JP3095057B2 - 自発光型ディスプレイ用スペーサー付き基板の製造方法 - Google Patents

自発光型ディスプレイ用スペーサー付き基板の製造方法

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JP3095057B2
JP3095057B2 JP08296517A JP29651796A JP3095057B2 JP 3095057 B2 JP3095057 B2 JP 3095057B2 JP 08296517 A JP08296517 A JP 08296517A JP 29651796 A JP29651796 A JP 29651796A JP 3095057 B2 JP3095057 B2 JP 3095057B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自発光型ディスプ
レイ用スペーサー付き基板の製造方法に関し、さらに詳
しくは、特に電界放出型ディスプレイ用として好適なス
ペーサー付き基板を効率よく製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、平面型CRTやプラズマ・ディス
プレイ、エレクトロルミネッセント・ディスプレイ、蛍
光表示管、電界放出型ディスプレイなどの自発光型ディ
スプレイが盛んに開発されている。これらの自発光型デ
ィスプレイは現在のフラットパネル・ディスプレイの主
流である液晶ディスプレイに比べて、視野角が広いこ
と、電力を消費するバックライトが不要なこと、高輝度
などの特徴を有することから次世代のディスプレイとし
て注目されている。中でも電界放出型ディスプレイは発
光効率が高く、最も期待されているディスプレイであ
る。電界放出型ディスプレイの基本構造を図1に示す。
このディスプレイは裏面パネル1にはカソード電極(I
TO)2、エミッタ3、絶縁層4、ゲート5が形成さ
れ、一方前面パネル6にはアノード電極7、蛍光体8が
形成されている。エミッタ3と蛍光体8の間の空間は真
空に保たれており、パネル1,6がこの真空と雰囲気の
大気圧とに耐えるように、スペーサーが必要になる。液
晶ディスプレイでは通常径5μm程度の小径のガラスビ
ーズのスペーサーが使用されているが、電界放出型ディ
スプレイでは、前面パネル6と裏面パネル1の間隙が数
百μmとなるため、径が数百μmのガラスビーズを用いな
ければならず、このような大径のガラスビーズを用いる
と、これが画素にはみ出し画質の劣化につながる。従っ
て、柱状などの形状を有するスペーサー9が必要とされ
る。
【0003】この種のスペーサーの形成方法としてはい
くつかの方法が提案されている。特開平4−58438
号公報には基板上にガラスペーストを厚膜印刷法で塗布
した後、レジストパターンをマスクとしてサンドブラス
ト法によって加工してスペーサーを形成する方法が記載
されている。
【0004】また、特開平6−119876号公報には
基板上にシート状の絶縁材(ガラス)を被着し、レジス
トパターンをマスクとしてサンドブラスト加工してスペ
ーサーを形成する方法が記載されている。
【0005】さらに、特開平5−325843号公報に
は基板上にガラスペーストをスクリーン印刷法で多層塗
布することによってスペーサーを形成する方法が記載さ
れている。
【0006】さらに、特開平6−60804号公報に
は、パターニングした反射層をスペーサー用材料の上に
堆積し、次いで、反射層パターンが堆積していないスペ
ーサー用材料部分をレーザーで選択的に融蝕して、反射
層パターンが堆積しているスペーサー用材料部分のみを
残存させることによりスペーサーを形成する方法が記載
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−58438号公報や特開平6−119876号公報
などに記載されているサンドブラストを使用する方法で
は、スペーサーを精度良く作製することが難しい。しか
も、このサンドブラスト法では鋭角を出すのも困難であ
る上、基板面をも粗らしてしまう可能性がある。
【0008】また、特開平5−325843号公報など
に記載されている多層印刷法では、工程が多く時間がか
かる上、スクリーン位置合わせの誤差や厚みむらによっ
て、スペーサーの型くずれを起こしやすい。
【0009】さらに特開平6−60804号公報に記載
されているレーザー融蝕法は、レーザーでスペーサー用
材料を選択的に融蝕する際に、融蝕を均質にコントロー
ルすることがむずかしく、過融蝕の場合、スペーサー用
材料が設けられている基板面の粗れを起こすことがある
という欠点、スペーサー用材料としてポリイミド、窒化
ケイ素が用いられているが、ポリイミドは耐熱性に問題
があり、窒化ケイ素は、通常はスパッタリングで成膜さ
れており、成膜するのに時間がかかるという欠点および
高価なレーザー装置が必要であるという欠点がある。
【0010】本発明の目的は、(a)得られるスペーサー
が高精度かつ高耐熱性である、(b)基板面の粗れを起し
にくい、(c)製法が簡単であり、製造コストが安価であ
る、等の利点を有する、自発光型ディスプレイ、特に電
界放出型ディスプレイ用スペーサー付き基板の製造方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、感光性
ガラスとして、重量%でSiO 2 55〜85%、Al 2
3 2〜20%、Li 2 O 5〜15%、SiO 2 +A
2 3 +Li 2 O>85%を基本成分とし、Au 0.
