JP3094305U - 割れ物用運送箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 割れ物用運送箱の提供。 【解決手段】 箱本体の一対の側板内壁に形成されてい
た固定式の溝を可動式の溝付き挿入片に改変し、並びに
二対以上の挿入溝を設けて挿入に供するか、或いは可動
式の溝付き挿入片の厚さにより二つの対向する可動式の
溝付き挿入片間の距離を調節し、及び、可動式の溝座を
箱本体と蓋体の内底面の嵌合凹溝に嵌め込み、可動式の
溝座の厚さを改変することによりその上下の対向距離を
調節し、各種の異なる寸法規格の割れ物の両側辺を二つ
の対向する可動式の溝付き挿入片の溝内に、及び、上下
辺を蓋体を箱本体に閉じ合わせた時に上下の二つの対向
する可動式の溝座の溝内に挿入し、これにより割れ物の
四辺をいずれも固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の割れ物用運送箱に係り、特に、ガラス基板、液晶ディスプレイ 或いはその他の割れ易いものを包装し運送するのに使用され、これらの壊れ物を 保護する使用機能を具えた壊れ物用運送箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のガラス基板運送用箱（図１参照）は、箱本体１０と蓋体２０で組成され 、本体の対向する一対の側板内壁に配列溝が設けられ、ガラス基板は対応する溝 と溝の間に相互に不接触の平行の状態を呈するように挿入され、これによりガラ ス基板を保護し運送するのに用いられる。

【０００３】 前述の本体と蓋体は樹脂を射出成形して形成され、その使用する材料は緩衝性 を具備せず、ゆえに落下或いは振動する時、振動吸収能力がなく、その結果箱の 溝間に収容されたガラス基板或いは箱自体に、移動、積み上げ及び運送の過程で 損傷が発生する問題がある。

【０００４】 この問題を解決するための提供されたガラス基板運送用箱は、図２に示される ように、発泡倍率３〜３０倍の樹脂発泡体で箱本体１と蓋体２が形成され、箱本 体１の対向する一対の側板内壁にガラス基板支持用の溝４０が形成されている。 この樹脂発泡体で形成されたガラス基板運送用箱はガラス基板の移動、積み上げ 、及び運送の過程で発生する損傷問題を解決することができるが、ガラス基板に 異なる用途のトランジスタ回路が取り付けられていたり、或いは自身の用途の違 いにより寸法規格の差異があるため、樹脂発泡体で形成された運送箱の大きさは 異なる用途のガラス基板の寸法に合わせて量産され、このため僅かに一種類の寸 法規格のガラス基板しか収容できず、もしガラス基板の寸法規格が異なると、こ の運送箱は使用できない（例えば特許文献１参照）。以上が周知の樹脂射出成形 のガラス基板運送箱、及び樹脂発泡材で形成されたガラス基板運送箱の欠点であ る。

【０００５】

【特許文献１】 特開平７−２５７６８１号明細書

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、前述の従来の樹脂射出成形のガラス基板運送箱及びそれを改 善した樹脂発泡材のガラス基板運送箱の欠点を改善した一種の割れ物用運送箱を 提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、割れ物用運送箱において、 該割れ物用運送箱が同じ或いは異なるプラスチック発泡材料で形成された箱本 体と蓋体、及び可動式の溝付き挿入片及び可動式の溝座で組成され、 該箱本体の対向する一対の側板内壁及び又は中間の補強隔板の両壁面に少なく とも２対以上の相互に対応する挿入溝が設けられ、箱本体の内底面に嵌合凹溝が 設けられ、 蓋体の内底面に嵌合凹溝が設けられ、 可動式の溝付き挿入片及び可動式の溝座の一面にそれぞれ複数の溝が設けられ 、 可動式の溝付き挿入片が箱本体の挿入溝内に挿入されて溝と溝が相互に対応す る状態を形成して割れ物の挿入に供され、可動式の溝座が箱本体と蓋体の内底面 の嵌合凹溝内に緊密に嵌め込まれ、蓋体が箱本体の上に閉じ合わされることによ り、対応する二つの溝付き挿入片に挿入された割れ物の上下辺が箱本体と蓋体の 底面に嵌め込まれた可動式の溝座の対応する溝内に挿入され、割れ物の左右上下 の各辺がそれぞれ固定され、運搬に供されることを特徴とする、割れ物用運送箱 としている。 請求項２の考案は、請求項１に記載の割れ物用運送箱において、箱本体と蓋体 がプラスチック射出成形で形成されるか、或いは金属材料で形成され、その表面 に嵌合設計が増加されて保護用の条状のプラスチック発泡体が嵌め込まれ、箱本 体と蓋体が直接衝撃を受けることが防止されたことを特徴とする、割れ物用運送 箱としている。 請求項３の考案は、請求項１に記載の割れ物用運送箱において、可動式の溝付 き挿入片に背板が増設されて、該背板が挿入溝に挿入される挿入板とされたこと を特徴とする、割れ物用運送箱としている。 請求項４の考案は、請求項１に記載の割れ物用運送箱において、可動式の溝座 の箱本体と箱蓋の嵌合凹溝への嵌合が、寸法上の緊密な組合せ或いは凹凸係止体 の係合設計により達成されたことを特徴とする、割れ物用運送箱としている。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案の割れ物用運送箱は、同じ或いは異なるプラスチック発泡材料で形成さ れた箱本体と蓋体、及び可動式の溝付き挿入片及び可動式の溝座で組成されてい る。その箱本体の対向する一対の側板内壁に少なくとも一対の対応する挿入溝が 設けられ、箱本体内底面及び蓋体内底面に嵌合凹溝が設けられ、可動式の溝付き 挿入片は箱本体の挿入溝内に挿入されて溝が相互に対応する状態を形成し、割れ 物がその対応する溝と溝の間に挿入され、可動式の溝座はそれぞれ箱本体内底面 と蓋体内底面の嵌合凹溝内に挿入され、蓋体で箱本体上部が閉じられることによ り可動式の溝付き挿入片に挿入された割れ物の上下両辺がそれぞれ箱本体内底面 と蓋体内底面に挿入された可動式の溝座の溝内に挿入され、これにより割れ物の 左右上下の各辺が固定される。本考案はこの構造により、割れ物を安全に運搬で き、また運送箱を重複使用可能とする。さらに、本考案は可動式の溝付き挿入片 と可動式の溝座の厚さにより異なる寸法規格の割れ物の運搬に対応することがで きる。その構造の改良は従来にはなく、新規性と進歩性を有し、且つ使用効果が 増進されている。

