JP3089053B2 - 創傷用機能性外用材 - Google Patents

創傷用機能性外用材

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JP3089053B2
JP3089053B2 JP03206510A JP20651091A JP3089053B2 JP 3089053 B2 JP3089053 B2 JP 3089053B2 JP 03206510 A JP03206510 A JP 03206510A JP 20651091 A JP20651091 A JP 20651091A JP 3089053 B2 JP3089053 B2 JP 3089053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の医療用途、特に
傷用包帯の分野に用途があり、特に慢性皮膚潰瘍のよう
な治療の困難な創傷への使用に特に有効な創傷用機能性
外用材に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイドロコロイド型接着剤組成物は、多
年にわたり公知である。即ち、チェン(Chen)は、米国
特許第3,339,549号公報にポリイソブチレンのよ
うなゴムエラストマー及びペクチン、ゼラチン更にカル
ボキシメチルセルロースの粉末混合物のような1種以上
の水溶性または水膨潤性のハイドロコロイドからなるハ
イドロコロイド型接着剤組成物を開示している。
【0003】このハイドロコロイド型接着剤組成物にお
いては、ゴムエラストマーが接着性を提供し、又、ハイ
ドロコロイド粉末が液体や液状体を吸収する機能を有す
る。
【0004】このハイドロコロイド型接着剤組成物は、
皮膚の潰瘍、火傷及び他の滲出性傷用の包帯として次第
に注目されている。
【0005】例えば、特開昭58−190446号公報
には、外部水分不浸透性ポリマーフィルムの片面に半連
続気泡ポリマーフォーム製の中間層を介在させて接着剤
層を形成してなる密封多層包帯であって、上記接着剤層
は1種もしくはそれ以上の感圧接着材料及び必要に応じ
て1種もしくはそれ以上の熱可塑性エラストマーと、1
種もしくはそれ以上の水分散性ハイドロコロイドと、必
要に応じて、1種もしくはそれ以上の水膨潤性凝集補強
剤及び/又は1種もしくはそれ以上の水和性ポリマーと
の均質ブレンドで本質的に構成されていることを特徴と
する密封多層包帯が提案されている。
【0006】しかしながら、このものは、密封型の包帯
であり、ハイドロコロイド型の接着層は、傷滲出液及び
体液等の吸収に伴って膨潤し、やがて各成分が分離する
のであり、このため、ハイドロコロイド粒子間を結着さ
せていたゴムエラストマー(ゴム系接着剤)が分散して
点状態、つまり独立状態で存在するようになる。
【0007】このため、ハイドロコロイド型接着層を構
成する成分相互の関連が希薄になる結果、保型性が崩れ
て一部が支持体の外方に流出するだけでなく、固定周辺
部の接着力が低下し、外用貼付材としての役割が果せな
くなる。
【0008】この問題を解決するためにゴム系粘着剤の
強度を向上することが考えられるが、このように構成す
ると、傷滲出液及び体液に接触させた場合、その吸収能
力が低下し、所期の目的を達成できなくなる。
【0009】従って、最近では、吸水性及び/又は水膨
潤性のハイドロコロイド(ポリマー)側に工夫をこらし
た検討がなされている。例えば、特開平2−13463
号公報には、ハイドロコロイド粒子としてポリカチオン
性ハイドロコロイド粒子及びポリアニオン性ハイドロコ
ロイド粒子を使用するものが提案されている。
【0010】このポリカチオン性ハイドロコロイド粒子
としてはキトサンマレエート、キトサングルタレートの
ような水溶性キトサン塩が挙げられている。又、上記ポ
リアニオン性ハイドロコロイド粒子としてはペクチン、
カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩等が挙げら
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように構成するこ
とにより、ハイドロコロイド粒子間の結着力を幾分向上
させることができるが、まだ傷滲出液や体液の吸収によ
って接着力が低下するうえ、これらの液の吸収によって
ハイドロコロイド型接着剤組成物が溶解し、支持体の外
方に流出するのである。
【0012】本発明は、上記技術的課題に鑑み完成され
たものであって、接着層がゴム系接着剤と吸水性及び/
又は水膨潤性のポリマーと金属酸化物及び/又は金属塩
粒子より成る接着剤組成物で形成されており、しかも、
その吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーが造塩能及び
/又は配位能をもつ官能基を有するものを用いることに
