JP3094758B2 - 車両用画像センサ - Google Patents

車両用画像センサ

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JP3094758B2
JP3094758B2 JP05283671A JP28367193A JP3094758B2 JP 3094758 B2 JP3094758 B2 JP 3094758B2 JP 05283671 A JP05283671 A JP 05283671A JP 28367193 A JP28367193 A JP 28367193A JP 3094758 B2 JP3094758 B2 JP 3094758B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用画像センサに係
り、特に車両に固定したカメラにより車両前方を撮影
し、得られた撮像画像内における道路白線又は走行レー
ンの幅に基づいて、車両に生じているピッチ角を検出す
る車両用画像センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭64−1560
5号公報に開示されるように、カメラにより車両前方を
撮影し、得られた撮像画像内における道路白線の状態に
基づいて車両に発生したピッチ角を推定する装置が知ら
れている。
【0003】この装置は、カメラが車両に固定されてい
る場合、車両のピッチ角に応じてカメラの仰角が変化
し、その結果撮像画像中の白線位置がピッチ角に応じて
変化することに着目し、撮像画像内における左右白線の
消失点の座標に基づいてピッチ角を推定する手法を採用
している。
【0004】つまり、カメラを車両中央に配設した場
合、車両の左側に描かれた道路白線は撮像画像中に右上
がりの曲線(又は直線)として撮像され、車両の左側に
描かれた道路白線は、撮像画像中に左上がりの曲線(又
は直線)として撮像される。従って、撮影されたこれら
2本の白線は必ず交差する関係にあり、上記した消失点
とは、画像内におけるこれら2本の白線の交点を示す点
である。
【0005】この場合、左右の白線それぞれについて接
線を求め、それらが交わる点を交点として把握すれば、
その交点は車両のピッチに応じて、すなわち車両が前下
がりになれば撮像画像の上方へ、また車両が前上がりに
なれば撮像画像の下方へすれぞれ移動することになり、
その座標変化を監視すれば車両のピッチ角を検出できる
ことになり、上記従来の装置は、かかる原理を用いてピ
ッチ角検出を行ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は2本の道路白線の消失点を検出することを必須の要
件とするため、左右の白線につき少なくとも2点づつ、
計4点に付白線位置の検出を行い、それら各点につき接
線検出を行う必要があり、処理に長期を要するという問
題があった。
【0007】ここで左右の白線につき2点づつ接線検出
を行うのは、道路がカーブしている場合等において消失
点を適切に推定するためであるが、かかる処理を施した
としても、直線路における消失点とカーブにおける消失
点とを完全に整合させて把握することは困難であり、結
局ピッチ各の検出精度について改善の余地を残したもの
であった。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、車両にピッチ角が生じてカメラの仰角が変化す
ると、それに伴って撮像画像内の特定領域に撮影されて
いた白線又は車線の幅が変化することに着目し、ピッチ
角“0”の場合における基準幅と現実の道路白線又は車
線幅とを比較考慮することにより車両のピッチ角を検出
することにより上記の課題を解決し得る車両用画像セン
サを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車両用画像センサの原理構成図を示す。すなわち
上記の目的は、図1(A)に示すように、車両前方を撮
影すべく車両に固定したカメラM1と、車両にピッチ角
が生じていない状況下で該カメラM1による撮影がなさ
れた場合に、車両から所定距離離間した位置における道
路白線又は車線が撮像画像中に占める幅を基準幅として
設定する基準幅設定手段M2と、前記カメラM1が撮影
する画像中、車両にピッチ角が生じていない状況下では
前記白線又は車線が前記基準幅で撮像される基準領域に
おいて、現実に撮影された道路白線又は車線が撮像画像
中に占める幅を検出する水平幅検出手段M3と、前記基
準幅設定手段M2が設定した基準幅に基づいて、車両に
特定のピッチ角が生じた場合に前記基準領域に撮像され
ると推定される道路白線又は車線の幅を設定するピッチ
対応幅設定手段4と、前記水平幅検出手段3が検出した
現実の幅と、前記ピッチ対応幅設定手段4がピッチ角に
対応して設定したピッチ対応幅とに基づいて車両に生じ
ているピッチ角を検出するピッチ角検出手段5とを備え
る車両用画像センサにより達成される。
【0010】また、上記構成の車両用画像センサにおい
て、前記基準幅設定手段M2が異なる複数の所定距離に
対応した複数の基準幅を設定し、前記水平幅検出手段M
3が、これら複数の基準幅に対応して設定される複数の
基準領域における道路白線又は車線の幅を検出し、前記
ピッチ対応幅設定手段M4が、前記複数の基準幅に対応
する複数のピッチ対応角を設定し、前記ピッチ角検出手
段M5が、前記水平幅検出手段M3が検出した複数の幅
と、前記ピッチ対応幅設定手段M4が設定した複数のピ
ッチ対応幅とに基づいて車両に生じているピッチ角を検
出する構成は、ピッチ角の検出精度の向上を図る意味で
有効である。
【0011】更に、車両前方を撮影すべく車両に固定し
たカメラM1と、車両にピッチ角が生じていない状況下
で該カメラによる撮影がなされた場合に、車両から所定
距離離間した位置における道路白線又は車線が撮像画像
中に占める幅を基準幅として設定する基準幅設定手段M
2と、前記カメラM1が撮影する画像中、車両にピッチ
角が生じていない状況下では前記白線又は車線が前記基
準幅で撮像される基準領域、及び該基準領域の上下に設
定した複数の領域において、現実に撮影された道路白線
又は車線が撮像画像中に占める幅を検出する複数水平幅
検出手段M6と、該複数水平幅検出手段M6により検出
した現実の幅と、前記基準幅設定手段M2が設定した基
準幅とに基づいて車両に生じているピッチ角を検出する
