JP3098551B2 - 車体側部のエネルギ吸収構造 - Google Patents

車体側部のエネルギ吸収構造

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JP3098551B2
JP3098551B2 JP1867991A JP1867991A JP3098551B2 JP 3098551 B2 JP3098551 B2 JP 3098551B2 JP 1867991 A JP1867991 A JP 1867991A JP 1867991 A JP1867991 A JP 1867991A JP 3098551 B2 JP3098551 B2 JP 3098551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エアバツグを用いた
車体側部のエネルギ吸収構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においては、衝突時における
乗員保護の観点から、車室前部に衝撃力吸収緩和用のエ
アバツグを設けることが試みられており、現実に多大の
効果を挙げている。ところで、このような車両衝突時に
おける乗員保護は、車両の正面衝突時のみならず、側面
衝突時においても考慮されるべきであり、このような観
点から、例えば、実開平1−117957号公報には、
車体側部を構成するドアのアームレスト内にエアバツグ
を配置し、車両の側面衝突時にこれを車室内に向けて展
開させて乗員にかかる衝撃力を吸収緩和するようにした
ものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、一般に
エアバツグは、インフレータからエアバツグ内に高速で
噴射されるガスによつてこれを展開(膨張)させる構造
となつていること、及びエアバツグにガスを密封状態で
充填した場合にはその反発力が過大となり却つて乗員保
護性能を損ねるおそれがあること等の理由から、ガスを
適度に排出するためのベントホールを設け、展開したエ
アバツグに乗員が当接することにより、このントホール
からガスが排出されながら、エアバツクが潰れることに
よつて衝撃吸収上好適な展開状態を確保するようにして
いる。
【0004】ところが、このような構造は、インフレー
タから噴射されるガス量は無限ではなく限界があるとこ
ろから、展開開始から所定時間を経過した後においては
次第にガス量が不足してエアバツグが萎んだ状態となり
衝撃吸収作用が十分に得られなくなるという回避し難た
い欠点を内包しているということである。一方、車両の
側面衝突が発生してから実際に乗員が車室内壁部に衝突
するまでの時間は一定ではなく、例えば、左右両側のド
ア部分にエアバツグが設けられている車両の運転席に乗
員が着座している状態において運転席側のドア部分に他
の車両が衝突した側面衝突時を考えた場合、乗員は衝突
直後にはその慣性力によつて一旦運転席側ドア寄りに移
動した後(図5参照)、今度はその反動で助手席側に移
動するため(図6参照)、乗員が運転席側ドアに衝突す
るタイミングと助手席側ドアに衝突するタイミングとの
間には大きなズレが生じるものである。
【0005】従つて、このような条件下において左右両
側のエアバツグは最適な展開状態で乗員を待ち受ける
が、乗員が助手席側に投げ出された時には助手席のエア
バツグは既に最適な展開状態を過ぎて萎みかけていると
いうような事態も起こり得るものである。しかるに、従
来のものにおいては、このような乗員の車体内壁部に対
する衝突タイミングの変動という点についての考慮が十
分であるとは云えず、乗員の保護性能の向上を図るとい
う面において改善すべき余地がある。
【0006】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、エアバツグの展開タイミン
グを、乗員の車体内壁部に対する衝突タイミングに対応
させて可変とすることによつてその保護性能より一層の
構造を図り得るようにした車体側部のエネルギ吸収構造
を提供する事である。
【0007】上述の課題を解決し、目的を達成するため
に、本発明の車体側部のエネルギ吸収構造は、以下の構
成を備える。即ち、車体の左右両側面への衝突を検知す
る衝突検知手段と、車体の左右両側部を構成する一対の
車体部材に設けられ、側面衝突時に車体内側から車室内
へ向けて展開するエアバッグと、左右の前席への乗員の
乗車状態を検出する乗車状態検知手段と、前記衝突検知
手段による検知結果と前記乗車状態検知手段による検知
結果に基づいて、該乗車状態検知手段が左右の前席に各
々乗員が乗車していると検知した場合には、該衝突検知
手段による衝突検知後、衝突側のエアバッグを即座に展
開させるとともに衝突側のエアバッグの展開タイミング
よりも所定時間遅延させた状態で衝突側のエアバッグと
は反対側のエアバッグを展開させるよう夫々のエアバッ
グの展開タイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記タイミング設定手段により設定された展開タイミン
グにて一対のエアバッグを展開させるエアバッグ展開手
段とを具備する。また、好ましくは、前記タイミング設
定手段は、前記乗車状態検知手段が左右の前席に各々乗
員が乗車していると検知した場合には、前記衝突検知手
段による衝突検知後、衝突側のエアバッグを即座に展開
させるとともに衝突側のエアバッグとは反対側のエアバ
ッグを予め設定された第1の遅延時間遅らせて展開させ
るように展開タイミングを設定する。また、好ましく
は、前記タイミング設定手段は、前記乗車状態検知手段
が衝突側にのみ乗員が乗車していると検知した場合に
は、前記衝突検知手段による衝突検知後、衝突側のエア
バッグを即座に展開させるとともに前記第1の遅延時間
よりも短い第2の遅延時間遅らせて衝突側のエアバッグ
とは反対側のエアバッグを展開させるように展開タイミ
ングを設定する。また、好ましくは、前記タイミング設
定手段は、前記乗車状態検知手段が衝突側と反対側にの
み乗員が乗車していると検知した場合には、前記衝突検
知手段による衝突検知後、前記第2の遅延時間よりも短