【０００９】

【実施例】

図３に示されるように、本考案の割れ物用運送箱は、同じ或いは異なるプラス チック発泡材料で形成された箱本体１と蓋体２、及び可動式の溝付き挿入片３及 び可動式の溝座４で組成されている。

【００１０】 該箱本体１の対向する一対の側板内壁及び中間の補強隔板１１の両壁面に少な くとも２対以上の相互に対応する挿入溝１２が設けられ、箱本体１の内底面に嵌 合凹溝１３が設けられている。

【００１１】 蓋体２の内底面に嵌合凹溝２１が設けられている。

【００１２】 可動式の溝付き挿入片３及び可動式の溝座４の一面にそれぞれ複数の割れ物の 辺縁を挟持する溝３１、４１が設けられている。

【００１３】 本考案を使用する時は、図４及び図５に示されるように、可動式の溝付き挿入 片３が箱本体１の挿入溝１２内に挿入されて溝３１と溝３１が相互に対応する状 態を形成し、割れ物５の左右両辺が相互に対応する溝３１と溝３１の間に挿入さ れ、少なくとも二つの可動式の溝座４がそれぞれ箱本体１と蓋体２の内底面の嵌 合凹溝１３と２１内に挿入される。蓋体２が箱本体１の上に閉じ合わされること により、対応する二つの溝付き挿入片３に挿入された割れ物５の上下辺が箱本体 １と蓋体２の底面に嵌め込まれた可動式の溝座４の溝４１内に挿入され、割れ物 ５の左右上下の各辺がそれぞれ固定され、運搬に供される。

【００１４】 前述の可動式の溝付き挿入片３が箱本体に設けられた２対以上の挿入溝１２に 挿入される時、適当な位置の挿入溝を選択して挿入することにより、対応する二 つの溝付き挿入片３の間の距離を調整でき、並びに異なる厚さの溝座４を選択し て箱本体１と蓋体２内底面の嵌合凹溝１３及び２１内に挿入することにより、そ の対向距離を調節でき、これにより各種の異なる寸法規格の割れ物の運送に利用 できる。

【００１５】 前述の可動式の溝付き挿入片３は実施例において背板３２を増設可能で、該背 板３２が挿入溝１２に挿入される挿入板とされる。 前述の挿入溝１２に挿入される可動式の溝付き挿入片３は実施例上、厚さを改 変することができ、これにより各種の異なる寸法規格の割れ物５の運送に供され る。

【００１６】 前述の可動式の溝座４の箱本体１の内底面及び蓋体２の内底面の嵌合凹溝１３ 及び２１への嵌合は、実施例上、寸法上の緊密な組合せ及び又は凹凸の係止体４ ２の係合設計により達成される。

【００１７】 前述の箱本体１の強度と硬度が十分である条件のもとで、実施例上、補強隔板 １１を設置しない形態も可能である（図６参照）。

【００１８】 前述の箱本体１と蓋体２は比較的低い発泡倍率のプラスチック発泡体で形成で きるほか、実施例上（図７参照）、プラスチック射出成形で形成するか、或いは 金属材料で形成することができ、さらにその表面に嵌合設計１４を増加して、保 護用の条状のプラスチック発泡体１５を嵌め込むことができ、これにより箱本体 １と蓋体２が直接衝撃を受けるのを防止できる。

