JP3091692B2 - 濾布固定式フィルタープレス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥等を濾過する
ための濾布固定式フィルタープレスの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種濾布固定式フィルタープレ
スとしては、例えば特開平2-191513号公報所載の発明が
存在する。

【０００３】即ち、この従来のフィルタープレスは、濾
板の配列方向に走行自在な走行体に濾布を洗浄するため
の洗浄装置を設けたものであり、かかる洗浄装置は伸縮
自在なパンタグラフ機構の下端部に多数のノズルを備え
た洗浄管と、該洗浄管に接続され且つ前記走行体に内装
した巻取装置により巻取可能なホースと、該ホースに洗
浄水を供給する洗浄配管とから構成されている。

【０００４】そして、濾過工程が終了すると、濾板が開
枠されて各濾布に付着した脱水ケーキを落下させた後、
洗浄装置により濾布の洗浄が順次行われるのであるが、
この場合は先ず濾板の下方位置に洗浄水を受けるべく開
閉自在に設けた受皿を閉鎖した後、濾板の上方位置に収
納状態にある洗浄装置を使用して濾布が洗浄される。

【０００５】即ち、洗浄装置の巻取装置によりホースを
介して洗浄管を昇降させながら、洗浄配管，ホース及び
洗浄管を介して洗浄水をノズルから噴射させて濾布の洗
浄が行われ、洗浄装置は再び濾板の上方位置に収納され
る。そして、全ての濾布の洗浄が終了した時点で、濾過
工程が再び開始されることになる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
フィルタープレスにあっては、濾布の洗浄後に洗浄装置
の洗浄配管，ホース及び洗浄管等には洗浄水が残存する
ことになるため、かかる洗浄水が暫くの間ノズルから流
出するという事態が生じる。

【０００７】従って、次の濾過工程終了後に行われる付
着ケーキの除去時には、前記受皿は開放されるので、上
記の如くノズルから流出する洗浄水が除去した脱水ケー
キの上に落下して、その含水率に変動を与えてしまうと
いう問題点があった。

【０００８】それ故に、本発明は上記従来の問題点を解
決するためになされたものであり、洗浄工程終了後に洗
浄装置内に残存した洗浄水を確実に外部に排出すること
により、該洗浄水が脱水ケーキ上に落下することを防止
して、該脱水ケーキの含水率を維持せんとすることを課
題する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】即ち、上記課題を解決す
るために本発明が採った手段は、接離自在な複数の濾板
１間に濾布３が配されると共に、該濾布３を洗浄するた
めの洗浄装置13を有してなる濾布固定式フィルタープレ
スに於いて、洗浄水が流通する前記洗浄装置13の洗浄配
管19に気体供給手段が設けられてなる点にある。

【００１０】従って、上記発明特定事項からなるフィル
タープレスにあっては、濾過工程の終了後に濾板１が離
間されて開枠されると、該濾板１間に配された濾布３に
付着した脱水ケーキは落下除去される。

【００１１】そして、洗浄装置13により洗浄水が濾布３
に噴射されてその洗浄が終了した時点で、気体供給手段
により洗浄配管19に気体を供給すると、洗浄装置13内に
残存する洗浄水が外部に排出されることとなる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面に従って説明する。

【００１３】図１及び図２に於いて、１は水平方向に移
動自在に対向配備された複数の濾板を示し、隣合う各濾
板１は夫々山型のリンク機構２により接続され、相互に
接離可能に構成されている。３は各濾板１間に配設した
一対の濾布を示し、４は濾布３を吊下すべくその上端に
取付けたステンレス製の濾布吊り棒を示す。

【００１４】５は濾布吊り棒４を吊下するためにその両
端に取付けた振動バネで、該振動バネ５の他端部は前記
リンク機構２の軸2aに取着されている。

【００１５】６は前記濾板１の上方位置に配設した一対
のガイドレールを示し、Ｉ形鋼からなる。７はガイドレ
ール６に係合する転動自在な複数の車輪８を具備した走
行体であり、該走行体７に内蔵された電動機（図示せ
ず）により車輪８が駆動されて前記ガイドレール６に沿
って走行するように構成されている。

【００１６】９は前記濾布吊り棒４を叩打して衝撃を与
えるべく、該濾布吊り棒４の上方位置に配設したケーキ
除去手段としての振動体を示し、該振動体９は前記走行
体７に内蔵されたエアシリンダ（図示せず）により上下
方向に往復動しうるように構成されてなる。

【００１７】10は前記エアシリンダにエアを供給するた
めのエア配管で、その端部は走行体７の上面に設けたフ
レーム11に固定されて、濾板１の上方位置に配される可
撓性を有するチューブ12に接続されてなる。

【００１８】13は上端部が走行体７内に取付けられ且つ
複数のノズル22を有する洗浄管14が下端部に固定された
伸縮自在なパンタグラフ機構15と、洗浄管14の両端部に
夫々接続されて洗浄水を供給する一対のホース16と、該
ホース16を巻取可能な一対のドラム17が両端部に固定さ
れ且つ各ホース16の端部が接続される連結パイプ18と、
該連結パイプ18に洗浄水を供給するための洗浄配管19と
からなる洗浄装置で、洗浄配管19には自動ボール弁20が
設けられ、且つその端部は前記フレーム11に固定され
て、濾板１の上方位置に配される可撓性を有するゴムホ
ース21に接続されており、また前記ドラム17は電動機等
の駆動手段により回転駆動される。

【００１９】23はエア配管10を分岐させて洗浄配管19に
接続されたエア供給管で、自動ボール弁24を有してな
る。

【００２０】図２中、25は落下する洗浄水を受けて外部
に排出すべく濾板１の下方位置に配された受皿を示し、
中央で開閉しうるように構成されている。

【００２１】本実施形態は以上のような構成からなる
が、かかる濾布固定式フィルタープレスによる濾過工程
が終了すると、濾布３に付着したケーキの除去洗浄工程
が次のようにして行われる。

【００２２】先ず、図１の如く最端部の濾板1aと隣合う
濾板1bとが離間されると、電動機が始動して走行体７が
走行を開始し、前記開枠された濾板1a,1b の上方位置で
停止する。

【００２３】次に、濾布３に付着したケーキを除去すべ
く、チューブ12，エア供給管10からエアがエアシリンダ
に供給すると、該シリンダにより振動体９が上下方向に
往復動されて濾布吊り棒４が叩打される。これにより、
該濾布吊り棒４を介して濾布３に振動が与えられ、付着
したケーキが除去されて下方に落下することとなる。こ
のようにして、全ての濾布３についてケーキの除去が順
次行われるが、かかるケーキの除去工程中は、前記受皿
25は開放状態にある。

【００２４】次に、図２の二点鎖線に示すように受皿25
を閉鎖した後、走行体７を走行させて各濾布３を洗浄装
置13により洗浄するのであるが、この場合は駆動手段に
よりドラム17を回転駆動せしめ、ホース16を介してパン
タグラフ機構15を伸縮させ、洗浄管14の昇降時に濾布３
の洗浄を行う。即ち、ゴムホース21，洗浄配管19から洗
浄水を連結パイプ18に供給し、ホース16，洗浄管14を介
してそのノズル22から濾布３に洗浄水を噴射させてその
洗浄を行うのである。

【００２５】そして、かかる洗浄後に洗浄水の洗浄装置
13への供給は停止され、洗浄装置13は図２の二点鎖線で
示す如く濾板１の上方位置に収納される。このようにし
て、全ての濾布３が洗浄されるのであるが、該洗浄装置
13内には洗浄水が残存することになる。

【００２６】その後、自動ボール弁24を切換えてエア配
管10からエア供給管23を介して洗浄配管19にエアを供給
すると、該洗浄配管19，連結パイプ18，ホース16，洗浄
管14内に残存した洗浄水はノズル22から流出して受皿25
上に排出されることになる。

【００２７】而して、濾布３の洗浄工程終了後に於い
て、洗浄装置13内に残存した洗浄水は外部に排出されて
いるので、洗浄装置13から洗浄水が落下するようなこと
はない。従って、その後濾布３の付着ケーキを除去すべ
く受皿25が開放されても、濾布３から除去されて落下し
た脱水ケーキの含水率に変動を与えることもなく、これ
を維持することができるのである。

【００２８】また、かかる残存した洗浄水の排出は、エ
ア配管10から分岐したエア供給管23にて行うものである
ため、全体の構成を複雑化せしめるということはない。

【００２９】さらに、洗浄装置13からの洗浄水の排出は
非常に簡易且つ迅速に行えるので、一連の除去洗浄工程
の作業効率に支障を与えることもない。

【００３０】尚、上記実施形態に於いては、濾布３に付
着するケーキの除去手段として、振動体９を採用してな
るが、かかる除去手段は必ずしも設けなくてもよく、必
要に応じて設ければよい。

【００３１】また、上記実施形態では、エア配管10を洗
浄装置13の洗浄配管19へのエア供給手段としたが、かか
るエア配管10とは異なる別のエア供給手段を設け、これ
により前記洗浄配管10にエアを供給しても構わない。

【００３２】さらに、洗浄配管10に供給すべき気体は上
記実施形態の如きエアに限定されず、他の気体を供給し
てもよく、具体的な気体の種類は問わない。

【００３３】また、洗浄装置13やその他フィルタープレ
スの各部の具体的な構成も本発明の意図する範囲内に於
いて任意に設計変更自在である。

【００３４】

【発明の効果】叙上の様に、本発明は洗浄配管に気体供
給手段を設けてなるために、洗浄装置内に残存した洗浄
水をかかる気体供給手段により外部に排出することが可
能となる。

【００３５】従って、濾布の洗浄後に洗浄装置から洗浄
水を排出しておくことにより、従来の如く残存した洗浄
水が除去後の脱水ケーキ上に落下して、その含水率に変
動を与えるようなことはなく、これを良好に維持できる
という格別の効果を得るに至った。

【００３６】また、請求項２のように洗浄装置への気体
供給手段を、振動体の駆動源としてのエアシリンダにエ
アを供給するエア配管から分岐したエア供給管で構成す
ることにより、全体の構成が非常に簡易なものとなり、
前記エア配管の有効利用が図れるという特有の効果を奏
することになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すフィルタープレスの
側面図。

【図２】同正面図。

【符号の説明】

１…濾板 ３…濾布 ４…濾布吊り棒 ９…振動体 10…エア配管 13…洗浄装置 19…洗浄配管 23…エア供給管

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接離自在な複数の濾板(1) 間に濾布(3)
   が配されると共に、該濾布(3) を洗浄するための洗浄装
   置(13)を有してなる濾布固定式フィルタープレスに於い
   て、洗浄水が流通する前記洗浄装置(13)の洗浄配管(19)
   に気体供給手段が設けられてなることを特徴とする濾布
   固定式フィルタープレス。
2. 【請求項２】 前記濾布(3) が吊下される濾布吊り棒
   (4) を叩打可能な振動体(9) がエアシリンダにより駆動
   され、且つ該エアシリンダにエアを供給するエア配管(1
   0)から分岐したエア供給管(23)を気体供給手段としてな
   る請求項１記載の濾布固定式フィルタープレス。