JP3090980B2 - 肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤 - Google Patents
肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝細胞の増殖を促進す
る薬剤、および肝障害を防止する薬剤に関するものであ
る。
る薬剤、および肝障害を防止する薬剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】肝細胞増殖促進剤としては従来インスリ
ン、PDGF、EGF、コラーゲン等が、また肝保護剤
としてはビタミンEが知られている。一方、生薬として
知られている甘草の有効成分であるグリチルリチンは古
くから抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー等の様々な薬理作
用を示すほか、肝障害を治癒させる作用もあることが知
られている。グリチルリチンから得られるグリチルレチ
ンその他の誘導体の幾つかはグリチルリチン同様の薬理
作用を示し、化合物によっては独特の薬理作用を示すこ
ともある。しかしながら、11-デオキソグリチルリチン
酸が肝細胞増殖促進あるいは肝障害の防止に有用である
ことは報告されていない。
ン、PDGF、EGF、コラーゲン等が、また肝保護剤
としてはビタミンEが知られている。一方、生薬として
知られている甘草の有効成分であるグリチルリチンは古
くから抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー等の様々な薬理作
用を示すほか、肝障害を治癒させる作用もあることが知
られている。グリチルリチンから得られるグリチルレチ
ンその他の誘導体の幾つかはグリチルリチン同様の薬理
作用を示し、化合物によっては独特の薬理作用を示すこ
ともある。しかしながら、11-デオキソグリチルリチン
酸が肝細胞増殖促進あるいは肝障害の防止に有用である
ことは報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グリ
チルリチン誘導体の中から新規な肝細胞増殖促進剤およ
び肝障害防止剤を提供することにある。
チルリチン誘導体の中から新規な肝細胞増殖促進剤およ
び肝障害防止剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、11-デオキソ
グリチルリチン酸またはその水溶性塩を有効成分として
含有する新規な肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤を
提供するものである。
グリチルリチン酸またはその水溶性塩を有効成分として
含有する新規な肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤を
提供するものである。
【0005】
【作用】11-デオキソグリチルリチン酸またはその水溶
性塩(以下、これらをのすべてを含む意味で11-デオキ
ソグリチルリチンということがある)は、微量ではある
が甘草中に含有されている天然物質であって、甘草から
グリチルリチンを抽出する際にグリチルリチンと共に抽
出されて来る。副作用の少ない薬剤としての利用が期待
されていたが、その薬理作用はあまり研究されていな
い。勿論、肝細胞や肝機能に対する作用に関しては未知
であった。成熟した健康な動物では、肝細胞はほとんど
増殖することのない静止状態にあるが、組織に障害が生
じて細胞の壊死、脱落が起こった場合は急速に増殖を開
始し、現状に回復しようとする。この肝細胞増殖は、一
般に30〜40時間後に最も活発になり、その後減少し
て行く。それによる肝細胞の機能回復は、通常、肝細胞
の蛋白合成能および肝細胞の蛋白含量で確認することが
できる。ラットに実験的に肝障害を生じさせたのち11-
デオキソグリチルリチンを投与すると、11-デオキソグ
リチルリチンを投与しない場合よりも著しい蛋白合成能
の向上や肝細胞内蛋白含量の増加が認められる。したが
って、11-デオキソグリチルリチンは肝細胞の回復を顕
著に促進する作用を有することが分かる。
性塩(以下、これらをのすべてを含む意味で11-デオキ
ソグリチルリチンということがある)は、微量ではある
が甘草中に含有されている天然物質であって、甘草から
グリチルリチンを抽出する際にグリチルリチンと共に抽
出されて来る。副作用の少ない薬剤としての利用が期待
