JP3090400U - 小端積仕上げ用表装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練を要することなく、短時間かつ低価格で
小端積仕上げができるようにする。 【解決手段】 各々所定の長辺長さを有する長方形状の
複数の表面仕上げ材２を、該表面仕上げ材の長辺同士を
所定目地幅を介して平行に隣接させかつ隣接する表面仕
上げ材を長辺方向に沿って所定長さだけ互いにずらし
て、ネット基材４，６，１２上に固定配置して単位くり
返し形状部材１０Ａ，１０Ｂ，２０を形成する。各単位
くり返し形状部材は他の単位くり返し形状部材の外周の
一部と適合する外周形状を有し、複数の単位くり返し形
状部材を隣接使用することにより容易に小端積仕上を行
なうことが可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、小端積仕上げ用表装材に関し、例えば建築物の内外装表面、床面 、門柱その他に適用して容易に小端積仕上げを可能にする表装材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建築物の内外装面、床面、門柱等を石材により小端積仕上げすることが 行なわれている。小端積仕上げとは、所定の長辺長さを有する長方形状の平坦な 石材片を短辺部分を互いに接触させて横方向に配置すると共に、上下方向には隣 接する列の石材片との間に所定の目地間隔を空けかつ横方向に所定長さだけずら して仕上げ面に貼り付けることにより表装仕上げを行なうものである。小端積仕 上げは、耐久性に優れかつ豪華な印象を与える仕上げを可能にする。前記石材片 としては各種石材を長方形状に切削したもの、タイルその他が使用される。

【０００３】 このような小端積仕上げを行なうためには、従来、所定の長方形状を有する石 材をモルタル等によって１枚ずつ仕上げ面に固定することによって行なっていた 。すなわち、この小端積仕上げは、長方形状を有する石材片を横方向には互いに 接触させかつ上下方向には他の列の石材片から所定の目地間隔を空けかつ横方向 に所定長さだけずらした状態で順次貼り付けて行く必要がある。しかしながら、 石材片を１個１個このような配列で貼り付ける作業は熟練を要すると共に、手間 がかかりかつ作業時間が長くなるという不都合があった。このため、工期や施工 コストの点で他の表装材による仕上げの場合と比較して不利になることもあった 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述のような長方形状を有する石材等の小端積仕上げを、熟練を要 することなく低価格かつ短時間で行なうことができるようにすることを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、各々所定の長辺長さを有する長方形状の複数の表面仕上げ材を、該 表面仕上げ材の長辺同士を所定目地幅を介して平行に隣接させかつ隣接する表面 仕上げ材を長辺方向に沿って所定長さだけ互いにずらして、ネット基材上に固定 配置して形成した単位くり返し形状部材からなり、前記単位くり返し形状部材は 他の単位くり返し形状部材の外周の一部と適合して小端積仕上を可能にする外周 形状を有することを特徴とする小端積仕上げ用表装材を提供する。

【０００６】 この場合、前記ネット基材は外周の一部が前記単位くり返し形状に沿った形状 を有し、外周の他の部分は前記単位くり返し形状より大きくかつ外部に延在する よう構成すると好都合である。

【０００７】 また、前記単位くり返し形状部材は第一の外周形状の単位くり返し形状部材と 前記第一の外周形状とは異なる第二の外周形状の単位くり返し形状部材からなり 、これら第一の外周形状の単位くり返し形状部材と第二の外周形状の単位くり返 し形状部材を交互に隣接配置して小端積仕上げを行うよう構成すると好都合であ る。

【０００８】 さらに、前記単位くり返し形状部材は同一外周形状のものを隣接配置して小端 積仕上げを行うよう構成すると好都合である。

【０００９】 また、前記表面仕上げ材は、石材、タイル、プラスチック成形材、金属、ガラ スおよびコンクリート成形材を含むグループから選択された材質によって構成す ることができる。

【００１０】 さらに、前記ネット基材はネット、穴あきシートを含むグループから選択され た部材によって構成することができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の実施形態につき説明する。図１〜図４は、本考 案の一実施形態に係わる小端積仕上げ用表装材の概略の構成を示す平面図である 。

