JP3098281B2 - ワークの搬送方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワークを載せて略直線
方向に移送するワークの搬送方法及びその装置に関す
る。ここで、ワークにはボルト、ナットなどの小物部品
ばかりでなく、金属プレスにおけるチップ状のスクラッ
プをも含む。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンベア装置としては、例えば、
移送台に振動を与えて、載置物を斜め上方に投出する動
作を繰り返すことにより載置物を運搬する振動コンベア
のようなものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のワークの搬送装置では、載置物を斜め上方に
投出する動作の繰り返す必要があり、そのための機構が
複雑になって、コストが嵩む要因になるという問題点が
あった。

【０００４】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、簡単な構成でコストを嵩ませない
で、ワークを移送することができるようにしたワークの
搬送方法及びその装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの要旨とするところは、 １ ワークを載せて略直線方向に移送するワークの搬送
装置において、ワークを載せるコンベア体と、ワークの
搬送装置本体に固設され、前記コンベア体を略直線方向
に案内するガイド部材と、ワークの搬送装置本体に固設
され、前記コンベア体を、行きはワークが滑らない程度
の速度で、帰りはワークが滑る程度の速度で往復移動さ
せる駆動機構とを備え、前記駆動機構は、前記コンベア
体を帰り方向へ付勢するリターンスプリングと、該リタ
ーンスプリングの付勢力に抗して前記コンベア体を行き
方向へ移動すべく空気が送り込まれるエアシリンダ部材
と、前記エアシリンダ部材に送り込まれた空気の排出量
を調整して、前記リターンスプリングの付勢力を加減
し、前記コンベア体の帰り方向の移動速度を調整可能な
速度調整機構とを備えていることを特徴とするワークの
搬送装置。

【０００６】２ ワークを載せて略直線方向に移送する
ワークの搬送方法において、行きは、駆動機構のエアシ
リンダ部材に空気を送り込むことによってリターンスプ
リングの付勢力に抗して、ワークを載せたコンベア体
を、ワークが滑らない程度の速度で移動し、帰りは、リ
ターンスプリングの付勢力により、前記コンベア体をワ
ークが滑る程度の速度で移動し、エアシリンダ部材に送
り込まれた空気の排出量を調整することにより、前記リ
ターンスプリングの付勢力を加減し、前記コンベア体の
帰り方向の移動速度を調節するようにしたことを特徴と
するワークの搬送方法に存する。

【０００７】

【０００８】

【作用】本発明に係るワークの搬送方法においては、ワ
ークを載せたコンベア体を、行きはワークが滑らない程
度の速度で移送させると、ワークがコンベア体と一体的
に所定距離だけ移動する。

【０００９】コンベア体を、帰りはワークが滑べる程度
の速度で移動させると、ワークが滑ってコンベア体のみ
が原位置に戻り、ワークが前記所定距離移動した位置に
残された状態になる。

【００１０】このような動作を繰り返すと、ワークを所
定距離づつ徐々に移送することができる。

【００１１】ワークの搬送装置を、コンベア体、ガイド
部材および駆動機構等で構成したものでは、駆動機構に
より、コンベア体をガイド部材に沿って略直線方向に移
送すると、ワークを載せるコンベア体は、行きはワーク
が滑らない程度の速度で、帰りはワークが滑べる程度の
速度で往復移動し、それにより、ワークがコンベア体上
を徐々に移動する。

【００１２】駆動機構が出力ロッドおよび駆動シリンダ
部材を有するものにおいては、行きは付勢力に抗してコ
ンベア体をワークが滑らない程度の速度で移動させる一
方、帰りは付勢力によりコンベア体をワークが滑る程度
の速度で移動させる。それにより、ワークがコンベア体
上を徐々に移動することができる。

【００１３】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。各図は本発明の一実施例を示している。図１およ
び図２に示すように、ワークの搬送装置本体１０上に
は、移送台２８を上側に固定したコンベア体２０が配設
されている。ワークの搬送装置本体１０には駆動機構３
０が内装されている。搬送装置本体１０は対向するアッ
パベース部材１１とロアベース部材１２とを有してい
る。アッパベース部材１１とロアベース部材１２との間
には、離間用の段付ピン１５，１５…により駆動機構３
０用の収納空間１３が形成されている。