い第3の遅延時間遅らせて衝突側のエアバッグを展開さ
せるように展開タイミングを設定する。
【0008】
【作用】上記構成において、車体の左右方向からの衝突
に対して、左右の車体側部に設けられた各々のエアバッ
グの展開タイミングを衝突方向、及び左右の座席におけ
る乗員の乗車状態に応じて夫々異なるように設定するこ
とによって、乗車している乗員の挙動に適応したタイミ
ングでエアバッグを展開させることができ、乗員の保護
性能を向上することができる。
【0009】
【実施例】以下に、この発明に係わる車体側部のエネル
ギ吸収構造の一実施例を、サイドエアバツグ装置に適用
した場合につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、この一実施例のサイドエア
バツグ装置は、自動車1の右左のドア2A,2B(即
ち、運転席側のドア2A,助手席側のドア2B)のアー
ムレスト3A,3Bに夫々内装された右左一対の側突用
エアバツグユニツト(以下、側突用ユニツトと略称す
る。)4A,4Bと、右左のフロントシート5A,5B
の夫々のシートクツシヨン6A,6Bの略中央部に夫々
内装され、シートクツシヨン6A,6Bへの乗員の着座
状態を検出するための右左一対のシートセンサ7A,7
Bと、右左のドア2A,2Bに夫々内装され、側突状態
を検出するための右左一対の第1衝撃検知センサ9A,
9Bと、右左のサイドシル10A,10B(図5及び図
6に示す。)に夫々内装され、第1衝撃検知センサ9
A,9Bとは別個に側突状態を検出するための右左一対
の第2衝撃検知センサ11A,11Bと、側面衝突時に
各衝撃検知センサ9A,9B,11A,11Bからの出
力を受けて右左の側突用ユニツト4A,4Bの発火装置
12A,12B(図4に示す。)を夫々所定のタイミン
グで通電させ、側突用ユニツト4A,4Bのエアバツグ
13A,13Bを所定の順序で膨張展開させるコントロ
ールユニツト14(図4に示す。)とを備えている。
【0010】以下に、側突用ユニツト4A,4Bの構成
について説明するが、これら側突用ユニツト4A,4B
は上述した様に右左のドア2A,2Bに夫々設けられて
いるが、それらは対称の構成なので、以下の説明におい
ては、右側(運転席側)の側突ユニツト4Aの構成につ
いてのみ説明し、左側(助手席側)の側突ユニツト4B
の説明を省略する。
【0011】先ず、図3を参照して、側突用ユニツト4
Aが車両の運転席側のドア2Aに装着されている具体的
構造を説明する。即ち、側突用ユニツト4Aは、略矩形
箱型のモジユールケース15を備え、このケース15内
には、ガス発生剤と増炎剤との反応により瞬時にガスを
発生させるガス発生用のインフレータ16が収納されて
いる。このインフレータ16内には、通電により発熱
し、ガス発生剤と増炎剤とを互いに反応させる発火装置
12A(図4に示す。)が内装されている。また、この
ケース15の前面側には、インフレータ16の上方に位
置して、折畳んだ状態でエアバツグ13Aが取り付けら
れている。このエアバツグ13Aの上端外周部は、ケー
ス15の上板の内周部に気密に固着され、これの基端部
付近には、この中のガスを排出するための複数のベント
ホール(図示せず)が形成されている。
【0012】そして、この側突用ユニツト4Aをドア2
Aに取り付けるに際しては、ドアシエル17を構成する
インナーパネル17a側に突出形成されるアームレスト
部17bの一部を凹状にくぼませることにより側突用ユ
ニツト取付部18を形成し、この取り付け部18に、エ
アバツグ13Aを車室内方に向けた状態で、側突用ユニ
ツト4Aを締着固定する様に設定されている。
【0013】また、インナーパネル17aの内側面に
は、これを覆うようにしてドアトリム19が取り付けら
れている。そして、このドアトリム19の側突用ユニツ
ト4Aに対応する位置には、側突用ユニツト4Aの展開
用開口を確保するためのエアバツグリツド20が形成さ
れている。即ち、ドアトリム19のトリム本体19aに
は、H字形状の切欠溝によつて上下に夫々開放可能な上
下一対のリツド20a,20bが形成されている。ま
た、この各リツド20a,20bに対応するドアトリム
19の表皮19bには、各リツド20a,20bの形状
に対応するようにしてミシン目が入れられている。
【0014】このようにしてドア2Aに側突用ユニツト
4Aを取り付けることにより、発火装置12Aに通電さ
れて、ガス発生剤と増炎剤とが反応してインフレータ1
6から瞬時に多量のガスが発生し、エアバツグ13Aが
展開された時には、このエアバツグ13Aの展開力によ
つて、各リツド20a,20bの切欠溝及び表皮のミシ
ン目は破断されて、各リツド20a,20bは、図3に
符号20a′,20b′を付して一点鎖線で示すよう
に、夫々上下に押し開かれ、エアバツグ13Aは、符号
13A′で示す様に、車室側に素早く展開するものであ
る。
【0015】尚、ガス発生剤と増炎剤との反応速度と、
エアバツグ13Aの容量と、ベントホールの開口面積と
は、発火装置12Aの作動後約10msecで、エアバ
ツグ13Aがフル展開するように、夫々所定の値に設定
されている。また、衝撃検知センサ9A,11A,は、
既存周知の加速度感応型のセンサで、第1衝撃検知セン
サ9Aは、ドア2A内において両端部がドアアウタパネ
ルに連結された前後方向向きの補強部材の外端面略中央
部に固着されている。また、第2衝撃検知センサ11A
は、サイドシル10Aの縦壁部の前後方向略中央部に固
着されている。ここで、第1衝撃検知センサ9Aは、比
較的感度が低く設定され、衝突時の衝撃力が所定値以上
になつたときにON作動し、第2衝撃検知センサ11A
は比較的感度が高く設定され、小さな衝撃力でもON作
動する。尚、衝撃検知センサ9A,11Aは側面衝突か
ら約5msec経過した後にON作動するように設定さ
れている。更に、シートセンサ7Aは、乗員がシートク
ツシヨン6に着座した状態でON作動し、着座していな
いとOFFする様に構成されている。
【0016】次に、上述した側突用ユニツト4A,4B
のエアバツグ13A,13Bを所定の順序で膨張展開さ