より、この接着層が、創傷部等の人体の適用部位に接着
され、傷滲出液及び体液を吸収すると、金属酸化物及び
/又は金属塩から生成した金属イオンと吸水性及び/又
は水膨潤性のポリマーがイオン結合、或いは配位結合を
形成し、これによって、接着層の結着力を向上させて当
該接着層の保型性を維持してその溶解や流出を防止し、
しかも支持体を透湿性のフィルムやシートで形成するこ
とにより、接着層に吸収、貯留された傷滲出液等中の水
分の外部への蒸散を図ることによって傷滲出液等の吸収
による接着層の組成変化を抑制して人体の適用部位との
密着性を維持させ、常に、接着層による傷滲出液等の吸
収を効果的に行って創傷部位等の適用箇所表面に滲出液
が滞留するのを防止し、衛生的で、しかも剥離の際に創
傷部等の適用箇所を破壊することがない、安全な機能性
外用材を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の創傷用機能性外用材は支持体及び接着層よ
りなる外用材であって、上記支持体が透湿性であり、し
かも接着層がゴム系接着剤と吸水性及び/又は水膨潤性
のポリマーと金属酸化物及び/又は金属塩より成る接着
剤組成物で形成されており、かつ、その吸水性及び/又
は水膨潤性のポリマーが造塩能及び/又は配位能をもつ
官能基を有することを特徴とするものである。
【0014】本発明で用いられる支持体としては透湿性
のフィルムやシートで形成されたものであれば特に限定
されるものではなく、天然材料や合成材料で形成された
ものが挙げられるが、これらのうち特に合成樹脂で形成
されフィルムやシートを多孔質に形成し、これによっ
て、フィルムやシートの透湿性を確保した支持体が、強
度、価格及び優れた伸縮性を確保し易い等の観点より望
ましい。
【0015】又、この透湿性支持体の厚さとしては10
〜100μm厚、特に20〜80μm厚のフィルム状と
するのが望ましく、この厚さが、10μm未満と薄すぎ
ると強度や取り扱い性に問題が生じるために好ましくな
く、又、100μmを超えると厚くなり過ぎて人体の適
用部位との密着性が低下したり、取り扱い性に問題が生
じる上、透湿性の低下もきたすので好ましくない。一
方、この支持体に発泡状シートを用いる場合には透湿性
と細菌バリアー性を持たせるため連続多孔性のものが好
ましく、また、厚さは100〜5000μmと厚くして
も良く、好ましくは300〜2000μmが良い。
【0016】上記合成樹脂製の多孔質支持体としては、
合成樹脂で形成したフィルムやシートを、極細針で穿孔
したり、一軸延伸又は二軸延伸により直接多孔質に形成
したり或いは延伸により多孔質に形成し、次いで、これ
を更に、酸、アルカリ又は水等で充填剤を溶出して形成
した多孔質の支持体でもよいのである。しかし、多孔質
体表面に薄い高透湿性フィルムの積層によりバクテリア
バリアー性を持たせることもできる。
【0017】上記合成樹脂製の多孔質支持体としては特
に限定されるものではないが、例えばポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリアミドポリエーテルウレタン樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド
樹脂等からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂で
形成された多孔質のフィルムやシート、つまりこれらの
樹脂で形成された単層、2層或いは3層以上に積層され
た多孔質のフィルムやシートのいずれでもよいのであ
る。
【0018】上記合成樹脂製の多孔質支持体において、
ポリエチレン樹脂、特に線状低密度ポリエチレン樹脂を
用いたものが支持体の生産・加工性に優れ生産コストが
安価であり、しかも、得られた多孔質支持体は、伸縮性
が大である上、強度が大きいことより最も好ましい。
【0019】上記線状低密度ポリエチレン樹脂はエチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィ
ンとしては、ブテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられ
る。
【0020】上記合成樹脂製の多孔質支持体には、所望
により、充填剤が配合されたものも含まれるが、かかる
充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオ
リン、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カオリン、水酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化チタン、
アルミナ、マイカ等が挙げられる。
【0021】この充填剤の平均粒径は30μm以下のも
のが用いられ、特に0.1〜10μmの範囲のものが望
ましい。尚、細菌バリアー性を必要特性とする立場から
言えば、0.5μm以下が必要である。
【0022】粒径が30μmを超えると粒径が大き過ぎ
て貫通孔が大きくなるので透湿度が大きくなり過ぎるの
であり、逆に0.1μm未満と小さ過ぎると凝集が起こ
り分散性が劣るから好ましくない。
【0023】又、本発明において、ポリエチレン樹脂や
ポリプロピレン樹脂を用いる場合には、充填剤の混練
性、分散性を向上させたり、整形・加工性を向上させた
り、或いはフィルムの機能的強度を向上させるために、
オレフィンターポリマーや軟化剤が配合されていてもよ
いのである。
【0024】上記オレフィンターポリマーとしては、数
平均分子量が5000〜200000のゴム状物質であ
れば、特に限定されるものではなく、具体的な代表例と
しては、エチレン、α−オレフィンおよび非共役二重結
合を有する環状または非環状からなる共重合物(以下E
PDMという)が用いられる。
【0025】上記EPDMは、エチレン、プロピレンも
しくはブテン−1および以下に列挙するポリエンモノマ
ーからなるターポリマーであり、該ポリエンモノマーと
しては、ジシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタ
ジエン、1,1−シクロオクタジエン、1,6−シクロ
ドデカジエン、1,7−シクロドデカジエン、1,5,
9−シクロドデカトリエン、1,4−シクロヘプタジエ
ン、1,4−シクロヘキサジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−メ
チルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、メ
チル−テトラヒドロインデン、1,4−ヘキサジエンな
どである。各モノマーの共重合割合は好ましくはエチレ
ンが30ないし80モル%、ポリエンが0.1ないし2
0モル%で残りがα−オレフィンとなるようなターポリ
マーでムーニー粘度ML14(100℃)1ないし60の
ものがよい。
【0026】又、上記軟化剤としては、数平均分子量が
1000〜30000の軟化剤であれば特に限定される
ものではなく、具体的な代表例としては、低粘度軟化剤
として石油系プロセスオイル、流動パラフィン、脂肪族
系油、低分子量可塑剤があり、比較的高粘度軟化剤とし
て、ポリブテン、低分子量ポリイソブチレン、液状ゴム
などの軟化剤が好適に用いられる。
【0027】尚、上記熱可塑性の多孔質フィルムには、
通常用いられる酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止
剤、顔料、滑剤、蛍光剤等を添加して成るものでもよい
のである。
【0028】本発明で用いられる透湿性支持体としては
透湿度が300〜2000g/m2・24hr、特に5
00〜1500g/m2・24hrのものが望ましく、
透湿度が300g/m2・24hr未満であると透湿度
が小さ過ぎて傷滲出液等中の水分の蒸散が悪くなって接
着層の成分変化が生じ、接着層が外方に流出する現象を
助長する事になるので好ましくないのであり、一方、透
湿度が2000g/m2・24hrを超えると透湿度が
大き過ぎて、接着層中の成分が蒸散して創傷面を乾燥さ
せる結果、治癒を遅らせる事になるので好ましくない。
【0029】本発明において透湿度とはペインズカップ
法により測定した値である。
【0030】又、本発明で用いられる接着層はゴム系接
着剤と吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーと金属酸化
物及び/又は金属塩より成る接着剤組成物で形成されて
おり、かつ、その吸水性及び/又は水膨潤性のポリマー
が造塩能及び/又は配位能をもつ官能基を有するもので
ある。
【0031】この場合において、接着層の厚さとしては
一般に200〜3000μm、特に1000〜2000
μmとするのが望ましく、この厚さが、200μm未満
と薄すぎると接着力が低下し、人体の適用部位との密着
性に問題が生じたり、吸液量が小さくなりすぎるので好
ましくなく、又、3000μmを超えると厚くなり過ぎ
て人体との密着性に問題が生じたり、厚さにより、外れ
易くなったり、局所に応力が加わるなどの問題が生じの
で好ましくない。
【0032】本発明で用いられるゴム系接着剤として
は、乾燥時の接着性を付与するものであれば特に限定さ
れるものではなく、天然または合成の粘性ゴム状物質、
例えば天然ゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリウレタン
ゴム、シリコンゴム、アクリロニトリルゴム等から選ば
れた少なくとも1種が挙げられるが、これらのうち粘度
平均分子量が約36000〜120000の低分子量ポ
リイソブチレンが感圧接着性を有するので望ましい。
【0033】又、本発明で用いられる吸水性及び/又は
水膨潤性のポリマーとしては特に限定されないが、特に
生理食塩水に浸した場合、浸透性が速く、且つ吸液力の
大きいポリマーが望ましい。
【0034】本発明で用いられる金属酸化物及び/又は
金属塩としては、接着層が傷滲出液や体液を吸収したと
き、生成した金属イオンが、後述する吸水性及び/又は
水膨潤性のポリマーとイオン結合、或いは配位結合を形
成するものであれば特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、シュウ酸カルシウム、
クエン酸カルシウム、アルミニウムミョウバン、カリウ
ムミョウバン、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭
酸カルシウム等である。
【0035】本発明で用いられる吸水性及び/又は水膨
潤性のポリマーとしては、濡れた際に接着性を発現する
ものであって、造塩能及び/又は配位能をもつ官能基を
有するものであれば特に限定されるものではないが、具
体的には、例えばポリアクリル酸及び/又はその塩、ア
クリル酸/ビニルアルコールコポリマー、架橋カルボキ
シメチルメチルセルロース(ナトリウム塩やカルシウム
塩を含む。)、メチルビニルエーテル/マレイン酸の長
鎖ポリマー、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム
塩やカルシウム塩を含む。)、澱粉−アクリル酸塩グラ
フトポリマー、カルボキシセルロース−アクリル酸塩グ
ラフトポリマー、アクリル酸−アクリルアミドコポリマ
ー、アルギン酸及び/又はそのソーダ塩、メチルビニル
エーテル/無水マレイン酸コポリマー、ゼラチン、ペク
チン、カラギーナン、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れるが、これらのうちから選ばれた少なくとも1種が使
用される。
【0036】又、本発明においては、所望により、接着
層中に他の吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーを含有
させても良いのであるが、この場合、接着層の保型性を
維持するために、その含有量は接着層全体の50重量%
以下に調整することが望ましい。
【0037】この例としては、濡れた際に接着性を発現
するものであれば特に限定されるものではなく、例えば
カラヤゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアク
リルアミド等から選ばれた少なくとも1種が挙げられ
る。
【0038】更に、本発明においては、所望により、接
着層中に上記ポリマー以外に、所謂高吸水性ポリマーを
含有させても良いのであるが、この場合、接着層の保型
性を維持するために、その含有量は接着層全体の50重
量%以下に調整することが望ましい。高吸水性ポリマー
の含有量が50重量%以上であると保型性が崩れて一部
が外方に流出するという問題を生じることがある。この
高吸水性ポリマーの例としては、生理食塩水に浸した場
合でも、自重の20倍以上、特に自重の50倍以上の吸
水能を有するものであり、例えば、水不溶性澱粉−アク
リロニトリルグラフトポリマー、水不溶性架橋デキスト
リン等から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0039】本発明で用いられる接着層におけるゴム系
接着剤(A)と、造塩能及び/又は配位能をもつ官能基
を有する吸水性及び/又は水膨潤性のポリマー(B)
と、金属酸化物及び/又は金属塩(C)の配合割合は、
人体の適用部位との接着性や、吸水ないし水膨潤の速度
や量、更に接着層の保型性等の観点より、上記(A)が
15〜70重量%の範囲、特に35〜50重量%の範囲
とし、上記(B)が30〜75重量%、特に50〜65
重量%、上記(C)が0.5〜20重量%、特に2〜1
0重量%とするのが望ましい。
【0040】本発明においては、所望により、上記接着
層に、これらの接着層の接着性や伸縮性を改善するため
に他のゴムエラストマーを配合することが可能である。
【0041】このゴムエラストマーとしては、具体的に
は、例えば、粘度平均分子量が約100万〜160万の
高分子量ポリイソブチレン、イソブチレンと少量のイソ
プレンとのコポリマー、粘度平均分子量が約50万〜1
00万を有するブチルゴム、更にスチレン−ブタジエン
−スチレン(S−B−S)及びスチレン−イソプレン−
スチレン(S−I−S)及びスチレン−エチレン/ブチ
レン−スチレン(S−EB−S)などのスチレンコポリ
マーが挙げられるが、好ましくはスチレン−イソプレン
−スチレンブロックポリマーなどが挙げられる。
【0042】この場合、上記接着層において、添加ゴム
