JP3094832B2 - 信号識別器 - Google Patents

信号識別器

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JP3094832B2
JP3094832B2 JP07066268A JP6626895A JP3094832B2 JP 3094832 B2 JP3094832 B2 JP 3094832B2 JP 07066268 A JP07066268 A JP 07066268A JP 6626895 A JP6626895 A JP 6626895A JP 3094832 B2 JP3094832 B2 JP 3094832B2
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10LSPEECH ANALYSIS TECHNIQUES OR SPEECH SYNTHESIS; SPEECH RECOGNITION; SPEECH OR VOICE PROCESSING TECHNIQUES; SPEECH OR AUDIO CODING OR DECODING
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    • G10L25/27Speech or voice analysis techniques not restricted to a single one of groups G10L15/00 - G10L21/00 characterised by the analysis technique

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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Telephone Function (AREA)
  • Telephonic Communication Services (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は信号識別器に関し、例
えば電話回線等で伝送される信号の種別を音声信号と音
声帯域データ信号とに識別するものに適用し得る。
【0002】
【従来の技術】従来、この信号識別器の適用装置とし
て、例えばディジタル回線多重化装置(Digital Circui
t Multiplication Equipment(以下、DCMEと称
す))がある。すなわち、図21は全体としてDCME
を示し、このDCMEにおいて、200-1〜200-Mは
DCMEへのMチャネル分の入力信号であり、信号線2
01-1〜201-M、202-1〜202-M、203-1〜2
03-Mを通じて、それぞれチャネル割付部210、音声
検出部211、信号識別部212に入力される。音声検
出部211はMチャネルの入力信号200-1〜200-M
のそれぞれに対し有音状態であるか無音状態であるかを
判定し、その判定結果を有音/無音判定結果204-1〜
204-Mとしてチャネル割付部210に出力する。
【0003】チャネル割付部210は音声検出部211
からの有音/無音判定結果204-1〜204-Mを用い
て、Mチャネルの入力信号200-1〜200-Mのうち、
有音のチャネルの信号をm本の信号線206-1〜206
-mのいずれかに割付け、符号化部213に送出する。信
号識別部212は、Mチャネルの入力信号200-1〜2
00-Mのそれぞれに対し、音声信号であるか音声帯域デ
ータ信号であるかを判定し、その判定結果を信号種別識
別結果205-1〜205-Mとして符号化部213に出力
する。符号化部213は、信号識別部212からの信号
種別識別結果205-1〜205-Mに基づいて、チャネル
割付部210からのmチャネルの入力信号206-1〜2
06-mを信号種別に応じた適切な符号化速度で符号化
し、符号化信号207-1〜207-mを出力する。
【0004】ここで電話通話のような会話音声信号にお
いては、相手の話を聞いている状態で黙っている無音時
間が全通話時間の30〜40%程度であることが知られてい
る。このためチャネル割付部210において、Mチャネ
ルの入力信号200-1〜200-Mのうち有音のチャネル
の信号をmチャネル(mはMよりも小さい値)に詰め合
わせて伝送することにより、伝送効率を向上できる。ま
た符号化部213は、入力信号206-1〜206-mを高
能率符号化する。この符号化部213で用いる符号化ア
ルゴリズムとしては、例えばITU−T勧告G.726に規
定された、適応差分パルス符号変調(Adaptive Differe
ntial Pulse Code Modulation (以下、ADPCMと称
す))方式がある。このADPCM方式では、伝送速度
64〔kbit/s〕の入力信号を40〔kbit/s〕、32〔kbit/
s〕、24〔kbit/s〕、16〔kbit/s〕のいずれかの伝送速
度に圧縮符号化することができる。
【0005】符号化部213においてこのADPCM方
式を用いる場合、どの符号化速度を選択するかは、入力
信号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号である
かによって定めることが望ましい。すなわち、入力信号
が音声信号の場合には、通話に支障のない音声品質を保
てる範囲で符号化速度を低く抑えた方が、回線をより効
率的に利用できるため、この場合の符号化速度は32〔kb
it/s〕以下とする。一方入力信号が音声帯域データ信号
の場合には、伝送誤りが生じないように、より符号化速
度の高い40〔kbit/s〕とする必要がある。このように符
号化部213の符号化速度を適切に定めるためには、入
力信号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であ
るかを判定する信号識別部212が必要であり、この信
号識別部212の信号種別識別結果205-1〜205-M
に応じて、符号化部213の符号化速度を制御すれば良
い。
【0006】従来、この信号識別器として、図22に示
すものがあった(特開平3-250961号公報)。こ
の信号識別器は、DCMEの1チャネル分に対応してお
り、入力信号の1チャネル分について信号種別を識別す
る。図中1は、A法則圧縮符号化等で非線形量子化され
た入力PCM信号S1を線形量子化PCM信号S2に変
換するリニア変換部であり、2は電力判定部であり、3
は零交差数判定部であり、6は論理積回路である。この
ような構成で信号識別器に入力される非線形量子化PC
M信号S1は、リニア変換部1において線形量子化PC
M信号S2に変換され、信号線S3、S4を通じてそれ
ぞれ電力判定部2、零交差数判定部3に入力される。
【0007】電力判定部2は、入力される線形量子化P
CM信号S2について所定ブロック間の電力の比(以
下、ブロック間電力比と称す)を算出し、このブロック
間電力比の大きさにより入力信号S2が音声信号である
か又は音声帯域データ信号であるかを判定し、その判定
結果を出力S5として論理積回路6に送出する。図23
は、信号識別器に入力される各種の入力信号の信号波形
を示し、音声帯域データ信号(図23(B))は音声信
号(図23(A))よりも信号レベルの変動が小さい。
従って電力判定部2では、ブロック間電力比が所定の閾
値よりも大きいとき、入力信号S2が音声信号であると
判定してその出力S5を値「0」とし、ブロック間電力
比が閾値よりも小さいとき、入力信号が音声帯域データ
信号であると判定してその出力S5を値「1」とする。
【0008】また零交差数判定部3は、入力される線形
量子化PCM信号S2について、単位時間中に信号が零
レベルと交差する回数(以下、零交差数と称す)を算出
し、この零交差数の大きさにより入力信号S2が音声信
号であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定し、
その判定結果を出力S6として論理積回路6に送出す
る。図24は、信号識別器に入力される各種の入力信号
の零交差数の発生頻度を示し、音声帯域データ信号(図
24(B))は音声信号(図24(A))よりも零交差
数の分布が狭い。また音声帯域データ信号の零交差数分
布は、モデムの変調方式に依存した特定の範囲に限られ
るため、零交差数の変動が小さく、かつ零交差数が一定
の範囲内に入っているという条件を満たすとき、入力信
号が音声帯域データ信号であると判定してその出力S6
を値「1」とし、そうでないとき、入力信号が音声信号
であると判定してその出力S6を値「0」とする。
【0009】論理積回路6は電力判定部2の出力S5及
び零交差数判定部3の出力S6の論理積をとり、入力信
号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるか
の判定結果を出力S12として送出する。この論理積回
路6の入出力信号の状態を示す真理値表を、次表
【0010】
【表1】
【0011】に示す。この表で分かるように、電力判定
部2の出力S5と零交差数判定部3の出力S6がいずれ
も値「1」のとき、入力信号が音声帯域データ信号であ
ると判定して論理積回路6の出力S12を値「1」と
し、電力判定部2の出力S5と零交差数判定部3の出力
S6の少なくとも1つが値「0」のとき、入力信号が音
声信号であると判定して論理積回路6の出力S12を値
「0」とする。この論理積回路6の出力S12が、信号
識別器の判定結果となる。
【0012】従って、信号識別器に音声帯域データ信号
が入力された場合、電力判定部2及び零交差数判定部3
は、入力信号が音声帯域データ信号であると判定して、
それぞれの出力S5、S6を値「1」とし、この電力判
定部2の出力S5と零交差数判定部3の出力S6の論理
積をとることにより、この信号識別器の出力S12は値
「1」(音声帯域データ信号)となる。一方、信号識別
器に音声信号が入力された場合、電力判定部2が入力信
号が音声信号であると判定して、その出力S5を値
「0」とするか、または零交差数判定部3が入力信号が
音声信号であると判定してその出力S6を値「0」と
し、この電力判定部2の出力S5と零交差数判定部3の
出力S6の論理積をとることにより、この信号識別器の
出力S12は値「0」(音声信号)となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したDC
MEにおいては、音声による通話時の回線品質を評価す
るために、トーン信号を入力して試験を行う場合がある
が、この場合音声信号入力時の符号化速度となるよう、
トーン信号を信号識別器に入力したとき音声信号である
との識別結果が得られることが望ましい。
【0014】ここで、従来の信号識別器に各種信号とし
て音声信号、音声帯域データ信号及びトーン信号が入力
されたときの出力状態を次表
【0015】
【表2】
【0016】に示す。従来の信号識別器は、入力信号の
零交差数の変動が大きいか、または電力の変動が大きい
場合に識別結果を値「0」(音声信号)とし、入力信号
の零交差数の変動が小さく、かつ電力の変動が小さい場
合に識別結果を値「1」(音声帯域データ信号)として
いる。
【0017】ここでトーン信号は図23(C)に示すよ
うに、音声帯域データ信号(図23(B))や音声信号
(図23(A))よりもさらに信号レベルの変動が小さ
く、かつ図24(C)に示すように、音声帯域データ信
号(図24(B))や音声信号(図24(A))よりも
さらに零交差数の分布が狭い。従って上述した信号識別
器では、音声帯域データ信号とトーン信号との識別は困
難であり、この従来の信号識別器にトーン信号を入力し
た場合、信号識別結果が値「1」(音声帯域データ信
号)と識別されてしまう場合があるという問題があっ
た。
【0018】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、音声信号や音声帯域データ信号を
識別する際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精度に
識別できる信号識別器を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めこの発明に係る信号識別器は、入力信号が音声信号で
あるか又は音声帯域データ信号であるかをブロック間電
力比により判定する電力判定部と、入力信号が音声信号
であるか又は音声帯域データ信号であるかを零交差数に
より判定する零交差数判定部と、電力判定部と零交差数
判定部との判定結果から、入力信号が音声信号であるか
又は音声帯域データ信号であるかを判定し、その判定結
果を出力する識別結果出力部とを有する信号識別器であ
って、入力信号に対してスペクトル分析を行いそのスペ
クトル分析結果を用いて帯域別パワーを算出する帯域別
パワー算出部と、その帯域別パワー算出部の出力からト
ーン信号の有無を判定するトーン検出部とを備え、その
トーン検出部の出力により識別結果出力部の動作を制御
するものである。
【0020】また次の発明に係る信号識別器は、入力信
号に対しスペクトル分析を行いそのスペクトル分析結果
を用いて帯域別パワーを算出する帯域別パワー算出部
と、その帯域別パワー算出部の出力からトーン信号の有
無を判定するトーン検出部と、帯域別パワー算出部の出
力から入力信号が音声信号であるか又は音声帯域データ
信号であるかを判定する音声/データ識別部と、トーン
検出部と音声/データ識別部の判定結果から、入力信号
が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを
判定し、その判定結果を出力する識別結果出力部とを備
えるものである。
【0021】また次の発明に係る信号識別器は、シグナ
リング信号が入力され、そのシグナリング信号の状態に
より呼接続又は呼切断を検出し、その呼接続又は呼切断
の検出時にリセット信号を発生するリセット信号発生部
を備え、そのリセット信号発生部がリセット信号を発生
したとき、出力する識別状態を音声信号にするものであ
る。
【0022】また次の発明に係る信号識別器は、帯域別
パワー算出部の出力のうち2100〔Hz〕に最も近接した帯
域のパワー値と所定の閾値とを比較し、その比較結果に
より2100〔Hz〕トーン信号の有無を検出し、2100〔Hz〕
トーン信号を検出したとき、上記トーン検出部の出力に
優先して上記識別結果出力部が出力する識別状態をデー
