なるりん酸回収手段31を設け、回収した濃度の高いり
ん酸液39を補水タンク23内の混合水29に添加し、
PH値4ないし5に調整された混合水29を得るよう構
成した点が前述の実施例と異なっており、図示しないP
Hセンサを補水タンク23に設けてPH値を監視するこ
とにより、所望のPH値に調整することができる。
の構成図であり、水質調整手段を、りん酸形燃料電池1
の空気オフガス出口マニホ−ルド1A内に飛散したりん
酸を捕集するりん酸溜め32およびりん酸受け33から
なるりん酸回収手段31を設け、回収した濃度の高いり
ん酸液39を補水タンク23内の混合水29に添加し、
PH値4ないし5に調整された混合水29を得るよう構
成した点が前述の実施例と異なっており、図示しないP
Hセンサを補水タンク23に設けてPH値を監視するこ
とにより、所望のPH値に調整することができる。
【0016】
【発明の効果】この発明は前述のように、空気オフガス
に含まれるりん酸を混合水に添加して混合水のPH値を
4ないし5に調整し,燃焼排ガスからの復水に含まれる
炭酸水素イオンを炭酸ガスに変換した混合水を生成する
水質調整手段を備えるよう構成した。その結果、りん酸
形燃料電池から空気オフガスとともに排出されるりん酸
を活用して炭酸水素イオンを炭酸ガスに変えて排ガス中
に放出でき、その際混合水のPH値を4ないし5程度の
酸性に抑えることにより、イオン交換樹脂の陽イオン交
換負荷であるりん酸の増加に対して、陰イオン交換負荷
であるHCO3―イオンやCO2がその2倍程度減ること
により、従来の技術において、イオン交換樹脂の陰イオ
ン交換能力が炭酸水素イオンや炭酸ガスにより著しく低
下し、陽イオン交換能力が充分有るにも係わらずイオン
交換水の電気電導度が著しく増加してしまうという問題
点が排除され、したがってイオン交換樹脂の寿命が大幅
に伸び、イオン交換樹脂の再生処理の頻度を従来のほぼ
半分以下に低減できるので、イオン交換樹脂の再生処理
やその保守作業に要する費用や工数を大幅に低減できる
水処理システムを備えたりん酸形燃料電池を提供するこ
とができる。
に含まれるりん酸を混合水に添加して混合水のPH値を
4ないし5に調整し,燃焼排ガスからの復水に含まれる
炭酸水素イオンを炭酸ガスに変換した混合水を生成する
水質調整手段を備えるよう構成した。その結果、りん酸
形燃料電池から空気オフガスとともに排出されるりん酸
を活用して炭酸水素イオンを炭酸ガスに変えて排ガス中
に放出でき、その際混合水のPH値を4ないし5程度の
酸性に抑えることにより、イオン交換樹脂の陽イオン交
換負荷であるりん酸の増加に対して、陰イオン交換負荷
であるHCO3―イオンやCO2がその2倍程度減ること
により、従来の技術において、イオン交換樹脂の陰イオ
ン交換能力が炭酸水素イオンや炭酸ガスにより著しく低
下し、陽イオン交換能力が充分有るにも係わらずイオン
交換水の電気電導度が著しく増加してしまうという問題
点が排除され、したがってイオン交換樹脂の寿命が大幅
に伸び、イオン交換樹脂の再生処理の頻度を従来のほぼ
半分以下に低減できるので、イオン交換樹脂の再生処理
やその保守作業に要する費用や工数を大幅に低減できる
水処理システムを備えたりん酸形燃料電池を提供するこ
とができる。
【0017】また、混合水の水質調整手段が、混合水中
に溶解した炭酸ガスの外部への放出を混合水の加熱また
は空気との接触により促進する炭酸ガス除去手段を備え
るよう構成すれば、溶解炭酸ガス量が少ない混合水を効
率よく生成でき、したがってイオン交換樹脂の可使用寿
命を一層効果的に延長できる利点が得られる。
に溶解した炭酸ガスの外部への放出を混合水の加熱また
は空気との接触により促進する炭酸ガス除去手段を備え
るよう構成すれば、溶解炭酸ガス量が少ない混合水を効
率よく生成でき、したがってイオン交換樹脂の可使用寿
命を一層効果的に延長できる利点が得られる。
【図1】この発明の実施例になるりん酸形燃料電池の水
処理システムを示す構成図
処理システムを示す構成図
【図2】実施例における炭酸ガス除去手段の変形例を示
す要部の構成図
す要部の構成図
【図3】実施例における炭酸ガス除去手段の異なる変形
例を示す要部の構成図
例を示す要部の構成図
【図4】この発明の異なる実施例を示す要部の構成図
【図5】りん酸形燃料電池の従来の水処理装置を示す構
成図
成図
【図6】水冷式りん酸形燃料電池の一般的冷却構造図
1 りん酸形燃料電池 1A 空気オフガス出口マニホ−ルド 1G 空気オフガス 1W 空気オフガスからの復水(廃水) 2 単位セル 3 冷却板 4 燃料改質器 4G 燃焼排ガス 5 水蒸気分離器 7 熱交換器(空気オフガス用) 8 熱交換器(混合ガス用) 9 冷却水 9A 水道水 9B ブロ−水 9C 復水 10 冷却水循環系 11 水処理系 12 補水タンク 14 イオン交換式水処理装置 15 水タンク 20 水処理システム 21 水質調整手段 23 補水タンク 26 エゼクタ 27 ブロワ 29 混合水 29A 補給水(イオン交換水) 30 空気オフガス凝縮水回収タンク 31 りん酸回収手段 32 りん酸溜め 33 りん酸受け 39 りん酸液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/00 - 8/24