されていたが、その薬理作用はあまり研究されていな
い。勿論、肝細胞や肝機能に対する作用に関しては未知
であった。成熟した健康な動物では、肝細胞はほとんど
増殖することのない静止状態にあるが、組織に障害が生
じて細胞の壊死、脱落が起こった場合は急速に増殖を開
始し、現状に回復しようとする。この肝細胞増殖は、一
般に30〜40時間後に最も活発になり、その後減少し
て行く。それによる肝細胞の機能回復は、通常、肝細胞
の蛋白合成能および肝細胞の蛋白含量で確認することが
できる。ラットに実験的に肝障害を生じさせたのち11-
デオキソグリチルリチンを投与すると、11-デオキソグ
リチルリチンを投与しない場合よりも著しい蛋白合成能
の向上や肝細胞内蛋白含量の増加が認められる。したが
って、11-デオキソグリチルリチンは肝細胞の回復を顕
著に促進する作用を有することが分かる。
【0006】また、肝細胞を構成する肝実質細胞を染色
体レベルで見ると4倍体細胞が全肝細胞の2/3、2倍
体細胞が1/3を占めているが、四塩化炭素処理を行う
と、選択的に4倍体細胞の脱落が起きる。この脱落は、
通常四塩化炭素投与の約7時間後から生じる。ところ
が、ラットに四塩化炭素を皮下投与し、その2時間後に
11-デオキソグリチルリチンを投与すると、4倍体細胞
の脱落は完全に防止される。このことから、11-デオキ
ソグリチルリチンは優れた肝障害防止作用を有すること
が分かる。11-デオキソグリチルリチンは上述のように
甘草抽出物に含まれている天然物質であり、しかも甘草
抽出物は古くから調味料や医薬品原料として利用されて
来たものであるから、11-デオキソグリチルリチンの毒
性は、あったとしても極めて低いものと推察される。
体レベルで見ると4倍体細胞が全肝細胞の2/3、2倍
体細胞が1/3を占めているが、四塩化炭素処理を行う
と、選択的に4倍体細胞の脱落が起きる。この脱落は、
通常四塩化炭素投与の約7時間後から生じる。ところ
が、ラットに四塩化炭素を皮下投与し、その2時間後に
11-デオキソグリチルリチンを投与すると、4倍体細胞
の脱落は完全に防止される。このことから、11-デオキ
ソグリチルリチンは優れた肝障害防止作用を有すること
が分かる。11-デオキソグリチルリチンは上述のように
甘草抽出物に含まれている天然物質であり、しかも甘草
抽出物は古くから調味料や医薬品原料として利用されて
来たものであるから、11-デオキソグリチルリチンの毒
性は、あったとしても極めて低いものと推察される。
【0007】本発明の肝細胞増殖促進剤および肝障害防
止剤に用いる11-デオキソグリチルリチンは、特開昭6
0−38392号公報に記載されている製造法によって
グリチルリチンから容易に製造することができる。すな
わち、ジオキサン、テトラハイドロフラン、アセトン等
にグリチルリチンを溶解し、得られたグリチルリチン溶
液中で亜鉛アマルガムと塩酸を反応させ、発生する水素
で溶液中のグリチルリチンを還元すると、11-デオキソ
グリチルリチン酸が得られる。これをアルカリ金属水酸
化物、アンモニア水等で中和すれば11-デオキソグリチ
ルリチン酸塩を得ることができる。本発明の薬剤に使用
可能な11-デオキソグリチルリチン酸水溶性塩の好まし
い例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩、アンモニウム塩などがある。
止剤に用いる11-デオキソグリチルリチンは、特開昭6
0−38392号公報に記載されている製造法によって
グリチルリチンから容易に製造することができる。すな
わち、ジオキサン、テトラハイドロフラン、アセトン等
にグリチルリチンを溶解し、得られたグリチルリチン溶
液中で亜鉛アマルガムと塩酸を反応させ、発生する水素
で溶液中のグリチルリチンを還元すると、11-デオキソ
グリチルリチン酸が得られる。これをアルカリ金属水酸
化物、アンモニア水等で中和すれば11-デオキソグリチ
ルリチン酸塩を得ることができる。本発明の薬剤に使用
可能な11-デオキソグリチルリチン酸水溶性塩の好まし
い例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩、アンモニウム塩などがある。
【0008】肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤とし
ての11-デオキソグリチルリチンは、経口投与するほ
か、座剤もしくは注射剤等の非経口投与の形で用いるこ