【００１４】駆動機構３０は駆動シリンダ部材であるエ
アシリンダ部材３１を有している。エアシリンダ部材３
１は前方へ没入し、かつ、後方へ突出する出力ロッド３
２が設けられている。出力ロッド３２の後方にはエアバ
ルブ３３が配され、エアバルブ３３には空気取入部３
４、空気供給部３５およびスピコン部３６が備えられて
いる。エアバルブ３３には前後方向に切換用の部材３７
が貫通している。切換用の部材３７の前端部には、後方
に突出した出力ロッド３２により後方に押し込まれて空
気取入部３４と空気供給部３５との連通路を開き状態に
する前プッシュ部３７ａが形成され、切換用の部材３７
の後端部には、前方へ移動したコンベア体２０の後端フ
ランジ２７により前方に押し込まれて前記連通路を閉じ
状態にするとともに、空気供給部３５とスピコン部３６
とを連通状態にする後プッシュ部３７ｂが形成されてい
る。

【００１５】アッパベース部材１１とロアベース部材１
２との対向する各側縁部１１ａ，１２ａには、両側方向
規制ローラ４１と上下方向規制ガイド部４２とが設けら
れている。両側方向規制ローラ４１と上下方向規制ガイ
ド部４２とによりガイド部材４０が構成されている。

【００１６】ガイド部材４０には、被案内部材５０を介
してコンベア体２０が前後方向に案内可能に支持されて
いる。被案内部材５０は矩形断面形の棒状体で、その側
面部５１は両側方向規制ローラ４１が相対的に転動可能
に当接しており、また、その側面部５１には上下に対向
する上下方向規制ガイド部４２に転動可能に嵌合するロ
ーラ体５２が設けられている。被案内部材５０がコンベ
ア体２０の両側縁部２１にねじ部材２５，２５…それぞ
れ締着されている。アッパベース部材１１には長孔１６
が穿設され、長孔１６には、出力ロッド３２に植設した
連結ロッド３８が貫通していて、連結ロッド３８の上端
部がアッパベース部材１１に固結されている。

【００１７】出力ロッド３２は、連結ロッド３８を介し
て、行きは図示省略したリターンスプリングの付勢力に
抗してコンベア体２０をワークが移送台２８上で滑らな
い程度の速度で移動する一方、帰りはリターンスプリン
グの付勢力によりコンベア体２０をワークが移送台２８
上で滑る程度の速度で移動するものである。

【００１８】次に作用を説明する。図２において想像線
で示すように、エアシリンダ部材３１の出力ロッド３２
が後方へ突出している状態では、エアバルブ３３の前プ
ッシュ部３７ａが押し込まれ、空気取入部３４と空気供
給部３５との連通路が開き状態にある。このとき、コン
ベア体２０は原位置に戻っている。

【００１９】空気取入部３４〜空気供給部３５を通って
空気がエアシリンダ部材３１に送り込まれると、図示省
略したリターンスプリングの付勢力に抗して、出力ロッ
ド３２が前方へ没入し、連結ロッド３８が前方へ移動
し、両側方向規制ローラ４１，上下方向規制ガイド部４
２により、側面部５１，ローラ体５２が案内され、被案
内部材５０〜コンベア体２０を介して、ワークを載せた
移送台２８が前方へ移動する。

【００２０】このとき、コンベア体２０はワークが移送
台２８上を滑らない程度の速度で移動するため、ワーク
は移送台２８と一体的に所定距離だけ移動する。

【００２１】コンベア体２０が前方へ移動すると、コン
ベア体２０の後端フランジ２７がエアバルブ３３の後プ
ッシュ部３７ｂを押し込み、空気取入部３４と空気供給
部３５との連通路が閉じ状態になるとともに、空気供給
部３５とスピコン部３６とが連通状態になり、エアシリ
ンダ部材３１中の空気がスピコン部３６から排出され
て、リターンスプリングの付勢力により、出力ロッド３
２が後方へ突出する。

【００２２】出力ロッド３２が後方へ突出すると、連結
ロッド３８が後方へ移動し、両側方向規制ローラ４１，
上下方向規制ガイド部４２により、側面部５１ローラ体
５２が案内され、被案内部材５０〜コンベア体２０を介
して、ワークを載せた移送台２８が後方の原位置へ移動
する。

