JP3097653U - 船尾ビルジ構造 - Google Patents

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青木 伊知郎
玉島 正裕
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Abstract

【課題】船体構造、船型設計変更をしないで、かつ建造コストの増加を引き起こすことなく推進性能を向上させ、船尾振動を低減し、さらに横揺れが減少する船体船尾ビルジ構造を提供する。
【解決手段】船体船尾ビルジ部1の外板面に、船長方向がスクエアーステイション1.5から2.5の範囲で、かつ深さ方向が船底からスクエアーステイション5.0の船体中央断面5におけるビルジ6の高さの範囲内に起点4を持つ長方形状または台形状のフィン3を、その長辺を外板に接するように設置した。
なお、上記フィン3はプロペラ2側後端の外板取り付け位置を起点4高さより高くして3°〜30°の船長方向仰角を持つよう傾斜させ、かつその有効長さを船体中央断面5におけるビルジサークル6の範囲内とし、その幅を上記中央断面におけるビルジサークル半径の20〜50%として設置するのが好適である。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は船尾ビルジ構造に係り、詳しくは船体構造、船型設計を変更しないで、かつ建造コストの増加を引き起こすことなく推進性能を向上させ、船尾振動を低減し、さらに横揺れが減少する船体船尾ビルジ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶において、推進性能の向上、起振力の低下、横揺れ減少を図るため種々の工夫が行われている。
【0003】
例えば、プロペラ前方の船体に、プロペラ軸とプロペラチップ最大高さの間に短冊状のフィンを一条または2条両舷に取り付けたり、タンネル状の板を取り付けて抵抗の減少、プロペラへの流れの整流を図り、推進性能の向上、プロペラ起振力の低減が図られている。
【0004】
また、船尾部の船底と船側との境となっているビルジ部に回転円筒としてのビルジロータを左右舷側に設け、更にこの回転円筒に複数の放射状ベーンを設けて船舶船尾部における船側と船底との間の流れの剥離によるビルジ渦の発生を防止して船体抵抗を軽減させ、推進効率の向上を図ることも提案されている。(例えば特許文献1参照)
【0005】
これらのフィンやタンネル状の板,ビルジロータはプロペラ前方でスクエアーステイション1.5より船尾側でプロペラに近い位置に取り付けの起点をおき、プロペラ直前で流れの整流を行ったり、またプロペラへの流れの回転方向成分を変化させて推進性能の向上や船体振動の防止を図っている。
また、横揺れに対しては船体中央部のほぼ平行側面におけるビルジ部にキールが取り付けられている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−301179号公報
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、スクエアーステイション1.5より船尾側のプロペラ近傍に取り付けられたフィンやタンネル状の板などは、船体のビルジ部で造られる渦と別に新たな回転流を造り、プロペラに流入することになり、最適取り付け範囲が狭く効果が出しにくいという問題がある。
また、最適な取り付け位置の決定に多大の労力を必要とし、建造コストが逆に増加するという問題も生じてくる。
【0008】
一方、横揺れ防止に対しては、船体中央部の平行部に取り付けられたビルジキールより更に横揺れを減少させる場合には、アンチローリングタンク等の減揺装置が船内に付加され、追加費用が必要となる問題を有している。
【0009】
本考案は上述の如き実状に対処し、特に船尾両舷のビルジ部に取り付けたフィンの位置,角度,有効長さ等を特定することにより、船尾ビルジ渦の流れ方向を船底側に変化させて、より多くのビルジ渦をプロペラ面に集めることにより推進効率を向上させ、同一主機出力で船速度を向上し、同一船速で必要動力馬力を減少させて省エネルギー船とすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案は船体船尾ビルジ構造において、フィンを船尾両舷のビルジ部に取り付け、その取り付け板の起点を、船長方向がスクエアーステイション1.5から2.5の範囲、かつ深さ方向が船底からスクエアーステイションの5.0の船体中央断面におけるビルジの高さの範囲内に置き、その形状を長方形状または台形状とし、フィンの長辺を外板に接するように設置した。
【0011】
請求項2〜4は上記フィンの取り付け構造を具体化したもので、請求項2は上記船体船尾ビルジ部の外板両舷に、プロペラ側後端の外板上取り付け位置を起点高さより高くして3°〜30°の船長方向仰角を持つよう傾斜させること、請求項3は上記フィンの有効長さを船体中央断面におけるビルジサークルの半径以内とし、かつ、その幅を船体中央断面におけるビルジサークルの半径の20〜50%とすること、また、請求項4は上記フィンを船長方向の起点において船体外板に直角に取り付けられた単板あるいは支えを含み複板で構成することを夫々特徴とする。
【0012】
【作用】
通常の商船では、船体中央部のビルジ部および船底を通過した流れは、スクエアーステイション1.5から2.5の範囲の左右舷でビルジ渦を形成して、このビルジ渦はプロペラ面に到達し、推進効率に影響を与えるが、出来るだけ多くの渦を取り込むことが好ましい。
【0013】
本考案船体船尾ビルジ構造では、その生成したビルジ渦の流れ方向を外板両舷に設けたフィンにより船底側に変化させることから、生成されたビルジ渦がプロペラ面に多く取り込まれるようになり、推進性能が向上し、伴流分布が均一化し、船尾振動を低減し、横揺れを減少する。
【0014】
【考案の実施の形態】
以下、更に本考案の具体的な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1〜3は本考案船体船尾ビルジ構造の1例を示し、図において1はプロペラ2,舵8を含む船体後半部で、この船体後半部1の平行部の最後端断面7より後方プロペラ側の船体船尾ビルジ部の外板両舷にフィン3が取り付けられている。
【0016】
しかして、本考案はこのフィン3の取り付け構成に重要な特徴を有しており、先ず、取り付け位置については、このフィン3は船長方向がスクエアーステイション1.5〜2.5の範囲内で、可及的、船体平行部後端断面7に近づけて設置されていて、図2のA−A線で示すフィンの起点4における深さ方向の位置は船底から船体中央断面5におけるビルジサークル6の範囲内にあって、図4に示すように断面内では船体にほぼ垂直に取り付けられている。
ここでスクエアーステイション1.5〜2.5の範囲とは、図2に示す舵8を通る垂線(A.P.)を基準にして船体を10等分したとき、該基準線より1.5〜2.5の範囲にあることを意味する。
また、図2中の9は船側外板平行部境界線である。
【0017】
従来におけるフィン又はタンネル状の板あるいはビルジロータ等は通常、スクエアーステイション1.5の位置よりプロペラ近傍に取り付けられている。従って船体のビルジ部で作られる渦と別に新たな回転流を作り、プロペラ2に流入することにより最適取り付け範囲が狭く、実効を出しにくい問題を有しているが、本考案においてはスクエアーステイション1.5〜2.5の範囲であり、上記の問題は十分解消される。
【0018】
また、本考案フィン3は上記取り付け位置において、前記の如く起点4の深さ方向の位置は船体中央断面5におけるビルジサークル6の範囲内にあると共に、プロペラ側後端の外板上取り付け位置は起点4の高さより高く、3°〜30°の船長方向仰角を持つよう傾斜して設置されている。
起点4における深さ方向の位置が船底より船体中央断面5におけるビルジサークル6の範囲内とは、図2に6で示されるビルジ高さの範囲内にあることを意味し、プロペラ側後端の外板上取り付け位置とは図2におけるB−B線上の位置を云う。
【0019】
なお、フィン3はその形状として長方形状又は台形状であることが好ましく、そして、それら長方形状又は台形状の長辺を船体外板に装着し、その有効長さ10は船体中央断面におけるビルジサークル6の半径以内とすることが効果的であり、また、その幅11(図3参照)は船体中央断面5におけるビルジサークル6の半径の20〜50%であることが好適である。
このフィン3の構成としては、通常、図3に示すように船長方向の起点4において船体外板に直角に取り付けられた単板あるいはフィンの下部支え等を含む複板で構成される。
【0020】
かくして、以上のようにして構成された本考案船体船尾ビルジ構造では、船体中央部のビルジ部及び船底を通過した流れはスクエアーステイション1.5〜2.5の範囲の左右両舷で図5の点線12で示すフィンなしの従来の場合に比し実線13で示すように渦の流れ方向を船底側に変化させ、船尾ビルジ渦がプロペラ面に多く取り込まれる。
【0021】
図6,図7はフィンを装備しない場合と本考案フィンを装備した場合のプロペラ軸2aを中心とするプロペラ径円における模型試験で得られた各伴流分布であり、本考案に係るフィン付き船体船尾ビルジ部構造の場合(図7)が図6に示すフィンなしの場合に比し流れが船底側に変化し、船尾ビルジ渦がプロペラ面に十分入り込むことにより、伴流分布が均一化することが分かり、船尾振動が減少する。
なお、図中における数値は大きい程、流れが遅いことを示す。
【0022】
また、図8(イ)(ロ)は模型試験結果によるフィンの有無による自航要素を、そして図9(イ)(ロ)はフィンの有無による速力馬力曲線の比較を示しており、各図より本考案に係るフィン構造を装備した場合の方が推進効率が向上し、同一主機出力で船速が向上することが理解される。
また、同一船速では必要動力馬力が減少することが分かる。
【0023】
【考案の効果】
以上のように本考案は船体船尾ビルジ部の外板両舷において、船長方向の起点がスクエアーステイション1.5〜2.5の範囲内で、かつ深さ方向の起点が船底から船体中央断面におけるビルジ高さの範囲内に長方形状または台形状のフィンを取り付けたものであり、フィンの設置により船尾ビルジ渦13の流れる方向を船底側に変化させ、より多くのビルジ渦をプロペラ面に集め、船殻効率が向上することにより推進効率が向上し、また同一船速では必要動力馬力が減少し、省エネルギー船とすることが期待される。
更に上記流れが船底側に変化し、船尾ビルジ渦がプロペラ面に十分取り込まれることにより、伴流分布が均一化し、船尾振動が減少すると共に、船体が横揺れする場合、渦を発生し、横揺れ減衰効果が現れる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】船体後半部を示した斜視概要図である。
【図2】船体後半部と本考案に係るフィン取り付け位置を示した正面概要図である。
【図3】同図の平面図である。
【図4】フィンの船体取り付け状態を示したA−A断面,B−B断面による説明図である。
【図5】船尾縦渦発生位置とフィンを示した正面概要図である。
【図6】フィンを装備しない場合のプロペラ位置伴流分布を示す図である。
【図7】フィンを装備した場合のプロペラ位置伴流分布を示す図である。
【図8】模型試験結果の自航要素を比較した図である。
【図9】フィンの有無による速力馬力曲線の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 船体後半部
2 プロペラ
3 フィン
4 フィンの起点
5 船体中央断面
6 ビルジサークル
7 船体平行部後端断面
8 舵
9 船側外板平行部境界線
10 フィンの有効長さ
11 フィン幅
12 フィンなしのビルジ渦
13 フィン付きのビルジ渦

Claims (4)

  1. 船体船尾ビルジ部の外板両舷に、船長方向の起点がスクエアーステイション1.5から2.5の範囲内で、かつ深さ方向の起点が船底から船体中央断面におけるビルジ高さの範囲内にある長方形状または台形状のフィンを装備せしめたことを特徴とする船尾ビルジ構造。
  2. 船体船尾ビルジ部の外板両舷に装備されたフィンのプロペラ側後端の外板上取り付け位置を起点高さより高くして3°〜30°の船長方向仰角を持つよう傾斜せしめた請求項1記載の船尾ビルジ構造。
  3. 船体船尾ビルジ部の外板両舷に装備されたフィンの有効長さを船体中央断面におけるビルジサークルの半径以内とし、その幅を船体中央断面におけるビルジサークルの半径の20〜50%とした請求項1または2記載の船体船尾ビルジ構造。
  4. 船体船尾ビルジ部の外板両舷に装備されたフィンを船長方向の起点において、船体外板に直角に取り付けた単板あるいは支えを含む複板で構成した請求項1,2または3記載の船体船尾ビルジ構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019156309A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 三菱造船株式会社 船尾フィン及び船舶

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