001〜0.05%、Ag 0.001〜0.5%、C
2 O 0.001〜1%のうちの少なくとも1つを感
光成分とし、CeO 2 0.001〜0.2%を光増感
剤として含有する感光性ガラスを用い、この感光性ガラ
スの表面上のスペーサーを形成すべき部分をマスキング
しながら感光性ガラスを露光して露光部分に対応する潜
像を形成し、潜像からなる露光部分を結晶化し、結晶化
した露光部分をエッチング処理により除去して、非露光
の感光性ガラスからなるスペーサーをガラス基板上に形
成する工程を含むことを特徴とする自発光型ディスプレ
イ用スペーサー付き基板の製造方法によって達成され
た。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の自発光型ディスプレイ用
スペーサー付き基板の製造方法は、上記したようなガラ
ス組成を有する感光性ガラスの選択的露光、熱処理によ
って形成される結晶化部分のエッチング速度が、非露
光、非結晶化部分のエッチング速度よりも著しく高いこ
とに着目し、エッチング処理後に残存する非露光、非結
晶化部分によりスペーサーを形成するという、前記従来
技術とは構成が全く異なる新規な方法であり、本発明の
方法によれば、(a)得られるスペーサーが高精度かつ高
耐熱性である、(b)基板面の粗れを起しにくい、(c)製法
が簡単であり、製造コストが安価である等の利点が得ら
れる。
【0013】以下、本発明の自発光型ディスプレイ用ス
ペーサー付き基板の製造方法を具体的に説明する。
【0014】本発明の方法において用いる感光性ガラス
は、感光性部分を含有し、光を照射することによって潜
像を形成し、熱処理することによって露光した部分にの
みガラスとエッチングレートが大きく異なる結晶が析出
するものであれば何れでもよいが、例えば、重量%でS
iO2 55〜85%、Al23 2〜20%、Li2
5〜15%、SiO2+Al23+Li2O>85%を
基本成分とし、Au0.001〜0.05%、Ag
0.001〜0.5%、Cu2O 0.001〜1%の
うちの少なくとも1つを感光成分とし、CeO2 0.
001〜0.2%を光増感剤として含有する感光性ガラ
スを用いる。
【0015】本発明の方法においては、先ず感光性ガラ
スの表面上のスペーサーを形成すべき部分をマスキング
しながら感光性ガラスを露光して露光部分に対応する潜
像を形成する。
【0016】本発明におけるスペーサーの形状として
は、スペーサーとしての機能を発揮しうる形状であれば
よく、特に制限されず、様々なものを挙げることができ
る。例えば柱(ピラー)状、隔壁状、格子状、ハニカム
状などがある。スペーサーはその支える面積が大きくな
れば、それだけスペーサーの強度が増大する。
【0017】上記マスキングに用いるマスクとしては、
スペーサーの横断面形状に対応する所定のパターンを有
し、かつ感光性ガラスに密着し、感光性ガラスの選択的
露光を可能にするものであれば何れも使用できるが、例
えば透光性ガラス上にクロム膜からなるパターンを形成
したマスクを用いるのが好ましい。
【0018】このマスクを上記感光性ガラス上に密着さ
せ、感光性ガラスのスペーサーを形成する部分をマスキ
ングしながら、光線を感光性ガラス上に照射して露光す
ると、露光部分に感光性金属(Ag、Au、Cuなど)
の粒子からなる核が生成し、潜像が形成される。この露
光手段として、例えば、水銀ランプ、水銀−キセノンラ
ンプ等を用いて、紫外線を一定時間(例えば5秒〜5
分)照射するのが好ましい。
【0019】また後記するように感光性ガラスとガラス
基板との接着剤として用いられる低融点ガラスに酸化セ
リウム、酸化チタンなどの不透明化剤(遮光剤)などを
加えて不透明化した低融点ガラスペーストを感光性ガラ
スのスペーサーを形成すべき部分上にスクリーン印刷す
ることにより、マスクを形成することもでき、この場
合、不透明化低融点ガラスは、後続の感光性ガラスとガ
ラス基板との接着において接着剤としても用いることが
できる点で好ましい。
【0020】本発明の方法においては、次に潜像からな
る露光部分を結晶化する。この結晶化処理は、潜像形成
感光性ガラスをガラス転移点以上の温度で熱処理するこ
とにより行なわれる。潜像からなる露光部分が熱処理に
より結晶化するのは、上記露光部分に存在する感光性金
属の粒子を核として、例えばリチウムメタシリケイト
(Li2O・SiO2)結晶が成長することによる。この
結晶は酸に容易に溶解するという性質を有するので、後
続のエッチング処理を円滑に行なうことができる。
【0021】本発明の方法においては、次に結晶化した
露光部分をエッチング処理により除去して、非露光部分
を残存させ、非露光の感光性ガラスからなるスペーサー
を1個または2個以上ガラス基板上に形成することによ
り、目的とする自発光型ディスプレイ用スペーサー付き
基板を得る。
【0022】このエッチング処理は、例えば露光部分に
結晶が析出した感光性ガラスを、弗酸系エッチャント中
に浸漬することにより行なわれる。例えば、2〜6重量
%程度の濃度の希弗酸に浸漬したとき、リチウムメタシ
リケイト結晶化部分は結晶化していないガラス部分より
も約20〜70倍の速度で溶解する。従って、露光・結
晶化部分を選択的に溶解除去して、非露光の感光性ガラ
スからなるスペーサーを得ることができる。弗酸系エッ
チャントとして、バッファード弗酸等の他の弗酸系エッ
チャントを用いてもよい。
【0023】本発明の方法において、非露光の感光性ガ
ラスからなるスペーサーはガラス基板上に形成される。
【0024】本発明の方法においては、前記のようにし
て形成されたスペーサーをガラス基板上に設けるには、
例えば(i)露光により潜像を形成する前の感光性ガラ
ス、すなわち出発材料としての感光性ガラスに予めガラ
ス基板を接着させておく方法、(ii)露光により潜像を
形成した後、エッチング処理を行なう前の任意の段階で
感光性ガラスにガラス基板を接着させる方法、(iii)
露光により潜像を成形した後、エッチング処理してなる
感光性ガラス(スペーサー)をガラス基板と接着させる
方法などを、スペーサーの形状に応じて適宜選び用いる
のが好ましい。例えば、柱状や隔壁状のスペーサーの場
合には上記(i)または(ii)の方法を用いるのが有利
であり、格子状やハニカム状のスペーサーの場合には、
いずれの方法も用いることができるが、特に(iii)の
方法が好適である。
【0025】上記(i)および(ii)の方法において
は、感光性ガラスと接着されるガラス基板は化学的耐久
性(特にエッチング液に対する耐久性)に優れ、感光性
ガラスと接着するための熱処理で結晶化しないガラスで
あれば何れも使用できるが、上記の感光性ガラスと熱膨
張特性が整合しているガラスが好ましい。例えば上記
(ii)に記載の接着方法の場合、ガラス基板として、上
記感光性ガラスを露光せずに用いてもよい。また、上記
(i)および (ii)に記載の接着方法の場合、ガラス
基板として感光成分(Ag、Au、Cuなど)や光増感
成分(CeO2)を含有しない点を除けば感光性ガラス
と同一組成の非感光性ガラスを用いてもよく、また市販
の板ガラスでもよい。これらのガラスはリチウムメタシ
リケイト結晶析出部分に比べて弗酸性でのエッチング速
度が極めて小さく、面が粗れにくいため、ガラス基板と
して優れた性質を有する。
【0026】また、(iii)の方法においては、ガラス
基板は化学的耐久性はあまり必要ではないが、上記の感
光性ガラスと熱膨張特性が整合しているガラスが好まし
い。例えば、ガラス基板として、上記感光性ガラスを露
光せずに用いてもよいし、感光成分や光増感成分を含有
しない点を除けば、感光性ガラスと同一組成の非感光性
ガラスを用いてもよく、また市販の板ガラスを用いても
よい。
【0027】感光性ガラスとガラス基板を接着する方法
に関しては、いくつかの方法がある。例えば、感光性ガ
ラスとガラス基板を重ね合わせて熱処理によって軟化さ
せて接着する方法、感光性ガラスとガラス基板とを低融
点ガラスで接着する方法などが使用できる。
【0028】熱処理で接着する場合、露光による潜像形
成前の感光性ガラスにガラス基板を貼り合わせてもよい
し、露光による潜像形成後、エッチング処理前の任意の
段階、例えば露光による潜像形成後や潜像の結晶化時
に、感光性ガラスにガラス基板を貼り合せてもよく、ま
た露光により潜像を形成した後、エッチング処理してな
る感光性ガラスにガラス基板を貼り合せてもよい。接着
のための熱処理は、感光性ガラスとガラス基板のガラス
転移点以上の温度で行なわれる。
【0029】なお、既に述べたように露光による潜像形
成前の感光性ガラスにガラス基板を接着する場合には、
ガラス基板として感光性を有しないガラスを用いる必要
がある。
【0030】上記方法のうち、感光性ガラスの結晶化時
に感光性ガラスとガラス基板の接着を行なう方法は、単
一の熱処理操作によって感光性ガラスの結晶化と感光性
ガラスとガラス基板の接着を同時に行なうことができる
点で優れている。
【0031】感光性ガラスとガラス基板との接着を低融
点ガラスを用いて行なう場合、前記の(i)、(ii)の
方法においては、後続のエッチング処理において浸食さ
れにくく(エッチング速度が少なくとも感光性ガラスよ
り小さく)、熱膨張特性が使用する感光性ガラス/ガラ
ス基板と整合しており、しかも感光性ガラス/ガラス基
板が結晶化しない温度で軟化するガラスが好ましい。ま
た、前記(iii)の方法においては、熱膨張特性が使用
する感光性ガラス/ガラス基板と整合している上、感光
性ガラス/ガラス基板が結晶化しない温度で軟化するガ
ラスが好ましい。前記(i)、(ii)の方法において
は、特に、感光性ガラスとして、上述したように、重量
%でSiO2 55〜85%、Al23 2〜20%、
Li2O 5〜15%、SiO2+Al23+Li2O>
85%を基本成分とし、Au 0.001〜0.05
%、Ag 0.001〜0.5%、Cu2O 0.00
1〜1%のうち少なくとも1つを感光成分とし、CeO
2 0.001〜0.2%を光増感剤として含有する感
光性ガラスを使用する場合の低融点ガラスは、屈伏点が
490℃以下、熱膨張係数が75〜100×10-7/℃
であり、エッチング速度が感光性ガラスの結晶化部分よ
り小さい(好ましくは感光性ガラスの非結晶化部分より
も小さい)ことが必要である。
【0032】一般に、封着用低融点ガラスとして、例え
ばPbOを多く含有した珪酸塩ガラスなどがよく使われ
ているが、これらは酸に対する耐久性が乏しく、エッチ
ングの際、封着用低融点ガラスが浸食されてしまうた
め、接着強度を保つことができない。したがって、この
ものは、前記(iii)の方法では使用することができる
が、(i)および(ii)の方法では使用しにくい。
【0033】これに対して、重量%でP25 55〜8
0%、Al23 1〜13%、ZnO 12〜25%、
Li2O 0〜7%、PbO 0〜12%、CaO 0
〜12%、BaO 0〜12%、SiO2 0〜5%、
23 0〜5%を含むガラスは、酸(特に希弗酸)に