【００２３】このとき、コンベア体２０はワークが移送
台２８上を滑べる程度の速度で移動するため、ワークが
移送台２８上を滑って移送台２８のみが原位置に戻り、
ワークが前記所定距離移動した位置に残された状態にな
る。

【００２４】このような動作が繰り返えされると、出力
ロッド３２の出没動作にともないワークが所定距離づつ
徐々に移送され、ワークを所望位置に移送することがで
きる。

【００２５】前記実施例において、コンベア体２０が原
位置に戻る速度を調節するには、エアバルブ３３のスピ
コン部３６により、スピコン部３６を通る空気の排出量
を調整すればよい。排出量が多くなれるに従って、コン
ベア体２０が高速で戻るようになり、ワークが滑りやす
くなる。

【００２６】

【発明の効果】本発明にかかるワークの搬送方法および
その装置によれば、ワークを載せたコンベア体を、行き
はワークが滑らない程度の速度で移送させ、帰りはワー
クが滑べる程度の速度で移動させるようにしたので、コ
ンベア体の駆動機構を簡単な直線運動機構にすることが
可能で、コストを嵩ませることがなく、コンベア体が往
復動作を繰り返すことにより、ワークを所定距離づつ徐
々に移送することができる。

【００２７】コンベア体の駆動機構を駆動シリンダ部材
にしたものでは、コンベア体の行きは空気圧で移動し、
コンベア体の帰りは付勢力により戻るように構成したの
で、さらに簡単な構成になり、コストを低減することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すワークの搬送装置の分
解斜視図である。

【図２】本発明の一実施例を示しており、ワークの搬送
装置を部分的に破断した平面図である。

【図３】本発明の一実施例を示すワークの搬送装置の側
面図である。

【図４】本発明の一実施例を示す図２のＡ―Ａ線断面図
である。

【図５】本発明の一実施例を示す図２のＢ矢視図であ
る。

【図６】本発明の一実施例を示す図２のＣ矢視図であ
る。

【図７】本発明の一実施例を示す図２のＤ−Ｄ線断面図
である。

【図８】本発明の一実施例を示す図２のＥ−Ｅ線断面図
である。

【符号の説明】

１０…搬送装置本体 ２０…コンベア体 ３０…駆動機構 ３１…エアシリンダ部材 ３２…出力ロッド ３８…連結ロッド ４０…ガイド部材 ４１…両側方向規制ローラ ４２…上下方向規制ガイド部 ５０…被案内部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−31425（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−16784（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−180810（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭46−6740（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭60−17721（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭52−45983（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65G 25/00 - 25/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークを載せて略直線方向に移送するワー
   クの搬送装置において、 ワークを載せるコンベア体と、 ワークの搬送装置本体に固設され、前記コンベア体を略
   直線方向に案内するガイド部材と、 ワークの搬送装置本体に固設され、前記コンベア体を、
   行きはワークが滑らない程度の速度で、帰りはワークが
   滑る程度の速度で往復移動させる駆動機構とを備え、 前記駆動機構は、前記コンベア体を帰り方向へ付勢する
   リターンスプリングと、該リターンスプリングの付勢力
   に抗して前記コンベア体を行き方向へ移動すべく空気が
   送り込まれるエアシリンダ部材と、前記エアシリンダ部
   材に送り込まれた空気の排出量を調整して、前記リター
   ンスプリングの付勢力を加減し、前記コンベア体の帰り
   方向の移動速度を調整可能な速度調整機構とを備えてい
   ることを特徴とするワークの搬送装置。
2. 【請求項２】ワークを載せて略直線方向に移送するワー
   クの搬送方法において、 行きは、駆動機構のエアシリンダ部材に空気を送り込む
   ことによってリターンスプリングの付勢力に抗して、ワ
   ークを載せたコンベア体を、ワークが滑らない程度の速
   度で移動し、 帰りは、リターンスプリングの付勢力により、前記コン
   ベア体をワークが滑る程度の速度で移動し、 エアシリンダ部材に送り込まれた空気の排出量を調整す
   ることにより、前記リターンスプリングの付勢力を加減
   し、前記コンベア体の帰り方向の移動速度を調節するよ
   うにしたことを特徴とするワークの搬送方法。