JP3095827B2 - 光磁気メモリ素子 - Google Patents
光磁気メモリ素子Info
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Description
して情報の記録、消去、および再生が行われる光磁気メ
モリ素子に関するものである。
は、通常、基板上に第1の誘電体層、記録層、第2の誘
電体層、反射層、およびオーバコート層が順次積層され
た構造を有している。すなわち、記録層を第1の誘電体
層と第2の誘電体層とで挟むことにより、記録層の酸化
防止と、多重反射によるカー回転角(θK )の増大とを
図っている。
GdTbFe、TbFeCoのような希土類−遷移金属
アモルファス合金が用いられているが、近年、短波長領
域でθK が大きく、しかも耐酸化性に優れていることか
ら、Co層とPt層とを交互に積層したCo/Pt多層
膜が記録層として注目されている。
合金はフェリ磁性なので、希土類金属の磁化と遷移金属
の磁化とが互いに等しくなるような組成、すなわち補償
組成になると、その保磁力(Hc)の値が10kOeを
超える程に非常に大きくなる。したがって、室温付近で
補償組成となる希土類−遷移金属アモルファス合金を記
録層として用いれば、Hcの値を充分に大きくでき、安
定した記録ビットを形成することができる。
多層膜は強磁性体であるため、上記のような補償組成が
存在せず、室温におけるHcの値は高々数百Oe程度で
あり、1kOeにも達していない。このため、Co/P
t多層膜を記録層として用いた光磁気記録媒体に安定な
記録ビットを形成するには、Co/Pt多層膜の保磁力
を向上させねばならないという問題点を有している。
気学会(1989)22PF−12において、記録層の
下地層としてCoO膜を使用することによる保磁力の増
大が報告されている。しかしながら、CoO膜は完全な
透明体ではないため、多重反射によるカー効果の増大を
図っても、透明膜に比べて反射率が低下する。その結
果、信号強度が低下するという問題点を有している。
磁気メモリ素子は、上記の課題を解決するために、基板
上に、第1の誘電体膜、Co層とPt層とを交互に繰り
返し積層したCo/Pt多層膜、第2の誘電体膜、およ
び反射膜を順次形成した光磁気メモリ素子において、上
記第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成ることを特徴
としている。
は、上記の課題を解決するために、基板上に、反射膜、
第1の誘電体膜、Co層とPt層とを交互に繰り返し積
層したCo/Pt多層膜、第2の誘電体膜を順次形成し
た光磁気メモリ素子において、上記第1の誘電体膜が多
結晶のMgOから成ることを特徴としている。
は、上記の課題を解決するために、基板上に、反射膜、
第1の誘電体膜、Co層とPt層とを交互に繰り返し積
層したCo/Pt多層膜、第2の誘電体膜を順次形成し
た光磁気メモリ素子において、上記反射膜がPt、A
l、Ag、Pdのうち少なくとも1種の元素を含む多結
晶の合金膜から成り、かつ、上記第1の誘電体膜が多結
晶のMgOから成ることを特徴としている。
/Pt多層膜を積層する前に成膜された第1の誘電体膜
が、透光性に優れた多結晶のMgOから成っている。す
なわち、基板上に、第1の誘電体膜/(Co/Pt)多
層膜/第2の誘電体膜がこの順に成膜されていくとすれ
ば、第1の誘電体膜は、Co/Pt多層膜を積層させる
下地層となる。光磁気メモリ素子をこのような構成とす
ることにより、Co/Pt多層膜の室温付近における保
磁力が著しく向上する。この結果、安定な記録ビットが
形成され、光磁気メモリ素子の信頼性が向上する。ま
た、MgO膜は透明体なので、信号強度を低下させるこ
ともない。
成膜され、その多結晶性がCo/Pt多層膜の成膜に反
映されることが、上記した保磁力の増大に関与している
と考えられる。
1の構成による作用と同様の作用によって、Co/Pt
多層膜の保磁力が増大する。また、MgO膜は透明体な
ので、反射膜における光の多重反射に起因したエンハン
ス効果を損なうこともない。
メモリ素子は、信頼性をさらに向上させることができ
る。
射膜をPt、Al、Ag、Pdのうち少なくとも1種の
元素を含む多結晶の合金膜とすることで、請求項1およ
び2の構成による光磁気メモリ素子以上に、Co/Pt
多層膜の室温付近における保磁力を増大させることがで
きる。したがって、請求項3の構成による光磁気メモリ
素子は、信頼性をより一層向上させることができる。
晶性およびMgO膜の多結晶性の双方が、Co/Pt多
層膜の成膜に反映されることが、上記した保磁力の一層
の増大に関与していると考えられる。
る誘電体層上に、どちらから先に積層されても同様の効
果が得られる。
(a)に示すように、ガラスまたはポリカーボネート等
の透光性樹脂から成る基板1上に、誘電体膜2/記録膜
3/誘電体膜4/反射膜5がこの順に成膜された4層構
造を有している。あるいは、図5(b)に示すように、
ガラスまたはポリカーボネート等の透光性樹脂から成る
基板6上に、反射膜7/誘電体膜8/記録膜9/誘電体
膜10がこの順に成膜された4層構造であってもよい。
とを交互に繰り返し積層したCo/Pt多層膜から成っ
ている。また、第1の誘電体膜としての誘電体膜2およ
び8は、Co/Pt多層膜を形成するための下地層にな
っており、酸化マグネシウム(MgO)から成ってい
る。さらに、誘電体膜8の下地層となる反射膜7は、P
t、Al、Ag、Pdのうち少なくとも1種の元素を含
む合金膜から成っている。第2の誘電体膜としての誘電
体膜4および10は、透光性の誘電体であればよい。
モリ素子の場合、記録/再生のための光は、基板1側か
ら照射される。一方、図5(b)の構成を有する光磁気
メモリ素子の場合には、記録/再生のための光は、誘電
体膜10側から照射される。
o/Pt多層膜の保磁力が従来より向上していることを
顕著に示すために、3種類の比較実験を実施した。比較
例1には、ガラス基板上に直接Co/Pt多層膜を形成
した場合が示されており、比較例2には、ガラス基板上
にAlN膜を形成し、その上にCo/Pt多層膜を形成
した場合が示されている。また、比較例3には、ガラス
基板上にSiN膜を形成し、その上にCo/Pt多層膜
を形成した場合が示されている。
ッタリング法を用いて、厚さが16ÅのPt層12aと
厚さが3.3ÅのCo層12bとを10層ずつ交互に積層
し、Co/Pt多層膜を作製した。このCo/Pt多層
膜において、カーヒステリシスループをガラス基板11
と反対側から(図6(a)中に矢印13にて示す)測定
した結果を図6(b)に示す。保磁力Hcは、およそ2
70Oeであった。なお、測定に用いられたレーザ光の
波長は450nmであって、以下の全ての測定において
共通である。
ッタリング法を用いて、厚さが500ÅのAlN膜14
を形成し、その上に上記比較例1と同様の膜厚および層
数のPt層12aとCo層12bとから成るCo/Pt
多層膜を積層した。このCo/Pt多層膜において、カ
ーヒステリシスループをガラス基板11と反対側から
(図7(a)中に矢印15にて示す)測定した結果を図
7(b)に示す。この場合、保磁力Hcは、およそ45
0Oeであり、ガラス基板11上に直接Co/Pt多層
膜を形成した上記比較例1に比べて大きくなっている。
ているが、これは、AlN膜14における光の多重反射
に起因したエンハンス効果が生じているためである。
ッタリング法を用いて、厚さが500ÅのSiN膜17
を形成し、その上に上記比較例1と同様の膜厚および層
数のPt層12aとCo層12bとから成るCo/Pt
多層膜を積層した。このCo/Pt多層膜において、カ
ーヒステリシスループをガラス基板16と反対側から
(図8(a)中に矢印18にて示す)測定した結果を図
8(b)に示す。この場合、保磁力Hcは、およそ43
0Oeであり、ガラス基板11上に直接Co/Pt多層
膜を形成した上記比較例1に比べて大きくなっている。
ているが、これは、SiN膜17における光の多重反射
に起因したエンハンス効果が生じているためである。
400ÅのMgO層20をスパッタリング法にて形成
し、その上に上記比較例1と同様の膜厚および層数のP
t層12aとCo層12bとから成るCo/Pt多層膜
を積層した。
リシスループをガラス基板19と反対側から(図1
(a)中に矢印21にて示す)測定した結果を図1
(b)に示す。保磁力Hcは、およそ550Oeであ
り、上記比較例1〜3における保磁力Hcに比べて増大
していることがわかる。
300ÅのPt層23をスパッタリング法にて形成し、
その上に厚さが400ÅのMgO層24を形成した。さ
らに、その上に、上記比較例1と同様の膜厚および層数
のPt層12aとCo層12bとから成るCo/Pt多
層膜を積層した。
リシスループをガラス基板22と反対側から(図2
(a)中に矢印25にて示す)測定した結果を図2
(b)に示す。保磁力Hcはおよそ1200Oeであ
り、上記比較例1〜3における保磁力Hcに比べて著し
く増大していることがわかる。
300ÅのPd層27をスパッタリング法にて形成し、
その上に厚さが400ÅのMgO層28を形成した。さ
らに、その上に、上記比較例1と同様の膜厚および層数
のPt層12aとCo層12bとから成るCo/Pt多
層膜を積層した。
リシスループをガラス基板26と反対側から(図3
(a)中に矢印29にて示す)測定した結果を図3
(b)に示す。保磁力Hcはおよそ1600Oeであ
り、上記比較例1〜3における保磁力Hcに比べて著し
く増大していることがわかる。
300ÅのPtAg合金(Ag20atom%)層31
をスパッタリング法にて形成し、その上に厚さが400
ÅのMgO層32を形成した。さらに、その上に、上記
比較例1と同様の膜厚および層数のPt層12aとCo
層12bとから成るCo/Pt多層膜を積層した。
リシスループをガラス基板30と反対側から(図4
(a)中に矢印33にて示す)測定した結果を図4
(b)に示す。保磁力Hcはおよそ1400Oeであ
り、上記比較例1〜3における保磁力Hcに比べて著し
く増大していることがわかる。
磁気メモリ素子の保磁力Hcが著しく増大したのは、比
較例2、3におけるAlN膜14やSiN膜17が非晶
質膜であるのに対して、MgO層20が多結晶膜である
ことが関与していると考えられる。すなわち、Co/P
t多層膜の成膜に、MgO層20の結晶性が反映される
のである。
大は、MgO層24、28、32の各結晶性に、その下
地となっているPt層23、Pd層27、およびPtA
g合金層31の結晶性が反映されており、Co/Pt多
層膜の結晶性には、これら2層の結晶性が反映されてい
るからと考えられる。
32の上に、Pt層12aを形成し、以降、Co層12
b/Pt層12a…の順で交互に積層してもよいし、こ
れとは逆に、先に、Co層12bを形成し、以降、Pt
層12a/Co層12b…の順で交互に積層してもよ
い。
は、以上のように、Co層とPt層とを交互に繰り返し
積層したCo/Pt多層膜を挟む第1の誘電体膜および
第2の誘電体膜のうち、Co/Pt多層膜を積層させる
下地層となる第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成っ
ている構成である。
おける保磁力が従来より増大するため、安定な記録ビッ
トが形成されると共に、第1の誘電体膜が透明膜となる
ため信号強度も低下することがなくなる。この結果、光
磁気メモリ素子の信頼性が向上するという効果を奏す
る。
は、以上のように、請求項1の構成に加えて、基板と第
1の誘電体膜との間に反射膜を備えた構成である。
起因したエンハンス効果によって、光磁気メモリ素子の
室温付近における保磁力が一層増大するため、光磁気メ
モリ素子の信頼性がさらに向上するという効果を奏す
る。
は、以上のように、Co/Pt多層膜を積層させる下地
層となる上記第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成っ
ていると共に、さらに第1の誘電体膜を積層させる下地
層となる反射膜が、Pt、Al、Ag、Pdのうち少な
くとも1種の元素を含む多結晶の合金膜から成っている
構成である。
おける保磁力が従来より著しく増大するため、より安定
な記録ビットが形成されるため、光磁気メモリ素子の信
頼性がより一層向上するという効果を奏する。
は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒステリシスル
ープを示すグラフである。
(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒステリ
シスループを示すグラフである。
ける(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒス
テリシスループを示すグラフである。
ける(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒス
テリシスループを示すグラフである。
的に示す縦断面図である。
(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒステリ
シスループを示すグラフである。
(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒステリ
シスループを示すグラフである。
おける(a)は膜構成を示す縦断面図、(b)はカーヒ
ステリシスループを示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】基板上に、第1の誘電体膜、Co層とPt
層とを交互に繰り返し積層したCo/Pt多層膜、第2
の誘電体膜、および反射膜を順次形成した光磁気メモリ
素子において、 上記第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成ることを特
徴とする光磁気メモリ素子。 - 【請求項2】基板上に、反射膜、第1の誘電体膜、Co
層とPt層とを交互に繰り返し積層したCo/Pt多層
膜、第2の誘電体膜を順次形成した光磁気メモリ素子に
おいて、 上記第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成ることを特
徴とする光磁気メモリ素子。 - 【請求項3】基板上に、反射膜、第1の誘電体膜、Co
層とPt層とを交互に繰り返し積層したCo/Pt多層
膜、第2の誘電体膜を順次形成した光磁気メモリ素子に
おいて、 上記反射膜が、Pt、Al、Ag、Pdのうち少なくと
も1種の元素を含む多結晶の合金膜から成り、かつ、上
記第1の誘電体膜が多結晶のMgOから成ることを特徴
とする光磁気メモリ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03260592A JP3095827B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 光磁気メモリ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03260592A JP3095827B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 光磁気メモリ素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05101465A JPH05101465A (ja) | 1993-04-23 |
JP3095827B2 true JP3095827B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=17350095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03260592A Expired - Lifetime JP3095827B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | 光磁気メモリ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095827B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0568434U (ja) * | 1992-02-17 | 1993-09-17 | フクビ化学工業株式会社 | 水和反応式加温加熱材 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5875169A (en) * | 1997-06-12 | 1999-02-23 | Eastman Kodak Company | Magneto-optic data storage device having multiple data storage levels |
-
1991
- 1991-10-08 JP JP03260592A patent/JP3095827B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0568434U (ja) * | 1992-02-17 | 1993-09-17 | フクビ化学工業株式会社 | 水和反応式加温加熱材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05101465A (ja) | 1993-04-23 |
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