対する耐久性に富み、エッチングによって接着強度が低
下しないので、低融点ガラスとして、特に該(i)、
(ii)の方法において好ましく用いられる。
【0034】以下、この低融点ガラスの各成分の組成範
囲について述べる。
【0035】P25は耐弗酸性かつ低融点を有するガラ
スを得るための必須成分であり、本ガラスの基本成分と
なる。P25が55%未満では耐弗酸性が低下する。逆
に、80%を越えると屈伏点(Ts)が高くなりすぎ
る。従って、P25の含有量は55〜80%に限定され
る。好ましくは57〜77%である。
【0036】Al23はガラスの化学的耐久性を向上さ
せる成分であるが、1%未満ではその効果はなく、逆に
13%を越えると耐失透性が低下する。従って、Al2
3の含有量は1〜13%に限定される。好ましくは2
〜11%である。
【0037】ZnOはガラスの屈伏点を下げ、熱膨張係
数(α)を下げる効果のある成分である。ZnOが12
%未満では屈伏点が高くなりすぎる。また、25%を越
えると耐弗酸性、耐失透性が低下する。従って、ZnO
の含有量は12〜25%に限定される。好ましくは14
〜23%である。
【0038】Li2Oはガラスの屈伏点を下げる効果の
ある成分であるが、7%を越えると熱膨張係数が大きく
なりすぎ、耐失透性も低下する。従ってLi2Oの含有
量は0〜7%に限定される。好ましくは0〜5%であ
る。
【0039】PbOはガラスの屈伏点を下げる効果のあ
る成分であるが、12%を越えると耐失透性が低下し、
熱膨張係数も大きくなる。従って、PbOの含有量は0
〜12%に限定される。好ましくは0〜10%である。
【0040】CaOとBaOは耐失透性を向上させる成
分であるが、それぞれ12%を越えると耐弗酸性が低化
する。従って、CaOおよびBaOの含有量はそれぞれ
0〜12%に限定される。好ましくは、それぞれ0〜1
0%である。
【0041】SiO2は化学的耐久性を向上させる成分
であるが、5%を越えると屈伏点が高くなりすぎる。従
って、SiO2の含有量は0〜5%に限定される。好ま
しくは0〜3%である。
【0042】B23は耐失透性を向上させる成分である
が、5%を越えると屈伏点が高くなりすぎる。従って、
23の含有量は0〜5%に限定される。好ましくは0
〜3%である。
【0043】上記金属酸化物の一部を対応する金属弗化
物に置き換えてもよい。
【0044】この低融点ガラスは、その他に任意成分と
してAs23、Sb23、Na2O、K2O、TiO2
Nb23、La23、Y23、Gd23、Ta25、Z
rO2、MgO、SrOの各酸化物、および該酸化物を
構成する金属の弗化物の群から選ばれる少なくとも1つ
の成分を、ガラス転移点、屈伏点、熱膨張係数の調整、
耐弗酸性、耐失透性などの改善、脱泡などの目的でガラ
スの20%以下の範囲で添加できる。上記の任意成分の
含有量は好ましくは10%以下である。
【0045】低融点ガラスは、通常ガラス原料として使
用される、正リン酸、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
炭酸リチウム、酸化鉛、炭酸カルシウム、硝酸バリウ
ム、珪石粉、ホウ酸などを適宜選択して用い、所望のガ
ラス組成となるようにバッチ原料を秤量し、混合して耐
熱性の坩堝に入れ、加熱・溶融し、撹拌して均質化およ
び脱泡を行なった後、所定の形状に成形し、室温まで徐
冷することによって得られる。
【0046】低融点ガラスで感光性ガラスとガラス基板
を接着するにあたっては、低融点ガラスをスライスまた
は切り出してシート状に加工した後、感光性ガラスとガ
ラス基板との間に挿み込んで低融点ガラスの屈伏点以上
の温度に加熱して低融点ガラスを軟化、融着してもよい
し、低融点ガラスを粉砕し、粉末として例えばペースト
状にしてガラス基板上(前記(i)、(ii)の方法の場
合は、感光性ガラスのスペーサー形成部分に対応する部
分だけでもよい)に塗布した後、感光性ガラスと重ね合
わせて加熱して低融点ガラスを軟化、融着してもよい。
さらに例えば低融点ガラスをターゲットとしてスパッタ
リングなどでガラス基板上に薄膜形成した後、感光性ガ
ラスと重ね合わせて加熱し低融点ガラスを軟化融着して
もよい。また感光性ガラスまたはガラス基板の所定部分
に低融点ガラスペーストをスクリーン印刷して低融点ガ
ラススポットを形成した後、感光性ガラスとガラス基板
とを重ね合せて加熱して低融点ガラスを軟化融着するス
ポット接着を行なってもよい。
【0047】また前記(i)、(ii)の方法の場合は、
エッチング処理を行なう前の任意の段階で感光性ガラス
の表面にカソード電極[例えばITO(インジウムチン
オキシド)薄膜パターン]を形成しておくこともでき
る。また感光性ガラスと接着するガラス基板上に予めカ
ソード電極(例えばITO薄膜パターン)を形成してお
くこともできる。そして、カソード電極を形成した感光
性ガラスまたはカソード電極を形成したガラス基板を用
いると、エッチング処理によりスペーサーを形成したと
き、カソード電極も設けられているスペーサー付き基板
を得ることができる。電極の形成方法は、フォトリソグ
ラフィーおよびこれに続く湿式エッチングなど従来の方
法が利用できる。
【0048】なお、格子状スペーサーの場合、カソード
電極としては、通常蛍光体の上に金属アルミニウムをコ
ーティングしたものが用いられ、この場合、金属アルミ
ニウムがガラス格子に付着してはいけないので、予めガ
ラス基板上にカソード電極を形成しておき、これに格子
状感光性ガラスを接着させる方法が用いられる。
