JP3091263U - 火薬を使わないクラッカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は安価で安全に使用することのできる火
薬を使わないクラッカーを新規に提供することを目的と
するものである。 【構成】本考案は逆止弁付の注入用の短筒を有してエア
ーを充填しておいて握り潰しを可能とする中空体と、該
中空体の上端に中空体の握り潰しに伴うエアー圧にて破
裂音を発しながらクラッカー素子を吹出し散乱させるク
ラッカー素子置き入れ用のＶ形折込部と、該Ｖ形折込部
の上端を合わせ仮止めする仮止体とからなることを特徴
とする火薬を使わないクラッカーにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

この考案は火薬を使わないクラッカーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

パーティーなどで鳴らして楽しむクラッカーは従来火薬詰めをした円錐形状の ものに作られていて、底から出ている紐を引くことにより着火した火薬の爆発に て色付き小紙片や色付きテープなどのクラッカー素子を飛ばし散乱させるものが 一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、火薬入りのクラッカーは爆発音が大きすぎたり、火薬の燃えた 臭いがいつまでも残って嫌がられたりしており、また火薬の使用によって高価と なるほか、紐引きによる着火不発も意外に多く、さらに爆発圧が手持ち方向に向 いたりする不良事故もしばしば起るという課題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は逆止弁付の注入用の短筒を有してエアーを充填しておいて握り潰しを 可能とする中空体と、該中空体の上端に中空体の握り潰しに伴うエアー圧にて破 裂音を発しながらクラッカー素子を吹出し散乱させるクラッカー素子置き入れ用 のＶ形折込部と、該Ｖ形折込部の上端を合わせ仮止めする仮止体とからなり、エ アーを充填した中空体の握り潰しによるエアー圧にて仮止体の仮止めを解いたと きに一気に上外方に膨出するＶ形折込部に押出されたクラッカー素子を空中に飛 出し散乱させるとともに中空体の破裂による適度のクラッカー音を発するように して、かかる課題を解決するようにしたものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

柔軟な合成樹脂フィルム２枚の張合わせにて図２（ａ）に示すように上広下狭 形の有底筒体１とその上部にＶ形折込部２を一体にして形成し、Ｖ形折込部２を 図２（ｂ）乃至（ｃ）に示すように有底筒体１内に折り入れる。３はエアー注入 用の短筒で、一端を折り入れしたＶ形折込部２から上方に突出し、他端を取付部 を兼ねたエアーの逆止弁４を経て中空体１内に連通している。

【０００６】 中空体１内に折り入れたＶ形折込部２の上端を拡げて、図２（d）に示すよう に多種の色付紙を細かく刻んで混ぜたものや散乱可能に巻付けたテープなどにて 作るクラッカー素子５を置き入れ、次いで図２（e）乃至(f)に示すように切れや すいように中央に切線６ａを付した接着テープなどの仮止体６で上端の合わせ端 縁を仮止めするのである。このように形成したクラッカー７は図に示すように非 常に扁平な体をなし、従来の円錐形状のものに較べて保管や販売の為の陳列に場 所をとらないものとなる。なお仮止体は切れやすい紙テープとしたり、弱い接着 剤や軽い溶着にかえてもよい。

【０００７】 クラッカー７を使用する際は、図３（ａ）乃至（ｃ）に示すように短筒３より 中空体１内にエアーを注入して膨らませておいてから、図４に示すように手で持 って握り潰すのである。すると図５に示すように握り潰しのエアー圧にてＶ形折 込部２の上端の仮止体６が切線６ａより切れて拡がるとＶ形折込部２が上方に一 気に勢いよく飛び出すを以って内部に収容していたクラッカー素子５を空中の広 範囲に吹上げ散乱させることとなる。また握り潰しのエアー圧の余勢によりほと んど同時にＶ形折込部２を含む中空体１の一部が破裂して適度で心地よいクラッ カー音を発するのである。

【０００８】 図６はクラッカー素子を巻締めテープ５ａのみで形成した例を示すもので、巻 締めテープ５ａの一端をＶ形折込部２の内面に貼着しておくのである。かくする ことによって前記の通り握り潰しのエアー圧によって巻締めテープ５ａは図６（ ｂ）に示すように勢いよく飛出し拡散するも一端をＶ形折込部２の内面に貼着し ているために床などに落ちることなく素早く回収して後かたづけを容易に行うこ とができることとなる。

【０００９】 なお図示してないが、構造を同じくして両手で握り潰しするようなやや大きめ のクラッカー７を形成することもある。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成したので、安全且つ安価にてしかも火薬臭を残すこ となくクラッカーを破裂させて楽しむことができるという効果を生ずる。

【００１１】 逆止弁付のエアー注入用短筒を有して使用の際にエアーを充填するまでは扁平 形状にて保管することができるので、搬送や陳列に利便があるほかポケットなど に入れておいても全く邪魔にならないという効果を生ずる。

【００１２】 クラッカー素子を巻締めテープにして一端を収容部の内面に貼着するときは、 飛び出したテープがむやみに散乱することなく素早く後かたづけをすることがで きるという効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のクラッカーの実施例を示す正面図

【図２】 クラッカーの製造過程を示すもので、（ａ）
は中空体体およびＶ形折込部の形成例正面図、（ｂ）は
同、Ｖ形折込部を中空体の上部内に折り入れつつある側
断面図、（ｃ）は折り入れた状態の正面図、（d）はＶ
形折込部内にクラッカー素子を収容しつつある状態を示
す側断面図、（e）乃至(f)は仮止体により上端合わせ部
を塞ぐ状態を示す側断面図

【図３】 使用の際の準備を示す説明図で、（ａ）はエ
アー注入時の正面図、（ｂ）はエアーが注入された状態
の正面図、（ｃ）は同、側断面図

【図４】 エアーを充填したクラッカーを手に持った状
態を示す正面図

【図５】 （ａ）は中空体に握り潰し圧力が加えられた
状態を説明する側断面図、（ｂ）は仮止体が切れてＶ形
折込部の合わせ上端が拡がる瞬間を示す側断面図、
（ｃ）はＶ形折込部が外上方に一気に押し出されてクラ
ッカー素子が空中に飛出し散乱した状態を示す側断面図

【図６】 クラッカー素子を一端をＶ形折込部内に貼着
した巻締めテープのみにて形成した例を示す正面図、
（ｂ）は握り潰し圧による押出しにて巻締めテープが解
き拡がった状態を示す側断面図

【符号の説明】

１は中空体 ２はＶ形折込部 ３はエアー注入用の短筒 ４は取付部兼用の逆止弁 ５はクラッカー素子 ５ａは巻締めテープ ６は仮止体 ６ａは切線 ７はクラッカー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 逆止弁付の注入用の短筒を有してエアー
   を充填しておいて握り潰しを可能とする中空体と、該中
   空体の上端に中空体の握り潰しに伴うエアー圧にて破裂
   音を発しながらクラッカー素子を吹出し散乱させるクラ
   ッカー素子置き入れ用のＶ形折込部と、該Ｖ形折込部の
   上端を合わせ仮止めする仮止体とからなることを特徴と
   する火薬を使わないクラッカー。
2. 【請求項２】 クラッカー素子を巻締めテープとし、該
   巻締めテープの一端をＶ形折込部に貼着した請求項１に
   記載の火薬を使わないクラッカー。