JP3092332U - 自転車用荷籠の支持装置 - Google Patents

自転車用荷籠の支持装置

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JP3092332U JP2002005371U JP2002005371U JP3092332U JP 3092332 U JP3092332 U JP 3092332U JP 2002005371 U JP2002005371 U JP 2002005371U JP 2002005371 U JP2002005371 U JP 2002005371U JP 3092332 U JP3092332 U JP 3092332U
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光治 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドル軸と荷籠との位置関係に応じて調整
が可能な荷籠の支持装置を提供するとともに、その調整
および荷籠の装着を容易に行うことのできる支持装置を
提供する。 【解決手段】 荷籠の一部を挟持する挟持部10と、ハ
ンドル軸を係止する係止部20と、この係止部に上記挟
持部を連結する連結部30とを備えてなる自転車用荷籠
の支持装置であって、連結部は、係止部に連続して突設
された板状の連結基部31と、挟持部に連続しつつ連結
基部の表面に当接する当接部32,33と、当接部を連
結基部の表面に当接させつつ固定する固定手段36,3
7,38,39とで構成されている。連結基部は、異な
る二種類の規制溝41,42を有する。当接部は、両規
制溝内に個別に突出する突出部36a,37aを有する
ように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、自転車用荷籠をハンドル軸により支持するために使用する支持装置 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自転車のハンドル前方に設けられる荷籠は、ハンドルに掛止できる 掛止部が設けられ、この掛止部による掛止によって荷籠の重量および当該荷籠に 載せられた荷物の重量を支えており、また、荷籠とハンドル軸(ハンドルとタイ ヤとを接続する軸部)との間隙を維持すべく荷籠を支持する支持部が設けられて いた。
【0003】 そこで、上記のような荷籠の支持装置は、荷籠の一部を構成する後面部を挟持 する挟持部と、ハンドル軸を係止する係止部と、この係止部を上記挟持部に連結 する連結部とで構成されており、荷籠の後面部とハンドル軸との間隔を普遍的に 支持するものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の自転車は、ファッション性を重視するため、ハンドルの 形状およびハンドル軸の角度等を様々に変化させたものが多く、これらハンドル 形状またはハンドル軸の角度が異なるために、ハンドルの前方に荷籠を設ける際 、当該荷籠の後面部とハンドル軸との間隔や両者間に形成される角度が自転車ご とに異なるものとなっていたことから、従来の支持装置では、異なる間隔および 角度に調整された複数の支持装置の中から、所望の自転車に荷籠を装着するとき の後面部とハンドル軸との間隔または角度に合致するものを選択して使用しなけ ればならなかった。特に、荷籠とハンドル軸との間隔に合致する長さの支持装置 を使用した場合であっても、荷籠の後面部とハンドル軸とで形成される角度が様 々に変化するため、種々の支持装置を予め準備しなければならなかった。
【0005】 また、近時の自転車利用形態の一つとして、旅行等の目的地を周遊するために 自転車を利用する場合があり、このような利用形態では、公共交通機関等を利用 して目的地まで移動するとともに、当該目的地にて自転車を運転するのであって 、公共交通機関等を利用する際、携帯に便利な折り畳み式自転車が使用されるも のであった。そして、このような折り畳み式自転車を使用する場合、荷籠の装着 が面倒であるなどの理由により、荷籠を使用しないのが一般的である。しかし、 自転車を運転するときは、両手でハンドルおよびブレーキを操作することが必要 となり、当然に荷物を手で持つことができず、荷物の持ち運びに苦慮していた。 そして、この種の折り畳み式自転車においてもハンドルの形状およびハンドル軸 の角度等は様々であり、折り畳み式自転車に荷籠を装着するとしても、その装着 が容易ではなかった。