せるコントロールユニツト14の構成及び動作につい
て、図4を参照して説明する。図4に示すように、コン
トロールユニツト14は、運転席側及び助手席側の側突
用ユニツト4A,4Bの夫々の発火装置12A,12B
をON/OFF切換えるための2つのリレースイツチ3
1A,31Bを夫々備えている。各リレースイツチ31
A,31Bのソレノイド32A,32Bが各々励磁され
て、対応するスイツチ33A,33Bが閉成されると、
この閉成されたスイツチ33A,33Bに対応する発火
装置12A,12Bのヒーター34A,34Bが通電さ
れ、対応するエアバツグ13A,13Bが膨張,展開す
る事になる。
【0017】一方、運転席側のシートセンサ7Aは、O
Rゲート41及びANDゲート42,43に共に接続さ
れるとともに、NOTゲート44を介してANDゲート
45に接続されている。また、助手席側のシートセンサ
7BはORゲート41及びANDゲート42,45に共
に接続されるとともに、NOTゲート46を介してAN
Dゲート43に接続されている。そして、ANDゲート
42はANDゲート47,50に共に接続され、AND
ゲート43はANDゲート48,52に共に接続されて
いる。また、ANDゲート45はANDゲート49,5
1に共に接続され、ORゲート41はANDゲート5
3,54に接続されている。一方、運転席側の衝突検知
センサ9A,11Aは、ANDゲート55を介してAN
Dゲート53に接続されている。また、助手席側の衝突
検知センサ9B,11Bは、ANDゲート56を介して
ANDゲート54に接続されている。そして、ANDゲ
ート53はANDゲート47,48,49に共に接続さ
れ、ANDゲート54はANDゲート50,51,52
に共に接続されている。
【0018】ANDゲート47はORゲート57を介し
て駆動回路58に接続されるとともに、第1遅延回路3
5を介して駆動回路59に接続されいる。このようにし
て、図5に示す様に、ドライバDとパツセンジヤーPと
が共に乗車している状態での、運転席側への側面衝突時
には、側面衝突後直ちに運転席側の発火装置12Aが作
動され、ドライバDが運転席側のドア2Aに衝突する直
前に、運転席側のエアバツグ13Aがフル展開してドラ
イバDを受け止める事になる。しかも、遅延時間T1経
過後に助手席側の発火装置12Bが作動され、パツセン
ジヤーPが助手席側のドア2Bに衝突する直前に、助手
席側のエアバツグ13Bがフル展開する様に設定されて
いる。
【0019】この結果、運転席側への側面衝突時におい
て、側面衝突時の衝撃が大きい場合には、ドライバDは
運転席側のエアバツグ13Aに受け止められた後、更に
衝突側とは反対側(助手席側)へ移動する。このため、
パツセンジヤーPは、先ず、衝突時の衝撃により衝突側
へ移動するが、図6に示す様に、この助手席側へ移動す
るドライバDに接触し、このドライバDと共に衝突側と
は反対側へ移動する事になる。しかしながら、ドライバ
Dとパツセンジヤ−Pとは、この時点でフル展開した反
対側のエアバツグ13Bに確実に受け止められる事にな
る。
【0020】一方、ANDゲート48はORゲート57
を介して駆動回路58に接続されるとともに、第2遅延
回路37を介して駆動回路59に接続されている。この
ようにして、図7に示す様に、ドライバDのみが乗車し
ている状態での運転席側への側面衝突時には、側面衝突
後、直ちに運転席側の発火装置12Aが作動されて、ド
ライバDがドア2Aに接触する直前に運転席側のエアバ
ツグ13Aがフル展開するとともに、遅延時間T2経過
後に助手席側の発火装置12Bが作動されるように設定
されている。
【0021】ここで、この遅延時間T2は、図8に示す
様に、エアバツグ13Aに一旦受け止められた後に反対
側に移動されたドライバDが、助手席側のドア2Bに衝
突する直前に、助手席側のエアバツグ13Bがフル展開
する様に設定されている。この結果、この側面衝突時に
おいては、ドライバDは、図7に示す様に、先ず運転席
側のエアバツグ13Aに受け止められるが、衝突時の衝
撃が大きい場合には、図8に示す様に、反対側へ移動し
てフル展開した助手席側のエアバツグ13Bに確実に受
け止められる事になる。
【0022】更に、ANDゲート49は第3遅延回路3
9を介してORゲート57に接続されている。このよう
にして、図9に示す様に、パツセンジヤーPのみが乗車
している状態での運転席側への側面衝突時には、衝突側
の発火装置12Aは直ちに作動せず、遅延時間T3経過
後に作動するように設定されている。ここで、この遅延
時間T3は、パツセンジヤーPが衝突により図9に示す
様に運転席側に移動されて、図10に示す様に、運転席
側のドア2Aに接触する直前に、運転席側のエアバツグ
13Aがフル展開する様に設定されている。この結果、
この側面衝突時においては、パツセンジヤーPは、衝突
時の衝撃により運転席側へ移動するが、図10に示す様
に、フル展開した運転席側のエアバツグ13Aで確実に
受け止められる事になる。
【0023】一方、ANDゲート50は、ORゲート6
0を介して駆動回路59に接続されるとともに、第4遅
延回路36を介して駆動回路58に接続されている。こ
のようにして、ドライバDとパツセンジヤーPとが乗車
している状態での助手席側への側面衝突時には、上述し
た運転席側への側面衝突時とは反対に、側面衝突後直ち
に助手席側の発火装置12Bが作動され、パツセンジヤ
ーPがドア2Bに接触する直前に、助手席側のエアバツ
グ13Bがフル展開するとともに、第1遅延回路35と
同様に設定された遅延時間T1経過後に、運転席側の発
火装置12Aが作動され、ドライバDがドア2Aに接触
する直前に運転席側のエアバツグ13Aがフル展開する
様に設定されている。
【0024】また、ANDゲート51は、ORゲート6
0を介して駆動回路59に接続されるとともに、第5遅
延回路38を介して駆動回路58に接続されている。こ
のようにして、パツセンジヤーPのみが乗車している状
態での助手席側への側面衝突時には、上述した運転席側
への側面衝突時とは反対に、側面衝突後直ちに助手席側
の発火装置12Bが作動され、パツセンジヤーPがドア
