JP3098089U - コンクリート構造体への貫通孔形成具 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリートの構造体に、正確な、貫通孔を形成することを可能とし、且つ、その形成に要する作業の能率を向上する。
【解決手段】本願考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものであり、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なく2つの端部材1,2と、筒状の袋体にて形成され両端部材間に渡される胴部材3とを備え、胴部材3或いは端部材1,2の少なくとも何れか一方には、ウレタン等の発泡剤を胴部材3内部に注入することが可能な注入部4が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本願考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものであり、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なく2つの端部材1,2と、筒状の袋体にて形成され両端部材間に渡される胴部材3とを備え、胴部材3或いは端部材1,2の少なくとも何れか一方には、ウレタン等の発泡剤を胴部材3内部に注入することが可能な注入部4が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本願考案は、コンクリート構造体への貫通孔形成具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄筋コンクリート製のビルや家屋の建築において、コンクリートの壁に電気などの配線や配管を施すための、貫通孔(設備配管用の梁貫通孔)が形成される。この貫通孔の工法(形成方法)について説明すると、壁を形成するために、コンクリートを梁型の仮枠即ちコンパネ(型枠)内に流す際、子鉄筋の配筋後コンクリートを流す前に、対向するコンパネ間に紙管(スリーブ)を取り付け、コンクリートをコンパネ間へ流し硬化させた後に、当該紙管を除去するものである。
上記において、紙管が配置されていた位置は、紙管によってコンクリートが流れ込まないため、コンクリート硬化後紙管を取り除けば、中空即ち、貫通孔となる。
【0003】
しかし、上記の紙管の取り付けに際し、梁型の仮枠(型枠)内に配設された鉄筋間の狭い隙間から、所定の位置に紙管を入れる作業は手間のかかる作業である。具体的には、通常、円筒の形状を保ったまま、鉄筋と鉄筋の間について、紙管(スリーブ)を通すことはできないため、紙管(スリーブ)を、平らに潰してから入れて元の形状に戻し、型枠間の所定の位置に固定しているのである。
このように、ピッチの狭い鉄筋間を、円筒紙管を平らに潰して潜らせてから、元の形に復元して仮枠に固定する作業は、非能率であると共に、一旦潰された紙管は、復元しても強度が不足し、コンクリートを流すと、コンクリートの荷重に耐え切れず、位置ずれが発生する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本願考案は、上記問題の解決を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願第1の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものについて次の構成を採る。
即ち、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材1,2と、筒状の袋体にて形成され両端部材間に渡される胴部材3とを備え、胴部材3或いは端部材1,2の少なくとも何れか一方には、ウレタン等の発泡剤を胴部材3内部に注入することが可能な注入部4が設けられたことを特徴とする。
【0006】
本願第2の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、本願第1の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具にあって、上記の両端部材1,2の間に、両端部材1,2同士を遠ざける方向に押圧する芯部材5が渡されたことを特徴とする。
【0007】
