JP3093165B2 - セグメント供給装置 - Google Patents

セグメント供給装置

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JP3093165B2
JP3093165B2 JP09133531A JP13353197A JP3093165B2 JP 3093165 B2 JP3093165 B2 JP 3093165B2 JP 09133531 A JP09133531 A JP 09133531A JP 13353197 A JP13353197 A JP 13353197A JP 3093165 B2 JP3093165 B2 JP 3093165B2
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保徳 近藤
安美 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、シー
ルド掘進機の後部に設けられたエレクターへセグメント
を供給するためのセグメント供給装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より行われているシールド工法は、
シールド掘進機によって地山を掘削した後、シールド掘
進機の後部に設けられたエレクターでセグメントを組む
ことによりトンネルが形成されている。
【0003】このエレクターへセグメントを供給する一
般的な方法としては、既設セグメント上に設けたタイヤ
ローラ上にセグメントを載せて後方から油圧ジャッキに
より押し出す方法や、チェーンコンベヤ上にセグメント
を載せて送り出す方法がある。
【0004】一方、近年のシールド工法においては、安
全性を高めた上でトンネル掘削の所要時間を短縮させる
ことが重要な課題として取り上げられており、その一つ
としてエレクターへ安全かつ速やかにセグメントを供給
する手段が求められている。
【0005】このようなセグメントをエレクターへ供給
する従来技術として、実開平6−28000号公報記載
のセグメント搬送装置がある。このセグメント搬送装置
は、エレクターによるセグメント組立位置と後方の既設
セグメント上との間で前後進し上面にセグメントを載置
し得るメインフレームと、リフトジャッキを介してこの
メインフレーム上に設けられたアップダウンレールフレ
ームと、このアップダウンフレーム上に前後進可能に設
けられ、リフトジャッキが伸長したとき上面がメインフ
レームの上面よりも上昇し、リフトジャッキが収縮した
とき上面がメインフレームの上面よりも下降し、上面に
セグメントを載置し得るセグメント搬送台車を備えたも
のである。
【0006】そして、後方から運んで来たセグメントを
メインフレーム上に降ろし、リフトジャッキを伸長させ
てアップダウンフレームと共にセグメント搬送台車を上
昇させてからセグメント搬送台車を前進させることによ
り、セグメントをセグメント搬送台車上に載置した状態
で前進させ、リフトジャッキを収縮することによりセグ
メントを前進位置のメインフレーム上で支持するように
するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記セ
グメント搬送装置の場合にはリフトジャッキでセグメン
ト搬送台車を昇降させているため、リフトジャッキを伸
長させた状態でセグメント搬送台車を前進させられるよ
うにリフトジャッキとセグメント搬送台車との間にアッ
プダウンレールフレームを設ける必要がある。しかも、
このアップダウンレールフレーム上のセグメント搬送台
車には数トンのセグメントが載置されることとなるた
め、アップダウンレールフレーム上でセグメント搬送台
車をスライドさせるためにはこの台車に車輪を設ける必
要もある。
【0008】また、数トンのセグメントを載置したセグ
メント搬送台車とアップダウンレールフレームとを合わ
せると大重量となるため、これらを昇降させるには大型
のリフトジャッキが必要となると共に多数のリフトジャ
ッキが必要となり、さらに所定の昇降量を得るためには
リフトジャッキの全高も高くなってしまう。
【0009】従って、セグメント搬送装置Dの全高が高
くなってしまい、図10の側断面図に示すように、エレ
クターEへセグメントSを供給するために既設セグメン
