JP3088698U - フロースルー型アッセイ装置 - Google Patents

フロースルー型アッセイ装置

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JP3088698U
JP3088698U JP2002001482U JP2002001482U JP3088698U JP 3088698 U JP3088698 U JP 3088698U JP 2002001482 U JP2002001482 U JP 2002001482U JP 2002001482 U JP2002001482 U JP 2002001482U JP 3088698 U JP3088698 U JP 3088698U
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智成 南澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロースルー型アッセイ装置における
感度を変えずに、分析対象物を含む試料等の液体が、検
出が適切に行われたかどうかを判定するための穴(6)
を容易に通過できるようなアッセイ装置を提供するこ
と。 【解決手段】 液体吸収部材(3)と、その上部
に分析対象物に対する受容体が固定された膜部材(4)
が設置されており、さらにその上面に、分析対象物を検
出するための穴(5)及び検出が適切に行われたかどう
かを判定するための穴(6)が低面部にある開口部
(7)を有するアダプター(2)を備えたフロースルー
型アッセイ装置(1)であって、前記穴(6)の膜部材
に接触する下部開口面積より、上部開口面積を大きくす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、フロースルー型アッセイ装置に関し、より詳細には目的の分析対象 物を簡便かつ正確に検出することができるフロースルー型アッセイ装置に使用す るアダプターに関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫反応の特異性を利用して試料中の分析対象物を免疫学的手法により検出ま たは定量する分析方法として免疫拡散法、酵素免疫測定法、凝集法等種々の方法 論が実用化されている。フロースルー式検査法はイムノクロマトグラフィー法( ラテラルフロー式、タンジェンシャルフロー式)と並ぶ、メンブランを使用した 検査法の1種であり、操作が簡便で一般的な検査の場に普及している。 フロースルー式検査法の原理は、“Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, Jan uary 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8、にフロースルーフォーマット(Flow Through Formats)として記載されるとおりである。すなわち、メンブランを使 用する免疫アッセイ法において、検体液がメンブランを通過し、その際にメンブ ランに固定された捕捉試薬に分析対象物が捕捉されることを特徴とする方法であ る。メンブランの下には検体液を下方に吸引する役割を果たす、液体を吸収する 部材が存在することが好ましく、この部材により、より迅速な検出が可能となる 。 また、特公平7−34016号(ハイブリテック)もフロースルー式検査法の 原理が記載される文献として挙げられる。 このフロースルー式検査法において、従来より使用されているアッセイ装置は 図4及び図5に示される通りである。図4は従来のアッセイ装置(1)の平面図 である。また、図5は、図4のAB切断端面図である。アッセイ装置の下部には 液体吸収部材(3)が設置されている。この部材(3)の上に、分析対象物に特 異的に結合する受容体(リガンド)を固定化した膜部材(4)が密着するように 設置されている。その上に、分析対象物を検出するための穴(5)および検出が 適切に行われたかどうかを判定するための穴(6)が底面部に存在する開口部( 7)を備えたアダプター(2)が密着するように設置されている。 例として、この装置によりA型インフルエンザウイルスを検出する方法を説明 する。まず膜部材(4)には予め、分析対象物を検出するための穴(5)を通し て抗A型インフルエンザウイルス抗体を含む液体をごく少量滴下し、また、検出 が適切に行われたかどうかを判定するための穴(6)を通してA型インフルエン ザウイルス抗原を含む液体をごく少量滴下し、一定時間放置して、それぞれを膜 部材(4)の各穴に対応する部分に吸着させておく。 次にA型インフルエンザウイルスを含む検体(液体試料)を開口部(7)から アダプター(2)内に滴下する。液体試料はアダプターの穴(5)を通じて膜部 材(4)上の固定化された抗体と接触し、その後膜部材(4)の下の液体吸収部 材(3)に吸収される。