ともできる。製剤化は、11-デオキソグリチルリチン単
独で、あるいはビタミン、ホルモン、酵素その他の肝障
害治療に有効な物質と共に、必要に応じて任意の賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、安定剤等を用い
て、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤等に
することができる。好適投与量は症状、年齢等によって
異なるが、通常、経口投与する場合で約5〜500mg/
日、注射の場合で約0.5〜50mg/日 である。
ての11-デオキソグリチルリチンは、経口投与するほ
か、座剤もしくは注射剤等の非経口投与の形で用いるこ
ともできる。製剤化は、11-デオキソグリチルリチン単
独で、あるいはビタミン、ホルモン、酵素その他の肝障
害治療に有効な物質と共に、必要に応じて任意の賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、安定剤等を用い
て、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤等に
することができる。好適投与量は症状、年齢等によって
異なるが、通常、経口投与する場合で約5〜500mg/
日、注射の場合で約0.5〜50mg/日 である。
【0009】
実施例1:急性四塩化炭素肝障害時における肝細胞蛋白
合成阻害に対する11-デオキソグリチルリチンの効果 24時間絶食させた6週令ラット(ウィスター系;雄)
の背部に20w/v%四塩化炭素・オリーブ油溶液を2.5
ml/kg皮下投与し、2時間後にグリチルリチン酸または1
1-デオキソグリチルリチン酸を200mg/kg、腹腔内投
与した。対照群には生理食塩水のみを投与した。さらに
2時間後、コラーゲナーゼ還流法により肝細胞を遊離さ
せ、細胞生存率を測定した。その後、遊離肝細胞を組織
培養用ディッシュ(直径35mm)に1×104個/ディ
ッシュ の割合で散布し(1試料60ディッシュ)、W
E培地各1mlを加えて5%二酸化炭素インキュベーター
内で培養を開始した。培地交換は培養開始4時間後に行
なった。1群3ディッシュとし、20時間後、40時間
後、および60時間後の各時点で3H-ロイシン(2μCi/m
l,Amersham,70Ci/mmol)を加えて蛋白合成能を調べた。
この場合、3H-ロイシンを投与する2時間前に、培地をL
eu- Dalecco's modifiedEagle medium(10%FBS,0.001
%Insulin)に変換しておいた。2時間のインキュベー
ションの後、一部を蛋白定量およびサイトフローメトリ
ー用にそれぞれ分取した。残分画は0.4%SDS 100μl
に溶解し、10%TCA-0.1Mピロリン酸塩にて沈殿させた
のちフィルタートラップし、放射カウントを測定した。
蛋白定量はBio-Rad Protein Assey法に従って行なっ
た。
合成阻害に対する11-デオキソグリチルリチンの効果 24時間絶食させた6週令ラット(ウィスター系;雄)
の背部に20w/v%四塩化炭素・オリーブ油溶液を2.5
ml/kg皮下投与し、2時間後にグリチルリチン酸または1
1-デオキソグリチルリチン酸を200mg/kg、腹腔内投
与した。対照群には生理食塩水のみを投与した。さらに
2時間後、コラーゲナーゼ還流法により肝細胞を遊離さ
せ、細胞生存率を測定した。その後、遊離肝細胞を組織
培養用ディッシュ(直径35mm)に1×104個/ディ
ッシュ の割合で散布し(1試料60ディッシュ)、W
E培地各1mlを加えて5%二酸化炭素インキュベーター
内で培養を開始した。培地交換は培養開始4時間後に行
なった。1群3ディッシュとし、20時間後、40時間
後、および60時間後の各時点で3H-ロイシン(2μCi/m
l,Amersham,70Ci/mmol)を加えて蛋白合成能を調べた。
この場合、3H-ロイシンを投与する2時間前に、培地をL
eu- Dalecco's modifiedEagle medium(10%FBS,0.001
%Insulin)に変換しておいた。2時間のインキュベー
ションの後、一部を蛋白定量およびサイトフローメトリ
ー用にそれぞれ分取した。残分画は0.4%SDS 100μl
に溶解し、10%TCA-0.1Mピロリン酸塩にて沈殿させた
のちフィルタートラップし、放射カウントを測定した。
蛋白定量はBio-Rad Protein Assey法に従って行なっ
た。