【0006】 そこで、本考案は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的と するところは、ハンドル軸と荷籠との位置関係に応じて調整が可能な荷籠の支持 装置を提供するとともに、その調整および荷籠の装着を容易に行うことのできる 支持装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案は、荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンドル軸を係止する係 止部と、この係止部に上記挟持部を連結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠 の支持装置において、上記連結部は、上記係止部に連続して突設された板状の連 結基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結基部の表面に当接する当接部と、こ の当接部を上記連結基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とからなり、上 記連結基部は、異なる二種類の規制溝を有し、上記当接部は、上記両規制溝内に 個別に突出する突出部を有してなることを特徴とする自転車用荷籠の支持装置を 要旨とする。
【0008】 上記の場合、二種類の規制溝は、前記連結基部に貫設されてなる長穴で構成さ れる規制溝であり、突出部は、当接部を所定の位置で貫通し、かつ上記長穴を貫 通して設けられる軸部材で構成される突出部とすることができる。そして、固定 手段は、雌ねじが刻設されてなる雌ねじ部と、この雌ねじ部に螺合する雄ねじ部 とを有する固定手段とし、上記雄ねじ部が、前記当接部および連結基部の長穴を 貫通しつつ上記雌ねじ部に螺合することによって、該当接部を連結基部に固定す る構成とすることができる。
【0009】 また、本考案は、荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンドル軸を係止する係止 部と、この係止部に上記挟持部を連結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠の 支持装置において、上記連結部は、上記係止部に連続して突設された板状の連結 基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結基部の表面に当接する当接部と、この 当接部を上記連結基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とからなり、上記 連結基部は、異なる二種類の長穴で構成される二種類の規制溝を有し、上記当接 部は、該当接部を上記連結基部に当接させるとき上記両規制溝に重なるように設 けられた貫通孔を有し、上記固定手段は、上記当接部の貫通孔および上記規制溝 を貫挿する雄ねじ部と、上記連結基部を中間にして上記当接部の反対側に配置さ れる雌ねじ部とを有してなることを特徴とする自転車用荷籠の支持装置を要旨と するものである。
【0010】 さらに、本考案は、荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンドル軸を係止する係 止部と、この係止部に上記挟持部を連結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠 の支持装置において、上記連結部は、上記係止部に連続して突設された板状の連 結基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結基部の両面に当接する二つの当接部 と、この当接部を上記連結基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とからな り、上記連結基部は、異なる二種類の長穴で構成される二種類の規制溝を有し、 上記当接部の一方は、該当接部を上記連結基部に当接するとき上記両規制溝に重 なるように設けられた貫通孔を有し、上記当接部の他方は、上記貫通孔に対向す る位置に雌ねじが刻設されてなる雌ねじ部を有し、上記固定手段は、上記当接部 の一方に貫設された貫通孔および上記規制溝を貫挿するとともに、上記当接部の 他方に設けられた雌ねじ部に螺合する雄ねじ部で構成されてなることを特徴とす る自転車用荷籠の支持装置をも要旨としている。
【0011】 上記において、連結基部は、前記係止部をハンドル軸に係止したとき、平面部 がほぼ鉛直方向となる板状の連結基部であり、また、二種類の規制部は、連続す る一つの長穴で構成されてなる規制部であって、この両規制部のいずれか一方は 他方に比較して幅広に構成されてなることが好ましい。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、図1に 示すように、自転車のハンドル101に掛止される荷籠102を支持するもので あって、この荷籠102を構成している箱体の後方の側面部103には、ハンド ル101に掛止するためにハンガー104,105が固着されており、また、同 じ側面部103の所定個所には、補強用の線材106,107が固着され、支持 装置1による挟持を許容するものである。ハンドル101に掛止される荷籠10 2は、この掛止のみでは不安定であるため、荷籠102を構成している後方の側 面部103とハンドル軸108との間を支持装置1によって支持するのである。 そして、支持装置1は、上記荷籠102の側面部103を挟持する挟持部10と 、ハンドル軸108を係止する係止部20と、この挟持部10と係止部20を連 結する連結部30とで構成されている。
【0013】 ここで、上記支持装置1の詳細を説明する。図2に示すように、係止部20は 、略U字形のハンドル軸当接面21を有する係止部本体22と、この係止部本体 22の両端23,24を開閉するストッパ25とで構成されており、このストッ パ25は係止部本体22の一方の端部23に回動自在に軸支され、ストッパ25 の自由端には切欠部26が構成されていて、この切欠部26に係止部本体22の 他端24を係入させることによって、当該係止部20による係止が可能となって いる。従って、上記係止部本体22の当接面21をハンドル軸108(図1)に 当接させつつ、ストッパ25を回動させることにより、ハンドル軸108との係 止を行うのである。
【0014】 上記係止部本体22には、上記略U字形の湾曲部外面上に突設された板状の連 結基部31が設けられており、この連結基部31と、上記挟持部10に連続して 設けられる当接部32,33とが、固定されることによって挟持部10と係止部 と20とを一体的に構成するのである。そして、当接部32,33は、上記連結 基部31の両面に当接する当接面34,35を有しており、この二つの当接面3 4,35を上記連結基部31の両面に当接させた状態で固定されるのである。
【0015】 また、上記両当接部32,33は、直角に折曲されて当該当接部32,33に 連続する挟持受部11,12が構成されており、この挟持受部11,12には、 それぞれ雌ねじ13,14が刻設されている。そして、この挟持受部11,12 の表面に対向する平面15,16を有する押圧部17が設けられ、この押圧部1 7を貫通する雄ねじ部18,19によって、当該押圧部17を上記挟持受部11 ,12に押圧できるようにして挟持部10が構成されているのである。
【0016】 上記連結基部31は、細長の板状部材で構成されており、その平面部は、係止 部10をハンドル軸108に係止するとき当該ハンドル軸108の軸線方向に一 致するように配置されている。また、この連結基部31には、その長手方向に沿 った所定長さの二種類の長穴41,42が貫設されている。そして、上記当接部 32,33のうち、一方の当接部32には貫通孔43,44が設けられ、他方の 当接部33には雌ねじ部38,39が刻設されており、上記貫通孔43,44に 雄ねじ部36,27を挿通させることによって、当該雄ねじ部36,37の軸部 36a,37aのみが貫通できるとともに、この貫通孔43,44に対向する雌 ねじ部38,39に螺合するようになっている。従って、上記連結基部31と当 接部32,33との固定は、一方の当接部32から挿通した雄ねじ部36,37 が、貫通孔43,44および連結基部31の長穴41,42を貫通するとともに 、他方の当接部33に設けた雌ねじ部38,39に螺合することによってなされ るものであり、両側の当接部32,33が中間に配置される連続基部31を強固 に挟んで固定するのである。
【0017】 上記のように構成することにより、雄ねじ部36,37により連結基部31と 当接部32,33とを固定する場合、雄ねじ部36,37の軸部36a,37a は、連結基部31の長穴41,42を貫通しており、この軸部36a,37aは 、上記当接部32との関係において、貫通孔43,44により位置が一定となり 、一方、連結基部31との関係においては、長穴41,42の範囲内で移動が許 容されるのである。即ち、雄ねじ部36,37の軸部36a,37aは、当該連 結基部31から突出する突出部として機能するとともに、長穴41,42は、こ の突出部(軸部)36a,37aの移動を規制する規制溝として機能することと なるのである。従って、雄ねじ部36,37による雌ねじ部38,39との螺合 を緩めることにより、上記突出部(軸部)36a,37aは、上記規制溝(長穴 )41,42の範囲内において規制されつつ移動が許容され、この移動により挟 持部10と係止部20との位置関係を調整することができるのである。
【0018】 ここで、上記規制溝(長穴)41,42は、一方の規制溝(以下、第一の規制 溝という)41と他方の規制溝(以下、第二の規制溝という)42とが異なる種 類で構成されている。即ち、図3に示すように、第一の規制溝41は、ちょうど 一方の突出部36aが通過できる程度の幅をもって構成されており、第二の規制 溝42は、第一の規制溝41に比較して幅広に構成されているのである。従って 、一方の突出部36aは、第一の規制溝41の長手方向に対してのみ移動が許容 されるようになっており、また、他方の突出部37aは、第二の規制溝42を貫 挿した状態において、長手方向のみならず短手方向に対しても移動が許容される ように構成されているのである。また、上記2個の突出部36a,37aは、十 分に間隔を有して配置されており、上記第一および第二の規制溝41,42が、 図示のように、連続して設けられている状態であっても、各規制溝41,42に 対して各突出部36a,37aが個別に挿通され、両突出部36a,37aが同 時に同一の規制溝内を挿通することがないように調整されているのである。
【0019】 このように構成することによって、第一の規制溝41を挿通する一方の突出部 36aは、当該第一の規制溝41の長手方向にのみ移動し、第二の規制溝42を 挿通する他方の突出部37aは、当該第二の規制溝42の長手方向に移動すると ともに短手方向にも移動して、当接部32,33の揺動を可能とするものである 。この当接部32,33の揺動により、これに連続する挟持受部11,12の表 面の角度が変化するのである。従って、荷籠102の後方の側面部103を挟持 できる角度も同様に変化することとなり、荷籠102がハンドル101に掛止さ れる状態において(図1)、ハンドル軸108と荷籠102の後方の側面部10 3との間で形成される角度に対応できるように、挟持部10の角度を調整するこ とができるのである。なお、上記両者間の距離を調整する場合は、両突出部36 a,37aを両規制溝41,42の長手方向に沿って移動させることによって容 易に調整できるものである。
【0020】 次に、本実施形態の使用の態様について説明する。装着すべき荷籠102の後 方の側面部103の表面が、ハンドル軸108の軸線に平行な状態の場合は、図 3において示すように、荷籠102の側面部103を挟持する挟持部10と、ハ ンドル軸108に係止する係止部20との中間において、突出部36a,37a のそれぞれを両規制溝41,42の長手方向に沿って移動させることにより、荷 籠102の側面部103とハンドル軸108との間隔を調整することができ、こ の調整により荷籠102の装着が可能となるものである。
【0021】 この場合、ハンドル軸108に係止した係止部20は、その当接面21をハン ドル軸108の表面に密着させることとなるため、連結基部31を一定の状態を 維持することとなる。一方、荷籠102の後方の側面部103を挟持部10によ って挟持することにより、当該挟持部10を構成する挟持受部11,12に連続 する当接部32,33も一定の状態を維持することとなる。この状態で、突出部 36a,37aは、いずれも第一および第二の規制溝41,42の内側に配置さ れており、この規制溝41,42の長手方向への移動が許容されるものであるた め、挟持部10と係止部20との間隔を調整しつつ突出部36a,37aの位置 を移動させることによって所定の距離に調整するのである。なお、上記調整が終 了した時点で、雌ねじ部38,39に対して雄ねじ部36,37を強固に締め付 けることによって(図2参照)、調整した状態を維持させることができるのであ る。
【0022】 また、荷籠102の後方の側面部103に対してハンドル軸108が有角的に 配置される場合は、図4に示すように、両方の突出部36a,37aを両規制溝 41,42の長手方向に沿って移動させるとともに、他方の突出部37aを短手 方向に移動して当接部32,33を揺動させることにより、ハンドル軸108に 対して角度を有する状態で荷籠102の側面部103を支持するのである。
【0023】 この場合、図4(a)に示すように、ハンドル軸108が斜状に構成され、荷 籠102の後方の側面部103に対し上方に向かって徐々に広くなる状態では、 第二の規制溝42の内側において、他方の突出部37aを当該第二の規制溝42 の短手方向上向きに移動させることにより、連結基部31の長手方向をハンドル 軸108の傾斜に伴って斜状に配置する一方、当接部32の長手方向を水平方向 に維持させることができるのである。これにより、荷籠102の側面部103と ハンドル軸108との間で形成される角度に応じた支持が可能となるのである。 また、上記の場合、調整できる角度は、第二の規制溝42の上部端縁に突出部3 7aが当接する状態が限度となる。
【0024】 一方、上記とは逆に、ハンドル軸108と後方の側面部103とが、上方に向 かって徐々に細くなるような場合、図4(b)に示すように、他方の突出部37 aを当該第二の規制溝42の短手方向下向きに移動させることにより、連結基部 31の長手方向と当接部32の長手方向との間に、所定の角度を形成させること ができ、これにより、荷籠102の側面部103とハンドル軸108との間の角 度に対応できるように調整を行うのである。なお、この場合にあっても、第二の 規制溝42の下部端縁に突出部37aが当接する状態を限度として角度を調整で きるものである。
【0025】 なお、上記のように、角度を調整する場合であっても、両突出部36a,37 aを第一および第二の規制溝41,42の長手方向へ移動させることにより、挟 持部10と係止部20との距離を調整できることは既述のとおりである。また、 角度および距離を調整する場合は、連結部30に設けられる雄ねじ部36,37 の螺合状態を緩和し、連結基部31と当接部32,33との固定状態を解除し、 これにより、突出部36a,37aの移動を可能にし、角度および距離を調整し た後は、雄ねじ部36,37を強固に締め付けることにより、連結基部31と当 接部32,33とを固定して、上記のような調整後の状態を維持させるのである 。
【0026】 本実施形態では、上記のように、長さを調整する場合は、突出部36a,37 aが規制溝41,42の長手方向に移動するのであるが、挟持部10と係止部2 0との距離が短くなるように調整する場合、図5(a)に示すように、他方の突 出部37aが第二の規制溝42の内部端縁に当接する状態まで移動が可能となっ ている。そして、上記の場合、連結基部31の先端部31aが、挟持部10の方 向に大きく移動することとなる。このとき、図5(b)に示すように、連結基部 31の先端部31aが、当接部32,33により構成される挟持受部11,12 の表面よりも挟持部10側に突出する状態となる。これは、挟持受部11,12 が両当接部32,33により構成されており、かつ、連結基部31が当接部32 ,33との相対位置を変更するものであるためであって、しかも、第一および第 二の規制溝41,42を所定長さに形成するためには、連結基部31の長さを短 くすることができないためである。
【0027】 そこで、本実施形態では、図示のように、押圧部17のほぼ中央を湾曲させて なるものである。この湾曲により、図5(b)に示しているように、挟持受部1 1,12の表面から外方に突出する連結基部31の先端部31aが、押圧部17 に接触することを回避することができるのである。
【0028】 また、挟持部10と係止部20との距離を長く調整する場合は、図6(a)に 示すように、一方の突出部36aが第一の規制溝41の内部端縁に当接する状態 まで移動させることができるのである。この場合は、当然に連結基部31の先端 部31aが挟持受部11,12の表面よりも後方に配置されることとなるのであ る。従って、上記のように、押圧部17の湾曲部を使用する必要がない。しかし ながら、図6(b)に示すように、押圧部17の湾曲部を外向きにして挟持受部 11,12に装着することが可能である。この場合、挟持受部11,12の表面 と押圧部17との中間には、荷籠102の後方の側面部103を構成する線材1 06,107が配置されることとなるため(図1)、上記のように押圧部17を 装着したとしても、湾曲部の外側が連結基部31に接触することはないのである 。そして、上記の線材106,107の中間に上記湾曲部の外側部分を配置させ ることにより、この湾曲部外側表面を線材106,107の内側に当接させるこ ととなり、挟持部10による挟持の際に荷籠102の後方の側面部103が左右 方向へ移動するのを抑制するという効果をも奏することとなるものである。
【0029】 次に、他の実施形態について説明する。本実施形態では、図7に示すように、 単一の当接部132に挟持受部111を貼着したものであり、この当接部132 の対向する位置に雌ねじ138,139を螺刻した雌ねじ部133を配置したも のである。この雌ねじ部133は、一枚の板状部材の二個所に雌ねじを刻設した ものであるが、個々の雄ねじ部136,137に螺合する雌ねじ部133を個別 に構成することも可能である。そして、雌ねじ部133を個別に構成する場合、 図示される雌ねじ部133は、二個のナットによって代用することができる。こ のような形態は、前述の実施形態においても採用することができる。
【0030】 即ち、固定手段を構成する雌ねじ部38,39は、他方の当接部33に雌ねじ を刻設したものであるが(図2参照)、図8に示すように、他方の当接部233 には、雄ねじ部236,237を貫挿させることのできる貫通孔238a,23 9aを設け、さらに、この他方の当接部233の表面側に、ナット238b,2 39bを配置することにより、両当接部232,233および連結基部231を 貫通させた雄ねじ部236,237にナット238b,239bを螺合させるこ とができる。上記のような構成により、上記両当接部232,233の中間に連 結基部231を挟んだ状態で固定することが可能となる。この場合、雄ねじ部2 36,237と、ナット238b,239bとによって、固定手段が構成される こととなるのである。そして、上記固定手段にあっては、図示のように、当接部 232,233の表面に座金を配置すれば、雄ねじ部236,237およびナッ ト238b,239bによる締め付け力を十分に反映させることが可能となる。
【0031】 なお、図7における挟持受部111は、平面的な構成となっているが、既述の とおり、連結基部131の位置が調整される際の状態に対応すべく、押圧部11 7と同様に、挟持受部111のほぼ中央を押圧部117に向けて突出するように 湾曲させてなる構成とすることが可能である。この場合、連結基部131が挟持 受部111に向かって突出するような位置関係にある状態(図5参照)とするこ とができるものである。
【0032】 本考案の実施形態は、以上のとおりであるが、本考案の趣旨を逸脱しない範囲 において種々の態様をとることができる。例えば、係止部20に連続して設けら れる連結基部31は、二枚の板状部材51,52を固着して構成することができ る。この場合、図9に示すように、二枚の板状部材51,52を湾曲させておき 、この板状部材51,52を接着したとき、当該湾曲部が、U字形を形成して係 止部本体22を構成できるようにするのである。そして、上記のような二枚の板 状部材51,52の接着は、部分的なスポット溶接によって行うことができる。
【0033】 また、上記の各実施形態における第一および第二の規制溝41,42は、連続 して設けられた構成としており、第二の規制溝42が第一の規制溝41よりも幅 広に構成したもののみを示したが、上記両規制溝41,42は分離して構成する ものでもよく、また、この両規制溝41,42によって突出部36a,37aを 規制する方向または範囲を変更することにより、当接部32,33が揺動できる 態様を変化させることができる。そして、上記実施形態における第一の規制溝4 1を第二の規制溝42よりも幅広に構成し、他方の突出部27aが第二の規制溝 42において長手方向へのみ移動可能とし、一方の突出部26aについては、第 一の規制溝41において長手方向および短手方向への移動を許容する構成として も、上記の実施形態と同様の作用を得ることができる。
【0034】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案によれば、ハンドルに掛止した荷籠とハンドル軸との間 で形成される間隔が、自転車または荷籠の種類等によって異なる場合であっても 、規制溝によって許容される範囲内で、係止部と挟持部との長さを調整すること ができるため、荷籠の支持に必要な所定の距離に調整することが可能となる。ま た、異なる二種類の規制溝のうち、一方を他方よりも幅広に構成すれば、幅広の 規制溝内における突出部は、当該規制溝の長手方向および短手方向への移動が許 容されるため、挟持部に連続する当接部を揺動させることとなり、荷籠とハンド ル軸との間に形成される角度に対応するように支持角度を調整できる。従って、 単一の支持装置によって異なる状況に対応することができるのである。
【0035】 また、荷籠を挟持する挟持部と、ハンドル軸に係止する係止部との連結は、連 結基部を雄ねじ部によって締め付けることによってなされるので、上記距離およ び角度の調整は非常に簡単である。そして、このような調整が簡単であることか ら、携帯用の荷籠、即ち、取り付けおよび取り外しを頻繁に行う荷籠を使用する 場合であっても、その装着が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の荷籠を装着した状態を示す説明図で
ある。
【図2】実施形態の構造を示す説明図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】使用態様を示す説明図である。
【図5】使用態様を示す説明図である。
【図6】使用態様を示す説明図である。
【図7】他の実施形態を示す説明図である。
【図8】他の実施形態を示す説明図である。
【図9】他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 支持装置 10 挟持部 11,12,111 挟持受部 17 押圧部 20 係止部 21 ハンドル軸当接面 22 係止部本体 25 ストッパ 30 連結部 31 連結基部 32,33,132 当接部 36,37,136,137,236,237 雄ねじ
部 36a,37a 突出部 38,39,138,139 雌ねじ 41,42 規制部(長溝) 43,44 貫通孔 133,233 雌ねじ部 238a,239a 貫通孔 238b,239b ナット

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンド
    ル軸を係止する係止部と、この係止部に上記挟持部を連
    結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠の支持装置に
    おいて、上記連結部は、上記係止部に連続して突設され
    た板状の連結基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結
    基部の表面に当接する当接部と、この当接部を上記連結
    基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とからな
    り、上記連結基部は、異なる二種類の規制溝を有し、上
    記当接部は、上記両規制溝内に個別に突出する突出部を
    有してなることを特徴とする自転車用荷籠の支持装置。
  2. 【請求項2】 前記二種類の規制溝は、前記連結基部に
    貫設されてなる長穴で構成された規制部であり、前記突
    出部は、当接部を所定の位置で貫通し、かつ上記長穴を
    貫通して設けられる軸部材により構成される突出部であ
    る請求項1記載の自転車用荷籠の支持装置。
  3. 【請求項3】 前記固定手段は、雌ねじが刻設されてな
    る雌ねじ部と、この雌ねじ部に螺合する雄ねじ部とを有
    する固定手段であり、上記雄ねじ部が、前記当接部およ
    び連結基部の長穴を貫通しつつ上記雌ねじ部に螺合する
    ことによって、該当接部を連結基部に固定させてなる請
    求項2記載の自転車用荷籠の支持装置。
  4. 【請求項4】 荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンド
    ル軸を係止する係止部と、この係止部に上記挟持部を連
    結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠の支持装置に
    おいて、上記連結部は、上記係止部に連続して突設され
    た板状の連結基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結
    基部の表面に当接する当接部と、この当接部を上記連結
    基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とからな
    り、上記連結基部は、異なる二種類の長穴で構成される
    二種類の規制溝を有し、上記当接部は、該当接部を上記
    連結基部に当接させるとき上記両規制溝に重なるように
    設けられた貫通孔を有し、上記固定手段は、上記当接部
    の貫通孔および上記規制溝を貫挿する雄ねじ部と、上記
    連結基部を中間にして上記当接部の反対側に配置される
    雌ねじ部とを有してなることを特徴とする自転車用荷籠
    の支持装置。
  5. 【請求項5】 荷籠の一部を挟持する挟持部と、ハンド
    ル軸を係止する係止部と、この係止部に上記挟持部を連
    結する連結部とを備えてなる自転車用荷籠の支持装置に
    おいて、上記連結部は、上記係止部に連続して突設され
    た板状の連結基部と、上記挟持部に連続しつつ上記連結
    基部の両面に当接する二つの当接部と、この当接部を上
    記連結基部の表面に当接させつつ固定する固定手段とか
    らなり、上記連結基部は、異なる二種類の長穴で構成さ
    れる二種類の規制溝を有し、上記当接部の一方は、該当
    接部を上記連結基部に当接するとき上記両規制溝に重な
    るように設けられた貫通孔を有し、上記当接部の他方
    は、上記貫通孔に対向する位置に雌ねじが刻設されてな
    る雌ねじ部を有し、上記固定手段は、上記当接部の一方
    に貫設された貫通孔および上記規制溝を貫挿するととも
    に、上記当接部の他方に設けられた雌ねじ部に螺合する
    雄ねじ部で構成されてなることを特徴とする自転車用荷
    籠の支持装置。
  6. 【請求項6】 前記連結基部は、前記係止部をハンドル
    軸に係止したとき、平面部がほぼ鉛直方向となる板状の
    連結基部であり、前記二種類の規制部は、連続する一つ
    の長穴で構成されてなる規制部であって、上記両規制部
    のいずれか一方は他方に比較して幅広に構成されてなる
    請求項1ないし5のいずれかに記載の自転車用荷籠の支
    持装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007237758A (ja) * 2006-03-03 2007-09-20 Koji Uno 自転車の前カゴ用片持ち接続装置
JP2011247691A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Riken Keiki Co Ltd 自転車装着型ガス漏洩検査装置
JP2019038530A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 服部 元信 自転車の前かご取付け用ブラケット

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