【0049】本発明の方法で得られた自発光型ディスプ
レイ用スペーサー付き基板は、スペーサーの形状とし
て、柱状、隔壁状、格子状、ハニカム状などがあるが、
いずれも特に電界放出型ディスプレイ用として好適に用
いられるが、格子状や隔壁状のスペーサー付きガラス基
板は、プラズマ・ディスプレイ用としても用いることが
できる。
【0050】本発明はまた、前記の自発光型ディスプレ
イ用スペーサー付き基板の製造方法以外に、感光性ガラ
スからなる自発光型ディスプレイ用スペーサー、スペー
サーが感光性ガラスからなる自発光型ディスプレイ用ス
ペーサー付き基板およびスペーサーが感光性ガラスから
なる自発光型ディスプレイをも提供する。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって、なんら限
定されるものではない。
【0052】実施例1 図2を参照しつつ自発光型ディスプレイ用柱状スペーサ
ー付き基板の作製例を説明する。
【0053】感光性ガラスとして、重量%でSiO2
79.5%、Al23 4.0%、Li2O 10.2
%、K2O 4.0%、Na2O 1.0%、ZnO
1.0%、Sb23 0.4%、Ag 0.08%、A
u 0.003%、CeO20.01%からなり、縦1
00mm×横100mm×厚さ約1mmの平板からなる感光性
ガラスを用いた。
【0054】感光性ガラス11の一方の主表面を、直径
約100μmのクロム膜パターン12を有するガラス製
マスク13と密着させ、1kWの紫外線照射ランプ(図
示せず)を用いて約20秒間露光して、露光部分に対応
する潜像部分14を形成した(図1(a)参照)。
【0055】次に、ガラス基板15として、感光成分で
あるAgおよびAu、光増感剤であるCeO2を含有し
ない点を除いて、他の成分同士の割合が上記感光性ガラ
スと同一である、縦100mm×横100mm×厚さ約1mm
の平板からなる非感光性ガラスを用い、このガラス基板
15を、露光による潜像形成後の感光性ガラス11とを
重ね合せた (図2(b)参照)。
【0056】次に重ね合せた感光性ガラス11とガラス
基板15とを熱処理炉に入れ、約50g/cm2の荷重を
均等にかけながら550〜600℃の温度で熱処理する
ことにより、感光性ガラス11中の潜像部分14を結晶
化して結晶化ガラス部分16を形成するとともに、感光
性ガラス11とガラス基板15とを接着させた(図2
(c)参照)。
【0057】次に結晶化ガラス部分16を有する感光性
ガラス11と、この感光性ガラス11に接着しているガ
ラス基板15とを平面度を出す目的で研磨した後、濃度
5重量%の弗酸浴に約30分間浸漬してエッチング処理
することにより、感光性ガラス11の結晶化ガラス部分
16を溶解除去し、続いて弗酸浴から引き上げ、水洗を
行なうことにより、非露光・非結晶化部分からなる柱状
スペーサー17がガラス基板15上に規則的に配置され
たガラス基板を得た(図2(d)参照)。なお、この柱
状スペーサー付きガラス基板において、ガラス基板は自
発光型ディスプレイにおける裏面パネルを構成すること
となる。
【0058】本実施例で得られた柱状スペーサー付きガ
ラス基板を斜め方向から撮影した顕微鏡写真(倍率10
0倍)を図7に示す。図中、黒色棒状体が柱状スペーサ
ーであり、一方白地部がガラス基板である。図7より、
本実施例より得られた柱状スペーサー付き基板におい
て、各スペーサーは高精度であり、またガラス基板の表
面に粗れも認められないことが確認された。
【0059】実施例2 感光性ガラスとガラス基板とを接着するための低融点ガ
ラスを以下のようにして製造した。
【0060】H3PO4、Al(OH)3、ZnO、Li2
CO3、PbO、CaCO3、Ba(NO32などの酸化
物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを原料に適宜用い
て、表1に示すガラス組成となるようにバッチ原料を秤
量し、混合して白金坩堝に入れ、1200〜1400℃
で1〜2時間溶融した。次いで、撹拌して均質化および
脱泡を行った後、溶融状態のガラスを所定の形状の枠に
流し込み成形後、ガラス転移点に近い温度まで予熱した
電気炉に移し、炉内で室温まで徐冷してガラスブロック
を得た。表1に、得られた低融点ガラス1〜7のガラス
転移点、屈伏点、熱膨張係数(100〜300℃の平均
線膨張係数)、耐弗酸性を示す。尚、表1中のガラス転
移点、屈伏点、熱膨張係数は熱機械分析装置での測定値
であり、耐弗酸性は25℃に保持した濃度5重量%の希
弗酸に、研磨した低融点ガラスを60分間浸漬したとき
の単位表面積あたりの重量減少の測定値である。
【0061】得られた低融点ガラス1〜7はいずれも表
1に示すようにガラス転移点が350〜450℃、屈伏
点が400〜500℃、熱膨張係数が75〜100×1
-7/℃であり、耐弗酸性が10mg/cm2以下であるこ
とがわかった。尚、本実施例に用いた感光性ガラスのガ
ラス部分(非結晶化部分)およびリチウムメタシリケイ
ト結晶化部分の熱膨張係数と耐弗酸性を表2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表1の低融点ガラス1〜7の熱膨張係数を
表2の感光性ガラスの熱膨張係数と対比すると、表1の
低融点ガラス1〜7の熱膨張係数は表2の感光性ガラス
の熱膨張係数と近似しているが、特に表1の低融点ガラ
ス2の熱膨張係数が81×10-7/℃であり、他の低融
点ガラスの熱膨張係数よりも感光性ガラスの熱膨張係数