タにする2100〔Hz〕トーン信号検出部を備えたものであ
る。
【0023】また次の発明に係る信号識別器は、トーン
検出部において、帯域別パワー算出部の出力のうちパワ
ーが最大となる帯域とその帯域に隣接したN個の帯域と
のパワー値を加算するピーク周波数パワー加算部と、帯
域別パワー算出部の出力する全帯域のパワー値を加算す
る全帯域パワー加算部と、ピーク周波数パワー加算部の
出力と全帯域パワー加算部の出力との比を算出し、その
算出結果に応じてトーン信号の有無を判定する判定部と
を備えるものである。
【0024】また次の発明に係る信号識別器は、トーン
検出部において、帯域別パワー算出部の出力のうちパワ
ーが最大となる帯域とその帯域に隣接したN個の帯域と
のパワー値を加算する第1のピーク周波数パワー加算部
と、帯域別パワー算出部の出力のうち第1のピーク周波
数パワー加算部で加算した帯域の出力を強制的に値
「0」とするピーク周波数パワー0マスク部と、そのピ
ーク周波数パワー0マスク部の出力のうちパワーが最大
となる帯域とその帯域に隣接したN個の帯域のパワー値
を加算する第2のピーク周波数パワー加算部と、第1の
ピーク周波数パワー加算部の出力と第2のピーク周波数
パワー加算部の出力を加算する加算器と、帯域別パワー
算出部の出力する全帯域のパワー値を加算する全帯域パ
ワー加算部と、加算器の出力と全帯域パワー加算部の出
力との比を算出し、その算出結果に応じてトーン信号の
有無を判定する判定部とを備えるものである。
【0025】また次の発明に係る信号識別器は、トーン
検出部において、帯域別パワー算出部の出力から入力信
号の周波数スペクトル分布の平均的な値を算出する中心
周波数算出部と、その中心周波数算出部の出力を保持す
るディレイバッファと、中心周波数算出部の出力とディ
レイバッファの出力によりトーン信号の有無を判定する
判定部とを備えるものである。
【0026】また次の発明に係る信号識別器は、トーン
検出部において、帯域別パワー算出部の出力を保持する
ディレイバッファと、帯域別パワー算出部の出力とディ
レイバッファの出力の差分を算出する差分器と、その差
分器の出力によりトーン信号の有無を判定する判定部と
を備えるものである。
【0027】また次の発明に係る信号識別器は、トーン
検出部において、帯域別パワー算出部の出力を保持する
ディレイバッファと、帯域別パワー算出部の出力とディ
レイバッファの出力の比を算出する除算器と、その除算
器の出力によりトーン信号の有無を判定する判定部とを
備えるものである。
【0028】また次の発明に係る信号識別器は、音声/
データ識別部において、帯域別パワー算出部の出力のう
ち低周波数の帯域のパワー値のみを加算する低周波数パ
ワー加算部と、帯域別パワー算出部の出力する全帯域の
パワー値を加算する全帯域パワー加算部と、低周波数パ
ワー加算部の出力と全帯域パワー加算部の出力との比を
算出し、その算出結果に応じて入力信号が音声信号であ
るか又は音声帯域データ信号であるかを判定する判定部
とを備えるものである。
【0029】
【0030】また次の発明に係る信号識別器は、音声/
データ識別部において、帯域別パワー算出部の出力のう
ち低周波数の帯域のパワー値のみを加算する低周波数パ
ワー加算部と、帯域別パワー算出部の出力する全帯域の
パワー値を加算する全帯域パワー加算部と、全帯域パワ
ー加算部の出力を保持するディレイバッファと、全帯域
パワー加算部の出力とディレイバッファの出力の差分を
算出する差分器と、低周波数パワー加算部と全帯域パワ
ー加算部と差分器との各出力により入力信号が音声信号
であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定する判
定部とを備えるものである。
【0031】また次の発明に係る信号識別器は、音声/
データ識別部において、帯域別パワー算出部の出力のう
ち音声信号又は音声帯域データ信号の特徴が顕著に現れ
る複数の帯域を選び、その帯域のパワー値を出力する帯
域別パワー間引き部と、その帯域別パワー間引き部の出
力より入力信号が音声信号であるか又は音声帯域データ
信号であるかを判定する判定部とを備えるものである。
【0032】
【作用】入力信号のブロック間電力比による判定結果と
零交差数による判定結果とによって、入力信号が音声信
号であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定する
識別結果出力部の動作を、入力信号をスペクトル分析し
て帯域別パワーを算出し、その帯域別パワーからトーン
信号の有無を判定するトーン検出部の出力により制御す
る。これによりトーン信号入力時に確実に音声信号と識
別でき、かくして音声信号や音声帯域データ信号を識別
する際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別
できる。
【0033】入力信号をスペクトル分析して帯域別パワ
ーを算出し、その帯域別パワーからトーン信号の有無を
判定すると共に、その帯域別パワーから入力信号が音声
信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定
し、トーン検出結果と音声/データ識別結果から、入力
信号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号である
かを判定する。これにより、ブロック間電力比や零交差
数による判定を行わない簡易な構成で、音声信号や音声
帯域データ信号を識別する際に、トーン信号をも含めて
確実かつ高精度に識別できる。
【0034】さらに、シグナリング信号の状態により呼
接続又は呼切断を検出し、その呼接続又は呼切断の検出
時にリセット信号を発生し、そのリセット信号に応じて
出力する識別状態を音声信号にする。これにより、通話
開始時の信号識別出力の初期状態を音声信号にでき、か
くして、音声信号や音声帯域データ信号を識別する際
に、トーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別でき
る。
【0035】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーのうち2100〔Hz〕に最も近接した帯域のパワー値に応
じて、2100〔Hz〕トーン信号の有無を検出し、2100〔H
z〕トーン信号を検出したとき、出力する識別状態を音
声帯域データ信号にする。これにより、モデム通信の手
順として用いられる2100〔Hz〕のトーン信号に対して、
確実に音声帯域データ信号と識別できる。かくして、音
声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、トーン信
号をも含めて確実かつ高精度に識別できる。
【0036】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーのうち最大となる帯域とその近傍の帯域のパワー値を
加算した加算値と、帯域別パワーの全帯域のパワー値を
加算した加算値の比に応じてトーン信号の有無を判定す
る。これにより、周波数スペクトルが局所に集中する入
力信号が与えられたとき、ピークパワーの加算値と、全
帯域パワーの加算値との比が小さくなるという性質を用
いて、単一周波数トーン信号を確実に検出でき、かくし
て、音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、ト
ーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別できる。
【0037】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーのうち最大となる帯域とその近傍の帯域のパワー値を
加算して第1のピークパワーを得ると共に、それ以外の
帯域別パワーのうちパワーが最大となる帯域とその近傍
のパワー値を加算して第2のピークパワーを得、これら
を加算した加算値と、帯域別パワーの全帯域のパワー値
を加算した加算値との比に応じて、トーン信号の有無を
検出する。これにより、単一周波数トーン信号又は2周
波数トーン信号のように周波数スペクトルが局所に集中
する入力信号が与えられたとき、ピークパワーの加算値
と全帯域パワーの加算値との比が小さくなるという性質
を用いて、これらを確実に検出でき、かくして、音声信
号や音声帯域データ信号を識別する際に、トーン信号を
も含めて確実かつ高精度に識別できる。
【0038】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーから入力信号の周波数スペクトル分布の平均的な値を
中心周波数として算出すると共に、この中心周波数を保
持し、これらに応じてトーン信号の有無を判定する。こ
れにより、単一周波数トーン信号又は2周波数トーン信
号のように周波数スペクトルの変動の小さい入力信号が
与えられたとき、中心周波数の時間的変動が小さくなる
という性質を用いて、これらを確実に検出でき、かくし
て、音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、ト
ーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別できる。
【0039】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーを保持すると共に、この保持した帯域別パワーと直接
入力された帯域別パワーの差分に応じてトーン信号の有
無を判定する。これにより、単一周波数トーン信号又は
2周波数トーン信号のような周波数スペクトルの変動の
小さい入力信号が与えられたとき、差分が小さくなると
いう性質を用い、単一周波数のトーン信号及び2周波数
のトーン信号を検出でき、かくして、音声信号や音声帯
域データ信号を識別する際に、トーン信号をも含めて確
実かつ高精度に識別できる。
【0040】さらに、トーン検出する際に、帯域別パワ
ーを保持すると共に、この保持した帯域別パワーと直接
入力された帯域別パワーの比に応じてトーン信号の有無
を判定する。これにより、単一周波数トーン信号又は2
周波数トーン信号のような周波数スペクトルの変動の小
さい入力信号が与えられたとき、比が小さくなるという
性質を用い、単一周波数のトーン信号及び2周波数のト
ーン信号を検出でき、かくして、音声信号や音声帯域デ
ータ信号を識別する際に、トーン信号をも含めて確実か
つ高精度に識別できる。
【0041】さらに、帯域別パワーのうち低周波数の帯
域のパワー値のみを加算した出力と、帯域別パワーの全
帯域のパワー値を加算した出力との比に応じて入力信号
が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを
判定する。これにより、音声信号のように低周波数にパ
ワーの分布が偏った入力信号が与えられたとき、低周波
数の帯域のパワー値のみを加算した出力の全帯域のパワ
ー値を加算した出力に対する比率が高くなる性質を用い
て、音声信号と音声帯域データ信号とを識別することが
できる。
【0042】
【0043】さらに、音声/データ識別部において、帯
域別パワーのうち低周波数のみを加算した加算値と、帯
域別パワーの全帯域のパワー値を加算した加算値とを算
出し、全帯域のパワー値を加算した加算値を保持すると
共に、保持した加算値と直接全帯域のパワー値を加算し
た加算値との差分を算出し、低周波数のパワー値の加算
値と全帯域パワー加算値と、差分とにより入力信号が音
声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定
する。これにより、音声信号のように低周波数にパワー
の分布が偏った入力信号が与えられたとき、低周波数の
パワーの加算値の、全帯域パワーの加算値に対する比率
が高くなる性質と、音声信号のようなパワーの時間的変
動の大きい入力信号が与えられたとき、差分が大きくな
るという性質を用い、音声信号と音声帯域データ信号と
をより高精度で識別することができる。
【0044】さらに、音声/データ識別部において、帯
域別パワーのうち音声信号又は音声帯域データ信号の特
徴が顕著に現れる複数の帯域を選び、帯域を間引いてパ
ワー値を出力し、この出力より入力信号が音声信号であ
るか又は音声帯域データ信号であるかを判定する。これ
により、帯域別パワーのうち、低域、中域、高域を代表
する帯域それぞれ1つずつを用いて音声/データ識別の
処理を行うことにより、簡易な構成で音声信号と音声帯
域データ信号とをより高精度で識別することができる。
【0045】
【実施例】以下図面を参照しながら、この発明の一実施
例を詳述する。
【0046】実施例1.図22との対応部分に同一符号
を付して示す図1は全体として、この発明による信号識
別器の実施例1の構成を示す。図中50は信号線S7を
通じて入力されるリニア変換部1の出力S2に対して、
FFT(高速フーリエ変換)演算を施すFFT演算部で
あり、51はFFT演算部50の出力S8-0〜S8-(n-
1)が入力され、信号の帯域毎のパワーを算出する帯域別
パワー算出部である。また52は帯域別パワー算出部5
1の出力S9-0〜S9-(n-1)が入力され、帯域別パワー
よりトーン信号の有無を判定するトーン検出部である。
さらに53は電力判定部2の出力S5、零交差数判定部
3の出力S6、トーン検出部52の出力S10により、
入力信号S1が音声信号であるか又は音声帯域データ信
号であるかを判定する識別結果出力部である。
【0047】またトーン検出部52の詳細な構成を図2
に示す。図中40は信号線S12-0〜S12-(n-1)を通
じて入力される帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜
S9-(n-1)のうちパワーが最大となる帯域のパワー値と
その帯域に隣接したN個の帯域のパワー値を加算するピ
ーク周波数パワー加算部である。また42は信号線S1
3-0〜S13-(n-1)を通じて入力される帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)の全てを加算し、全
帯域のパワーを求める全帯域パワー加算部である。さら
に43はピーク周波数パワー加算部40の出力S14と
全帯域パワー加算部42の出力S15との比を算出し、
この比の値によりトーン信号の有無を判定する判定部で
ある。
