JP3092843B2 - 二層管遠心力鋳造用フラックス - Google Patents

二層管遠心力鋳造用フラックス

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JP3092843B2
JP3092843B2 JP07111592A JP11159295A JP3092843B2 JP 3092843 B2 JP3092843 B2 JP 3092843B2 JP 07111592 A JP07111592 A JP 07111592A JP 11159295 A JP11159295 A JP 11159295A JP 3092843 B2 JP3092843 B2 JP 3092843B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二層積層管体(クラッ
ドパイプ)の遠心力鋳造に使用されるフラックスの改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】管体を、材種の異なる外層と内層との同
心円状積層構造とした二層管は、材料コストを可及的に
抑えながら、所要の材質特性を充足させることができ、
また1種の材料からなる通常の単層管では兼備し得ない
複数の特性を充足させることも可能となる。例えば、石
油・天然ガス生産油井用配管材として、外層を高強度炭
素鋼とし、内層を耐食性高Ni合金で形成した二層管が
実用されている。遠心力鋳造法によれば、鋳型の回転に
よる遠心力の作用下に、外層となる金属溶湯(外層溶
湯)を鋳込む第1段の鋳造と、内層となる金属溶湯(内
層溶湯)を鋳込む第2段の鋳造とからなる二段鋳造操作
により、二層管体が製造される。
【0003】二層管の積層構造体としての所期の特性を
確保するには、外層と内層とを積層界面の全体に亘つて
冶金的に密着結合させることが不可欠である。二段遠心
力鋳造においては、第1段の鋳造操作で形成される外層
の内周面に、脱酸生成物や二次酸化物等の不純物が不可
避的に生成し、積層界面の冶金的な結合の妨げとなる。
この対策として、鋳型内の外層溶湯の内周面をフラック
スで被覆して大気の接触を遮断すると共に、外層溶湯中
から浮上した酸化物等を滓化して溶湯表面を浄化するよ
うにしている。そのフラックスとして、CaOをベース
とし、SiO2,Na2 O,CaF2 (NaF),B2
3 等をそれぞれ5〜25%配合したもの等が従来より
使用されてきた。また、その改良剤として、SiO2
0〜35%,BaO10〜20%,NaF(CaF2
5%以下,残部Na2 Oからなる組成を有するもの等も
提案されている(特開平3−42168号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フラックスは、低
融点で滓化し易く、溶湯面の全体を素早く被覆し得るよ
うな流動性をもち、湯面上に浮遊する不純物の取込み・
滓化能にすぐれたものであることを要する。また、鋳込
み前の外層溶湯にフラックスを添加して溶融状態とした
上、溶融フラックスと共に外層溶湯の鋳込み(第1段鋳
造)を行う場合、フラックスは約1500℃程度の高温
状態となるので、そのような高温状態においても変質を
生じない安定性を有することが要求される。更に、内層
溶湯を注入する第2段の鋳造は、外層溶湯が内周面まで
ほほ凝固した低温状態(約1200℃)において行われ
るので、そのような低温状態においても、良好な流動性
を維持し得るものであることが必要である。本発明は、
このような特性を充足するフラックスを提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の二層管遠心力鋳
造用フラックスは、CaF2 :9〜18%,Na2 O:
20〜35%,B2 3 :3〜10%を含有し、残部は
実質的にCaOおよびSiO2 からなり、CaO/Si
2 :0.9〜1.5である化学組成を有している。
【0006】
【作用】上記成分構成を有する本発明のフラックスは、
鋳込み前の外層溶湯に添加された高温溶融状態において
も変質をきたすことがなく、また外層の鋳造につづく内
層鋳造時の比較的低温状態においても良好な流動状態を
安定に維持する。この改良されたフラックス特性によ
り、外層の内周面を清浄な表面状態とし、内層との積層
界面の健全な冶金的密着結合が確保される。
【0007】本発明フラックスの成分限定理由は次のと
おりである。配合割合を示す%は重量%である。 CaF2 :9〜18% CaF2 は、フラックスを低融点化すると共に、流動
性,酸化物等の滓化能等を良好化するために、少なくと
も9%を必要とする。しかし、配合量が多くなると、溶
湯との接触により生成する有害ガス量が増し、作業環境
を悪くするので、18%を上限とする。
【0008】Na2 O:20〜35% Na2 Oは、フラックスの低融点化,流動性の改善,お
よび酸化物等の滓化能の改善に奏効する成分であり、2
0%以上の配合を必要とする。しかし、多量に配合する
と、高温域におけるフラックスのでの安定性が損なわれ
るので、35%を越えてはならない。
【0009】B2 3 :3〜10% B2 3 は、フラックスの低融点化,粘着性の低減に奏
効し、外層内面に対するフラックスの付着残留を防止す
る。この効果を十分ならしめるために、少なくとも3%
を必要とする。10%を上限とするのは、それを越える
と、炭素鋼等において脆化組織が出現し易くなるからで
ある。
【0010】CaO/SiO2 :0.9〜1.5 CaOおよびSiO2 の両成分は、本発明のフラックス
の基剤成分として、フラックスに適度の粘性を付与す
る。両者の比(重量比)を0.9〜1.5としているの
は、フラックスの低融点域がこの組成範囲にあり、フラ
ックスに適度の粘性をもたせる、溶湯浄化作用を安定に
保持することができるからである。特に、1.0〜1.
2の範囲が好適である。
【0011】
【実施例】
〔1〕フラックスの流動性 表1に示した組成を有するフラックスA(発明例)およ
びフラックスB(比較例)について、下記の流動性試験
(a)(b)(c)を行い、表2に示す結果を得た。 (流動性試験)フラックスを溶融滓化したうえ、傾斜角
6°に設定したスチールパイプの内面に与え、傾斜面上
の自然流下による流動距離(mm)を測定する。フラック
スの溶融滓化条件は次のとおりである。試験cは、実操
業でのフラックスの熱履歴を模擬したものである。 試験a:1200℃×0.5Hr 試験b:1300℃×0.5Hr 試験c:1500℃×0.5Hr→1200℃
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表2に示したように、従来例であるフラッ
クスB(特開平3-42168 号公報所載のフラックス相当
剤)は、温度1200℃の低温域(試験a)では良好な流動
性を有しているものの、実操業の高温域に加熱される
と、流動性の著しい低下をきたし(試験c)、熱的安定
性に乏しい。これに対し、発明例のフラックスAは、低
温度域から高温度域にわたって適度の流動性を示し、高
温状態から低温度域への温度変化を経ても、比較的高い
流動状態を保持している。
【0015】〔2〕実機使用試験(二層管の遠心力鋳
造) 前記供試フラックスを使用し、横型遠心力鋳造によりク
ラッドパイプ(サワー油井用配管材)を鋳造する。 管サイズ:外径 351.6, 長さ 5098, 外層厚さ 19.8,
内層厚さ 9(mm) (1)外層:高強度炭素鋼(0.09C-0.26Si-0.96Mn-0.26Ni-
0.08Cr-0.20Mo-Fe) 溶湯鋳込み温度 1615 ℃ (2)内層:Ni基高合金鋼(0.01C-0.31Si-0.36Mn-64.0Ni
-22.4Cr-Fe) 溶湯鋳込み温度 1500 ℃ (3)フラックスの投与および鋳造 フラックスを黒鉛るつぼ内で加熱溶解し、鋳込み開始直
前に外層溶湯に投与する。外層溶湯をフラックスと共に
鋳型の開口端から鋳込み、外層溶湯層が内周面までほぼ
凝固した時点で、内層溶湯に鋳込みを行う。フラックス
の投与量は鋳型内の外層溶湯層の内周面を被覆する溶融
フラックス層厚が約0.3mm となる量に調整。
【0016】鋳造された二層管のそれぞれを超音波探傷
検査に付し、両層の積層界面の接合品質を判定する。二
層管の積層界面に酸化物等による接合不良を生じ易い領
域は、主として内層溶湯の湯先側領域(溶湯の鋳込み側
と反対側の領域)であり、接合不良は、超音波探傷によ
り精度よく検出することができる。検出される接合不良
部分を切り捨てて製品を採取する。製品歩留(長さ歩
留)を表3に示す。フラックスAを使用して鋳造された
二層管の歩留りは、フラックスBを使用した鋳造に比べ
て大幅に向上している。この歩留り向上効果は、発明例
のフラックスが、二段鋳造過程で溶湯面に対して改良さ
れた被覆・浄化作用を奏することを示している。
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】本発明のフラックスは、高温域で変質す
ることのない安定性を有すると共に、比較的低温域にお
いても良好な流動性を保持し、二層管の遠心力鋳造にお
ける溶湯面の被覆・浄化作用にすぐれており、本発明の
フラックスの使用により、外層と内層との積層界面の接
合品質の改良された二層管を鋳造することができ、二層
管の品質の向上,製造歩留りの向上等の効果が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 13/02 B22D 13/10 B22D 19/16 B22D 27/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaF2 :9〜18%,Na2 O:20
    〜35%,B2 3:3〜10%を含有し、残部は実質
    的にCaOおよびSiO2 からなり、CaO/Si
    2 :0.9〜1.5であることを特徴とする二層管遠
    心力鋳造用フラックス。
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