【００１９】 前述の本考案の箱本体１、蓋体２は発泡倍率の比較径低いプラスチック発泡体 で形成されるか、或いはプラスチック射出成形されるか、或いは金属材料で形成 され、適当な強度と硬度を有し、その内部に取り付けられる可動式の溝付き挿入 片３及び可動式の溝座４が発泡倍率が比較的高いプラスチック発泡体で形成され て柔軟度を有し、その組合せ形態は外剛内柔の状態を形成し、その外側の剛性に より十分に外力による衝撃に耐え、内部の柔軟性が振動を緩和し、割れ物５を保 護し、並びに箱本体の重複使用を可能とし、極めて優れた使用機能を有する。

【００２０】

【考案の効果】

総合すると、本考案は元来箱本体の一対の側板内壁に形成されていた固定式の 溝を可動式の溝付き挿入片に改変し、並びに二対以上の挿入溝を設けて挿入に供 するか、或いは可動式の溝付き挿入片の厚さにより二つの対向する可動式の溝付 き挿入片間の距離を調節し、及び、可動式の溝座を箱本体と蓋体の内底面の嵌合 凹溝に嵌め込み、可動式の溝座の厚さを改変することによりその上下の対向距離 を調節し、各種の異なる寸法規格の割れ物の両側辺を二つの対向する可動式の溝 付き挿入片の溝内に、及び、上下辺を蓋体を箱本体に閉じ合わせた時に上下の二 つの対向する可動式の溝座の溝内に挿入し、これにより割れ物の四辺をいずれも 固定する。本考案はこれにより割れ物の運送に優れた保護効果を有し、その構造 は従来にはなく、新規性と進歩性を有し、並びにその使用効果が増進されている 。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のガラス基板運送箱の立体図である。

【図２】もう一種類の従来のガラス基板運送箱の立体図
である。

【図３】本考案の立体分解図である。

【図４】本考案の組合せ後の横断面図である。

【図５】本考案の組合せ後の縦断面図である。

【図６】本考案の箱本体の実施例図である。

【図７】本考案の箱本体と蓋体の別の実施例図である。

【符号の説明】

１、１０ 箱本体 ２、２０ 蓋体 ４０
溝 ３ 溝付き挿入片 ４ 溝座 ５
割れ物 １１ 補強隔板 １２ 挿入溝 １３
嵌合凹溝 １５ 条状のプラスチック発泡体 ２１ 嵌合凹溝 ３１、４１ 溝 ３２
背板 ４２ 凹凸係止体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 割れ物用運送箱において、 該割れ物用運送箱が同じ或いは異なるプラスチック発泡
   材料で形成された箱本体と蓋体、及び可動式の溝付き挿
   入片及び可動式の溝座で組成され、 該箱本体の対向する一対の側板内壁及び又は中間の補強
   隔板の両壁面に少なくとも２対以上の相互に対応する挿
   入溝が設けられ、箱本体の内底面に嵌合凹溝が設けら
   れ、 蓋体の内底面に嵌合凹溝が設けられ、 可動式の溝付き挿入片及び可動式の溝座の一面にそれぞ
   れ複数の溝が設けられ、 可動式の溝付き挿入片が箱本体の挿入溝内に挿入されて
   溝と溝が相互に対応する状態を形成して割れ物の挿入に
   供され、可動式の溝座が箱本体と蓋体の内底面の嵌合凹
   溝内に緊密に嵌め込まれ、蓋体が箱本体の上に閉じ合わ
   されることにより、対応する二つの溝付き挿入片に挿入
   された割れ物の上下辺が箱本体と蓋体の底面に嵌め込ま
   れた可動式の溝座の対応する溝内に挿入され、割れ物の
   左右上下の各辺がそれぞれ固定され、運搬に供されるこ
   とを特徴とする、割れ物用運送箱。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の割れ物用運送箱におい
   て、箱本体と蓋体がプラスチック射出成形で形成される
   か、或いは金属材料で形成され、その表面に嵌合設計が
   増加されて保護用の条状のプラスチック発泡体が嵌め込
   まれ、箱本体と蓋体が直接衝撃を受けることが防止され
   たことを特徴とする、割れ物用運送箱。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の割れ物用運送箱におい
   て、可動式の溝付き挿入片に背板が増設されて、該背板
   が挿入溝に挿入される挿入板とされたことを特徴とす
   る、割れ物用運送箱。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の割れ物用運送箱におい
   て、可動式の溝座の箱本体と箱蓋の嵌合凹溝への嵌合
   が、寸法上の緊密な組合せ或いは凹凸係止体の係合設計
   により達成されたことを特徴とする、割れ物用運送箱。