本願第3の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具では、本願第2の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具にあって、上記の芯部材5は、伸縮可能な軸であり、芯部材5の両端或いは両端部材1,2の何れかに、両端部材1,2を型枠に固着する針等の固定部材が設けられたことを特徴とする。
【0008】
本願第4の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものについて、次の構成を採る。
即ち、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材1,2と、両端部材1,2間に渡される胴部材3と、胴部材3の内部に収容され型枠に配置された両端部材1,2間に渡される芯部材5とを備える。上記の端部材の夫々は、円盤状に形成されたものである。上記の胴部材3は、ビニールシートなどの気密性を備えたシートにて形成され且つ発泡剤の注入により円柱状に賦型することが可能な袋体であり、この胴部材3は、ウレタン等の発泡剤を内部に注入することが可能な注入部4と芯部材5を内部に挿入することが可能な挿入部とを備える。胴部材3両端は両端部材1,2の夫々に固定されるものである。芯部材5は、第1及び第2の少なくとも2つの軸部材と、両軸部材を接続して一本の軸を構成する連結部材とを有し、連結部材は、少なくとも一方の軸部材の端部に螺合する螺子部を備え、螺回により両軸部材間の間隔を拡大して両端部材1,2を両型枠に押圧するものであり、芯部材5の両端には、当該押圧を受けて型枠に突き刺さることが可能な針が設けられものである。
【0009】
上記の手段を採る本願第1〜4の考案にあっては、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、一定の形状を持たない袋体にて胴部材3を形成するものであるため、狭い鉄筋間を容易に潜らせることができる。そして、貫通孔形成具を、、型枠間に取り付けた後、発泡剤を充填して硬化させることにより、コンクリートからの荷重に耐えうる十分な強度を付与することを可能とした。
特に、本願第2及び第3の考案にあっては、両端部材1,2の間に、両端部材1,2同士を遠ざける方向に押圧する芯部材5を渡すことによって、対向する型枠間に当該芯部材5を突っ張らせた状態にすることができ、型枠への貫通孔形成具の位置決めや固定が容易且つ確実に行える。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、図面に基づき本願考案の実施の形態について説明する。
図1は、本願考案に係る貫通孔形成具の一実施の形態の略縦断面図である。図2は図1に示す貫通孔形成具の型枠への取り付け状態の略縦断面図である。図3(A)は型枠内の鉄筋の内側にこの貫通孔形成具が複数配列された状態を示す略平面図であり、同(B)はそのX−X略断面図であり、同(C)は(A)のY−Y断面図である。図4は、縮んだ状態の芯部材5の略縦断面図である。図5は、図2に示す貫通孔形成具内へ芯部材5を挿入し配設した状態を示す略縦断面図である。図6は、図5に示す貫通孔形成具内へ液状発泡ウレタンを充填した状態を示す略縦断面図である。
説明の便宜上、上記の各図において、Uは上方を、Sは下方を、Lは右方を、Rは左方を、Fは前方を、Bは後方を、夫々示している。
【0011】
図1及び図5へ示す通り、このコンクリートの構造体への貫通孔形成具100は、第1端部材1と、第2端部材2と、胴部材3と、これらと別体の芯部材5とを備える。
以下、各部の構成について説明する。
【0012】
図1に示す通り、第1端部材1と第2端部材2の夫々は、中央に表裏に貫通する貫通部10,20を備える円盤状の板状体である。
上記の第1端部材1の裏面と、第2端部材2の裏面とに、胴部材3の両端が固定されている。胴部材3は、ビニールやポリエチレンなどのプラスチックシートでできた筒状の袋体であり、両端が第1端部材1と第2端部材2にて塞がれている。具体的には、両端部材1,2の裏面に、ネジ留めにて両端部材1,2とほぼ同径の金属製の環状部材30,30を重ね合わせるものとし、端部材夫々の裏面と当該環状部材30,30夫々との間に、胴部材3の端部を挟持させている。
胴部材3は、その外周面へ、自身の内部に通じる、注入部4と、芯部材5の挿入部6とを備える。挿入部6は、ファスナなどの閉鎖手段を備えた開口部である。
【0013】
図1に示す胴部材3内部が空(から)の状態の貫通孔形成具100を、鉄筋間を通し、図2へ示すように、コンクリートを流す前の型枠k,k間の所望の位置に配位させる。空の胴部材3は、嵩張らず自由に変形できるので、貫通孔形成具100を、型枠k,k内の鉄筋t…t間へ簡単に通すことができる。このように、鉄筋t…t外部から鉄筋t…t内部に、貫通孔形成具100を挿入し、例えば、図3(A)(B)(C)に示すように、型枠k,k間に、貫通孔形成具100…100を配置することができる。
図2へ示す通り、両端部材1,2夫々の表面を型枠k,kに対面させる。この実施の形態では、図2に示すように、貫通孔形成具100と型枠k,kの内面と間の隙間を埋める円盤状のスペーサ8,8が、端部材1,2と型枠k,kの内面との間に介されている。但し、このような間隔の調整が不要であれば、スペーサ8,8を設けずに実施することも可能である。
【0014】
図4に示す通り、芯部材5は、第1及び第2の少なくとも2つの軸部材51,52と、両軸部材51,52を接続して一本の軸を構成する連結部材50とを有し、連結部材50は、その外周面に両軸部材51,52の端部に螺合する雄ネジ53を備える。両軸部材51,52の向かい合う端部には、夫々の内部に向けて、雌ネジを備えた収容部51a,52aが形成されている。収容部51a,52aに連結部材50が収容され、上記雌ネジへ雄ネジ53が螺合される。これにて、両軸部材51,52の少なくとも一方を連結部材50に対し回転させることによって、両軸部材51,52間の間隔を拡大させ、その長手方向について芯部材5を伸ばすことができる。芯部材5の両端(両軸部材51,52のもう一方の端部)には、型枠に突き刺さることが可能な針7,7が設けられている。
【0015】
上記芯部材5を、図5へ示す通り、型枠内に配設された貫通孔形成具100内へ、上記の挿入部6より挿入する。そして、芯部材5を伸ばして、針7,7を端部材1,2の貫通部10,20から外部へ突き出し、針7,7先端を型枠k,kへ突き刺す。このように、芯部材5を胴部材3内部にて型枠k,kに対して突っ張ることによって貫通孔形成具100を確実に型枠k,kの所定の位置に固定することができる。芯部材5を上記の通り配設した後、挿入部6を閉ざし、注入部4から、胴部材3内へ液状発泡ウレタンを注入する。このように液状発泡剤を注入して胴部材3内を完全に充填する。そして、液状発泡剤の硬化により、胴部材3を円柱状に賦型することができる。液状発泡ウレタンの場合、上記、数秒で発泡を開始し、数分で硬化する。上記の液状発泡ウレタンを貫通孔形成具100へ完全に充填することにより、流し込まれるコンクリートの荷重に耐える強度を備えた円柱として貫通孔形成具100を形成することができるのである。
この後、型枠k,k内にコンクリートを流し、コンクリート硬化後、型枠k,kを外し、貫通孔形成具100を取り壊すことによって、コンクリート構造物に貫通孔を形成することができる。
【0016】
【考案の効果】
本願第1〜4の考案の実施によって、コンクリートの構造体に、正確な、貫通孔を形成することを可能とした。また施工時、貫通孔の形成のために、型枠内に貫通孔形成具を配設する作業を円滑に行えるものとし、施工作業の能率を著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案に係る貫通孔形成具の一実施の形態の略縦断面図である。
【図2】図1に示す貫通孔形成具の型枠への取り付け状態の略縦断面図である。
【図3】(A)は型枠内の鉄筋の内側に上記貫通孔形成具が複数配列された状態を示す略平面図であり、(B)はそのX−X略断面図であり、(C)は(A)のY−Y断面図である。
【図4】縮んだ状態の芯部材5の略縦断面図である。
【図5】図2に示す貫通孔形成具内へ芯部材5を挿入し配設した状態を示す略縦断面図である。
【図6】図5に示す貫通孔形成具内へ液状発泡ウレタンを充填した状態を示す略縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1端部材
2 第2端部材
3 胴部材
4 注入部
5 芯部材
【考案の属する技術分野】
本願考案は、コンクリート構造体への貫通孔形成具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄筋コンクリート製のビルや家屋の建築において、コンクリートの壁に電気などの配線や配管を施すための、貫通孔(設備配管用の梁貫通孔)が形成される。この貫通孔の工法(形成方法)について説明すると、壁を形成するために、コンクリートを梁型の仮枠即ちコンパネ(型枠)内に流す際、子鉄筋の配筋後コンクリートを流す前に、対向するコンパネ間に紙管(スリーブ)を取り付け、コンクリートをコンパネ間へ流し硬化させた後に、当該紙管を除去するものである。
上記において、紙管が配置されていた位置は、紙管によってコンクリートが流れ込まないため、コンクリート硬化後紙管を取り除けば、中空即ち、貫通孔となる。
【0003】
しかし、上記の紙管の取り付けに際し、梁型の仮枠(型枠)内に配設された鉄筋間の狭い隙間から、所定の位置に紙管を入れる作業は手間のかかる作業である。具体的には、通常、円筒の形状を保ったまま、鉄筋と鉄筋の間について、紙管(スリーブ)を通すことはできないため、紙管(スリーブ)を、平らに潰してから入れて元の形状に戻し、型枠間の所定の位置に固定しているのである。
このように、ピッチの狭い鉄筋間を、円筒紙管を平らに潰して潜らせてから、元の形に復元して仮枠に固定する作業は、非能率であると共に、一旦潰された紙管は、復元しても強度が不足し、コンクリートを流すと、コンクリートの荷重に耐え切れず、位置ずれが発生する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本願考案は、上記問題の解決を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願第1の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものについて次の構成を採る。
即ち、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材1,2と、筒状の袋体にて形成され両端部材間に渡される胴部材3とを備え、胴部材3或いは端部材1,2の少なくとも何れか一方には、ウレタン等の発泡剤を胴部材3内部に注入することが可能な注入部4が設けられたことを特徴とする。
【0006】
本願第2の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、本願第1の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具にあって、上記の両端部材1,2の間に、両端部材1,2同士を遠ざける方向に押圧する芯部材5が渡されたことを特徴とする。
【0007】
本願第3の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具では、本願第2の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具にあって、上記の芯部材5は、伸縮可能な軸であり、芯部材5の両端或いは両端部材1,2の何れかに、両端部材1,2を型枠に固着する針等の固定部材が設けられたことを特徴とする。
【0008】
本願第4の考案に係るコンクリート構造体への貫通孔形成具は、コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものについて、次の構成を採る。
即ち、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材1,2と、両端部材1,2間に渡される胴部材3と、胴部材3の内部に収容され型枠に配置された両端部材1,2間に渡される芯部材5とを備える。上記の端部材の夫々は、円盤状に形成されたものである。上記の胴部材3は、ビニールシートなどの気密性を備えたシートにて形成され且つ発泡剤の注入により円柱状に賦型することが可能な袋体であり、この胴部材3は、ウレタン等の発泡剤を内部に注入することが可能な注入部4と芯部材5を内部に挿入することが可能な挿入部とを備える。胴部材3両端は両端部材1,2の夫々に固定されるものである。芯部材5は、第1及び第2の少なくとも2つの軸部材と、両軸部材を接続して一本の軸を構成する連結部材とを有し、連結部材は、少なくとも一方の軸部材の端部に螺合する螺子部を備え、螺回により両軸部材間の間隔を拡大して両端部材1,2を両型枠に押圧するものであり、芯部材5の両端には、当該押圧を受けて型枠に突き刺さることが可能な針が設けられものである。
【0009】
上記の手段を採る本願第1〜4の考案にあっては、このコンクリート構造体への貫通孔形成具は、一定の形状を持たない袋体にて胴部材3を形成するものであるため、狭い鉄筋間を容易に潜らせることができる。そして、貫通孔形成具を、、型枠間に取り付けた後、発泡剤を充填して硬化させることにより、コンクリートからの荷重に耐えうる十分な強度を付与することを可能とした。