ピッチ角検出手段M7とを備える車両用画像センサも有
効である。
【0012】
【作用】本発明に係る車両用画像センサにおいて、前記
カメラM1は車両前方の道路白線及び車線を撮影する。
この際、前記カメラM1の仰角は車両のピッチ角に応じ
て変化し、車両が前下がりにピッチした場合は車両から
所定距離離間した位置の道路白線及び車線は撮像画像の
上方へ移動し、車両が前上がりにピッチした場合は撮像
画像の下方へ移動する。
【0013】この場合、道路白線の幅及び車線の幅は、
車両から離間するほど狭く撮影され、前記水平幅検出手
段M3が監視る前記基準領域における道路白線の幅、及
び車線の幅は、車両が前下がりにピッチした場合は広
く、前上がりにピッチした場合は狭く、それぞれピッチ
角に応じて変化する。
【0014】一方、前記基準幅設定手段M2は、車両が
ピッチしていない状態で前記基準領域に撮像されるであ
ろう道路白線又は車線の幅を基準幅として設定し、前記
ピッチ幅設定手段M4は、この基準幅に基づいて、車両
にピッチが生じた際に前記基準領域に撮像されるであろ
う道路白線又は車線の幅を、ピッチ角に対応させて設定
する。
【0015】そして、前記ピッチ角検出手段M5は、前
記水平幅検出手段M3が検出した前記基準領域における
道路白線又は車線幅と、前記ピッチ対応幅設定手段M4
が検出したピッチ対応幅とを対応させることにより車両
に生じたピッチ角を検出する。
【0016】また、前記基準幅設定手段M2、水平幅検
出手段M3、ピッチ対応幅設定手段M4、及びピッチ角
検出手段M5が、それぞれ車両から所定距離離間した異
なる複数の位置における道路白線又は車線の幅に基づい
て上記手法によるピッチ角検出を行う場合、単一の位置
における道路白線又は車線の幅に基づいてピッチ角検出
を行う場合に比べて高い検出精度が得られる。
【0017】ところで、前記複数水平幅検出手段M6
は、前記カメラM1の撮影した画像中前記基準領域に加
えてその上下の複数の領域についても道路白線幅又は車
線幅の検出を行う。従って、車両が前下がり又は前上が
りにピッチした場合、ピッチが生じていなければ前記基
準領域に撮像されるべき道路白線及び車線が前記基準領
域の上部又は下部領域に移行して、当該領域における道
路白線幅、又は車線幅として検出される。
【0018】そして、前記ピッチ角検出手段M7は、前
記複数水平幅検出手段M6が検出した複数の水平幅のう
ち前記基準幅設定手段M2の設定した基準幅と対応する
ものを判定し、車両から所定距離離間した位置の白線及
び車線が当該水平幅の検出された領域に撮影されている
ことを認識すると共に、撮像画像内における当該領域の
位置に基づいてピッチ角を検出する。
【0019】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である道路白線検
出装置の全体構成を表すブロック図を示す。同図におい
てカメラ10は、前記したカメラM1に相当し、A/D
変換装置12を介して画像フレームメモリ14に接続さ
れている。これにより、カメラ10によって得られた1
画面分の画像は、ディジタルデータとして画像フレーム
メモリ14に記憶される。
【0020】画像フレームメモリ14には、前記した基
準幅設定手段M2,水平幅検出手段M3,ピッチ対応幅
設定手段M4,ピッチ角検出手段M5,M7,複数水平
幅検出手段M6を実現するCPU16が接続されてい
る。このCPU16は、画像フレームメモリ14の所定
の部分の画像データを読みだし、相関演算装置18を用
いて、また後述するプログラムを実行して各種の演算処
理を行うことで、これらの機能を実現する本実施例の要
部である。
【0021】相関演算装置18には、CPU16が設定
したテンプレートに係るデータと、CPU16が画像フ
レームメモリ14の画像データから切り出した比較画像
のデータとが供給される。そして、相関演算装置18
は、これらのデータに基づいてテンプレートマッチング
による相関演算を行う。
【0022】以下、図3を参照して、テンプレートマッ
チングによる相関演算の手法について簡単に説明する。
【0023】図3(A)は、テンプレートマッチングに
用いるm×n画素のテンプレートを、図3(B)は、テ
ンプレート内の画像が一部に撮像された撮像画像を示
す。テンプレートマッチングを行う場合、先ず図3
(B)に示す撮像画像中に大まかにサーチウィンドウ
(S)を設定する。そして、このサーチウィンドウの中
からテンプレートと同サイズの画像を比較画像(C)と
して切り出し、対応する各画素の輝度の差を求め、その
絶対値の総和を相関値Dとして求める。
【0024】この場合、図3(A),(B)に示すよう
にテンプレート内の画像と比較画像とが一致していない
場合には相関値Dが大きく、テンプレート内の画像と比
較画像とが完全に一致した場合には、相関値D=“0”
となる。
【0025】従って、設定されたサーチウィンドウ内で
順番に1画素づつずらして比較画像を設定し、それぞれ
の比較画像につきテンプレートとの相関値Dを求めた場
合、相関値Dが最小となる位置が最も相関の高い比較画
像を切り出すことのできる位置となるはずである。従っ
て、その位置をテンプレート画像の存在位置として特定
することができる。
【0026】このように、テンプレートマッチングによ
る相関演算は、サーチウィンドウ内からテンプレートに
近似する画像を検出するのに有効な手法である。尚、本
実施例の車両用画像センサは、かかる原理を利用して、
撮像画像内において道路白線の幅がテンプレートの幅と
等しくなる座標を検出し、これに基づいて車両のピッチ
角を検出するものである。
【0027】そして、CPU16は、このようにして検
出したピッチ角をピッチ角出力装置20を介して図示し
ない所定の車両制御装置に出力する。尚、画像フレーム
メモリ14の出力側には、D/A変換装置22を介して
CRT24が接続されており、画像フレームメモリ14
に記憶されている画像は、逐次CRT24に表示され
る。
【0028】以下、本実施例の車両用画像センサにおい
て車両のピッチ角を検出すべくCPU16が実行する処
理の内容について説明する。
【0029】図4は、かかる機能を実現し、前記請求項
1記載の発明を実現すべくCPU16が実行するメイン
ルーチンの一例のフローチャートである。つまり、図4
に示すルーチンは、図5(A)に示すように車両からの
距離が短い位置の道路白線ほど幅が太く撮影され、例え
