JP3098979B2 - ゴルフボール識別・振り分け・搬送システムおよびそれを構成する各装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ゴルフ練習場に
て回収されるゴルフボールから、複数の各打席で使用さ
れる打席別特性を持つゴルフボールの打席を識別し、そ
の各ゴルフボールをそれぞれ識別した各打席に設置され
たボールストッカへ振り分けて搬送するゴルフボール識
別・振り分け・搬送システム、およびそれを構成する各
装置であるゴルフボール識別装置、打席別ゴルフボール
一時貯溜装置、ならびにゴルフボール搬送振り分け装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ゴルフ練習場では、ゴルファーの
技術の向上を図るだけでなく、興味をもって練習できる
ようにゲーム性や適度の射幸性を持たせるようにしたシ
ステムの導入が期待されている。

【０００３】そのため、例えば、特開平６−７４９０号
公報に見られるように、複数の各打席毎に異なる識別マ
ーク（バーコード，マーク，色彩等による）を付したゴ
ルフボールを使用し、各打席から打たれたゴルフボール
がヤード内に設けたホールに入った時、そのゴルフボー
ルの識別マークを検出し、そのゴルフボールが打たれた
打席を判別して表示するようにしたゴルフゲーム装置が
提案されている。

【０００４】また、特開平７−２１３６６９号公報に見
られるように、複数の各打席から打ち放たれるゴルフボ
ールの標的として、近距離打球練習用の人工グリーン
と、遠距離打球練習用の立設標的スタンドとをヤード内
に設置し、それぞれの等級に応じた入賞孔又は入賞溝に
入るかあるいは標的に的中した入賞ボールに賦与されて
いる打席別特性（磁気，色，マーク，文字，記号，バー
コード等による）を識別して、その入賞ボールを打った
打席に設けた端末装置に得点を表示し、その得点に応じ
た報奨球の還付が受けられるようにしたゴルフ練習場シ
ステムも提案されている。

【０００５】このようなシステムを採用する場合、ゴル
フ練習場のヤードから回収したゴルフボールを洗浄して
乾燥処理した後、その各ゴルフボールをそれに付された
マーク等の打席別特性を識別して、その識別した打席の
ボールストックへ戻すように搬送する必要がある。

【０００６】一般的にゴルフボールの搬送方法として
は、次のような方法がある。１．パイプや樋に傾斜をつ
けてゴルフボールをその自転回動によって搬送する方
法。２．パイプの中に圧縮空気を送り、強力な空気流を
起してゴルフボールをその空気流に乗せて圧送する方
法。３．搬送ベルト上にゴルフボールを載せて搬送する
ベルトコンベア搬送方法。

【０００７】上記１の方法は、短距離搬送には適してい
るが長距離搬送の場合、例えば５％の勾配でも１００ｍ
先では５ｍの落差が必要になり、打席側の天井の高さが
３ｍ程度のゴルフ練習場には適用できず、この方法は採
用されていない。

【０００８】従って、採用されているのは上記２又は３
の方法であるが、２の方法は圧縮空気をパイプ内に流し
込んで強力な空気流でゴルフボールを圧送するため、ス
ピードが出るのとパイプの上下，左右への曲折にかかわ
らず搬送できる利点はあるが、ゴルフボールがパイプの
内壁に当って騒音を発するばかりか、ボール表面の磨耗
が激しいという欠点がある。そのため、現在では採用す
るところが少く、大勢は搬送ベルトの上に連続的にゴル
フボールを落し込んで搬送するベルトコンベア搬送方法
が主流を占めている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このベ
ルトコンベア搬送方法では、前述のようなゴルフゲーム
に使用するマーク等の打席別特性を賦与したゴルフボー
ルを、コンベアによる搬送途上でその打席別特性を判別
しながら該当する打席のボールストックに選択的に落し
込むようにすることが技術的に難しく、しかもその設備
に多大な費用がかかるという問題があり、実用化される
までに至っていない。

【００１０】この発明はこのような現状に鑑みてなされ
たものであり、ゴルフ練習場にて回収されるゴルフボー
ルから、複数の各打席で使用される打席別特性を持つゴ
ルフボールの打席を識別し、その各ゴルフボールをそれ
ぞれ識別した各打席に設置されたボールストッカへ振り
分けて効率よく確実に搬送できるようにし、しかも騒音
を発生することがなく、長距離搬送も可能にするゴルフ
ボール識別・振り分け・搬送システムを提供することを
目的とする。

【００１１】また、そのシステムを構成するための新規
なゴルフボール識別装置、打席別ゴルフボール一時貯溜
装置、ならびにゴルフボール搬送振り分け装置を提供す
ることも目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明によるゴルフボ
ール識別・振り分け・搬送システムは、ゴルフ練習場に
て回収されるゴルフボールから、複数の各打席で使用さ
れる打席別特性を持つゴルフボールの打席を識別し、該
ゴルフボールをそれぞれ識別した各打席に設置されたボ
ールストッカへ振り分けて搬送するゴルフボール識別・
振り分け・搬送システムであって、上記の目的を達成す
るため次の各部を備えたものである。

【００１３】（Ａ）回収されたゴルフボールを貯溜する
ボール溜、（Ｂ）該ボール溜に貯溜されたゴルフボール
を１個ずつ誘導して前記打席別特性を識別するボール識
別部、（Ｃ）該ボール識別部で識別されたゴルフボール
をその識別された打席ごとに振り分けて一時貯溜し、そ
の貯溜個数が予め設定した個数に達した打席のゴルフボ
ール群から順次送出する打席別ゴルフボール一時貯溜
部、（Ｄ）搬送ベルトの搬送方向に所定の間隔で仕切り
が設けられ、該搬送ベルトの前記仕切りで仕切られた部
分に前記打席別ゴルフボール一時貯溜部から送出される
ゴルフボール群を個別に載置して搬送するコンベア、

【００１４】（Ｅ）該コンベアの搬送ベルトのベルト搬
送方向に沿って間隔を置いて各打席に対応して設けら
れ、搬送ベルトに載置されて搬送される各打席のゴルフ
ボール群をそれぞれ各打席のボールストッカへ誘導する
振り分けゲート部、（Ｆ）上記ボール識別部と打席別ゴ
ルフボール一時貯溜部とコンベアと振り分けゲート部と
を制御する制御部、

【００１５】上記コンベアが、その搬送ベルトを幅方向
に仕切る固定の仕切り板を上記各仕切りの移動を妨げな
い位置に備え、その搬送ベルトの幅方向の一方の側に上
記打席別ゴルフボール一時貯溜部から送出されるゴルフ
ボール群を個別に載置して搬送すると共に、他方の側に
上記ボール識別部で打席を識別できなかったか識別でき
てもそれが上記打席別ゴルフボール一時貯溜部に貯溜で
きる打席でなかったゴルフボールを載置して搬送終端ま
で搬送するようにすると、このシステムを複数連接して
多打席用のゴルフボール識別・振り分け・搬送システム
を構成することが容易になる。

【００１６】また、上記コンベアの搬送ベルトを搬送方
向に所定の間隔で仕切る各仕切りに被検知部材を設け、
該コンベアの搬送方向の基準位置と各打席に対応する位
置にそれぞれ固定して上記被検知部材の通過を検知する
検知部材を設け、該各検知部材による被検知部材の通過
検知信号に基づいて、上記制御部が最適のタイミングで
上記振り分けゲートを動作させるようにするとよい。

【００１７】さらに、上記コンベアの搬送ベルトを搬送
方向に所定の間隔で仕切る仕切りを、該搬送ベルト上に
ゴルフボールの半径より低い高さで設け、振り分けゲー
トを、搬送ベルト上の上記仕切りの上端より幾分高い位
置を下端として、搬送ベルトの側縁に沿う退避位置と搬
送ベルトの幅方向に張り出してゴルフボール群をボール
ストッカへ誘導する位置とに回動変位可能に設けるとよ
い。