特に、本願第2及び第3の考案にあっては、両端部材1,2の間に、両端部材1,2同士を遠ざける方向に押圧する芯部材5を渡すことによって、対向する型枠間に当該芯部材5を突っ張らせた状態にすることができ、型枠への貫通孔形成具の位置決めや固定が容易且つ確実に行える。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、図面に基づき本願考案の実施の形態について説明する。
図1は、本願考案に係る貫通孔形成具の一実施の形態の略縦断面図である。図2は図1に示す貫通孔形成具の型枠への取り付け状態の略縦断面図である。図3(A)は型枠内の鉄筋の内側にこの貫通孔形成具が複数配列された状態を示す略平面図であり、同(B)はそのX−X略断面図であり、同(C)は(A)のY−Y断面図である。図4は、縮んだ状態の芯部材5の略縦断面図である。図5は、図2に示す貫通孔形成具内へ芯部材5を挿入し配設した状態を示す略縦断面図である。図6は、図5に示す貫通孔形成具内へ液状発泡ウレタンを充填した状態を示す略縦断面図である。
説明の便宜上、上記の各図において、Uは上方を、Sは下方を、Lは右方を、Rは左方を、Fは前方を、Bは後方を、夫々示している。
【0011】
図1及び図5へ示す通り、このコンクリートの構造体への貫通孔形成具100は、第1端部材1と、第2端部材2と、胴部材3と、これらと別体の芯部材5とを備える。
以下、各部の構成について説明する。
【0012】
図1に示す通り、第1端部材1と第2端部材2の夫々は、中央に表裏に貫通する貫通部10,20を備える円盤状の板状体である。
上記の第1端部材1の裏面と、第2端部材2の裏面とに、胴部材3の両端が固定されている。胴部材3は、ビニールやポリエチレンなどのプラスチックシートでできた筒状の袋体であり、両端が第1端部材1と第2端部材2にて塞がれている。具体的には、両端部材1,2の裏面に、ネジ留めにて両端部材1,2とほぼ同径の金属製の環状部材30,30を重ね合わせるものとし、端部材夫々の裏面と当該環状部材30,30夫々との間に、胴部材3の端部を挟持させている。
胴部材3は、その外周面へ、自身の内部に通じる、注入部4と、芯部材5の挿入部6とを備える。挿入部6は、ファスナなどの閉鎖手段を備えた開口部である。
【0013】
図1に示す胴部材3内部が空(から)の状態の貫通孔形成具100を、鉄筋間を通し、図2へ示すように、コンクリートを流す前の型枠k,k間の所望の位置に配位させる。空の胴部材3は、嵩張らず自由に変形できるので、貫通孔形成具100を、型枠k,k内の鉄筋t…t間へ簡単に通すことができる。このように、鉄筋t…t外部から鉄筋t…t内部に、貫通孔形成具100を挿入し、例えば、図3(A)(B)(C)に示すように、型枠k,k間に、貫通孔形成具100…100を配置することができる。
図2へ示す通り、両端部材1,2夫々の表面を型枠k,kに対面させる。この実施の形態では、図2に示すように、貫通孔形成具100と型枠k,kの内面と間の隙間を埋める円盤状のスペーサ8,8が、端部材1,2と型枠k,kの内面との間に介されている。但し、このような間隔の調整が不要であれば、スペーサ8,8を設けずに実施することも可能である。
【0014】
図4に示す通り、芯部材5は、第1及び第2の少なくとも2つの軸部材51,52と、両軸部材51,52を接続して一本の軸を構成する連結部材50とを有し、連結部材50は、その外周面に両軸部材51,52の端部に螺合する雄ネジ53を備える。両軸部材51,52の向かい合う端部には、夫々の内部に向けて、雌ネジを備えた収容部51a,52aが形成されている。収容部51a,52aに連結部材50が収容され、上記雌ネジへ雄ネジ53が螺合される。これにて、両軸部材51,52の少なくとも一方を連結部材50に対し回転させることによって、両軸部材51,52間の間隔を拡大させ、その長手方向について芯部材5を伸ばすことができる。芯部材5の両端(両軸部材51,52のもう一方の端部)には、型枠に突き刺さることが可能な針7,7が設けられている。
【0015】