エラストマーの配合割合は、接着層全体の0.5〜20
重量%、特に、2〜8重量%の範囲とするのが望まし
く、熱可塑性エラストマーの配合割合が0.5重量%未
満では配合する意味がなく、一方、20重量%を超える
とゴム系接着剤や造塩能及び/又は配位能をもつ官能基
を有する吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーの濃度が
相対的に低下し、接着力が低下したり、滲出液の吸収特
性が低下する恐れがあるから望ましくない。
【0043】本発明においては、所望により、上記接着
層に、可塑剤または溶剤、例えば鉱油またはペトロラタ
ム、鉱油やテルペン樹脂等の粘着性付与剤を配合するこ
とが可能である。
【0044】この可塑剤または溶剤、或いは粘着性付与
剤の配合割合は、接着層全体の1〜20重量%、特に3
〜10重量%の範囲とするのが望ましく、この配合割合
が1重量%未満では配合する意味がなく、一方、20重
量%を超えるとゴム系接着剤や造塩能及び/又は配位能
をもつ官能基を有する吸水性及び/又は水膨潤性のポリ
マーの濃度が相対的に低下し、滲出液の吸収特性が低下
する恐れがあるから望ましくない。
【0045】本発明においては、接着層に抗菌性物質、
例えばヒビテン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
ニウム、ポビドンヨードなどのヨード系物質、サルファ
ダイヤジン銀、サルファー剤や抗生物質、例えば硫酸フ
ラジオマイシン、硫酸ゲンタマイシンなどのうちから1
種又は組み合わせて添加することができ、その添加量は
0.01〜20%、好ましくは0.05〜5%の範囲で
添加し、人体の適用部位の消毒や殺菌更にバクテリアの
増殖を防止するのが望ましい。
【0046】
【作用】本発明の創傷用機能性外用材においては、上記
構成を有し、接着層がゴム系接着剤と、造塩能及び/又
は配位能をもつ官能基を有する吸水性及び/又は水膨潤
性のポリマーと、金属酸化物及び/又は金属塩粒子より
成る接着剤組成物で形成されており、この接着層が、創
傷部等の人体の適用部位に接着され、傷滲出液及び体液
を吸収すると、金属酸化物及び/又は金属塩から生成し
た金属イオンと吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーが
イオン結合、或いは配位結合を形成し、これによって、
接着層の結着力を向上させて当該接着層の保型性を維持
してその溶解や流出を防止する作用を有するのである。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】本発明の機能性外用材の構造例 図1及び図2において、本発明の機能性外用材1は支持
体2の片面に接着層3を形成してなり、上記支持体2が
透湿性であり、しかも上記接着層3がゴム系接着剤と吸
水性及び/又は水膨潤性のポリマーと金属酸化物及び/
又は金属塩より成る接着剤組成物で形成されており、か
つ、その吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーが造塩能
及び/又は配位能をもつ官能基を有している。尚、4は
セパレーターであり、該セパレーター4により接着層3
の露出面が被覆されている。
【0049】実施例1 予め、澱粉−アクリル酸塩グラフトポリマー12g及び
ペクチン12g、カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩12g、水酸化アルミニウム8gの粉末をよく混
合し、これを小型ニーダーにて、予めポリイソブチレン
(粘度平均分子量5万)40gと高分子量ポリイソブチ
レン(粘度平均分子量100万)4gをよく混練したも
のに加え、よく混練する。この混練物をプレスにて、
1.5mm厚シートにし、接着層3とする。
【0050】上記支持体2としてポリウレタンフィルム
(30μm)を用い、この片面に上記接着層3を積層し
て本発明の機能性外用材1を得た。
【0051】実施例2 予め、澱粉−アクリル酸塩グラフトポリマー12g及び
ペクチン12g、ゼラチン12g、カルボキシメチルセ
ルロースのナトリウム塩12g、酸化亜鉛8gの粉末を
よく混合し、これを小型ニーダーにて、予めポリイソブ
チレン(粘度平均分子量5万)40gと高分子量ポリイ
ソブチレン(粘度平均分子量100万)4gをよく混練
したものに加え、よく混練する。この混練物をプレスに
て、1.5mm厚シートにし、接着層3とする。上記支
持体2として、ポリウレタンフィルム(30μm)を用
い、この片面に上記接着層3を積層して本発明の機能性
外用材1を得た。
【0052】比較例1 比較例1として、予め、澱粉−アクリル酸グラフトポリ
マー12g及びペクチン12g、ゼラチン12g、カル
ボキシメチルセルロースのナトリウム塩12gの粉末を
