JP3097647U - ボルトナットを装着する金具を埋設したコンクリートブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート製ブロックにボルト、ナットを装着する金具が埋設されていて、載置する機器等を安全強固に保持すると共にアイボルトを用いることにより多目的支持台として使用することができる。
【解決手段】断面が梯形形状で所望長さのコンクリート製ブロックはその全長に亘って金具が埋設され、該金具は移動可能に挿入するボルトの起立状態を保持する下溝6を設け、下溝より延設した上溝13は段部と規制壁15と開口11を有する係合壁16からなり、挿入する六角ナットや4角ナットは摺動可能であるが回動は阻止され、上部開口よりボルトを螺入する六角ナットは係合壁により抜け出さないように係止される。
【選択図】図3

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は各種の装置機器や車止め表示体を支持固定するためにボルトナットを装着する金具を埋設したブロツクに関し、特にブロツクの上部に六角ナット3を挿入配置する上溝とナットに螺入したボルト下部を挿入する下溝が設けられているコンクリート製のブロツクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のコンクリートブロツクは断面が方形で載置機器の種類に対応した長さのものであって、ブロツク上面の長手方向に設けた蟻溝は合成樹脂製のものであり、蟻溝にボルトの頭部を摺動自在に挿入して起立したものである。この蟻溝にボルトの六角頭部を挿通し、溝開口より上方にボルト軸部を起立する。そして機材の脚部を介装して上側よりナットで締付固定するものが知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の技術はブロツクに装置を据付操作中に装置が傾斜したり、転倒するとボルト頭部が溝開口を形成する両上片を捩じ曲げて変形破断させること多く、ボルトを位置移動しても使用に耐え難いものとなる。そして急激に外力が加わるときは蟻溝がブロツクから引き抜かれるように脱落することが多発していた。特に、蟻溝の軸線に対して直交方向垂直面に沿って外力が加わると、ボルト頭部で両上側片は極めて容易に変形破断するのであった。更に、また長大に成形したブロツクでも地盤に配置するときは作業員は必ず両手で抱くようにして配置するので、晢々耐え切れずに取り落として、隅角部を欠損させたり、中央部に亀裂が発生して不良品となることが多発するという問題点を有していた。
【0004】
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブロツクの両端からナットを挿通する上溝と該ナットに螺装して挿入する下溝とからなるボルトナット装着用の金具がブロツクの略全長に亘って、その上部に埋没し、ボルトをブロツクよりはずれにくく確実に保持できるようにしたものである。
【0005】
また、ブロツクより起立したボルトに装置や機器の脚部を介装してボルト頭部で締付固定すると、該機器の偏位荷重や外的衝激を受けてボルトが傾斜しようかとしても金具上部の係合壁は容易に変形や破損をすることがなく、仮令、稀に変形、破断しても金具に原型形状の保持具を配置してハンマーで原形に修復すると直ちに再使用可能となる。
【0006】
更に、ブロツクに装着するボルトは頭部を上にして取付けるので各種のアイボルトが使用可能となり、多目的な支持体とすることができる。そしてボルト装着金具は強力な外的衝撃によってもブロツクから離脱するようなことがなく、また、ブロツクの強固な補助骨材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案におけるブロツクはセメントに硬化剤として小径の砂利、蛇紋石を加え加水して撹拌することによりモルタルとなし、このモルタルは予め金具を配置した型枠に詰込んで固化したのち脱型してブロツクに成形される。前記金具はボルトが移動可能に挿入する間隔の下溝と下溝の上端縁より一体的に形成された上溝は対向する一対の断面コ字形状部材がボルト挿通間隔を有して設けられ、六角ナットを挿通したとき、その対向両側壁に係合して回動は阻止されるが摺動移動は可能な幅間隔である。この金具はブロツクの略全長に亘って設けられる。更に上溝の両上辺の係合壁はナットと係合して締付ける頭部と共にボルトを保持する。
【0008】
ブロツクの下溝からアンカー釘用の通孔を設けることは容易であり、これにより地盤に強力にブロツクを固定して機器の支持を充分にすることは勿論、下溝に浸入した水分の排出手段をも容易に設け得ることができる。
【0009】
ブロツクは作業員が抱いて配置するとき取り落として隅角部が欠け落ちて不良品となることが多いが、隅切りと両手で握る凹部を設けることにより不良商品の発生が皆無となるブロツクを提供しようとするものである。
【0010】
【考案の実施の形態】
考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3において、コンクリート製のブロツク1にはナット3に螺装したボルト4を装着する金具2が埋設される。
【0011】
ブロツク1はポルトランドセメントと略同重量で2 ̄4mmの径の蛇紋石と1.2倍の重量で7〜10mmの径の砂利を混合して加水撹拌することによりモルタルを作成する。このモルタルは予め金具2を配置した型枠に詰込んで固化したのち脱型してブロツクを形成する。
【0012】
ブロツクは図2、図3の横断面と縦断面図に示す如く、高さは100mm底面幅は110〜130mm程度であり、長さは200mmから900mmまで数種の規格品に成形される。ブロツク1両端の隅角部は搬送配設中の切損を防止するため隅切部を形成し、金具2は隅切部の最上端縁まで長手方向中心軸線に沿ってその全長に亘って配設される。ブロツク1の両端面には両手でブロツクを把持するための凹部5を設ける。
【0013】
ボルト装着用の金具2はアルミニウム、軽合金材を押出成形したのち、アルマイト加工したものが用いられるが、これは板材を折曲加工してもよい。金具2の下溝6は底壁7上にボルト4が位置移動可能に挿入し得る幅間隔を有して一対の側壁8を起立したものである。側壁8の高さは23 ̄25mm程度とする。前記底壁7が側壁8より外方へ突出した張出部9は外力でブロツクより抜け出すことを防止するものである。下溝6にボルト4を挿入すると両側壁8で挟持するように強固に起立状態を保持する。そして、底壁7の長手方向両端近傍には一対のアンカー釘10の開口11と両端には排水用開口12を設け、開口11よりブロツク底面まで貫通するアンカー釘用の釘孔11Aと、開口12より凹部5へ貫通する排水通路12Aを設ける。
【0014】
前記下溝6上に延設する上溝13は前記両側壁8上端縁より外側方に曲折した段部14を設ける。両段部14の両端縁より上方に向ってした規制壁15を起立し、両規制壁15の上端縁より内方に向ってボルト挿通間隔を有した位置まで係合壁16を設ける。これにより両係合壁16の内側縁間は金具の全長に亘ってボルトが移動可能に挿通する細長い開口17が形成される。このように形成された上溝13にはその両端開放部より通常6角ナット3(4角ナットでもよい)を挿入して所望位置に配置する。このとき、6角ナット3の対向する両側面は両規制壁15の内側面と摺動可能に接しているが、回動することが阻止される幅間隔とされていて、上溝13の両端開口より挿入した6角ナット3に開口17よりボルト4を螺入してゆくとボルト先端側は下溝6内に挿入して保持され、上溝13上に配置した機器の脚部はボルト4の頭部と両係合壁16とで強固に締付け固定される。
【0015】
ブロツク1の製作に当たってはセメント、砂利、蛇紋石を前述した重量配合比で混合し、水で攪拌してモルタルを作成する。モルタルを充填してブロックに整形する金属製の型枠はブロック底面が上側になるように逆梯形状に配置して上面を開放する。型枠の底面には上下を逆にした金具2の細長い開口17に契合する突条を形成する。さらに、金具2の下溝6の両アンカー釘用の開口11には冂字形金物の両足部を挿通起立する。また、下溝6の両端開口12より両凹所5排水通路12Aを設けるために棒状物を差込んでおく。更に、下溝6の両端には詰込みモルタルの侵入や下溝6の幅を保持するためにプラスチック性保型板20を接着剤で両側壁8間に固着する。また、上溝13にはモルタルの侵入や圧力で狭小になることを防止するために全長に亘って角形杆を挿入しておく。そして、セメントモルタルを型枠内に詰込んで固化乾燥すると脱型したのち保型板20以外の前記配置物は取除いて製作が完了する。
【0016】
図4に示される実施例は車両駐車場における車止めに用いる1対のブロック1には夫々六角ナット3を螺装したアイボルト21を装着起立し、両アイボルト21には賃借人の名称を記載した表示板22をねじまたは小さいボルト23で固定したものである。これにより、車輪が激突して表示板が変形しても、下溝6に挿入されたボルト先端側とアンカー釘10で地盤に固定されたブロック2は損傷することなく車両は停止する。
【0017】
図5に示される実施例は空調機の室外機24の据付台として用いる1対のブロック1である。このような室外機24は集合住宅のベランダや打ちっぱなしコンクリート地盤上にブロックが配置されるのでアンカー釘は実質的に使用不可能である場合がある。室外機の両脚間隔をおいて1対のブロック2を配置し、上溝12上に座金を配剤し、脚部の孔を介してボルト4を挿入する一方上溝13に挿通した六角ナット3は棒状態で位置移動しながらボルト4を螺合して頭部で強固に締付け固定する。
【0018】
図6に示される実施例は水道水、石油などの給送管26を支持固定するために用いるブロック1である。このブロックに装着するアイボルト21は円座29上に複数個の透孔30を穿った板材31を起立したものである。このアイボルト21は給送管26の両側周面に接して起立し、両側の透孔30間は小さなボルト、ナット32で締付け固定する。小径の給送管の場合はボルトナット32に代えて針金などで結束してもよい。
【0019】
【考案の効果】
本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0020】
請求項1のブロックにおいて、コンクリートに混入した小径の骨材とブロック両端に設けた凹部を握持して運搬配設するのでブロックは切損したり、亀裂を生じたりすることが極めて少ない。
【0021】
更に、ブロックに埋設した金具において、下溝は挿入されたボルトが上部の外的衝撃による傾斜偏位にもボルトの起立状態を保持することができ、特に、下溝の長手軸線方向に対して直交方向の外的衝撃力に対して金具は下溝の強力なボルト保持力を有するので載置された装置機器は損傷せずきわめて安定して据付けられるものである。
【0022】
また、上溝はこれに挿通されたナットが両規制壁で回動が阻止されているので、ボルトは自在にねじ込まれて金具は損傷せず載置された装置機器を確実に据付固定することができる。
【0023】
そして、また、上溝の両係合壁は挿通されたナットの抜け出し力を確実に係止して据付装置を損傷することがなく確実に保持することができる。
【0024】
請求硬2の下溝低壁において、該低壁とブロック両端の凹部間には排水通路を設けているので清掃水や雨水が浸入しても直ちに排水され、金具は腐敗することなく、長期にわたって清潔に保たれる。
【0025】
請求項3の下溝低壁よりブロック下面を貫通したアンカー釘孔にはアンカー釘を打込んで地盤に強力にブロックを固定可能であり、これにより据付けられた装置や機器は極めて安全確実に配設状態を保持することができる。
【0025】
請求項4の金具に装着するボルトは各種のアイボルトを装着することが可能であり、これにより各種給送管の固定配設や、ブロックに設ける表示板の取付け等、多方面に亘る機材の配設をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボルトを装着したブロックの全体斜視図である。
【図2】ブロックの拡大横断面である。
【図3】ブロックの拡大縦断面である。
【図4】車止めに用いるブロックに表示板を取付けた全体斜視図である。
【図5】空調機の室外機を配設したブロックの全体斜視図である。
【図6】各種給送管を配置固定したブロックの全体斜視図である。
【符号の説明】
1 ブロック
2 金具
3 六角ナット
4 ボルト
5 凹部
6 下溝
7 底壁
8 側壁
9 張出部
10 アンカー釘
11 開口
11A アンカー釘孔
12 開口
12A 排水通路
13 上溝
14 段部
15 規制壁
16 係合壁
17 開口
20 保型板
21 アイボルト
22 ボルト
23 表示板
24  室外器
25 座金
26 給送管
28 アイボルト
29 円座
30 透孔
31 板材
32 ボルトナット

Claims (4)

  1. ボルト(4)ナット(3)装着用の金具(2)を予め保型材などと共に配置した型枠にポルトランドセメントと小径の蛇紋石や砂利などの骨材を混入して加水処理したモルタルを充填して固化したブロツク(1)であって、該ブロックは断面が略梯形状で所望の長さに成形され、両端面には握持用の凹部(5)を設ける一方、前記金具(2)は対腐食加工をした軽金属材からなり、底壁(7)より起立した両側壁8はボルト(4)が移動可能に挿入し得る幅間隔となした下溝(6)と前記両側壁(8)上端縁より外方に向かう段部(14)を延設し、両段部の両端縁より起立した両規制壁(15)はその両端開口より移動可能に挿入する六角ナット(3)の回動を阻止して狭持される幅間隔とされ、両規制壁(15)上端縁より、ブロック(1)の頂面と同一面で内方に向って延長した両係合壁16は六角ナット(3)の上面を係止すると共に両係合壁16の内側端縁の間隔はボルト(4)が移動可能に挿通できる幅間隔の開口(17)を有する上溝(13)が設けられていることを特徴とするボルトナットを装着する金具を埋設したコンクリートブロック。
  2. 前記下溝(6)の両端に固定した保型板(20)の内側の両低壁7部分に設けた開口(12)より凹部(5)に通ずる排水通路(12A)が穿設されていることを特徴とする請求項1記載のボルトナットを装着する金具を埋設したコンクリートブロック。
  3. 前記底壁(7)両端近傍に設けた開口(11)とアンカー釘孔(11A)にはアンカー釘(10)を打込んでブロックを地盤に固定することを特徴とする請求項1記載のボルトナットを装着する金具を埋設したコンクリートブロック。
  4. ブロックの上溝内に挿入配置した六角ナットに螺合して下溝内まで挿入したボルトの頭部は1個乃至複数個の透孔を有すアイボルトであることを特徴とする請求項1記載のボルトナットを装着する金具を埋設したコンクリートブロック。
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