JP3096155B2 - ソレノイドの手動操作装置 - Google Patents

ソレノイドの手動操作装置

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JP3096155B2
JP3096155B2 JP04154436A JP15443692A JP3096155B2 JP 3096155 B2 JP3096155 B2 JP 3096155B2 JP 04154436 A JP04154436 A JP 04154436A JP 15443692 A JP15443692 A JP 15443692A JP 3096155 B2 JP3096155 B2 JP 3096155B2
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英次 原田
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武秀 宮島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可動鉄心を吸引方向に
付勢動作させるとその付勢を解いても吸引状態を保持
し、可動鉄心の原位置復帰時は前記と逆方向の付勢をま
って復帰させるようにした自己保持型ソレノイドの手動
操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自己保持型ソレノイド(以下、
単にソレノイドという)は、このソレノイドの電磁コイ
ルに通電される電流が正方向の場合に可動鉄心を吸引
し、一旦可動鉄心を吸引したあとは、前記通電を停止し
ても、前記可動鉄心を吸引位置に保持し、逆に、可動鉄
心の吸引を解除する場合は、電磁コイルに逆方向電流を
流すことにより、可動鉄心を吸引位置から原位置に復帰
させるように構成されており、前記可動鉄心を一旦吸引
したあとは、電磁コイルに通電を行うことなくその吸引
位置に保持させてソレノイドにより消費される電力の低
減化を図るものである。
【0003】そして、前記ソレノイドは、例えば、実公
昭61−38166号公報に記載されているものが一般
によく知られており、図6によりその概略構造を説明す
る。図6において、1は有底筒状の磁気ヨークで、その
内側面の底部中央には、頂部に永久磁石2を固着した固
定鉄心3が取付けられており、この固定鉄心3の外周に
は、前記磁気ヨーク1の開口端側に向けて案内筒4が嵌
着され、前記案内筒4には可動鉄心5が磁気ヨーク1の
軸芯に沿って摺動移動可能に挿入されている。又、案内
筒4の外側には磁気ヨーク1との間の空所において、図
示しないコイルボビンに巻回した電磁コイル6が嵌挿さ
れており、更に、前記磁気ヨーク1の開口端は補助ヨー
ク7にて閉鎖されている。更に、可動鉄心5は固定鉄心
3との間で図示しない復帰ばねの付勢力により、固定鉄
心3から離れる方向に所定の空間を保って偏位され、か
つ、図示しないストッパーに受け止められてストローク
調整をはかるようにして、ソレノイド8を構成してい
る。
【0004】次に前記ソレノイド8の動作は、電磁コイ
ル6に正方向電流を流すと、磁気ヨーク1→固定鉄心3
→可動鉄心5→案内筒4→補助ヨーク7によって閉磁路
が形成され、この閉磁路内を流れる磁束によって可動鉄
心5は、固定鉄心3側に移動し固定鉄心3の永久磁石2
頂部に吸引保持される。前記可動鉄心5が吸引された状
態で通電を断つと、可動鉄心5は永久磁石2の磁気吸引
力により、保持電流を必要とすることなく吸引位置に保
持される。ついで、可動鉄心5を固定鉄心3から離脱
(吸引解除)させるときは、電磁コイル6に逆方向電流
を通電し、閉磁路内に可動鉄心5を原位置復帰させる方
向の磁束が流れて永久磁石2の磁束を打消す。この結
果、永久磁石2による可動鉄心5に対する吸引力が減少
し、可動鉄心5は固定鉄心3との吸引が解かれ、復帰ば