【0048】このような構成において、リニア変換部1
の出力S2は、信号線S3、S4、S7を通じて、それ
ぞれ電力判定部2、零交差数判定部3、FFT演算部5
0に入力される。FFT演算部50では信号線S7を通
じて入力されるリニア変換部1からの出力S2の、連続
する2n個のリニアPCM信号サンプル列を1つの分析
フレームとし、この分析フレーム内の信号に対しまず窓
関数を掛け、次に窓関数を掛けた後の信号に対し離散的
フーリエ変換を行い、この演算結果を出力S8-0〜S8
-(n-1)として送出する。
【0049】ここでFFT演算部50に入力されるリニ
アPCM信号サンプル列を、x[0]、x[1]、……、x
[2n-1]とする。このリニアPCM信号サンプル列に対し
て、掛ける窓関数としては、例えば次式
【0050】
【数1】
【0051】で定義されるハミング窓などがある。この
ようにリニアPCM信号サンプル列に、(1)式の窓関
数を掛けた後の信号を、次式
【0052】
【数2】
【0053】に示すようにy[k]とする。続いて、この
窓関数を掛けた後の信号y[k]に対して、次式
【0054】
【数3】
【0055】で定義される離散的フーリエ変換を行い、
この演算結果X[0]、X[1]、X[2]、……、X[n-2]
、X[n-1] を、それぞれFFT演算部50の出力S8-
0、S8-1、S8-2、……、S8-(n-2)、S8-(n-1)と
する。この離散的フーリエ変換の計算手段としては、例
えばFFT(高速フーリエ変換)を用いることができ
る。
【0056】次に、帯域別パワー算出部51では、FF
T演算部50の出力S8-0〜S8-(n-1)に基づきn個の
帯域のパワーを算出し、その結果を出力S9-0〜S9-
(n-1)として送出する。帯域別パワー算出部51の出力
する各帯域のパワーS9-0、S9-1、S9-2、……、S
9-(n-2)、S9-(n-1)をそれぞれP[0] 、P[1] 、P
[2] 、……、P[n-2] 、P[n-1] と表すと、P[0] 〜P
[n-1] は、上述したX[0]〜X[n-1] に対し次式
【0057】
【数4】
【0058】の演算を施すことにより求めることができ
る。
【0059】ここで、入力信号の標本化周波数を8000
〔Hz〕、すなわち入力信号の周波数帯域幅を4000〔Hz〕
としたとき、P[0] 、P[1] 、P[2] 、……、P[n-2]
、P[n-1] は、この4000〔Hz〕の帯域幅をn等分した
各周波数成分のパワーを表すことになる。このとき、例
えばn=32とすると、P[0] 、P[1] 、P[2] 、……、
P[30]、P[31]に相当する周波数は、次表
【0060】
【表3】
【0061】に示すようになり、 125〔Hz〕の分解能で
各周波数成分のパワー値を求めることができる。
【0062】標本化周波数8000〔Hz〕の場合について考
えると、 125〔Hz〕よりも細かい分解能で周波数分析し
たい場合、例えば62.5〔Hz〕又は 31.25〔Hz〕の周波数
分解能で周波数分析したい場合は、それぞれn=64又は
n= 128とすれば良く、また125〔Hz〕よりも周波数分
解能を荒くしても良い場合、例えば 250〔Hz〕又は 500
〔Hz〕の周波数分解能で周波数分析したい場合は、それ
ぞれn=16又はn=8とすれば良い。他の標本化周波数
を用いている場合も、nの値の定めかたは同様である。
【0063】次にトーン検出部52では、帯域別パワー
算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)に基づき、トーン
信号の有無を判定し、トーン信号を検出した場合は値
「1」を出力S10に設定し、トーン信号を検出しなか
った場合は値「0」を出力S10に設定する。図3にこ
の信号識別器に各種信号を入力したときのトーン検出部
52の動作を示す。
【0064】図3(A)は音声信号入力時の帯域別パワ
ー算出部51の出力、図3(B)は音声帯域データ信号
入力時の帯域別パワー算出部51の出力、図3(C)は
トーン信号入力時の帯域別パワー算出部51の出力であ
る。図より明らかなように帯域別パワー算出部51の出
力は、音声信号又は音声帯域データ信号入力時には、広
い帯域にパワーが分散されるのに対し、トーン信号入力
時には、トーン信号の周波数を中心とする狭い帯域にパ
ワーが集中する。この実施例のトーン検出部52では、
このような性質を用いて入力信号がトーン信号か否かの
判定をする。
【0065】ここでこのトーン検出部52の処理を詳細
に説明する。トーン検出部52に入力される帯域別パワ
ーの値S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S12-0〜S12
-(n-1)、S13-0〜S13-(n-1)を通じて、それぞれピ
ーク周波数パワー加算部40、全帯域パワー加算部42
に入力される。まずピーク周波数パワー加算部40で
は、帯域別パワーS9-0〜S9-(n-1)のうちパワーが最
大となる帯域を求め、この帯域のパワー値及びこの帯域
に隣接したN個の帯域のパワー値を加算し、この加算値
S14を出力する。例えばパワー値P[k] (k=0、
1、2、……、n-1)のうちP[kmax](0≦kmax≦n-1
)が最大となるとき、パワーが最大となる帯域のパワ
ー値P[kmax]及びその両隣の帯域のパワー値(P[kmax-
1]、P[kmax+1])を加算する場合はN=2となる。また
このNの値は、FFT演算部50にて用いる窓関数やト
ーン検出の目標性能により適切に定める。
【0066】全帯域パワー加算部42は、帯域別パワー
算出部51の出力するパワー値S9-0〜S9-(n-1)の全
てを加算し、この加算値S15を出力する。判定部43
は、ピーク周波数パワー加算部40の出力S14と全帯
域パワー加算部42の出力S15から、まず入力信号が
トーン信号であるか、トーン信号でないかの分析フレー
ム内での判定を行い、連続する複数分析フレーム内での
トーン検出結果を用いて、トーン検出の最終判定を行
い、判定結果を出力S10として送出する。
【0067】入力信号が単一周波数のトーン信号である
場合は、図3(C)に示すように、信号の周波数スペク
トルが1つの周波数に集中するため、この単一周波数ト
ーンのパワーの大部分はピーク周波数パワー加算部40
にて加算する帯域(図3(C)にA3で示す)に含まれ
る。従って、ピーク周波数パワー加算部40の出力S1
4と、全帯域(図3(C)にB3で示す)のパワーを加
算した全帯域パワー加算部42の出力S15がほぼ等し
い値となる。
【0068】一方、入力信号が音声信号又は音声帯域デ
ータ信号である場合は、図3(A)、図3(B)に示す
ように、通常、トーン信号入力の場合よりも信号の周波
数スペクトル分布が広がるため、図3(A)、図3
(B)にA1、A2で示した帯域のパワー値を加算した
ピーク周波数パワー加算部40の出力S14が、図3
(A)、図3(B)にB1、B2で示した帯域のパワー
値を加算した全帯域パワー加算部42の出力S15より
も小さくなる。従って、ピーク周波数パワー加算部40
の出力S14と全帯域パワー加算部42の出力S15の
間に、次式
【0069】
【数5】
【0070】のような関係が成り立つとき、分析フレー
ム内トーン検出と判定することができ、一方(5)式の
関係が成り立たないとき、分析フレーム内トーン不検出
と判定する。なお(5)式において、Th1は予め定めた
閾値である。
【0071】1分析フレーム内だけでトーン検出の判定
を行うと、音声信号あるいは音声帯域データ信号に対し
てトーン検出と誤って判定される可能性があるため、次
に連続する複数の分析フレーム内のトーン検出結果を用
いて、トーンを検出したか否かの最終判定を行う。連続
するN1個の分析フレームのうちN2個以上の分析フレ
ーム内でトーン検出したとき、判定部43の出力S10
を値「1」(トーン検出)とし、そうでないとき、判定
部43の出力S10を値「0」(トーン不検出)とす
る。
【0072】識別結果出力部53は、トーン検出部52
の出力S10、電力判定部2の出力S5、零交差数判定
部3の出力S6より、入力信号が音声信号であるか音声
帯域データ信号であるかの判定を行う。この識別結果出
力部53の入出力信号の状態を示す真理値表を次表、
【0073】
【表4】
【0074】に示す。この表より、まずトーン検出部5
2の出力S10が値「0」(トーン不検出)の場合は、
電力判定部2の出力S5と零交差数判定部3の出力S6
の論理積を識別結果出力部53の出力とする。
【0075】すなわち、電力判定部2の出力S5と零交
差数判定部3の出力S6がいずれも値「1」のとき、入
力信号が音声帯域データ信号であると判定して出力S1
1に値「1」を設定し、電力判定部2と零交差数判定部
3の出力の少なくとも1つが値「0」のとき、入力信号
が音声信号であると判定して出力S11に値「0」を設
定する。一方、トーン検出部52の出力S10が値
「1」(トーン検出)の場合、電力判定部2の出力S
5、零交差数判定部3の出力S6によらず、識別結果出
力部53の出力S11に値「0」(音声信号)を設定す
る。
【0076】このような構成によれば、単一周波数トー
ン信号のような周波数スペクトルが局所に集中する入力
信号が与えられたとき、ピーク周波数パワー加算部40
の出力S14の、全帯域パワー加算部42の出力S15
に対する比率が高くなるという性質を用いて、単一周波
数のトーン信号を検出することができる。また、このト
ーン検出部52の出力S10により識別結果出力部53
の動作を制御することで、トーン信号入力時の信号識別
器の出力S11を値「0」(音声信号)とすることがで
きる。
【0077】実施例2.図1との対応部分に同一符号を
付して示す図4は全体として、この発明による信号識別
器の実施例2の構成を示す。図中60は信号線S21-0
〜S21-(n-1)を通じて帯域別パワー算出部51の出力
S9-0〜S9-(n-1)が入力され、帯域別パワーより入力
信号S1が音声信号であるか又は音声帯域データ信号で
あるかを判定する音声/データ識別部であり、61はト
ーン検出部52、音声/データ識別部60の各出力S2
2、S23により、入力信号S1が音声信号であるか又
は音声帯域データ信号であるかを判定する識別結果出力
部である。
【0078】また音声/データ識別部60の詳細な構成
を図5に示す。図中110は信号線S21-0〜S21-
(n-1)、S30-0〜S30-(n-1)を通じて入力される帯
域別パワー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)のう
ち、低周波数の帯域のパワー値のみを加算する低周波数
パワー加算部である。また111は信号線S21-0〜S
21-(n-1)、S31-0〜S31-(n-1)を通じて入力され
る帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)の
全帯域のパワー値を加算する全帯域パワー加算部であ
る。さらに114は低周波数加算部110、全帯域パワ
ー加算部111の各出力S32、S33より、入力信号
が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを
判定する判定部である。
【0079】このような構成において、帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S20-0
〜S20-(n-1)、S21-0〜S21-(n-1)を通じて、そ
れぞれトーン検出部52、音声/データ識別部60に入
力される。音声/データ識別部60は、帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)に基づき、入力信号
S1が音声信号であるか又は音声帯域データ信号である
かを判定し、その判定結果を出力S23として送出す
る。
【0080】図6にこの音声/データ識別部60の動作
を示す。図6(A)は音声信号入力時の帯域別パワー算
出部51の出力であり、図6(B)は音声帯域データ信
号入力時の帯域別パワー算出部51の出力である。図6
(A)に示すように、入力信号が音声信号のときは、低
周波数にパワーの分布が偏るのに対し、図6(B)に示
すように、入力信号が音声帯域データ信号のときはその
周波数スペクトルは、モデムのキャリア周波数を中心と
した比較的平坦な分布となり、またその分布範囲が限ら
れている。このような性質を用いて入力信号が音声信号
であるか音声帯域データ信号であるかを判定する。
【0081】ここで音声/データ識別部60への入力信
号S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S21-0〜S21-(n-
1)及びS30-0〜S30-(n-1)、S21-0〜S21-(n-
1)及びS31-0〜S31-(n-1)を通じて、それぞれ低周
波数パワー加算部110、全帯域パワー加算部111に
入力される。低周波数パワー加算部110は帯域別パワ
ーS9-0〜S9-(n-1)のうち低周波数の領域に相当する
帯域のパワーを加算し、その値を出力S32として送出
する。図6(A)、図6(B)で低周波数として加算す
る領域をA1、A2の部分とすると、入力信号が音声信
号の場合には、入力信号が音声帯域データ信号の場合よ
りも低周波数パワー加算部110の出力S32が大きく
なる。
【0082】全帯域パワー加算部111は帯域別パワー
算出部51の出力するパワー値S9-0〜S9-(n-1)の全
てを加算し、この値を出力S33として判定部114に
送出する。判定部114は、低周波数パワー加算部11
0、全帯域パワー加算部111の各出力S32、S33
に基づいて、入力信号が音声信号であるか音声帯域デー
タ信号であるかの分析フレーム内での判定を行い、連続
する複数分析フレーム内での判定結果を用いて、入力信
号が音声信号であるか音声帯域データ信号であるかの最
終判定を行い、この判定結果を出力S23として送出す
る。
【0083】実際上判定部114では、まず低周波数パ
ワー加算部110の出力S32と全帯域パワー加算部1
11の出力S33との比を算出し、次式
【0084】
【数6】
【0085】により入力信号が音声信号であるか音声帯
域データ信号であるかの分析フレーム内での判定を行
う。なお(6)式においてTh2は予め定めた閾値であ
る。入力信号が音声信号である場合は、入力信号が音声
帯域データ信号である場合よりも(6)式の左辺の値が
大きくなるため、(6)式を満足する場合には、この分
析フレーム内において入力信号が音声信号であると判定
し、一方(6)式を満足しない場合には、この分析フレ
ーム内において入力信号が音声帯域データ信号であると
判定する。
【0086】次に連続する複数の分析フレーム内の判定
結果を用いて、入力信号が音声信号であるか音声帯域デ
ータ信号であるかの最終判定を行う。連続するN3個の
分析フレームのうち、N4個以上の分析フレーム内で音
声信号であると判定されたとき、判定部114の出力S
23を値「0」(音声信号)とし、連続するN5個の分
析フレームのうちN6個以上の分析フレーム内で音声帯
域データ信号であると判定されたとき、判定部114の
出力S23を値「1」(音声帯域データ信号)とし、こ
のどちらにもあてはまらない場合は、判定部114の出
力S23は前の状態を保持する。
【0087】識別結果出力部61は、トーン検出部52
の出力S22と音声/データ識別部60の出力S23に
基づいて、入力信号が音声信号であるか音声帯域データ
信号であるかを判定して、その判定結果を出力S24に
送出する。この識別結果出力部61の入出力信号の状態
を示す真理値表を次表
【0088】
【表5】
【0089】に示す。この表のようにまずトーン検出部
52の出力S22が値「0」(トーン不検出)の場合
は、音声/データ識別部60の判定結果S23を識別結
果出力部61の出力S24とする。一方、トーン検出部
52の出力S22が値「1」(トーン検出)の場合、音
声/データ識別部60の判定結果によらず、識別結果出
力部61の出力S24を値「0」(音声信号)とする。
【0090】このような構成によれば、音声信号のよう
に低周波数にパワーの分布が偏った入力信号が与えられ
たとき、低周波数パワー加算部110の出力S32の全
帯域パワー加算部111の出力S33に対する比率が高
くなる性質を用いて、音声信号と音声帯域データ信号と
を確実に識別することができる。またトーン検出部52
におけるトーン検出処理に用いていた帯域別パワーの値
を音声/データ識別部60でも用いることにより、音声
/データ識別部60では上述した実施例1で行っていた
零交差数とブロック間電力比の算出が不要となり、より
簡易な構成にできる。
【0091】実施例3.上述した実施例1においては、
識別結果出力部53はトーン検出部52の出力S10が
値「1」(トーン検出)であるとき、その出力S11を
強制的に値「0」(音声信号)としたが、トーン検出部
52の出力S10が値「1」(トーン検出)であると
き、識別結果出力部53の出力S11を前状態保持とし
ても良い。このようにすれば、信号識別器に入力される
トーン信号が、モデムの無変調キャリア信号等の、モデ
ム通信手順中に送出される信号の一部である場合に、信
号識別結果が音声信号となることを有効に防止できる。
【0092】実施例4.上述した実施例2においても、
識別結果出力部61はトーン検出部52の出力S22が
値「1」(トーン検出)であるとき、その出力S24を
強制的に値「0」(音声信号)としたが、トーン検出部
52の出力S22が値「1」(トーン検出)であると
き、識別結果出力部61の出力S24を前状態保持とし
ても良い。このようにすれば、上述の実施例3と同様の
効果を得ることができる。
【0093】実施例5.図1との対応部分に同一符号を
付して示す図7は全体として、この発明による信号識別
器の実施例5の構成を示す。図中55は帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)が入力され、帯域別
パワーよりトーン信号の有無及び2100〔Hz〕トーンの有
無を判定するトーン検出部であり、56は電力判定部
2、零交差数判定部3、トーン検出部55の各出力S
5、S6、S10、S17により、入力信号が音声信号
であるか又は音声帯域データ信号であるかを判定する識
別結果出力部である。また図2との対応部分に同一符号
を付した図8に、トーン検出部55の詳細な構成を示
す。図中44は、2100〔Hz〕のトーン信号の有無を検出
する2100〔Hz〕検出部である。
【0094】このような構成において、この実施例のト
ーン検出部55では、帯域別パワー算出部51の出力S
9-0〜S9-(n-1)のうち、2100〔Hz〕に最も近接した帯
域のパワー値S9-iが、信号線S16を通じて2100〔H
z〕検出部44に入力される。例えば、入力信号の標本
化周波数を8000〔Hz〕、n=32としたとき、帯域別パワ
ー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)は、表3に上述
したようになるため、2100〔Hz〕に最も近接した帯域の
パワー値はP[17](S9-17 )となる。従ってこの場合
P[17](S9-17 )が、信号線S16を通じて2100〔H
z〕検出部44に入力される。
【0095】2100〔Hz〕検出部44は、2100〔Hz〕に最
も近接した帯域のパワー値S9-iが入力され、この入力
値と予め定めた閾値とを比較し、この入力値が閾値より
も大きいとき、フレーム内2100〔Hz〕検出と判定し、そ
うでないときフレーム内2100〔Hz〕不検出と判定する。
実施例1と同じ理由から、次に連続する複数の分析フレ
ーム内の2100〔Hz〕検出結果を用いて、2100〔Hz〕トー
ンを検出したか否かの最終判定を行う。連続するN7個
の分析フレームのうちN8個以上の分析フレーム内で21
00〔Hz〕検出したとき、2100〔Hz〕検出部44の出力S
17を値「1」(2100〔Hz〕検出)とし、そうでないと
き2100〔Hz〕検出部44の出力S17を値「0」(2100
〔Hz〕不検出)とする。
【0096】トーン検出部55は、判定部43の出力す
るトーン信号検出結果S10と、2100〔Hz〕検出部44
の出力する2100〔Hz〕検出結果S17を、識別結果出力
部56に対して出力する。識別結果出力部56は、トー
ン検出部55の出力S10、S17、電力判定部2の出
力S5、零交差数判定部3の出力S6より、入力信号が
音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかの判
定を行う。識別結果出力部56の入出力信号の状態を示
す真理値表を次表
【0097】
【表6】
【0098】に示す。表よりまずトーン検出部55の出
力する2100〔Hz〕検出結果S17が値「1」(2100〔H
z〕検出)のときは、トーン検出部55の出力するトー
ン検出結果S10、電力判定部2の出力S5、零交差数
判定部3の出力S6にかかわらず、入力信号が音声帯域
データ信号であると判定して、出力S11に値「1」を
設定する。
【0099】次にトーン検出部55の出力する2100〔H
z〕検出結果S17が、値「0」(2100〔Hz〕不検出)
であり、かつトーン検出部55の出力するトーン検出結
果S10が値「1」(トーン検出)であるときは、電力
判定部2の出力S5、零交差数判定部3の出力S6にか
かわらず、入力信号が音声信号であると判定して出力S
11に値「0」を設定する。次にトーン検出部55の出
力する2100〔Hz〕検出結果S17が値「0」(2100〔H
z〕不検出)であり、かつトーン検出部55の出力する
トーン検出結果S10が値「0」(トーン不検出)であ
るときは、電力判定部2の出力S5と零交差数判定部3
の出力S6の論理積を識別結果出力部56の出力とす
る。すなわち、電力判定部2の出力S5と零交差数判定
部3の出力S6がいずれも値「1」のとき、入力信号が
音声帯域データ信号であると判定してS11に値「1」
を出力し、電力判定部2の出力S5と零交差数判定部3
の出力S6の少なくとも1つが値「0」のとき、入力信
号が音声信号であると判定してS11に値「0」を出力
する。
【0100】このような構成によれば、帯域別パワーの
うち2100〔Hz〕近傍の帯域のパワー値に基づいて、モデ
ム通信の手順として用いられる2100〔Hz〕のトーン信号
を確実に検出して、これを音声帯域データ信号と識別す
るようにできる。
【0101】実施例6.上述した実施例2においても、
トーン検出部52に2100〔Hz〕トーンの検出機能を付加
し、トーン検出部52が2100〔Hz〕トーンを検出したと
き、識別結果出力部61の出力S24を強制的に値
「1」(音声帯域データ信号)とし、2100〔Hz〕以外の
トーンを検出したとき、識別結果出力部61の出力S2
4を強制的に値「0」(音声信号)とするか、または前
状態保持とするようにすれば、上述した実施例5と同様
の効果を得ることができる。
【0102】実施例7.図1との対応部分に同一符号を
付して示す図9は全体として、この発明による信号識別
器の実施例7の構成を示す。図中SS及びSRは個別線
信号方式におけるシグナリング信号であり、SSは自局
交換機からのシグナリング信号、SRは対局交換機から
のシグナリング信号である。120は自局交換機からの
シグナリング信号SS、対局交換機からのシグナリング
信号SRが入力され、リセット信号を発生するリセット
信号発生部、121は電力判定部2、零交差数判定部
3、トーン検出部52、リセット信号発生部120の各
出力S5、S6、S10、S40により入力信号S1が
音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを判
定する識別結果出力部である。
【0103】このような構成において、リセット信号発
生部120には、自局交換機からのシグナリング信号S
Sと、対局交換機からのシグナリング信号SRとが入力
され、このシグナリング信号SS、SRの状態により呼
接続を検出し、呼接続を検出したときに、リセット信号
発生部120がリセット信号S40を出力する。まず自
局側が発呼側になる場合の動作を、図10に示す。この
図は自局側が発呼側になる場合の、自局交換機、対局交
換機間の制御信号の送受のシーケンスを示すものであ
る。
【0104】図10において、呼接続されていない状態
においてはシグナリング信号SS、SRの信号状態は共
に値「1」となっている。まず自局側交換機は、対局側
交換機を起動するため、シグナリング信号SSを値
「1」から値「0」に変化させ(起動信号)、対局側交
換機はこの起動信号を受信すると、選択信号の受信準備
が完了したことを自局側交換機に対し知らせるため、シ
グナリング信号SRをある時間幅の間、値「0」にする
(接続確認信号)。次に、自局側交換機は接続確認信号
を受信すると、対局側交換機に対し接続すべき相手(被
呼者)を知らせるため、例えば音声帯域の特定周波数の
トーン信号の組み合わせにより、ダイヤル数字情報を送
出する(選択数字信号)。
【0105】この間、シグナリング信号SSの信号状態
は値「0」に保たれる。次に対局側交換機は、被呼者の
応答があると、自局側交換機に対し被呼者の応答があっ
たことを知らせるため、シグナリング信号SRを値
「1」から値「0」に変化させ(応答信号)、これによ
り呼接続の動作は完了し通話可能な状態となる。通話が
終わると、自局側交換機は対局側交換機に復旧を知らせ
るため、シグナリング信号SSを値「0」から値「1」
に変化させ(切断信号)、対局側交換機はこの切断信号
を受信すると、切断信号を検出したことを自局側交換機
に対して知らせるため、シグナリング信号SRを値
「0」から値「1」に変化させ(復旧完了信号)、これ
により呼切断の動作は完了する。
【0106】自局側が発呼側になる場合は、呼接続され
ていない状態においては、シグナリング信号SS、SR
の信号状態は共に値「1」となっており、自局側から起
動信号が送出される際、シグナリング信号SSが値
「1」から値「0」に変化する。従って、シグナリング
信号SRが値「1」であり、かつシグナリング信号SS
が値「1」から値「0」へ変化したことを検出したとき
(図10のAに示す時点)、自局側からの発呼が行われ
たことを検出することができる。
【0107】次に、対局側が発呼側になる場合について
の動作を説明する。図11は、対局側が発呼側になる場
合の、自局交換機からのシグナリング信号SSと、対局
交換機からのシグナリング信号SRの信号シーケンスを
示す。図11に示した対局側が発呼側になる場合の信号
シーケンスは、図10に示した自局側が発呼側になる場
合の信号シーケンスの、シグナリング信号SSとSRを
入れ替えたものと考えて良い。
【0108】対局側が発呼側になる場合は、呼接続され
ていない状態においては、シグナリング信号SS、SR
の信号状態はともに値「1」となっており、対局側から
起動信号が送出される際、シグナリング信号SRが値
「1」から値「0」に変化する。従って、シグナリング
信号SSが値「1」であり、かつシグナリング信号SR
が値「1」から値「0」へ変化したことを検出したとき
(図11のAに示す時点)、対局側からの発呼が行われ
たことを検出することができる。
【0109】従って、リセット信号発生部120では、
シグナリング信号SRが値「1」でありかつシグナリン
グ信号SSが値「1」から値「0」へ変化したことを検
出するか、またはシグナリング信号SSが値「1」であ
りかつシグナリング信号SRが値「1」から値「0」へ
変化したことを検出した時、自局側又は対局側のいずれ
かから発呼が行われたと判定し、ある時間幅の間、値
「0」を出力S40に設定しこれをリセット信号とす
る。
【0110】それ以外の時はリセット信号発生部120
は、値「1」を出力S40に設定する。すなわち、自局
側が発呼側になる場合のリセット信号S40は、図10
に示すBのようになり、対局側が発呼側になる場合のリ
セット信号S40は図11に示すBのようになる。この
リセット信号S40は、信号線S41、S42、S43
を通じて、それぞれ識別結果出力部121、電力判定部
2、零交差数判定部3に入力される。
【0111】識別結果出力部121は、リセット信号発
生部120の出力S41が値「1」のとき、すなわちリ
セット信号を出力していないときは、電力判定部2の出
力S5、零交差数判定部3の出力S6、トーン検出部5
2の出力S10による判定結果を有効とする。このと
き、トーン検出部52の出力S10が値「0」(トーン
不検出)であれば、電力判定部2と零交差数判定部3に
よる識別結果を有効とする。すなわち、電力判定部2の
出力S5と零交差数判定部3の出力S6がいずれも値
「1」のとき、入力信号が音声帯域データ信号であると
判定して値「1」を出力S11に設定し、電力判定部2
の出力S5と零交差数判定部3の出力S6の少なくとも