2Bに接触する直前に助手席側のエアバツグ13Bがフ
ル展開し、第2遅延回路37と同様に設定された遅延時
間T2経過後に発火装置12Aが作動され、パツセンジ
ヤーPがドア2Aに接触する直前に運転席側のエアバツ
グ13Aがフル展開する様に設定されている。
【0025】更に、ANDゲート52は第6遅延回路4
0を介してORゲート60に接続されている。このよう
にして、ドライバDのみが乗車している状態での助手席
側への側面衝突時には、上述した運転席側への側面衝突
時とは反対に、第3遅延回路39と同様に設定された遅
延時間T3経過後に助手席側の発火装置12Bが作動さ
れ、ドライバDがドア2Bに接触する直前に助手席側の
エアバツグ13Bがフル展開する様に設定されている。
【0026】尚、乗員が乗車していない状態での側面衝
突時には、右左のエアバツグ13A,13Bは、共に展
開しない様に設定されている。次に、ヒーター34A,
34Bへの通電タイミングを、乗員の乗車状況に応じて
最適に設定するための遅延時間T1〜T3の設定条件に
ついて説明する。遅延時間T1は、側面衝突された側及
びその反対側の夫々に乗員が乗車している場合に対応し
た遅延時間である。この場合、遅延時間T1は、衝突側
とは反対側に乗車している乗員が、一旦、衝突側に移動
し、その後、衝突側にいる乗員の振れ戻りにより側面衝
突側とは反対側のドア付近まで移動するために必要とす
る時間(例えば、T1=340msec)に設定されて
いる。
【0027】また、遅延時間T2は側面衝突側にのみ乗
員が乗車している場合に対応した遅延時間である。この
場合、乗員が衝突側で展開したエアバツグに一旦受けら
れた後、側面衝突側とは反対側のドア付近まで移動する
ために必要とする時間(例えば、T2=180mse
c)に設定されている。更に、遅延時間T3は側面衝突
側とは反対側にのみ乗員が乗車している場合に対応した
遅延時間である。この場合、衝突後、衝突側とは反対側
にいる乗員が、衝突側のドアまで移動するのに必要とす
る時間(例えば、T3=130msec)に設定されて
いる。
【0028】この結果、この一実施例においては、側面
衝突時における乗員の動きに着目し、右側ドア2Aに設
けられた右側側突用ユニツト4Aのエアバツグ13A
と、左側ドア2Bに設けられた左側側突用ユニツト4B
のエアバツグ13Bの展開タイミングを、上述した様
に、その衝突の態様に応じて、遅延時間T1〜T3を適
宜設定して展開タイミングをズラせるようにしている。
具体的には、衝突側とは反対側のエアバツグの展開タイ
ミングを、衝突側のエアバツグの展開タイミングよりも
所定時間送らせるようにしており、例えば、この一実施
例においては、衝突側の衝突検知センサが、側面衝突の
発生を検知した時点から約10msecで、衝突側のエ
アバツグは展開するが、衝突側とは反対側ののエアバツ
グは、これにより上記検知時点から100〜300ms
ec経過後、この一実施例においては、160msec
経過後に展開させるようにしている。
【0029】尚、このように衝突側とは反対側のエアバ
ツグの展開に遅延時間T1またはT2の遅れもたせたの
は、以下の理由によるものである。即ち、例えば、図7
及び図8に示すように、ドライバDの一名乗車時におけ
る運転席側からの側面衝突を考えた場合、衝突してくる
車両25が右側ドア2A部分に衝突した時、ドライバD
はまずその慣性力によつて図7に示すように一旦右側ド
ア2A側に倒れた後、その反動によつて図7に示すよう
に、左側ドア2B側に投げ出されることになる。このた
め、ドライバDが右側ドア2A側に衝突するタイミング
と左側ドア2B側に衝突するタイミングとの間に当然に
ズレが生じることになる。これにより、右側ドア2A側
においては右側側突用ユニツト4Aのエアバツグ13A
によつて、また左側ドア2B側においては左側側突用ユ
ニツト4Bのエアバツグ13Bによつて、それぞれ最適
な展開状態で確実に乗員を拘束してこれを保護しなけれ
ばならない。そして、本願発明者らは、乗員の着座状
態、及び、側突の方向等の種々のケースに分けて実験を
繰り返し行い、これら実験結果に基づき、上記の如き遅
れ時間を設定したものである。
【0030】この発明は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述
した一実施例においては、側面衝突時における乗員の動
きに着目し、右側ドア2Aに設けられた右側側突用ユニ
ツト4Aのエアバツグ13Aと、左側ドア2Bに設けら
れた左側側突用ユニツト4Bのエアバツグ13Bの展開
タイミングとを、所定時間ズラせる制御を、図4に示す
コントロールユニツト14におけるハード構造により達
成する様に説明したが、この発明は、このような構成に
限定されることなく、図11乃至図14にフローチヤー
トとして示すソフトウエアによる制御手順を実行する様
に構成しても良い。
【0031】以下に、他の実施例としてのコントロール
ユニツト14における制御手順を、図11乃至図14を
参照して説明する。図11には、エアバツグ13A,1
3Bの展開制御動作の基本手順が示されている。先ず、
ステツプS10に示す様に、イグニツシヨンスイツチI
Gがオンする事により、エアバツグ13A,13Bの展
開制御動作が開始される。そして、ステツプS12にお
いて、データが初期化される。また、このステツプS1
2では、データの初期化後、後述する着座状態の検出処
理が実行され、IGオン時における着座状態が検出さ
れ、この着座状態を示すデータが図示しないフラグメモ
リに退避される。この後、ステツプS14及びステツプ
S16において、着座状態に変化があった場合にのみ、
ステツプS18における着座状態の検出動作が実行さ
れ、変化した着座状態を示すデータがフラグメモリに退
避され、このフラグメモリの記憶内容が更新される。一
方、着座状態に変化が無い場合には、ステツプS18は
スキップされる。尚、このステツプS18における着座
状態の検出処理は、サブルーチンとして、後に詳細に説
明する。
【0032】即ち、ステツプS14においては、運転席
5A側のシートセンサ7Aの出力が変化したかが判別さ
