JP3096939B2 - パンの製造方法 - Google Patents
パンの製造方法Info
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- JP3096939B2 JP3096939B2 JP04221886A JP22188692A JP3096939B2 JP 3096939 B2 JP3096939 B2 JP 3096939B2 JP 04221886 A JP04221886 A JP 04221886A JP 22188692 A JP22188692 A JP 22188692A JP 3096939 B2 JP3096939 B2 JP 3096939B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンの製造方法に係わ
り、特にパン生地のイースト醗酵を助長する方法に関す
るものである。
り、特にパン生地のイースト醗酵を助長する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】パン生地のイースト醗酵を助長するため
には、一般にイーストフードが使われている。イースト
フードは、水の硬度を増し、生地を引き締める作用をす
る硫酸カルシウム、イーストの窒素源となって醗酵促進
効果を生じさせる無機アンモニウム塩、生地を強化させ
てパンの体積を増大させ、内相品質を改善する臭素酸カ
リ等の酸化剤とからなる無機フードと、これにα−アミ
ラーゼ等の酵素剤を配した有機フードがあるが、コウジ
酸を用いたパンのイースト醗酵助長剤は全く知られてい
なかった。
には、一般にイーストフードが使われている。イースト
フードは、水の硬度を増し、生地を引き締める作用をす
る硫酸カルシウム、イーストの窒素源となって醗酵促進
効果を生じさせる無機アンモニウム塩、生地を強化させ
てパンの体積を増大させ、内相品質を改善する臭素酸カ
リ等の酸化剤とからなる無機フードと、これにα−アミ
ラーゼ等の酵素剤を配した有機フードがあるが、コウジ
酸を用いたパンのイースト醗酵助長剤は全く知られてい
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無機フードであれ、有
機フードであれ、前記イーストフードの主剤となるの
は、小麦粉蛋白の−SH結合を−SS−結合にして、生
地を強化させてパンの体積を増大させ、内相品質を改善
する酸化剤である臭素酸カリである。しかし近年、臭素
酸カリは発癌性の疑いが持たれ、欧米では使用禁止にな
った。本発明は、発癌性の疑いのある臭素酸カリを用い
ずに、良質のパンを得ることを目的とする。
機フードであれ、前記イーストフードの主剤となるの
は、小麦粉蛋白の−SH結合を−SS−結合にして、生
地を強化させてパンの体積を増大させ、内相品質を改善
する酸化剤である臭素酸カリである。しかし近年、臭素
酸カリは発癌性の疑いが持たれ、欧米では使用禁止にな
った。本発明は、発癌性の疑いのある臭素酸カリを用い
ずに、良質のパンを得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するするための手段】本発明者等は、パン
生地のイースト醗酵に際して、臭素酸カリに代わる物質
を鋭意探索した結果、コウジ酸が臭素酸カリ以上にパン
の生地を強化させてパンの体積を増大させ、内相品質を
改善することを見出し、本発明を完成させた。
生地のイースト醗酵に際して、臭素酸カリに代わる物質
を鋭意探索した結果、コウジ酸が臭素酸カリ以上にパン
の生地を強化させてパンの体積を増大させ、内相品質を
改善することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち本発明は、パン生地をイースト醗
酵するに際し、コウジ酸を添加することを特徴とするパ
ンの製造方法である。
酵するに際し、コウジ酸を添加することを特徴とするパ
ンの製造方法である。
【0006】即ち、イーストを溶解した水にコウジ酸を
対小麦粉100 ないし200ppmになるように溶解し、これで
小麦粉を捏ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地とす
る。別に所定量の食塩、砂糖、脱脂粉乳の水溶液と残り
の小麦粉とを中種生地と混合し、これに所定量のショー
トニングを合わせ混合した後、生地を丸めて濡れぶきん
を掛け、20分間寝かせた後、この生地を良く延ばし、成
形して型に詰め、30分間休ませる。その後、型詰めした
生地を40°C で途中霧吹きをしながら60分間醗酵させた
後、180 °C のオーブンで35分間焼く。
対小麦粉100 ないし200ppmになるように溶解し、これで
小麦粉を捏ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地とす
る。別に所定量の食塩、砂糖、脱脂粉乳の水溶液と残り
の小麦粉とを中種生地と混合し、これに所定量のショー
トニングを合わせ混合した後、生地を丸めて濡れぶきん
を掛け、20分間寝かせた後、この生地を良く延ばし、成
形して型に詰め、30分間休ませる。その後、型詰めした
生地を40°C で途中霧吹きをしながら60分間醗酵させた
後、180 °C のオーブンで35分間焼く。
【0007】こうして得られたパンは、コウジ酸の代わ