ばY=Yaの位置(ピッチ角“0”の際に車両からa
(m) の位置に相当)の道路白線の幅Waに着目した場
合、ピッチ角に応じてWaが変化することを利用してピ
ッチ角検出を行うルーチンである。
【0030】より具体的には、CPU16に接続した記
憶装置に、図5(B)に示す如くピッチ角と白線幅とを
対応させた数画素(以下m画素とする)×1画素からな
る数種のテンプレートTnを記憶させておくことで前記
した基準幅設定手段M2、及びピッチ対応幅設定手段M
4を実現し、撮像画像内Y=Yaの位置に設定したサー
チウィンドウ内に検出される道路白線の幅と最も相関の
高いテンプレートTnを捜し出すことでピッチ角検出を
行うものである。
【0031】ここで、図4に示すルーチンが起動する
と、先ずステップ100においてイニシャル処理が実行
される。このイニシャル処理は、Y=Yaの位置に設定
したサーチウィンドウ内から道路白線の存在する位置の
X座標Xaを検出するステップで、図6に示すイニシャ
ル処理ルーチンによって実現される。
【0032】イニシャル処理により道路白線の位置(X
a,Ya)を特定できたら、次にステップ200におい
て白線幅検出処理を行い、特定した位置における道路白
線の幅Waを検出する。尚、本ステップは、前記した水
平幅検出手段M3に相当し、後述の如く図7に示す白線
幅検出処理ルーチンによって実現される。
【0033】また、ステップ300は、このようにして
検出した(Xa,Ya)における白線幅Waを、図5
(B)に示す如く予め設定しておいたマップに照らし、
現在車両に生じているピッチ角を検出するステップであ
る。本ステップは、前記したピッチ角検出手段M5に相
当し、具体的には図9に示すピッチ角検出ルーチンによ
って実現される。
【0034】尚、図4に示すルーチンにおいては、上述
の如く前記基準幅設定手段M2、ピッチ対応幅設定手段
M4を、図5(B)に示すテンプレートTnとそれに対
応するピッチ角とを記憶する記憶装置によって実現して
いるが、車両が基準状態であるときに撮像された画像に
基づいて道路白線幅を学習する機能を設けて前記基準幅
設定手段M2を、その学習値に基づいてピッチ角に対応
する白線幅を適宜演算する機能を設けて前記ピッチ対応
幅設定手段M4をそれぞれ実現する構成としてもよい。
【0035】以下、上記各ステップ100〜300を実
現するサブルーチンの内容について詳細に説明する。
【0036】図6に示すイニシャル処理ルーチンが起動
すると、先ずステップ102において記憶装置内に記憶
されているテンプレートTnから、標準的な道路白線の
幅に対応したテンプレートTiを選択する。
【0037】次にステップ104では、テンプレートマ
ッチングによる相関演算を開始すべく初期値の設定を行
う。ここでは、テンプレートマッチングを実行するに際
して切り出す比較画像の初期座標(x,y)を画像中央
の座標(Xf/2,Ya)に、最も低い相関値Dx,y
(最も高い相関が得られた位置での相関値Dに相当)を
記憶するDbufを上限値10000に、またDbuf
の得られた位置のX座標を記憶するXbufを0にそれ
ぞれ設定する。
【0038】かかる処理を終えたら、ステップ106へ
進んで、左側端部の座標が(x,y)に設定されたm×
1画素の比較画像とテンプレートTiとの相関値Dx,
yを、対応する各画素の輝度差の絶対値の総和として求
める。
【0039】そして、ステップ108では、現在Dbu
fに記憶されている値と今回計算したDx,yの値とを
比較し、Dx,y<Dbufが成立しているかを見る。
ここで上記条件が成立するのは、今回最も高い相関が得
られた場合であり、この場合はステップ110へ進んで
履歴を更新すべくDbuf,Xbufを今回の値Dx,
y、及びXに書き換える処理を行う。一方、上記ステッ
プ108において条件不成立とされた場合は、相関値の
履歴を書き換える必要がないためそのままステップ11
2へと進む。
【0040】ステップ112では、比較画像を新たに1
画素づらして切り出すべく、その左側端部のX座標値x
をデクリメントする。ステップ114は、このようにし
てデクリメントされたxが“0”に達しているか、すな
わち撮像画像の中央から開始した比較画像の走査が撮像
画像の左端に達したかを判別する。ここで、x=“0”
が不成立であれば上記ステップ106へ戻り、以後x=
“0”が成立するまで繰り返し上記ステップ106〜1
4の処理を実行する。
【0041】この結果、上記ステップ114においてx
=“0”が成立すると判別された時点では、必ず撮像画
像中央x=Xf/2から左端x=0までの間で最も高い
相関が得られた位置での相関値Dx,yがDbufに、
その際のxがXbufに記憶されていることになる。ス
テップ116は、これらXbuf,Dbufの値をそれ
ぞれXa,Daとして出力するステップであり、この処
理を実行して本ルーチンが終了する。
【0042】図7に示す白線幅検出処理ルーチンは、こ
のようにして特定されたXaを左端とする比較画像に対
して最も高い相関の得られるテンプレートTnを探し出
すことにより(Xa,Ya)に撮影されている道路白線
の幅を検出する実現するルーチンである。
【0043】すなわち、図7に示すルーチンが起動する
と、先ずステップ202において初期値設定が行われ、
比較画像の位置を特定すべくX=Xa,Y=Yaなる設
定を行う。また、上記イニシャル処理ルーチンにおいて
選択したテンプレートTiにおける白線幅(白線の画素
数)Wiをテンプレートの番号としてKに代入する。
【0044】かかる初期設定を終えたら、ステップ20
4においてflagの値を見る。このflagは、白線
検出処理の実行状況を表すフラグであり、本ルーチン起
動直後には“0”にクリアされている。従って、今回が
初回の処理であるとすれば、ステップ204においてf
lag=“0”が判別され、以後ステップ206へ進む
ことになる。
【0045】ステップ206は、相関計算を行うテンプ
レートの番号Jを演算するステップであり、ここでは白
線幅Wiから1を減じた数をテンプレート番号Jとして
設定する。上記イニシャル処理ルーチンにおいて相関値
計算に用いたテンプレートより、1画素幅の狭いテンプ
レートで相関計算を実行するためである。
【0046】ステップ208は、上述の如く設定された
テンプレート番号Jのテンプレートによって相関計算を
行うステップである。ここで、本実施例においては、図
8に示す相関計算ルーチンによってその計算が行われ