ねの力によって急速に原位置に復帰することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記構成のソレノイド
は、例えば、電動シャッターのブレーキ解放装置や回路
遮断器における投入・遮断装置の駆動手段として使用さ
れている。しかし、前記ソレノイドは、停電とかソレノ
イド使用機器の故障等に際して、可動鉄心を外部から手
動操作するための手段が全く具備されていないため、例
えば、非常時に電動シャッターのブレーキを手動解放し
て、シャッターを閉鎖するということができない場合が
あった。
【0006】前記の問題を解決するために、例えば、電
動シャッター等の機器に非常用電源(蓄電池等)を特別
に設置し、停電事故、あるいは、機器の点検等に当り、
前記非常用電源をソレノイドに供給してこれを駆動させ
ることが考えられる。しかし、前記非常用電源を各機器
に設置することは、経済的な問題があるばかりか、使用
機器の大形化に伴い設置スペースが損われたり、保守・
管理に手間がかかる等種々の問題があった。
【0007】本発明は、前記の問題点に鑑み、ソレノイ
ドの可動鉄心を外部から迅速・確実に手動操作できる手
段を具備し、停電時等の非常時に前記ソレノイドを手動
操作してソレノイド使用機器を円滑に操作可能とした自
己保持型ソレノイドの手動操作装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のソレノイドの手動操作装置は、中空円筒状
のヨークと、永久磁石の両側に一対の磁性部材を配設し
て前記ヨークの軸芯にその軸方向に沿って移動可能に配
置した可動鉄心と、前記可動鉄心の外側に、該可動鉄心
との間で所定の間隙を保って磁気ヨーク内に収容・配置
した電磁コイルと、前記電磁コイルの下側において、外
周縁を磁気ヨークの下端内側に嵌着した可動鉄心の吸引
・復帰用の固定鉄心と、前記電磁コイルと可動鉄心との
間隙に、可動鉄心の吸引時は永久磁石の周縁を開放し、
可動鉄心の復帰時は可動鉄心の一方の磁性部材にまたが
って前記永久磁石の周縁を囲繞するように遊嵌した消磁
リングと、前記消磁リングの永久磁石側から遠ざかる方
向の端部に可動鉄心を遊嵌した状態で嵌着されて、該可
動鉄心の端部から外方に突出させた非磁性材料からなる
消磁リング保持筒と、更に、可動鉄心の固定鉄心から遠
ざかる方向の端部側において、該可動鉄心と所定の間隔
を保って配置し、かつ、前記可動鉄心を手動操作により
固定鉄心側に押動して吸引させるための手動投入(吸
引)用の操作釦と、前記手動投入操作釦と共動可能に嵌
合保持され、かつ、消磁リング保持筒の突出端と常時当
接して、消磁リングを可動鉄心の吸引解除時永久磁石が
囲繞できる位置まで移動させる可動鉄心の原位置復帰用
の操作釦とにより構成してある。
【0009】
【作用】前記の構成によれば、ソレノイドの可動鉄心を
停電時等において手動操作する場合は、可動鉄心の固定
鉄心と反対側に位置する端部との間において、間隔を保
って配置した手動投入操作釦を、手動で圧縮ばねの力に
抗して可動鉄心側に押動し、該可動鉄心を固定鉄心側に
移動させることにより、可動鉄心を永久磁石の吸引力に
て固定鉄心に吸引させることができ、又、可動鉄心の吸
引を手動で解除するときは、復帰用操作釦を押動して消
磁リングを、可動鉄心を構成する一対の磁性部材間に介
挿した永久磁石の周縁まで移動させるとともに、これを
前記磁性部材間にまたがって囲繞させることにより、前
記永久磁石の磁束を、前記消磁リングによりループ(短
絡)させて軽減し、これにより、永久磁石の吸引力が弱
められて、可動鉄心をその復帰ばねの力により原位置に
自動復帰させることが可能となるため、停電時等におい
て、自己保持型ソレノイドの手動操作を迅速・容易に行
うことができるので至便である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5によ
り説明する。図1において、11は本発明の手動操作装
置を備えた自己保持型ソレノイドである。12は電磁コ
イル13を巻装した筒状ボビンを示し、このボビン12
の一方の開口端(図1の下部)には、後述する可動鉄心
17の下部を収容する凹穴14aと、可動鉄心17の下
部に突出する可動ロッド19が貫通する縦孔aとを設け
た固定鉄心14を備え、他方の開口端(図1の上部側)
にはボビン12の中空孔を塞がないようにして補助ヨー
ク15がボビン12の上方に配置されている。又、前記
電磁コイル13の外側には、該コイル13を囲繞する中
空円筒状の磁気ヨーク16が、前記補助ヨーク15と固
定鉄心14とにまたがって嵌着保持されている。そし
て、固定鉄心14は図1のように、ボビン12の下部に
緩衝材を介して磁気ヨーク16の下部開口端に嵌合保持
され、又、補助ヨーク15は、その上部に載せたシール
部材を介して磁気ヨーク16の上部開口端内側に止着し
た止輪15aにて、ボビン12上に載置固定される。
【0011】そして、前記可動鉄心17は図1で示すよ
うに、固定鉄心14側に第1の磁性部材bを、補助ヨー
ク15側には第2の磁性部材cをそれぞれ備え、かつ、
これら2つの磁性部材b,c間に永久磁石18を介して
形成されており、その組立に際しては、図1のように、
固定鉄心14の縦孔aを貫通する前記可動ロッド19の
ほぼ中央部に形成した係止段部dに第1の磁性部材bを
嵌挿保持させ、つづいて、可動ロッド19の上方端から
前記第1の磁性部材b上に永久磁石18を遊合して乗載
し、最後に、可動ロッド19の上部側に設けたねじ部e
に第2の磁性部材cを図1で示すように、可動ロッド1
9を第2の磁性部材c上に突出させることなく螺着して
組立てるもので、電磁コイル13を巻装したボビン12
の中空孔内に所定の間隙fを保って移動可能に遊嵌され
ている。
【0012】20は固定鉄心14の下側に止輪gを介し
て止着した有底筒状の軸受部材で、その中心部底面には
固定鉄心14の縦孔aと連通する透孔を穿孔して可動ロ
ッド19を縦孔aとともに良好に貫通・支持する。21
は前記可動鉄心17の外周とボビン12の中空孔との間
の間隙fに嵌挿した消磁リングで、この消磁リング21
は図1で示すように、その上方端は真鍮等の非磁性材料
を用いて筒状に形成した消磁リング保持筒22に、可動
鉄心17の第2の磁性部材cの外周縁において、補助ヨ
ーク15と対応する位置で嵌着することにより、可動鉄
心17に遊嵌保持される。この際、前記消磁リング21
の下方端とその保持筒22との結合関係は、図1で示す
ように、可動鉄心17が吸引される前の状態では、消磁
リング21と保持筒22との接合部hを永久磁石18の
上端周縁と合致させて、前記永久磁石18と可動鉄心1
7の第1の磁性部材bとの一部が、前記消磁リング21
にて囲繞できるようになし、又、図2で示すように、可
動鉄心17を固定鉄心14に吸引させた場合は、消磁リ
ング21の下端縁が永久磁石18の上端縁側に位置し
て、前記消磁リング21により永久磁石18を囲繞しな
いように設定されている。
【0013】前記可動鉄心17の吸引前と吸引後におけ
る消磁リング21の可動鉄心17に対する遊嵌位置は、
消磁リング21の下端と固定鉄心14との間に介挿した
リング復帰ばね23の付勢力と、消磁リング保持筒22
の上端と当接してその上動を規制するソレノイド11の
後述するキャップ24とによって設定される。そして、
前記キャップ24は、固定、可動鉄心14,17及び電
磁コイル13等からなるソレノイド本体Aを内蔵した磁
気ヨーク16をその外側から被覆・収容した外被ケース
25の、上部開口端周縁に形成した鍔部26外周のねじ
部27に螺着されている。
【0014】前記外被ケース25は、ソレノイド本体A
を内蔵した磁気ヨーク16を、その下方端を外被ケース
25内下部の係止部28に係載させて収容することによ
り、その下部開口端を軸受部材20によって閉鎖でき、
又、上部開口端は鍔部26外周のねじ部27に螺着した
キャップ24により閉鎖できるように形成してあるの
で、ソレノイド本体Aを水や塵埃の侵入から確実に保護
することができる。そして、前記鍔部26に螺着したキ
ャップ24は、図1で示すように、鍔部26のねじ部2
7と螺合するねじ部を内側に螺設した外筒29と、外被
ケース25の上部開口端の内周面に摺接する内筒30
と、消磁リング保持筒22の上端縁を受止めて前記内筒
30の内側に抜脱不能に嵌挿した可動鉄心17の手動復
帰操作釦31と、前記消磁リング保持筒22の開口端内
周面に摺接可能に嵌合されて、前記手動復帰操作釦31
に抜脱不能に係止させた可動鉄心17の手動投入操作釦
32とによって構成され、前記キャップ24を外被ケー
ス25に螺合することにより、キャップ24には前記手
動復帰及び手動投入の各操作釦31,32が抜脱不能に
一体的に具備されているため、ソレノイド11の上部を
手動操作可能とした状態で、良好に閉鎖することができ
る。
【0015】なお、図1において、33は可動鉄心17
と軸受部材20との間に介挿した可動鉄心17の原位置
復帰ばね、34は可動鉄心17の上端に止着した緩衝材
35と手動投入操作釦32との間に介挿した操作釦復帰
ばね、36はソレノイド11の図示しない使用機器に設
けた取付部材で、ソレノイド11は、例えば、取付部材
36の透孔37に挿入し、外被ケース25の胴部下側か
ら、その上部側に設けたねじ部に締付ナット38を螺合
することにより取付けることができる。更に、39は消
磁リング保持筒22の胴部外周のほぼ中央に設けた前記
保持筒22の下動範囲を規制するための係止段部で、こ
の係止段部39が補助ヨーク15の上端に当接したと
き、可動鉄心17の吸引時における消磁リング21の位
置を、永久磁石18の周縁が、図4で示すように、その
上下部に位置する第1及び第2の磁性部材b,c間にま
たがって囲繞できるように設定するものである。
【0016】次に、本発明装置の動作について説明す
る。最初にソレノイド11を通電により動作させる場合
は、図1において電磁コイル13に、可動鉄心17を固
定鉄心14に吸引させる方向の正方向電流を供給する。
この結果、磁気ヨーク16→補助ヨーク15→消磁リン
グ21→可動鉄心17の第1の磁性部材b→固定鉄心1
4よりなる閉磁路が形成され、この閉磁路内を流れる磁
束によって可動鉄心17に吸引力が作用し、該可動鉄心
17は固定鉄心14側に原位置復帰ばね33の力に抗し
て吸引され固定鉄心14に吸引する。
【0017】このようにして、可動鉄心17が固定鉄心
14に吸引されると、可動鉄心17に嵌着した可動ロッ
ド19も同時に移動し、その先端に連結される図示しな
い負荷部材(例えば、電動シャッターのブレーキ投入、
解放レバーとか、回路遮断器の投入・引外し杆)を作動
させる。
【0018】そして、前記可動鉄心14が固定鉄心17
に吸引されると電磁コイル13への通電を断っても、永
久磁石18の磁束が前記閉磁路内に透過され続けるた
め、可動鉄心17は図2のように、永久磁石18の吸引
により吸引状態が保持される。
【0019】このように、ソレノイド11は電磁コイル
13への通電を断っても通電停止後は永久磁石18の吸
引力により、原位置復帰ばね33の力に打勝って、自己
保持状態を維持するものである。
【0020】次に、負荷部材を可動鉄心17が吸引され
る前の状態、即ち、原位置に復帰させる場合について説
明する。この場合は、可動鉄心17を固定鉄心14に吸
引保持させている永久磁石18の吸引力を、原位置復帰
ばね33の力が勝るように軽減させればよいことにな
る、このため、ソレノイド11は図2の状態で、電磁コ
イル13に吸引時の通電電流より小さく、かつ、通電方
向が逆向きの電流を瞬時通電し、永久磁石18の磁束を
打消す磁束を誘起させる。このため、可動鉄心17に対
する永久磁石18の吸引力が減少し、もしくは、零にな
ると、復帰ばね33の付勢力により、可動鉄心17は吸
引が解かれて固定鉄心14から離脱し、図1に示すよう
に、緩衝材35を介して手動投入操作釦32の下端縁に
受け止められることにより、原位置に復帰する。
【0021】前記のようにすることによってはじめて可
動鉄心17は固定鉄心14との吸引状態が解かれ、復帰
ばね33の付勢力によって原位置に急速復帰するもので
ある。これにより、可動ロッド19に連接される図示し
ない負荷部材を原位置に戻すことができる。
【0022】次に、ソレノイド11を停電時とか、機器
の点検等に際して手動で吸引させたり、復帰する場合に
ついて説明する。はじめに、図1で示す可動鉄心17の
吸引前の状態で、キャップ24を構成する手動投入操作
釦32を指で押すなどして、可動鉄心17を原位置復帰
ばね33の力に抗して下方に押動し、可動鉄心17を図
3で示すように、固定鉄心14に永久磁石18の吸引力
を利用して吸引させる。このように、本発明において
は、可動鉄心17を手動で吸引させる場合は、ソレノイ
ド11の上部を水等の浸入から保護するために被覆した
キャップ24に、可動鉄心17の上部において抜脱しな
いように嵌合保持させた手動投入操作釦32を押すだけ
の簡単な操作で、容易に可動鉄心17を手動で固定鉄心
14に吸引させることができる。
【0023】つづいて、固定鉄心14に吸引されている
可動鉄心17を手動で吸引を解いて原位置に復帰させる
場合について説明する。この場合は、図2で示すよう
に、可動鉄心17が固定鉄心14に吸引している状態
で、キャップ24の手動復帰操作釦31を押し下げる。
すると、前記操作釦31は該釦31と抜脱不能に嵌合保
持されている手動投入操作釦32と共動して下降し、復
帰操作釦31下端に当接している消磁リング保持筒22
を、リング復帰ばね23の力に抗して降下させ、前記消
磁リング保持筒22の係止段部39が、補助ヨーク15
の上端と図4で示すように当接すると、前記保持筒22
に嵌着した消磁リング21は、図4のように、可動鉄心
17の第1,第2磁性部材b,c間にまたがって永久磁
石18を囲繞する位置に到達することとなる。
【0024】前記のように、消磁リング21が永久磁石
18の周囲を囲むと、永久磁石18の磁束の一部は、図
4で示すように、永久磁石18→第1の磁性部材b→消
磁リング21→第2の磁性部材cのルートで磁束Φaが
流れることとなる。即ち、永久磁石18の磁束Φmは、
その一部が消磁リング21の存在によりループ(短絡)
されて、消磁リング21を流れる磁束Φaに分流され、
永久磁石18の吸引力に寄与しない磁束となってしま
う。従って、永久磁石18は前記分流磁束Φaにより吸
引力が軽減されてしまい、原位置復帰ばね33の力が打
勝つと、可動鉄心17を簡単に原位置に復帰させること
ができる。
【0025】前記のように、可動鉄心17を手動で原位
置に戻すとき、本発明は、消磁リング21を用いて永久
磁石18の磁束の一部を短絡させ、これを吸引力として
寄与させないように構成してあるため、可動鉄心17は
原位置復帰ばね33の力が永久磁石18の軽減された吸
引力に打勝つことにより、容易に手動復帰させることが
できる。なお、図1,2において、通電により可動鉄心
17を吸引・復帰する場合、消磁リング21は前記のよ
うに、可動鉄心17との間でループするように配置され
ていないため、永久磁石18の吸引力が軽減して可動鉄
心17の吸引・復帰操作に支障を与えるようなことは全
くない。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、電磁コイ
ルに正方向電流を通電して可動鉄心を固定鉄心に吸引さ
せ、可動鉄心の吸引後は前記電流の通電を停止させて
も、可動鉄心に設けた永久磁石の吸引力によって吸引状
態を保持し、逆に、可動鉄心を原位置に復帰させるとき
は、逆方向電流を電磁コイルに通電して可動鉄心を吸引
保持させている永久磁石の吸引力を軽減させて可動鉄心
を原位置に復帰させるようにしたソレノイドにおいて、
前記可動鉄心と電磁コイルとの間に所定寸法の間隙を形
成し、この間隙には、可動鉄心に設けた永久磁石の磁束
を短絡させる消磁リングを、可動鉄心に沿って移動可能
に遊嵌し、前記可動鉄心の手動復帰時、前記消磁リング
を可動鉄心の永久磁石を囲繞する位置まで移動させ、こ
の消磁リングにて、永久磁石の磁束を短絡させて吸引力
を軽減させるようにしたので、前記ソレノイドを停電時
とか始業時前の点検等において、容易に手動操作するこ
とができるため至便である。
【0027】又、本発明の手動操作装置は、可動鉄心と
電磁コイルとの間に、可動鉄心の移動に妨げとならない
ように消磁リングが遊嵌されており、しかも、前記消磁
リングはソレノイドの外から容易に移動させることがで
きるように構成されているので、停電時等においても迅
速・確実に外部からソレノイドの手動操作が行い得、ソ
レノイド使用機器を停電時とか、点検等に際して円滑・
良好に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手動操作装置を備えた自己保持型ソレ
ノイドの縦断面図である。
【図2】図1に示す自己保持型ソレノイドの吸引状態を
示す縦断面図である。
【図3】本発明の手動操作装置にて可動鉄心を固定鉄心
に吸引させた状態を示す自己保持型ソレノイドの縦断面
図である。
【図4】本発明の手動操作装置を操作して可動鉄心の固
定鉄心に対する吸引を解いて可動鉄心を原位置復帰させ
る状態を示す自己保持型ソレノイドの縦断面図である。
【図5】可動鉄心の要部を示す斜視図である。
【図6】従来の自己保持型ソレノイドの概略構成を示す
説明図である。
【符号の説明】
11 ソレノイド 13 電磁コイル 14 固定鉄心 17 可動鉄心 18 永久磁石 21 消磁リング 22 消磁リング保持筒 24 キャップ 31 手動復帰操作釦 32 手動投入操作釦 b 第1の磁性部材 c 第2の磁性部材 f 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮島 武秀 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 審査官 植松 伸二 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイル内に可動鉄心が移動可能に配
    置され、この可動鉄心の移動方向の一方に可動鉄心を吸
    引・復帰させる固定鉄心を備え、この固定鉄心と電磁コ
    イルとの外側に閉磁路形の磁気ヨークを嵌挿してなるソ
    レノイドにおいて、前記可動鉄心は一対の磁性部材と、
    該磁性部材間に介在させた永久磁石とによって形成し、
    この可動鉄心を前記電磁コイル内に、該コイルの内周面
    と所定の間隙を保って挿入し、前記可動鉄心と電磁コイ
    ルとの間隙には、可動鉄心を手動復帰させるとき、前記
    第1、第2の磁性部材間に介挿した永久磁石の磁束を短
    絡させる消磁リングを移動可能に遊嵌したことを特徴と
    するソレノイドの手動操作装置。
  2. 【請求項2】 前記消磁リングを遊嵌した間隙には、消
    磁リングを常に永久磁石の位置から遠ざける方向に付勢
    するリング復帰ばねと、前記リング復帰ばねの反対側に
    おいて、消磁リングと連結されて可動鉄心に嵌挿した非
    磁性材料からなる消磁リング保持筒とを遊嵌し、前記消
    磁リング保持筒の頂部には、消磁リングを復帰ばねに抗
    して永久磁石の周縁を囲繞する位置まで押動可能とした
    手動操作釦を取付け、この手動操作釦により、前記消磁
    リングを可動鉄心の永久磁石が囲繞できる位置まで移動
    して、前記永久磁石の磁束を短絡させ、可動鉄心を、固
    定鉄心に対する吸引力を軽減させて原位置復帰させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のソレノイドの
    手動操作装置。
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