JP3098193B2 - 磁性体の内部構造測定方法および装置 - Google Patents

磁性体の内部構造測定方法および装置

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JP3098193B2 JP08203057A JP20305796A JP3098193B2 JP 3098193 B2 JP3098193 B2 JP 3098193B2 JP 08203057 A JP08203057 A JP 08203057A JP 20305796 A JP20305796 A JP 20305796A JP 3098193 B2 JP3098193 B2 JP 3098193B2
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    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼板等の磁性
体の溶接状態や内部欠陥等の内部構造を非破壊にて測定
する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車産業はじめ各種薄板金属製品の組
立に用いられる溶接として、スポット溶接が一般的に用
いられている。スポット溶接は、重ね合わせた金属の母
材を、先端を適当に成形した電極の先端ではさみ、比較
的小さい部分に電流および加圧力を集中して局部的に加
熱し、同時に電極で加圧して行う抵抗溶接である。
【0003】通常スポット溶接部は図19に示す断面構
造となる。溶接部の表面は、加圧によって溶接部外に比
べ凹んでおり(インデテーション部)、凹みの寸法をイ
ンデテーション径という。溶接部の内部は、溶接部の中
心であるナゲット部(溶着部)とその周辺の圧着部とで
形成される。ナゲット部は、金属が一旦溶解して固化し
た部分である。一方、圧着部は、金属の表面同士で圧着
された部分である。ナゲット部の寸法をナゲット径とい
い、ナゲット部と圧着部との和(実際に接合している部
分)の寸法を接合径という。スポット溶接では、重ね合
わせた金属の母材を点で溶接するため、溶接強度が十分
であるか否かを検査する場合が多い。
【0004】溶接強度の測定を非破壊にて行う方法とし
て、溶接部のナゲット(溶着部)径を測定することによ
り溶接強度を推定する方法が有効である。従来から、ナ
ゲット径を測定する方法として、高周波電流を流したコ
イルにより発生した交流磁界を、スポット溶接部に印加
し、その結果発生したコイルのインダクタンスの変化か
らナゲット径を求める方法が知られている。従来方法
は、ナゲット部とナゲット部外とではそれらの透磁率が
変化する性質を利用して、透磁率の変化をインダクタン
スの変化として検出し、ナゲット径を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インデテー
ション部は厚みが薄くなるため、構造的な強度に影響
し、一方、ナゲット径および接合径は接合強度に影響す
る。従って、スポット溶接部の溶接強度を正確に求める
ためには、上記インデテーション径、ナゲット径、接合
径それぞれを求めることが望ましい。
【0006】しかし上記従来方法では、ナゲット径を測
定できるだけであり、インデテーション径や接合径など
他の構造的な特性値を求めることができないという問題
があった。なお、スポット溶接部のみでなく、一般に磁
性体の種々の内部構造を非破壊で測定できる技術が望ま
れていた。
【0007】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、磁性体の種々の
内部構造を非破壊にて測定する方法および装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、第1の発明
は、磁性体である被測定物の内部構造を測定する方法で
あって、(a)被測定物に静磁場を印加して前記被測定
物を磁化させる工程と、(b)前記静磁場を遮断した後
に、前記被測定物の近傍の複数位置における微分磁束密
度の過渡変化を測定する工程と、(c)前記複数位置に
おける前記微分磁束密度の過渡変化の時定数を求める工
程と、(d)前記複数位置に対する前記時定数の分布か
ら前記被測定物の内部構造に関する所定の特性値を求め
る工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】ここで、「内部構造」とは機械的な構造の
みではなく、磁気的性質や化学組成などを含む広い意味
を有している。
【0010】微分磁束密度の過渡変化の時定数は、磁束
を保持している空間のインダクタンスや磁束を保持して
いる空間の磁束の戻りにくさ、あるいは、磁束の通過す
る磁性体内部のインダクタンスや磁性体の電気抵抗に影
響されて変化する。また、磁束を保持している空間のイ
ンダクタンスや磁束を保持している空間の磁束の戻りに
くさ、あるいは、磁束の通過する磁性体内部のインダク
タンスや磁性体の電気抵抗は、磁性体の内部構造を反映
した分布を有している。従って、第1の発明によれば、
磁性体の内部構造を微分磁束密度の過渡変化の時定数変
化に基づいて検出できるため、磁性体の種々の内部構造
を非破壊にて測定することができる。
【0011】上記第1の発明において、前記工程(c)
は、前記微分磁束密度の過渡変化を、前記静磁場によっ
て生起された第一の磁束密度の減衰に対応する第一の微
分磁束密度の過渡変化と、前記第一の磁束密度の減衰に
より誘導される渦電流によって生起される第二の磁束密
度の減衰に対応する第二の微分磁束密度の過渡変化との
合成とみなして、前記第一の微分磁束密度の過渡変化を
決定する第一の時定数と、前記第二の微分磁束密度の過
渡変化を決定する第二の時定数と、の少なくとも一方を
求める工程を含む、ことが好ましい。
【0012】第一と第二の時定数は、被測定物の内部構
造の異なる特性値に関係している。従って、第一と第二
の時定数からは、被測定物の内部構造の異なる特性値を
それぞれ決定することができる。
【0013】また、上記第1の発明において、前記被測
定物は、2枚の金属板をスポット溶接によって接合した
接合板であり、前記工程(d)は、前記第一の時定数の
分布からスポット溶接部のナゲット部の形状を求める工
程を含む、ようにしてもよい。
【0014】スポット溶接部のナゲット部は、金属組成
を変化させて接着している箇所である。前記第一の時定
数は磁性体内部の化学組成的な変化を反映して変化す
る。従って、ナゲット部の形状を、前記第一の時定数の
分布から求めることができる。
【0015】また、上記第1の発明において、前記被測
定物は、2枚の金属板をスポット溶接によって接合した
接合板であり、前記工程(d)は、前記第二の時定数の
分布からスポット溶接部の接合部の形状を求める工程を
含む、ようにしてもよい。
【0016】スポット溶接の接合部の外側で接合端(接
合部の境界)近傍のある位置においては、磁束の磁路が
変化し、接合部側を迂回して通過することにより、磁束
の磁路長が急に変化する位置(磁路長変化点)が存在す
る。前記第二の時定数変化は、被測定物内を通過する磁
束の磁路長によって変化する。従って、前記第二の時定
数変化を求めれば、磁路長変化点を測定でき、これによ
り、接合部の形状を求めることができる。
【0017】第2の発明は、磁性体の内部構造を測定す
る装置であって、被測定物に静磁場を印加して前記被測
定物を磁化させる静磁場印加手段と、前記静磁場を遮断
した後に、前記被測定物の近傍の複数位置における微分
磁束密度の過渡変化を測定する測定手段と、前記複数位
置における前記微分磁束密度の過渡変化の時定数を求め
る時定数決定手段と、前記複数位置に対する前記時定数
の分布から前記被測定物の内部構造に関する所定の特性
値を求める構造特性決定手段と、を備えることを特徴と
する。
【0018】第2の発明も、上記第1の発明と同様の作
用・効果を有しており、磁性体の内部構造を微分磁束密
度の過渡変化の時定数変化に基づいて検出できるため、
磁性体の種々の内部構造を非破壊にて測定することがで
きる。
【0019】
【発明の他の態様】磁性体の内部構造を測定する装置で
あって、被測定物に静磁場を印加して前記被測定物を磁
化させる静磁場印加手段と、前記静磁場を遮断した後
に、前記被測定物の近傍の複数位置における微分磁束密
度の過渡変化を測定する測定手段と、前記複数位置にお
ける前記微分磁束密度の過渡変化の時定数を求める時定
数決定手段と、前記複数位置に対する前記時定数の分布
から前記被測定物の内部構造に関する所定の特性値を求
める構造特性決定手段と、を備え、前記時定数決定手段
は、前記微分磁束密度の過渡変化を、前記静磁場によっ
て生起された第一の磁束密度の減衰に対応する第一の微
分磁束密度の過渡変化と、前記第一の磁束密度の減衰に
より誘導される渦電流によって生起される第二の磁束密
度の減衰に対応する第二の微分磁束密度の過渡変化との
合成とみなして、前記第一の微分磁束密度の過渡変化を
決定する第一の時定数と、前記第二の微分磁束密度の過
渡変化を決定する第二の時定数と、の少なくとも一方を
求める手段を含む、ことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態としては、
スポット溶接のナゲット径および接合径を求る方法と装
置について説明する。以下、測定の対象である電気伝導
性を有する磁性体として、鉄鋼板を例に説明を行う。
【0021】A.測定原理:図1は、実施例の測定装置
の概略構成とその動作とを示す概念図である。この測定
装置は、励磁コイルCLと、励磁コイル駆動回路(電圧
源VとスイッチSWと抵抗R)DCと、鉄鋼板IP近傍
の磁束密度変化を検出するアレーセンサ(磁気感応素子
を複数配列したもの)SRとを備えている。この装置
は、鉄鋼板IPに静磁場を印加し、その後、静磁場の遮
断を行って、遮断後の磁束密度の変化をアレーセンサS
Rによって測定するものである。
【0022】図1(a)は、スイッチSWを「オン」に
して電圧源Vから出力される電圧を励磁コイルに印加す
ることにより、静磁場を鉄鋼板IPに印加した状態を示
す。鉄鋼板IP内の磁束通過部分は、その磁場に応じて
磁化されている。図1(b)は、スイッチSWを「オ
フ」にして静磁場を遮断した後の状態を示す。この時、
磁束のループは、励磁コイルCLの周辺の閉ループと鉄
鋼板IPの周辺の閉ループとに分離する。励磁コイルC
L周辺の磁束の閉ループは急速に減少して消失する。一
方、鉄鋼板IP周辺における磁束の閉ループは、直ちに
は消失せず(残留磁気)、磁気エネルギーとして磁性体
に保持され、徐々に消失していき最終的には静磁場印加
以前の状態に戻る。
【0023】この時、鉄鋼板IPの表面近傍に配置され
たアレーセンサSRにより、鉄鋼板IPの近傍における
磁束の変化を検出する。静磁場遮断後にアレーセンサS
Rで検出される磁束の変化は、理想的には指数的に単調
減少するはずである。しかし、現実には損失があるの
で、理想値から逸脱する。この損失は、鉄鋼板IPに蓄
えられた磁気エネルギーの消失過程において、鉄鋼板I