れ、YESと判断された場合には、ステツプS18に飛
ぶ。一方、このステツプS14でNOと判断された場
合、ステツプS16に進み、ここで、助手席5B側のシ
ートセンサ7Bの出力が変化したかが判別される。この
ステツプS16においてYESと判断された場合には、
ステツプS18に進み、NOと判断された場合には、引
き続くステツプS20に進む。
【0033】このステツプS20からステツプS26に
おいては、側突発生の検出処理、即ち、運転席5A側へ
の側突か、助手席5B側への側突かの何れの側突が発生
したかの検出処理が実行される。ステツプS20及びス
テツプS22においては、運転席5A側への側突が発生
したかが判別され、ステツプS24及びステツプS24
においては、助手席5B側への側突が発生したかが判別
される。
【0034】即ち、ステツプS20においては、運転席
5A側の第1衝撃検知センサ9Aがオンしたかが判別さ
れ、ここでYESと判断された場合には、引き続くステ
ツプS22において、運転席5A側の第2衝撃検知セン
サ11Aがオンしたかが判別される。このステツプS2
2においてYESと判断される場合には、運転席5A側
の第1及び第2衝撃センサ9A,11Aが共にオンして
いると判断されているので、ステツプS28において、
運転席5A側への側突が発生した事を示すフラグFAに
「1」をセツトし、ステツプS30におけるエアバツグ
の展開処理に進む。尚、このステツプS30におけるエ
アバツグの展開処理は、サブルーチンとして、後に詳細
に説明する。一方、上述したステツプS20において、
NOと判断された場合には、ステツプS22をスキップ
して、ステツプS24に飛ぶと共に、ステツプS22に
おいてNOと判断された場合にも、ステツプS24に進
む。
【0035】このステツプS24においては、助手席5
B側の第1衝撃検知センサ9Bがオンしたかが判別さ
れ、ここでYESと判断された場合には、引き続くステ
ツプS26において、助手席5B側の第2衝撃検知セン
サ11Bがオンしたかが判別される。このステツプS2
6においてYESと判断される場合には、助手席5B側
の第1及び第2衝撃センサ9B,11Bが共にオンして
いると判断されているので、ステツプS32において、
フラグFAを「0」にセツトして、助手席5B側への側
突が発生した事を示し、ステツプS30におけるエアバ
ツグの展開処理に進む。一方、上述したステツプS24
において、NOと判断された場合には、ステツプS26
をスキップして、ステツプS14に戻ると共に、ステツ
プS26においてNOと判断された場合にも、ステツプ
S14に戻る。
【0036】尚、ステツプS30におけるエアバツグの
展開処理が終了すると、側突用ユニツト4A,4Bのそ
のままでの再使用が不可能であるので、この展開制御動
作の制御手順を終了する。次に、図12を参照して、ス
テツプS18における着座状態の検出処理をサブルーチ
ンとして説明する。
【0037】即ち、上述した様に、ステツプS14また
はステツプS16においてYESと判断されると、この
ステツプS18における着座状態の検出処理が開始され
る。先ず、ステツプS18Aにおいて、運転席5A側の
シートセンサ7Aがオンしているかが判別される。この
ステツプS18においてYESと判断されると、ステツ
プS18Bにおいて、助手席5B側のシートセンサ7B
がオンしているかが判断される。このステツプS18B
においてYESと判断される場合、即ち、両シートセン
サ7A,7Bがオンしていると判断される場合には、運
転席5A及び助手席5Bに共に乗員が乗車している事を
意味するので、ステツプS18Cにおいて、ドライバD
及びパッセンジャ−Pが乗車している事を示すフラグF
Xに「1」をセツトする。この後、ステツプS18Dに
おいて、この「1」がセツトされたフラグFXをメモリ
に退避させて、メモリ内容を更新させ、元のメインルー
チンに復帰する。
【0038】一方、上述したステツプS18Bにおいて
NOと判断される場合、即ち、運転席5A側のシートセ
ンサ7Aのみがオンしていると判断される場合には、運
転席5Aにのみ乗員が乗車している事を意味するので、
ステツプS18Eにおいて、ドライバDのみが乗車して
いる事を示すフラグFYに「1」をセツトする。この
後、ステツプS18Dに進み、この「1」がセツトされ
たフラグFYをメモリに退避させて、メモリ内容を更新
させ、元のメインルーチンに復帰する。
【0039】また、上述したステツプS18Aにおいて
NOと判断される場合には、ステツプS18Fにおい
て、助手席5B側のシートセンサ7Bがオンしているか
が判断される。このステツプS18FにおいてYESと
判断される場合、即ち、助手席5B側のシートセンサ7
Bのみががオンしていると判断される場合には、助手席
5Bのみに乗員が乗車している事を意味するので、ステ
ツプS18Gにおいて、パッセンジャ−Pのみが乗車し
ている事を示すフラグFZに「1」をセツトする。この
後、ステツプS18Dに進んで、この「1」がセツトさ
れたフラグFZをメモリに退避させて、メモリ内容を更
新させ、元のメインルーチンに復帰する。
【0040】尚、ステツプS18FにおいてNOと判断
される場合、即ち、運転席5A側及び助手席5B側のシ
ートセンサ7A,7Bが共にオフされている場合には、
前席に乗員が乗車していない事を意味するので、ステツ
プS18Hにおいて、上述した3つのフラグFX,F
Y,FZに共にリセツトして「0」とし、ステツプS1
8Dに進んで、この「0」がセツトされたフラグFX,
FY,FZをメモリに退避させて、メモリ内容を更新さ
せ、元のメインルーチンに復帰する。
【0041】このようにして、ステツプS18における
一連の着座状態の検出処理の制御手順を終了する。次
に、図13及び図14を参照して、上述したステツプS
30におけるエアバツグの展開処理の制御手順をサブル
ーチンとして説明する。即ち、上述した様に、ステツプ
S28またはステツプS32においてフラグFAがセツ
トまたはリセツトされると、このステツプS30におけ
るエアバツグの展開処理が開始される。先ず、図13に
示す様に、ステツプS30Aにおいて、タイマTがリセ