る。
【0047】図8に示す相関計算ルーチンにおいては、
ルーチンが起動すると先ずステップ250においてテン
プレートTJの選択を行う。ここでテンプレートTJと
は、テンプレート番号Jのテンプレートである。
【0048】次に、ステップ252においては、相関計
算に際して必要な初期値の設定を行う。この相関計算ル
ーチンにおいては、上記イニシャル処理ルーチンにおい
て白線の位置として特定されたXaを中心とする所定幅
Wの領域を探索領域としており、本ステップでは、比較
画像の走査開始位置を特定すべくX=Xa+W,Y=Y
aなる初期設定を行う。また、相関計算の過程において
最小の相関値Dx,yを格納するDbufには上限値1
0000を、その際のX座標を格納するXbufには
“0”をそれぞれ代入する。
【0049】ステップ254は、このようにして設定し
た比較画像とテンプレートTJの対応する画素の輝度差
より相関値Dx,yを計算するステップであり、ステッ
プ256は、Dx,yの最小値が更新された場合に限り
Dbuf,Xbufの書換えを行うステップである。ま
た、ステップ258は、比較画像を1画素だけ移動させ
るべくそのX座標値xをデクリメントするステップであ
る。
【0050】そして、ステップ262は、デクリメント
した結果x<Xa−Wが成立するに至ったかを判別する
ステップであり、本ステップの条件が成立すると判別さ
れるまで、上記ステップ254〜260の処理が繰り返
し実行され、x<Xa−Wが成立すると判別されたら、
以後ステップ264の処理を実行して本ルーチンが終了
する。
【0051】この場合、上記ステップ262の条件が成
立するのは、x=Xa+Wからx=Xa−Wに渡る比較
画像の走査が終了したことを意味する。従って、この時
点でDbufにはその間に計算された最小の相関値D
x,yの値が、またXbufにはその際のxが格納され
ているはずである。ステップ264は、このDbuf、
及びXbufをテンプレート番号JのテンプレートTJ
における相関値DJ、その際のX座標XJとして出力す
るステップである。
【0052】ここで図7中ステップ208が初めて実行
される場合は、J=Wi−1として図8に示す相関計算
ルーチンが実行され、その結果DWi−1、XWi−1
が計算されることになる。
【0053】ステップ210は、現在の相関計算に用い
たテンプレートの番号Jが、上記イニシャル処理ルーチ
ンにおいて用いたテンプレートの番号K=Wiに対して
Wi+1となっているかを判別するステップである。今
回が初回の処理であるとすれば、上述の如くJ=Wi−
1であり、J≧Wi+1は不成立となる。従って、この
場合はステップ212を経て更に上記ステップ208の
処理が行われることになる。
【0054】ここで、ステップ212は、Jをインクリ
メントするステップである。従って、前回J=Wi−1
であった場合、J=Wiに書き換えられ、ステップ20
8ではテンプレート番号J=Wiのテンプレートについ
ての相関計算が行われ、以後ステップ210においてJ
≧Wi+1が成立するまで繰り返しステップ208〜2
12の処理が行われる。
【0055】つまり、ステップ210において条件成立
と判別されるのは、J=Wi−1,Wi,Wi+1につ
いて相関値DJ,X座標XJの演算が行われた場合であ
り、これら隣接する3つのテンプレートについての相関
計算が終了したら、以後ステップ214の処理が行われ
ることになる。
【0056】ステップ214は、上述の如く演算したJ
=Wi−1,Wi,Wi+1について相関値DJのうち
Wiについての相関値DWiが最小であるかを判別する
ステップである。ここでDWiが最小である場合には、
上記3つのテンプレートのうちTiが最も高い相関の得
られるテンプレートであると判断することができる。
【0057】このため、かかる条件が成立した場合に
は、ステップ216へ進んで、Wiの値をそのまま白線
幅Wiとして把握し、ステップ218においてflag
に“0”をセットし、更にステップ220においてW
i,Xi,Diを出力して今回の処理を終了する。尚、
ここでXi,Diは、それぞれWiに対応して得られる
比較画像のX座標、及びその比較画像について得られた
相関値(最小相関値に相当する)である。
【0058】一方、ステップ214においてDWiが最
小の値ではないと判別された場合は、ステップ222へ
進み、上記ステップ210において計算したDWi−1
とDWi+1とにつきDWi−1<DWi+1が成立す
るかを判別する。つまり、いずれの相関値が小さいかを
判別することにより、テンプレートTi−1,Ti+1
の何れが比較画像に対して高い相関を示すかを判別す
る。
【0059】ここで、DWi−1<DWi+1が成立す
るのは、テンプレートTi−1の方が高い相関が得られ
ている場合であり、この場合はかかる状況を表示すべく
ステップ224へ進んでflagに“1”をセットす
る。一方、上記条件が不成立の場合は、テンプレートT
i+1の方が高い相関を得ることができる場合であり、
この場合はステップ226へ進んでかかる状況を表示す
べくflagに“2”をセットする。
【0060】これら何れかの処理を終えたら、再び上記
ステップ204の処理を行う。今回は、flag=
“0”ではないから条件不成立と判別され、これに続い
てステップ228の処理が実行される。このステップ2
28はflagに“1”がセットされているかを見るス
テップであり、flag=“1”である場合は以後ステ
ップ230以降の処理が実行される。
【0061】flag=“1”になるのは、上記イニシ
ャル処理ルーチンにおいて選択したテンプレートTiに
対して、Y=Ya領域に撮影されている道路白線の幅が
狭い場合である。この場合、テンプレートTi−1が最
も高い相関の得られるテンプレートであるとは限らず、
より幅の狭いテンプレートTi−2,TI−3,・・の
方が高い相関の得られる場合もある。
【0062】そこでステップ230以降の処理が実行さ
れる場合、先ずステップ230においてJ=Wi−2な
る書換えを行い、ステップ232においてはこのJ=W
i−2のテンプレートについて相関値DJの演算を行
う。尚、相関値DJの演算は、上記ステップ208と同
様に図8に示す相関計算ルーチンによる。
【0063】そして、J=Wi−2についての相関値D
Jが計算できたら、ステップ234においてDJ<DJ
+1(上記ステップ210において計算したDWi−
