JP3096338U - 燃料タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に仕切板が設けられている燃料タンクに
おいて、容易に内部洗浄を行うことが可能となる燃料タ
ンクを供給する。 【解決手段】 燃料タンク１の内部を洗浄するときは、
第１燃料槽５の洗浄は、燃料供給口１０からスチーム洗
浄ノズルＳ１を挿入することができ、また、第２燃料槽
６と第３燃料槽７の洗浄は、第２仕切板４の近傍に取付
けられているフロートセンサ１１を取り外すと、第２仕
切板４のフロートセンサ１１の取付開口部１１ａに近接
して洗浄用開口部１８が形成されているため、第２燃料
槽６と第３燃料槽７にそれぞれスチーム洗浄ノズルＳ１
を挿入させることができ、第１燃料槽５、第２燃料槽
６、第３燃料槽７を洗浄する。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【考案の属する技術分野】 本考案は、内燃機関を駆動源とする産業機械の燃料を貯溜する燃料タンクの内 部構造に関する。 【０００２】 【従来の技術】 建設や土木等の工事現場で使用される内燃機関を駆動源とする発電機や溶接機 等の産業機械に燃料の給油を行う場合には、車両等が給油所で給油を行うのとは 異なり、ドラム缶に貯留される燃料を一旦ポリタンク等の簡便な容器に移行して 行われる場合が多い。一方、市場の需要動向は、早期施工の観点より、これらの 機械を燃料無補給での連続運転を可能とする燃料タンクの大型化の要望も強い。 【０００３】 この要望に応えるべく、本出願人は、図４に示すような、燃料タンク５０の内 部に複数枚の仕切板５１を設けることにより補強した燃料タンク５０を提案し、 実用化に至っている。また、これらの産業機械が使用される現場は屋外が主とな るが、一般にこれらの現場では「土砂」等が多量に処理されるために、機械およ び機材の保守点検における作業環境は良好とは言いがたく、例えば、土木工事の 作業現場において給油に供されるポリタンク等の容器や燃料ポンプ等の機材に「 土砂」等の不純物が付着混入することもあり、これらの不純物が燃料タンク５０ 内に混入する場合が想定される。 【０００４】 このような「土砂」等の不純物が燃料タンク５０内に混入すると内燃機関への 安定した燃料供給に支障をきたし、内燃機関の運転に悪影響を及ぼすとともに、 内燃機関の故障の原因にもなりかねないために、適宜、燃料タンク内を洗浄する 必要がある。しかし、仕切板があると洗浄しにくくなってしまう。その対策とし て本出願人が開示する図４のように、燃料タンクの複数枚の仕切板５１には、斜 め方向に突設している給油口５２から挿入され燃料室Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３の洗浄を 行う高圧の洗浄ノズル５３を装備したクリーニングガン等の洗浄装置５４が挿通 自在となる向きに洗浄用貫通孔５５が設けられ、その内部の洗浄が可能となって いる（例えば、特許文献１参照）。 【０００５】 【特許文献１】 特開平９−２３６０５８号公報（第３頁、図２−図４） 【０００６】 【考案が解決しようとする課題】 しかし、仕切板を設けた場合において、燃料タンクの形状によっては、当該仕 切板の洗浄装置を挿入する方向に洗浄用貫通孔を設けることができないことがあ り、何らかの対応が要請されていた。 