【００１８】上記各打席のボールストッカが、それぞれ
ゴルフボールが満杯になった時にそれを検知して満杯信
号を上記制御部へ送るセンサを備えており、上記打席別
ゴルフボール一時貯溜部が、上記満杯信号に基づく制御
部からの指令により満杯が検知された打席と識別された
ゴルフボールは一時貯溜せずにボール溜に戻すか、ある
いは一時貯溜するがその打席のゴルフボールの貯溜個数
が前記予め設定した個数に達してもそのゴルフボール群
を送出せずに、その後の該打席のゴルフボールは前記ボ
ール溜に戻す手段を備えるようにすれば、満杯のボール
ストッカにゴルフボールが送られ続けて溢れるようなこ
とを防止できる。

【００１９】各ゴルフボールが持つ打席別特性をバーコ
ードにして、ボール識別部がゴルフボールのバーコード
を読み取るバーコードリーダを備えるようにするとよ
い。そのバーコードを、ゴルフボールの外周面の中心に
対して対称な位置に略均等な間隔で６ケ所に印刷する
か、互いに直交するようにゴルフボールの略全周に亘る
２本の帯状に印刷することにより、打席識別特性の検出
精度を高めることができる。

【００２０】そして、上記ボール識別部が、ボール溜か
ら出たゴルフボールを１個ずつ転動させて誘導する蛇行
路を有し、その蛇行路の前後にバーコードリーダを設け
るようにすることにより、打席別特性の検出精度を一層
高めることができる。

【００２１】これらのゴルフボール識別・振り分け・搬
送システムを複数連接して、前段のシステムのコンベア
の搬送ベルトの上記他方の側によって搬送端まで搬送さ
れたゴルフボールを、後段のシステムのボール溜に投入
するように接続してなる多打席用のゴルフボール識別・
振り分け・搬送システムも提供する。

【００２２】この発明によるゴルフボール識別装置は、
ゴルフボールを１個ずつ転動させて誘導する蛇行路を有
し、その蛇行路の前後にゴルフボールの表面に印刷され
た打席別特性を示すバーコードを読み取るバーコードリ
ーダを配設し、そのいずれかのバーコードリーダによっ
て打席別特性を示すバーコードを読み取れたゴルフボー
ルと読み取れなかったゴルフボールとをそれぞ別の排出
口へ案内する切り換え案内部を備えたものである。

【００２３】この発明による打席別ゴルフボール一時貯
溜装置は、打席別特性が識別されたゴルフボールを１個
ずつ転動させて案内する傾斜面をなすボール案内路と、
それぞれそのボール案内路の側方に延びて設けられ、各
打席のゴルフボールを所定個数まで一時貯溜できる振り
分ける打席数だけのボールストック部と、上記ボール案
内路に上記ボールストック部の入口に対応してそれぞれ
設けられ、ボール案内路を転動する打席別特性が識別さ
れたゴルフボールをその識別された打席用のボールスト
ック部へ誘導する入口側可動ゲートと、各ボールストッ
ク部の出口にそれぞれ設けられ、該ボールストック部に
予め設定された個数のゴルフボールが貯溜された時に出
口を開いてそのゴルフボール群を排出させる出口側可動
ゲートと、各ボールストック部の出口から排出されるゴ
ルフボール群を案内して共通の１つの送出口から送出す
るボール案内送出部とを備えたものである。

【００２４】この発明によるゴルフボール搬送振り分け
装置は、搬送ベルトの搬送方向に所定の間隔で仕切りが
設けられた搬送ベルトを有し、その搬送ベルトの上記仕
切りで仕切られた部分に各打席用のゴルフボール群を個
別に載置して搬送するコンベアと、そのコンベアの搬送
ベルトのベルト搬送方向に沿って間隔を置いて各打席に
対応して設けられ、搬送ベルトに載置されて搬送される
各打席のゴルフボール群をそれぞれ各打席のボールスト
ッカへ誘導する振り分けゲート部とからなるものであ
る。

【００２５】そして、上記コンベアが、その搬送ベルト
を幅方向に仕切る固定の仕切り板を前記各仕切りの移動
を妨げない位置に備え、その搬送ベルトの幅方向の一方
の側に前記各打席用のゴルフボール群を個別に載置して
搬送すると共に、他方の側に打席が不明又は振り分け対
象外のゴルフボールを載置して搬送終端まで搬送するコ
ンベアであるとよい。

【００２６】また、上記コンベアの搬送ベルトを搬送方
向に所定の間隔で仕切る各仕切りに被検知部材を設け、
該コンベアの搬送方向の基準位置と各打席に対応する位
置にそれぞれ固定して上記被検知部材の通過を検知する
検知部材を設けるとよい。

【００２７】さらに、上記コンベアの搬送ベルトを搬送
方向に所定の間隔で仕切る仕切りを、該搬送ベルト上に
ゴルフボールの半径より低い高さで設け、上記振り分け
ゲートを、搬送ベルト上の上記仕切りの上端より幾分高
い位置を下端として、該搬送ベルトの側縁に沿う退避位
置と該搬送ベルトの幅方向に張り出して上記ゴルフボー
ル群をボールストッカへ誘導する位置とに回動変位可能
に設けるのが望ましい。

【００２８】なお、回収されたゴルフボールを洗浄して
乾燥する洗浄・乾燥装置と、該装置によって洗浄して乾
燥されたゴルフボールを個々に打席別特性を持つゴルフ
ボールか否かを識別する２種ボール識別部とを設け、該
２種ボール識別部によって打席別特性を持つと識別され
たゴルフボールのみを、この発明によるゴルフボール識
別・振り分け・搬送システムのボール溜に供給するよう
にするとよい。

【００２９】あるいは、回収されたゴルフボールを個々
に前記打席別特性を持つゴルフボールか否かを識別する
２種ボール識別部と、該２種ボール識別部によって打席
別特性を持つと識別されたゴルフボールを洗浄して乾燥
する第１の洗浄・乾燥装置と、２種ボール識別部によっ
て打席別特性を持つと識別されなかったゴルフボールを
洗浄して乾燥する第２の洗浄・乾燥装置とを設け、第１
の洗浄・乾燥装置によって洗浄して乾燥されたゴルフボ
ールのみを、この発明によるゴルフボール識別・振り分
け・搬送システムのボール溜に供給するようにし、第２
の洗浄・乾燥装置によって洗浄して乾燥されたゴルフボ
ールは通常ボール用のボール溜に供給するようにしても
よい。

【００３０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図１はこの発明によるゴ
ルフボール識別・振り分け・搬送システムの基本構成を
示す図であり、図２は回収したゴルフボールを洗浄・乾
燥してバーコード入りボールと通常ボールとを仕分けす
る前処理システムの概略図である。

【００３１】まず、図２によって前処理システムについ
て説明する。この例は、同じゴルフ練習場に、通常のゴ
ルフボールによる練習を行なう打席と、打席別特性とし
てバーコードを賦与したゴルフボールによるゲーム的な
練習を行なう打席とを備えている場合の前処理システム
である。

【００３２】ゴルフ練習場の図示しないヤードには起伏
が形成され、その谷間に設けられる勾配付きＵ字溝によ
る多数の支溝とそれらを合流させる本溝からなる集球水
流路２によって、ヤード内に打ち放たれたゴルフボール
１を集めてボールピット３内へ回収する。

【００３３】そのボールピット３から垂直コンベア４に
よって回収したゴルフボール１を上方へ搬送し、図２に
実線で示すように、洗浄・乾燥機５へ送り込んで洗浄液
によって洗浄した後乾燥させる。そして、再び垂直コン
ベア６によって上方へ搬送し、２種ボール選別装置７に
よってバーコード入りボールと通常ボールとを識別して
仕分け（選別）し、通常ボールは通常ボールタンク８
へ、バーコード入りボールはバーコード入りボールタン
ク９へ送り込む。この通常ボールタンク８とバーコード
入りボールタンク９は、一つのボールタンクを仕切って
使用してもよい。

【００３４】そして、通常ボールタンク８に貯溜された
通常ボールは、垂直コンベア１０によって通常のコンベ
アあるいは搬送パイプ等によるゴルフボール搬送システ
ムに供給され、それによって通常練習用の各打席のボー
ルストッカへ搬送される。

【００３５】バーコード入りボールタンク９に貯溜され
たバーコード入りゴルフボールは、垂直コンベア１１に
よって、この発明によるゴルフボール識別・振り分け・
搬送システムに供給される。そして、その各ゴルフボー
ルは、打席別特性の情報を示すバーコードの読み取りに
よってその各打席が識別され、その識別された各打席に
設置されたボールストッカへ戻されるように搬送され
る。

【００３６】また、図２に破線で示すように、ボールピ
ット３から垂直コンベア４によって上方へ搬送した後、
２種ボール選別装置７′によってバーコード入りボール
と通常ボールとを識別して仕分け（選別）し、通常ボー
ルは通常ボール用の洗浄・乾燥機（第１の洗浄・乾燥装
置）５へ送り込み、バーコード入りボールはバーコード
入りボール用の洗浄・乾燥機（第２の洗浄・乾燥装置）
５′へ送り込むようにしてもよい。

【００３７】この場合は、先に説明した２種ボール選別
装置７は不要であり、洗浄・乾燥装置５によって洗浄及
び乾燥された通常ボールは、垂直コンベア６によって上
方へ搬送され、２種ボール選別装置７を介することなく
通常ボールタンク８へ送り込まれる。また、洗浄・乾燥
装置５′によって洗浄及び乾燥されたバーコード入りボ
ールは、垂直コンベア６′によって上方へ搬送され、バ
ーコード入りボールタンク９へ送り込まれる。

【００３８】このようにすれば、洗浄・乾燥機５と洗浄
・乾燥機５′とで、使用する洗浄液を異ならせることが
でき、バーコード入りボール用の洗浄・乾燥機５′で
は、ゴルフボールの表面に印刷されたバーコードが何度
も洗浄するうちに薄くなったり消えたりしないように、
洗浄力を幾分弱めた洗浄液を使用することができる。ま
た、このようなシステムによって、回収されたゴルフボ
ールの洗浄及び仕分けを大量に行なう場合には、２種ボ
ール選別装置７又は７′を複数個並べて使用すれば、通
常ボールとバーコード入りボールの選別処理量を大幅に
増加することができる。

【００３９】次に、図１によってこの発明によるゴルフ
ボール識別・振り分け・搬送システムの基本構成を説明
する。このゴルフボール識別・振り分け・搬送システム
は、バーコード入りボールタンク９から垂直コンベア１
１によって運び上げられる回収されたバーコード入りの
ゴルフボール１を貯溜するボール溜１５と、ボール識別
部２０と、打席別ゴルフボール一時貯溜部３０と、コン
ベア４０と、各打席に対応して設けられた振り分けゲー
ト部５０と、これらを制御する制御部１００とを備えて
いる。

【００４０】さらに、各打席（１０打席用のシステムの
場合には第１打席から第１０打席）に、それぞれ２００
０球ストック可能な打席用ボールストッカ６０が設置さ
れている。また、コンベア４０の搬送終端には、識別で
きなかったＮＧボール及び他の打席用のボールを貯溜す
るボール溜７０を設けている。１６は、ボール識別部２
０が一杯のときに溢れたボールをバーコード入りボール
タンク９へ戻すための戻し球路である。

【００４１】ボール識別部２０は、ボール溜１５に貯溜
されたゴルフボールを１個ずつ誘導してバーコードリー
ダ２１，２２によってその表面の打席別特性を示すバー
コードを読み取ってその打席を識別する。

【００４２】そして、このシステムで振り分け・搬送す
る打席のボールと識別できたゴルフボール（以下「ＩＤ
ボール」と略称する）は、打席別ゴルフボール一時貯溜
部３０へ送り、打席を識別できないか、識別できたがこ
のシステムで振り分け・搬送する打席以外の打席（この
例では第１乃至第１０打席以外の打席）と認識したゴル
フボール（以下「ＮＧボール」と略称する）は、コンベ
ア４０のＮＧボール搬送部４０Ｂへ送る。

【００４３】打席別ゴルフボール一時貯溜部３０は、ボ
ール識別部２０で打席が識別されたＩＤボールを、その
識別された打席ごとに振り分けて一時貯溜し、その貯溜
個数が予め設定した個数に達した打席のゴルフボール群
から順次コンベア４０のＩＤボール搬送部４０Ａに送出
する。

【００４４】コンベア４０は、搬送ベルトの搬送方向に
所定の間隔で仕切りが設けられ、その搬送ベルトの仕切
りで仕切られた部分に打席別ゴルフボール一時貯溜部３
０から送出されるゴルフボール群を個別に載置して搬送
するＩＤボール搬送部４０Ａと、ボール識別部２０から
送出されるＮＧボールを搬送ベルト上に載置して、搬送
終端に設けられたボール溜７０まで搬送するＮＧボール
搬送部４０Ｂとが一体に設けられている。

【００４５】しかし、このＩＤボール搬送部４０ＡとＮ
Ｇボール搬送部４０Ｂを共通のコンベア４０に一体に設
けることは、この発明に必須の構成ではなく、ＩＤボー
ル搬送部４０ＡとＮＧボール搬送部４０Ｂを別のコンベ
アによって構成してもよい。また、このシステムで全て
の打席のゴルフボールの振り分け・搬送をする場合に
は、ＮＧボール搬送部は不要であり、ボール識別部２０
で打席を識別できなかったＮＧボールは直接ＮＧボール
溜に送り込むようにすればよい。

【００４６】振り分けゲート部５０は、コンベア４０の
搬送ベルトのベルト搬送方向に沿って間隔を置いて各打
席（この例では第１打席〜第１０打席）にそれぞれ対応
して設けられ、搬送ベルトに載置されて搬送される各打
席のゴルフボール群をそれぞれ各打席のボールストッカ
６０へ誘導する。

【００４７】制御部１００は、マイクロコンピュータを
内蔵した制御装置であり、ボール識別部２０、打席別ゴ
ルフボール一時貯溜部３０、コンベア４０、及び各打席
用の振り分けゲート部５０との間で信号を送受して、そ
れらの各動作を所要のタイミングで制御する。また、各
打席に設置された打席用ボールストッカ６０に設けられ
たボール満杯センサから満杯信号を受信したときには、
打席別ゴルフボール一時貯溜部３０へその満杯の打席を
知らせる。

【００４８】それによって、打席別ゴルフボール一時貯
溜部３０は、満杯が検知された打席のものと識別された
ＩＤボールは一時貯溜せずに、戻し球路１７を通してバ
ーコード入りボールタンク９へ戻す。その後そのボール
は垂直コンベア１１によって再びボール溜１５へ戻され
ることになる。あるいは、打席別ゴルフボール一時貯溜
部３０が制御部１００から満杯信号を受けたとき、その
満杯の打席と識別されたゴルフボールも一時貯溜する
が、その打席のゴルフボールの貯溜個数が予め設定した
個数に達してもそのゴルフボール群をコンベア４０へ送
出せず、その後の該打席のゴルフボールは戻し球路１７
を通してバーコード入りボールタンク９へ戻すようにし
てもよい。

【００４９】ここで、ゴルフボールに付与する打席別特
性としてのバーコードの形成方法の例を示す。例えば図
３に示すように、打席番号を示す通常のバーコードＢＣ
を、ゴルフボール１の外周面の中心に対して対称な位置
に略均等な間隔で６ケ所に、非褪色性インク又は塗料で
印刷し、その上に透明ラッカー等で保護被膜を形成す
る。

【００５０】あるいは図４に示すように、ゴルフボール
１の略全周に亘る複数本の帯状のバーコードＢＣ１とＢ
Ｃ２（打席番号を示す）を互いに直交する方向に、非褪
色性インク又は塗料で印刷し、その上に透明ラッカー等
で保護被膜を形成する。これらによって、ゴルフボール
がどのような状態にあっても、バーコードリーダでその
バーコードＢＣあるいはＢＣ１，ＢＣ２を読み取ること
ができ、打席別特性の検出精度を大幅に高めることがで
きる。

【００５１】しかし、これらの方法に限るものではな
く、図３のバーコードＢＣと図４のバーコードＢＣ１又
はＢＣ２とを組合わせたり、その他種々のバーコードを
ゴルフボールの外周面に形成することができる。

【００５２】さらに、ゴルフボールに付与する打席別特
性はバーコードに限るものではなく、数字等の文字や、
例えば図５に示すような記号あるいはマークの組み合
せ、異なる色の着色、磁気による記録などを用いること
もできる。その場合には、それを読み取る手段として
は、文字や図形の認識装置（ＯＣＲ，マークリーダ
等），カラーセンサ、磁気センサ等を使用することにな
る。しかし、以下の説明では、打席番号を示すバーコー
ドを印刷したゴルフボールを使用する場合について主に
説明する。

【００５３】次に、図１に示したボール識別部２０と打
席別ゴルフボール一時貯溜部３０とを一体のユニット構
成したボール識別・仕分けユニットについて、図６乃至
図８を参照して説明する。図６はそのボール識別・仕分
けユニット８０の平面図、図７は正面図、図８はその上
カバーを取って内部構造を示す平面図である。なお、こ
れらの図において、コンベア４０を仮想線で示し、その
搬送ベルトの移動方向を矢印Ａで示している。

【００５４】図６に示す２０ａは、図１に示したボール
溜１５からボール識別部２０へゴルフボールを投入する
ボール投入口である。図７に示す２０ｂはオーバフロー
ボール出口で、図１に示した戻し球路１６に接続され、
ボール投入口２０ａから投入されたが、ボール識別部２
０内にゴルフボールが一杯の場合にオーバフローするゴ
ルフボールを排出させて、ボールタンク９へ戻すために
設られている。

【００５５】３１はＩＤボール案内送出部であり、２つ
のガイド斜面３１ａ，３１ｂと送出口３１ｃを有する。
３２はＮＧボール案内送出部であり、ボール識別部２０
の下部から続くガイド斜面３２ａと送出口３２ｃを有す
る。ＩＤボール案内送出部３１の送出口３１ｃは、コン
ベア４０のＩＤボール搬送部４０Ａ上方に位置し、ＮＧ
ボール案内送出部３２の送出口３２ｃはコンベア４０の
ＮＧボール搬送部４０Ｂの上方に位置しており、これら
の送出口３１ｃと３２ｃは互いに隣接している。

【００５６】ボール識別部２０は、図８に示すように、
ボール投入口２０ａから後方へゴルフボール１個ずつ転
動させて誘導する下り勾配のボールガイド２３が設けら
れ、その途中に屈曲した蛇行路を形成する蛇行部２３ａ
を有し、後方にＩＤボール送出部２３ｃとＮＧボール送
出部２３ｄとに分岐する切り換え案内部２３ｂを有して
いる。切り換え案内部２３ｂの中央には、ソレノイド２
５によって実線で示す位置と仮想線で示す位置とに回動
される切り換え板２４が設けられている。

【００５７】そして、ボールガイド２３の蛇行部２３ａ
の前後の上部にそれぞれバーコードリーダ２１，２２を
下向きに配設している。ＩＤボール送出部２３ｃとＮＧ
ボール送出部２３ｄの終端にはそれぞれＩＤボール排出
口とＮＧボール排出口（図では見えない）が形成されて
おり、その直前の上部にそれぞれＩＤボール出口センサ
２６，ＮＧボール出口センサ２７が配設されている。

【００５８】また、ボールガイド２３内のバーコードリ
ーダ２１の配設位置の手前側に、図示しないボール係止
部材が設けられ、ＩＤボール送出部２３ｃにもソレノイ
ド２９によってボール係止位置と退避位置とに変位され
るボール係止部材２８が設けられている。ボール投入口
２０ａからこのボール識別部２０内に投入されたバーコ
ード入りゴルフボール１は、ボールガイド２３に案内さ
れてその勾配によって自転しながら進行し、まず蛇行部
２３ａの手前側でバーコードリーダ２１によって、その
表面に印刷された打席別特性を示すバーコードが読み取
られる。

【００５９】そこで図示しない係止部材によって一旦止
められ、１個ずつ間隔をおいて送られ、蛇行部２３ａを
通過して向きを変え、後方のバーコードリーダ２２によ
って再びその表面に印刷されたバーコードが読み取られ
る。このバーコードリーダ２１，２２によるバーコード
の読み取り情報は、図１の制御部に送られて打席が識別
される。バーコードリーダ２１，２２の少なくとも一方
によってバーコードが読み取られ、その識別した打席が
このユニットで仕分けする打席の場合には、切り換え板
２４は実線で示す位置のままに保持され、そのゴルフボ
ール１をＩＤボール送出部２３ｃへガイドする。

【００６０】そこで、再びボール係止部材２８によって
係止され、先のゴルフボールが打席別ゴルフボール一時
貯溜部３０での仕分けが済んだ後、ソレノイド２９によ
ってボール係止部材２８を退避させて、打席が識別され
たゴルフボールをＩＤボール排出口から打席別ゴルフボ
ール一時貯溜部３０へ送り込む。

【００６１】バーコードリーダ２１，２２のいずれによ
ってもバーコードを読み取れなかったか、あるいはバー
コードを読み取れたが識別された打席番号がこのユニッ
トで仕分けする打席以外の打席番号であった場合には、
ソレノイド２５によって切り換え板２４を仮想線で示す
位置へ回動させて、そのゴルフボールをＮＧボール送出
部２３ｄへガイドする。

【００６２】そのＮＧボールは、ＮＧボール排出口から
ボール識別部２０の下部に設けた図示しない下り勾配の
ＮＧボール案内路に落しこまれ、それを通ってＮＧボー
ル案内送出部３２へ送られ、送出口３２ｃからコンベア
４０のＮＧボール搬送部４０Ｂに落下する。

【００６３】打席別ゴルフボール一時貯溜部３０は、図
８に示すように、ボール識別部２０によってこのユニッ
トで仕分けする打席が識別されたゴルフボール（ＩＤボ
ール）１を１個ずつ転動させて案内する下り勾配の傾斜
面をなすボール案内路３３と、それぞれそのボール案内
路３３の側方に延びて設けられ、各打席のゴルフボール
を所定個数（例えば１０個）まで一時貯溜できるボール
ストック部３４とを設けている。そのボールストック部
３４は、このユニットで振り分ける打席数だけあり、こ
の例では１０打席分で１０個である。

【００６４】ボール案内路３３には、各ボールストック
部３４の入口に対応してそれぞれ入口側可動ゲート板３
５が設けられ、常時はその各可動ゲート板３５が図示の
ようにボール案内路３３の一部を形成する状態にあり、
その上をＩＤボール１が転がりながら、図８において左
端側から右端側へ移動する。

【００６５】この各可動ゲート板３５は、それぞれソレ
ノイド３６によって各ボールストック部３４の入口を開
放するように回動可能であり、ボール識別部２０から排
出されたＩＤボールの識別された打席に対応するボール
ストック部３４の入口側可動ゲート板３５が、制御部１
００からの指令により、ソレノイド３６によって図９に
示すように、ボール案内路３３から起立するように回動
され、ボールストック部３４の入口を開放する。

【００６６】そのため、各可動ゲート板３５によって形
成されるボール案内路３３上を転動してきたゴルフボー
ル１は、図９に示すように回動した可動ゲート板３５に
よつてその進行が阻止され、開放された入口からそのボ
ールストック部３４へ落ち込む。このボールストック部
３４も出口側に向けて下り勾配になっており、落ち込ん
だゴルフボールは図８で下端部に設けられている出口側
可動ゲート板３７に係止されるまで転動して貯溜（スト
ック）される。

【００６７】このようにして、この打席別ゴルフボール
一時貯溜部３０に導入された各ＩＤボールは、その識別
された打席番号に対応するボールストック部３４に振り
分けられて、そこに順次一時貯溜（ストック）される。
もし、入り口側可動ゲート３５が開くタイミングが遅れ
たりしてストックミスした場合は、導入されたＩＤボー
ル１はボール案内路３３をそのまま通過して戻し用排出
口３９から排出される。

【００６８】また、導入されたＩＤボール１を識別され
た打席番号に応じてストックすべきボールストック部３
４が満杯の場合、あるいはその打席番号の図１に示した
打席用ボールストッカ６０が満杯の場合には、入り口側
可動ゲート３５は回動されず、そのＩＤボール１はボー
ル案内路３３をそのまま通過して戻し用排出口３９から
排出される。または、打席用ボールストッカ６０が満杯
で且つその打席用のボールストック部３４も満杯になっ
た場合に、該打席のＩＤボールを戻し用排出口３９から
排出するようにしてもよい。その戻し用排出口３９は、
図１に示した戻し球路１７に接続されており、排出され
たＩＤボールはボールタンク９へ戻される。

【００６９】１０個のボールストック部３４のいずれか
に予め設定された個数（例えば８個）のＩＤボール１が
貯溜されると、そのボールストック部３４の出口側可動
ゲート板３７が、制御部１００からの指令により図示し
ないソレノイドが作動することにより開き、そのＩＤボ
ール群が図示しない出口からＩＤボール案内送出部３１
へ排出される。但し、打席用ボールストッカ６０が満杯
の打席に対応するボールストック部３４に、予め設定さ
れた個数のＩＤボール１が貯溜されても、その出口側可
動ゲート板３７を開かない。

【００７０】ＩＤボール案内送出部３１は、そのＩＤボ
ール群をガイド斜面３１ａ又は３１ｂによって共通の一
つの送出口３１ｃへ導き、そこからコンベア４０のＩＤ
ボール搬送部４０Ａの後述する搬送ベルト上に落下させ
る。ボールストック部３４に予め設定された個数のＩＤ
ボール１が貯溜されたかどうかは、各ボールストック部
３４の所定位置に光センサ等を設けて、例えば８個目の
ＩＤボールのストックを検出することができる。

【００７１】あるいは、制御部１００内で、各打席別の
入口側可動ゲート３５の回動指示回数をそれぞれ個別に
カウントし、出口側可動ゲート３７の開放指示によって
その打席のカウント数をクリアするようにしても判断で
きる。出口側可動ゲート３７の開放は、コンベア４０の
後述する搬送ベルトの仕切り位置とタイミングを取る必
要があるが、その点については後で説明する。

【００７２】次に、図１に示したコンベア４０と振り分
けゲート部５０について、図１０及び図１１を参照して
説明する。図１０は、コンベア４０の一部と振り分けゲ
ート部５０の一つを示す概略平面図であり、図１１はそ
の斜視図である。

【００７３】コンベア４０は、ゴムあるいは樹脂等から
なる可撓性を有する無端状の搬送ベルト４１を備え、そ
の搬送面に搬送方向に所定の間隔Ｄ（例えば、１．２５
ｍ）を置いて幅方向に延びる仕切り４１ａが設けられ、
その搬送ベルト４１の仕切り４１ａで仕切られた部分４
１ｂに、打席別ゴルフボール一時貯溜部３０から送出さ
れるゴルフボール群を個別に載置して、矢印Ａで示す方
向へ一定の速度（例えば、１０ｍ／min で搬送する。な
お、各仕切り４１ａは、搬送ベルト４１の搬送面からゴ
ルフボール１の半径より低く、且つゴルフボール１が簡
単には乗り越えられない程度の高さに設けられる。

【００７４】また、このコンベア４０にはその搬送方向
に間隔を置いて支持枠４２を設け、そこに設けたローラ
等によって搬送ベルト４１を略水平状態に保持するとと
もに、その搬送ベルト４１の幅方向の両側端に沿って側
壁板４３を設けて、搬送されるゴルフボール１が落下し
ないようにしている。

【００７５】さらに、搬送ベルト４１の幅方向の中央部
上方に搬送方向に沿ってセンタ仕切り板４４を、支持枠
４２に各仕切り４１ａの移動を妨げない高さ位置に固定
して設けている。このセンタ仕切り板４４は、コンベア
４０を幅方向に二つの部分に仕切る役目をなし、図１０
で左側、図１１では手前側の部分をＩＤボール搬送部４
０Ａとし、図１０で右側、図１１では奧側の部分をＮＧ
ボール搬送部４０Ｂとする。

【００７６】そして、このコンベア４０のＩＤボール搬
送部４０Ａに、搬送ベルト４１の搬送方向に沿って間隔
を置いて各打席に対応する振り分けゲート部５０が設け
られ、搬送ベルト４１の仕切られた部分４１ｂに載置さ
れて搬送されるゴルフボール群をその識別された打席の
打席用ボールストッカへ誘導する。

【００７７】その振り分けゲート部５０は、側壁板４３
が切り欠かれ、その代わりに振り分けゲート板５１が支
持枠４２にヒンジ５２によって枢着されている。この振
り分けゲート板５１は、図示を省略したエアシリンダに
よって矢印Ｂ方向に回動され、図１１に仮想線で示すよ
うに搬送ベルト４１の側縁に沿う退避位置と、搬送ベル
ト４１の幅方向に張り出してゴルフボール群をボールス
トッカ６０へ誘導する位置（図１０及び図１１に実線で
示す位置）とに短時間で回動変位可能である。その振り
分けゲート板５１の下端位置は、仕切り４１ａの上端よ
り幾分高い位置にして、回動時に互いに干渉しないよう
にしている。

【００７８】この振り分けゲート部５０によるゴルフボ
ール群の落下位置には、漏斗状のボール受け６１が配設
され、そのボール受け６１と打席用ボールストッカ６０
とが略垂直な球送管６２によって接続されている。ま
た、コンベア４０の搬送ベルト４１の各仕切り４１ａの
センタ仕切り板４４と対向する中央上部に、それぞれ被
検知部材としてマグネット４５を埋設している。

【００７９】一方、センタ仕切り板４４の基準位置、こ
の例では図１１に仮想線で示す打席別ゴルフボール一時
貯溜部３０からのＩＤボール群の送出口３１ｃの手前付
近の下部に検知部材として磁気センサ（ホームポジショ
ン・センサ）４６を配設し、各振り分けゲート部５０の
直前の下部にも、それぞれ検知部材として磁気センサ
（ゲート部センサ）５３，５３，…を配設している。

【００８０】そして、これらのホームポジション・セン
サ４６と１０個のゲート部センサ５３によって、搬送ベ
ルト４１の矢印Ａ方向への移動に伴なう各仕切り４１ａ
のマグネット４５の通過を検知し、その通過検知信号を
図１の制御部１００に入力させ、制御部１００は、図８
に示した打席別ゴルフボール一時貯溜部３０の出口側可
動ゲート板３７と、図１０及び図１１に示した振り分け
ゲート板５１を、最適のタイミングで動作させるように
制御する。