1)が成立しているかを判別する。ここで、DJ<DJ
+1が成立するのは、J=Wi−1のテンプレートより
J=Wi−2のテンプレートの方が更に高い相関の得ら
れる場合である。従って、この場合はさらに幅の狭いテ
ンプレートについて相関値を計算すべくステップ236
でJから1を減じて上記ステップ232、234の処理
を行う。
【0064】一方、DJ<DJ+1が不成立となるの
は、最新の相関値計算に用いたテンプレートTJより前
回の相関値計算に用いたテンプレートTJ+1の方がよ
り高い相関を得ることができる場合、すなわちTJ+1
が撮影された道路白線に対して最も高い相関を得ること
ができる場合である。
【0065】従って、かかる判定がなされた場合には、
ステップ238において道路白線の幅を表すWiにJ+
1を代入し、以後上記ステップ218、220の処理を
実行して今回の処理を終了する。
【0066】これに対して、flagに“2”がセット
されており上記ステップ228においてflag=
“1”が不成立であると判別された場合は、ステップ2
40に進みJ=Wi+2なる処理が実行される。fla
gに“2”がセットされるのは、イニシャル処理ルーチ
ンにおいて使用したテンプレートTiより幅の広いテン
プレートがより高い相関を確保できる場合であり、Ti
+1,Ti+2,・・について相関値DJを比較するた
めである。
【0067】つまり、上記ステップ240の処理を終え
たら、次にステップ242においてJ=Wi+2につい
て相関計算を行い、ステップ244においてDJ−1<
DJの成立性について判別を行う。そして、上記条件が
不成立の場合、すなわち新たに計算したDJが、それよ
り幅狭いテンプレートTJ−1に対して得られた相関値
DJ−1以下である場合は、ステップ246において、
更にテンプレートの幅を広げるべくJに1を加算して上
記ステップ242以降の処理を繰り返し実行する。
【0068】また、ステップ244の条件が成立すると
判別された場合は、前回相関計算を行ったテンプレート
TJ−1が最も高い相関の得られるテンプレートである
と判断することができ、この場合はステップ248にお
いて道路白線の幅WiにJ−1を代入し、以後上記ステ
ップ218、220の処理を実行して今回の処理を終了
する。
【0069】このように、本実施例の車両用画像センサ
においては、CPU16が白線幅検出処理、すなわち図
7に示す白線幅検出ルーチンを実行することにより、カ
メラ10によって撮影された画像中、Y=Yaの領域に
撮影された道路白線の幅と最も高い相関の得られるテン
プレートTnが検出され、そのテンプレートTnのにお
いて白線幅として設定されている値を白線幅Wiとして
得ることができる。ここで、本実施例においては、上記
図5(B)に示すように、テンプレートTnそれぞれに
ついてピッチ角がさせてあり、上述の如く撮像画像中Y
=Yaの領域における白線幅WaがWiであることが判
明したら、図9に示すプッチ角検出ルーチンが起動し、
図5(B)に示すマップを検索することで得られたWa
(=Wi)に対応するピッチ角の特定が行われる。
【0070】このように、本実施例の車両用画像センサ
においては、道路に描かれた左右の白線の消失点を求め
ることなく、撮影された道路白線幅の変化に基づいてピ
ッチ角の検出を行うことができる。このため、従来の装
置に比べて処理内容が簡単化され、実行速度の高速化が
図れると共に、カーブ等においても検出誤差が強調され
ることがなく、ピッチ角の検出精度について著しい向上
を図ることができる。
【0071】ところで、上記図4に示すメインルーチン
は、撮像画像中Y=Yaの領域に撮影される道路白線の
幅が車両のピッチ角に応じて変化することに着目し、道
路白線の幅Waの変化を検出することでピッチ角を検出
するものである。従って、道路白線の幅Waが撮像画像
内で変化しない程度の微小変化は検出することができな
い。
【0072】一方、図10(A)に示すように、Y=Y
aの点に加えてY=Yb,Ycについても注視すること
とすると、各点におけるWaをピッチ角に対応させて表
示した図10(B)に示すように、Y=Yaの点につい
てはWaが変化しない領域であっても(例えば図10
(B)中、ピッチ角−2°〜1°)、Y=Yb,Ycの
点ではWaが変化する場合がある。
【0073】従って、Y=Ya,Yb,Ycの3点につ
いての道路白線幅Wa,Wb,Wcを組み合わせて考慮
することとすれば、単一の点に注視する構成では検出で
きない微小なピッチ角をも検出することが可能となる。
【0074】図10は、かかる点に着目し、前記請求項
2記載の発明を実現すべくCPU16が実行するメイン
ルーチンのフローチャートを示す。
【0075】すなわち、図10に示すルーチンが起動す
ると、先ずステップ100aにおいて上記図4中、ステ
ップ100に相当するイニシャル処理を実行する。次い
で、ステップ100b,100cにおいて、Y=Yb,
Ycの点についてのイニシャル処理を実行する。これに
より、それぞれの領域において道路白線が撮影されてい
る位置のX座標値Xa,Xb,Xcを検出する。
【0076】そして、これらの値Xa,Xb,Xcを基
に、ステップ200a,200b,200cにおいて、
上記図4中ステップ200に相当する白線幅検出処理を
実行する。これにより、図10(B)に示すマップを参
照するために必要なデータ、すなわちY=Ya,Yb,
Ycについての道路白線幅Wa,Wb,Wcが得られ
る。
【0077】ステップ310は、これらY=Ya,Y
b,Ycについての道路白線幅Wa,Wb,Wcに基づ
いて車両のピッチ角を検出するステップであり、図12
に示すピッチ角検出ルーチンによって実現される。すな
わち、ピッチ角検出ルーチンにおいては、上記ステップ
200a〜200cにおい得られたWa,Wb,Wcで
図10(B)に示すマップ検索が行われ(ステップ31
2)、その結果がピッチ角として出力される。このよう
にしてピッチ角の検出を終えたら、以後上記ステップ2
00a以降の処理を繰り返し実行してピッチ角の検出処
理を継続する。
【0078】この場合、上記図4に示すルーチンが実行
される場合に比べて微小なピッチ角変化をも検出するこ
とができ、ピッチ角の検出精度を更に向上させることが
できる。
【0079】ところで、本実施例の車両用画像センサの
如く車両前方の道路白線を認識する装置においては、道
路白線をガイドラインとする自動操縦への適用が可能で