ここで液体試料中のA型インフルエンザウイルス抗原と 膜部材(4)に固定された抗体とを十分に反応させるため一定時間放置する。次 に酵素で標識した抗A型インフルエンザウイルス抗体をアダプター(2)内に滴 下する。液が膜部材(4)を通過して下方にある液体吸収部材(3)に吸い込ま れるまで一定時間反応させる。次いで、アッセイ装置(1)からアダプター(2 )を取り外し、膜部材(4)に洗浄液を滴下し、存在する未反応物を洗浄除去す る。さらに前記標識酵素に対する基質を滴下し、液が膜部材(4)を通過して下 方にある液体吸収部材(3)に吸い込まれるまで一定時間反応させる。 酵素基質反応が進行すると分析対象物を検出するための穴(5)があった部分 に対応する膜部材(4)の部分の色調が変化し、検体中にA型インフルエンザウ イルスが存在したことが確認できる。このとき、検出が適切に行われたかどうか を判定するための穴(6)があった部分に対応する膜部材(4)の部分には上述 したように予めA型インフルエンザウイルス抗原を吸着させておくので、検出が 適切に行われていればこの部分の色調も変化する。これにより検査が適切に行わ れたかどうかを確認することができる。 この検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴(6)は、通常直径1 .2〜1.4mm程度の穴であるが、これより大きくすると抗原を含む液が広い 面積に拡散し、感度が低下するため、穴の面積をこれ以上大きくすることは好ま しくない。しかし、分析対象物を含む検体等の液体試料はその表面張力により、 気泡が混入してこのような面積の穴(6)をスムーズに通らないという問題点が 従来あった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従って、本考案は、フロースルー型アッセイ装置における感度を変えずに、分 析対象物を含む液体試料等が、検出が適切に行われたかどうかを判定するための 穴を容易に通過できるようなアッセイ装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、液体吸収部材と、その上部に分析対象物に対する受容体が固定さ れた膜部材が設置されており、さらにその上面に、分析対象物を検出するための 穴及び検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴が底面部に存在する開 口部を有するアダプターが設置されたフロースルー型アッセイ装置であって、前 記検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴の膜部材に接触する下部開 口面積(S1)より、上部開口面積(S2)の方が大きいことを特徴とするフロ ースルー型アッセイ装置、により解決することが見出された。
【0005】
【考案の実施の形態】
本考案のフロースルー型アッセイ装置の模式図を図1〜図3に示す。図1は本 考案の一実施態様であるアッセイ装置(1)を、上面から見た平面図である。図 2は、図1のAB切断端面図である。図3は図2の拡大図である。アッセイ装置 (1)の下部には液体吸収部材(3)が設置されている。この部材(3)の上に 、分析対象物に特異的に結合するリガンドを固定化した膜部材(4)が密着する ように設置されている。その上に、底面部に、分析対象物を検出するために用い られる穴(5)および検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴(6) を備えている開口部(7)を有するアダプター(2)が密着するように設置され ている。このアダプターは、とりはずし可能なようにアッセイ装置に簡易に固定 されている。 なお、本考案のアッセイ装置は、実用新案登録第3079968号公報記載の 図1〜図3における“デバイス”のような一定の厚みをもったハウジングに収納 されていてもよい。
【0006】 本考案のアッセイ装置は、検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴 (6)の形状が、従来のものと異なる点に特徴を有する。すなわち、検出が適切 に行われたかどうかを判定するための穴(6)の膜部材(4)に接触する下部開 口面積(S1)より、上部開口面積(S2)の方が大きい。このように、上部開 口面積の方が大きいことによって、膜部材(4)に接触する穴の面積(下部開口 面積)を多くすることなく、分析対象物を含む試料等の液体が、検出が適切に行 われたかどうかを判定するための穴(6)をスムーズに通ることができるように なるという効果を奏する。
【0007】 また、本考案のアッセイ装置において、検出が適切に行われたかどうかを判定 するための穴の内周壁が、前記穴が上方に向かって拡開するように一部傾斜また は全て傾斜していることが好ましい。ここで、一部傾斜しているとは、穴の内周 壁において傾斜せずに、直立している(すなわち傾斜角が90°)部分があって もよいことを意味する。また、本考案のアッセイ装置において、前記内周壁の傾 斜部分の傾斜角(図3における(r))のうち、最大傾斜角は底面に対して20 °以上70°以下の範囲内であることが好ましい。さらに、本考案のアッセイ装 置において、前記穴の下部開口面積(S1)に対する上部開口面積(S2)の比 率(S2/S1)が3〜80であることが好ましい。
【0008】 また、アダプターの検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴の下部 開口面積は、アッセイの感度を維持するためには、1.0〜1.5mm2の範囲 内であることが好ましい。また、アダプターの検出が適切に行われたかどうかを 判定するための穴の高さ(図3における(h))は、アダプターの作成方法に依 るが、通常0.5〜1.5mmの範囲内である。
【0009】 また、本考案のフロースルー型アッセイ装置において、液体吸収部材とは、液 体を吸収するいずれの材料からなる部材でもよく、具体的には、ガラスメンブラ ン等が挙げられる。厚さは、アッセイ装置全体の大きさと、洗浄液等の使用する 液体量及び液体吸収部材の液体吸収性などを考慮して適宜決めることができる。 このような液体吸収部材はまた、液体の吸収が迅速に進行するように、捕捉試薬 が固定化されたメンブランと接触または密着していることが好ましい。 上記液体吸収部材の上部に、分析対象物に対する受容体(リガンド)が固定さ れた膜部材が設置されている。受容体の具体例としては、抗ウイルス抗体、ウイ ルス抗原、遺伝子組換えウイルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質 等が挙げられる。またこれらのポリクローナル抗体、モノクローナル抗体が挙げ られる。また、膜部材としてはニトロセルロースメンブラン、ナイロンメンブラ ン、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)メンブラン、PES(ポリエーテ ルスルホン)が挙げられる。
【0010】 上記膜部材上に、分析対象物を検出するための穴及び検出が適切に行われたか どうかを判定するための穴を有するアダプターが設置されている。分析対象物を 検出するための穴の大きさおよび形状は、試料液体の滴下及び試料液体の通過が スムーズに進むような大きさ及び形状であれば特に限定されないが、例えば、5 〜15mm2の範囲の大きさである。検出が適切に行われたかどうかを判定する ための穴の形状及び大きさについては上述したとおりである。
【0011】 アダプターの形状は、液体を滴下するためのある程度の大きさの開口部(図2 、7)を有し、底面部に分析対象物を検出するための穴及び検出が適切に行われ たかどうかを判定するための穴を有していればどのような形状でもよい。アダプ ターは、アッセイ装置本体から脱着可能なように固定されて取り付けられている ことが好ましい。アダプターの材質は、ポリスチレンが挙げられる。アダプター は複数のリガンドに対する検査を一度に行えるように、底面部に分析対象物を検 出するための穴及び検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴を有する 開口部を複数有するものであってもよい。
【0012】 本考案のアッセイ装置について、例えばA型インフルエンザウイルスを検出す る方法に使用する場合についてその使用方法を説明する。まず膜部材(4)には 予め、分析対象物を検出するための穴(5)を通して抗A型インフルエンザウイ ルス抗体をごく少量(約10μL)滴下し、また、検出が適切に行われたかどう かを判定するための穴(6)を通してA型インフルエンザウイルス抗原をごく少 量(約10μL)滴下し、一定時間(例えば、10〜60分間)放置して、それ ぞれを膜部材(4)に吸着させておく。
【0013】 次に、この装置を使用して試料中の分析対象物(A型インフルエンザウイルス )を検出する方法について説明する。 A型インフルエンザウイルスを含む液体試料(約300μL)をアダプター( 2)内に滴下する。液体試料中のA型インフルエンザウイルス抗原と膜部材(4 )に固定された抗体とを十分に反応させるため、5〜30秒間放置する。 次に酵素で標識した抗A型インフルエンザウイルス抗体(約300μL)をア ダプター(2)内に滴下する。液が膜部材(4)を通過して下方にある液体吸収 部材(3)に吸い込まれるまで一定時間(例えば、1〜10分間)反応させる。 次いで、必要によりアッセイ装置(1)からアダプター(2)を取り外し、ア ッセイ装置(1)の開口部から膜部材(4)に洗浄液を滴下し、存在する未反応 物を洗浄除去する。アッセイ装置(1)の開口部からさらに酵素に対する基質を 滴下し、液が膜部材(4)を通過して下方にある液体吸収部材(3)に吸い込ま れるまで一定時間(例えば、5〜20分間)反応させる。分析対象物を検出する ための穴(5)があった部分に対応する膜部材(4)の色調が変化し、検体中に A型インフルエンザウイルスが存在したことが確認できる。このとき、検出が適 切に行われたかどうかを判定するための穴(6)があった部分に対応する膜部材 (4)の色調が変化すれば、検出が適切に行われたことが確認できる。
【0014】
【考案の効果】 本考案のアッセイ装置を使用することにより、表面張力が維持されにくい構造 になるため、気泡等の混入もなく、分析対象物を含む試料等の液体がアダプター (2)上に残らずにスムーズに膜部材(4)下の液体吸収部材(3)へ吸収され る。また、穴の下部開口面積は変化しないため、感度は維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のアッセイ装置の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1のAB切断端面図である。
【図3】図2の拡大図である。
【図4】従来のアッセイ装置の平面図である。
【図5】図4のCD切断端面図である。
【符号の説明】
1:アッセイ装置 2:アダプター 3:液体吸収部材 4:膜部材 5:分析対象物を検出するための穴 6:検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴 7:アダプターの開口部 h:穴(6)の高さ r:穴(6)の内周壁の傾斜角

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吸収部材と、その上部に分析対象
    物に対する受容体が固定された膜部材が設置されてお
    り、さらにその上面に、分析対象物を検出するための穴
    及び検出が適切に行われたかどうかを判定するための穴
    が底面部に存在する開口部を有するアダプターが設置さ
    れたフロースルー型アッセイ装置であって、前記検出が
    適切に行われたかどうかを判定するための穴の膜部材に
    接触する下部開口面積(S1)より、上部開口面積(S
    2)の方が大きいことを特徴とするフロースルー型アッ
    セイ装置。
  2. 【請求項2】 検出が適切に行われたかどうかを判定
    するための穴の内周壁が、前記穴が上方に向かって拡開
    するように一部傾斜または全て傾斜している、請求項1
    に記載のアッセイ装置。
  3. 【請求項3】 検出が適切に行われたかどうかを判定
    するための穴の内周壁の傾斜部分の最大傾斜角が下部底
    面に対して20°以上70°以下の範囲内である、請求
    項1または2のいずれかに記載のアッセイ装置。
  4. 【請求項4】 検出が適切に行われたかどうかを判定
    するための穴の下部開口面積(S1)に対する上部開口
    面積(S2)の比率(S2/S1)が3〜80である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のアッセイ装置。
  5. 【請求項5】 検出が適切に行われたかどうかを判定
    するための穴の下部開口面積が1〜1.5mm2の範囲
    内である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアッセ
    イ装置。
  6. 【請求項6】 検出が適切に行われたかどうかを判定
    するための穴の高さが0.5〜1.5mmの範囲内であ
    る、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアッセイ装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8404479B2 (en) 2003-12-24 2013-03-26 Denka Seiken Co., Ltd Simple membrane assay method and kit

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US8404479B2 (en) 2003-12-24 2013-03-26 Denka Seiken Co., Ltd Simple membrane assay method and kit

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