【００８１】この例では、ホームポジション・センサ４
６がマグネット４５の通過を検知した直後に打席別ゴル
フボール一時貯溜部３０の出口側可動ゲート板３７を開
放して、ボールストック部３４にストックされていた所
定数のＩＤボール群を送出させて、ＩＤボール搬送部４
０Ａの搬送ベルト４１の仕切り４１ａによって仕切られ
た部分４１ｂの一つが送出口３１ｃの下部を通過してい
る間に、その全てのＩＤボールをその仕切られた部分４
１ｂ内に落下させて搬入する。

【００８２】このＩＤボール搬送部４０ＡへのＩＤボー
ル群の搬入は、搬送ベルト４１の仕切り４１ａによって
仕切られた部分４１ｂの少なくとも一つ置きに行なうの
が望ましい。そして、その搬入したＩＤボールの識別さ
れた打席番号に対応するゲート部センサ５３が、基準位
置との間にある仕切り４１ａの数だけマグネット４５の
通過を検知した時に、制御部１００がその直後の振り分
けゲート部５０の振り分けゲート板５１を、図１０及び
図１１に示すように搬送ベルト４１の幅方向に張り出す
位置に回動させる。

【００８３】この時、振り分けゲート部５０を搬送ベル
ト４１のゴルフボールが載置されていない仕切られた部
分４１ｂが移動しているため、振り分けゲート板５１は
ゴルフボールと干渉することなくスムーズに回動し、そ
の次の仕切られた部分４１ｂに載置されて搬送されて来
るＩＤボール１を全て外側方へ案内して、ボール受け６
１内に落下させることができる。

【００８４】このようにして、打席別ゴルフボール一時
貯溜部３０からコンベア４０のＩＤボール搬送部４０Ａ
に搬入されたＩＤボール群を、それぞれ識別された打席
番号に対応する振り分けゲート部５０まで個別に搬送し
た後、その打席用ボールストッカ６０へ送り込むことが
できる。

【００８５】一方、打席別ゴルフボール一時貯溜部３０
から送出されるＮＧボールは、いつでもコンベア４０の
ＮＧボール搬送部４０Ｂ側の搬送ベルト４１上のどこへ
でも落下させることができ、搬送ベルト４１上に載置さ
れるとそのまま終端まで搬送されて、図１に示したＮＧ
ボール用のボール溜７０内に溜められる。

【００８６】なお、上述の説明では、搬送ベルト４１の
各仕切り４１ａに設ける被検知部材としてマグネットを
使用し、センタ仕切り板に設ける検知部材として磁気セ
ンサを使用したが、これに限るものではなく、被検知部
材と検知部材として、金属と金属センサ、光源と光セン
サ(受光素子)、反射面又は白色面と反射型フォトセン
サ、仕切り自体又はその凸部とマイクロスイッチなど、
種々のものを使用する。また、搬送ベルト４１の仕切り
４１ａの間隔をＩＤボールを載置する部分と載置しない
部分とで異ならせるようにして、例えばＩＤボールを載
置しない部分の間隔は載置する部分の間隔より短くする
ことができる。

【００８７】ここで、図１に示した制御部１００と上述
した各部の各種センサやアクチュエータ等の入出力手段
との接続関係の例を図１２に示す。この例では、制御部
１００に入出力インタフェースとして２本のバスライン
１０１，１０２を設けている。

【００８８】その第１のバスライン１０１には、ボール
識別部２０内の２個のバーコードリーダ２１，２２、切
り替え板２４の駆動用のソレノイド２５、係止部材２８
の駆動用のソレノイド２９、ＩＤボール出口センサ２
６、ＮＧボール出口センサ２７と、打席別ゴルフボール
一時貯溜部３０内の１０個の入口側可動ゲート板３５の
駆動用ソレノイド３６、１０個の出口側可動ゲート板３
７の駆動用のソレノイド３８と、表示部１８及び増設用
の外部シリアル通信部１９を接続し、それらとの間でそ
れぞれ信号の入出力を行なっている。

【００８９】第２のバスライン１０２には、コンベア４
０の搬送ベルト４１を回動させる搬送モータ４８、磁気
センサによるホームポジション・センサ４６、及び非常
停止スイッチ４９と、振り分けゲート部５０の磁気セン
サによるゲート部センサ５３、振り分けゲート板５１を
回動させるエアシリンダ５４（実際にはそのエア切り換
え用電磁弁）、及び振り分けゲート板５１の回動確認セ
ンサと、打席用ボールストッカ６０内のボール満杯セン
サ６３を接続し、それらとの間でそれぞれ信号の入出力
を行なっている。

【００９０】なお、振り分けゲート部５０及び打席用ボ
ールストッカ６０は、この例では第１打席から第１０打
席まで１０個ずつ設けられており、そのそれぞれと制御
部１００とが接続されている。

【００９１】次に、この発明によるゴルフボール識別・
振り分け・搬送システムを複数使用して、より多くの打
席用のシステムを構成する場合の例を、図１３乃至図１
４によって説明する。図１３は、前述した１０打席用の
ゴルフボール識別・振り分け・搬送システムを２組連接
して、１フロアで２０打席用のシステムを構成する場合
の模式的な構成図である。なお、図１３〜図１５におい
て、図１と対応する部分には同一の符号を付してある。

【００９２】図１３に示す例では、前段のシステムを１
〜１０打席用とし、それに連接する後段のシステムを１
１〜２０打席用とする。そして、処理スピードを速める
ために、前段のシステムのボール溜１５とボール識別部
２０との間に、１〜１０打席用と１１〜２０打席用のＩ
Ｄボールを識別するためのボール識別部２０１と２０２
を並列に設け、これらによって、１〜１０打席用と識別
されたＩＤボールは、前段のボール判別部２０に投入さ
れてその各打席が識別され、打席別ゴルフボール一時貯
溜部３０へ送られる。以後の搬送仕分け処理は前述の例
と同様である。

【００９３】一方、１１〜２０打席用と識別されたＩＤ
ボールは、そのまま前段のコンベア４０のＮＧボール搬
送部４０Ｂに搬入されて終端まで搬送され、後段のボー
ルタンク９′に一旦溜められる。そして、垂直コンベア
で勾配用の高さをかせいで、後段のシステムのボール溜
め１５に投入する。

【００９４】追加したボール識別部２０１，２０２を制
御する制御部２００と前段及び後段のシステムをそれぞ
れ制御する２つの制御部１００，１００′とは、シリア
ル通信線１１０で互いに接続されている。そして、図示
は省略しているが、各打席に設置されている打席用ボー
ルストッカからの満杯信号は、全て制御部２００に入力
され、ボール識別部２０１，２０２によってその満杯の
打席と識別されたＩＤボールは、この制御部２００の指
令によって最初の大きなバーコード入りボールタンク９
へ戻すようにする。

【００９５】図１４は、前述した１０打席用のゴルフボ
ール識別・振り分け・搬送システムを３組連接して１フ
ロアで３０打席用のシステムを構成する場合の模式的な
構成図である。この図１４に示す例では、１段目のシス
テムを１〜１０打席用とし、それに連接する２段目のシ
ステムを１１〜２０打席用とし、さらにそれに連接する
３段目のシステムを２１〜３０打席用とする。

【００９６】そして、処理スピードを速めるために、前
段のシステムのボール溜１５とボール識別部２０との間
に、１〜１０打席用と１１〜３０打席用のＩＤボールを
識別するためのボール識別部３０１，３０２，３０３を
並列に設け、これらによって、１〜１０打席用と識別さ
れたＩＤボールは１段目のボール判別部２０に投入され
てその各打席が識別され、打席別ゴルフボール一時貯溜
部３０へ送られる。以後の搬送・仕分け処理は前述した
例の場合と同様である。

【００９７】一方、１１〜３０打席用と識別されたＩＤ
ボールは、そのまま１段目のコンベア４０のＮＧボール
搬送部４０Ｂに搬入されて終端まで搬送され、２段目の
ボールタンク９′に一旦溜められる。そして、垂直コン
ベアで勾配用の高さをかせいで、２段目のシステムのボ
ール溜め１５に投入する。