トT上を走行するセグメント搬送装置Dと、シールド掘
進機Mの後部に設けられたコンベヤ等の排土装置Fとの
間隙が狭くなり、排土装置Fの大きさ等に制限が生じる
と共にシールド掘進機M内の空間減少による作業性の悪
化を生じてしまう。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、この出願に係る発明は、セグメントを積載
する下枠と、この下枠から突出してセグメントを支持す
ると共にスライド手段によってシールド掘進機の軸方向
にスライドしてセグメントをエレクターへ供給する上枠
との間に、水平方向力によって上枠を昇降させる昇降手
段を設けている。
【0011】このようにセグメントを移送する上枠を昇
降手段の水平方向力によって昇降させることにより、セ
グメント移送装置の全高を低くしたセグメント供給装置
を構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この出願に係る発明は、セグメン
トを上端で支持するシールド掘進機の軸方向に延びる下
枠と、この下枠の上端から上方に突出して前記セグメン
トを支持する上枠と、このセグメントを支持した状態の
上枠をシールド掘進機の軸方向にスライドさせてセグメ
ントをエレクター位置まで移送するスライド手段とを設
け、これら下枠と上枠との間に上枠を水平方向力によっ
て昇降させる昇降手段を設けて上枠下枠の上端から上
方に突出するように構成し、該昇降手段を、下枠と上枠
との間に設けた水平配置の昇降ジャッキと、下枠に設け
た反ジャッキ側に向けて漸増して傾斜するガイド部材
と、前記昇降ジャッキの伸縮動作によって該ガイド部材
と上枠との間に進退して上枠を昇降させる楔部材とで構
成すると共に、該楔部材の上面に滑動部材を設けてい
る。このように、下枠から上枠を昇降させる手段に水平
方向力で昇降させる昇降手段を採用することにより、昇
降手段を低くして全高の低いセグメント供給装置を構成
することができる。また、水平方向に挿入する楔部材の
垂直方向分力により、小さな力で大重量を昇降させるこ
とができ、しかも、楔部材の上面に設けた滑動部材によ
り、楔部材を挿入するための水平方向分力を小さくする
ことができると共に、楔部材上で上枠をスライドさせる
力も小さくできる。
【0013】上記上枠と下枠とをほぼ同じ長さで形成
し、この上枠と下枠との間に、上枠を伸長させた時に上
枠後部を下枠と係合させて先端の傾倒を防止する係合手
段を設ければ、セグメント供給装置のシールド掘進機軸
方向の長さの短いセグメント供給装置を構成することが
できる。
【0014】
【0015】
【0016】その上、下枠に既設セグメント上を走行す
るための車輪を設ければ、既設セグメント上を走行させ
るセグメント供給装置の移送力を小さくすることができ
る。
【0017】また、上記したいずれかのセグメント供給
装置を屈曲可能な連結部材で複数台連結して1台のセグ
メント供給装置を構成すれば、シールド掘進機を曲進さ
せてもその曲進に沿って走行するセグメント供給装置を
構成することができる。
【0018】この場合、シールド掘進機側に位置する先
端側のセグメント供給装置の作動と、このセグメント供
給装置に連ねて連結したセグメント供給装置の作動を、
順次所定時間ずらせるように制御すれば、複数台を連結
したセグメント供給装置で多くのセグメントを連続的に
供給することができる。
【0019】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1はこの出願に係る発明の第1
実施例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は側断面
図、(c)はA−A断面図である。
【0020】図示するように、このセグメント供給装置
1 には、セグメントSを上端で支持してシールド掘進
機Mの軸方向に延びる下枠1と、この下枠1の上端から
上方に突出してセグメントSを支持する上枠2とが設け
られ、この実施例では下枠1を上部が開放した断面コ字
状に形成し、上枠2を下部が開放した断面コ字状に形成
し、下枠1の開放した上部から下枠1内に上枠2を挿入
している。これら下枠1と上枠2との上端には、セグメ
ントSを安定した状態で支持できるように、両側縁部が
上方に突出してセグメントSの円弧が沿うようにした係