1つが値「0」のとき、入力信号が音声信号であると判
定して値「0」を出力S11に設定する。
【0112】またリセット信号発生部120の出力S4
1が値「1」のとき、トーン検出部52の出力S10が
値「1」(トーン検出)であれば、電力判定部2の出力
S5と零交差数判定部3の出力S6によらず、識別結果
出力部121の出力S11を値「0」(音声信号)また
は前状態保持とする。
【0113】一方、リセット信号発生部120の出力が
値「0」のとき、すなわちリセット信号を出力している
ときは、電力判定部2の出力S5、零交差数判定部3の
出力S6、トーン検出部52の出力S10によらず、識
別結果出力部121の出力S11を値「0」(音声信
号)とする。また、リセット信号発生部120の出力S
42、S43が値「0」のとき、すなわちリセット信号
を出力しているときは、電力判定部2、零交差数判定部
3は、その出力S5、S6が値「0」(音声信号)とな
るよう、内部状態をリセットする。
【0114】このような構成すれば、リセット信号発生
部120がシグナリング信号SS、SRの状態により呼
接続を検出し、呼接続の検出時に識別状態を音声信号に
リセットすることにより、通話開始時の信号識別出力の
初期状態を音声信号とすることができる。
【0115】実施例8.上述した実施例7においてはシ
グナリング信号SS、SRを監視し、呼接続を検出した
ときに識別結果出力部121の出力S11を値「0」
(音声信号)としたが、呼切断を検出する手段を設け、
呼切断を検出した時に信号識別出力S11を値「0」
(音声信号)とするようにしても、上述の実施例7と同
様の効果を実現できる。
【0116】実施例9.上述した実施例7及び実施例8
においては、個別線信号方式でシグナリング信号SS、
SRを監視した場合について説明したが、共通線信号方
式の場合についても、呼接続又は呼切断を検出する手段
を設け、呼接続時又は呼切断時に識別結果出力部121
の出力S11を値「0」(音声信号)とするようにして
も、上述の実施例7及び実施例8と同様の効果を実現で
きる。
【0117】実施例10.図2との対応部分に同一符号
を付して示す図12は、この発明による信号識別器の実
施例10として、トーン検出部52の他の構成を示す。
図中70は信号線S50-0〜S50-(n-1)を通じて入力
される帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-
1)のうち、パワーが最大となる帯域のパワー値とその帯
域に隣接したN個の帯域のパワー値を加算する第1のピ
ーク周波数パワー加算部である。また71は第1のピー
ク周波数パワー加算部70において加算を行った帯域の
パワー値のみ強制的に0にするピーク周波数パワー0マ
スク部である。
【0118】さらに72は、ピーク周波数パワー0マス
ク部71の出力のうちパワーが最大となる帯域のパワー
値及びその帯域に隣接したN個の帯域のパワー値を加算
する第2のピーク周波数パワー加算部であり、73は上
述した第1のピーク周波数パワー加算部70の出力S5
4と第2のピーク周波数パワー加算部72の出力S55
を加算する加算器である。また74は帯域別パワー算出
部51の出力する全帯域のパワー値を加算する全帯域パ
ワー加算部であり、75は加算器73の出力と全帯域パ
ワー加算部74の出力との比を算出し、この比の値によ
りトーン信号の有無を判定する判定部である。
【0119】このような構成において、帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S50-0
〜S50-(n-1)、S51-0〜S51-(n-1)、S52-0〜
S52-(n-1)を通じて、それぞれ第1のピーク周波数パ
ワー加算部70、ピーク周波数パワー0マスク部71、
全帯域パワー加算部74に入力される。まず第1のピー
ク周波数パワー加算部70では、帯域別パワーS9-0〜
S9-(n-1)のうちパワーが最大となる帯域を求め、この
パワーが最大となる帯域のパワー値及びその帯域に隣接
したN個の帯域のパワー値を加算し、この加算値を出力
S54として送出する。またどの帯域のパワー値を加算
したかに関する情報を出力S58として送出する。なお
上述したNの値の定め方は、実施例1と同様である。
【0120】ピーク周波数パワー0マスク部71では、
第1のピーク周波数パワー加算部70の出力S58に基
づき、帯域別パワーS9-0〜S9-(n-1)のうち第1のピ
ーク周波数パワー加算部70において加算を行った帯域
のパワー値のみ強制的に0にし、その他の帯域のパワー
については、帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜S
9-(n-1)をそのままにして、出力S53-0〜S53-(n-
1)として送出する。第2のピーク周波数パワー加算部7
2では、ピーク周波数パワー0マスク部71の出力S5
3-0〜S53-(n-1)のうちパワーが最大となる帯域のパ
ワー値及びその帯域に隣接したN個の帯域のパワー値を
加算し、この加算値S55を出力する。なおNの値の定
め方は、上述した第1のピーク周波数パワー加算部70
の場合と同様である。
【0121】加算器73は、第1のピーク周波数パワー
加算部70の出力S54と、第2のピーク周波数パワー
加算部72の出力S55を加算し、この加算値S56を
出力する。全帯域パワー加算部74は、帯域別パワー算
出部51の出力するパワー値S9-0〜S9-(n-1)の全て
を加算し、この加算値S57を出力する。判定部75
は、加算器73の出力S56と全帯域パワー加算部74
の出力S57から、まず入力信号がトーン信号であるか
又はトーン信号でないかの分析フレーム内での判定を行
い、連続する複数分析フレーム内でのトーン検出結果を
用いて、トーン検出の最終判定を行い、この判定結果を
出力S10として送出する。
【0122】ここで、入力信号が単一周波数のトーン信
号である場合は、信号の周波数スペクトルが1つの周波
数に集中するため、この単一周波数トーンのパワーの大
部分が第1のピーク周波数パワー加算部70で加算する
帯域に含まれる。従って、第1のピーク周波数パワー加
算部70の出力S54と全帯域パワー加算部74の出力
S57がほぼ等しい値となる。また第1のピーク周波数
パワー加算部70の出力S54と第2のピーク周波数パ
ワー加算部72の出力S55の和は、全帯域パワー加算
部74の出力S57とほぼ等しい値となる。
【0123】また、入力信号が2周波数のトーン信号で
ある場合は、信号の周波数スペクトルが2つの周波数に
集中する。図13はトーン検出部52の動作を示し、こ
の信号識別器に2周波数トーン信号を入力したときの帯
域別パワー算出部51の出力を示している。この2周波
数トーン信号のうち一方の周波数のトーンのパワーの大
部分は、図中のAに示すように第1のピーク周波数パワ
ー加算部70にて加算する帯域に含まれ、またこの2周
波数トーン信号のうち他方の周波数のトーンのパワーの
大部分は、図中のBに示すように第2のピーク周波数パ
ワー加算部72にて加算する帯域に含まれる。従って、
第1のピーク周波数パワー加算部70の出力S54と第
2のピーク周波数パワー加算部72の出力S55の和
は、図中のCに示した帯域のパワーを加算した全帯域パ
ワー加算部74の出力S57とほぼ等しい値となる。
【0124】一方、入力信号が音声信号であるか又は音
声帯域データ信号である場合は、通常単一周波数トーン
信号又は2周波数トーン信号の場合よりも周波数スペク
トル分布が広がるため、第1のピーク周波数パワー加算
部70の出力S54と第2のピーク周波数パワー加算部
72の出力S55の和は、全帯域パワー加算部74の出
力S57よりも小さくなる。従って加算器73の出力S
56と全帯域パワー加算部74の出力S57の間に次式
【0125】
【数7】
【0126】のような関係が成り立つとき、分析フレー
ム内トーン検出と判定することができ、一方(7)式の
関係が成り立たないとき、分析フレーム内トーン信号不
検出と判定することができる。なお(7)式においてTh
3は予め定めた閾値である。また上述した実施例1の場
合と同じ理由から、次に連続する複数の分析フレーム内
のトーン検出結果を用いて、トーンを検出したか否かの
最終判定を行う。連続するN9個の分析フレームのうち
N10個以上の分析フレーム内でトーン検出したとき、
判定部75の出力S10を値「1」(トーン検出)と
し、そうでないとき、判定部75の出力S10を値
「0」(トーン不検出)とする。
【0127】このような構成によれば、単一周波数トー
ン信号又は2周波数トーン信号のように周波数スペクト
ルが局所に集中する入力信号が与えられたとき、第1の
ピーク周波数パワー加算部70の出力S54と第2のピ
ーク周波数パワー加算部72の出力S55とを加算した
値の、全帯域パワー加算部74の出力S57に対する比
率が高くなるという性質を用い、単一周波数のトーン信
号及び2周波数のトーン信号を検出することができる。
【0128】実施例11.図14においては、この発明
による信号識別器の実施例11として、トーン検出部5
2の他の構成を示す。図中80は帯域別パワー算出部5
1の出力S9-0〜S9-(n-1)から入力信号の周波数スペ
クトル分布の平均的な値を算出する中心周波数算出部、
81はこの中心周波数算出部80の出力S60を1分析
フレーム分遅延させるディレイバッファ、82は中心周
波数算出部80の出力とディレイバッファ81の出力に
よりトーン信号の有無を判定する判定部である。
【0129】中心周波数算出部80は、帯域別パワー算
出部51の出力する各帯域のパワーS9-0〜S9-(n-1)
(P[0] 、P[1] 、P[2] 、……、P[n-2] 、P[n-1]
)から、次式
【0130】
【数8】
【0131】により定義される中心周波数Fm を算出
し、この中心周波数Fm の値を出力S60として送出す
る。この中心周波数Fm の値は、信号線S61、S62
を通じてそれぞれ判定部82、ディレイバッファ81に
入力される。入力信号が単一周波数トーン信号又は2周
波数トーン信号のように周期的な信号である場合、周波
数スペクトルの変動が小さいため、(8)式の中心周波
数Fm の値の時間的変動が小さくなる。一方入力信号が
音声信号であるか又は音声帯域データ信号である場合
は、中心周波数Fm の値の時間的変動が大きくなる。
【0132】ディレイバッファ81は、中心周波数算出
部80の出力S60を1分析フレーム分遅延させ、この
遅延させた値を出力S63として送出する。判定部82
は、中心周波数算出部80の出力S60とディレイバッ
ファ81の出力S63から、まず入力信号がトーン信号
であるか、トーン信号でないかの分析フレーム内での判
定を行い、連続する複数分析フレーム内でのトーン検出
結果を用いて、トーン検出の最終判定を行い、判定結果
を出力S10として送出する。
【0133】判定部82ではまず中心周波数算出部80
の出力S61と、ディレイバッファ81の出力S63の
差分値を算出し、次にこの差分値の絶対値を算出する。
この絶対値は、中心周波数算出部80の出力S60の時
間的変動の大きさを表し、入力信号が単一周波数トーン
信号又は2周波数トーン信号である場合はこの絶対値は
小さい値をとり、一方入力信号が音声信号又は音声帯域
データ信号である場合はこの絶対値は大きい値をとる。
従って、この絶対値をある閾値と比較し、この絶対値が
この閾値より小さいとき、分析フレーム内トーン信号検
出と判定し、そうでないとき分析フレーム内トーン信号
不検出と判定する。
【0134】実施例1の場合と同じ理由から、次に連続
する複数の分析フレーム内のトーン検出結果を用いて、
トーンを検出したか否かの最終判定を行う。連続するN
11個の分析フレームのうちN12個以上の分析フレー
ム内でトーン検出したとき、判定部82の出力S10を
値「1」(トーン検出)とし、そうでない時、判定部8
2の出力S10を値「0」(トーン不検出)とする。
【0135】このような構成によれば、単一周波数トー
ン信号又は2周波数トーン信号のような周波数スペクト
ルの変動の小さい入力信号が与えられたとき、中心周波
数算出部80の出力S61の時間的変動が小さくなると
いう性質を用い、単一周波数のトーン信号及び2周波数
のトーン信号を検出することができる。
【0136】実施例12.図15においては、この発明
による信号識別器の実施例12として、トーン検出部5
2の他の構成を示す。図中90は信号線S70-0〜S7
0-(n-1)を通じて入力される帯域別パワー算出部51の
出力S9-0〜S9-(n-1)を、1分析フレーム分遅延させ
るディレイバッファである。また91は信号線S71-0
〜S71-(n-1)を通じて入力される帯域別パワー算出部
51の出力S9-0〜S9-(n-1)と、ディレイバッファ9
0の出力S72-0〜S72-(n-1)の差分をとる差分器で
あり、92は差分器91の出力S73により、トーン信
号の有無を判定する判定部である。
【0137】このような構成において、帯域別パワー算
出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S70-0
〜S70-(n-1)、S71-0〜S71-(n-1)を通じて、そ
れぞれディレイバッファ90、差分器91に入力され
る。ディレイバッファ90は、帯域別パワー算出部51
の出力S9-0〜S9-(n-1)を1分析フレーム分遅延させ
る。ここで帯域別パワー算出部51の出力する各帯域の
パワーS9-0、S9-1、S9-2、……、S9-(n-2)、S
9-(n-1)(上述したP[0] 、P[1] 、P[2] 、……、P
[n-2] 、P[n-1] )に対応したディレイバッファ90の
出力S72-0、S72-1、S72-2、……、S72-(n-
2)、S72-(n-1)をそれぞれQ[0] 、Q[1] 、Q[2] 、
……、Q[n-2] 、Q[n-1] と表す。
【0138】差分器91は、まず次式
【0139】
【数9】
【0140】に示すように、帯域別パワー算出部51の
出力P[0] 、P[1] 、P[2] 、……、P[n-2] 、P[n-
1] とディレイバッファ90の出力Q[0] 、Q[1] 、Q
[2] 、……、Q[n-2] 、Q[n-1] の差分値S[0] 、S
[1] 、S[2] 、……、S[n-1] を帯域毎に算出する。差
分器91は、次に次式
【0141】
【数10】
【0142】に示すように、この帯域毎に算出した差分
値を加算し、この加算値を差分器91の出力S73とす
る。入力信号が単一周波数トーン信号又は2周波数トー
ン信号のような周期的な信号である場合、周波数スペク
トルの変動が小さいため、この差分器91の出力S73
は小さい値となり、一方入力信号が音声信号又は音声帯
域データ信号である場合は、この差分器91の出力S7
3は大きい値となる。
【0143】判定部92は、差分器91の出力S73か
ら、まず入力信号がトーン信号であるか、トーン信号で
ないかの分析フレーム内での判定を行い、複数分析フレ
ーム内でのトーン検出結果を用いて、トーン検出の最終
判定を行い、判定結果を出力S10として送出する。判
定部92では、まず差分器91の出力S73とある閾値
とを比較し、差分器91の出力S73がこの閾値よりも
小さい時、分析フレーム内トーン信号検出と判定し、そ
うでない時分析フレーム内トーン信号不検出と判定す
る。
【0144】ここで実施例1の場合と同じ理由から、次
に連続する複数の分析フレーム内のトーン検出結果を用
いて、トーンを検出したか否かの最終判定を行う。連続
するN13個の分析フレームのうちN14個以上の分析
フレーム内でトーン検出したとき、判定部92の出力S
10を値「1」(トーン検出)とし、そうでないとき判
定部92の出力S10を値「0」(トーン不検出)とす
る。
【0145】このような構成によれば、単一周波数トー
ン信号又は2周波数トーン信号のような周波数スペクト
ルの変動の小さい入力信号が与えられた時、差分器91
の出力S73が小さくなり、判定部92にてこの差分器
91の出力S73とある閾値とを比較することで単一周
波数のトーン信号及び2周波数のトーン信号を検出する
ことができる。
【0146】実施例13.図15との対応部分に同一符
号を付した図16は、この発明による信号識別器の実施
例13として、トーン検出部52の他の構成を示す。図
中101は帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜S9
-(n-1)とディレイバッファ90の出力S72-0〜S72
-(n-1)の比をとる除算器、102は除算器101の出力
S74によりトーン信号の有無を判定する判定部であ
る。帯域別パワー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)
は、信号線S70-0〜S70-(n-1)、S71-0〜S71
-(n-1)を通じて、それぞれディレイバッファ90、除算
器101に入力される。
【0147】ディレイバッファ90の動作は、実施例1
2と同一である。除算器101は帯域別パワー算出部5
1の出力する各帯域のパワー値S71-0〜S71-(n-1)
(すなわち、P[0] 、P[1] 、P[2] 、……、P[n-2]
、P[n-1] )とディレイバッファ90の出力S72-0
〜S72-(n-1)(すなわちQ[0] 、Q[1] 、Q[2] 、…
…、Q[n-2] 、Q[n-1] )を比較し、次式
【0148】
【数11】
【0149】に基づいて、この2つの出力の比(R[0]
、R[1] 、R[2] 、……、R[n-2] 、R[n-1] )を帯
域毎に算出する。
【0150】次に次式、
【0151】
【数12】
【0152】示すように、この帯域毎に算出した比の
値を加算し、この加算値を除算器101の出力S74と
する。入力信号が、単一周波数トーン信号又は2周波数
トーン信号のような周期的な信号である場合、周波数ス
ペクトルの変動が小さいため、この除算器101の出力
S74は小さい値となり、入力信号が音声信号又は音声
帯域データ信号である場合は、この除算器101の出力
S74は大きい値となる。
【0153】判定部102は、除算器101の出力S7
4から、まず入力信号がトーン信号であるか、トーン信
号でないかの分析フレーム内での判定を行い、連続する
複数分析フレーム内でのトーン検出結果を用いて、トー
ン検出の最終判定を行い、この判定結果を出力S10と
して送出する。実際上判定部102では、まず除算器1
01の出力S74とある閾値とを比較し、除算器101
の出力S74がこの閾値よりも小さい時、分析フレーム
内トーン信号検出と判定し、そうでない時分析フレーム
内トーン信号不検出と判定する。
【0154】実施例1の場合と同じ理由から、次に連続
する複数の分析フレーム内のトーン検出結果を用いて、
トーンを検出したか否かの最終判定を行う。連続するN
15個の分析フレームのうちN16個以上の分析フレー
ム内でトーン検出した時、判定部102の出力S10を
値「1」(トーン検出)とし、そうでない時、判定部
(102)の出力S10を値「0」(トーン不検出)と
する。
【0155】このような構成によれば、単一周波数トー
ン信号又は2周波数トーン信号のような周波数スペクト
ルの変動の小さい入力信号が与えられたとき、除算器1
01の出力S74が小さくなり、判定部102にてこの
除算器101の出力S74とある閾値とを比較すること
で、単一周波数のトーン信号及び2周波数のトーン信号
を確実に検出することができる。
【0156】実施例14.図5との対応部分に同一符号
を付して示す図17は、この発明による信号識別器の実
施例14として、音声/データ識別部60の他の構成を
示す。図中111は帯域別パワー算出部51の出力する
全帯域のパワー値を加算する全帯域パワー加算部、11
2は全帯域パワー加算部111の出力を1分析フレーム
分遅延させるディレイバッファ、113は全帯域パワー
加算部111の出力とディレイバッファ112の出力の
差分をとる差分器、114は差分器113の出力より、
入力信号が音声信号であるか音声帯域データ信号である
かを判定する判定部である。
【0157】この音声/データ識別部60において、全
帯域パワー加算部111は、帯域別パワー算出部51の
出力するパワー値S9-0〜S9-(n-1)の全てを加算し、
この加算値S33を出力する。この加算値S33は信号
線S35、S36を通じて、それぞれ差分器113、デ
ィレイバッファ112に入力される。ディレイバッファ
112は全帯域パワー加算部111の出力S36を1分
析フレーム分遅延させ、この遅延させた値S37を出力
する。
【0158】差分器113は全帯域パワー加算部111
の出力S33と、ディレイバッファ112の出力S37
の差分値を算出し、次にこの差分値の絶対値を算出しこ
の絶対値S38を出力する。入力信号のパワーの時間的
変動が大きいほど、この差分器113の出力S38は大
きくなる。音声信号のパワーの時間的変動は、音声帯域
データ信号のパワーの時間的変動よりも大きいため、入
力信号が音声信号である場合は、入力信号が音声帯域デ
ータ信号である場合よりも、差分器113の出力S38
が大きくなる。
【0159】判定部114は、差分器113の出力S3
8から、入力信号が音声信号であるか又は音声帯域デー
タ信号であるかの分析フレーム内での判定を行い、連続
する複数分析フレーム内での判定結果を用いて、入力信
号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるか
の最終判定を行い、この判定結果S23を出力する。実
際上判定部114では、まず差分器113の出力S38
を用い、次式
【0160】
【数13】
【0161】により、入力信号が音声信号であるか又は
音声帯域データ信号であるかの分析フレーム内での判定
を行う。なお、この(13)式においてTh4は予め定め
た閾値である。
【0162】音声帯域データ信号のパワーは音声信号の
パワーよりも時間的変動が小さいため、入力信号が音声
帯域データ信号である場合は、入力信号が音声信号であ
る場合よりも上述した13式の左辺の値が小さくなるの
で、(13)式を満足する場合、この分析フレーム内に
おいて、入力信号が音声帯域データ信号であると判定
し、一方(13)式を満足しない場合は、この分析フレ
ーム内において、入力信号が音声信号であると判定す
る。
【0163】次に連続する複数の分析フレーム内の判定
結果を用いて、入力信号が音声信号であるか又は音声帯
域データ信号であるかの最終判定を行う。連続するN1
7個の分析フレームのうちN18個以上の分析フレーム
内で音声信号であるとの判定がなされた時、判定部11
4の出力S23を値「0」(音声信号)とし、連続する
N19個の分析フレームのうちN20個以上の分析フレ
ーム内で音声帯域データ信号であるとの判定がなされた
時、判定部114の出力S23を値「1」(音声帯域デ
ータ信号)とし、このどちらにもあてはまらない場合
は、判定部114の出力S23は前状態保持とする。
【0164】このような構成によれば、音声信号のよう
なパワーの時間的変動の大きい入力信号が与えられたと
き、差分器113の出力S38が大きくなり、判定部1
14にて、この差分器113の出力S38とある閾値と
を比較することで音声信号であるか又は音声帯域データ
信号であるかを識別することができる。
【0165】実施例15.図5及び図17との対応部分
に同一符号を付した図18は、この発明による信号識別
器の実施例15として、音声/データ識別部60の他の
構成を示す。図中114は低周波数パワー加算部11
0、全帯域パワー加算部111、差分器113の各出力
S32、S33、S38より入力信号が音声信号である
か又は音声帯域データ信号であるかを判定する判定部で
ある。
【0166】この音声/データ識別部60において、入
力信号S9-0〜S9-(n-1)は、信号線S21-0〜S21
-(n-1)及びS30-0〜S30-(n-1)、S21-0〜S21
-(n-1)及びS31-0〜S31-(n-1)を通じて、それぞれ
低周波数パワー加算部110、全帯域パワー加算部11
1に入力される。低周波数パワー加算部110、全帯域
パワー加算部111の動作については、上述した実施例
2と同一である。またディレイバッファ112、差分器
113の動作については、上述した実施例14と同一で
ある。
【0167】判定部114は低周波数パワー加算部11
0、全帯域パワー加算部111、差分器113の各出力
S32、S33、S38から、入力信号が音声信号であ
るか又は音声帯域データ信号であるかの分析フレーム内
での判定を行い、連続する複数分析フレーム内での判定
結果を用いて、入力信号が音声信号であるか音声帯域デ
ータ信号であるかの最終判定を行い、この判定結果を出
力S23として送出する。
【0168】判定部114では、まず低周波数パワー加
算部110の出力S32と全帯域パワー加算部111の
出力S33との比を算出し、次式
【0169】
【数14】
【0170】により、入力信号が音声信号であるか否か
の分析フレーム内での判定を行う。なお、(14)式に
おいてTh5は予め定めた閾値である。このTh5の値は、
実施例2に上述した(6)式中のTh2と等しい値であっ
ても異なる値であっても構わない。
【0171】入力信号が音声信号である場合は、入力信
号が音声帯域データ信号である場合よりも(14)式の
左辺の値が大きくなるため、(14)式を満足する場
合、この分析フレーム内において入力信号が音声信号で
あると判定することができる。一方、(14)式を満足
しない場合は、入力信号が音声帯域データ信号である可
能性が高いが、音声信号の周波数スペクトルは比較的変
動が大きいため、Th5の値によっては、入力信号が音声
信号であってもこの式を満たさないという可能性もあ
る。従って、入力信号が音声帯域データ信号であること
を検出する条件は別に定める。
【0172】判定部114では、低周波数パワー加算部
110の出力S32と全帯域パワー加算部111の出力
S33との比、差分器113の出力S38を用い、次式
【0173】
【数15】
【0174】及び次式
【0175】
【数16】
【0176】により、入力信号が音声帯域データ信号で
あるか否かの分析フレーム内での判定を行う。なお、
(15)式及び(16)式において、Th6、Th7は予め
定めた閾値である。このTh6の値も、実施例2の(6)
式に用いられているTh2の値と等しい値であっても異な
る値であっても構わない。また、このTh7の値は実施例
14の(13)式に用いられているTh4の値と等しい値
であっても異なる値であっても構わない。またTh6の値
は、(14)式に用いられているTh5の値と等しい値で
あっても異なる値であっても構わない。
【0177】入力信号が音声帯域データ信号である場合
は、入力信号が音声信号である場合よりも(15)式の
左辺の値が小さくなるため、(15)式を満足する場合
入力信号が音声帯域データ信号である可能性が高いと考
えられる。また、音声帯域データ信号のパワーは音声信
号のパワーよりも時間的変動が小さいため、入力信号が
音声帯域データ信号である場合は、入力信号が音声信号
である場合よりも(16)式の左辺の値が小さくなり、
(16)式を満足する場合入力信号が音声帯域データ信
号である可能性が高いと考えられる。従って、(15)
式及び(16)式を同時に満足する場合、この分析フレ
ーム内において入力信号が音声帯域データ信号であると
判定することができる。
【0178】一方、(15)式及び(16)式のいずれ
かを満たさない場合は、入力信号が音声信号である可能
性が高いが、入力信号が音声帯域データ信号であって
も、モデムの変調方式が変わった場合には、上述したTh
6、Th7の値によっては、(15)式又は(16)式の
いずれかを満たさないということもあり得る。従って、
上述した(15)式及び(16)式の条件は、入力信号
が音声信号であることを検出する条件とはしない。
【0179】次に連続する複数の分析フレーム内の判定
結果を用いて、入力信号が音声信号であるか音声帯域デ
ータ信号であるかの最終判定を行う。連続するN21個
の分析フレームのうちN22個以上の分析フレーム内で
音声信号であるとの判定がなされたとき、判定部114
の出力を値「0」(音声信号)とし、連続するN23個
の分析フレームのうちN24個以上の分析フレーム内で
音声帯域データ信号であるとの判定がなされた時、判定
部114の出力S23を値「1」(音声帯域データ信
号)とし、このどちらにもあてはまらない場合は、判定
部114の出力S23は前状態保持とする。
【0180】このような構成によれば、音声信号のよう
に低周波数にパワーの分布が偏った入力信号が与えられ
た時、低周波数パワー加算部110の出力S32の、全
帯域パワー加算部111の出力S34に対する比率が高
くなるという性質と、音声信号のようなパワーの時間的
変動の大きい入力信号が与えられたとき、差分器113
の出力S38が大きくなるという性質を用い、音声信号
と音声帯域データ信号とをより高精度で識別することが
できる。
【0181】実施例16.図18との対応部分に同一符
号を付した図19は、この発明による信号識別器の実施
例16として音声/データ識別部60の他の構成を示
す。図中115は帯域別パワー算出部51の出力する帯
域別パワー値のうち、低域、中域、高域を代表する帯域
をそれぞれ1つずつ選び、これらの帯域のパワー値を出
力する帯域別パワー間引き部であり、114は帯域別パ
ワー間引き部115の出力より入力信号が音声信号であ
るか音声帯域データ信号であるかを判定する判定部であ
る。
【0182】この音声/データ識別部60において、帯
域別パワー間引き部115は、帯域別パワー算出部51
の出力する帯域別パワー値S9-0〜S9-(n-1)のうち、
低域、中域、高域を代表する帯域をそれぞれ1つずつ選
び、低域信号のパワー値を出力S80とし、中域信号の
パワー値を出力S81とし、高域信号のパワー値を出力
S82として送出する。
【0183】図20は、この帯域別パワー間引き部11
5の動作を示し、図20(A)は音声信号入力時の帯域
別パワー算出部51の出力S9-0〜S9-(n-1)、図20
(B)は音声帯域データ信号入力時の帯域別パワー算出
部51の出力S9-0〜S9-(n-1)、図20(C)は音声
信号入力時の帯域別パワー間引き部115の出力S8
0、S81、S82、図20(D)は音声帯域データ信
号入力時の帯域別パワー間引き部115の出力S80、
S81、S82である。
【0184】低域信号として図20(A)、図20
(B)にA1、A2で示すように、音声帯域データ信号
ではパワーが十分小さく、かつ音声信号ではパワーが十
分大きい帯域を選択し、中域信号として図20(A)、
図20(B)にB1、B2で示すように、音声帯域デー
タ信号のパワースペクトラムの平坦な部分で、なるべく
低い周波数の帯域を選択し、高域信号として図20
(A)、図20(B)にC1、C2で示すように、音声
帯域データ信号のパワースペクトラムの平坦な部分で、
なるべく高い周波数の帯域を選択する。
【0185】判定部114は、帯域別パワー間引き部1
15の出力する低域、中域、高域の各帯域のパワー値S
80、S81、S82から、入力信号が音声信号である
か音声帯域データ信号であるかの分析フレーム内での判
定を行い、連続する複数分析フレーム内での判定結果を
用いて、入力信号が音声信号であるか音声帯域データ信
号であるかの最終判定を行い、この判定結果を出力S2
3として送出する。
【0186】判定部114では、まず帯域別パワー間引
き部115の出力する低域、中域、高域の各帯域のパワ
ー値S80、S81、S82を用い、次式
【0187】
【数17】
【0188】
【数18】
【0189】
【数19】 |高域のパワー値S82−中域のパワー値S81|>Th10 ・・・…(19)
【0190】により入力信号が音声信号であるか音声帯
域データ信号であるかの分析フレーム内での判定を行
う。なお、これらの(17)式、(18)式、(19)
式において、Th8、Th9、Th10は予め定めた閾値であ
る。
【0191】図20に示すように、音声信号は音声帯域
データ信号よりも低い周波数成分までパワーの分布が広
がっており、低域信号のパワーS80は音声帯域データ
信号では小さく、音声信号では大きくなるため、(1
7)式を満足する場合、この分析フレーム内において入
力信号が音声信号である可能性が高く、一方(17)式
を満たさない場合、この分析フレーム内において入力信
号が音声帯域データ信号である可能性が高い。また音声
信号は音声帯域データ信号よりも高い周波数成分のパワ
ーが小さく、高域信号のパワーS82は音声帯域データ
信号では大きく、音声信号では小さくなるため、(1
8)式を満足する場合、この分析フレーム内において入
力信号が音声信号である可能性が高く、一方(18)式
を満足しない場合、この分析フレーム内において入力信
号が音声帯域データ信号である可能性が高い。
【0192】また音声帯域データ信号は音声信号よりも
パワースペクトラムが平坦であり、高域信号のパワーS
82と中域信号のパワーS81の差は音声帯域データ信
号では小さく、音声信号では大きくなるため、(19)
式を満足する場合、この分析フレーム内において入力信
号が音声信号である可能性が高く、一方、(19)式を
満足しない場合、この分析フレーム内において入力信号
が音声帯域データ信号である可能性が高い。従って、判
定部114では、(17)式、(18)式、(19)式
に示す3つの式のうち2つ以上を満たす場合、この分析
フレーム内において入力信号が音声信号であると判定
し、(17)式、(18)式、(19)式に示す3つの
式のうち1つ以下を満たす場合、この分析フレーム内に
おいて入力信号が音声帯域データ信号であると判定す
る。
【0193】次に連続する複数の分析フレーム内の判定
結果を用いて、入力信号が音声信号であるか音声帯域デ
ータ信号であるかの最終判定を行う。連続するN25個
の分析フレームのうちN26個以上の分析フレーム内で
音声信号であるとの判定がなされた時、判定部114の
出力S23を値「0」(音声信号)とし、連続するN2
5個の分析フレームのうちN26個以上の分析フレーム
内で音声帯域データ信号であるとの判定がなされた時、
判定部114の出力S23を値「1」(音声帯域データ
信号)とし、このどちらにもあてはまらない場合は、判
定部114の出力S23は前状態保持とする。
【0194】このような構成によれば、帯域別パワー算
出部51の出力する帯域別パワー値のうち、低域、中
域、高域を代表する帯域それぞれ1つずつを用いて音声
/データ識別の処理を行うことにより、簡易な構成で音
声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、トーン信
号をも含めて確実かつ高精度に識別できる。
【0195】
【発明の効果】上述のようにこの発明によれば、入力信
号のブロック間電力比による判定結果と零交差数による
判定結果とによって、入力信号が音声信号であるか又は
音声帯域データ信号であるかを判定する識別結果出力部
の動作を、入力信号をスペクトル分析して帯域別パワー
を算出し、その帯域別パワーからトーン信号の有無を判
定するトーン検出部の出力により制御することにより、
トーン信号入力時に確実に音声信号と識別でき、かくし
て音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、トー
ン信号をも含めて確実かつ高精度に識別し得る信号識別
器を実現できる。
【0196】また次の発明によれば、入力信号をスペク
トル分析して帯域別パワーを算出し、その帯域別パワー
からトーン信号の有無を判定すると共に、その帯域別パ
ワーから入力信号が音声信号であるか又は音声帯域デー
タ信号であるかを判定し、トーン検出結果と音声/デー
タ識別結果から、入力信号が音声信号であるか又は音声
帯域データ信号であるかを判定することにより、ブロッ
ク間電力比や零交差数による判定を行わない簡易な構成
で、音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、ト
ーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別し得る信号識
別器を実現できる。
【0197】また次の発明によれば、さらに、シグナリ
ング信号の状態により呼接続又は呼切断を検出し、その
呼接続又は呼切断の検出時にリセット信号を発生し、そ
のリセット信号に応じて出力する識別状態を音声信号に
することにより、通話開始時の信号識別出力の初期状態
を音声信号にでき、かくして、音声信号や音声帯域デー
タ信号を識別する際に、トーン信号をも含めて確実かつ
高精度に識別し得る信号識別器を実現できる。
【0198】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーのうち2100〔Hz〕に最も近接
した帯域のパワー値に応じて、2100〔Hz〕トーン信号の
有無を検出し、2100〔Hz〕トーン信号を検出したとき、
出力する識別状態を音声帯域データ信号にすることによ
り、モデム通信の手順として用いられる2100〔Hz〕のト
ーン信号に対して、確実に音声帯域データ信号と識別で
き、かくして、音声信号や音声帯域データ信号を識別す
る際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別し
得る信号識別器を実現できる。
【0199】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーのうち最大となる帯域とその
近傍の帯域のパワー値を加算した加算値と、帯域別パワ
ーの全帯域のパワー値を加算した加算値の比に応じてト
ーン信号の有無を判定することにより、周波数スペクト
ルが局所に集中する入力信号が与えられたとき、ピーク
パワーの加算値と、全帯域パワーの加算値との比が小さ
くなるという性質を用いて、単一周波数トーン信号を確
実に検出でき、かくして、音声信号や音声帯域データ信
号を識別する際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精
度に識別し得る信号識別器を実現できる。
【0200】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーのうち最大となる帯域とその
近傍の帯域のパワー値を加算して第1のピークパワーを
得ると共に、それ以外の帯域別パワーのうちパワーが最
大となる帯域とその近傍のパワー値を加算して第2のピ
ークパワーを得、これらを加算した加算値と、帯域別パ
ワーの全帯域のパワー値を加算した加算値との比に応じ
て、トーン信号の有無を検出することにより、単一周波
数トーン信号又は2周波数トーン信号のように周波数ス
ペクトルが局所に集中する入力信号が与えられたとき、
ピークパワーの加算値と全帯域パワーの加算値との比が
小さくなるという性質を用いて、これらを確実に検出で
き、かくして、音声信号や音声帯域データ信号を識別す
る際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別し
得る信号識別器を実現できる。
【0201】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーから入力信号の周波数スペク
トル分布の平均的な値を中心周波数として算出すると共
に、この中心周波数を保持し、これらに応じてトーン信
号の有無を判定することにより、単一周波数トーン信号
又は2周波数トーン信号のように周波数スペクトルの変
動の小さい入力信号が与えられたとき、中心周波数の時
間的変動が小さくなるという性質を用いて、これらを確
実に検出でき、かくして、音声信号や音声帯域データ信
号を識別する際に、トーン信号をも含めて確実かつ高精
度に識別し得る信号識別器を実現できる。
【0202】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーを保持すると共に、この保持
した帯域別パワーと直接入力された帯域別パワーの差分
に応じてトーン信号の有無を判定することにより、単一
周波数トーン信号又は2周波数トーン信号のような周波
数スペクトルの変動の小さい入力信号が与えられたと
き、差分が小さくなるという性質を用い、単一周波数の
トーン信号及び2周波数のトーン信号を検出でき、かく
して、音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、
トーン信号をも含めて確実かつ高精度に識別し得る信号
識別器を実現できる。
【0203】また次の発明によれば、さらに、トーン検
出する際に、帯域別パワーを保持すると共に、この保持
した帯域別パワーと直接入力された帯域別パワーの比に
応じてトーン信号の有無を判定することにより、単一周
波数トーン信号又は2周波数トーン信号のような周波数
スペクトルの変動の小さい入力信号が与えられたとき、
比が小さくなるという性質を用い、単一周波数のトーン
信号及び2周波数のトーン信号を検出でき、かくして、
音声信号や音声帯域データ信号を識別する際に、トーン
信号をも含めて確実かつ高精度に識別し得る信号識別器
を実現できる。
【0204】また次の発明によれば、さらに、帯域別パ
ワーのうち低周波数の帯域のパワー値のみを加算した出
力と、帯域別パワーの全帯域のパワー値を加算した出力
との比に応じて入力信号が音声信号であるか又は音声帯
域データ信号であるかを判定することにより、音声信号
のように低周波数にパワーの分布が偏った入力信号が与
えられたとき、低周波数の帯域のパワー値のみを加算し
た出力の全帯域のパワー値を加算した出力に対する比率
が高くなる性質を用いて、音声信号と音声帯域データ信
号とを識別し得る信号識別器を実現できる。
【0205】
【0206】また次の発明によれば、さらに、音声/デ
ータ識別部において、帯域別パワーのうち低周波数のみ
を加算した加算値と、帯域別パワーの全帯域のパワー値
を加算した加算値とを算出し、全帯域のパワー値を加算
した加算値を保持すると共に、保持した加算値と直接全
帯域のパワー値を加算した加算値との差分を算出し、低
周波数のパワー値の加算値と全帯域パワー加算値と、差
分とにより入力信号が音声信号であるか又は音声帯域デ
ータ信号であるかを判定する。これにより、音声信号の
ように低周波数にパワーの分布が偏った入力信号が与え
られたとき、低周波数のパワーの加算値の、全帯域パワ
ーの加算値に対する比率が高くなる性質と、音声信号の
ようなパワーの時間的変動の大きい入力信号が与えられ
たとき、差分が大きくなるという性質を用い、音声信号
と音声帯域データ信号とをより高精度で識別し得る信号
識別器を実現できる。
【0207】また次の発明によれば、さらに、音声/デ
ータ識別部において、帯域別パワーのうち音声信号又は
音声帯域データ信号の特徴が顕著に現れる複数の帯域を
選び、帯域を間引いてパワー値を出力し、この出力より
入力信号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号で
あるかを判定することにより、帯域別パワーのうち、低
域、中域、高域を代表する帯域それぞれ1つずつを用い
て音声/データ識別の処理を行うことにより、簡易な構
成で音声信号と音声帯域データ信号とをより高精度で識
別し得る信号識別器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による信号識別器の実施例1の構成
を示すブロック図である。
【図2】 図1の信号識別器におけるトーン検出部の構
成を示すブロック図である。
【図3】 図1の信号識別器におけるトーン検出部の動
作の説明に供する略線図である。
【図4】 この発明による信号識別器の実施例2の構成
を示すブロック図である。
【図5】 図4の信号識別器における音声/データ識別
部の構成を示すブロック図である。
【図6】 図4の信号識別器における音声/データ識別
部の動作の説明に供する略線図である。
【図7】 この発明による信号識別器の実施例5の構成
を示すブロック図である。
【図8】 図7の信号識別器におけるトーン検出部の構
成を示すブロック図である。
【図9】 この発明による信号識別器の実施例7の構成
を示すブロック図である。
【図10】 図9の信号識別器で自局側が発呼側となる
場合の動作の説明に供するタイミングチャートである。
【図11】 図9の信号識別器で自局側が着呼側となる
場合の動作の説明に供するタイミングチャートである。
【図12】 この発明による信号識別器の実施例10の
トーン検出部の構成を示すブロック図である。
【図13】 図12のトーン検出部の動作の説明に供す
る略線図である。
【図14】 この発明による信号識別器の実施例11の
トーン検出部の構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明による信号識別器の実施例12の
トーン検出部の構成を示すブロック図である。
【図16】 この発明による信号識別器の実施例13の
トーン検出部の構成を示すブロック図である。
【図17】 この発明による信号識別器の実施例14の
音声/データ識別部の構成を示すブロック図である。
【図18】 この発明による信号識別器の実施例15の
音声/データ識別部の構成を示すブロック図である。
【図19】 この発明による信号識別器の実施例16の
音声/データ識別部の構成を示すブロック図である。
【図20】 図19の音声/データ識別器における帯域
別パワー間引き部の動作の説明に供する略線図である。
【図21】 信号識別器が用いられるDCMEの全体構
成を示すブロック図である。
【図22】 従来の信号識別器の構成を示すブロック図
である。
【図23】 信号識別器に入力される各種信号の信号波
形の説明に供する信号波形図である。
【図24】 信号識別器に入力される各種信号の零交差
数の発生頻度の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1 リニア変換部 2 電力判定部 3 零交差数判定部 40 ピーク周波数パワー加算部 42、74、111 全帯域パワー加算部 43、75、82、92、102、114 判定部 44 2100〔Hz〕検出部 50 FFT演算部 51 帯域別パワー算出部 52、55 トーン検出部 53、56、61、121 識別結果出力部 60 音声/データ識別部 70 第1のピーク周波数パワー加算部 71 ピーク周波数パワー0マスク部 72 第2のピーク周波数パワー加算部 73 加算器 80 中心周波数算出部 81、112 ディレイバッファ 90 ディレイバッファ 91、113 差分器 101 除算器 110 低周波数パワー加算部 115 帯域別パワー間引き部 120 リセット信号発生部 SS 自局交換機からのシグナリング信号 SR 対局交換機からのシグナリング信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−150252(JP,A) 特開 平3−250961(JP,A) 特開 昭64−55956(JP,A) 特開 平6−268767(JP,A) 特開 平6−22073(JP,A) 特開 平4−134953(JP,A) 特開 昭63−300299(JP,A) 特開 昭63−200199(JP,A) 特開 昭62−249536(JP,A) 特開 平6−153244(JP,A) 特開 平3−253150(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 11/00 - 11/10 H04Q 1/46 G10L 15/00 - 15/28

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号又は音声帯域データ信号又はト
    ーン信号を入力し、入力信号の種別を「音声信号」と
    「音声帯域データ信号」の2種類に識別し、識別結果を
    出力する信号識別器において、 入力信号が音声信号であるか音声帯域データ信号又はト
    ーン信号であるかの2種類の区分にブロック間電力比に
    より判定する電力判定部と、上記入力信号が上記音声信
    号であるか上記音声帯域データ信号又はトーン信号であ
    るかの2種類の区分に零交差数により判定する零交差数
    判定部と、上記入力信号に対して高速フーリエ変換を施
    し、スペクトル分析を行う高速フーリエ変換演算部と、
    当該スペクトル分析結果を用いて帯域別パワーを算出す
    る帯域別パワー算出部と、当該帯域別パワー算出部の出
    力からトーン信号の有無を判定するトーン検出部と、こ
    のトーン検出部と上記電力判定部と上記零交差数判定部
    のそれぞれの出力を入力し、上記電力判定部と上記零交
    差数判定部の出力が音声信号である場合及び上記電力判
    定部と上記零交差数判定部の出力が音声帯域データ信号
    又はトーン信号であり、且つトーン検出部の出力がトー
    ン信号ありの場合は「音声信号」とし、上記電力判定部
    と上記零交差数判定部の出力が音声帯域データ信号又は
    トーン信号であり、且つトーン検出部の出力がトーン信
    号なしの場合は「音声帯域データ信号」とする識別結果
    を出力する識別結果出力部とを備えたことを特徴とする
    信号識別器。
  2. 【請求項2】 音声信号又は音声帯域データ信号又はト
    ーン信号を入力し、入力信号の種別を「音声信号」と
    「音声帯域データ信号」の2種類に識別し、識別結果を
    出力する信号識別器において、 入力信号に対し高速フーリエ変換を施し、スペクトル分
    析を行う高速フーリエ変換演算部と、当該スペクトル分
    析結果を用いて帯域別パワーを算出する帯域別パワー算
    出部と、当該帯域別パワー算出部出力の低周波帯域パワ
    ーを用いて上記入力信号が音声信号であるか音声帯域デ
    ータ信号又はトーン信号であるかの2種類の区分に判定
    する音声/データ識別部と、上記帯域別パワー算出部の
    出力から上記音声/データ識別部とは異なる処理でトー
    ン信号の有無を判定するトーン検出部と、上記音声/デ
    ータ識別部と上記トーン検出部の判定結果とを入力し、
    上記音声/データ識別部の出力が音声信号の場合、及び
    上記音声/データ識別部の出力が音声帯域データ信号又
    はトーン信号であり、且つトーン検出部がトーン信号あ
    りの場合は「音声信号」、上記音声/データ識別部の出
    力が音声帯域データ信号又はトーン信号であり、且つト
    ーン検出部がトーン信号なしの場合は「音声帯域データ
    信号」とする識別結果を出力する識別結果出力部とを
    えたことを特徴とする信号識別器。
  3. 【請求項3】 シグナリング信号が入力され、当該シグ
    ナリング信号の状態により呼接続又は呼切断を検出して
    リセット信号を発生し、当該リセット信号を上記識別結
    果出力部に入力し、上記識別結果出力部が出力する識別
    結果を「音声信号」にするリセット信号発生部を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号識
    別器。
  4. 【請求項4】 上記帯域別パワー算出部の出力のうち21
    00〔Hz〕に最も近接した帯域のパワー値と所定の閾値と
    を比較し、当該比較結果により上記トーン信号のうち21
    00〔Hz〕の周波数を有する2100〔Hz〕トーン信号の有無
    を検出して、上記識別結果出力部に出力し、2100〔Hz〕
    トーン信号を検出したとき、上記トーン検出部の出力に
    優先して上記識別結果出力部が出力する識別結果を「音
    声帯域データ信号」にする2100〔Hz〕トーン信号検出部
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の信号識別器。
  5. 【請求項5】 上記トーン検出部において、上記帯域別
    パワー算出部の出力のうちパワーが最大となる帯域と当
    該帯域に隣接したN個の帯域とのパワー値を加算するピ
    ーク周波数パワー加算部と、上記帯域別パワー算出部の
    出力する全帯域のパワー値を加算する全帯域パワー加算
    部と、上記ピーク周波数パワー加算部の出力と上記全帯
    域パワー加算部の出力との比を算出し、当該算出結果に
    応じて上記トーン信号の有無を判定する判定部とを備え
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号
    識別器。
  6. 【請求項6】 上記トーン検出部において、上記帯域別
    パワー算出部の出力のうちパワーが最大となる帯域と当
    該帯域に隣接したN個の帯域とのパワー値を加算する第
    1のピーク周波数パワー加算部と、上記帯域別パワー算
    出部の出力のうち上記第1のピーク周波数パワー加算部
    で加算した帯域の出力を強制的に値「0」とするピーク
    周波数パワー0マスク部と、当該ピーク周波数パワー0
    マスク部の出力のうちパワーが最大となる帯域と当該帯
    域に隣接したN個の帯域のパワー値を加算する第2のピ
    ーク周波数パワー加算部と、上記第1のピーク周波数パ
    ワー加算部の出力と上記第2のピーク周波数パワー加算
    部の出力を加算する加算器と、上記帯域別パワー算出部
    の出力する全帯域のパワー値を加算する全帯域パワー加
    算部と、上記加算器の出力と上記全帯域パワー加算部の
    出力との比を算出し、当該算出結果に応じて上記トーン
    信号の有無を判定する判定部とを備えることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の信号識別器。
  7. 【請求項7】 上記トーン検出部において、上記帯域別
    パワー算出部の出力から入力信号の周波数スペクトル分
    布の平均的な値を算出する中心周波数算出部と、当該中
    心周波数算出部の出力を保持するディレイバッファと、
    上記中心周波数算出部の出力と上記ディレイバッファの
    出力により上記トーン信号の有無を判定する判定部とを
    備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    信号識別器。
  8. 【請求項8】 上記トーン検出部において、上記帯域別
    パワー算出部の出力を保持するディレイバッファと、上
    記帯域別パワー算出部の出力と上記ディレイバッファの
    出力の差分を算出する差分器と、当該差分器の出力によ
    り上記トーン信号の有無を判定する判定部とを備えるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号識別
    器。
  9. 【請求項9】 上記トーン検出部において、上記帯域別
    パワー算出部の出力を保持するディレイバッファと、上
    記帯域別パワー算出部の出力と上記ディレイバッファの
    出力の比を算出する除算器と、当該除算器の出力により
    上記トーン信号の有無を判定する判定部とを備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号識別
    器。
  10. 【請求項10】 上記音声/データ識別部において、上
    記帯域別パワー算出部の出力のうち低周波数の帯域のパ
    ワー値のみを加算する低周波数パワー加算部と、上記帯
    域別パワー算出部の出力する全帯域のパワー値を加算す
    る全帯域パワー加算部と、上記低周波数パワー加算部の
    出力と上記全帯域パワー加算部の出力との比を算出し、
    当該算出結果に応じて上記入力信号が音声信号であるか
    又は音声帯域データ信号であるかを判定する判定部とを
    備えることを特徴とする請求項2に記載の信号識別器。
  11. 【請求項11】 上記音声/データ識別部において、上
    記帯域別パワー算出部の出力のうち低周波数の帯域のパ
    ワー値のみを加算する低周波数パワー加算部と、上記帯
    域別パワー算出部の出力する全帯域のパワー値を加算す
    る全帯域パワー加算部と、上記全帯域パワー加算部の出
    力を保持するディレイバッファと、上記全帯域パワー加
    算部の出力と上記ディレイバッファの出力の差分を算出
    する差分器と、上記低周波数パワー加算部と上記全帯域
    パワー加算部と上記差分器との各出力により上記入力信
    号が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるか
    を判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項2
    に記載の信号識別器。
  12. 【請求項12】 上記音声/データ識別部において、上
    記帯域別パワー算出部の出力のうち音声信号又は音声帯
    域データ信号の特徴が顕著に現れる複数の帯域を選び、
    当該帯域のパワー値を出力する帯域別パワー間引き部
    と、当該帯域別パワー間引き部の出力より上記入力信号
    が音声信号であるか又は音声帯域データ信号であるかを
    判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項2に
    記載の信号識別器。
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