【００１２】 この実施形態に係わる小端積仕上げ用表装材は、第１のタイプ（Ａタイプ）の 小端積仕上げ用表装材と第２のタイプ（Ｂタイプ）の小端積仕上げ用表装材から なり、第１のタイプの小端積仕上げ用表装材と第２のタイプの小端積仕上げ用表 装材とを順次隣接配置して小端積仕上げを行なう。

【００１３】 図１に示される第１のタイプの小端積仕上げ用表装材１０Ａは、所定の長辺長 さを有する長方形状の表面仕上げ材（以後、単に仕上げ材と称する）２をネット 基材部４の上に所定の配列で固定配置して形成される。この構成では、上から順 に、２つの仕上げ材２を短辺部分で接触させて隣接配置した第１の配置の列と、 単一の仕上げ材２を配置した第２の配置の列とを有し、これら第１の配置の列お よび第２の配置の列が交互に配置されている。なお、最下列は２つの仕上げ材２ を有する第１の配置の列で終了しているが、このような列の数および配列方法は 図示のものに限定されない。第２の配置の列の仕上げ材２は第１の配置の列の２ つの仕上げ材２と長辺が平行になるよう配置され、かつ第１の配置の列と第２の 配置の列との間には所定の目地間隔が設けられている。また、第２の配置の列の 仕上げ材２は第１の配置の列の２つの仕上げ材２の接触部分に中心を有するよう 配置されている。なお、第１の配置の列の２つの仕上げ材２の間に所定の狭い目 地間隔を空けてもよい。また、各列に横方向に配置された仕上げ材２の数は図示 のものに限られず、任意の数とすることができる。

【００１４】 図２は、図１の小端積仕上げ用表装材１０Ａの裏打ち用のネット基材部４の形 状の一例を示す。すなわち、図２に示されるネット基材部４は図１の小端積仕上 げ用表装材１０Ａの仕上げ材２を裏打ちし、仕上げ材２の配列を維持するもので ある。図２のネット基材部４は、仕上げ材２の部分および目地間隔８の部分に加 えて、小端積仕上げ用表装材１０Ａの上下に固定用ネット領域４ａおよび４ｂを 有している。このようなネット基材部４は、所定形状のネット基材上に、仕上げ 材２を前述のような配列に配置し例えば石材用接着剤を使用して固定した後、上 下の固定用ネット領域４ａおよび４ｂを残した状態で、小端積仕上げ用表装材１ ０Ａの周囲に沿ってネットを切り取ることにより製造できる。なお、ネット基材 部４の形状は、図示されたものの他、例えば図２の中央部分に上下方向に延びる 帯状領域のみを含む形状とすることもできる。要するに、ネット基材部４は、複 数の仕上げ材２を所定の配列で維持できるものであればよい。

【００１５】 次に、図３は、第２のタイプ（Ｂタイプ）の小端積仕上げ用表装材１０Ｂの概 略の構成を示す平面図である。図３の小端積仕上げ用表装材１０Ｂは、図１と同 様の仕上げ材２を、上から順に、単一の仕上げ材２を配置した前記第２の配置の 列と、２個の仕上げ材２を短辺部分を接触させて横に並べて配置した前記第１の 配置の列とを交互に配置したものである。隣接する列の仕上げ材２は所定の目地 間隔８を介して互いに平行になるよう配置されている。また、第２の配置の列の ２つの仕上げ材２の接触部分が第１の配置の列の仕上げ材２の中心と一致してい る。なお、図３に示される小端積仕上げ用表装材１０Ｂと図１に示される小端積 仕上げ用表装材１０Ａとは、縦方向の仕上げ材２の列の数が同じになっており、 これら両者の小端積仕上げ用表装材１０Ａおよび１０Ｂは互いに隣接して配置し 、連続的な小端積仕上げが可能なような外形を有している。

【００１６】 図４は、図３に示される小端積仕上げ用表装材１０Ｂの裏打ち用のネット基材 部６の一例を示す。図４のネット基材部６は、図３の小端積仕上げ用表装材１０ Ｂの外周形状に沿った部分に、上下の固定用ネット領域６ａおよび６ｂを含めた 形状となっている。固定用ネット領域６ａ，６ｂの幅は１個の仕上げ材２の長辺 長さと同じになっている。これに対し、図２のネット基材部４の固定用ネット領 域４ａ，４ｂの幅は、仕上げ材２の長辺長さを２つ合わせた長さとなっている。

【００１７】 仕上げ材２は、後に詳細に説明するように、表面仕上げ材としての、平坦な長 方形状を有することができる石材、タイル、プラスチックタイルのようなプラス チック成形材、金属片、ガラス部材、コンクリート成形材その他を用いて形成す ることができる。このような仕上げ材２を予め工場でネット基材部４または６に 例えば石材用接着剤で貼り付けて、前述のような各タイプの小端積仕上げ用表装 材を製造する。

【００１８】 図５は、図１に示すような第１のタイプの小端積仕上げ用表装材１０Ａと図３ に示すような第２のタイプの小端積仕上げ用表装材１０Ｂを使用して実際に小端 積仕上げを行なった場合の配置例を示す。すなわち、図５では、第２のタイプの 小端積仕上げ用表装材１０Ｂの両側に第１のタイプの小端積仕上げ用表装材１０ Ａを、各仕上げ材部の対応する短辺が接触するように配置して仕上げ面に貼り付 けたものである。この場合、各タイプの小端積仕上げ用表装材１０Ａ，１０Ｂの 仕上げ材２の隣接する長辺部分の間に所定幅の目地間隔８が設けられる。仕上げ 面には予めモルタルまたは石材用接着剤等を塗布しておき、第１および第２のタ イプの小端積仕上げ用表装材１０Ａ，１０Ｂを順次隣接して貼り付ける。モルタ ルに混和剤を添加して、弾力性等の改善等を行なうことも好都合である。この時 、各表装材１０Ａ，１０Ｂはそれぞれの固定用ネット領域４ａ，４ｂおよび６ａ ，６ｂの部分で仕上げ面にアンカー、釘その他で仮止めを行なうと好都合である 。各タイプの表装材１０Ａ，１０Ｂの位置合わせを行ないかつ仕上げ面に貼り付 けた後、各仕上げ材２の間にはモルタル等の目地材が充填される。このような目 地材は、仕上げ材２の間に注入器その他を用いて注入してもよく、あるいは各表 装材１０Ａ，１０Ｂを仕上げ面に貼り付けかつ全面にモルタル等を塗布し充填し た後、仕上げ材２上のモルタルを取り除くことで作業時間を短縮することもでき る。

【００１９】 なお、図５にも示されるように、仕上げ面の両端部分の表装材２ａは、所定長 さに切断した表装材を個別に貼り付けて仕上げることができる。あるいは、予め 周辺部分の配列に従って仕上げ材をネット部材に貼り付けて周辺部分用の表装材 を工場で準備しておくこともできる。例えば、仕上げ面の大きさ等が規格化され ている場合には、このような周辺用の表装材を予め準備しておくことにより現場 での作業性をさらに向上させることができる。

【００２０】 図６は、本考案の他の実施形態に係わる小端積仕上げ用表装材２０の構成を示 す。同図の小端積仕上げ用表装材２０は、全ての列が、各々２つの仕上げ材２を 横に並べて配置したもので構成される。ただし、奇数列と偶数列とでは仕上げ材 ２が長さ方向に仕上げ材２の長辺長さの半分の長さだけずらして配置されている 。また、隣接する列の間は、前の実施例と同様に所定の目地間隔８が設けられて いる。各仕上げ材２を裏打ちしてこのような配列に維持するためのネット部材１ ２は上下の部分に固定用ネット領域１２ａおよび１２ｂを有し、表装材２０の仮 止め等の際に使用される。

【００２１】 図６に示される構成の小端積仕上げ用表装材２０は、１つのタイプのものを順 次隣接して配置することにより小端積仕上げを行なうことができ、小端積仕上げ 用表装材の製造工程および現場での仕上げ作業を単純化することができる。