止部材3、4が設けられている。
【0021】上記下枠1の下部には、下方へ突出する支
持部材5設けられており、この支持部材5の両側部に設
けられた支持軸6aに車輪6が設けられている。この車
輪6は既設セグメントT上を走行するため、既設セグメ
ントTの内面円弧に沿うような角度で設けられている。
【0022】上記下枠1と上枠2との間には、下枠1か
ら上方に突設されたブラケット1aに後端が回動自在に
連結され、上枠2から下方に突設されたブラケット2a
の長孔2bにロッド先端が回動自在に連結されたスライ
ド手段たるスライドジャッキ7が設けられている。この
ロッド先端の連結部を長孔2bにすることにより、昇降
させる上枠2からスライドジャッキ7に無理な力が作用
しないようにしている。このスライド手段としては、電
動モータを用いたボールねじ等であってもよく、この実
施例に限定されるものではない。
【0023】また、下枠1の前端と中央後部の所定位置
には、反ジャッキ側の前後方向に向けて高くなるように
漸増する所定の傾斜角で形成されたガイド部材8が設け
られており、上枠2の下面前後方向にはガイド板9が設
けられている。上記後方のガイド部材8を設ける位置
は、後述するように上枠2を前方へ伸ばすスライド量に
よって決定され、この実施例では、下枠1の全長の約1
/3後方からの位置に設けられている。
【0024】さらに、この実施例では、1台のセグメン
ト供給装置N1 に4個のセグメントSを載置できるよう
に構成しているため、前端のセグメントSaをエレクタ
ーE(図10)へ供給しても残りの3個のセグメントS
でバランスを保てるようにしている。また、車輪6も長
手方向に4列配置し、既設セグメントT上を容易に走行
できるようにすると共に、上枠2を前方へスライドさせ
てもバランスが保てるようにしている。
【0025】そして、上記ガイド板9の下部には、水平
方向力によって上枠2を昇降させる昇降手段たる昇降ジ
ャッキ10が設けられている。この昇降ジャッキ10の
後端は、下枠1から上方に向けて突設されたブラケット
1bに回転自在に連結されており、ロッド先端にはガイ
ド板9とガイド部材8との間に進退する楔部材11が設
けられている。この楔部材11は、上面が上記ガイド板
9に沿うような水平面で形成され、下面が上記ガイド部
材8に沿うような傾斜面で形成されている。このよう
に、楔部材11を昇降ジャッキ10の水平方向力によっ
てガイド部材8とガイド板9との間に進退させることに
より、小さな水平方向力によって大きな垂直方向力を得
ることができるので、小さな昇降ジャッキ10で大重量
のセグメントSを載せた上枠2を昇降させることができ
る。この昇降手段も上記スライド手段と同様に、ボール
ねじ等を用いた手段であってもよく、この実施例に限定
されるものではない。
【0026】上記楔部材11の上面には、図3(a)に示
すように滑動部材たるオイルレスプレート(含油プレー
ト)12を設けるのが好ましく、このようなオイルレス
プレート12を設けることにより、大きな力を要するこ
となく上枠2をスライドさせることができるようにして
いる。この滑動部材を図3(b)に示すようなローラー1
3で構成すれば、更にスライド時の抵抗を小さくするこ
とができる。これらの図では、楔部材11の上下に滑動
部材を設けているが、この滑動部材の構成は、セグメン
トSの大きさや上枠2のスライド量等に応じて適宜設定
すればよい。
【0027】また、図4(a)に示す図1のB−B断面図
と、(b)に示す図1のセグメント供給装置の後部を示す
拡大平面図のように、この実施例では上枠2と下枠1と
をほぼ同じ長さで形成しているため、上枠2の先端側に
のみセグメントSを載置した状態で上枠2を伸長させた
時に、上枠2の先端がセグメント重量で傾倒しないよ
う、この上枠2の後部に突起材14を形成すると共に下
枠1の長手方向所定範囲に係止材15を形成した係合手
段を設けている。この係止材15は上枠2を伸長させた
時に突起材14を係止できる長さであればよい。
【0028】このように構成されたセグメント供給装置
1 は、上枠2の先端に設けられたブラケット2cとシ
ールド掘進機Mに設けられた図示しないブラケットとの
間に設けられた牽引部材16により連結され、シールド
掘進機Mに牽引されて既設セグメントT内を走行するよ
うに構成されている。なお、車輪6に駆動手段を設けて