ツトされる。このリセツト動作により、タイマTの零か
らのタイムアツプ動作が開始される。そして、ステツプ
S30Bにおいて、運転席5A側の側突状態を示すフラ
グFAに「1」がセツトされているか否かが判別され
る。このステツプS30BにおいてYESと判断される
場合、即ち、側突が運転席5A側で発生したと判断され
る場合には、ステツプS30Cにおいて、2名乗車状態
を示すフラグFXに「1」がセツトされているか否かが
判断される。
【0042】このステツプS30CにおいてYESと判
断される場合、即ち、2名乗車状態であると判断される
場合には、衝突側に乗員(ドライバB)が乗車状態での
側突である事を意味しているので、先ず、ステツプS3
0Dにおいて、運転席5A側の発火装置12Aに通電さ
せ、運転席5A側のエアバツグ13Aを即座に展開させ
る。この後、ステツプS30Eにおいて、上述したタイ
マTが一実施例において既に説明した所の第1の遅延時
間T1の経過を待ち、この第1の遅延時間T1の経過が
判断されると、ステツプS30Fにおいて、助手席5B
側の発火装置12Bに通電させ、助手席5B側のエアバ
ツグ13Bを展開させる。
【0043】このように、衝突側である運転席5A側の
エアバツグ13Aを即座に展開させた後、第1の遅延時
間T1だけ遅らせた状態で、反衝突側である助手席5B
側のエアバツグ13Bが展開される事となる。このよう
に2つのエアバツグ13A,13Bの展開動作が終了す
ると、このサブルーチンにおける制御手順を終了して、
元のメインルーチンに復帰する。
【0044】一方、上述したステツプS30Cにおいて
NOと判断される場合、即ち、2名乗車状態ではないと
判断される場合には、ステツプS30Gにおいて、運転
席5A側のみの乗車状態を示すフラグFYに「1」がセ
ツトされているか否かが判別される。このステツプS3
0GにおいてYESと判断される場合、即ち、ドライバ
Dのみの乗車状態であると判断される場合には、衝突側
にドライバDが乗車状態での側突である事を意味してい
るので、先ず、ステツプS30Hにおいて、運転席5A
側の発火装置12Aに通電させ、運転席5A側のエアバ
ツグ13Aを即座に展開させる。この後、ステツプS3
0Iにおいて、上述したタイマTが一実施例において既
に説明した所の第2の遅延時間T2の経過を待ち、この
第2の遅延時間T2の経過が判断されると、ステツプS
30Jにおいて、助手席5B側の発火装置12Bに通電
させ、助手席5B側のエアバツグ13Bを展開させる。
【0045】このように、衝突側である運転席5A側の
エアバツグ13Aを即座に展開させた後、第2の遅延時
間T2だけ遅らせた状態で、反衝突側である助手席5B
側のエアバツグ13Bが展開される事となる。このよう
に2つのエアバツグ13A,13Bの展開動作が終了す
ると、このサブルーチンにおける制御手順を終了して、
元のメインルーチンに復帰する。
【0046】また、上述したステツプS30Gにおいて
NOと判断される場合、即ち、2名乗車状態でもドライ
バDのみの乗車状態でもないと判断される場合には、ス
テツプS30Kにおいて、助手席5B側のみの乗車状態
を示すフラグFZに「1」がセツトされているか否かが
判別される。このステツプS30KにおいてYESと判
断される場合、即ち、パツセンジヤーPのみの乗車状態
であると判断される場合には、衝突側に乗員が乗車して
いない状態での側突である事を意味しているので、ステ
ツプS30Lにおいて、上述したタイマTが一実施例に
おいて既に説明した所の第3の遅延時間T3の経過を待
ち、この第3の遅延時間T3の経過が判断されると、ス
テツプS30Mにおいて、運転席5A側の発火装置12
Aに通電させ、運転席5A側のエアバツグ13Aを展開
させる。
【0047】このように、衝突側である運転席5A側の
エアバツグ13Aは第3の遅延時間T3だけ遅らせられ
た状態で展開される事となる。このように衝突側のみの
エアバツグ13Aの展開動作が終了すると、反衝突側の
エアバツグ13Bを展開させることなくこのサブルーチ
ンにおける制御手順を終了して、元のメインルーチンに
復帰する。
【0048】尚、上述したステツプS30KにおいてN
Oと判断される場合、即ち、前席に乗員が誰も乗車して
いないと判断される場合には、例え運転席5A側に側突
が発生したとしても、エアバツグ13A,13Bを展開
させて乗員を保護する必要が無いの。このため、両発火
装置12A,12Bに通電させることなく、このサブル
ーチンにおける制御手順を終了して、元のメインルーチ
ンに復帰する。
【0049】一方、上述したステツプS30Bにおいて
NOと判断された場合、即ち、側突が助手席5B側で発
生したと判断される場合には、図14に示す様に、ステ
ツプS30Nにおいて、2名乗車状態を示すフラグFX
に「1」がセツトされているか否かが判断される。この
ステツプS30NにおいてYESと判断される場合、即
ち、2名乗車状態であると判断される場合には、衝突側
に乗員(パツセンジヤーP)が乗車状態での側突である
事を意味しているので、先ず、ステツプS30Pにおい
て、助手席5B側の発火装置12Bに通電させ、助手席
5B側のエアバツグ13Bを即座に展開させる。この
後、ステツプS30Qにおいて、上述したタイマTが一
実施例において既に説明した所の第1の遅延時間T1の
経過を待ち、この第1の遅延時間T1の経過が判断され
ると、ステツプS30Rにおいて、運転席5A側の発火
装置12Aに通電させ、運転席5A側のエアバツグ13
Aを展開させる。
【0050】このように、衝突側である助手席5B側の
エアバツグ13Bを即座に展開させた後、第1の遅延時
間T1だけ遅らせた状態で、反衝突側である運転席5A
側のエアバツグ13Aが展開される事となる。このよう
に2つのエアバツグ13A,13Bの展開動作が終了す
ると、このサブルーチンにおける制御手順を終了して、
元のメインルーチンに復帰する。
【0051】また、上述したステツプS30Nにおいて
NOと判断された場合、即ち、2人乗車状態出は無いと
判断された場合には、ステツプS30Sにおいて、運転
席5A側のみの乗車状態を示すフラグFYに「1」がセ