【００２２】

【実施例】

前述の仕上げ材２の材質としては、石材、タイル、プラスチックタイルのよう なプラスチック成形材、金属、ガラス、コンクリート成形材等任意の適切なもの とすることができる。この場合、前記石材としては鉄平石、御影石、大理石その 他任意の石材を使用できる。なお、１つの小端積仕上げ用表装材中に複数種類の 材質の仕上げ材を用いてもよい。また、ネット基材部等を構成するネット部材は 、例えばポリプロピレン等を使用したネットまたは鉄網等の金属製の網を使用す ることもでき、あるいはプラスチックや金属のシートに穴を空けたものでも良い 。また、前記小端積仕上げ用表装材の形状は、前述のものに制限されることはな く、任意の単位くり返し形状が使用できる。すなわち、お互いに一部が適合し小 端積仕上げ面が形成可能な形状であれば他の形状とすることもできる。

【００２３】

【考案の効果】 以上のように、本考案によれば、従来長方形状を有する石材等の仕上げ材を１ 個１個手作業で現場で貼り付けていた小端積仕上げを、熟練を要することなく、 極めて短時間で施工することができ、工期の短縮および施工コストの大幅な低減 を図ることが可能になる。また、各仕上げ材がネット基板で固定されているため 仕上げ面のはがれ等を防ぐことができ、強固な仕上げを行なうことが可能になる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態における第１のタイプの小
端積仕上げ用表装材の概略の構成を示す平面図である。

【図２】図１の小端積仕上げ用表装材のネット基材部の
形状例を示す平面図である。

【図３】本考案の一実施形態における第２のタイプの小
端積仕上げ用表装材の概略の構成を示す平面図である。

【図４】図３の小端積仕上げ用表装材のネット基材部の
形状例を示す平面図である。

【図５】本考案の一実施形態に係わる小端積仕上げ用表
装材を使用して小端積仕上げを行なう場合の配置例を示
す平面図である。

【図６】本考案の他の実施形態に係わる小端積仕上げ用
表装材の概略の構成を示す平面図である。

【符号の説明】

２ 仕上げ材 ２ａ 周辺用仕上げ材 ４，６，１２ ネット基材部 ４ａ，４ｂ，６ａ，６ｂ，１２ａ，１２ｂ 固定用ネッ
ト領域 ８ 目地間隔 １０Ａ，１０Ｂ，２０ 小端積仕上げ用表装材

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各々所定の長辺長さを有する長方形状の
   複数の表面仕上げ材を、該表面仕上げ材の長辺同士を所
   定目地幅を介して平行に隣接させかつ隣接する表面仕上
   げ材を長辺方向に沿って所定長さだけ互いにずらして、
   ネット基材上に固定配置して形成した単位くり返し形状
   部材からなり、前記単位くり返し形状部材は他の単位く
   り返し形状部材の外周の一部と適合して小端積仕上を可
   能にする外周形状を有することを特徴とする小端積仕上
   げ用表装材。
2. 【請求項２】 前記ネット基材は外周の一部が前記単位
   くり返し形状に沿った形状を有し、外周の他の部分は前
   記単位くり返し形状より大きくかつ外部に延在すること
   を特徴とする請求項１に記載の小端積仕上げ用表装材。
3. 【請求項３】 前記単位くり返し形状部材は第一の外周
   形状の単位くり返し形状部材と前記第一の外周形状とは
   異なる第二の外周形状の単位くり返し形状部材からな
   り、これら第一の外周形状の単位くり返し形状部材と第
   二の外周形状の単位くり返し形状部材を交互に隣接配置
   して小端積仕上げを行うことを特徴とする請求項１また
   は２に記載の小端積仕上げ用表装材。
4. 【請求項４】 前記単位くり返し形状部材は同一外周形
   状のものを隣接配置して小端積仕上げを行うことを特徴
   とする請求項１または２に記載の小端積仕上げ用表装
   材。
5. 【請求項５】 前記表面仕上げ材は、石材、タイル、プ
   ラスチック成形材、金属、ガラスおよびコンクリート成
   形材を含むグループから選択された材質によって構成さ
   れることを特徴とする請求項１〜４の内のいずれか１項
   に記載の小端積仕上げ用表装材。
6. 【請求項６】 前記ネット基材はネット、穴あきシート
   を含むグループから選択された部材によって構成される
   ことを特徴とする請求項１〜４の内のいずれか１項に記
   載の小端積仕上げ用表装材。