自走可能に構成してもよい。
【0029】図5〜図7は上記構成のセグメント供給装
置N1 によるセグメント供給手順を示す図面であり、こ
れらに図示するように、以下の手順によってシールド掘
進機Mの後方からエレクターEまでセグメントSを順次
効率良く供給することができる。
【0030】図5は図1に示す状態のセグメント供給装
置の次の供給手順を示す図面であり、(a)は側断面図、
(b)はC−C断面図である。図1に示すように下枠1上
に所定数(4個)のセグメントSが載置された状態か
ら、昇降ジャッキ10を伸長して楔部材11を水平方向
に移動させてガイド部材8とガイド板9との間に進入さ
せることにより、ガイド部材8の傾斜面に沿って上昇す
る楔部材11が上枠2を所定量上昇させて図5(a)の状
態にする。この時、下枠1上に載置されていたセグメン
トSが上枠2の上端によって支持されるので、セグメン
トSは下枠1から浮いた状態となる。
【0031】次に、図6に示す次の供給手順を示す側断
面図のように、スライドジャッキ7を伸長させることに
よって上枠2を前方へ所定量スライドさせる。この時、
上枠2の下面に設けられたガイド板9が楔部材11の上
面に沿って摺動しながらスライドすることとなるが、楔
部材11の上面にはオイルレスプレート12が設けられ
ているため、大きな力を要することなくスライドさせる
ことができる。この滑動部材たるオイルレスプレート1
2が図3(b)に示すローラー13であれば、更にスライ
ド時の抵抗を小さくすることができる。
【0032】この図の状態がセグメントSをエレクター
Eへ供給する状態であり、上枠2の先頭位置に載置され
ているセグメントSaがエレクターEの把持位置まで移
送されている。この状態でエレクターEが先頭位置のセ
グメントSを把持して所定位置へと組み込む。
【0033】このようにしてセグメントSをエレクター
Eへ供給した後は、図7に示す次の供給手順を示す側断
面図のように、昇降ジャッキ10で楔部材11を収縮す
ることにより上枠2を下枠1内へと下げる。このように
上枠2を下げることにより、エレクターEへ供給された
残りのセグメントS(3個)が下枠1の上端に載置され
ることとなる。この載置された各セグメントSは、1ピ
ッチエレクターE側へ移動した位置に載置されることに
なる。このようにして上枠2を下げてセグメントSを下
枠1上に載置した後は、スライドジャッキ7を収縮する
ことにより上枠2をシールド掘進機Mの軸方向に後退さ
せて、図1に示す下枠1と一致する位置まで後退させら
れる。
【0034】以上の手順が1サイクルであり、同じ手順
を繰り返すことにより、下枠1上に載置されたセグメン
トSを上枠2で順次エレクターEへ供給する。そして、
セグメント1リング分(例えば7〜8個)のセグメント
Sを供給し終わると、上枠2に設けられたブラケット2
cに牽引部材16を取り付けてシールド掘進機Mにより
1リング分牽引される。
【0035】図8は上記セグメント供給装置N1 の使用
例を示す側断面図であり、上記セグメント供給装置N1
をシールド掘進機軸方向に複数台(3台)連結して1台
のセグメント供給装置NT が構成されている。このよう
に所定長さVのセグメント供給装置N1 を複数台連結す
ることにより、中折れ機構を有するシールド掘進機によ
って曲進施工を行う場合でも、その曲進に沿ってセグメ
ントSを供給できるセグメント供給装置NT を構成する
ことが可能となる。
【0036】このように連結する場合、各セグメント供
給装置N1 の連結部を屈曲可能な所定長さWの連結部材
で連結することにより、シールド掘進機Mで曲進施工し
てもその曲進に沿ってセグメント供給装置NT が追従し
て屈曲するので、曲進施工が可能なシールド掘進機Mに
おいても安定した効率の良いセグメントSの供給が可能
となる。
【0037】この場合、先頭のセグメント供給装置N1
の載置されたセグメントSと次のセグメント供給装置N
1 に載置されたセグメントSとが干渉しないように、先
頭のセグメント供給装置N1 の上枠2を伸長させてセグ
メントSをエレクターEへ供給した後に,次のセグメン
ト供給装置N1 の上枠2を先頭のセグメント供給装置N
1 の下枠1上へ伸長させるように、所定時間ずらせて制
御すれば、複数台のセグメント供給装置N1 を連結した
セグメント供給装置NT で連続的に効率良くセグメント