充分に混合し、更に、この混合物にポリイソブチレン4
4gを添加して実施例と同様に混練し、この混練物を実
施例で用いたものと同様のフィルムに積層したものを用
いた。
【0053】比較例2 カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩20g、ゼ
ラチン18g、ペクチン18gの粉末を充分に混合し、
更に、この混合物にポリイソブチレン44gを添加し
て、実施例と同様に混練し、この混練物を実施例で用い
たものと同様のフィルムに積層したものを用いた。
【0054】次に、各実施例及び各比較例を用い、吸水
率、及び保型性(液状流動化)をみる為に生理食塩水中
での浸漬評価を行った。まず、吸水率について以下の方
法で評価した。予め秤量した2.5cm×2.5cm×
0.1cmの試験片W1(g)を50mlの生理食塩水
溶液に浸漬、一定時間ごとに取り出し、余分な水分はガ
ーゼにより除去した後、秤量する。その時の重量をW2
(g)として吸水率を以下の方法で測定した。
【0055】
【式1】
【0056】次に保型性(液状流動化)については、吸
水曲線(図3)の傾き(右下りは液状化傾向を示す。)
及び目視にて状態を観察した。
【0057】以上の結果より、実施例1・2及び比較例
1・2につき生理食塩水の吸収量について経時的変化を
測定した結果を図3に示す。
【0058】比較例1・2は浸漬後6時間以内に流動化
したが、実施例のものは24時間後に限界が生じるがか
なりの吸収量を示し、かつ保型性を有し、流動化しなか
った。 また、これら3種類につき、動物実験(ラッ
ト)による皮膚欠損創面に適用したところ、滲出液によ
り比較例1・2のものは1日後には、流動化し、外用材
としての役目を果せないことが認められた。これらに対
して、各実施例のものは、2日後においても保型性を有
し、外用材としての機能を有していることが認められ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明の創傷用機能性外用材において
は、上記構成を有し、接着層がゴム系接着剤と、造塩能
及び/又は配位能をもつ官能基を有する吸水性及び/又
は水膨潤性のポリマーと、金属酸化物及び/又は金属塩
粒子より成る接着剤組成物で形成されており、この接着
層が、創傷部等の人体の適用部位に接着され、傷滲出液
及び体液を吸収すると、金属酸化物及び/又は金属塩か
ら生成した金属イオンと吸水性及び/又は水膨潤性のポ
リマーがイオン結合、或いは配位結合を形成し、これに
よって、接着層の接着力を向上させて当該接着層の保型
性を維持してその溶解や流出を防止し、この結果、衛生
的で、しかも剥離の際に創傷部等の適用箇所を破壊する
ことがなく、至極安全で有用である。
【0060】又、このように接着層と人体の適用部位と
の密着性を維持させることができるので、接着層による
傷滲出液等の吸収を効果的に行って創傷部位等の適用箇
所表面に浸出液が滞留するのを防止する結果、至極衛生
的であり、又、このように吸水性及び/又は水膨潤性の
接着剤組成物で接着層を形成することにより創傷部等の
適用部位との接着性が適度で、過剰の接着力を発現しな
いから剥離の際に創傷部等の適用箇所を破壊しないので
あり、この観点より、安全性が至極高いものである。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の機能性外用材の一実施例を示す
斜視図である。
【0062】
【図2】図2はその断面図である。
【0063】
【図3】図3は実施例1・2及び比較例1・2の生理食
塩水の吸収特性図である。
【0064】
【符号の説明】
1 機能性外用材 2 透湿性支持体 3 接着層 4 セパレーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−106615(JP,A) 特開 昭58−190446(JP,A) 特開 平2−1284(JP,A) 特開 平1−110137(JP,A) 特開 昭58−69811(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体及び接着層よりなる外用材であっ
    て、上記支持体が透湿性であり、しかも、接着層がゴム
    系接着剤と吸水性及び/又は水膨潤性のポリマーと金属
    酸化物及び/又は金属塩より成る接着剤組成物で形成さ
    れており、かつ、その吸水性及び/又は水膨潤性のポリ
    マーが造塩能及び/又は配位能をもつ官能基を有するこ
    とを特徴とする創傷用機能性外用材。
  2. 【請求項2】 支持体の透湿度が300〜2000g/
    ・24hrである請求項1に記載の創傷用機能性外
    用材。
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