ツトされているか否かが判別される。このステツプS3
0SにおいてYESと判断される場合、即ち、ドライバ
Dのみの乗車状態であると判断される場合には、衝突側
に乗員が乗車していない状態での側突である事を意味し
ているので、ステツプS30Tにおいて、上述したタイ
マTが一実施例において既に説明した所の第3の遅延時
間T3の経過を待ち、この第3の遅延時間T3の経過が
判断されると、ステツプS30Uにおいて、助手席5B
側の発火装置12Bに通電させ、助手席5B側のエアバ
ツグ13Bを展開させる。
【0052】このように、衝突側である助手席5B側の
エアバツグ13Bは第3の遅延時間T3だけ遅らせられ
た状態で展開される事となる。このように衝突側のみの
エアバツグ13Bの展開動作が終了すると、反衝突側の
エアバツグ13Aを展開させることなくこのサブルーチ
ンにおける制御手順を終了して、元のメインルーチンに
復帰する。
【0053】一方、 一方、上述したステツプS30S
においてNOと判断される場合、即ち、2名乗車状態で
もドライバDのみ乗車状態でもないと判断される場合に
は、ステツプS30Vにおいて、助手席5B側のみの乗
車状態を示すフラグFZに「1」がセツトされているか
否かが判別される。このステツプS30VにおいてYE
Sと判断される場合、即ち、パツセンジヤーPのみの乗
車状態であると判断される場合には、衝突側にパツセン
ジヤーPが乗車状態での側突である事を意味しているの
で、先ず、ステツプS30Wにおいて、助手席5B側の
発火装置12Bに通電させ、助手席5B側のエアバツグ
13Bを即座に展開させる。この後、ステツプS30X
において、上述したタイマTが一実施例において既に説
明した所の第2の遅延時間T2の経過を待ち、この第2
の遅延時間T2の経過が判断されると、ステツプS30
Yにおいて、運転席5A側の発火装置12Aに通電さ
せ、運転席5A側のエアバツグ13Aを展開させる。
【0054】このように、衝突側である助手席5B側の
エアバツグ13Bを即座に展開させた後、第2の遅延時
間T2だけ遅らせた状態で、反衝突側である運転席5A
側のエアバツグ13Aが展開される事となる。このよう
に2つのエアバツグ13A,13Bの展開動作が終了す
ると、このサブルーチンにおける制御手順を終了して、
元のメインルーチンに復帰する。
【0055】尚、上述したステツプS30VにおいてN
Oと判断される場合、即ち、前席に乗員が誰も乗車して
いないと判断される場合には、例え助手席5B側に側突
が発生したとしても、エアバツグ13A,13Bを展開
させて乗員を保護する必要が無い。このため、両発火装
置12A,12Bに通電させることなく、このサブルー
チンにおける制御手順を終了して、元のメインルーチン
に復帰する。
【0056】このようにして、ステツプS30における
一連のエアバツグ展開処理の制御手順を終了する。この
ように、この実施例のものにおいては、図4に示す電気
回路を用いなくとも、右左両側においてともに最適な展
開状態にあるエアバツグ13A,13Bによつて側突時
の乗員を拘束するものであるため、その保護が確実とな
り、保護性能の向上が図れるものである。尚、上記した
実施例においては、右左両側のドア2A,2Bの夫々に
側突用ユニツト4A,4Bを備えたものを対象として説
明したが、本願発明はこのような場合に限定されるもの
でなく、例えば、ドア部分とその上方に位置するルーフ
レール部分とに夫々側突用ユニツトを配置したものにも
適用できるものである。即ち、一般に車両のバンパーは
シートに着座した乗員の腰部付近の高さに位置している
ため、車両の側面衝突時にはまず乗員はその腰部分に衝
撃を受け、その後、慣性力によつて衝突側に上体が倒れ
込む時にその肩部あるいは頭部が車室上部に衝突するこ
とになる。従つて、この場合も、上記実施例の場合と同
様に上側のエアバツグの展開タイミングを下側のエアバ
ツグの展開タイミングよりも遅らせることによつて乗員
の腰部と肩部の両方をともに最適な展開状態にあるエア
バツグによつて拘束することができ、その保護性能の向
上が図れるものである。
【0057】また、この他に、乗員の位置が衝突部位か
ら遠くなるほどエアバツクの展開タイミングを遅らせる
ようにしたり、あるいは車両側部に対する他の車両の衝
突方向が直交方向から前後いずれかの方向に偏るほどエ
アバツグの展開タイミングを遅らせるようにしたりする
こともできるものである。前者は乗員の位置が衝突部位
から遠くなるほど乗員に対する衝撃伝達タイミングが遅
れることによるものであり、後者は衝突角度が直交状態
に近くなるほど乗員への衝突伝達タイミングが早くなる
ことによるものである。
【0058】また、上述した一実施例においては、側突
検知用のセンサとしての第1及び第2の衝撃検知センサ
を、既存周知の加速度感応型のセンサから構成される様
に説明したが、この発明は、このような構成に限定され
ることなく、衝突状態を検出することが出来るものであ
れば、どのような種類のセンサをも用いることが出来る
事は言うまでも無い。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、車体の左右方向からの
衝突に対して、左右の車体側部に設けられた各々のエア
バッグの展開タイミングを衝突方向、及び左右の座席に
おける乗員の乗車状態に応じて夫々異なるように設定す
ることによって、乗車している乗員の挙動に適応したタ
イミングでエアバッグを展開させることができ、乗員の
保護性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる車体側部のエネルギ吸収構造
の一実施例の構成が適用される車両の内部構造を示す斜
視図である。
【図2】図1に示す車両の内部構造を示す上面図であ
る。
【図3】側突用ユニツトのドアへの取り付け状態を示す
分解斜視図である。
【図4】コントロールユニツトにおける回路構成を示す
回路図である。
【図5】二人乗車時における運転席側への側突状態にお
ける、衝突直後の乗員の移動状態及びエアバツグの展開
状態を概略的に示す正面断面図である。
【図6】図5に示す状態から遅延時間T1だけ経過した