Sを供給することができる。
【0038】この図8の例では、3台のセグメント供給
装置N1 を連結する場合を示しているが、シールド掘進
機Mの曲進半径やセグメント載置量、あるいはセグメン
ト供給装置NT の全長等により、適宜好ましい台数のセ
グメント供給装置N1 を連結すればよい。
【0039】図9は、第2実施例を示す図1のA−A断
面図である。この第2実施例は上記第1実施例と車輪の
配置のみが異なるものであるため、以下の説明ではこの
車輪の配置に関する説明のみを行い、上記第1実施例と
同一の構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0040】図示するように、この第2実施例では、断
面コ字状の下枠17の側部に車輪18が設けられてお
り、下枠17に既設セグメントTの円弧とほぼ平行な支
持軸18aを設け、この支持軸18aに車輪18が回転
自在に設けられている。
【0041】このように構成された第2実施例のセグメ
ント供給装置N2 によれば、上記第1実施例におけるセ
グメント供給装置N1 に比べてさらに全高を更に低くす
ることができるので、シールド掘進機M内に設けられた
排土装置等との間隙を更に広くすることができ、シール
ド掘進機M内の作業空間を広くして作業性を向上させる
ことが可能となる。
【0042】なお、上記第1、第2実施例では下枠1、
17に車輪6、18を設けた実施例を説明したが、これ
ら車輪6、18は必ずしも設ける必要はなく、シールド
掘進機Mに連結された牽引部材16により既設セグメン
トT上を摺動しながらシールド掘進機Mの掘進に追従す
るように構成してもよい。
【0043】また、上記いずれの実施例も、下枠1、1
7と上枠2の上面にセグメントSを安定した状態で支持
するための係止部材3,4が設けられているが、これら
は下枠1、17及び上枠2の上面がセグメントSを安定
した状態で支持できる形状であれば必ずしも設ける必要
はなく、上記実施例に限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0045】上端でセグメントを支持する下枠の上端か
ら上方に突出してセグメントを支持する上枠を、水平方
向力で昇降させる昇降手段を設けて昇降させることによ
り、昇降手段を低くできるのでセグメント供給装置の全
高を低くすることができ、シールド掘進機内の作業空間
を狭めることなく効率良くセグメントをエレクターへ供
給することが可能となる。また、昇降手段を、昇降ジャ
ッキの伸縮動作によってガイド部材と上枠との間に進退
して上枠を昇降させる楔部材で構成しているので、水平
方向に挿入する楔部材の垂直方向分力により小さな力で
大重量を昇降させることができ、小さな昇降ジャッキで
大重量のセグメントを昇降させるセグメント供給装置を
構成することが可能となる。しかも、楔部材の上面に滑
動部材を設けているので、楔部材を挿入するための水平
方向力を小さくすることができると共に、楔部材上の上
枠をスライドさせる力も小さくでき、昇降ジャッキ及び
スライドジャッキを小型化できると共にスムーズなセグ
メント供給作業が可能となる。
【0046】また、上枠と下枠とをほぼ同じ長さで形成
して、上枠を伸長させた時に上枠後部を下枠と係合させ
て先端の傾倒を防止する係合手段を設ければ、セグメン
ト供給装置のシールド掘進機軸方向の長さを短くして、
効率の良いセグメント供給を行うことが可能となる。
【0047】
【0048】
【0049】その上、下枠に走行用の車輪を設ければ、
既設セグメント上を走行させるセグメント供給装置の牽
引力を小さくすることができ、安定したセグメント供給
装置の走行が可能となる。
【0050】また、上記したいずれかのセグメント供給
装置を屈曲可能な連結部材で複数台連結して1台のセグ
メント供給装置を構成すれば、シールド掘進機を曲進さ
せてもその曲進に沿って走行するセグメント供給装置を
構成することができ、曲進施工を行うシールド掘進機で
あってもエレクターへ効率の良い安定したセグメント供
給を行うことが可能となる。
【0051】この場合、シールド掘進機側に位置する先
端側のセグメント供給装置の作動と、このセグメント供
給装置に連ねて連結したセグメント供給装置の作動を、
順次所定時間ずらせるように制御すれば、複数台を連結