【０００７】 そこで、本考案は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、内部 に仕切板が設けられている場合において、どのようなタンク形状であっても容易 に内部洗浄を行うことが可能となる燃料タンクを供給することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するために、本考案の燃料タンクは、タンク本体の内部が平面 視で順に、一端部の第１燃料槽、中央部の第２燃料槽及び他端部の第３燃料槽の ３槽に画設され、前記第１燃料槽と前記第２燃料槽との間に鉛直方向の第１仕切 板が、前記第２燃料槽と前記第３燃料槽との間に鉛直方向の第２仕切板がそれぞ れ介設されており、前記タンク本体は、ドレン部と、前記第１燃料槽と連通して いる燃料供給口とを有するとともに、前記第２仕切板の近傍に、燃料の液面を検 知するフロートセンサの取付開口部を備える燃料タンクであって、前記第１仕切 板の下部及び前記第２仕切板の下部には、前記各燃料槽間の前記燃料の流通を自 在とするための燃料流通用開口部が形成されており、前記第２仕切板には、前記 フロートセンサの取付開口部から挿入されて前記第２燃料槽及び前記第３燃料槽 の洗浄を行う洗浄装置を挿通自在となるように、前記フロートセンサの取付開口 部に近接して、洗浄用開口部が形成されていることを特徴としている。 【０００９】 本考案の燃料タンクによれば、燃料タンクの内部を洗浄するときは、第１燃料 槽の洗浄は、燃料供給口から洗浄装置を挿入することができ、また、第２燃料槽 と第３燃料槽の洗浄は、第２仕切板の近傍に取付けられているフロートセンサを 取り外すと、第２仕切板のフロートセンサの取付開口部に近接して洗浄用開口部 が形成されているため、第２燃料槽と第３燃料槽にそれぞれ洗浄装置を挿入させ ることができ、第１燃料槽、第２燃料槽、第３燃料槽を容易に洗浄することがで きる。なお、洗浄時に使用した洗浄液などは、燃料タンクに設けたドレン部から 排出できる。 【００１０】 【考案の実施の形態】 次に、本考案の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。 図１は、本考案の燃料タンクの構成を示す一部切り欠いた斜視図である。 【００１１】 図１に示すように、燃料タンク１は、中空の略直方体形状のタンク本体２の内 部が、鉛直方向の略四角形の第１仕切板３及び第２仕切板４により、第１燃料槽 ５、第２燃料槽６、第３燃料槽７の３つの燃料槽に分割して画設されている。そ して、タンク本体２の第１燃料槽５の底部２ａには、ドレン部８が設けられてい る。 【００１２】 また、タンク本体２の第１燃料槽５の外部上面２ｂには、第１燃料槽５に連通 している燃料供給口１０が斜め方向に突設されている。この燃料供給口１０は、 燃料タンク１に燃料を充填するときに利用するために備えたものであり、この燃 料供給口１０には、タンクキャップ１０ａが備えられている。このタンクキャッ プ１０ａは、燃料の充填時及び洗浄時以外には、閉塞した状態で維持されている 。 【００１３】 また、タンク本体２の外部上面２ｂには、フロートセンサ１１を取り付けるた めの円形の取付開口部１１ａが第２燃料槽６の上部であり、第２仕切板４の近傍 に設けられており、この取付開口部１１ａに燃料タンク１の内容量を判断するた めのフロートセンサ１１がパッキンを介して取付けられている。このフロートセ ンサ１１は、燃料の液面に浮上するフロートの位置に基づいて燃料の残量を検出 するための公知装置の装置を使用することができる。なお、タンク本体２の所定 の位置には、レベルゲージ、サクションパイプ及びリターンパイプ等（図示せず ）が取付けられている。 【００１４】 ここで、第１仕切板３は、タンク本体２の底部２ａに対して立設し、第１燃料 槽５と第２燃料槽６を区画している。また、燃料タンク１に貯溜する燃料の流通 を第１燃料槽５と第２燃料槽６との間で自在とするために、第１仕切板３の底面 の中央部には、四角形状の燃料流通用開口部１２が形成され、第１仕切板３の底 面の両隅角部には、３角形状の切り欠孔１３，１４が形成されている。