状態における乗員の移動状態及びエアバツグの展開状態
を概略的に示す正面断面図である。
【図7】ドライバのみ乗車時における運転席側への側突
状態における、衝突直後のドライバの移動状態及びエア
バツグの展開状態を概略的に示す正面断面図である。
【図8】図6に示す状態から遅延時間T2だけ経過した
状態におけるドライバの移動状態及びエアバツグの展開
状態を概略的に示す正面断面図である。
【図9】パツセンジヤーのみ乗車時における運転席側へ
の側突状態における、衝突直後のパツセンジヤーの移動
状態及びエアバツグの展開状態を概略的に示す正面断面
図である。
【図10】図9に示す状態から遅延時間T3だけ経過し
た状態におけるパツセンジヤーの移動状態及びエアバツ
グの展開状態を概略的に示す正面断面図である。
【図11】この発明に係わる車体側部のエネルギ吸収構
造の他の実施例における制御ユニツトにおけるエアバツ
グ展開の制御手順を示すフローチヤートである。
【図12】図11に示す着座状態の検出処理の制御手順
を取り出してサブルーチンとして詳細に示すフローチヤ
ートである。
【図13】図11に示すエアバツグの展開処理の制御手
順の前半部分を取り出してサブルーチンとして詳細に示
すフローチヤートである。
【図14】図11に示すエアバツグの展開処理の制御手
順の後半部分を取り出してサブルーチンとして詳細に示
すフローチヤートである。
【符号の説明】
1 自動車、2A,2B ドア、3A,3B ア
ームレスト、4A,4B側突用ユニツト、5A,5B
フロントシート、6A,6B シートクツシヨン、
7A,7B シートセンサ、9A,9B 第1衝撃
検知センサ、10A,10B サイドシル、11A,
11B 第2衝撃検知センサ、12A,12B 発
火装置、13A,13B エアバツグ、14 コン
トロールユニツト、15 モジユールケース、16
インフレータ、17 ドアシエル、17a インナ
ーパネル、17b アームレスト部、18 取り付け
部、19 ドアトリム、19a トリム本体、19b
表皮、20 エアバツグリツド、20a,20b
リツド、25 衝突車両、31A,31B リレ
ースイツチ、32A,32B ソレノイド、33A,
33B スイツチ、34,34B ヒータ、35
第1遅延回路、36 第4遅延回路、37第2遅延
回路、38 第5遅延回路、39 第3遅延回路、
40 第6遅延回路、41,57 ORゲート、4
2,43,45,47,48,49,50,51,5
2,53,54,55,56 ANDゲート、44,
46 NOTゲート、58,59 駆動回路、D
ドライバ、P パツセンジヤである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−314645(JP,A) 特開 平2−34453(JP,A) 特公 昭47−18130(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/16 - 21/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の左右両側面への衝突を検知する衝
    突検知手段と、 車体の左右両側部を構成する一対の車体部材に設けら
    れ、側面衝突時に車体内側から車室内へ向けて展開する
    エアバッグと、 左右の前席への乗員の乗車状態を検出する乗車状態検知
    手段と、 前記衝突検知手段による検知結果と前記乗車状態検知手
    段による検知結果に基づいて、該乗車状態検知手段が左
    右の前席に各々乗員が乗車していると検知した場合に
    は、該衝突検知手段による衝突検知後、衝突側のエアバ
    ッグを即座に展開させるとともに衝突側のエアバッグの
    展開タイミングよりも所定時間遅延させた状態で衝突側
    のエアバッグとは反対側のエアバッグを展開させるよう
    夫々のエアバッグの展開タイミングを設定するタイミン
    グ設定手段と、 前記タイミング設定手段により設定された展開タイミン
    グにて一対のエアバッグを展開させるエアバッグ展開手
    段とを具備する ことを特徴とする車体側部のエネルギ吸
    収構造。
  2. 【請求項2】 前記タイミング設定手段は、前記乗車状
    態検知手段が左右の前席に各々乗員が乗車していると検
    知した場合には、前記衝突検知手段による衝突検知後、
    衝突側のエアバッグを即座に展開させるとともに衝突側
    のエアバッグとは反対側のエアバッグを予め設定された
    第1の遅延時間遅らせて展開させるように展開タイミン
    グを設定することを特徴とする請求項1に記載の車体側
    部のエネルギ吸収構造。
  3. 【請求項3】 前記タイミング設定手段は、前記乗車状
    態検知手段が衝突側にのみ乗員が乗車していると検知し
    た場合には、前記衝突検知手段による衝突検知後、衝突
    側のエアバッグを即座に展開させるとともに前記第1の
    遅延時間よりも短い第2の遅延時間遅らせて衝突側のエ
    アバッグとは反対側のエアバッグを展開させるように展
    開タイミングを設定することを特徴とする請求項2に記
    載の車体側部のエネルギ吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記タイミング設定手段は、前記乗車状
    態検知手段が衝突側と反対側にのみ乗員が乗車している
    と検知した場合には、前記衝突検知手段による衝突検知
    後、前記第2の遅延時間よりも短い第3の遅延時間遅ら
    せて衝突側の エアバッグを展開させるように展開タイミ
    ングを設定することを特徴とする請求項3に記載の車体
    側部のエネルギ吸収構造。
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JP3407549B2 (ja) * 1996-07-10 2003-05-19 トヨタ自動車株式会社 側面衝突用センサの取付構造
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