JP3093347U - 滑り止め靴下類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 脚力が弱って爪先側を引きずるように歩く人
でも、つまずくようなことがなく、爪先側の生地の滑り
具合をそのまま維持できると共に、力が強く加わったと
きにはしっかりと滑り止め効果を発揮し、また踵側は常
に大きな滑り止め効果を発揮するようにした滑り止め靴
下類を提案する。 【解決手段】 足裏面に多数の滑り止めを付設した靴下
類において、爪先側の滑り止め２ａの摩擦抵抗を小さく
し、踵側の滑り止め２ｂの摩擦抵抗を大きくしたことを
特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、足裏面に滑り止め加工が施されたソックス、ストッキング、足袋等 の靴下類に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ソックス等の足裏部外面にゴム等の摩擦抵抗の大きな滑り止め素材を多数点状 に固着したものは、従来から知られている。

【０００３】 しかしながら、それらは爪先側、踵側いずれも同じ素材で突起状又はほぼ半球 状に同じ厚さ（高さ）に貼着されていて、摩擦抵抗は爪先側、踵側でほぼ同一と なっている。

【０００４】 このようなソックスは、全体的に滑り止め効果は高いものの、爪先側の滑り止 めが効き過ぎてつまずく危険性が高く、特に老人や病人など脚力が弱って爪先を 引きずるように歩く人には、廊下や階段で転ぶ危険性が極めて高くなる。

【０００５】 また、これを解消するために、滑り止め素材の厚さを全体に薄くしてしまうと 、滑り止めの効果自体が落ちてしまい、特に接地面積の少ない踵側が滑り易くな ってしまう。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、脚力が弱って爪先側を引きずるように歩く人でも、つまずくような ことがなく、爪先側の生地の滑り具合をそのまま維持できると共に、力が強く加 わったときにはしっかりと滑り止め効果を発揮し、また踵側は常に大きな滑り止 め効果を発揮するようにした滑り止め靴下類を提案するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 本考案は、靴下類の足裏部にドット状あるいは水玉状に多数個付設する塩化ビ ニール樹脂、アクリル樹脂、天然ゴム、シリコーンゴム等よりなる滑り止めにつ いて、爪先側（前側）と踵側（後側）とで摩擦力に差を付け、爪先側には踵側よ り小さな摩擦抵抗を付与するようにするものである。

【０００８】 爪先側と踵側とで摩擦力に差を付ける手段としては、次のような場合がある。 （１）滑り止めの厚さ（高さ）を変え、爪先側を薄く、踵側を厚くする。 （２）滑り止めの大きさを変え、爪先側を小さく、踵側を大きくする。 （３）固着する滑り止めの合計面積（換言すれば滑り止めの密度）を、爪先側よ り踵側を大きくする。これには、同じ大きさの滑り止めの数の多少も含まれる。 （４）滑り止めの性状（硬度や粘度）あるいは素材自体を変え、踵側の滑り止め に摩擦係数のより大きな素材を使用する。 （５）上記（１）〜（４）の２以上を組合せる。 以下、本考案の滑り止め靴下類の実施形態を図により説明する。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図は、本考案の一例として、ソックス１の足裏部外面に多数の滑り止め２を設 けた例を示す底面説明図と側面説明図であり、滑り止め２は土不踏部を含む中央 部を除き、爪先側（前側）及び踵側（後側）へ向かって図のように水玉状に一個 づつがある程度の面積（例えば直径２〜４ｍｍ）をもって多数一様に固着される 。

【００１０】 滑り止め２として使用される素材は、塩化ビニール樹脂のほか、前記したよう にアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂のような軟性樹脂や天然ゴム等 を用いることができ、例えばソックス１の足裏外面に当てた水玉状の多数の開孔 を有する型板上から加熱溶融したこの滑り止め素材をその上面（接地面）が平坦 面となるように塗着する。

【００１１】 そして、爪先側の滑り止め２ａは薄く、踵側の滑り止め２ｂは厚くなるように 塗着する。例えば、爪先側が１回塗りならば、踵側は２回塗りを行う。

【００１２】 このように、爪先側、踵側が共に上面が平坦で、かつ爪先側よりも踵側の方が 厚く塗着された滑り止め素材を乾燥すれば、滑り止め２ａ、２ｂが固着形成され 、このソックス１を着用した場合には、爪先を引きずるように歩いても、爪先側 の滑り止め２ａは薄いので、この滑り止め２ａが床面に当ると、ソックス１の足 裏部生地に沈み込む形となって、滑り止め２ａによる引っ掛かりが少なくなるの で、滑り止め２ａの効き過ぎによるつまずきは少なくなり、またこの爪先側に体 重が乗って床面に垂直方向の荷重がかかったときは、滑り止め２ａが床面を押し 付ける力が働き、滑り止めとしての効果が発揮される。

【００１３】 一方、踵側の滑り止め２ｂは充分な厚さを有しているので、常に大きな滑り止 め効果が発揮され、踵部の着地をしっかり安定させる。

【００１４】 なお、図では、前後の滑り止め２はほぼ同じ直径の水玉状をほぼ同じ密度で配 置し、滑り止め２の厚さだけを変えて、前後の摩擦力に差を与えたが、前記した ように前後の滑り止め２ａ、２ｂを同じ厚さとしても、水玉の直径を前後で変え たり（爪先側を小、踵側を大）、密度を変え（爪先側を粗、踵側を密）、あるい は前後で摩擦係数の異なる滑り止め素材を選択するようにしても、ほぼ同等の効 果が得られる。

【００１５】 また、この実施例では前後の滑り止め２ａ、２ｂは共にその接地面を平坦面と して、着用したときにブツブツした違和感が少なくなるよう工夫しているが、前 後で摩擦力に大きな差を付けるものであれば、従来のような突起状あるいは半球 状のものであってもよい。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の滑り止め靴下類は上述のように構成され、爪先側の滑り止めの摩擦抵 抗が小さく、踵側の滑り止めの摩擦抵抗力は大きくなっているので、歩行の際に つまずく危険が従来のものより大幅に少なくなり、安全かつ着実な歩行が得られ るので、特に脚力の弱った老人や病人に最適な靴下類を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案をソックスに適用した一例を示す底面説
明図である。

【図２】同、側面説明図である。

【符号の説明】

１−ソックス ２−滑り止め

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足裏面に多数の滑り止めを付設した靴下
   類において、爪先側の滑り止めの摩擦抵抗を小さくし、
   踵側の滑り止めの摩擦抵抗を大きくしたことを特徴とす
   る滑り止め靴下類。
2. 【請求項２】 前記滑り止めの摩擦抵抗の大小の差は、
   滑り止めの厚さ、大きさもしくは密度を変え、又は摩擦
   係数の異なる滑り止め素材を用い、あるいはこれらの２
   以上の要素を組合わせることにより付与するようにした
   請求項１記載の滑り止め靴下類。
3. 【請求項３】 前記滑り止めの接地面は、爪先側、踵側
   いずれも平坦面に形成されてなる請求項１又は２記載の
   滑り止め靴下類。