P内の磁化の変化に誘導された渦電流の発生によるもの
と考えられる。そこで、この実施例では、静磁場の遮断
後の磁束変化を与えるモデルとして、以下に説明するモ
デルを仮定した。
【0024】図2は残留磁気の消失過程モデルを示す。
この磁気エネルギー消失過程では、図2(a)に示すよ
うに、アレーセンサSRの任意の一つを通過する磁束密
度をφ1 とする。また、磁束密度φ1 の変化によって誘
導される渦電流をIn1、In2、In3…とし、それらの誘
導係数をそれぞれM1 、M2 、M3 …とする。磁束密度
φ1 の変化から誘導された渦電流In1、In2、In3…は
それぞれ独立であると考える。このとき、渦電流In1、
In2、In3…は、磁束密度φ1 の変化に応じて、誘導係
数M=ΣMi (i=1,2,3,…)で誘導されるひとつの渦電
流i2 に置き換えることができる。すなわち、アレーセ
ンサSRの任意の一つを通過する磁束の消失過程は、磁
束密度φ1 と、磁束密度φ1 から誘導係数Mで誘導され
る渦電流i2 で表すことができる。 図2(b)は、図
2(a)の等価回路を示している。ここで、R2 は渦電
流i2 の電気抵抗を示し、L2 は渦電流i2 のインダク
タンスを示す。
【0025】図3は、図2(b)の磁束密度φ1 の閉ル
ープを磁気等価回路に置き換えたものである。ここで、
R1 は与えられた磁束の戻りにくさに相当し、L1 は磁
気回路のインダクタンスに相当する。また、i1 は磁束
密度(図2のφ1 )である。誘導係数Mは、磁気回路の
インダクタンスL1と、渦電流回路のインダクタンスL2
の相互インダクタンスとしての意味を有する。
【0026】磁気回路のインダクタンスL1 は、以下に
説明するように、磁束密度i1 を保持している全磁束空
間の体積に相当している。図4は、静磁界を遮断した直
後のアレーセンサSRの任意の一つを通過する磁束i1
(=φ1 )の閉ループC0 を示している。この時、静磁
場印加中に蓄えられた磁気エネルギーは、直ちに消失せ
ずに、徐々に消失していく。この磁気エネルギーは磁束
の閉ループ空間に保持され、空間の与えられた磁束の戻
りにくさによって徐々に消失していくと考えられる。磁
気エネルギーWは、次の式(1)であらわすことができ
る。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、Lは磁束を保持している空間(す
なわち、磁気エネルギーを保持する空間)の体積に比例
する値である。一方、式(1)は、インダクタンスLの
コイルに電流i1 を流した時に蓄積されるエネルギーと
同じ式である。これらのことから、図3のインダクタン
スL1 は、磁束を保持している全空間の体積に相当する
ことがわかる。
【0029】図2(b)に示す等価回路を式にあらわす
と次の式(2)のようになる。
【0030】
【数2】
【0031】(2)式を解くと次の式(3)が得られ
る。
【0032】
【数3】
【0033】ここで、初期条件として、静磁界遮断時
(t=0)の磁束密度i1 をI0 として、(3)式の定
数を定める。この時、誘導係数Mが小さく磁束密度i1
の変化から誘導される渦電流i2 が小さい場合、すなわ
ちL1・L2》M・Mとすると、以下の結果を得る。
【0034】
【数4】
【0035】(4a)および(4b)式を(3a)式に
代入すると、次の(5)式が得られる。
【0036】
【数5】
【0037】現実に測定できる値は、(5)式の左辺の
磁束密度i1 である。図5(a)は(5)式で与えられ
る磁束密度i1 の過渡変化を示す。ここで、(4d)式
から明かなように、(5)式の右辺第2項は無視するこ
とができ、第1項のみで近似できる。一方、磁気センサ
として一般に用いられるループコイルで測定される電圧
は、磁束密度の変化率、すなわち微分磁束密度に比例し
た値である。そこで、(5)式を時間tで微分し、下式
に示す微分磁束密度の式を得る。
【0038】
【数6】
【0039】図5(b)は(6)式で与えられる微分磁
束密度の過渡変化を示す。この波形は、磁気センサとし
てループコイルを用いて現実に測定した結果とほぼ一致
していることがわかった。従って、このことから図2な
いし図4で説明したモデルは現象を正しく反映したもの
であることが確認できた。(5)式はセンサで得られる
磁束密度i1 の変化を示す式であり、(6)式は微分磁
束密度(di1 /dt)の変化を示す式であるといえ
る。
【0040】ここで、(6)式の右辺第1項の時定数τ
1 は(4a)式で与えられるようにL1 /R1 に等し
い。従って、この項は、図3に示す磁束密度i1 の磁気
回路の時定数に相当する。すなわち、(6)式の右辺第
1項は、静磁場遮断後の鉄鋼板IP近傍における磁束密
度が指数的に減少する理想的な単調減少特性、すなわち
磁気エネルギーの減衰特性を示す項である。スポット溶
接部においては、ナゲット部(金属組成に変化が生じて
いる部分)とナゲット部外(金属組成に変化が生じてい
ない部分)とでは、この時定数τ1 に変化が生じること
が実験的にわかっている。従って、スポット溶接部にお
ける時定数τ1 の分布を測定し、これを分析することに
よって、ナゲット部のような金属的に組成変化の生じて
いる部分の形状・寸法を求めることができる。
【0041】(6)式の右辺第2項の時定数τ2 は、
(4b)式で与えられるように、L2/R2 に等しい。
従って、この項は、図3に示す渦電流i2 の等価回路の
時定数に相当する。すなわち、(6)式の右辺第2項
は、渦電流損失の減衰特性を示す項である。ところで、
R2 は渦電流の抵抗(すなわち材料の電気抵抗)に相当
する。また、L2 は、渦電流の磁化空間の体積に担当す
る。図4に示すように、鉄鋼板内の磁化の長さをl、磁
束通過面積をdsとすると、L2 を下式で示すことがで
きる。
【0042】
【数7】
【0043】従って、(4b)式および(7)式から、
渦電流損失の減衰特性の時定数τ2は、次の(8)式に
示すように、渦電流が発生する磁路、すなわち鉄鋼板内
を通過する磁路の長さに比例する。
【0044】
【数8】
【0045】これをいいかえると、スポット溶接部付近
を通過する磁束の磁路の長さの変化を、(6)式の右辺
第2項の減衰特性の時定数τ2 の変化として検出するこ
とができる。
【0046】図6は、スポット溶接部の接合端近傍の磁
束の状態と、渦電流損失の減衰特性の時定数τ2 の分布
の関係を示す図である。スポット溶接の接合端(接合部
と空隙部の境界)近傍に磁界を印加した場合、磁束は図
6(a)に示すような状態となる。この時、接合端近傍
のある位置において、磁束の経路が大きく左右にわかれ
る位置が存在する。すなわち、磁束線Bは空隙部SPの
上側の鉄鋼板IP1 を通過するが、磁束線Aは接合部を
経由して空隙部SPの下側の鉄鋼板IP2 を通過する。
この変化の原因は接合端が近傍に存在するためである。
従って、この磁束の通過経路が急に変化する位置がわか
れば、接合端の位置も推定することが可能となる。ここ
で、A,Bの違いは磁束の経路の違い、すなわち磁路長
の違いである。従って、鉄鋼板のスポット溶接部近傍に
複数のセンサを配置し、各センサ位置における上記時定
数τ2 を測定し、図6(b)に示すような時定数の急変
化点すなわち磁路長の急変化点を求めれば、その結果と
して接合端を推定でき、スポット溶接部の接合径を推定
することができる。
【0047】以上の説明からスポット溶接部の測定原理
をまとめると、次のようになる。 (I )鉄鋼板に印加した静磁場を遮断した後に、被測定
物の近傍に配置した複数の磁気センサにより微分磁束密
度の変化を測定する。 (II)各センサで測定された微分磁束密度の過渡変化か
ら、磁気エネルギー減衰特性の時定数τ1 と渦電流損失
の減衰特性の時定数τ2 を求める。 (IIIa)磁気センサ位置に対する時定数τ1 の急変化点
を求め、ナゲット部のような金属組成変化部の形状を推
定する。 (IIIb)磁気センサ位置に対する時定数τ2 の急変化点
を求め、接合部の形状を推定する。
【0048】B.測定装置の構成:図7は、上記の測定
原理を利用して、鉄鋼板のスポット溶接部の溶接状態
(インデテーション径、ナゲット径、接合径)を測定す
る装置の構成を示すブロック図である。この装置は、セ
ンサ部10と、制御部20と、データ処理部30とを備
える。データ処理部30は、例えば一般的なコンピュー
タシステムで実現される。制御部20は、データ処理部
30に汎用バスを介して接続される制御回路であり、コ
ンピュータシステムの汎用スロットに接続される制御基
板である。
【0049】センサ部10は、図7に示すように、励磁
部11とアレーセンサ12とセンサ出力切換部13とバ
ッファアンプ14とセンサ電源切換部15を備える。励
磁部11は制御部20からの駆動信号CLSに応じて静
磁場の印加・遮断を行うための鉄心入りの励磁コイルで
ある。アレーセンサ12は、16個の磁気センサSR0
〜SR15を一列にならべて実装したものである。ま
た、アレーセンサ12は、励磁部11の直下に所定の間
隔で保持され、その長手方向に配置されており、静磁場
印加中および遮断後における被測定物近傍の磁気変化を
検知して電圧として出力する。センサ出力切換部13
は、各磁気センサ出力のうち一出力のみを選択してバッ
ファアンプ14に出力する回路であり、4ビットのセン
サ出力切換信号SWSによって、各磁気センサ出力を順
次選択して出力する。バッファアンプ14はセンサ出力
切換部13の出力信号を検出信号SRSとして制御部2
0に出力するバッファ回路である。センサ電源切換部1
5は各磁気センサの電源供給を「オン/オフ」する切換
回路である。アレーセンサ12を除く他の回路は一般的
な回路であり、当業者が容易に実施可能な回路であれば
よい。
【0050】図8はセンサ部10の実装例を示す。セン
サ部10は、回路基板PK上に実装され、長さ84m
m、幅40mm、高さ82mmの箱状の筐体に実装して
使用される。センサ部10と制御部20との接続は、ケ
ーブルを介して行う。従って、センサのみを被測定物の
測定位置に接触させて測定できるため、フレキシブルな
測定が可能である。
【0051】図9にアレーセンサ12の構成例を示す。
図9(a)はアレーセンサ12の一つの磁気センサの実
装概念図である。一つの磁気センサは、回路基板PKの
部品面PKPに実装される一個のホール素子HDと、ホ
ール素子HDの出力端子O1にスルーホールTHを介し
て接続される半田面PKSの半田面パターンSPと、出
力端子O2 に接続される部品面パターンPPにより形成
される。これらの配線パターンがループコイルLCを形
成している。端子V1および端子V2はホール素子HDの
電源端子である。ループコイルLCは図9(b)に示す
ように、出力端子O2 とホールチップHC(ホール素子
HDの半導体チップ部分)とを接続するリード線LP2
と、ホールチップHCと出力端子O1 とを接続するリー
ド線LP1 と、出力端子O1 とスルーホールTHを介し
て接続され、出力端子O2 の直下までループ状に配線さ
れた半田面パターンSPにより形成される。また、セン
サ出力への配線パターンは部品面パターンPPと半田面
パターンSPで構成されるが、部品面パターンPPと半
田面パターンSPを上下に平行に配線することで磁場の
影響を受けないようにする。従って、ループコイルLC
が半田面PKSで形成されるため、ホール素子HDとル
ープコイルLCからなる磁気センサの実装間隔は、図9
(c)に示すようにホール素子のサイズ間隔とすること
ができる。また、ループコイルで検出される微分磁束密
度の変化は、実行的に図9(d)に示すループパターン
で囲まれた面積の重心CT0における変化とみなされ
る。従って、ループコイルの形状を適当に設計すること
で、ループコイルの検出位置を設定することができる。
図9(d)は、磁気センサSR0のループコイル重心C
T0が、となりの磁気センサSR2のホール素子HD1
の中心位置(ホールチップ実装位置)となる例を示して
いる。また、ループコイル重心を磁気センサ間隔の中間
位置となるような形状とすることもできる。後者の場合
には、ループコイルにより検出される磁気変化は、実効
的に、隣接するホール素子の中間位置の磁気変化となる
ため、これを利用すれば、磁気センサ間隔をホール素子
間隔の1/2とすることができ、測定精度向上を図るこ
とができる。もちろんホール素子のみの構成とし、測定
された磁束密度から微分磁束密度を計算により求めても
よい。また、ループコイルのみの構成とし、測定された
電圧(微分磁束密度)から磁束密度を計算により求めて
もよい。
【0052】図9に示す磁気センサで磁気変化を測定す
る場合は、磁気センサの構成上、ホール素子による検出
信号には、ループコイルによる検出信号が加算される。
従って、ホール素子による真の検出信号を得るには、ホ
ール素子への印加電源を遮断し、ホール素子を非活性状
態として、ループコイルによる検出出力のみを測定し、
(ホール素子+ループコイル)の検出信号から差し引く
必要がある。
【0053】図7に示すように、制御部20は、センサ
部10を制御するセンサ制御部20aと、検出信号SR
Sをデジタルデータに変換する信号処理部20bとを備
える。センサ制御部20aは、励磁制御部24とセンサ
出力制御部25とセンサ電源制御部26を備える。励磁
制御部24は励磁部11で静磁場の発生および遮断を行
うための駆動信号CLSを出力する。励磁部11として
励磁コイルを使用する場合には、駆動信号CLSは励磁
コイルの印加電圧である。従って、励磁制御部24の回
路構成は、励磁コイルを駆動可能な印加電圧を印加およ
び遮断できる一般的な回路構成であればよい。センサ出
力制御部25はアレーセンサ12の16個の磁気センサ
出力を順次選択する4ビットのセンサ出力切換信号SW
Sを出力する。センサ電源制御部26は、磁気センサ中
のホール素子の電源供給を「オン/オフ」するセンサ電
源切換信号PWSを出力する。
【0054】信号処理部20bは、アレーセンサ12か
らの検出信号SRSをA/D変換部22の入力仕様に整
合させる波形整形部21と、入力された検出信号をA/
D変換するA/D変換部22と、A/D変換後のデジタ
ルデータを記憶するデュアルポートメモリ23と、A/
D変換部22のタイミングを制御するA/D制御部22
aと、デュアルポートメモリ23の書き込み/読み出し
を制御するメモリ制御部23aとを備える。検出信号S
RSの過渡変化特性のうち、渦電流損失の影響が顕著に
現れるのは、鉄鋼板の場合には、静磁場遮断後10μs
程度以下(平均3μs〜6μs程度)である。この事実
と、データ処理精度とを考慮すると、A/D変換部22
は、変換速度4Msps以上、変換精度12ビット以上
とすることが好ましい。
【0055】データ処理部30では、図7に示すセンサ
部10から出力され、信号処理部20bによって信号処
理された検出データを処理して、スポット溶接部のイン
デテーション径、ナゲット径および接合径が求められ
る。データ処理部30は、図示しないCPUやメインメ
モリを含むコンピュータシステムである。後述する種々
のデータ処理は、メインメモリ(記憶媒体)に記憶され
たコンピュータプログラムをCPUが実行することによ
って実現される。
【0056】本発明を実施するための装置構成は、上記
構成に限定されるものではない。例えば、図7に示す構
成において、センサ出力切換部13をなくし、信号処理
部20bを磁気センサの数だけ備え、各磁気センサ出力
の信号処理を並列に行う構成としてもよい。
【0057】C.測定の詳細:鉄鋼板のスポット溶接部
の溶接形状測定は、次のような手順で行われる。図10
は磁気センサの検出出力およびそのデータ処理の例を示
す。
【0058】(1)静磁場の印加および遮断:図7に示
す励磁制御部24から駆動信号CLSを出力し、励磁部
11における静磁場の発生および遮断を制御する。図1
0(a)に示すように、まず高速に静磁場を発生させる
ため、駆動信号CLSを期間tH において高電圧信号V
H とする。次に、測定対象内の磁束密度を安定させるた
めに必要な期間tL において、駆動信号CLSを低電圧
信号VL とする。その後、静磁場を遮断するため、遮断
時間tR で駆動信号CLSを遮断する。遮断時間tR
は、静磁場遮断後において渦電流損失による影響が最も
顕著に測定できる値とすることが好ましい。例えば、鉄
鋼板の場合tR は約3μs〜約6μsの間とするのがよ
い。
【0059】(2)磁気変化測定:上記静磁場の印加お
よび遮断の過程において、測定対象近傍の磁束変化を図
7に示すアレーセンサ12で測定する。図11は、磁束
変化測定の手順を示すフローチャートである。まず、ス
テップS1では、センサ電源制御部26のセンサ電源切
換信号PWSにより、各磁気センサのホール素子に電源
を供給する。ステップS2では、センサ出力制御部25
からセンサ出力切換信号SWSを出力し、アレーセンサ
12の中から磁気センサを一つ選択する。ステップS3
では、静磁場の印加および遮断を行い、磁気センサの出
力を検出する。図10(b)は、こうして得られた磁気
センサの出力変化を示している。前述したように、ホー
ル素子が動作している場合には、磁気センサの出力SR
Sはホール素子の出力電圧HOとループコイルの出力電
圧LO とが加算された値を示す。検出信号SRSは、信
号処理部20bで信号処理される。そして、ステップS
2、S3を繰り返すことによって各磁気センサSR0〜
SR15のホール素子出力について磁束変化の測定を行
う。次に、ステップS5では、センサ電源制御部26の
センサ電源切換信号PWSにより、各磁気センサのホー
ル素子の電源を遮断する。ホール素子の電源を遮断する
と、アレーセンサ12の出力はループコイルの出力のみ
となる。ステップS6では、センサ出力制御部25から
センサ出力切換信号SWSを出力し、磁気センサを選択
する。ステップS7では、静磁場の印加および遮断を行
って、磁気センサの出力を検出する。図10(c)は、
ステップS7で得られる磁気センサの出力変化、すなわ
ちループコイル出力LO を示している。この検出信号S
RSも信号処理部20bで信号処理される。そして、ス
テップS6、S7を繰り返すことにより、各磁気センサ
SR0〜SR15のループコイルについて順次磁束変化
の測定を行う。なお、信号処理部20bでは、検出信号
SRSが、A/D変換部22により、変換速度4Msp
sで12ビットのデジタルデータに変換されて、デュア
ルポートメモリ23に記憶される。
【0060】(3)データ処理:こうして上述した測定
データが得られた後で、図7に示すデータ処理部30に
おいて、デュアルポートメモリ23に記憶された各磁気
センサSR0〜SR15の検出データそれぞれについて
データ処理し、溶接形状特定に必要なデータを求める。
【0061】図12は、データ処理部30におけるデー
タ処理のながれを示すフローチャートである。まず、ス
テップS10では、図10(b)に示す磁束変化(HO
+LO )を表すデータD1から、図10(c)に示す磁
束変化(LO )を示すデータD2を減算し、真のホール
素子出力HO (図10(d))を得る。ステップS11
では、このホール素子出力HO から静磁束密度I0 を求
める。磁束密度が変化していなければ、ループコイルの
出力は0なので、静磁束密度I0 は図10(b)の初期
のセンサ出力からも求められる。
【0062】ところで、図10(c)に示すループコイ
ル出力LO は、前述した(6)式で与えられる微分磁束
密度に比例した値であり、磁気エネルギー減衰特性(右
辺第1項)と渦電流損失減衰特性(右辺第2項)の合成
として表される。そこで、図12のステップS13、S
14では、ループコイル出力LO のデータを分析するこ
とによって、磁気エネルギー減衰特性の時定数τ1 およ
び渦電流損失の減衰特性τ2 を求める。例えば、ループ
コイル出力LO の変化を表す関数式を最小2乗法により
求め、(6)式をテーラー展開した式との係数比較によ
り、τ1 およびτ2 を導出することができる。この機能
は、本発明の時定数決定手段に相当する。図10
(e)、(f)は、こうして得られた時定数τ1 、τ2
で表される減衰特性をそれぞれ示している。
【0063】(4)溶接形状の特定 次に、図12のステップS12では、求められた磁気セ
ンサ位置に対する静磁束密度の関係からインデテーショ
ン径を求める。また、ステップS15では、磁気センサ
位置に対する磁気エネルギー減衰特性の時定数τ1 の関
係からナゲット径を求め、ステップS16では、磁気セ
ンサ位置と渦電流損失減衰特性の時定数τ2 の関係から
接合径を求める。図13は、スポット溶接部の磁束測定
により得られた、磁気センサ位置に対する静磁束密度I
0 の関係、磁気センサ位置に対する時定数τ1 の変化の
関係、磁気センサ位置に対する時定数τ2 の関係の一例
を示す。図示のようにインデテーション部では、静磁束
密度が減少するため、静磁束密度の変化点を求めればイ
ンデテーション径を求めることができる。ナゲット部で
は、磁気エネルギー減衰特性の時定数τ1 が減少するた
め、時定数τ1 の変化点を求めればナゲット径を求める
ことができる。接合部では、接合端に対してある一定の
間隔位置において渦電流損失の減衰特性の時定数τ2 が
増加するため、時定数τ2 の変化点を求めれば接合径を
求めることができる。これらの構造特性を求める機能
は、本発明の構造特性決定手段に相当する。
【0064】図14は、接合径を求める方法の一例を示
す。図14(a)に示すように、各磁気センサ位置に対
する時定数τ2 の変化データの近似曲線f(x)を最小
2乗法により求める。このとき、近似波形の近似精度を
考慮して6次以上の近似式とすることが好ましい。但
し、6次以上に限定されるものではなく、近似される波
形形状によっては6次以下でもよい。各波形の変化点は
波形傾斜の最大点または最小点であるから、近似曲線の
1階微分f' (x)および2階微分f''(x)を求め、
f''(x)=0の解のうちf' (x)に代入した場合に
最大および最小を示す解β1 およびβ2 を求める。求め
られたβ1 およびβ2 において時定数τ2が最も急激に
変化する。従って、これらβ1 およびβ2 の位置(図1
4(a)のf''(x)を参照)が、接合端の影響による
磁束の磁路が変化する位置(磁路長変化点)である。図
14(b)は、鉄鋼板IP1 の板厚mに対する磁路長変
化点と接合端の間隔の関係g(m)を示す。この関係
は、実験的にあらかじめ求めることができる。従って、
接合径rc は次の式(9)から求めることができる。
【0065】
【数9】
【0066】インデテーション径は、図13(b)のグ
ラフを図14の手順で解析することにより、上記と同様
にして(9)式から求めることができる。また、ナゲッ
ト径も、図13(d)のグラフを図14の手順で解析す
ることにより、上記と同様にして(9)式から求めるこ
とができる。但し、インデテーション径およびナゲット
径は、解β1 およびβ2 から直接求めることができるた
め、(9)式のg(m)は0とする。
【0067】D.他の実施例:本発明の測定原理は、ス
ポット溶接の溶接形状測定のみならず、以下に例示する
ように、他の種々の測定に適用可能である。
【0068】(1)ある材料(導電性の磁性体)の内部
に欠陥が存在する場合、欠陥部を通る磁束は、スポット
溶接の接合端近傍における磁路の変化と同様に、欠陥を
避けるようにその磁路が変化する。この磁路の変化を、
静磁場遮断後の磁気変化における渦電流損失減衰特性の
時定数τ2 の急激な変化として検出することができ、欠
陥の有無を測定することができる。図15は被測定物内
の欠陥有無を測定する場合の概念図を示す。例えば、図
15(a)に示すように、断面コの字状の励磁コイルで
あって、コの字の両端突出部を磁極N極とS極とする励
磁コイルCLを、N極とS極が被測定物OB内の欠陥部
Dを挟むように配置する。そして、N極の直下で被測定
物OBの表面近傍に、アレーセンサSRを、N極とS極
を結ぶ方向にアレーセンサSRを構成する各磁気センサ
が一列に並ぶように配置する。この励磁コイルCLで被
測定物OBに静磁場を印加し、遮断後の被測定物OB近
傍における磁束変化をアレーセンサSRで測定する。こ
の時、アレーセンサSRの一端にある磁気センサSb側
を通る磁束は被測定物OBの浅い位置を通り、アレーセ
ンサSRの他端にある磁気センサSa側を通る磁束は被
測定物OBの深い位置を通る。すなわち、磁気センサの
位置は、被測定物OBの深さ方向を表す。図15(b)
は、磁気センサ位置に対する渦電流損失減衰特性の時定
数τ2 の変化の関係を示す。センサSbは被測定物の浅
い位置を通過する磁束の変化を測定し、センサSaは被
測定物のより深い位置を通過する磁束の変化を測定す
る。従って、ある深さの磁束通過位置のどこかに欠陥が
存在している場合、図15(b)に示すように、その深
さ位置において渦電流損失減衰特性の時定数τ2 に急変
化が発生し、欠陥の有無やその形状・寸法を特定するこ
とができる。
【0069】図16は被測定物内の欠陥有無を測定し、
欠陥位置を特定する場合の概念図を示す。断面コの字状
の励磁コイルCL1とCL2とを図16(a)に示すよ
うに直交に配置し、各励磁コイルCL1およびCL2の
磁極の一方の直下にそれぞれ2次元アレーセンサSRa
およびSRbを配置する。2次元アレーセンサSRaお
よびSRbは図16(b)に示すような2次元に磁気セ
ンサを配置したものである。これにより、図16(c)
に示すように、被測定物内OBの欠陥部Dに対して測定
を行った場合、その欠陥の縦、横、深さ方向の分布を測
定可能であり、欠陥の位置や形状・寸法を特定すること
ができる。
【0070】(2)鉄鋼板IPの焼き入れ部や浸炭層は
その抵抗率が高くなっており、渦電流損失減衰特性の時
定数τ2 が小さくなる。このことは、前述した測定原理
で説明したように、(4b)式から明かである。従っ
て、鉄鋼材の焼き入れや浸炭層の状態(深さ)や強度
を、静磁場遮断後の磁気変化における渦電流損失減衰特
性の時定数τ2 の変化として検出することができる。図
17は鉄鋼板内の焼き入れ状態および強度を測定する場
合の概念図を示す。図17(a)に示すように、図15
(a)と同様な励磁コイルCLおよびアレーセンサSR
の配置とし、静磁場遮断後の磁気変化における渦電流損
失減衰特性の時定数τ2 の変化を測定する。図17
(b)は、磁気センサ位置に対する渦電流損失特性の時
定数τ2 の変化の関係を示す。センサSbは被測定物の
浅い位置を通過する磁束の変化を測定し、センサSaは
被測定物のより深い位置を通過する磁束の変化を測定す
る。従って、図17(b)に示すように、センサ位置に
対する渦電流損失特性の時定数τ2 の変化から、焼き入
れ深さと焼き入れ強度を推定することができる。
【0071】(3)図18は、本発明の測定原理を利用
した応力センサの概念図を示す。図18(a)は静磁場
を印加する励磁コイルおよび磁束変化を測定する磁気セ
ンサの構造を示す上面図である。励磁コイルCLは、外
径が円筒形でその下側の中心部が円筒形のN極で外周部
がS極の凹凸構造を備える。アレーセンサSRはS極の
直下にならべて実装する構造である。図18(b)は、
被測定物OBに、図18(a)に示す構造の励磁コイル
CLとアレーセンサSRを用いて、静磁場を印加した場
合の断面図を示す。アレーセンサSRは、被測定物を磁
化させた後に静磁場を遮断し、被測定物近傍の磁気変化
を測定する。被測定物に何も応力が加わっていない場合
は、測定された磁束密度分布は図18(c)に示すよう
に実線で示した円形の分布を示す。一方、図18(c)
に示すような矢印方向に応力が加わった場合は、磁束密
度分布は一点鎖線で示した歪みを生じる。ここで、応力
の加わった部分は、透磁率が変化し、インダクタンスが
変化するため、渦電流損失の減衰特性の時定数τ2 が変
化する。応力が加わる過程で上記励磁コイルCLの直下
に配置されたアレーセンサSRにおける渦電流損失の減
衰特性の時定数τ2 の変化を求めれば、被測定物に加わ
る応力を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の測定装置の概略構成とその動作とを示
す概念図。
【図2】残留磁気の消失過程モデルを示す説明図。
【図3】図2(b)の磁束密度φ1 の閉ループを磁気等
価回路に置き換えた説明図。
【図4】静磁界を遮断した直後のアレーセンサSRの任
意の一つを通過する磁束i1 (=φ1 )の閉ループC0
を示す説明図。
【図5】アレーセンサSRで測定される磁束の変化を説
明する説明図。
【図6】スポット溶接部の接合端近傍の磁束の状態と、
渦電流損失の減衰特性の時定数τ2 の変化の関係を示す
説明図。
【図7】鉄鋼板のスポット溶接部の溶接状態を測定する
装置の構成を示すブロック図。
【図8】センサ部の実装例を示す図。
【図9】アレーセンサ12の構成例を示す概念図。
【図10】磁気センサの検出出力およびデータ処理の例
を示す説明図。
【図11】磁束変化測定の手順を示すフローチャート。
【図12】データ処理部30におけるデータ処理のなが
れを示すフローチャート。
【図13】スポット溶接部の磁束測定により得られた、
磁気センサ位置に対する静磁束密度I0 の関係、磁気セ
ンサ位置に対する時定数τ1 の変化の関係、磁気センサ
位置に対する時定数τ2 の変化の関係を示す説明図。
【図14】接合径を求める方法の一例を示す説明図。
【図15】被測定物内の欠陥有無を測定する場合の概念
図。
【図16】被測定物内の欠陥有無を測定し、欠陥位置を
特定する場合の概念図。
【図17】鉄鋼板内の焼き入れ状態および強度を測定す
る場合の概念図。
【図18】本発明の測定原理を利用した応力センサの概
念図。
【図19】スポット溶接部の断面構造を示す説明図。
【符号の説明】
10…センサ部 11…励磁部 12…アレーセンサ 13…センサ出力切換部 14…バッファアンプ 15…センサ電源切換部 20…制御部 20a…センサ制御部 20b…信号処理部 21…波形整形部 22…A/D変換部 22a…A/D制御部 23…デュアルポートメモリ 23a…メモリ制御部 24…励磁制御部 25…センサ出力制御部 26…センサ電源制御部 30…データ処理部 CL…励磁コイル CLS…駆動信号 PWS…センサ電源切換信号 SR…アレーセンサ SRS…検出信号 SW…スイッチ SWS…センサ出力切換信号

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体である被測定物の内部構造を測定
    する方法であって、(a)被測定物に静磁場を印加して
    前記被測定物を磁化させる工程と、(b)前記静磁場を
    遮断した後に、前記被測定物の近傍の複数位置における
    微分磁束密度の過渡変化を測定する工程と、(c)前記
    複数位置における前記微分磁束密度の過渡変化の時定数
    を求める工程と、(d)前記複数位置に対する前記時定
    数の分布から前記被測定物の内部構造に関する所定の特
    性値を求める工程と、を備えることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、 前記工程(c)は、 前記微分磁束密度の過渡変化を、前記静磁場によって生
    起された第一の磁束密度の減衰に対応する第一の微分磁
    束密度の過渡変化と、前記第一の磁束密度の減衰により
    誘導される渦電流によって生起される第二の磁束密度の
    減衰に対応する第二の微分磁束密度の過渡変化との合成
    とみなして、前記第一の微分磁束密度の過渡変化を決定
    する第一の時定数と、前記第二の微分磁束密度の過渡変
    化を決定する第二の時定数と、の少なくとも一方を求め
    る工程を含む、方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、 前記被測定物は、2枚の金属板をスポット溶接によって
    接合した接合板であり、 前記工程(d)は、前記第一の時定数の分布からスポッ
    ト溶接部のナゲット部の形状を求める工程を含む、方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の方法であって、 前記被測定物は、2枚の金属板をスポット溶接によって
    接合した接合板であり、 前記工程(d)は、前記第二の時定数の分布からスポッ
    ト溶接部の接合部の形状を求める工程を含む、方法。
  5. 【請求項5】 磁性体の内部構造を測定する装置であっ
    て、 被測定物に静磁場を印加して前記被測定物を磁化させる
    静磁場印加手段と、 前記静磁場を遮断した後に、前記被測定物の近傍の複数
    位置における微分磁束密度の過渡変化を測定する測定手
    段と、 前記複数位置における前記微分磁束密度の過渡変化の時
    定数を求める時定数決定手段と、 前記複数位置に対する前記時定数の分布から前記被測定
    物の内部構造に関する所定の特性値を求める構造特性決
    定手段と、を備えることを特徴とする装置。
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