ある。この場合、車両用画像センサによって検出すべき
データは、車両から所定距離離間した位置における道路
白線の位置であり、撮像画像内における道路白線のX座
標を捕らえることができれば、かかる要求は満たされる
ことになる。
【0080】しかし、カメラ10はあくまでも車両に固
定された部材であり、走行中に車両にピッチが生ずる以
上、所定距離離間した位置の道路白線が撮影される位置
は一定ではなく、単に特定のY座標領域において白線位
置を探索したのでは所定距離離間した位置の道路白線を
監視していることにはならない。
【0081】この場合、上記実施例に示す如く車両のピ
ッチ角を検出することができれば、検出したピッチ角を
基に種々の補正を施し、撮像画像中における道路白線の
位置がピッチ角に応じて上下に移動するにもかかわら
ず、所定距離離間した位置における道路白線が、撮像画
像中如何なる座標に撮影されているかを特定することが
できる。つまり、上記実施例に示す車両用画像センサ
は、道路白線をガイドラインとする自動操縦を実現する
際に特に有効な装置である。
【0082】ところで、図13(A)に示すように車両
がピッチ角“0”の定常状態にある場合に、車両から所
定距離離間した位置における道路白線が、撮像画像中Y
=Yaの位置に、幅Waで撮像されているとする。この
状態で車両に適当なピッチが生じ、撮像画像が図13
(B)に示す如く道路白線が全体として撮像画像中上方
に移行したとすると、Y=Yaの位置にはWaより太い
道路白線が撮像され、幅Waの道路白線は、Y=Yaよ
り上方のY=Ydの位置に撮影される場合が生ずる。
【0083】この際、道路白線の幅は実際には変化して
いないことから、車両から所定距離離間した位置の道路
白線は、撮像画像内にWaの幅で撮影されているはずで
あることに鑑みれば、図13(B)に示す状態において
は、Y=Ydの位置に撮影された道路白線が、車両から
所定距離離間した位置の道路白線であるとみなすことが
できる。
【0084】つまり、図13に示すように撮像画像中複
数の点(Y=Ya〜Ye)について予め道路白線の幅を
監視し、その中でWaと最も近似する位置を検出する処
理を行った場合、検出された位置のY座標に基づいて車
両ピッチ角を検出することができると共に、ピッチ角を
検出するまでもなく車両から所定距離離間した位置にお
ける道路白線が撮像画像中いかなる位置に撮影されてい
るかを検出することができ、処理の高速化に有利であ
る。
【0085】図14は、かかる原理に基づいてピッチ角
検出を実行すべくCPU16が実行するメインルーチン
の一例のフローチャートであり、CPU16が本ルーチ
ンを実行することにより前記請求項3記載の発明が実現
されることになる。
【0086】図14に示すルーチンが起動すると、先ず
ステップ400において白線幅の学習が行われる。この
ステップ400は、本実施例において前記した基準幅設
定手段M2を実現するステップであり、図15に示す白
線幅学習ルーチンによって実現される。
【0087】すなわち、ステップ400の実行指令が生
ずると、図15に示すルーチンが起動し、ステップ40
2において車速の微分値が“0”であるか否かの判別が
行われる。ここで車速の微分値が“0”とならないの
は、車両が加減速状態にある場合である。従って、かか
る条件が成立する場合には、前後方向にピッチが生じて
いると推定でき、その場合は再びステップ402の処理
を実行する。
【0088】一方、車速の微分値が“0”であると判別
された場合は、車両がピッチ角“0”の状態にあると予
測できるため、白線幅の学習を進行させるべくステップ
404へ進む。
【0089】このステップ404は、操舵角が“0”で
あるかを見るステップである。ここで操舵角=“0”で
ない、すなわち車両が旋回中であると判別された場合
は、車両にロールが生じていることが予測されるため最
初から白線学習の条件成立を確認すべく上記ステップ4
02へ戻る。
【0090】これに対して操舵角=“0”が検出された
場合は、車両が定常直進走行中であり、その姿勢が安定
していると予測できるため、道路白線の幅を学習すべく
ステップ406へ進む。
【0091】ステップ406は、上記図4中ステップ2
00と同様の手法、すなわち図7に示す白線幅検出ルー
チンによって撮像画像中Y=Yaの領域におけるん白線
幅を検出するステップである。この場合、車両にピッチ
角が生じていないため、Y=Yaの領域で検出した白線
幅はそのまま車両から所定距離離間した位置の道路白線
の幅として扱うことができる。
【0092】そこで、上記ステップ406の処理を終え
たら、ステップ408へ進んで、今回検出した道路白線
の幅Waを定常時の所定距離離間した位置の道路白線の
幅Wrとして記憶して本ルーチンを終了する。
【0093】尚、本ルーチンを実行する代わりに、上記
図4、図11に示すルーチンと同様基準となる道路白線
幅Waを記憶しておくことも可能である。しかし、本白
線幅学習ルーチンを実行することにより基準となる白線
幅を設定する構成を採用する場合には、道路上に描かれ
ている白線の幅が変動した場合にも適切な検出精度を維
持できるという効果を得ることができる。
【0094】このようにして定常時における道路白線の
基準幅Wrを学習したら、次にステップ500a〜50
0eにおいて、順番にY=Ya〜Yeの位置についての
イニシャル処理を実行する。これらのイニシャル処理
は、図16に示すイニシャル処理ルーチンによって実現
され、これによりY=Ya〜Yeの領域における白線の
X座標が検出される。
【0095】つまり、上記した白線幅の学習が終了する
と、図16に示すルーチンが起動し、先ずステップ50
2において幅WrのテンプレートTWrの選定が行われ
る。そして、そのテンプレートTWrを用いてテンプレ
ートマッチングによる相関計算を行うべくステップ50
4において必要な初期値設定を行う。
【0096】ここで、本ルーチンにおいては、比較画像
を撮像画像の中央から走査させる構成としており、走査
開始座標(X,Y)には(Xf/2,Yi)を設定す
る。尚、今回の処理が上記図14中ステップ500aに
相当する場合はYiにはYaを、以後ステップ500b
〜500eに相当する場合にはYiにそれぞれYb〜Y
eを代入する。そして、最小相関値を記憶するDbuf
に上限値10000、最小相関値が実現される位置のX
座標を記憶するXbufに“0”を代入してステップ5
06へ進む。