また、第 １仕切板３の上面の両隅角部には、第１燃料層５と第２燃料槽６の空気の流通を 自在とする連設孔１５，１６が穿設されている。 【００１５】 また、第２仕切板４は、タンク本体２の内部の底部２ａに対して立設し、第２ 燃料槽６と第３燃料槽７を区画している。また、燃料タンク１に貯溜する燃料の 流通を第２燃料槽６と第３燃料槽７との間で自在とするために、第２仕切板４の 底面の中央部には、四角形状の燃料流通用開口部１７が形成され、第２仕切板４ の底面の両隅角部には、３角形状の切り欠孔１９，２０が形成されている。また 、第２仕切板４の上面の中央部には、四角形状の洗浄用開口部１８が形成され、 第２仕切板４の両隅角部には、第２燃料層６と第３燃料槽７の空気の流通を自在 とする連設孔２１，２２が穿設されている。 【００１６】 次に、このように構成された燃料タンク１内部の洗浄方法について図面を用い て説明する。図２（ａ）〜図２（ｃ）は、燃料タンクの洗浄方法を示す一部切り 欠いた斜視図である。 【００１７】 まず、図２（ａ）に示すように、燃料タンク１に充填されている燃料を、ドレ ン部８を利用して、燃料タンク１の外部に排出する。次に、図２（ｂ）に示すよ うに、燃料タンク１の燃料供給口１０に設けられた燃料キャップ１０ａを取り外 すと共に、フロートセンサ１１を取り外す。そして、図２（ｃ）の示すように、 燃料供給口１０と、フロートセンサ１１を取り外した後の取付開口部１１ａから 、洗浄装置として、先端に噴霧機能を備えた高圧のスチーム洗浄ノズルＳ１を各 燃料槽５，６，７毎に挿入する。なお、取付開口部１１ａから挿入したスチーム 洗浄ノズルＳ１は、第２仕切板４のフロートセンサ１１に近接した向きに洗浄用 開口部１８が形成されているので、第２燃料槽６、第３燃料槽７に簡単に挿入す ることができる。 【００１８】 次に、スチーム洗浄ノズルＳ１を使い、燃料タンク１の第１燃料槽５、第２燃 料槽６、第３燃料槽７の各燃料槽に高圧の洗浄液を吹き付けて洗浄を行う。この とき、汚れた洗浄液及び燃料タンク１の内部に堆積した不純物は、各仕切板３， ４の下部の燃料流通用開口部１２，１７及び切り欠孔１３，１４，１９，２０を 流れて、タンク本体２の底部２ａのドレン部８に集合して排出させる。そして、 各燃料槽５，６，７を洗浄後、燃料供給口１０にタンクキャップ１０ａを取り付 けると共に、取付開口部１１ａにフロートセンサ１１を取り付けることで元の状 態に戻すことができる。 【００１９】 このような燃料タンク１の洗浄方法によれば、内部の「土砂」等の不純物を、 燃料供給口１０とフロートセンサ１１を取り外した取付開口部１１ａからスチー ム洗浄ノズルＳ１を挿入することで、第１燃料槽５、第２燃料槽６、第３燃料槽 ７に洗浄液を吹き付けて洗浄することでき、簡単に燃料タンク１の内部を洗浄す ることができる。 【００２０】 以上、本考案について、好適な実施形態の一例を説明したが、前記実施形態に 限られず、前記の各構成要素については、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、適 宜設計変更が可能である。特に、本考案は、前記構成を有する燃料タンクであれ ば、発電機、溶接機、圧縮機等の一般的に使用されている総ての産業機械におい て適用可能である。また、タンク本体の形状等についてもどのような形状でもよ く、特に限定されるものではない。 【００２１】 なお、前記実施形態の燃料タンク１では、フロートセンサ１１がタンク本体２ の外部上面２ｂに取付けられた構成としたが、フロートセンサ１１の取り付け位 置は、特に限定されるものではないが、その場合には、フロートセンサが取り付 けられた箇所に応じて、第２仕切板のフロートセンサに近接している位置に洗浄 用開口部を形成することで、スチーム洗浄ノズルＳ１を第２燃料槽６及び第３燃 料槽７に挿入する構成とすることができる。 【００２２】 例えば、図３（ａ）に示すように、タンク本体２４の内部が、鉛直方向の略四 角形の第１仕切板２５及び第２仕切板２６により、３つの燃料槽に分割して画設 され、外部側面２４ｃに取付けられたフロートセンサ２７の近傍の第２仕切板２ ６の側面部に洗浄用開口部２９が形成することで、図３（ｂ）に示すように、ス チーム洗浄ノズルＳ１を各燃料槽５，６，７毎に挿入し、燃料タンク２３の各燃 料槽に洗浄液を吹き付けて洗浄を行い、タンク本体２４のドレン部８から汚れた 洗浄液及び内部に堆積した不純物を排出させることができる。 【００２３】 【考案の効果】 以上より、本考案の燃料タンクによれば、燃料供給口から第１燃料槽に洗浄装 置を挿入すると共に、フロートセンサの取付開口部から洗浄装置を第２燃料槽及 び第３燃料槽に挿入して燃料タンクの内部の全てを簡単に洗浄することができる 。

【図面の簡単な説明】 【図１】本考案の燃料タンクの構成を示す一部切り欠い
た斜視図である。 【図２】（ａ）〜（ｃ）は、本考案の燃料タンクの洗浄
方法を示す一部切り欠いた斜視図である。 【図３】（ａ）は、本考案の他の燃料タンクの構成を示
す一部切り欠いた斜視図である。（ｂ）は、燃料タンク
の洗浄方法を示す一部切り欠いた斜視図である。 【図４】従来の燃料タンクを示す断面図である。 【符号の説明】 １ ・・・ 燃料タンク ２ ・・・ タンク本体 ２ａ ・・・ 底部 ２ｂ ・・・ 外部上面 ３ ・・・ 第１仕切板 ４ ・・・ 第２仕切板 ５ ・・・ 第１燃料槽 ６ ・・・ 第２燃料槽 ７ ・・・ 第３燃料槽 ８ ・・・ ドレン部 １０ ・・・ 燃料供給口 １０ａ・・・ タンクキャップ １１ ・・・ フロートセンサ １２ ・・・ 燃料流通用開口部 １３，１４ ・・・ 切り欠孔 １５，１６ ・・・ 連設孔 １７ ・・・ 燃料流通用開口部 １８ ・・・ 洗浄用開口部 １９，２０ ・・・ 切り欠孔 ２１，２２ ・・・ 連設孔 ２３ ・・・ 燃料タンク ２４ ・・・ タンク本体 ２４ａ・・・ 底部 ２４ｂ・・・ 外部上面 ２４ｃ・・・ 外部側面 ２５ ・・・ 第１仕切板 ２６ ・・・ 第２仕切板 ２７ ・・・ フロートセンサ ２７ａ・・・ 取付開口部 ２８ ・・・ 燃料流通用開口部 ２９ ・・・ 洗浄用開口部 ３０，３１ ・・・ 切り欠孔 ３２，３３ ・・・ 連設孔 Ｓ１ ・・・ スチーム洗浄ノズル

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 タンク本体の内部が平面視で順に、一端
   部の第１燃料槽、中央部の第２燃料槽及び他端部の第３
   燃料槽の３槽に画設され、前記第１燃料槽と前記第２燃
   料槽との間に鉛直方向の第１仕切板が、前記第２燃料槽
   と前記第３燃料槽との間に鉛直方向の第２仕切板がそれ
   ぞれ介設されており、 前記タンク本体は、ドレン部と、前記第１燃料槽と連通
   している燃料供給口とを有するとともに、 前記第２仕切板の近傍に、燃料の液面を検知するフロー
   トセンサの取付開口部を備える燃料タンクであって、 前記第１仕切板の下部及び前記第２仕切板の下部には、
   前記各燃料槽間の前記燃料の流通を自在とするための燃
   料流通用開口部が形成されており、 前記第２仕切板には、前記フロートセンサの取付開口部
   から挿入されて前記第２燃料槽及び前記第３燃料槽の洗
   浄を行う洗浄装置を挿通自在となるように、前記フロー
   トセンサの取付開口部に近接して、洗浄用開口部が形成
   されていることを特徴とする燃料タンク。