JP3098109U - スイッチの特性試験装置 - Google Patents

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岩崎 健
肥後 源志
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Abstract

【課題】押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定するスイッチの特性試験装置であって、押し込みスイッチの取り付け場所、取り付け方向を選ばず、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチであってもそのままの状態で測定することができる軽量かつ簡便で安価なスイッチの特性試験装置を提供する。
【解決手段】変位計2と、変位計2の測定棹2aを押圧するロードセル3と、ロードセル3を保持するロードセルホルダ4とを備え、ロードセルホルダ4は、把持部4aを把持されて測定棹2aの方向に変位させられることにより、測定棹2aをロードセル3で押圧し、ロードセル3は、測定棹2aからの反力を測定することにより押し込みスイッチ1の操作圧力を測定し、変位計2は、測定棹2aの軸2f方向の変位量を測定することにより押し込みスイッチ1のストロークを測定する。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、例えば家電製品などの電気器具における押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定するスイッチの特性試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気器具における押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定するスイッチの特性試験装置として、変位計により押し込みスイッチのストロークを測定しながらロードセルにより押し込みスイッチの操作圧力を測定する試験装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、押し込みスイッチを載置する試験台と、押し込みスイッチの操作力測定用荷重センサーと、操作力測定用ストロークセンサーとを備え、これらのセンサを上下方向に移動するスライド機構により押し込みスイッチに押し付けて押し込みスイッチの操作圧力とストロークを測定するスイッチ操作力特性試験装置の技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、パレットに保持される押し込みスイッチに、操作ブロックにより荷重測定器と、測長バーを持つ測長器とを押し付けて押し込みスイッチのストロークと操作圧力を測定する電子部品の検査装置の技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−128137
【特許文献2】
特開平10−253506
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のスイッチの特性試験装置では、いずれも試験台あるいはパレットに押し込みスイッチを保持させた状態で、スライド機構や操作ブロックにより操作力測定用荷重センサーと操作力測定用ストロークセンサーと、あるいは荷重測定器と測長器とを移動させなければならず、大掛かりで高価な機構になるという不具合があった。
【0007】
また、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチなどは、スイッチを機器から取り外さなければこれらの装置で試験できないという問題があった。
【0008】
本考案は上記不具合に鑑みてなされたものであり、押し込みスイッチの取り付け場所、取り付け方向を選ばず、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチであってもスイッチを機器から取り外すことなくそのままの状態で測定することができるという軽量かつ簡便で安価なスイッチの特性試験装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本考案は、押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定するスイッチの特性試験装置であって、上記押し込みスイッチを押圧するプローブ端が一端に設けられた棒状の測定棹と、測定棹の軸方向の変位量を測定する変位計本体とを有する変位計と、上記変位計の測定棹の他端に設けられた押圧部を押圧するロードセルと、上記ロードセルを一端に保持するロードセルホルダとを備え、上記ロードセルホルダは、ロードセルホルダに設けられた把持部を把持されてロードセルの測定軸に沿って測定棹の方向に変位させられることにより、測定棹の押圧部をロードセルで押圧するものであり、上記ロードセルは、測定棹の押圧部からの反力を測定することにより押し込みスイッチの操作圧力を測定するものであり、上記変位計は、測定棹の軸方向の変位量を測定することにより押し込みスイッチのストロークを測定するものであることを特徴とするスイッチの特性試験装置である。
【0010】
本考案によれば、ロードセルホルダに設けられた把持部を把持して、ロードセルを測定棹の押圧部に押圧することにより、押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定することができるという軽量かつ簡便で安価なスイッチの特性試験装置とすることができる。また、押し込みスイッチの取り付け場所、取り付け方向を選ばないので、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチであってもスイッチを機器から取り外すことなくそのままの状態で測定することができる。
【0011】
上記スイッチの特性試験装置は、好ましい態様として、上記変位計本体を保持する変位計台座と、この変位計台座と上記ロードセルホルダとの間に設けられ、ロードセルの押圧部への押圧を案内するロードセルホルダ案内手段とを備え、上記変位計台座は、押し込みスイッチの操作軸と、測定棹の軸とが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに位置づけるものであり、上記ロードセルホルダ案内手段は、測定棹の軸と、ロードセルの測定軸とが,概ね一直線上に並ぶようにロードセルの押圧部への押圧を案内するものであることを特徴としている。
【0012】
この好ましい態様によれば、変位計台座が、押し込みスイッチの操作軸と、測定棹の軸とが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに位置づけ、またロードセルホルダ案内手段が、測定棹の軸と、ロードセルの測定軸とを,概ね一直線上に並ぶようにロードセルを案内するので、正確に押し込みスイッチの操作軸と、測定棹の軸と、ロードセルの測定軸とを一直線上に並ぶようにすることができる。
【0013】
また、上記変位計台座とロードセルホルダとの間には、ロードセルホルダを変位計台座から遠ざける方向に付勢する付勢部材が設けられ、ロードセルホルダとロードセルホルダ案内手段との間には、ロードセルホルダがロードセルホルダ案内手段から離脱しないようにロードセルホルダ案内手段側に規制するストッパーが設けられていることが好ましい。
【0014】
この好ましい態様によれば、付勢部材が、ロードセルホルダを変位計台座から遠ざける方向に付勢するとともに、ストッパーが、ロードセルホルダがロードセルホルダ案内手段から離脱しないようにロードセルホルダ案内手段側に規制するので、押し込みスイッチを試験しない場合は、ロードセルホルダが押し込みスイッチから退避してストッパーに規制された退避状態に維持することができる。また、付勢部材の付勢力に抗してロードセルホルダを変位計台座に近づける方向に変位させるだけで、押し込みスイッチを試験する押し込み状態にすることができる。
【0015】
そして、上記ロードセルホルダ案内手段は、上記変位計台座に立設された少なくとも3本の支柱をロードセルホルダに設けられ、各支柱に対応するガイド孔にそれぞれ挿通させることにより、ロードセルの押圧部への押圧を案内するものであり、上記ストッパーは、それぞれの支柱の頂部に設けられたボルト頭でロードセルホルダのガイド孔の縁部を係止することによりロードセルホルダのガイド孔が支柱から離脱しないように規制するものであることが好ましい。
【0016】
この好ましい態様によれば、支柱をガイド孔にそれぞれ挿通させるという簡単な構造で、正確にロードセルの押圧部への押圧を案内することができる。また、それぞれの支柱の頂部にボルト頭を設けてガイド孔の縁部を係止するという簡単な構造で、確実にロードセルホルダのガイド孔が支柱から離脱しないように規制することができる。
【0017】
また、上記測定棹の押圧部とロードセルホルダとの間には、測定棹の軸とロードセルの測定軸とが概ね一直線上に並ぶように、測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内する押圧部案内手段が設けられていることが好ましい。
【0018】
この好ましい態様によれば、押圧部案内手段が、測定棹の軸とロードセルの測定軸とが概ね一直線上に並ぶように、測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内するので、正確に測定棹の軸と、ロードセルの測定軸とを一直線上に並ぶようにすることができる。
【0019】
そして、上記測定棹の押圧部とロードセルホルダとの間には、ロードセルホルダを測定棹の押圧部から遠ざける方向に付勢する付勢部材が設けられ、測定棹の押圧部と押圧部案内手段との間には、押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制するストッパーが設けられていることが好ましい。
【0020】
この好ましい態様によれば、付勢部材が、ロードセルホルダを測定棹の押圧部から遠ざける方向に付勢するとともに、ストッパーが、押圧部を押圧部案内手段から離脱しないように規制するので、押し込みスイッチを試験しない場合は、測定棹の押圧部がロードセルから退避してストッパーに規制された圧力非測定状態に維持することができる。また、押し込みスイッチを試験する時には、ロードセルホルダを付勢部材の付勢力に抗して測定棹の押圧部に近づければ、測定棹の押圧部がロードセルに当接して圧力測定状態にすることができる。
【0021】
上記押圧部案内手段は、ロードセルホルダに設けられた案内孔の内面に押圧部に設けられた摺動部を摺動させることにより測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内するものであり、上記ストッパーは、案内孔の開口部に設けられた規制板により押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制するものであることが好ましい。
【0022】
この好ましい態様によれば、ロードセルホルダに設けられた案内孔の内面に押圧部に設けられた摺動部を摺動させるという簡単な構造により正確に測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内することができる。また、案内孔の開口部に設けられた規制板により押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制するという簡単な構造により、確実に押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制することができる。
【0023】
上記変位計台座は、少なくとも3本の柱状の脚部を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに当接させることにより、スイッチパネルに位置づけられるものであることが好ましい。
【0024】
この好ましい態様によれば、少なくとも3本の柱状の脚部を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに当接させるという簡単な変位計台座の構造により、正確に押し込みスイッチの操作軸と、測定棹の軸とが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに位置づけることができる。
【0025】
【考案の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本考案の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の構成を示す側面図であり、図2は本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の構成を示す上面図である。また、図3は本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の構成を示す底面図であり、図4は本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の構成を示す断面図である。
【0026】
図1〜図4(主に図4)を参照して、図示の本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10は、押し込みスイッチ1の操作圧力とストロークとを測定するものであって、測定棹2aと、測定棹2aの軸2f方向の変位量を測定する変位計本体2bとを有する変位計2と、ロードセル3と、ロードセル3を一端に保持するロードセルホルダ4と、変位計本体2bを保持する変位計台座5とを備えている。
【0027】
また、この変位計台座5とロードセルホルダ4との間には、ロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内するロードセルホルダ案内手段6が設けられており、さらに、測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との間には、測定棹2aの軸2fとロードセル3の測定軸3aとが概ね一直線上に並ぶように、測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内する押圧部案内手段7が設けられている。
【0028】
上記押し込みスイッチ1は、本実施形態では家電製品、その他の電気器具に採用されている一般的な押し込み式のスイッチであり、詳細は図示しないが、押し込みスイッチ1の操作のための合成樹脂等からなる押ボタン1aが、電気器具本体のパネル1bに配置されている。
【0029】
上記変位計2は、押し込みスイッチ1を押圧するプローブ端2cが一端に設けられた棒状の測定棹2aと、測定棹2aの軸2f方向の変位量を測定する変位計本体2bとを有し、測定棹2aの軸2f方向の変位量を測定することにより押し込みスイッチ1のストロークを測定するものである。本実施形態では一般的に市販されている磁気誘導方式の1軸変位計が採用されており、測定棹2aに設けられた強磁性体からなる測定子2dの位置を変位計本体2bに設けられた図略の電磁コイルにより精度良く検出し、この測定子2dの位置に対応した電気信号を変位計出力線2gから出力することができるようになっている。
【0030】
上記ロードセル3は、上記変位計2の測定棹2aの他端に設けられた押圧部2eを押圧するとともに、測定棹2aの押圧部2eからの反力を測定することにより押し込みスイッチ1の操作圧力を測定するように構成されたものである。一般的に市販されている小型の歪検知式ロードセルが採用されており、このロードセル3の荷重に対応した歪の電気信号をロードセル出力線3bから出力することができるようになっている。
【0031】
上記ロードセルホルダ4は、押圧部2e側の一端にロードセル3を保持するものであり、金属製もしくは合成樹脂製の一体成形品で構成され、操作者が把持部4aを把持してロードセル3の測定軸3aに沿って測定棹2aの方向にロードセルホルダ4を変位させることにより、測定棹2aの押圧部2eをロードセル3で押圧することができるようになっている。
【0032】
なお、このロードセルホルダ4は、操作者が把持部4aを把持してスイッチの特性試験装置10を操作するだけでなく、機械的にロードセルホルダ4を保持してスイッチの特性試験装置10を扱うことができるように、ロードセルホルダ4の軸に沿って取り付けねじ4bが設けられている。そして、図示しないが、この取り付けねじ4bを介してロボットアームなどの外部の機械的移送手段と接続することにより、スイッチの特性試験装置10を自動的に扱うことができるようになっている。
【0033】
上記変位計台座5は、図略のねじにより、変位計本体2bを変位計台座5のベースプレート5aに保持するとともに、押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fとが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体2bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに位置づける金属製もしくは合成樹脂製の部材であり、本実施形態では、ベースプレート5aに設けられた3本の柱状の脚部5bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに当接させることにより、変位計本体2bをスイッチパネル1bに位置づけている。
【0034】
上記ロードセルホルダ案内手段6は、測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとが,概ね一直線上に並ぶようにロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内するものである。
【0035】
このロードセルホルダ案内手段6は、本実施形態では、変位計台座5に立設された金属製の3本の支柱6aを、各支柱6aに対応するロードセルホルダ4のガイド孔6bにそれぞれ挿通させることにより、ロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内するように構成されている。
【0036】
上記押圧部案内手段7は、ロードセルホルダ4に設けられた案内孔7aの内面に押圧部2eに設けられた摺動部7bを摺動させることにより測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内することができるようになっている。
【0037】
ここで、上記変位計台座5とロードセルホルダ4との間には、付勢部材8が設けられている。また、ロードセルホルダ4とロードセルホルダ案内手段6との間には、ロードセルホルダ4がロードセルホルダ案内手段6から離脱しないようにロードセルホルダ案内手段6側に規制するストッパー9が設けられている。
【0038】
上記付勢部材8は、鋼製の弦巻バネが採用されており、ロードセルホルダ4を変位計台座5から遠ざける方向に付勢している。
【0039】
上記ストッパー9は、それぞれの支柱6aの頂部に設けられたボルト頭9aでロードセルホルダ4のガイド孔6bの縁部を係止することによりロードセルホルダ4のガイド孔6bが支柱6aから離脱しないように規制している。
【0040】
また、上記測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との間には、付勢部材11が設けられ、測定棹2aの押圧部2eと押圧部案内手段7との間には、押圧部2eが押圧部案内手段7から離脱しないように規制するストッパー12が設けられている。
【0041】
上記付勢部材11は、鋼製の弦巻バネが採用されており、測定棹2aの押圧部2eをロードセル3から遠ざける方向に付勢している。
【0042】
上記ストッパー12は、案内孔7aの開口部にねじ12bで取り付けられた規制板12aにより押圧部2eが押圧部案内手段7から離脱しないように規制している。
【0043】
ここで、図5は本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の測定結果表示システム13の構成を示すブロック図である。
【0044】
スイッチの特性試験装置10の表示システム13においては、変位計出力線2gに出力された変位計2の測定子2dの位置に対応した電気信号は、増幅器13aとA/D変換器13bとを介してパソコンなどのコンピュータ13cに入力される。また、ロードセル出力線3bに出力されたロードセル3の荷重に対応した歪の電気信号もまた、表示器付きの増幅器13dとA/D変換器13eとを介してパソコンなどのコンピュータ13cに入力され、これら両電気信号に基づく測定データは、コンピュータ13cでデータ処理が行われた後、測定結果としてコンピュータ13cに付属のCRT13fに表示されるように構成されている。
【0045】
次に図4と、図6〜図10とを参照して、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の作用について説明する。
【0046】
図6〜図8は、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の作用を示す断面図であり、図6は、スイッチの特性試験装置10のプローブ端2cが押し込みスイッチ1に当接した直後の状態を、図7は、ロードセル3が、押圧部2eの押圧を開始した状態を、図8は、プローブ端2cが押し込みスイッチ1を押し込んだ状態をそれぞれ示している。また、図9は、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の特性試験手順を示すフロー図であり、図10は、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10の測定結果を示すグラフである。
【0047】
まず、スイッチの特性試験装置10が押し込みスイッチ1に位置決めされていない初期の状態において、スイッチの特性試験装置10は、図4に示すように、付勢部材8が、ロードセルホルダ4を変位計台座5から遠ざける方向に付勢している。また、ストッパー9は、ロードセルホルダ4のガイド孔6bが支柱6aから離脱しないように、それぞれの支柱6aの頂部に設けられたボルト頭9aでロードセルホルダ4のガイド孔6bの縁部を係止している。これにより、ロードセルホルダ4が押し込みスイッチ1から退避してストッパー9に規制された退避状態に維持されている。
【0048】
また、測定棹2aの押圧部2eが、付勢部材11によりロードセル3から退避してストッパー12に規制された圧力非測定状態に維持されている。
【0049】
この初期の状態で、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10は、図9に示すように、ステップS1において、コンピュータ13cの測定プログラムを起動することにより、測定がスタートする。
【0050】
次に、ステップS2において、コンピュータ13cが、ストローク値をS=0、圧力値をL=0に初期設定する。
【0051】
また、ステップS3において、スイッチの特性試験装置10の脚部5bをスイッチパネル1bの面に押し当て、押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fとが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体2bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに位置決めする。
【0052】
そして、ステップS4において、ロードセルホルダ4に設けられた把持部4aを把持して、ロードセルホルダ4を押し下げる。この時、ロードセルホルダ案内手段6は、変位計台座5に立設された3本の支柱6aをガイド孔6bにそれぞれ挿通するようにして測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとが,概ね一直線上に並ぶようにロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内する。
また、押圧部案内手段7が、ロードセルホルダ4に設けられた案内孔7aの内面に押圧部2eに設けられた摺動部7bを摺動させることにより測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内する。
【0053】
そして、図6に示すようにスイッチの特性試験装置10のプローブ端2cが押し込みスイッチ1に当接した状態になる。
【0054】
ここで、さらにロードセルホルダ4を付勢部材8の付勢力に抗して変位計台座5に近づければ、ロードセル3が測定棹2aの押圧部2eに当接して図7に示すような圧力測定状態にすることができる。
【0055】
この時、ロードセル3が、測定棹2aの押圧部2eに当接することにより、ロードセル3からロードセル3の荷重に対応した僅かな歪の電気信号が出力される。
【0056】
さらに、ステップS5において、この僅かな歪の電気信号の有無が判断され、NOの場合は再びステップS4に戻り、ロードセルホルダ4が押し下げられる。また、YESの場合はプローブ端が押し込みスイッチ1に接触して測定可能になったと判断され、ステップS6に進む。
【0057】
ステップS6においては、ロードセルホルダ4が押し下げられる過程において、歪の電気信号が出力されるのが最初かどうかを判断するために、ステップS7で述べるストローク値のリセットS=0が既に行われたかどうかが判断される。そして、NOの場合はステップS7に進み、この僅かな歪の電気信号と変位計2の出力とに対して補正が行われ、この状態でストローク値S=0、圧力値L=0とリセットされる。また、YESの場合は歪の電気信号が出力されるのが最初でないと判断され、ステップS8に進む。
【0058】
そして、ステップS8においては、図8に示すように、さらにロードセルホルダ4が押し下げられ、変位計本体2bが、測定棹2aの軸2f方向の変位量を測定し、またロードセル3が、測定棹2aの押圧部2eからの反力を測定することにより押し込みスイッチ1の操作圧力を測定する。
【0059】
また、ステップS9において、押し込みスイッチの操作圧力がピーク値に達したかどうかが測定の間、常に判断され、NOの場合は再びステップS4に戻り、ロードセルホルダ4が押し下げられる。また、YESの場合は押し込みスイッチ1の操作が完了したと判断され、ステップS9に進む。
【0060】
ステップS10において、測定の間のストローク値S、圧力値Lと、圧力ピーク時のストロークS=Sp、圧力のピーク値L=Lpとが記録されて測定が完了する。
【0061】
ステップS11において、測定の間のストローク値S、圧力値Lと、ストロークのピーク値S=Sp、圧力のピーク値L=Lpと、図10に示すような押し込みスイッチの特性曲線とが出力表示されるとともに、これらのデータは予め入力されて記録されている基準値と比較され、押し込みスイッチの良否の判定結果が出力表示される。
【0062】
そして、ステップS12に進んで検査を終了する。
【0063】
以上説明したように、本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置10によれば、ロードセルホルダ4に設けられた把持部4aを把持して、ロードセル3を測定棹2aの押圧部2eに押圧することにより、押し込みスイッチ1の操作圧力とストロークとを測定することができるという軽量かつ簡便で安価なスイッチの特性試験装置10とすることができる。また、押し込みスイッチ1の取り付け場所、取り付け方向を選ばないので、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチ1であってもスイッチを機器から取り外すことなくそのままの状態で測定することができる。
【0064】
また、変位計台座5が、押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fとが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体2bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに位置づけ、またロードセルホルダ案内手段6が、測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとを,概ね一直線上に並ぶようにロードセル3を案内するので、正確に押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとを一直線上に並ぶようにすることができる。
【0065】
また、付勢部材8が、ロードセルホルダ4を変位計台座5から遠ざける方向に付勢するとともに、ストッパー9が、ロードセルホルダ4がロードセルホルダ案内手段6から離脱しないようにロードセルホルダ案内手段6側に規制するので、押し込みスイッチ1を試験しない場合は、ロードセルホルダ4が押し込みスイッチ1から退避してストッパー9に規制された退避状態に維持することができる。また、付勢部材8の付勢力に抗してロードセルホルダ4を変位計台座5に近づける方向に変位させるだけで、押し込みスイッチ1を試験する押し込み状態にすることができる。
【0066】
そして、支柱6aをガイド孔6bにそれぞれ挿通させるという簡単な構造で、正確にロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内することができる。また、それぞれの支柱6aの頂部にボルト頭9aを設けてガイド孔6bの縁部を係止するという簡単な構造で、確実にロードセルホルダ4のガイド孔6bが支柱6aから離脱しないように規制することができる。
【0067】
また、押圧部案内手段7が、測定棹2aの軸2fとロードセル3の測定軸3aとが概ね一直線上に並ぶように、測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内するので、正確に測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとを一直線上に並ぶようにすることができる。
【0068】
そして、付勢部材11が、ロードセルホルダ4を測定棹2aの押圧部2eから遠ざける方向に付勢するとともに、ストッパー12が、押圧部2eを押圧部案内手段7から離脱しないように規制するので、押し込みスイッチ1を試験しない場合は、測定棹2aの押圧部2eがロードセル3から退避してストッパー9に規制された圧力非測定状態に維持することができる。また、押し込みスイッチ1を試験する時には、ロードセルホルダ4を付勢部材11の付勢力に抗して測定棹2aの押圧部2eに近づければ、測定棹2aの押圧部2eがロードセル3に当接して圧力測定状態にすることができる。
【0069】
また、ロードセルホルダ4に設けられた案内孔7aの内面に押圧部2eに設けられた摺動部7bを摺動させるという簡単な構造により正確に測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内することができる。そして、案内孔7aの開口部に設けられた規制板12aにより押圧部2eが押圧部案内手段7から離脱しないように規制するという簡単な構造により、確実に押圧部2eが押圧部案内手段7から離脱しないように規制することができる。
【0070】
また、少なくとも3本の柱状の脚部5bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに当接させるという簡単な変位計台座5の構造により、正確に押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fとが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体2bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに位置づけることができる。
【0071】
上述した実施の形態は本考案の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本考案は上述した実施の形態に限定されない。
【0072】
例えば、上記押し込みスイッチ1は、家電製品の押し込み式のスイッチに限らず、産業界で用いられている一般的な押し込み式のスイッチが広く採用可能であり、材質も金属、合成樹脂など種々の設計変更が可能である。
【0073】
また、変位計2は、必ずしも磁気誘導方式の1軸変位計に限定されず、機械方式、光学方式など種々の変位計が採用可能である。
【0074】
そして、変位計2のプローブ端2cと押圧部2eとは必ずしも図示のように測定棹2aと別の部材である必要はなく、それぞれ測定棹2aの一端であってもよい。
【0075】
さらに、変位計台座5は、必ずしも図示のようにベースプレート5aと3本の柱状の脚部とを有する形状に限定されない。押し込みスイッチ1の操作軸1cと、測定棹2aの軸2fとが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体2bを押し込みスイッチ1近傍のスイッチパネル1bに位置づけるものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0076】
また、ロードセルホルダ案内手段6も、必ずしも変位計台座5に立設された金属製の3本の支柱6aを、各支柱6aに対応するロードセルホルダ4のガイド孔6bにそれぞれ挿通させることにより、ロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内するように構成されているものである必要はなく、測定棹2aの軸2fと、ロードセル3の測定軸3aとが、概ね一直線上に並ぶようにロードセル3の押圧部2eへの押圧を案内するものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0077】
そして、押圧部案内手段7も、必ずしもロードセルホルダ4に設けられた案内孔7aの内面に押圧部2eに設けられた摺動部7bを摺動させる構成に限定されない。測定棹2aの軸2fとロードセル3の測定軸3aとが概ね一直線上に並ぶように、測定棹2aの押圧部2eとロードセルホルダ4との相対変位を案内するものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0078】
その他、本考案の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0079】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、ロードセルホルダに設けられた把持部を把持して、ロードセルを測定棹の押圧部に押圧することにより、押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定することができるという軽量かつ簡便で安価なスイッチの特性試験装置とすることができる。また、押し込みスイッチの取り付け場所、取り付け方向を選ばないので、既に機器に取り付けられた押し込みスイッチであってもスイッチを機器から取り外すことなくそのままの状態で測定することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の構成を示す側面図である。
【図2】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の構成を示す上面図である。
【図3】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の構成を示す底面図である。
【図4】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の構成を示す断面図である。
【図5】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の測定結果表示システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の作用を示す断面図であり、スイッチの特性試験装置のプローブ端が押し込みスイッチに当接した直後の状態を示している。
【図7】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の作用を示す断面図であり、ロードセルが、押圧部の押圧を開始した状態を示している。
【図8】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の作用を示す断面図であり、プローブ端が押し込みスイッチを押し込んだ状態を示している。
【図9】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の特性試験手順を示すフロー図である。
【図10】本考案の実施の形態に係るスイッチの特性試験装置の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1      押し込みスイッチ
1b    スイッチパネル
1c    操作軸
2      変位計
2a    測定棹
2b    変位計本体
2c    プローブ端
2e    押圧部
2f    測定棹の軸
3      ロードセル
3a    ロードセルの測定軸
4      ロードセルホルダ
4a    把持部
5      変位計台座
5b    脚部
6      ロードセルホルダ案内手段
6a    支柱
6b    ガイド孔
7      押圧部案内手段
7a    案内孔
7b    摺動部
8、11        付勢部材
9、12        ストッパー
9a    ボルト頭
10    スイッチの特性試験装置10
12a  規制板
L      操作圧力
S      ストローク

Claims (8)

  1. 押し込みスイッチの操作圧力とストロークとを測定するスイッチの特性試験装置であって、
    上記押し込みスイッチを押圧するプローブ端が一端に設けられた棒状の測定棹と、測定棹の軸方向の変位量を測定する変位計本体とを有する変位計と、
    上記変位計の測定棹の他端に設けられた押圧部を押圧するロードセルと、
    上記ロードセルを一端に保持するロードセルホルダとを備え、
    上記ロードセルホルダは、ロードセルホルダに設けられた把持部を把持されてロードセルの測定軸に沿って測定棹の方向に変位させられることにより、測定棹の押圧部をロードセルで押圧するものであり、
    上記ロードセルは、測定棹の押圧部からの反力を測定することにより押し込みスイッチの操作圧力を測定するものであり、
    上記変位計は、測定棹の軸方向の変位量を測定することにより押し込みスイッチのストロークを測定するものであることを特徴とするスイッチの特性試験装置。
  2. 上記変位計本体を保持する変位計台座と、この変位計台座と上記ロードセルホルダとの間に設けられ、ロードセルの押圧部への押圧を案内するロードセルホルダ案内手段とを備え、
    上記変位計台座は、押し込みスイッチの操作軸と、測定棹の軸とが概ね一直線上に並ぶように、変位計本体を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに位置づけるものであり、
    上記ロードセルホルダ案内手段は、測定棹の軸と、ロードセルの測定軸とが,概ね一直線上に並ぶようにロードセルの押圧部への押圧を案内するものであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチの特性試験装置。
  3. 上記変位計台座とロードセルホルダとの間には、ロードセルホルダを変位計台座から遠ざける方向に付勢する付勢部材が設けられ、
    ロードセルホルダとロードセルホルダ案内手段との間には、ロードセルホルダがロードセルホルダ案内手段から離脱しないようにロードセルホルダ案内手段側に規制するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチの特性試験装置。
  4. 上記ロードセルホルダ案内手段は、上記変位計台座に立設された少なくとも3本の支柱をロードセルホルダに設けられ、各支柱に対応するガイド孔にそれぞれ挿通させることにより、ロードセルの押圧部への押圧を案内するものであり、
    上記ストッパーは、それぞれの支柱の頂部に設けられたボルト頭でロードセルホルダのガイド孔の縁部を係止することによりロードセルホルダのガイド孔が支柱から離脱しないように規制するものであることを特徴とする請求項3に記載のスイッチの特性試験装置。
  5. 上記測定棹の押圧部とロードセルホルダとの間には、測定棹の軸とロードセルの測定軸とが概ね一直線上に並ぶように、測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内する押圧部案内手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスイッチの特性試験装置。
  6. 上記測定棹の押圧部とロードセルホルダとの間には、ロードセルホルダを測定棹の押圧部から遠ざける方向に付勢する付勢部材が設けられ、測定棹の押圧部と押圧部案内手段との間には、押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスイッチの特性試験装置。
  7. 上記押圧部案内手段は、ロードセルホルダに設けられた案内孔の内面に押圧部に設けられた摺動部を摺動させることにより測定棹の押圧部とロードセルホルダとの相対変位を案内するものであり、
    上記ストッパーは、案内孔の開口部に設けられた規制板により押圧部が押圧部案内手段から離脱しないように規制するものであることを特徴とする請求項6記載のスイッチの特性試験装置。
  8. 上記変位計台座は、少なくとも3本の柱状の脚部を押し込みスイッチ近傍のスイッチパネルに当接させることにより、スイッチパネルに位置づけられるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のスイッチの特性試験装置。
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JP2015124513A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 西松建設株式会社 岩盤性状の予測システム、予測方法および押付力測定装置
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