【0097】ステップ506〜514は、上記図6に示
すステップ106〜114と同様の処理であり、比較画
像を1画素づつ画像左端に向けて走査しつつ最小相関値
を検出し、その値をDbufに、その際のX座標をXb
ufに記憶するステップである。
【0098】そして、比較画像の走査を終えたら、ステ
ップ516へ進み、Y=Yiの領域において最小相関値
が得られた位置のX座標、すなわち白線位置Xiとし
て、Xbufに記憶されている値を出力する。この結
果、ステップ500a〜500eの処理が終了した時点
で、それぞれの領域における白線位置Xa〜Xeが検出
されていることになる。
【0099】かかる処理を終えたら、図14に示すよう
にステップ200a〜200eにおいて白線幅検出処理
を行う。これらのステップ200a〜200eは、上記
図7に示す白線幅検出ルーチンによって実現され、それ
ぞれ上記の如く検出したXa〜Xeを中心座標として±
Wの幅を白線幅検出領域としてテンプレートマッチング
による相関計算を行い、それぞれの領域における白線幅
Wa〜Weの検出を行う。
【0100】これらの処理を行うことにより、上記図1
3に示す如く撮像画像中に任意に設定したY=Ya〜Y
eの領域において、道路白線が現実に如何なる幅で撮影
されているかが検出されることになる。この意味で、本
実施例においては上記ステップ200a〜200eが前
記した複数水平幅検出手段M6を実現している。
【0101】ステップ600では、このようにして検出
されたWa〜Weのうち、白線幅の学 習値として得ら
れたWrに対して最も近似するものを選択し、その幅の
白線が検出された位置を車両から所定距離離間した位置
の道路白線の位置として出力する白線データ出力処理を
実行する。
【0102】この処理は、図17に示す白線データ出力
処理ルーチンによって実現される。図17に示すルーチ
ンにおいては、ステップ602において先ずWa〜We
の中から最もWrに近似する白線が検出された領域Yi
を、車両前方より所定距離離間した位置の道路白線が撮
影されている領域として特定する。
【0103】次にステップ604において、Yiにおい
て白線が検出された位置Xiの出力処理を行う。この場
合、例えばXiを車両の操舵データとして自動操縦用の
制御装置に出力することとすれば、ピッチ角を演算する
までもなく車両と所定距離離間した位置における道路白
線との位置関係が特定できることとなり、自動操縦に要
する操舵データの特定に要する時間が上記図4、図11
に示すルーチンを実行する場合に比べて短縮することが
できるという効果を奏する。
【0104】図14中ステップ700は、このようにし
て特定されたYi、又はWa〜Weに基づいてピッチ角
を検出するステップである。この場合、ピッチ角に応じ
てYiが上下することから、例えばYiとして選択され
る領域とピッチ角とを関係付けるマップを設定しておけ
ば、図18に示すようにYiで当該マップを検索する
(ステップ702)ことによりピッチ角を検出すること
ができる。
【0105】また、上記ステップ200a〜200eの
処理は、上記図11に示すルーチンと同様に、撮像画像
中複数の領域を注視して白線幅を検出しているに他なら
ないから、上記図10(B)においてYa〜Ycについ
て設定したと同様のマップをYa〜Yeにつき設定し、
図19に示すようにWa〜Weで当該マップを検索して
ピッチ角を検出する構成としてもよい。
【0106】このように、本実施例の車両用画像センサ
によれば、ピッチ角を求めるまでもなく車両前方より所
定距離離間した位置における道路白線の位置と車両との
位置関係を特定することができ、その処理の高速化に有
利であると共に、上記図4、図11に示すルーチンと同
様に車両に発生したピッチ角を精度良く検出することが
できるという効果を有するももである。
【0107】尚、上記各実施例においては、道路に描か
れている白線の幅に着目して車両のピッチ角を検出する
構成としていうが、左右の白線の間の幅、すなわち車線
の幅に着目してピッチ幅を検出する構成としてもよい。
この場合、車線幅は白線幅に比べて幅が広く、ピッチ角
に応じて生じる変化量も大きいことから、より高度な検
出精度を確保することができる。
【0108】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、車両前方の道路白線、又は車線の幅が車両のピッチ
角に応じて変化することに着目してピッチ角を検出する
構成であるため、従来の装置の如く道路白線の消失点を
求める必要がなく、処理の高速化が実現できる。また、
本発明に係る車両用画像センサによれば、道路がカーブ
しても、それにより道路白線幅及び車線幅が変化しない
以上、カーブの影響でピッチ角の検出精度が悪化するこ
とがなく、かかる観点からも従来の装置に比べて優れた
効果を発揮し得るという特長を有している。
【0109】また、請求項2記載の発明によれば、車両
前方の複数の位置について請求項1記載の発明によるピ
ッチ角検出が行われるため、単一の位置に着目したので
は撮像画像上に現れない程度の微小なピッチ角変化をも
検出することが可能となる。すなわち、本発明に係る車
両用画像センサは、上記請求項1記載の発明に比べて更
に高い検出精度でピッチ角を検出できるという効果を有
している。
【0110】一方、請求項3記載の発明によれば、前記
複数水平幅検出手段が、前記カメラの撮影した画像中複
数の領域について道路白線又は車線の幅を検出すること
から、前記ピッチ角検出手段は、検出された複数の水平
幅になかから前記基準幅設定手段により設定された道路
白線又は車線の基準幅と適合するものを見つけ出すだけ
で車両から所定距離離間した位置の道路白線又は車線が
撮影されている領域を特定することができる。
【0111】従って、ピッチ角検出手段が、特定された
領域に基づいてピッチ角を検出することで上記した請求
項1記載の発明と同様に、精度良く、迅速にピッチ角検
出を行うことができる。更に、上述の如く車両から所定
距離離間した位置の道路白線又は車線が撮影されている
領域が特定されることから、この領域を継続して監視す
ることとすれば、車両のピッチ角に関わらず車両から所
定距離離間した位置の道路白線、又は車線の様子を継続
的に監視することができるという特長をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用画像センサの原理図であ
る。