りに臭素酸カリを食品衛生法で所定の30ppm 加えて製造
したパンに比べて、体積が増大した。同時に、芳香、食
感共全く変わりはなかった。この事実は、コウジ酸がパ
ン生地とイースト醗酵の両方に有効に働くものと考えら
れる。
りに臭素酸カリを食品衛生法で所定の30ppm 加えて製造
したパンに比べて、体積が増大した。同時に、芳香、食
感共全く変わりはなかった。この事実は、コウジ酸がパ
ン生地とイースト醗酵の両方に有効に働くものと考えら
れる。
【0008】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0009】〔実施例1〕 A製品:小麦粉210gと水120ml に、イースト6g、コウジ
酸60mgを溶解したものを混ぜ、よく捏ねて40°C で2 時
間醗酵させて中種生地とした。この中種生地に、食塩6
g、砂糖15g 、脱脂粉乳6gを水60mlに溶解したものと小
麦粉90g とを加えて混合し、生地がまとまったところで
ショートニング12g を加え、更によく混合した。出来上
がった生地を丸め、濡れぶきんを掛けて20分間寝かした
後、この生地をよく延ばし、整形して型(10×9.2 ×8.
5cm )に詰め、30分間休ませた。その後、40°C で途中
霧吹きしながら60分間醗酵させた後、180 °C のオーブ
ンで35分間焼いた。
酸60mgを溶解したものを混ぜ、よく捏ねて40°C で2 時
間醗酵させて中種生地とした。この中種生地に、食塩6
g、砂糖15g 、脱脂粉乳6gを水60mlに溶解したものと小
麦粉90g とを加えて混合し、生地がまとまったところで
ショートニング12g を加え、更によく混合した。出来上
がった生地を丸め、濡れぶきんを掛けて20分間寝かした
後、この生地をよく延ばし、整形して型(10×9.2 ×8.
5cm )に詰め、30分間休ませた。その後、40°C で途中
霧吹きしながら60分間醗酵させた後、180 °C のオーブ
ンで35分間焼いた。
【0010】B製品:小麦粉210gと水120ml に、イース
ト6g、臭素酸カリ8.1mg を溶解したものを混ぜ、よく捏
ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地とした。この中
種生地に、食塩6g、砂糖15g 、脱脂粉乳6gを水60mlに溶
解したものと小麦粉90g とを加えて混合し、生地がまと
まったところでショートニング12g を加え、更によく混
合した。出来上がった生地を丸め、濡れぶきんを掛けて
20分間寝かした後、この生地をよく延ばし、整形して型
(10×9.2 ×8.5cm )に詰め、30分間休ませた。その
後、40°C で途中霧吹きしながら60分間醗酵させた後、
180 °C のオーブンで35分間焼いた。
ト6g、臭素酸カリ8.1mg を溶解したものを混ぜ、よく捏
ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地とした。この中
種生地に、食塩6g、砂糖15g 、脱脂粉乳6gを水60mlに溶
解したものと小麦粉90g とを加えて混合し、生地がまと
まったところでショートニング12g を加え、更によく混
合した。出来上がった生地を丸め、濡れぶきんを掛けて
20分間寝かした後、この生地をよく延ばし、整形して型
(10×9.2 ×8.5cm )に詰め、30分間休ませた。その
後、40°C で途中霧吹きしながら60分間醗酵させた後、
180 °C のオーブンで35分間焼いた。
【0011】C製品:コウジ酸も臭素酸カリも添加せず
に、上記A、B両製品と同様の製造条件で製パンした。
に、上記A、B両製品と同様の製造条件で製パンした。
【0012】焼き上がり後のパンの高さは、コウジ酸を
添加したA製品で13.6cm、臭素酸カリを添加したB製品
で12.1cm、いずれも無添加のC製品で10.4cmで、A製品
が、他のBおよびC製品に比べ、体積が増大しているこ
とが分かる。また、A製品は、弾力、芳香および食感
共、B製品と差異はなかった。なお、C製品は、弾力に
おいて、A、B製品より劣っていた。
添加したA製品で13.6cm、臭素酸カリを添加したB製品
で12.1cm、いずれも無添加のC製品で10.4cmで、A製品
が、他のBおよびC製品に比べ、体積が増大しているこ
とが分かる。また、A製品は、弾力、芳香および食感
共、B製品と差異はなかった。なお、C製品は、弾力に
おいて、A、B製品より劣っていた。
【0013】〔実施例2〕イーストフードを2種類作
り、それぞれ(A)、(B)とした。イーストフード
(A)は、硫酸カルシウム24.93 %、塩化アンモニウム
9,38%、コウジ酸20.0%、食塩24.93 %、澱粉20.76 %
とした。イーストフード(B)は、硫酸カルシウム24.9
3 %、塩化アンモニウム9,38%、臭素酸カリ0.27%、食
塩24.93 %、澱粉40.49 %とした。
り、それぞれ(A)、(B)とした。イーストフード
(A)は、硫酸カルシウム24.93 %、塩化アンモニウム
9,38%、コウジ酸20.0%、食塩24.93 %、澱粉20.76 %
とした。イーストフード(B)は、硫酸カルシウム24.9
3 %、塩化アンモニウム9,38%、臭素酸カリ0.27%、食
塩24.93 %、澱粉40.49 %とした。
【0014】(A)製品:小麦粉210gと水120ml に、イ
ースト6g、イーストフード(A)0.3gを溶解したものを
混ぜ、よく捏ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地と
した。この中種生地に、食塩6g、砂糖15g 、脱脂粉乳6g
を水60mlに溶解したものと小麦粉90g とを加えて混合
し、生地がまとまったところでショートニング12g を加
え、更によく混合した。出来上がった生地を丸め、濡れ
ぶきんを掛けて20分間寝かした後、この生地をよく延ば
し、整形して型(10×9.2 ×8.5cm )に詰め、30分間休
ませた。その後、40°C で途中霧吹きしながら60分間醗
酵させた後、180 °C のオーブンで35分間焼いた。
ースト6g、イーストフード(A)0.3gを溶解したものを
混ぜ、よく捏ねて40°C で2 時間醗酵させて中種生地と
した。この中種生地に、食塩6g、砂糖15g 、脱脂粉乳6g
を水60mlに溶解したものと小麦粉90g とを加えて混合
し、生地がまとまったところでショートニング12g を加
え、更によく混合した。出来上がった生地を丸め、濡れ
ぶきんを掛けて20分間寝かした後、この生地をよく延ば
し、整形して型(10×9.2 ×8.5cm )に詰め、30分間休
ませた。その後、40°C で途中霧吹きしながら60分間醗
酵させた後、180 °C のオーブンで35分間焼いた。
【0015】(B)製品:イーストフード(A)の代わ
りにイーストフード(B)を0.3g加え、(A)製品と同
様の製造条件でパンを焼いた。
りにイーストフード(B)を0.3g加え、(A)製品と同
様の製造条件でパンを焼いた。
【0016】焼き上がりのパンの高さは、イーストフー
ド(A)を加えた(A)製品で13.5cm、イーストフード
(B)を加えた(B)製品で12.2cmであり、弾力、芳
香、食感共、両製品に変わりなかった。
ド(A)を加えた(A)製品で13.5cm、イーストフード
(B)を加えた(B)製品で12.2cmであり、弾力、芳
香、食感共、両製品に変わりなかった。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明方法によれば、製
パンに際して臭素酸カリの代わりにコウジ酸が使用でき
るので、安全性の面でも優れたパンを得ることができ
る。また、パンの体積が増大するので、パンの内相品質
をも改善することができる。
パンに際して臭素酸カリの代わりにコウジ酸が使用でき
るので、安全性の面でも優れたパンを得ることができ
る。また、パンの体積が増大するので、パンの内相品質
をも改善することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−137253(JP,A) 特開 平5−316927(JP,A) 特開 昭63−309133(JP,A) 特開 昭57−202238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/14 A21D 8/04 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG) 特許ファイル(PATOLIS)
Claims (1)
- 【請求項1】パン生地をイースト醗酵するに際し、コウ
ジ酸を添加することを特徴とするパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04221886A JP3096939B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | パンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04221886A JP3096939B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | パンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614691A JPH0614691A (ja) | 1994-01-25 |
JP3096939B2 true JP3096939B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=16773722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04221886A Expired - Fee Related JP3096939B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | パンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3096939B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP04221886A patent/JP3096939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0614691A (ja) | 1994-01-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |