JP3097283B2 - 測位装置 - Google Patents

測位装置

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JP3097283B2
JP3097283B2 JP6451692A JP6451692A JP3097283B2 JP 3097283 B2 JP3097283 B2 JP 3097283B2 JP 6451692 A JP6451692 A JP 6451692A JP 6451692 A JP6451692 A JP 6451692A JP 3097283 B2 JP3097283 B2 JP 3097283B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GPS(Global Posit
ioning System)を利用した携帯型測位装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、GPS(Global Positioning Sys
tem)といわれる衛星からのデータにより自己の位置を測
定するシステムを利用する小型の携帯型測位装置が実用
化されるようになってきた。
【0003】以下、図面を参照しながら従来の携帯型測
位装置について説明を行う。図2は従来の携帯型測位装
置の構成を示すブロック図であり、図2に於いて1はG
PS衛星から電波を受信するアンテナ、2は受信した電
波を検波し、情報信号を取り出す受信手段、3は受信手
段で取り出された情報を計算処理することにより自己の
位置を測定する測位手段、4は測位結果や他の情報や操
作メッセージを表示するための表示手段、5は測位装置
として必要な複数の操作キーを持つ操作手段、6は操作
手段5の操作に応答して測位手段3を制御して測位を行
い結果を表示手段4に表示させる等の全体の制御を行う
制御手段、7は乾電池や充電電池からなる電源手段、8
は利用者が操作手段5によって制御手段6に対して測地
系変更を要求した時、操作手段5によって選択される測
地系データを記憶している測地系記憶手段、9は利用者
が操作手段5によって制御手段6に対して基準座標系変
更を要求した時、操作手段5によって制御手段6に対し
て基準座標を入力する基準座標入力手段である。
【0004】以上のように構成された従来の携帯型測位
装置について、以下その動作を説明する。
【0005】電源手段7によって電源を投入する。制御
手段6は受信手段2、測位手段3に測位の開始を指示
し、表示手段4には現在測位中であることを表示する。
【0006】測位中の表示には、捕捉した衛星の数や電
波の受信状況等を表示する。測位にかかる時間は、複数
の衛星からの情報を並列に処理できる機能があるかどう
か、計算処理速度等の条件によって異なってくるが、G
PSシステムの設計上から最小で2〜3分である。
【0007】ここで、測地系の変更がある場合、制御手
段6は操作手段5からの入力を待つ。操作手段6によっ
て測地系の設定が行われると、制御手段6は選択したい
測地系データを、測地系記憶手段8を用いて制御手段6
に送る。また、基準座標の変更がある場合、測地系の変
更と同様に、制御手段6は操作手段5からの入力を待
つ。操作手段6によって基準座標の設定が行われると、
制御手段6は選択したい基準座標を、基準座標記憶手段
9を用いて制御手段6に送る。次に、受信手段2はアン
テナ1で受信したGPSからの電波を検波し、情報信号
を取り出す。制御手段6は、受信手段2で得られた情報
と、操作手段5によって測地系記憶手段8と基準座標入
力手段9で決定された情報を用いて、測位手段3に測位
開始を指示し、表示手段4には現在測位中であることを
表示する。
【0008】このようにGPSは自己の位置を測定する
ときに、外部よりふたつのデータを与えてやらなければ
ならない。ひとつは測地系であり、もうひとつは基準座
標である。ここで測地系と基準座標について説明を行
う。
【0009】まず、測地系の説明を簡単に行う。本来、
地球の形は時点軸を対象軸とする赤道方向に偏平な回転
楕円体に非常に近い。そこで、地球の形をこの回転楕円
体であるとみなして、回転楕円体上で地球上の位置を表
現しようとしている。回転楕円体は単純な形をしている
ので数学的に扱いやすいという利点をもっている。地球
上の位置を表現するときに、地球中心と楕円中心とが一
致した回転楕円体を採用するとたいへん便利である。し
かし、地球は回転楕円体の表面に複雑な起伏をもつジオ
イド(Geoid)といわれる形をしている。ジオイドとい
われる形をしているために、地球上の地域ごとに異なる
回転楕円体が採用されている。その回転楕円体の中心は
地球の中心とは異なっている。
【0010】GPSではWGS−84といわれる、地球
中心と楕円中心が一致した回転楕円体を基準として、緯
度、経度、高度が計算される。これによって得られた結
果を、各地域が採用している回転楕円体に補正しなけれ
ばならない。このように各地域が採用している回転楕円
体のことを測地系という。
【0011】例えば、日本では日本測地系といわれる楕
円が採用されており、この回転楕円体は地球中心とは異
なる中心を持っている。他には北米測地系、南米測地
系、西欧測地系、豪州測地系等がある。
【0012】次に、基準座標の説明を行う。GPSの測
位計算では逐次近似法といわれる手法を採用している。
逐次近似法について簡単に説明する。予め与えられた
(x,y,z)の座標を、衛星との近似距離を用いて、
x,y,zに対する修正値(△x,△y,△z)を計算
する。この修正値により、次の(数1)を用いて
(x’,y’,z’)を計算する。
【0013】
【数1】
【0014】ここで計算された(x’,y’,z’)を
(x,y,z)とし、同様に衛星との近似距離を用い
て、修正値を計算し、新たな(x,y,z)を得ること
ができる。このような手順で何度か計算を繰り返すと、
(x,y,z)は収束していく。この値が自己の位置で
ある。
【0015】このように、逐次近似法を用いるときは、
予め与えられた座標(x,y,z)が必要である。この
必要な座標のことを基準座標という。
【0016】以上が、自己位置の測定時に必要なふたつ
のデータである。従来は図3のように選択301と処理
302によって測地系の選択を、選択303と処理30
4によって基準座標を入力しなければならなかった。
【0017】例えば、日本で従来の携帯型測位装置を用
いる場合、選択301で”測地系の変更あり?”の選択
に対しYESであるならば、処理302で日本測地系を
選択する。次に、選択303で”基準座標の変更あり
?”の選択に対しYESであるならば、処理304で東
経135度、北緯35度、高度40mという基準座標を
入力する。日本で用いる場合、必ずしもこの値である必
要はなく、近い値であればよい。但し、全く異なる値で
あれば測位結果を得るまでに時間がかかるか、逐次近似
法を用いた測位計算のところで収束しないために測位結
果を得ることができない可能性がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の携帯型測位装置では、測地系の変更を行わなけ
ればならなくなった時に、測地系の選択のみでなく利用
者自信で基準座標を決定し入力しなければならない。つ
まり、測地系選択と基準座標入力のふたつの操作が必要
であった。これは、利用者にとって面倒なことである。
また測地系変更でどのような基準座標にするかという決
定が必要であり(例えば、日本測地系を選択したいとき
基準座標として東経135度、北緯35度、高度40m
を選択する等)、と同時に誤った基準座標を選択したた
めに測位結果を得られない可能性がある。
【0019】本発明は上記課題を解決し、基準座標の入
力を自動的に行うことによって面倒な操作を排除するこ
とで操作を簡略化し、同時に誤った基準座標の入力を防
ぐことを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため前記操作手段の操作によって選択される測地系
とそれに対応する基準座標を共に記憶しておく記憶手段
を備え、前記操作手段の特定の操作によって測地系の選
択を行うとき、前記制御手段は前記記憶手段から選択さ
れた測地系とそれに対応する基準座標を同時に読みだ
し、読みだした測地系と基準座標を用いて、測位を行う
前記測位手段を制御するようにしたものである。
【0021】
【作用】本発明は上記した構成により、測地系選択、基
準座標入力というふたつの操作をひとつにまとめること
によって、面倒な操作を排除することで操作を簡略化
し、誤った基準座標の選択を防ぐことができるものであ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら、説明する。
【0023】図1に於いて、11はGPS衛星から電波
を受信するアンテナ、12は受信した電波を検波し、情
報信号を取り出す受信手段、13は受信手段で取り出さ
れた情報を計算処理することにより自己の位置を測定す
る測位手段、14は測位結果や他の情報や操作メッセー
ジを表示するための表示手段、15は測位装置として必
要な複数の操作キーを持つ操作手段、16は操作手段1
5の操作に応答して測位手段13を制御して測位を行い
結果を表示手段14に表示させる等の全体の制御を行う
制御手段、17は乾電池や充電電池からなる電源手段、
18は利用者が操作手段15によって制御手段16に対
して測地系変更を要求した時、操作手段15によって選
択される測地系データと、それに対応した基準座標デー
タを記憶している記憶手段である。
【0024】上のように構成された携帯型測位装置につ
いて、以下その動作を説明する。電源手段17によって
電源を投入する。受信手段12はアンテナ11で受信し
たGPSからの電波を検波し、情報信号を取り出す。制
御手段16は、受信手段12で得られた情報を用いて、
測位手段13に測位開始を指示し、表示手段14には現
在測位中であることを表示する。測位中の表示には、捕
捉した衛星の数や電波の受信状況等を表示する。
【0025】測位にかかる時間は、複数の衛星からの情
報を並列に処理できる機能があるかどうか、計算処理速
度等の条件によって異なってくるが、GPSシステムの
設計上から最小で2〜3分である。
【0026】ここで、測地系と基準座標の変更がある場
合、制御手段16は操作手段15からの入力を待つ。操
作手段16によって測地系の設定が行われると、制御手
段16は選択したい測地系データを、記憶手段18を用
いて制御手段に送る。同様に、制御手段16は記憶手段
18から、設定された測地系に対応した基準座標を制御
手段16に送る。次に、受信手段12はアンテナ11で
受信したGPSからの電波を検波し、情報信号を取り出
す。制御手段16は、受信手段2で得られた情報と、操
作手段15によって記憶手段18で決定した決定された
測地系と基準座標を用いて、測位手段13に測位開始を
指示し、表示手段14に現在測位中であることを表示す
る。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、測地系の選択時
に測地系を入力すれば、記憶手段から基準座標系が読み
出されるので利用者が入力する必要はない。同時に、利
用者による誤った基準座標系の入力を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に於ける携帯型測位装置を示す
ブロック図
【図2】従来の携帯型測位装置の構成を示すブロック図
【図3】従来の携帯型測位装置の測地系の選択、基準座
標の入力を示すフローチャート
【符号の説明】
11 アンテナ 12 受信手段 13 測位手段 14 表示手段 15 操作手段 16 制御手段 17 電源手段 18 記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/00 - 21/36 G01S 5/00 - 5/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナと、前記アンテナに接続されて測
    位デ−タを受信する受信手段と、前記受信手段が受信し
    たデ−タを処理することにより測位を行う測位手段と、
    表示手段と、操作手段と、前記操作手段の操作によつて
    前記測位手段を制御して測位を行い、結果を前記表示手
    段に表示させる制御手段と、前記制御手段に接続され、
    前記操作手段の操作によつて選択される測地系とそれに
    対応する基準座標を共に記憶しておく記憶手段を備え、
    前記操作手段の特定の操作によつて測地系の選択を行う
    とき、前記制御手段は前記記憶手段から選択された測地
    系とそれに対応する基準座標を共に読みだし、読みだし
    た測地系と基準座標を用いて測位を行うように前記測位
    手段を制御することを特徴とする測位装置。
  2. 【請求項2】前記測位装置は携帯型であることを特徴と
    する請求項1に記載の測位装置。
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