Claims (6)
- 【請求項1】燃料改質器の燃焼排ガス中の水蒸気を凝縮
して得られる復水を、イオン交換式水処理装置を通して
低電気電導度の補給水とした後、これを冷却水循環系の
冷却水と合流または燃料改質器に供給するものにおい
て、 りん酸形燃料電池の空気オフガスを冷却して得られる凝
縮水の少なくとも一部を前記復水に添加することにより
前記復水のPHを下げる水質調整手段を備えてなること
を特徴とするりん酸形燃料電池の水処理システム。 - 【請求項2】燃料改質器の燃焼排ガス中の水蒸気を凝縮
して得られる復水を、イオン交換式水処理装置を通して
低電気電導度の補給水とした後、これを冷却水循環系の
冷却水と合流または燃料改質器に供給するものにおい
て、 りん酸形燃料電池の空気オフガス出口マニホールド内で
回収したりん酸を前記復水に添加する水質調整手段を備
えてなることを特徴とするりん酸形燃料電池の水処理シ
ステム。 - 【請求項3】前記水質調整手段が、前記復水にシステム
外からの水を混合して前記復水の不足分を補う手段を有
することを特徴とする請求項1または2に記載のりん酸
形燃料電池の水処理システム。 - 【請求項4】前記水質調整手段が、前記復水または前記
復水にシステム外からの水を混合した混合水のPHを4
乃至5に調整するものであることを特徴とする請求項1
乃至3の何れかに記載のりん酸形燃料電池の水処理シス
テム。 - 【請求項5】前記復水または混合水中に溶解した炭酸ガ
スの外部への放出を促進する炭酸ガス除去手段を備えて
なることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の
りん酸形燃料電池の水処理システム。 - 【請求項6】前記炭酸ガス除去手段が、水蒸気分離器の
ブロー水と前記復水若しくは混合水とを熱交換させる手
段、または、前記ブロー水に空気を混合して前記復水若
しくは混合水に吹き込むエゼクタであることを特徴とす
る請求項5に記載のりん酸形燃料電池の水処理システ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03101060A JP3099407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | りん酸形燃料電池の水処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03101060A JP3099407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | りん酸形燃料電池の水処理システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04332478A JPH04332478A (ja) | 1992-11-19 |
JP3099407B2 true JP3099407B2 (ja) | 2000-10-16 |
Family
ID=14290574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03101060A Expired - Fee Related JP3099407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | りん酸形燃料電池の水処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3099407B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7052790B2 (en) * | 2000-10-20 | 2006-05-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Fuel cell system and operation method having a condensed water tank open to atmosphere |
-
1991
- 1991-05-07 JP JP03101060A patent/JP3099407B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04332478A (ja) | 1992-11-19 |
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