JP3089569U - 異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山双頭固定ネジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山
双頭固定ネジの提供。 【解決手段】 ネジに締結用の多角形凸縁３１（或いは
内多角形孔）を設け、且つこのネジの上段、下段にそれ
ぞれ二段の異なるネジ規格のネジ部３２，３３を設け、
そのうち一つのネジ部に３本のネジ山３３１０，３３２
０，３３３０を等分配置してこれにより締めつけを安定
させ不偏移とし、並びに各一本のネジ山の高さを異なる
寸法とし、これにより押し出したセメント残さを凝集
し、大きな締めつけ効果を発生し、また、膨張現象の発
生がなく、ゆえに壁板の破裂を形成せず、施工孔間のピ
ッチを短縮でき、壁のコーナーあたりのネジ止めできな
い面積を減らし、有効に単位面積内のボルトを設けるこ
とのできる施工孔数を増加し、取り外し時もまた相当に
簡便容易であり、施工するのに有利であるものとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山双頭固定ネジに係り、特 にセメント壁或いはその他の建材壁の施工孔にねじ込み固定する双頭固定ネジに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１に示されるように、一般にセメント壁板１（或いはその他の建材壁板）に 物品を掛ける場合は、膨張ネジ２を施工孔１１に固定し、ボルト２１を利用して 物品を壁に固定するのに供するが、その施工上、以下のような欠点がある。 １．膨張ネジ２の固定方式は、釘抜き工具を利用してボルト２１を引っ張り、 ボルト２１前端の錐状ヘッド２１１に強制的に釘座２２を変形膨張させ、これに より施工孔１１に係止するが、膨張過程で往々にしてセメント壁板の破裂を形成 し、これがこのような膨張ネジの使用上の最大の欠点である。 ２．膨張ネジ２の施工は特殊な釘抜き工具の助けを借りなければ行えず、施工 上の不便を増加した。 ３．膨張ネジ２は一旦施工孔１１に固定した後は、取り外すのに十分に手間ひ まがかかった。 ４．膨張ネジ２を施工孔１１にねじ込む時、膨張作用によりセメント壁或いは 施工孔周縁の破裂を形成しやすく、ゆえに施工孔間のピッチを比較的大きく保持 しなければならず、特に壁のコーナーあたりでは、このために単位面積内の膨張 ネジを設けることのできる施工孔数が有限となり、壁板間の連結施工強度に影響 が生じ、及び、壁に固定する物品の数量を制限した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の膨張ネジの施工上の欠点を鑑み、本考案は、ネジに締結用の多角形凸縁 （或いは内多角形孔）を設け、且つこのネジの上段、下段にそれぞれ二段の異な るネジ規格のネジ部を設け、そのうち一つのネジ部に３本のネジ山を等分配置し てこれにより締めつけを安定させ不偏移とし、並びに各一本のネジ山の高さを異 なる寸法とし、これにより押し出したセメント残さを凝集し、大きな締めつけ効 果を発生し、また、膨張現象の発生がなく、ゆえに壁板の破裂を形成せず、施工 孔間のピッチを短縮でき、壁のコーナーあたりのネジ止めできない面積を減らし 、有効に単位面積内のボルトを設けることのできる施工孔数を増加し、取り外し 時もまた相当に簡便容易であり、施工するのに有利であるものとする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、ネジに締めつけ用の多角形凸縁が設けられ、該ネジの上段 、下段にそれぞれ二段の異なる規格のネジ部が設けられた、異なる高さのネジ山 を具えたトリプルネジ山双頭固定ネジにおいて、 そのうち一つのネジ部に少なくとも３本の等分配置されたネジ山が設けられ、 各１本のネジ山の高さが異なることを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えた トリプルネジ山双頭固定ネジとしている。 請求項２の考案は、請求項１に記載の異なる高さのネジ山を具えたトリプルネ ジ山双頭固定ネジにおいて、多角形凸縁がネジの中段に設けられて二つのネジ部 の間に位置することを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山 双頭固定ネジとしている。 請求項３の考案は、請求項１に記載の異なる高さのネジ山を具えたトリプルネ ジ山双頭固定ネジにおいて、多角形凸縁が施工孔外に露出するネジ部の上端に設 けられたことを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山双頭固 定ネジとしている。 請求項４の考案は、請求項１に記載の異なる高さのネジ山を具えたトリプルネ ジ山双頭固定ネジにおいて、施工孔外に露出するネジ部の上端に内多角形孔が設 けられて内角スパナによる締めつけ操作に供され、この内多角形孔が前述の多角 形凸縁の代わりに採用されたことを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたト リプルネジ山双頭固定ネジとしている。

【０００５】

【考案の実施の形態】 図２、３に示されるように、本考案はネジ３に締めつけ用の多角形凸縁３１（ この凸縁は一般にスパナで挟持して回して締めつける操作に供される）が設けら れ、このネジ３の上段、下段にそれぞれ二段の異なるネジ規格のネジ部３２、３ ３が設けられ、多角形凸縁３１が二つのネジ部３２、３３の間に位置し、並びに 、そのうち一つのネジ部３３に３本のネジ山３３１、３３２、３３３が等分配置 され（このネジ山の本数は例えば３本或いは５本とされる）、各一つのリード（ Ｌｅａｄ）はネジのピッチ（Ｐｉｔｃｈ）の３倍（この３本のネジ山の場合であ り、並びに各１本のネジ山３３１、３３２、３３３のピーク３３１０、３３２０ 、３３３０の高さ（又はネジの深さ（Ｄｅｐｔｈ ｏｂ Ｔｈｒｅａｄ）と称さ れる）ｈ１、ｈ２、ｈ３は異なる寸法とされ、ゆえに、この段のネジ部３３がセ メント壁板１の施工孔１１内にねじ込まれる時（図５参照）、ネジ部３３の３本 のネジ山３３１、３３２、３３３が等分配列され（これは３本のネジ山が等分配 置されたものを例として説明している。図４に示されるものと対照されたい。） 、そのうち各ネジ山３３１、３３２、３３３は１２０°間隔分布し、その横断面 の断面上に三つの等分のネジ山切込線があり、ゆえに平衡作用を発揮し、安定し 不偏移である。別に各ネジ山３３１、３３２、３３３のピーク３３１０、３３２ ０、３３３０の高さｈ３、ｈ２、ｈ１の寸法は異なり、ゆえにピーク３３１０、 ３３２０、３３３０が施工孔１１にねじ込まれる時（一般に施工孔１１にドリル で開けられた孔径Ｄ１の寸法は、ネジ部３３の小径と最短ピーク高さ１の外径間 にあるものとされ、即ちＤ＜Ｄ１＜Ｄ＋２ｈ１）、押し出すセメント残さを凝集 し、さらに大きな締めつけ効果を発生し、また、膨張現象が発生しないため、壁 の破裂を形成せず、施工孔間のピッチを短縮でき、壁のコーナー付近のボルトを ねじ込めない面積を減少し、有効に単位面積内のネジ止めできる施工孔数を増加 し、また、ネジを取り外す時も容易で、施工に有利である。

【０００６】 図６、７に示されるのは、本考案のもう一つの実施例であり、そのうち該ネジ ４の上段と下段にそれぞれ２段の異なるネジ規格のネジ部４２、４３が設けられ 、そのうち一つのネジ部４３に３本のネジ山が設けられ、且つ各ネジ山の高さが 異なる寸法とされ（これは図２の実施例と同じである）、ただし、締めつけ用の 多角形凸縁４１がもう一つのネジ部４２（施工孔外に露出するネジ部）の上端に 設けられている（この多角形凸縁４１の外径はネジ部４２の円径より小さく、こ れにより外加物品が多角形凸縁４１の阻止を受けず、ネジ部４２と締結される） 。

【０００７】 図８、９に示されるのは本考案のまた別の実施例であり、そのうち、該ネジ５ の上段と下段にそれぞれ２段の異なるネジ規格のネジ部５２、５３が設けられ、 そのうち一つのネジ部５３に３本のネジ山が設けられ、且つ各ネジ山の高さが異 なる寸法とされ（これは図２の実施例と同じである）、ただし、締めつけ用の部 分が、多角形凸縁から内多角形孔５１に改められ、もう一つのネジ部５２（施工 孔外に露出するネジ部）の上端に設けられ、該内多角形孔５１が内角スパナによ る締めつけ操作に供される。

【０００８】

【考案の効果】

総合すると、本考案は特殊な釘抜き工具を使用せず、一般のスパナで締めつけ 操作を行え、且つネジ締めつけ時に安定し不偏移であり、セメント残さを凝集し て大きな締めつけ効果を発生する。また、膨張現象を発生しないため、壁の破裂 を形成せず、取り外し時も十分に容易であり、ゆえに本考案は特に実用的であり 、進歩性を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知の膨張ネジの操作表示図である。

【図２】本考案の斜視図である。

【図３】本考案の断面図である。

【図４】図３の横断面図である。

【図５】本考案の操作表示図である。

【図６】本考案の別の実施例の斜視図である。

【図７】図６の実施例の操作表示図である。

【図８】本考案のさらに別の実施例の斜視図である。

【図９】図８の実施例の操作表示図である。

【符号の説明】

１ セメント壁板 １１ 施工孔 ２ 膨張ネジ ２１ ボルト ２２ 釘座 ３、４、５ ネジ ３１、４１ 多角形凸縁 ３２、４２、５２ ネジ部 ３３、４３、５３ ネジ部 ３３１、３３２、３３３ ネジ山 ３３１０、３３２０、３３３０ ピーク ｈ１、ｈ２、ｈ３ ネジの高さ Ｄ 小径 Ｄ１ 孔径

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネジに締めつけ用の多角形凸縁が設けら
   れ、該ネジの上段、下段にそれぞれ二段の異なる規格の
   ネジ部が設けられた、異なる高さのネジ山を具えたトリ
   プルネジ山双頭固定ネジにおいて、 そのうち一つのネジ部に少なくとも３本の等分配置され
   たネジ山が設けられ、各１本のネジ山の高さが異なるこ
   とを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたトリプル
   ネジ山双頭固定ネジ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の異なる高さのネジ山を
   具えたトリプルネジ山双頭固定ネジにおいて、多角形凸
   縁がネジの中段に設けられて二つのネジ部の間に位置す
   ることを特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたトリ
   プルネジ山双頭固定ネジ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の異なる高さのネジ山を
   具えたトリプルネジ山双頭固定ネジにおいて、多角形凸
   縁が施工孔外に露出するネジ部の上端に設けられたこと
   を特徴とする、異なる高さのネジ山を具えたトリプルネ
   ジ山双頭固定ネジ。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の異なる高さのネジ山を
   具えたトリプルネジ山双頭固定ネジにおいて、施工孔外
   に露出するネジ部の上端に内多角形孔が設けられて内角
   スパナによる締めつけ操作に供され、この内多角形孔が
   前述の多角形凸縁の代わりに採用されたことを特徴とす
   る、異なる高さのネジ山を具えたトリプルネジ山双頭固
   定ネジ。