【００９８】２段目のボール溜め１５とボール識別部２
０と間にも、処理スピードを速めるために、１１〜２０
打席用と２１〜３０打席用のＩＤボールを識別するため
のボール識別部３０４，３０５を並列に設け、これらに
よって、１１〜２０打席用と識別されたＩＤボールは２
段目のボール判別部２０に投入されてその各打席が識別
され、打席別ゴルフボール一時貯溜部３０へ送られる。

【００９９】一方、２１〜３０打席用と識別されたＩＤ
ボールは、そのまま２段目のコンベア４０のＮＧボール
搬送部４０Ｂに搬入されて終端まで搬送され、３段目の
ボールタンク９″に一旦溜められる。そして、垂直コン
ベアで勾配用の高さをかせいで、３段目のシステムのボ
ール溜め１５に投入する。

【０１００】追加したボール識別部３０１，３０２，３
０３を制御する制御部３１０と、ボール識別部３０４，
３０５を制御する制御部３２０と、各段のシステムをそ
れぞれ制御する３つの制御部１００，１００′，１０
０″とは、シリアル通信線１１０で互いに接続されてい
る。

【０１０１】この場合も図示は省略しているが、各打席
に設置されている打席用ボールストッカからの満杯信号
は、全て制御部３１０に入力され、ボール識別部３０
１，３０２，３０３によってその満杯の打席と識別され
たＩＤボールは、この制御部３１０の指令によって最初
の大きなバーコード入りボールタンク９へ戻すようにす
る。

【０１０２】図１５は、前述した１０打席用のゴルフボ
ール識別・振り分け・搬送システムを２組併設して２階
建てで２０打席用のシステムを構成する場合の模式的な
構成図である。

【０１０３】これは、図１３に示したシステムにおける
前段のシステムと後段のシステムとを、直列でなくに並
列に、２階打席（１〜１０打席）用と１階打席（１１〜
２０打席）用として配設し、ボール識別部２０１，２０
２によって１〜１０打席と識別されたＩＤボールは、２
階打席用のシステムの識別部２０へ送られ、１１〜２０
打席と識別されたＩＤボールは、１階打席用のシステム
の識別部２０へ送られる。以後の各システムにおける処
理は前述の例と同様である。

【０１０４】この場合も図示は省略しているが、各打席
に設置されている打席用ボールストッカからの満杯信号
は、全て制御部２００に入力され、ボール識別部２０
１，２０２によってその満杯の打席と識別されたＩＤボ
ールは、この制御部２００の指令によって最初の大きな
バーコード入りボールタンク９へ戻すようにする。

【０１０５】このように、この発明によるゴルフボール
識別・振り分け・搬送システムを複数段直列に連接する
ことにより、あるいは並列に配設することにより、多打
席用のシステムを容易に実現することができる。特に、
複数段直列に連接する場合には、前段の打席用のＩＤボ
ールを搬送して各打席のボールストッカへ振り分けるた
めのコンベアが、後段の打席用のＩＤボールをも搬送で
きるため、搬送装置を別に設ける必要がなく、増設が簡
単であり、余分なスペースも必要としない。

【０１０６】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
るゴルフボール識別・振り分け・搬送システムによれ
ば、ゴルフ練習場にて回収されるゴルフボールから、複
数の各打席で使用される打席別特性を持つゴルフボール
の打席を識別し、その各ゴルフボールをそれぞれ識別し
た各打席に設置されたボールストッカへ振り分けて効率
よく確実に搬送することができる。しかも騒音を発生す
ることがなく、長距離搬送も可能であり、多打席用のシ
ステムも容易に構成することができる。したがって、打
席別にゴルフボールの打球を評価あるいは判定できるよ
うなゴルフ練習場のシステムを容易に実現することが可
能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるゴルフボール識別・振り分け・
搬送システムの基本構成を示す概略図である。

【図２】回収したゴルフボールを洗浄・乾燥してバーコ
ード入りボールと通常ボールとを仕分けする前処理シス
テムの概略図である。

【図３】打席別特性として外周面にバーコードを印刷し
たゴルフボールの一例を示す斜視図である。

【図４】打席別特性として外周面にバーコードを印刷し
たゴルフボールの他の例を示す斜視図である。

【図５】打席別特性として使用する記号あるいはマーク
の例を示す図である。

【図６】図１に示したボール識別部２０と打席別ゴルフ
ボール一時貯溜部３０とを一体のユニットに構成したボ
ール識別・仕分けユニットの平面図である。

【図７】同じくその正面図である。

【図８】同じくその内部構造を示す平面図である。

【図９】図８に示したボールストック部の入口側可動ゲ
ート板３５の回動状態を示す図である。

【図１０】図１に示したコンベア４０の一部と振り分け
ゲート部５０の一つを示す概略平面図である。

【図１１】同じくその斜視図である。

【図１２】図１に示した制御部１００と上述した各部の
各種センサやアクチュエータ等の入出力手段との接続関
係の例を示すブロック図である。

【図１３】この発明による１０打席用のゴルフボール識
別・振り分け・搬送システムを２組連接して１フロアで
２０打席用のシステムを構成する場合の模式的な構成図
である。

【図１４】この発明による１０打席用のゴルフボール識
別・振り分け・搬送システムを３組連接して１フロアで
３０打席用のシステムを構成する場合の模式的な構成図
である。

【図１５】この発明による１０打席用のゴルフボール識
別・振り分け・搬送システムを２組併設して２階建てで
２０打席用のシステムを構成する場合の模式的な構成図
である。

【符号の説明】 １：ゴルフボール（ＩＤボール） ２：集球水流 ３：ボールピット ４，６，６′，１０，１１：垂直コンベア ５,５′：洗浄・乾燥機 ７，７′：２種ボール選別装置 ８：通常ボールタンク ９：バーコード入りボールタンク ９′，９″：ボールタンク １５：ボール溜 １６，１７：戻し球路 ２０：ボール識別部 ２１，２２：バーコードリーダ ２３：ボールガイド ２４：切り換え板 ３０：打席別ゴルフボール一時貯溜部 ３１：ＩＤボール案内送出部 ３２：ＮＧボール案内送出部 ３３：ボール案内路 ３４：ボールストック部 ３５：入口側可動ゲート部 ３６：ソレノイド ３７：出口側可動ゲート部 ４０：コンベア ４０Ａ：ＩＤボール搬送部 ４０Ｂ：ＮＧボール搬送部 ４１：搬送ベルト ４１ａ：仕切り ４１ｂ：仕切られた部分 ４２：支持枠 ４３：側壁板 ４４：センタ仕切り板 ４５：マグネット（被検知部材） ４６：磁気センサ（検知部材：ホームポジションセン
サ） ５０：振り分けゲート部 ５１：振り分けゲート板 ５３：磁気センサ（検知部材：ゲート部センサ） ５２：ヒンジ ６０：打席用ボールストッカ ６３：ボール満杯センサ ７０：ボール溜（ＮＧボール用） １００，１００′，１００″：システムの制御部 ２００，３１０，３２０：ボール識別部の制御部 ２０１，２０２，３０１〜３０５：ボール識別部

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−347180（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63B 69/36 G06K 7/00

Claims (13)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴルフ練習場にて回収されるゴルフボー
   ルから、複数の各打席で使用される打席別特性を持つゴ
   ルフボールの打席を識別し、該ゴルフボールをそれぞれ
   識別した各打席に設置されたボールストッカへ振り分け
   て搬送するゴルフボール識別・振り分け・搬送システム
   であって、 回収されたゴルフボールを貯溜するボール溜と、 該ボール溜に貯溜されたゴルフボールを１個ずつ誘導し
   て前記打席別特性を識別するボール識別部と、 該ボール識別部で識別されたゴルフボールをその識別さ
   れた打席ごとに振り分けて一時貯溜し、その貯溜個数が
   予め設定した個数に達した打席のゴルフボール群から順
   次送出する打席別ゴルフボール一時貯溜部と、 搬送ベルトの搬送方向に所定の間隔で仕切りが設けら
   れ、該搬送ベルトの前記仕切りで仕切られた部分に前記
   打席別ゴルフボール一時貯溜部から送出されるゴルフボ
   ール群を個別に載置して搬送するコンベアと、 該コンベアの前記搬送ベルトのベルト搬送方向に沿って
   間隔を置いて各打席に対応して設けられ、前記搬送ベル
   トに載置されて搬送される各打席のゴルフボール群をそ
   れぞれ各打席のボールストッカへ誘導する振り分けゲー
   ト部と、 前記ボール識別部と前記打席別ゴルフボール一時貯溜部
   と前記コンベアと前記振り分けゲート部とを制御する制
   御部とを備えたことを特徴とするゴルフボール識別・振
   り分け・搬送システム。
2. 【請求項２】 前記コンベアが、その搬送ベルトを幅方
   向に仕切る固定の仕切り板を前記各仕切りの移動を妨げ
   ない位置に備え、その搬送ベルトの幅方向の一方の側に
   前記打席別ゴルフボール一時貯溜部から送出されるゴル
   フボール群を個別に載置して搬送すると共に、他方の側
   に前記ボール識別部で打席を識別できなかったか識別で
   きてもそれが前記打席別ゴルフボール一時貯溜部に貯溜
   できる打席でなかったゴルフボールを載置して搬送終端
   まで搬送するコンベアである請求項１に記載のゴルフボ
   ール識別・振り分け・搬送システム。
3. 【請求項３】 前記コンベアの搬送ベルトを搬送方向に
   所定の間隔で仕切る各仕切りに被検知部材を設け、該コ
   ンベアの搬送方向の基準位置と各打席に対応する位置に
   それぞれ固定して前記被検知部材の通過を検知する検知
   部材を設け、該各検知部材による前記被検知部材の通過
   検知信号に基づいて、前記制御部が最適のタイミングで
   前記振り分けゲートを動作させるようにした請求項１又
   は２に記載のゴルフボール識別・振り分け・搬送システ
   ム。
4. 【請求項４】 前記コンベアの搬送ベルトを搬送方向に
   所定の間隔で仕切る仕切りが該搬送ベルト上に前記ゴル
   フボールの半径より低い高さで設けられ、前記振り分け
   ゲートが、前記搬送ベルト上の前記仕切りの上端より幾
   分高い位置を下端として、該搬送ベルトの側縁に沿う退
   避位置と該搬送ベルトの幅方向に張り出して前記ゴルフ
   ボール群をボールストッカへ誘導する位置とに回動変位
   可能に設けられた請求項１乃至３のいずれか一項に記載
   のゴルフボール識別・振り分け・搬送システム。
5. 【請求項５】 前記各打席のボールストッカが、それぞ
   れゴルフボールが満杯になった時にそれを検知して満杯
   信号を前記制御部へ送るセンサを備えており、前記打席
   別ゴルフボール一時貯溜部が、前記満杯信号に基づく前
   記制御部からの指令により、満杯が検知された打席と識
   別されたゴルフボールは一時貯溜せずに前記ボール溜に
   戻すか、あるいは一時貯溜するがその打席のゴルフボー
   ルの貯溜個数が前記予め設定した個数に達してもそのゴ
   ルフボール群を送出せずに、その後の該打席のゴルフボ
   ールは前記ボール溜に戻す手段を備えた請求項１乃至４
   のいずれか一項に記載のゴルフボール識別・振り分け・
   搬送システム。
6. 【請求項６】 前記ゴルフボールが持つ打席別特性がバ
   ーコードであり、前記ボール識別部が該ゴルフボールの
   バーコードを読み取るバーコードリーダを備えている請
   求項１乃至５のいずれか一項に記載のゴルフボール識別
   ・振り分け・搬送システム。
7. 【請求項７】 前記ボール識別部が、前記ボール溜から
   出たゴルフボールを１個ずつ転動させて誘導する蛇行路
   を有し、その蛇行路の前後にバーコードリーダを設けて
   いる請求項６項に記載のゴルフボール識別・振り分け・
   搬送システム。
8. 【請求項８】 請求項１乃至７のいずれか一項に記載の
   ゴルフボール識別・振り分け・搬送システムを複数連接
   して、前段のシステムの前記コンベアの搬送ベルトの前
   記他方の側によって搬送端まで搬送されたゴルフボール
   を、後段のシステムの前記ボール溜に投入するように接
   続してなることを特徴とする多打席用のゴルフボール識
   別・振り分け・搬送システム。
9. 【請求項９】 打席別特性が識別されたゴルフボールを
   １個ずつ転動させて案内する傾斜面をなすボール案内路
   と、 それぞれ該ボール案内路の側方に延びて設けられ、各打
   席のゴルフボールを所定個数まで一時貯溜できる振り分
   ける打席数だけのボールストック部と、 前記ボール案内路に前記ボールストック部の入口に対応
   してそれぞれ設けられ、該ボール案内路を転動する前記
   打席別特性が識別されたゴルフボールをその識別された
   打席用のボールストック部へ誘導する入口側可動ゲート
   と、 前記各ボールストック部の出口にそれぞれ設けられ、該
   ボールストック部に予め設定された個数のゴルフボール
   が貯溜された時に前記出口を開いてそのゴルフボール群
   を排出させる出口側可動ゲートと、 前記各ボールストック部の出口から排出されるゴルフボ
   ール群を案内して共通の１つの送出口から送出するボー
   ル案内送出部とを備えたことを特徴とする打席別ゴルフ
   ボール一時貯溜装置。
10. 【請求項１０】 搬送ベルトの搬送方向に所定の間隔で
    仕切りが設けられた搬送ベルトを有し、その搬送ベルト
    の前記仕切りで仕切られた部分に各打席用のゴルフボー
    ル群を個別に載置して搬送するコンベアと、 該コンベアの前記搬送ベルトのベルト搬送方向に沿って
    間隔を置いて各打席に対応して設けられ、前記搬送ベル
    トに載置されて搬送される各打席のゴルフボール群をそ
    れぞれ各打席のボールストッカへ誘導する振り分けゲー
    ト部とからなることを特徴とするゴルフボール搬送振り
    分け装置。
11. 【請求項１１】 前記コンベアが、その搬送ベルトを幅
    方向に仕切る固定の仕切り板を前記各仕切りの移動を妨
    げない位置に備え、その搬送ベルトの幅方向の一方の側
    に前記各打席用のゴルフボール群を個別に載置して搬送
    すると共に、他方の側に打席が不明又は振り分け対象外
    のゴルフボールを載置して搬送終端まで搬送するコンベ
    アである請求項１０に記載のゴルフボール搬送振分け装
    置。
12. 【請求項１２】 前記コンベアの搬送ベルトを搬送方向
    に所定の間隔で仕切る各仕切りに被検知部材を設け、該
    コンベアの搬送方向の基準位置と各打席に対応する位置
    にそれぞれ固定して前記被検知部材の通過を検知する検
    知部材を設けた請求項１０又は１１に記載のゴルフボー
    ル搬送振り分け装置。
13. 【請求項１３】 前記コンベアの搬送ベルトを搬送方向
    に所定の間隔で仕切る仕切りが該搬送ベルト上に前記ゴ
    ルフボールの半径より低い高さで設けられ、前記振り分
    けゲートが、前記搬送ベルト上の前記仕切りの上端より
    幾分高い位置を下端として、該搬送ベルトの側縁に沿う
    退避位置と該搬送ベルトの幅方向に張り出して前記ゴル
    フボール群をボールストッカへ誘導する位置とに回動変
    位可能に設けられた請求項１０乃至１２のいずれか一項
    に記載のゴルフボール搬送振り分け装置。