JP3088867U - 輸送箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】輸送箱に内箱用蓋体を設けなくても苗木の内箱
からの飛び出し防止が可能な技術を提供すること。 【解決手段】外箱３と、包装用板紙製で前記外箱３に収
容される内箱５とを有する輸送箱１において、前記内箱
５は、苗木２が入る本体１４と、この本体１４に備えら
れ前記内箱５を前記外箱３から取り出すための把手１７
とを備え、この把手１７は、前記内箱５を前記外箱３に
収容すると外箱３から外力を受けて曲折され、把手１７
の曲折により前記苗木２を押さえるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は輸送箱に関し、例えば苗木その他の輸送物を輸送するのに使用される 輸送箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、健康食品に対する関心の高まりや趣味としてのガーデニング人口の増 加に伴い、宿根草や各種花木類の苗や苗木（以下総称して「苗木」）が生産地か ら輸送されて小売店で販売されたり、生産業者から消費者に直接送られたりする 。

【０００３】 また、室内での観賞用に苗木がプレゼントとして利用されたりすることもある 。

【０００４】 いずれにせよ、消費者に苗木を送り届けるのに、苗木が傷まないよう、一般に は包装用板紙（ダンボール）製の輸送箱が用いられることが多い。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで輸送中の振動や揺れにより苗木が傷ついたり折れたりする虞があるた め、苗木を箱内で保持する必要がある。

【０００６】 苗木を保持する輸送箱の一例として、苗木を実際に保持する内箱と、この内箱 を収容し外壁面に装飾や広告が施されるようになっている外箱とを有する輸送箱 を挙げられる。

【０００７】 前記内箱は、苗木を収容する本体と、この本体に付属する把手であって外箱に 収容した内箱の取り出しや取り出した内箱を移送するための把手を有する。そし て根に土をつけた苗木を軟プラスチック製の鉢（以下軟プラスチック製鉢）に入 れ、この苗木入りの鉢（以下苗木入り鉢）を前記本体で収容するようにしている 。

【０００８】 本体で苗木入り鉢を収容できるように前記包装用板紙は中空筐体状に形成され る。そして、苗木入り鉢を収容できるように本体の上面は開口され当該開口から 本体に苗木入り鉢が入れられる。また、苗木の根系部分に対する苗条部分が前記 輸送時における振動や揺れの影響でつぶれないように、前記開口は前記包装用板 紙製蓋体（以下内箱用蓋体）で覆われている。

【０００９】 この内箱用蓋体は、スリット状の複数の切り込みが形成されている。そして、 内箱の前記開口に蓋をした時に前記苗条部分がこの切り込みから上に抜けるよう にされている。また内箱用蓋体を内箱本体に固定できるように内箱用蓋体の縁部 には差込片が形成され、本体の前記上面には、この差込片としまり嵌め関係にあ る嵌合スリットが形成されている。

【００１０】 したがって、前記差込片を嵌合スリットに嵌め込むと、前記内箱用蓋体が前記 本体に固定され、もって苗木入り鉢が内箱用蓋体により上から押さえられるよう になる。この結果、輸送途中の振動や揺れの影響で苗木が内箱から飛び出してし まうのを防止している。また前記苗条部分が前記切り込みから上方に突き出るよ うになっているので、輸送途中の苗木の生長が内箱用蓋体により妨げられること がない。

【００１１】 一方、このような輸送箱は、苗木が送り届けられた後は廃棄されるのが常であ り、資源の無駄となっている。

【００１２】 また、内箱用蓋体を内箱に固定する作業は手作業のため面倒である。

【００１３】 したがって、内箱用蓋体が無くても苗木の内箱からの飛び出し防止技術の提案 が望まれていた。

【００１４】 本考案は、このような実情に鑑みてなさたものであり、輸送箱に内箱用蓋体を 設けなくても苗木の内箱からの飛び出し防止が可能な技術を提供しようとするも のである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記把手に内箱用蓋体の機能を持たせることで上記技術的課題を達 成するというものである。

【００１６】 具体的には、外箱とこの外箱により収容閉塞される内箱とからなる包装用板紙 製の輸送箱において、内箱は、苗木が入る本体と、この本体に備えられ内箱を外 箱から取り出すための把手とを備え、把手は、前記内箱を前記外箱に収容すると 外箱から外力を受けて曲折され、把手の曲折により前記苗木を押さえるようにし た。

【００１７】 苗木は軟プラスチック製鉢に入れられた状態で前記内箱に詰め込まれ、内箱は 、苗木入りの軟プラスチック製鉢を前記本体に収容する鉢収容口が本体上面に形 成され、前記把手は、その曲折時、前記鉢収容口から内箱に入れられた前記鉢の 周縁に当接して鉢を押さえる。

【００１８】 また内箱は中空筐体状に形成されている。そして、内箱本体上面の周縁に前記 把手を一対、回動自在にかつ対向して形成する。各把手は、それらの延在方向に 対して直行する折れ線を有する。さらに外箱の一壁を構成しかつ前記外箱の内箱 収容口を開閉する開閉壁を閉じて前記内箱を外箱に閉塞状態で収納すると、前記 開閉壁と前記把手とが当接しその結果前記開閉壁から前記把手が力を受けて前記 折れ線形成箇所で中折れし前記鉢の周縁に当接するようにした。

【００１９】 前記開閉壁による外箱閉塞前において前記把手が前記内箱収容口から突出する よう把手の長さを設定する。

【００２０】 把手の基部から前記折れ線形成箇所までの長さ寸法は、前記基部から内箱の本 体上面における前記鉢収容口の周縁までの長さ寸法よりも長くする。

【００２１】 本考案はこのような構成であるため、従来、輸送箱の内箱にあった内箱用蓋体 が有している輸送物の抑止機能を把手が発揮する。よって、苗木その他の輸送物 の内箱からの飛び出し防止を内箱用蓋体が無くてもできる。

【００２２】 よって、内箱用蓋体が不要な分だけ資源の無駄を防止でき、また、内箱用蓋体 の内箱への固定作業がいらなくなる。この結果、輸送箱のコスト低減及び作業効 率の向上を期待できる。

【００２３】

【考案の実施の形態】

【００２４】 以下、本考案の実施の形態を図１〜図８を参照して説明する。

【００２５】 符号１は輸送箱を示唆する。

【００２６】 輸送箱１は、荷物として苗木２（図８参照）を取り扱う専用の輸送箱である。

【００２７】 輸送箱１はダンボールでできており、外箱３と、外箱３に収容され苗木２を支 える内箱５とを有する。

【００２８】 外箱３も内箱５も共に折り畳み箱であり、組み立てると立方体形状になる。

【００２９】 外箱３は、筒状をした胴部７，胴部７の両端にそれぞれ形成され内フラップ８ ，８をそれぞれが有する底板９及び蓋１１を有する。

【００３０】 そして、外箱３に内箱５を収納するには、図１に示すように、底板９とその内 フラップ８，８を閉じ、反対に蓋１１とその内フラップ８，８とを開いて開口し 、当該開口１２から内箱５を外箱３に入れる。蓋１１を閉めることで外箱３に内 箱５が収納閉塞される。

【００３１】 よって、蓋１１は、外箱３の一壁を構成し、外箱３の内箱収容口となる開口１ ２を開閉する開閉壁といえる。

【００３２】 外箱３と内箱５とは公差によって締めしろができるように中間ばめとされ、外 箱３内に入れた内箱５の固定化を図り、もって輸送時に振動や揺れを受けても内 箱５が安定するようにしている。

【００３３】 内箱５は、苗木２を入れる本体１４と、本体１４に備えられ、苗木２の入った 内箱５を外箱３に対して出し入れするための一対の把手１７，１７とを備えてい る。

【００３４】 本体１４は、高さが低寸（外箱３との比較で外箱３の高さ寸法のほぼ３分の１ の長さ）な中空筐体状に形成され、本体上面１６の周縁には前記把手１７，１７ が一対、回動自在になるようにかつ対向して形成されている。また、内箱本体上 面１６の中央には、上面１６のほぼ５分の２の大きさを締める開口１９を有する 。この開口１９から苗木２が本体１４の中空１５ａに入れられる。よって開口１ ９は内箱５における苗木収容口といえる。なお、苗木は軟プラスチック製または 紙製の鉢２３に入れられているので当該収容口のことを鉢収容口といってもよい 。

【００３５】 把手１７は、外箱３から内箱５を取り出す際に把手１７に手が届き易くなるよ うに十分な長さが確保された長尺片である。詳しくは後述する。

【００３６】 把手１７は、内箱５を外箱３に収容閉塞すると、外箱３の蓋１１から力を受け て中折れし、このような把手１７の曲折により苗木２を曲折部１８で押さえ、も って輸送時等の振動や揺れがあった場合でもその影響を受けて内箱５からの苗木 ２の飛び出しを防止するようになっている（図１，２，８参照）。そのため把手 １７は、本体上面１６に対し全体が自在に回動できるよう本体上面１６との境界 部分、すなわち把手１７の基部２０が枢軸部となるように基部２０にはミシン目 ，括れ線その他の折れ線が形成されている。また把手１７の基部２０寄り部分に は基部２０に形成した折れ線と平行な別の折れ線２１が形成されている。すなわ ち、折れ線２１は、把手１７の延在方向（長手方向）に対して直行する折れ線で あり、外箱３の蓋１１を閉めたとき前記曲折部１８を形成する。

【００３７】 詳しくは、外箱３の蓋１１を閉じて外箱３に内箱５を収納すると、把手１７は 、蓋１１から把手１７の先端が押圧力（外力）を受けて前記基部２０，折れ線２ １（正確には折れ線形成箇所）で中折れして曲折部１８となる。そして、この曲 折部１８が、苗木２を入れてある軟プラスチック製鉢２３の周縁２４に当接し、 苗木２を間接的に保持する（図８参照）。

【００３８】 また、把手１７は、蓋１１による外箱３の閉塞前は、内箱収容口である前記開 口１２から突出するほどの長さ寸法を有することが好ましい。すなわち、内箱５ を外箱３に収納し、かつ把手１７を基部２０を枢軸として内箱５の内側に曲げる とともに折れ線２１で中折れさせることで把手１７をクランク状とし、外箱３の 蓋１１をまだしていない状態にあるときに、把手１７の先端縁１７ａが外箱３の 開口１２から突出するように把手１７の長さ寸法を設定してある（図１，２，８ 参照）。

【００３９】 さらに、把手１７の基部２０から折れ線２１までの長さ寸法は、基部２０から 内箱５の本体上面１６における鉢収容口である開口１５の周縁までの長さ寸法よ りも長くしてある。

【００４０】 輸送箱１はこのような構成であるから、外箱３に内箱５を入れた後、外箱３の 蓋１１を閉めると、内箱５はダンボール製であるのでその弾力と把手１７が長寸 であって蓋１１をしていない状態では突出状態にあることと相俟って、鉢２４の 周縁２４の一部に把手の曲折部１８が弾発的に当接し、苗木２を間接的に保持す る。この結果、従来の輸送箱の内箱に属していた内箱用蓋体の輸送物抑止機能を 把手１７が発揮するようになる。

【００４１】 よって、輸送物である苗木の内箱からの飛び出し防止を前記内箱用蓋体が無く てもできる。

【００４２】 また、内箱用蓋体が不要な分だけ資源の無駄を防止でき、また、内箱用蓋体の 内箱への固定作業がいらなくなる。この結果、輸送箱のコスト低減及び作業効率 の向上を期待できる。 なお、図８に二点鎖線で示す把手１７は、折れ線２１の形成具合によっては（ 折れ線２１を把手表裏面のいずれに形成するかによっては）把手１７の先端１７ ａが、外箱３の開口１２側に位置するラップ８の基部に当接することもありえる ことを示す。

【００４３】

【考案の効果】

以上、説明したように本考案によれば、内箱用蓋体が不要な分だけ資源の無駄 を防止でき、また、内箱用蓋体の内箱への固定作業がいらなくなる。この結果、 輸送箱のコスト低減及び作業効率の向上を期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案輸送箱に苗木を詰め込んだ状態でかつ外
箱の蓋を開いた状態の一部透過斜視図である。

【図２】図１の状態でかつ閉塞直前の一部透過斜視図で
ある。

【図３】本考案に係る内箱の展開図である。

【図４】本考案に係る内箱の把手部を折り曲げる前の状
態の斜視図である。

【図５】図４の内箱の把手部を折り曲げた状態の斜視図
である。

【図６】図５を別の角度から見た斜視図である。

【図７】本考案に係る内箱の側面図である。

【図８】本考案に係る輸送箱に苗木を収納閉塞した状態
を示す一部透過斜視図である。

【符号の説明】

１ 輸送箱 ２ 苗木 ３ 外箱 ５ 内箱 ７ 胴部 ８ 内フラップ ９ 底板 １１ 蓋（開閉壁） １２ 開口 １４ 本体 １５ 開口 １５ａ 中空 １６ 本体上面 １７ 把手 １８ 曲折部 １９ 開口（苗木収容口，鉢収容口） ２０ 把手の基部 ２１ 折れ線 ２３ 鉢 ２４ 軟プラスチック製鉢 ２５ 周縁

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外箱と、この外箱により収容閉塞される内
   箱とを有する包装用板紙製の輸送箱において、 前記内箱は、荷物が入る本体と、この本体に備えられ前
   記内箱を前記外箱から取り出すための把手とを備え、 この把手は、前記内箱を前記外箱により収容閉塞すると
   曲折され、もって前記荷物を押さえることを特徴とする
   輸送箱。
2. 【請求項２】前記荷物は苗木であって、この苗木は鉢に
   入れられた状態で前記内箱に詰め込まれ、 内箱は、苗木入りの鉢を前記本体に収容する鉢収容口が
   本体上面に形成され、 前記把手は、その曲折時、前記鉢収容口から内箱に入れ
   られた前記鉢の周縁に当接して前記鉢を押さえることを
   特徴とする請求項１に記載の輸送箱。
3. 【請求項３】前記内箱は中空筐体状に形成され、 この内箱の前記本体上面の周縁には、前記把手が少なく
   なくとも一対、回動自在にかつ対向して形成され、 各把手は、その延在方向に対して直行する折れ線を有
   し、 外箱の一壁を構成し前記外箱の内箱収容口を開閉する開
   閉壁を閉じて内箱を外箱に収容すると、前記開閉壁から
   前記把手が外力を受けて前記折れ線で中折れすることを
   特徴とする請求項２に記載の輸送箱。
4. 【請求項４】前記把手は、前記開閉壁による外箱閉塞前
   は、前記内箱収容口から突出するように把手の長さが設
   定されていることを特徴とする請求項３に記載の輸送
   箱。
5. 【請求項５】前記把手の基部から前記折れ線までの長さ
   寸法は、前記基部から内箱本体上面における前記鉢収容
   口周縁までの長さ寸法よりも長いことを特徴とする請求
   項４に記載の輸送箱。