(84×10-7/℃)と最も近い。そこで本実施例にお
いて感光性ガラスとガラス基板との接着用低融点ガラス
として、低融点ガラス2のガラスブロックを、スライ
ス、研磨して得た厚さ0.5mmのシートを用いたが、感
光性ガラスの熱膨張係数に応じて表1中の他の低融点ガ
ラス1および3〜7を用いることができることはもちろ
んである。
【0065】なお比較のため、従来より封着用ガラスと
して用いられている多量のPbOを含む珪酸塩ガラスを
製造した。この珪酸塩ガラスの組成を表3に示す。得ら
れた珪酸塩ガラスのガラス転移点、屈伏点、熱膨張係
数、耐弗酸性を測定した結果、この珪酸塩ガラスは、表
3に示すように耐弗酸性が24.2mg/cm2を越え、弗
酸によって浸食されやすく、本実施例では、感光性ガラ
スとガラス基板との接着用に用いることができないこと
が判明した。
【0066】
【表3】
【0067】以下図3を参照しながら、本実施例による
自発光型ディスプレイ用柱状スペーサー付き基板の製造
手順を説明する。
【0068】感光性ガラスとして、実施例1で用いたも
のと同一組成および同一サイズの感光性ガラスを用い
た。
【0069】実施例1と同様に、感光性ガラス11の一
方の主表面を、直径約100μmのクロム膜パターン1
2を有するガラス製マスク13と密着させ、1kWの紫
外線照射ランプ(図示せず)を用いて約20秒間露光し
て、露光部分に対応する潜像部分14を形成した(図3
(a)参照)。
【0070】次に露光により潜像部分14が形成された
感光性ガラス11を550〜600℃の温度で熱処理し
て潜像部分14を結晶化して結晶化部分16を有する感
光性ガラスを得た(図3(b)参照)。
【0071】次に結晶化部分16を有する感光性ガラス
11とガラス基板15との間に、表1の低融点ガラス2
からなる低融点ガラスシート18を挿み込み、約50g
/cm2の荷重を均等にかけながら、500〜600℃の
温度で熱処理して、低融点ガラス18を軟化させ、感光
性ガラス11とガラス基板15とを低融点ガラス18に
より接着した(図3(c)参照)。
【0072】なお、低融点ガラスシートを用いる代り
に、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷などの方法
により、感光性ガラスの結晶化ガラス部分にスポット的
に印刷した後、熱処理しても感光性ガラスとガラス基板
とを接着することができた。
【0073】低融点ガラス18を介在させることにより
得られた感光性ガラス11とガラス基板15との積層体
を、平面度を出す目的で研磨した後、濃度5重量%の弗
酸浴に約30分間浸漬してエッチング処理することによ
り、感光性ガラス11の結晶化ガラス部分16を溶解除
去し、続いて弗酸浴から引き上げ、水洗を行なうことに
より、非露光・非結晶化部分からなる柱状スペーサー1
7がガラス基板15上の低融点ガラス18上に規則的に
配置されたガラス基板を得た(図3(d)参照)。
【0074】また感光性ガラスと接着されるガラス基板
として、ITO電極を予め形成したガラス基板を用いた
場合、ITO電極も形成されている柱状スペーサー付き
基板を得ることができた。
【0075】本実施例で得られた柱状スペーサー付きガ
ラス基板は、実施例1で得られたものと同様にスペーサ
ーが高精度であり、またガラス基板の表面の粗れも認め
られなかった。
【0076】実施例3 本実施例は、カソード電極も形成された柱状スペーサー
付き基板の製造例である。
【0077】以下図4および図5を参照しながら、本実
施例による自発光型ディスプレイ用柱状スペーサー付き
基板の製造手順を説明する。
【0078】感光性ガラスとして、実施例1で用いたも
のと同一組成および同一サイズの感光性ガラスを用い
た。
【0079】実施例1と同様に、感光性ガラス11の一
方の主表面を、直径約100μmのクロム膜パターン1
2を有するガラス製マスク13と密着させ、1kWの紫
外線照射ランプ(図示せず)を用いて約20秒間露光し
て、露光部分に対応する潜像部分14を形成した(図4
(a)参照)。
【0080】次に露光により潜像部分14が形成された
感光性ガラス11を550〜600℃の温度で熱処理し
て潜像部分14を結晶化して結晶化部分16を有する感
光性ガラスを得た(図4(b)参照)。
【0081】次に結晶化部分16を有する感光性ガラス
11に、カソード電極材料であるITO(インジウム・
スズ酸化物)の厚さ0.2μmの薄膜19を形成した
(図4(c)参照)。
【0082】次に上記ITO薄膜を、常法によるフォト
リソグラフィーおよび湿式エッチング(塩酸系エッチャ
ント使用)を行なってパターニングして、ITO電極2
0を形成した(図4(d)参照)。
【0083】次にITO電極20を形成した感光性ガラ
ス11と、ガラス基板15との間に上記実施例2で用い
たものと同一の低融点ガラス18を挿み込んだ(図5
(e)参照)。
【0084】次に、感光性ガラス11、低融点ガラス1
8およびガラス基板15とを重ね合せた状態で約50g
/cm2の荷重を均等にかけながら、500〜600℃の
温度で熱処理して、低融点ガラス18を軟化させ、感光
性ガラス11とガラス基板15とを低融点ガラス18に
より接着した(図5(f)参照)。
【0085】得られた、感光性ガラス11、低融点ガラ
ス18およびガラス基板15の三層積層体を、平面度を
出す目的で研磨した後、濃度5重量%の弗酸浴に約30
分間浸漬してエッチング処理することにより、感光性ガ
ラス11の結晶化ガラス部分16を溶解除去し、続いて
弗酸浴から引き上げ、水洗を行なうことにより、非露光
・非結晶化部分からなる柱状スペーサー17がガラス基
板15上の低融点ガラス18上に規則的に配置されたガ
ラス基板を得た(図5(g)参照)。この柱状スペーサ
ー付きガラス基板においては、ITO電極20も形成さ
れている。
【0086】本実施例で得られた柱状スペーサー付きガ
ラス基板は、実施例1で得られたものと同様にスペーサ
ーが高精度であり、またガラス基板の表面の粗れも認め
られなかった。
【0087】実施例4 ガラスシート上にクロム膜パターンを形成したガラスマ
スクを用いる代りに、低融点ガラスに不透明化剤(酸化
セリウムまたは酸化チタン)を加えて得た不透明化低融
点ガラスペーストを感光性ガラス上にスクリーン印刷し
て、感光性ガラスのスペーサーを形成すべき部分をマス
キングした以外は実施例2と同様にして露光し潜像を形
成した。
【0088】次に不透明化低融点ガラスが付着したまま
の感光性ガラスを実施例2と同様に熱処理して結晶化さ
せた。
【0089】次に結晶化部分を有する感光性ガラスとガ
ラス基板とを不透明化低融点ガラスが介在するように重
ね合せ、熱処理により感光性ガラスとガラス基板とを接
着させた。
【0090】次に感光性ガラスとガラス基板との積層体
をエッチング処理して、感光性ガラスの結晶化部分を溶
解除去することにより柱状スペーサー付き基板を得た。
【0091】またガラス基板として予めITO電極を設
けたガラス基板を用いた場合、ITO電極も形成された
スペーサー付き基板を得ることができた。
【0092】本実施例で得られた柱状スペーサー付きガ
ラス基板は、実施例1で得られたものと同様にスペーサ
ーが高精度であり、またガラス基板の表面の粗れも認め
られなかった。
【0093】実施例5 感光性ガラスとして、実施例1で用いたものと同一組成
および同一サイズの感光性ガラスを用いた。
【0094】実施例1と同様に、感光性ガラスの一方の
主表面を、線幅約70μmのクロム膜かならる格子状パ
ターンを有するガラス製マスクと密着させ、1kWの紫
外線照射ランプを用いて約20秒間露光して、露光部分
に対応する潜像部分を形成した。 次に露光により潜像
部分が形成された感光性ガラスを550〜600℃の温
度で熱処理して潜像部分を結晶化して結晶化部分を有す
る感光性ガラスを得た。 次に結晶化部分を有する感
光性ガラスを平面度を出す目的で研磨した後、濃度5重
量%の弗酸浴に約30分間浸漬してエッチング処理する
ことにより、感光性ガラスの結晶化ガラス部分を溶解除
去し、続いて弗酸浴から引き上げ、水洗を行なうことに
より、非露光・非結晶化部分からなる格子状スペーサー
を得た。
【0095】一方、ガラス基板として、実施例1で用い
たものと同一組成および同一サイズの非感光性基板を用
い、このガラス基板上に、表3に示すガラス組成を有す
る低融点ガラスペーストをスクリーン印刷して、低融点
ガラススポットを形成した後、前記の感光性ガラス製格
子状スペーサーとガラス基板を重ね合わせた。次いで、
重ね合わせた感光性ガラス製格子状スペーサーとガラス
基板とを熱処理炉に入れ、500〜600℃の温度で熱
処理して、低融点ガラスを軟化させ、感光性ガラス製格
子状スペーサーとガラス基板を接着させ、格子状スペー
サー付きガラス基板を作製した。
【0096】本実施例で得られた格子状スペーサー付き
ガラス基板を撮影した顕微鏡写真(倍率約100倍)を
図7に示す。図7より、本実施例で得られた格子状スペ
ーサー付き基板において、格子・隔壁は高精度であるこ
とが確認された。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、スペーサーが高精度か
つ高耐熱性である、ガラス基板の粗れを起しにくい、製
法が簡単であり、製造コストが安価である、等の利点を
有する自発光型ディスプレイ用スペーサー付き基板の製
造方法が提供された。本発明の方法で得られたスペーサ
ー付き基板は、特に電界放出型ディスプレイ用として好
適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界放出型ディスプレイの概略断面図
【図2】実施例1の自発光型ディスプレイ用柱状スペー
サー付き基板の製造工程図
【図3】実施例2の自発光型ディスプレイ用柱状スペー
サー付き基板の製造工程図
【図4】実施例3の自発光型ディスプレイ用柱状スペー
サー付き基板の前半の製造工程図
【図5】実施例3の自発光型ディスプレイ用柱状スペー
サー付き基板の後半の製造工程図
【図6】実施例1で得られた自発光型ディスプレイ用柱
状スペーサー付き基板を斜めから撮影した顕微鏡写真
【図7】実施例5で得られた自発光型ディスプレイ用格
子状スペーサー付き基板を上方から撮影した顕微鏡写真
【符号の説明】
1 裏面パネル 2 カソード電極 3 エミッタ 4 絶縁層 5 ゲート 6 前面パネル 7 アノード電極 8 蛍光体 9 スペーサー 11 感光性ガラス 12 クロム膜パターン 13 ガラス製マスク 14 潜像部分 15 ガラス基板 16 結晶化ガラス部分 17 柱状スペーサー 18 低融点ガラス 19 ITO薄膜 20 ITO電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−299124(JP,A) 特開 平2−196048(JP,A) 特開 平1−298628(JP,A) 特開 昭53−61608(JP,A) 特開 平2−299136(JP,A) 特開 平2−223132(JP,A) 特開 平2−299135(JP,A) 実開 平4−21049(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 29/86 H01J 31/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ガラスとして、重量%でSiO 2
    55〜85%、Al 2 3 2〜20%、Li 2 O 5〜
    15%、SiO 2 +Al 2 3 +Li 2 O>85%を基本成
    分とし、Au 0.001〜0.05%、Ag 0.0
    01〜0.5%、Cu 2 O 0.001〜1%のうちの
    少なくとも1つを感光成分とし、CeO 2 0.001
    〜0.2%を光増感剤として含有する感光性ガラスを用
    い、この感光性ガラス表面上のスペーサーを形成すべき
    部分をマスキングしながら感光性ガラスを露光して露光
    部分に対応する潜像を形成し、潜像からなる露光部分を
    結晶化し、結晶化した露光部分をエッチング処理により
    除去して、非露光の感光性ガラスからなるスペーサーを
    ガラス基板上に形成する工程を含むことを特徴とする自
    発光型ディスプレイ用スペーサー付き基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 露光により潜像を形成する前の感光性ガ
    ラスを予めガラス基板と接着させる、請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 露光により潜像を形成した後、エッチン
    グ処理を行なう前の任意の段階で感光性ガラスをガラス
    基板と接着させる、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 露光により潜像を形成した後、エッチン
    グ処理してなる感光性ガラスをガラス基板と接着させ
    る、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 感光性ガラスとガラス基板との接着を感
    光性ガラスとガラス基板とを重ね合せて熱処理すること
    によって行なう、請求項またはに記載の方法。
  6. 【請求項6】 感光性ガラスとガラス基板との接着を、
    感光性ガラスとガラス基板との間に低融点ガラスを介在
    させ、これを軟化することにより行なう、請求項
    またはに記載の方法。
  7. 【請求項7】 低融点ガラスが、重量%でP25 55
    〜80%、Al231〜13%、ZnO 12〜25
    %、Li2O 0〜7%、PbO 0〜12%、CaO
    0〜12%、BaO 0〜12%、SiO2 0〜5
    %、B230〜5%を含むガラスからなる、請求項
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 エッチング処理を行なう前の任意の段階
    で、感光性ガラスにカソード電極を形成しておく、請求
    項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 スペーサーが柱(ピラー)状、隔壁状、
    格子状またはハニカム状のものである、請求項1に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 自発光型ディスプレイが電界放出型デ
    ィスプレイである、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 重量%でSiO 2 55〜85%、A
    2 3 2〜20%、Li 2 O 5〜15%、SiO 2
    Al 2 3 +Li 2 O>85%を基本成分とし、Au
    0.001〜0.05%、Ag 0.001〜0.5
    %、Cu 2 O 0.001〜1%のうちの少なくとも1
    つを感光成分とし、CeO 2 0.001〜0.2%を
    光増感剤として含有する感光性ガラスからなることを特
    徴とする自発光型ディスプレイ用スペーサー。
  12. 【請求項12】 スペーサーが、重量%でSiO 2
    5〜85%、Al 2 3 2〜20%、Li 2 O 5〜1
    5%、SiO 2 +Al 2 3 +Li 2 O>85%を基本成分
    とし、Au 0.001〜0.05%、Ag 0.00
    1〜0.5%、Cu 2 O 0.001〜1%のうちの少
    なくとも1つを感光成分とし、CeO 2 0.001〜
    0.2%を光増感剤として含有する感光性ガラスからな
    ることを特徴とする自発光型ディスプレイ用スペーサー
    付き基板。
  13. 【請求項13】 スペーサーが、重量%でSiO 2
    5〜85%、Al 2 3 2〜20%、Li 2 O 5〜1
    5%、SiO 2 +Al 2 3 +Li 2 O>85%を基本成分
    とし、Au 0.001〜0.05%、Ag 0.00
    1〜0.5%、Cu 2 O 0.001〜1%のうちの少
    なくとも1つを感光成分とし、CeO 2 0.001〜
    0.2%を光増感剤として含有する感光性ガラスからな
    ることを特徴とする自発光型ディスプレイ。
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