したセグメント供給装置で多量のセグメントを連続的に
供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明のセグメント供給装置を示
す第1実施例の図面であり、(a)は平面図、(b)は側断面
図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】(a)は図1に示すセグメント供給装置の楔部材
を示す拡大断面図であり、(b)は他の実施例を示す拡大
断面図である。
【図4】図1に示すセグメント供給装置の後部を示す拡
大図であり、(a)は図1のB−B断面図、(b)は拡大平面
図である。
【図5】図1に示すセグメント供給装置による次供給手
順を示す図面であり、(a)は側断面図、(b)はC−C断面
図である。
【図6】図5に示す状態の次供給手順を示す側断面図で
ある。
【図7】図6に示す状態の次供給手順を示す側断面図で
ある。
【図8】図1に示すセグメント供給装置を複数台連結し
て1台のセグメント供給装置を構成した状態を示す側断
面図である。
【図9】この出願に係る発明のセグメント供給装置を示
す第2実施例の図面であり、図1に示すA−A断面図で
ある。
【図10】従来のセグメント供給装置とシールド掘進機
との関係を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…下枠 2…上枠 3,4…係止部材 5…支持部材 6…車輪 7…スライドジャッキ 8…ガイド部材 9…ガイド板 10…昇降ジャッキ 11…楔部材 12…オイルレスプレート 13…ローラー 14…突起材 15…係止材 16…牽引部材 17…下枠 18…車輪 S…セグメント T…既設セグメント E…エレクター M…シールド掘進機 N1,N2…セグメント供給装置 NT…セグメント供給装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−205294(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機のエレクターへセグメン
    トを供給するためのセグメント供給装置において、 前記セグメントを上端で支持するシールド掘進機の軸方
    向に延びる下枠と、該下枠の上端から上方に突出して前
    記セグメントを支持する上枠と、該セグメントを支持し
    た状態の上枠をシールド掘進機の軸方向にスライドさせ
    てセグメントをエレクター位置まで移送するスライド手
    段とを設け、前記下枠と上枠との間に該上枠を水平方向
    力によって昇降させる昇降手段を設けて上枠下枠の上
    端から上方に突出するように構成し、該昇降手段を、下
    枠と上枠との間に設けた水平配置の昇降ジャッキと、下
    枠に設けた反ジャッキ側に向けて漸増して傾斜するガイ
    ド部材と、前記昇降ジャッキの伸縮動作によって該ガイ
    ド部材と上枠との間に進退して上枠を昇降させる楔部材
    とで構成すると共に、該楔部材の上面に滑動部材を設け
    ことを特徴とするセグメント供給装置。
  2. 【請求項2】 上枠と下枠とをほぼ同じ長さで形成し、
    該上枠と下枠との間に、該上枠を伸長させた時に上枠後
    部を下枠と係合させて先端の傾倒を防止する係合手段を
    設けたことを特徴とする請求項1記載のセグメント供給
    装置。
  3. 【請求項3】 下枠に既設セグメント上を走行するため
    の車輪を設けたことを特徴とする請求項1 又は請求
    2 記載のセグメント供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれか1項に記載のセ
    グメント供給装置を屈曲可能な連結部材で複数台連結し
    て1台のセグメント供給装置を構成したことを特徴とす
    るセグメント供給装置。
  5. 【請求項5】 シールド掘進機側に位置する先端側のセ
    グメント供給装置の作動と、該セグメント供給装置に連
    ねて連結したセグメント供給装置の作動を、順次所定時
    間ずらせるように制御したことを特徴とする請求項
    載のセグメント供給装置。
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