上記芯部材5を、図5へ示す通り、型枠内に配設された貫通孔形成具100内へ、上記の挿入部6より挿入する。そして、芯部材5を伸ばして、針7,7を端部材1,2の貫通部10,20から外部へ突き出し、針7,7先端を型枠k,kへ突き刺す。このように、芯部材5を胴部材3内部にて型枠k,kに対して突っ張ることによって貫通孔形成具100を確実に型枠k,kの所定の位置に固定することができる。芯部材5を上記の通り配設した後、挿入部6を閉ざし、注入部4から、胴部材3内へ液状発泡ウレタンを注入する。このように液状発泡剤を注入して胴部材3内を完全に充填する。そして、液状発泡剤の硬化により、胴部材3を円柱状に賦型することができる。液状発泡ウレタンの場合、上記、数秒で発泡を開始し、数分で硬化する。上記の液状発泡ウレタンを貫通孔形成具100へ完全に充填することにより、流し込まれるコンクリートの荷重に耐える強度を備えた円柱として貫通孔形成具100を形成することができるのである。
この後、型枠k,k内にコンクリートを流し、コンクリート硬化後、型枠k,kを外し、貫通孔形成具100を取り壊すことによって、コンクリート構造物に貫通孔を形成することができる。
【0016】
【考案の効果】
本願第1〜4の考案の実施によって、コンクリートの構造体に、正確な、貫通孔を形成することを可能とした。また施工時、貫通孔の形成のために、型枠内に貫通孔形成具を配設する作業を円滑に行えるものとし、施工作業の能率を著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案に係る貫通孔形成具の一実施の形態の略縦断面図である。
【図2】図1に示す貫通孔形成具の型枠への取り付け状態の略縦断面図である。
【図3】(A)は型枠内の鉄筋の内側に上記貫通孔形成具が複数配列された状態を示す略平面図であり、(B)はそのX−X略断面図であり、(C)は(A)のY−Y断面図である。
【図4】縮んだ状態の芯部材5の略縦断面図である。
【図5】図2に示す貫通孔形成具内へ芯部材5を挿入し配設した状態を示す略縦断面図である。
【図6】図5に示す貫通孔形成具内へ液状発泡ウレタンを充填した状態を示す略縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1端部材
2 第2端部材
3 胴部材
4 注入部
5 芯部材
Claims (4)
- コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものであるコンクリート構造体への貫通孔形成具において、
対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材と、筒状の袋体にて形成され両端部材間に渡される胴部材とを備え、
胴部材或いは端部材の少なくとも何れか一方には、ウレタン等の発泡剤を胴部材内部に注入することが可能な注入部が設けられたことを特徴とするコンクリート構造体への貫通孔形成具。 - 上記の両端部材の間には、両端部材同士を遠ざける方向に押圧する芯部材が渡されたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造体への貫通孔形成具。
- 上記の芯部材は、伸縮可能な軸であり、芯部材の両端或いは両端部材の何れかに、両端部材を型枠に固着する針等の固定部材が設けられたことを特徴とする請求項2記載のコンクリート構造体への貫通孔形成具。
- コンクリート充填前の型枠内に配置され、コンクリートを型枠内に流して硬化させた後、除去されることにより、建造物の壁などのコンクリート構造体に配管や配線のための貫通孔を形成するものであるコンクリート構造体への貫通孔形成具において、
対向する2枚の型枠の夫々に対応する第1及び第2の少なくとも2つの端部材と、両端部材間に渡される胴部材と、胴部材の内部に収容され型枠に配置された両端部材間に渡される芯部材とを備え、
上記の端部材の夫々は、円盤状に形成されたものであり、
上記の胴部材は、ビニールシートなどの気密性を備えたシートにて形成され且つ発泡剤の注入により円柱状に賦型することが可能な袋体であり、この胴部材は、ウレタン等の発泡剤を内部に注入することが可能な注入部と、芯部材を内部に挿入することが可能な挿入部とを備え、
胴部材両端は両端部材の夫々に固定されるものであり、
芯部材は、第1及び第2の少なくとも2つの軸部材と、両軸部材を接続して一本の軸を構成する連結部材とを有し、連結部材は、少なくとも一方の軸部材の端部に螺合する螺子部を備え、螺回により両軸部材間の間隔を拡大して両端部材を両型枠に押圧するものであり、芯部材の両端には、当該押圧を受けて型枠に突き刺さることが可能な針が設けられたことを特徴とする貫通孔形成具。
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