【図2】本発明に係る車両用画像センサの一実施例の全
体構成を表すブロック構成図である。
【図3】テンプレートマッチングによる相関計算の原理
を説明するための図である。
【図4】本実施例の車両用画像センサにおいてCPUが
実行するメインルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図5】本実施例の車両用画像センサにおける白線幅検
出手法を説明するための図である。
【図6】本実施例の車両用画像センサにおいてCPUが
実行するイニシャル処理ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図7】本実施例の車両用画像センサにおいてCPUが
実行する白線幅検出処理ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図8】本実施例の車両用画像センサにおいてCPUが
実行する相関計算ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図9】本実施例の車両用画像センサにおいてCPUが
実行するピッチ角検出ルーチンの一例のフローチャート
である。
【図10】本実施例の車両用画像センサにおけるピッチ
角検出手法を説明するための図である。
【図11】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するメインルーチンの第2の例のフローチャート
である。
【図12】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するピッチ角検出ルーチンの第2の例のフローチ
ャートである。
【図13】撮像画像中における道路白線の幅とピッチ角
との関係を表す図である。
【図14】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するメインルーチンの第3の例のフローチャート
である。
【図15】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行する白線幅学習ルーチンの一例のフローチャート
である。
【図16】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するイニシャル処理ルーチンの第2の例のフロー
チャートである。
【図17】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行する白線データ出力処理ルーチンの一例のフロー
チャートである。
【図18】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するピッチ角検出ルーチンの第3の例のフローチ
ャートである。
【図19】本実施例の車両用画像センサにおいてCPU
が実行するピッチ角検出ルーチンの第4の例のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
M1,10 カメラ M2 基準幅設定手段 M3 水平幅検出手段 M4 ピッチ対応幅設定手段 M5,M7 ピッチ角検出手段 M6 複数水平幅検出手段 16 CPU 18 相関演算装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 G01C 3/06 - 3/08 G05D 1/02 - 1/03 G08G 1/09 - 1/0969 H04N 7/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方を撮影すべく車両に固定したカ
    メラと、 車両にピッチ角が生じていない状況下で該カメラによる
    撮影がなされた場合に、車両から所定距離離間した位置
    における道路白線又は車線が撮像画像中に占める幅を基
    準幅として設定する基準幅設定手段と、 前記カメラが撮影する画像中、車両にピッチ角が生じて
    いない状況下では前記白線又は車線が前記基準幅で撮像
    される基準領域において、現実に撮影された道路白線又
    は車線が撮像画像中に占める幅を検出する水平幅検出手
    段と、 前記基準幅設定手段が設定した基準幅に基づいて、車両
    に特定のピッチ角が生じた場合に前記基準領域に撮像さ
    れると推定される道路白線又は車線の幅を設定するピッ
    チ対応幅設定手段と、 前記水平幅検出手段が検出した現実の幅と、前記ピッチ
    対応幅設定手段がピッチ角に対応して設定したピッチ対
    応幅とに基づいて車両に生じているピッチ角を検出する
    ピッチ角検出手段とを備えることを特徴とする車両用画
    像センサ。
  2. 【請求項2】 前記基準幅設定手段は、異なる複数の所
    定距離に対応した複数の基準幅を設定し、 前記水平幅検出手段は、これら複数の基準幅に対応して
    設定される複数の基準領域における道路白線又は車線の
    幅を検出し、 前記ピッチ対応幅設定手段は、前記複数の基準幅に対応
    する複数のピッチ対応角を設定し、 前記ピッチ角検出手段は、前記水平幅検出手段が検出し
    た複数の幅と、前記ピッチ対応幅設定手段が設定した複
    数のピッチ対応幅とに基づいて車両に生じているピッチ
    角を検出することを特徴とする請求項1記載の車両用画
    像センサ。
  3. 【請求項3】 車両前方を撮影すべく車両に固定したカ
    メラと、 車両にピッチ角が生じていない状況下で該カメラによる
    撮影がなされた場合に、車両から所定距離離間した位置
    における道路白線又は車線が撮像画像中に占める幅を基
    準幅として設定する基準幅設定手段と、 前記カメラが撮影する画像中、車両にピッチ角が生じて
    いない状況下では前記白線又は車線が前記基準幅で撮像
    される基準領域、及び該基準領域の上下に設定した複数
    の領域において、現実に撮影された道路白線又は車線が
    撮像画像中に占める幅を検出する複数水平幅検出手段
    と、 該水平幅検出手段により検出した現実の幅と、前記基準
    幅設定手段が設定した基準幅とに基づいて車両に生じて
    いるピッチ角を検出するピッチ角検出手段とを備えるこ
    とを特徴とする車両用画像センサ。
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