【0010】培養開始から68時間後の3H-ロイシンの
取り込みと蛋白量の測定結果を表1に示す。ラットを四
塩化炭素処理することにより肝細胞に障害が生じ、肝細
胞の30%が脱落していた。表1の3H-ロイシンの取り
込み量から明らかなように、グリチルリチン酸投与群で
は蛋白合成能の向上は認められなかったが、11-デオキ
ソグリチルリチン酸投与群では対照群の5.45倍に達
し、肝臓機能の高度の回復を示した。なお、蛋白合成の
最大値はグリチルリチン酸の場合で培養開始から48時
間後、11-デオキソグリチルリチン酸の場合で培養開始
から70時間後であり、その後、蛋白合成は共に減少し
た。
取り込みと蛋白量の測定結果を表1に示す。ラットを四
塩化炭素処理することにより肝細胞に障害が生じ、肝細
胞の30%が脱落していた。表1の3H-ロイシンの取り
込み量から明らかなように、グリチルリチン酸投与群で
は蛋白合成能の向上は認められなかったが、11-デオキ
ソグリチルリチン酸投与群では対照群の5.45倍に達
し、肝臓機能の高度の回復を示した。なお、蛋白合成の
最大値はグリチルリチン酸の場合で培養開始から48時
間後、11-デオキソグリチルリチン酸の場合で培養開始
から70時間後であり、その後、蛋白合成は共に減少し
た。
【0011】 表1 3H-Leuの取り込み量 蛋白量 (cpm/cell) (μg/cell) 無処置対照群 450 対照群 320 166 グリチルリチン酸投与群 466 187 11-デオキソグリチルリチン酸投与群 17646 227
【0012】蛋白合成促進の結果は細胞内蛋白量にも
現れており、11-デオキソグリチルリチン酸投与群では
対照群に比べて1.4倍の蛋白を含有するに至った。な
お、11-デオキソグリチルリチン酸モノアンモニウム塩
およびジカリウム塩について上記と同じ試験を行なった
ところ、11-デオキソグリチルリチン酸を用いた場合と
同様の結果を得た。
現れており、11-デオキソグリチルリチン酸投与群では
対照群に比べて1.4倍の蛋白を含有するに至った。な
お、11-デオキソグリチルリチン酸モノアンモニウム塩
およびジカリウム塩について上記と同じ試験を行なった
ところ、11-デオキソグリチルリチン酸を用いた場合と
同様の結果を得た。
【0013】実施例2:血清トランスアミナーゼ(GO
TおよびGPT)の測定 実施例1の場合と同様にしてラットに四塩化炭素処理を
行なった後、0,10,24,48時間後に0.3mlず
つ採血し、3000rpmで10分間遠心分離して血清を
採取し、血清中のトランスアミナーゼ(GOT,GP
T)を常法により測定した。なお、対照群は生理食塩水
のみを投与した。24時間後のGOTおよび10時間後
のGPTを表2に示す。血清中のトランスアミナーゼは
一般に肝障害の指標として臨床検査にも用いられている
が、これが11-デオキソグリチルリチン酸の投与により
顕著に抑制されることが確認された。
TおよびGPT)の測定 実施例1の場合と同様にしてラットに四塩化炭素処理を
行なった後、0,10,24,48時間後に0.3mlず
つ採血し、3000rpmで10分間遠心分離して血清を
採取し、血清中のトランスアミナーゼ(GOT,GP
T)を常法により測定した。なお、対照群は生理食塩水
のみを投与した。24時間後のGOTおよび10時間後
のGPTを表2に示す。血清中のトランスアミナーゼは
一般に肝障害の指標として臨床検査にも用いられている
が、これが11-デオキソグリチルリチン酸の投与により
顕著に抑制されることが確認された。
【0014】 表2 GOT(K.U/ml) GPT(国際単位/ml) 無処置対照群 84.6 44.8 対照群 2482±63.2 3273±40.0 グリチルリチン酸投与群 投与量:100mg/kg 3040.8 (7.1) 投与量:200mg/kg 2549.8±60.1(−) 2091.6±70.6(36.1) 11-デオキソグリチルリチン酸投与群 投与量:100mg/kg 1323.0 (59.6) 投与量:200mg/kg 1977.0±56.5(79.6) 277.6±43.0(91.5) 注:括弧内数値は対照群基準の抑制率(%)
【0015】実施例3 実施例1の場合と同様にしてラットに四塩化炭素処理を
行い、11-デオキソグリチルリチン酸は1%生理食塩水
溶液にして、四塩化炭素投与2時間後に400mg/kgを
腹腔内投与した。対照群は生理食塩水のみを投与した。
22時間後に肝臓を摘出し高張シュクロース法により細
胞核を単離した。単離核をヨード化プロピジウムで蛍光
染色しサイトフローメトリーにより核型解析を行なっ
た。結果は表3に示すとおりで、11-デオキソグリチル
リチン酸の投与により4倍体肝細胞の脱落は完全に防止
された。
行い、11-デオキソグリチルリチン酸は1%生理食塩水
溶液にして、四塩化炭素投与2時間後に400mg/kgを
腹腔内投与した。対照群は生理食塩水のみを投与した。
22時間後に肝臓を摘出し高張シュクロース法により細
胞核を単離した。単離核をヨード化プロピジウムで蛍光
染色しサイトフローメトリーにより核型解析を行なっ
た。結果は表3に示すとおりで、11-デオキソグリチル
リチン酸の投与により4倍体肝細胞の脱落は完全に防止
された。
【0016】 表3 2倍体細胞(%) 4倍体細胞(%) 無処置対照群 38.1 60.8 対照群 66.4 32.5 11-デオキソグリチルリチン酸投与群 24.0 74.9 なお、11-デオキソグリチルリチン酸モノアンモニウム
塩およびジカリウム塩について上記と同じ試験を行なっ
たところ、11-デオキソグリチルリチン酸を用いた場合
と同様の結果を得た。
塩およびジカリウム塩について上記と同じ試験を行なっ
たところ、11-デオキソグリチルリチン酸を用いた場合
と同様の結果を得た。
【0017】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば新規な肝
細胞増殖促進剤および肝障害防止剤が提供され、肝障害
患者の回復に貢献することができる。
細胞増殖促進剤および肝障害防止剤が提供され、肝障害
患者の回復に貢献することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/7016 A61P 1/16 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 11-デオキソグリチルリチン酸またはそ
の水溶性塩を有効成分として含有することを特徴とする
肝細胞増殖促進剤。 - 【請求項2】 11-デオキソグリチルリチン酸またはそ
の水溶性塩を有効成分として含有することを特徴とする
肝障害防止剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03191212A JP3090980B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03191212A JP3090980B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517349A JPH0517349A (ja) | 1993-01-26 |
JP3090980B2 true JP3090980B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=16270774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03191212A Expired - Fee Related JP3090980B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 肝細胞増殖促進剤および肝障害防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3090980B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
KR100697056B1 (ko) * | 2006-01-09 | 2007-03-20 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 리퀴리티게닌을 유효성분으로 포함하는 간질환의 예방 및치료용 조성물 |
CN105143428B (zh) | 2013-04-29 | 2017-08-25 | 哈沙·奇古鲁帕蒂 | 酒精饮料中降低的毒性 |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP03191212A patent/JP3090980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0517349A (ja) | 1993-01-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |