JP3088320B2 - 一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法、その電気化学デバイス、その運転方法、燃料電池の運転方法および燃料電池発電システム - Google Patents

一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法、その電気化学デバイス、その運転方法、燃料電池の運転方法および燃料電池発電システム

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JP3088320B2
JP3088320B2 JP09024049A JP2404997A JP3088320B2 JP 3088320 B2 JP3088320 B2 JP 3088320B2 JP 09024049 A JP09024049 A JP 09024049A JP 2404997 A JP2404997 A JP 2404997A JP 3088320 B2 JP3088320 B2 JP 3088320B2
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Industrial Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的な反応
を利用して発電や水素ガスの精製等を行う、例えば電気
自動車等で使用される燃料電池や電気化学的水素精製装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気化学デバイスの典型例として燃料電
池は周知のように、電解質を介して一対の電極を接触さ
せ、この一方の電極に燃料を、他方の電極に酸化剤を供
給し、燃料の酸化を電池内で電気化学的に反応させるこ
とにより化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換す
る装置である。燃料電池には電解質によりいくつかの型
があるが、近年高出力の得られる燃料電池として、電解
質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池
が注目されている。燃料電極に水素ガスを、酸化剤電極
に酸素ガスを供給し、外部回路より電流を取り出すと
き、下記のような反応が生じる。 燃料極反応:H2→2H++2e- (1) 酸化剤極反応:2H++2e-+1/2O2→H2O (2)
【0003】このとき電極上の白金等の触媒が有効に作
用すれば、式1の反応ではほとんど過電圧を生じず、ス
ムーズに反応が進行する。一方、燃料に取り扱いが容易
なメタノール等の炭化水素を用いる場合には、改質器に
より、式(3)のような反応により水素に改質してから
供給することになる。 改質反応:CH3OH+H2O→3H2+CO2 (3) しかし、次のシフト反応により、微量のCOが燃料中に
混入する。 シフト反応:CO2+H2→CO+H2O (4) 特に動作温度が低い固体高分子型燃料電池のような電気
化学デバイスでは、数十ppmのCOの混入により、触媒
が被毒して、アノード反応の過電圧が増大して特性が低
下することが問題となっている。
【0004】そこで、COによる被毒の影響を低減する
ために、従来より数々の工夫がなされてきた。基本的に
はCOの被毒の影響が少ない触媒組成の開発と、もう一
方は燃料中のCOを選択的に除去する方法である。
【0005】触媒組成については、RuとPtの合金を
用いた場合は100ppmのCO濃度まで、高特性を維持
できるようになったことが報告されている(「固体高分
子型燃料電池用電極触媒のCO被毒特性」第35回電池
討論会講演要旨集3D19、p299-300(1994))。
【0006】燃料中のCOを選択的に除去する方法とし
ては、触媒層中で空気を添加して除去する方法(カナダ
特許1,305,212)や燃料電池の燃料中に微量の空気を混
入する方法(「3次元電極・膜接合方式PEFCの特性
評価」第36回電池討論会講演要旨集1C07、p225-226(1
995))等が報告されている。
【0007】しかし、触媒組成による改善では、Pt・
RuでもCO被毒対策としてはまだ不充分である。
【0008】また、空気混入による選択酸化では、燃料
中のCOを酸化し、被毒を与えない程度にCO濃度が低
減されることが確認されている。しかし、同時に大量の
水素も燃焼してしまい、燃料の消費量を増大させてしま
う欠点があり、また水素に空気を混入させることは安全
上好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の燃
料電池では、COによる触媒の被毒の影響を低減するた
めに、COの影響が少ない触媒組成の開発や燃料ガス中
に空気を混入する方法が採られていた。しかしながら、
触媒組成としてPt・Ruを採用しても、CO被毒対策
としてはなお不十分であり、アノード反応の過電圧が増
大し特性の低下を抑えることができないという課題があ
った。また、空気混入による選択酸化を採用した場合に
は、被毒を与えない程度にCO濃度を低減できるもの
の、同時に大量の水素を燃焼してしまい、燃料の消費量
が増大してしまい、さらに水素に酸素を混入させること
は安全上好ましくないという課題があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、安全性に優れ、COの選択性が
高いCO除去を行うことができる一酸化炭素を含む水素
ガスから一酸化炭素を除去する方法および電気化学デバ
イスを得ることを目的とする。また、安全性に優れ、C
Oの選択性が高いCO除去を行うことで、高特性・高出
力の燃料電池及び電気化学デバイス並びにその運転方法
を得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る一酸化
炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法は、
一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面に
それぞれ触媒層を介して配設されてなる電気化学セルの
一側のガス拡散電極に一酸化炭素を含む水素ガスを供給
し、他側のガス拡散電極に対して正のパルス状電位を該
一側のガス拡散電極に連続的に印加して、該一側のガス
拡散電極中を流通する水素ガス中に含まれる一酸化炭素
を電気化学的に酸化分解して除去するものである。
【0012】第2の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガ
スから一酸化炭素を除去する方法は、一対のガス拡散電
極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を
介して配設されてなる電気化学セルの両ガス拡散電極に
一酸化炭素を含む水素ガスを供給し、連続的にパルス状
電位を該一対のガス拡散電極に交互に印加して、該一対
のガス拡散電極中を流通する水素ガス中に含まれる一酸
化炭素を電気化学的に酸化分解して除去するものであ
る。
【0013】また、第1および第2の発明において、上
記連続的に印加するパルス状電位が水素参照極に対して
0.5V以上としたものである。また、上記連続的に印
加するパルス状電位のパルス幅が0.003〜0.2秒
の範囲であり、パルス周期が0.2〜1秒の範囲とした
ものである。また、上記電気化学セルをガスの流れ方向
に直列に複数配置するとともに、下流側の電気化学セル
に印加するパルス状電位のパルス幅を上流側の電気化学
セルに印加するパルス状電位のパルス幅よりも小さくし
たものである。
【0014】第3の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガ
スから一酸化炭素を除去する電気化学デバイスは、一対
のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれ
ぞれ触媒層を介して配設されてなる電気化学セルと、一
対のガス拡散電極の一側のガス拡散電極に一酸化炭素を
含む水素ガスを供給する第1のガス供給手段と、一対の
ガス拡散電極の他側のガス拡散電極に水素ガスを主成分
とするガスを供給する第2のガス供給手段と、他側のガ
ス拡散電極に対して正のパルス状電位を一側のガス拡散
電極に連続的に印加する電圧印加手段とを備えたもので
ある。また、上記電気化学セルがガスの流れに対して直
列に複数配列されているものである。
【0015】第4の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガ
スから一酸化炭素を除去する電気化学デバイスは、ガス
拡散電極とイオン伝導性の電解質膜とを触媒層を介して
交互に積層されてなる電気化学セル積層体と、電気化学
セル積層体の両端に配設されて該電気化学セル積層体に
電圧を供給する一対の端板と、ガス拡散電極に一酸化炭
素を含む水素ガスを供給するガス供給手段と、連続的に
パルス状電位を一対の端板に交互に印加する電圧印加手
段とを備えたものである。
【0016】第5の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガ
スから一酸化炭素を除去する電気化学デバイスは、ガス
拡散電極とイオン伝導性の電解質膜とを触媒層を介して
交互に積層されてなる電気化学セル積層体と、電気化学
セル積層体の両端に配設されて該電気化学セル積層体に
電圧を供給する一対の端板と、一酸化炭素を含む水素ガ
スを電気化学セル積層体の各ガス拡散電極中を積層方向
の一端側から他端側に直列に流通させるガス流通手段
と、連続的にパルス状電位を一対の端板に印加する電圧
印加手段とを備えたものである。
【0017】第6の発明に係る電気化学デバイスの運転
方法は、一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜
の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなる電気化
学セルを備え、一側のガス拡散電極に一酸化炭素を含む
水素ガスを供給し、他側のガス拡散電極に対して正の電
解電圧を一側のガス拡散電極に印加して一酸化炭素を含
む水素ガスを該一側のガス拡散電極上でイオン化し、イ
オン化された水素イオンを電解質膜中を伝導させて他側
のガス拡散電極上で水素に還元して純水素に精製する電
気化学デバイスにおいて、他側のガス拡散電極に対して
正のパルス状電位を一側のガス拡散電極に連続的に印加
して、供給される水素ガスに含まれる一酸化炭素を電気
化学的に酸化分解して除去するものである。また、上記
連続的にかけるパルス状電位がパルスとパルスとの間の
電解電圧よりも0.5V以上であるものである。また、
上記パルス状電位のパルス幅が0.01〜0.5秒の範
囲であり、パルス周期が0.5〜10秒の範囲であるも
のである。
【0018】第7の発明に係る電気化学デバイスは、ハ
ウジングと、一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解
質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなり、
ハウジング内を該一対のガス拡散電極の一側のガス拡散
電極が面する第1の空間と他側のガス拡散電極が面する
第2の空間とに区画するように該ハウジングに収容され
た電気化学セルと、一側のガス拡散電極に電解電位にパ
ルス状電位を連続的に重畳した電圧波形を印加する電圧
印加手段と、第1の空間に一酸化炭素を含む水素ガスを
供給するガス供給口と、第2の空間からガスを排出する
ガス排出口とを備え、一側のガス拡散電極に印加される
電解電位により、第1の空間内の水素ガスをイオン化
し、イオン化された水素イオンを電解質膜中を伝導さ
せ、他側のガス拡散電極上で水素に還元させて第2の空
間内に純水素を生成させるとともに、一側のガス拡散電
極に印加されるパルス状電位により第1の空間内の一酸
化炭素を電気化学的に酸化分解して除去させるものであ
る。
【0019】第8の発明に係る燃料電池の運転方法は、
燃料極と空気極とが電解質膜の両面にそれぞれ配設して
なる単電池を備え、燃料極に一酸化炭素を含有する燃料
ガスを供給し、空気極に空気を供給して発電を行う燃料
電池において、0.5〜5秒の周期で燃料極と空気極と
を電子的に短絡させて、燃料ガスに含有する一酸化炭素
を電気化学的に酸化分解して除去するものである。
【0020】第9の発明に係る燃料電池発電システム
は、改質器で改質された改質ガスを燃料電池の燃料極に
供給し、酸化剤ガスを燃料電池の空気極に供給して発電
を行う燃料電池発電システムにおいて、改質器と燃料極
との改質ガスの経路中に、上記第の3乃至第5の発明の
いずれかの発明に記載された電気化学デバイスを配設
し、該改質ガス中に含まれる一酸化炭素を除去して該燃
料極に供給するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係るC
Oの除去方法に適用される電気化学デバイスを示す模式
断面図である。図1において、イオン導電性の電解質膜
1の両面にガス拡散電極2、3がそれぞれ触媒層4、5
を介して配設されて電気化学セル10が構成されてい
る。そして、電気化学セル10の両側にはそれぞれセパ
レータ板8、9を配設し、ガス流路6、7が電気化学セ
ル10とセパレータ板8、9とによって囲まれた第1お
よび第2のガス供給手段としてのガス流路6、7を形成
して電気化学デバイス50が形成されている。ここで、
電解質膜1としてDu Pont社製のナフィオン11
5を、ガス拡散電極2、3として東レ社製のカーボンペ
ーパーTGP−H090を、触媒層4としてNEケムキ
ャット社製の白金ブラックを、触媒層5としてNEケム
キャット社製のPt・Ru触媒を用いている。
【0022】このように構成された電気化学デバイス5
0を用い、一定電流で電解を行った時の電圧値を測定し
た結果を図2〜図4に示す。なお、ガス流路7には、C
Oを100ppm含有するメタン改質模擬ガス(CO2
−20%、水素バランス)を流し、ガス流路6には純水
素を流している。図2は一定電流で電解を行ったときの
電圧値を示しており、図中A(実線)が、連続的なパル
ス印加を行った時の電圧(電極2に対する電極3の電
圧)の変化を、図中B(点線)がパルス印加を行わなか
った時の電圧を示している。この電解電圧が電極2、3
間に印加されると、電極3上で水素がイオン化され、水
素イオンが電解質膜1中を伝導して電極2に導かれ、水
素イオンが電極2上で水素に還元される。そして、パル
ス印加を行わなかった場合、図2にBで示すように、触
媒がCOにより徐々に被毒され、次第に電解に必要な電
圧が高くなることが分かる。一方、周期的にパルス電解
を行った場合、図2にAで示すように、触媒がCOによ
り被毒され電圧が上昇し始めた時点でCOがパルス電解
で酸化され、経時的に生じる電解に必要な電圧の上昇が
抑えられることが分かる。そして、出口ガス中のCO濃
度が入り口よりも低くなっていた。
【0023】また、図3は、この方法でCOを酸化除去
した時の出口ガスCO濃度を様々なパルス電圧でパルス
幅を変えて測定した結果を示している。図3から、パル
ス電圧が0.4Vより小さいとCOの除去がほとんどで
きず、高濃度で排出されている。一方、0.5V以上の
高い電圧をかけた場合には、0.003秒以上のパルス
幅でCO濃度を非常に小さくできるが、パルス幅を0.
2秒より長くしても意味がないことがわかった。なお、
触媒層5の触媒をPt・Ru触媒に代えて白金ブラック
で形成した時は、0.6V以上の電圧が必要であること
がわかった。
【0024】また、図4は、パルス電圧0.6V、パル
ス幅0.01秒の条件で、パルス周期と出口ガスのCO
濃度の関係を示した結果を示している。図4から、周期
を1秒以下にすれば、安定した低いCO濃度までCOを
除去できることがわかった。
【0025】なお、上記実施の形態1では、電極2に対
して所定の電解電圧を電極3に印加している時に、電極
3にパルス状電位を連続的に印加するものとしている
が、単に電極2に対して正のパルス状電位を電極3に連
続的に印加するようにしてもよい。この場合、水素の電
解反応を伴うことなく、触媒に吸着されたCOを酸化し
て除去することができる。また、上記実施の形態1で
は、電極2の電位を基準として電極3にパルス状電位を
印加するものとしているが、電気化学デバイス50に水
素参照極を設け、該水素参照極の電位を基準として電極
3にパルス状電位を印加するようにしてもよい。この場
合、水素参照極は電解反応に関与しないことから、電極
3に印加されるパルス状電位を正確にかつ容易に制御す
ることができる。
【0026】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2に係るCO除去方法に適用される電気化学デバイス
を示す模式図であり、図5の(a)はその平面図、図5
の(b)はそのガスの流れを示す図である。この実施の
形態2では、上記実施の形態1における電気化学セル1
0と同様に構成された電気化学セル10a、10b、1
0cが並設され、ガス流路を有する一対の端板(図示せ
ず)がこれらの電気化学セル10a、10b、10cを
挟んで相対して配設されて電気化学デバイス51を構成
している。これらの電気化学セル10a、10b、10
cは、図5の(b)に示すように、ガスの流れ(図中矢
印で示す)に対して直列に配列されている。なお、他の
構成は上記実施の形態1における電気化学デバイス50
と同様に構成されている。
【0027】このように構成された電気化学デバイス5
1を用い、電極3側のガス流路にCOを100ppm含
有するメタン改質模擬ガス(CO2−20%、水素バラ
ンス)を流し、電極2側のガス流路に純水素を流し、電
極3に電極2に対して0.5Vの電位を、0.01秒の
パルス幅で、0.5秒の周期で連続的にパルス状に印加
して、ガスの流れ方向の各位置(図6の(b)にa〜d
で示す位置)におけるCO濃度を測定した結果を図6に
示す。図6から、各電気化学セル10a、10b、10
cのガス出口におけるCO濃度が低下していることが確
認される。従って、ガス中のCOが各電気化学セル10
a、10b、10cにより順次除去されていることが分
かる。
【0028】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形
態3に係るCO除去方法に適用される電気化学デバイス
を示す模式断面図である。この電気化学デバイス52
は、20セル分の電解質膜1と両面に触媒が塗布された
発泡カーボンとを交互に重ね合わせ、一度にホットプレ
スして一体化した後、両端にガス不透過性の端板12、
13を配して作製されている。この両面に触媒が塗布さ
れた発泡カーボンはガス透過性の電子伝導性のセパレー
タ11を構成し、電極2、3としても機能し、発泡カー
ボンにより電解質膜1を挟持して電気化学セル10Aが
構成されている。そして、積層された20個の電気化学
セル10Aの一側にガス供給口14を有するガス供給手
段としてのマニホールド16が配され、他側にガス排出
口15を有するマニホールド17が配されている。ここ
では、電解質膜1としてDu Pont社製のナフィオ
ン112を使用している。
【0029】このように構成された電気化学デバイス5
2の動作について説明する。マニホールド16に設けた
ガス供給口14からCOを0.1%含むメタノール改質
模擬ガス(CO2−25%、水素バランス)を供給する
と、ガスはそれぞれ20個の電気化学セル10Aの両極
(隣り合う単電池10の極とは共有)に分岐される。こ
こで、約1Vの電圧を端板12、13間に印加すると電
気化学セル10A当たり0.05Vの電圧がかかり、約
100mA/cm2の電流が流れるが、0.5秒間で電
極2がCOを吸着して被毒により10mA/cm2まで
低下する。この時、パルス電位を印加すると電極2上に
吸着されたCOが分解される。そして、直後に極性を逆
転させると逆に電極3側にCOが吸着し、同様に0.5
秒後にパルス電位を印加する。これを周期的に繰り返す
と、マニホールド17に設けたガス排出口15から排出
されるガス中のCO濃度は、0.01%まで低下してい
た。ガスの滞留時間は3秒であり、この電気化学デバイ
ス52を通る間に6回のパルス電解を受け、COが大き
く低減された。
【0030】ここで、改質器で改質された改質ガスを燃
料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の空気
極に供給して発電を行う燃料電池発電システムにこの電
気化学デバイス52を適用した場合について述べる。こ
の電気化学デバイス52は、改質器とガス供給口14と
を配管で連結し、出口15と燃料極のガス供給口とを配
管で連結するように該燃料電池発電システムに接続され
る。そして、改質器で改質された改質ガスは、電気化学
デバイス52に供給され、電気化学デバイス52を通過
する際に改質ガス中に含まれるCOが上述のようにして
除去され、燃料極に導入される。そこで、燃料電池にお
ける触媒の被毒が抑えられ、高特性・高出力の燃料電池
発電システムが得られる。この時、燃料電池に供給する
ガス流量は燃料利用率を70%とした時に10kW発電
分であった。この電気化学デバイス52の消費電力は5
0Wであり、0.5%の電力消費でCOを低減すること
ができた。
【0031】なお、燃料電池発電システムに電気化学デ
バイス52を適用するものとしているが、電気化学デバ
イス52に限らず、他の実施の形態で示す電気化学デバ
イスを適用しても同様の効果が得られる。また、この電
気化学デバイス52では電気化学セル10Aの電解質膜
1をナフィオン112で構成するものとしているが、該
電解質膜をリン酸を含浸させた多孔質体で構成しても同
様の効果を得ることができる。この場合、供給するガス
の温度が高い場合に特に有効である。また、この実施の
形態3では、電極2、3の極性を交互に切り替えている
ことから、触媒としては、両極とも白金ブラックやPt
・Ru等の貴金属系触媒を用いる必要がある。
【0032】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4に係るCO除去方法を説明する図であり、図8の
(a)は電気化学デバイスの各位置におけるCO濃度を
示し、図8の(b)は電気化学デバイスの模式断面を示
している。この電気化学デバイス53は、電解質膜1と
片面に触媒が塗布された発泡カーボンが触媒塗布面で電
解質膜1を挟持するように重ね合わせ、ホットプレスし
て一体化して電気化学セル10Aを構成し、該電気化学
セル10Aの両端に端板12、13を配設して構成され
ている。そして、電解質膜1としてDu Pont社製
のナフィオン112を使用し、触媒を塗布した発泡カー
ボンがガス流路および電極2、3として機能している。
さらに、ガス供給口14および出口15が設けられたマ
ニホールド18を電気化学セル10Aの一側に配設し、
一方の発泡カーボン層を流通してきたガスを折り返して
他方の発泡カーボン層に流入させるガス流通手段として
のマニホールド19を電気化学セル10Aの他側に配設
している。そこで、ガス流路は、図8の(b)に矢印で
示すように、ガスが電極3側の発泡カーボン層を流通し
た後、電極2側の発泡カーボン層を流通するようにガス
流路が構成されている。
【0033】このように構成された電気化学デバイス5
3の動作について説明する。マニホールド18に設けた
ガス供給口14からCOを0.1%含むメタノール改質
模擬ガス(CO2−25%、水素バランス)を供給する
と、ガスは電極3側の発泡カーボン層中を流通した後、
マニホールド19で折り返されて、電極2側の発泡カー
ボン層に流入し、該発泡カーボン層中を流通した後、マ
ニホールド18に設けた出口15から排出される。ここ
で、約0.05Vの電圧を端板12、13間に印加する
と、電極3上で水素ガスの電解反応を起こり、0.5秒
間で電極3側の触媒がCOを吸着して被毒される。そこ
で、電極2に対して正のパルス状電位を電極3に印加す
ると、電極3側の触媒に吸着されているCOを分解され
る。そして、直後に極性を逆転させると逆に電極2側の
触媒にCOが吸着し、同様に0.5秒後に電極3に対し
て正のパルス状電位を電極2に印加する。これを周期的
に繰り返すと、電気化学デバイス53の位置a〜cでの
CO濃度は、図8の(a)に示すように、低減された。
【0034】この実施の形態4では、両極に流すガスは
電極3側を上流に、電極2側を下流にくるように直列に
接続している。そして、B地点のガスのCO濃度は、電
極3で除去された分低くなっているので、単位時間当た
りに電極2側の触媒に吸着するCOは電極3側の触媒に
吸着するCOよりも少ない。従って、CO除去に必要な
パルス幅の最適範囲は入り口のCO濃度にほぼ比例し、
よって、電極2のパルス印加時間を電極3の1/3にし
たところ最も効率よくCOを除去することができた。
【0035】なお、上記実施の形態2は、電気化学セル
10a、10b,10cがガスの流れ方向に直列に配置
されている。そこで、上記実施の形態2においても、電
気化学セル10a、10b,10cのそれぞれに印加さ
れるパルス状電位のパルス幅を上流側(電気化学セル1
0a)から下流側(電気化学セル10c)に順次小さく
するようにすれば、この実施の形態4と同様に、効率よ
くCOを除去することができる。
【0036】実施の形態5.図9はこの発明の実施の形
態5に係るCO除去方法を説明する図であり、図9の
(a)は電気化学デバイスの各位置におけるCO濃度を
示し、図9の(b)は電気化学デバイスの模式断面を示
している。この電気化学デバイス54は、4セル分の電
解質膜1と両面に触媒が塗布された発泡カーボンとを交
互に重ね合わせ、一度にホットプレスして一体化した
後、両端にガス不透過性の端板12、13を配して作製
されている。この両面に触媒が塗布された発泡カーボン
はガス透過性の電子伝導性のセパレータ11を構成し、
電極2、3としても機能し、発泡カーボンにより電解質
膜1を挟持して電気化学セル10Aが構成されている。
さらに、ガス供給口14が設けられたガス流通手段とし
てのマニホールド19Aを電気化学セル10Aの積層体
の一側に配設し、出口15が設けられたガス流通手段と
してのマニホールド19Bを電気化学セル10Aの積層
体の他側に配設している。そこで、ガス流路は、図9の
(b)に矢印で示すように、ガスが一側から他側にセパ
レータ11、即ち発泡カーボン層を流通した後、マニホ
ールド19Bで折り返されて電解質膜1を挟んで下層に
配置されている発泡カーボン層を他側から一側に流通
し、同様に順次下層の発泡カーボン層を流通するように
構成されている。ここでは、電解質膜1としてDu P
ont社製のナフィオン112を使用している。
【0037】このように構成された電気化学デバイス5
4の動作を説明する。マニホールド19Aに設けたガス
供給口14からCOを0.1%含むメタノール改質模擬
ガス(CO2−25%、水素バランス)を供給すると、
ガスは積層方向の最上流の電極3側の発泡カーボン層中
を流通した後、マニホールド19Bで折り返されて、電
極2側の発泡カーボン層に流入し、該発泡カーボン層中
を流通した後、マニホールド19Aで折り返されて、次
の発泡カーボン層に流入する。同様にして、ガスは発泡
カーボン層を順次流通し、最下流の発泡カーボン層を流
通した後、出口15から排出される。ここで、約0.2
Vの電圧を端板12、13間に印加する。各電気化学セ
ル10Aには約0.05Vの電圧が印加され、電極3上
で水素ガスの電解反応を起こり、0.5秒間で電極3側
の触媒がCOを吸着して被毒される。そこで、板板13
に対して正のパルス状電位を端板12に印加すると、電
極3側の触媒に吸着されているCOを分解される。そし
て、直後に極性を逆転させると逆に電極2側の触媒にC
Oが吸着し、同様に0.5秒後に端板12に対して正の
パルス状電位を端板13に印加する。これを周期的に繰
り返すと、電気化学デバイス54の位置a〜fでのCO
濃度は、図9の(a)に示すように、低減された。
【0038】この実施の形態5によれば、供給されたガ
スは発泡カーボン層の各層を上層から下層に直列に流通
している。そして、ガスは発泡カーボン層の各層を3秒
で流通している。そこで、ガスが電気化学デバイス54
内に滞留している間に受けたパルスの回数は延べ15回
になり、図9の(a)に示すように、電気化学デバイス
54を流通したガス中のCO濃度を極端に小さくするこ
とが可能となった。
【0039】実施の形態6.図10はこの発明の実施の
形態6に係るCO除去方法に適用される電気化学デバイ
スを示す模式図であり、図10の(a)はその横断面図
を、図10の(b)はその縦断面図を示している。この
実施の形態6による電気化学デバイス55は、電解質膜
1が円柱状のガス拡散電極3の外周に配設され、かつ、
環状のガス拡散電極2a〜2eが電解質膜1の外周に並
設されて、電気化学セル10Bがガスの流れ方向に直列
に配置されて構成された電気化学セル体を、有底円筒の
ケーシング8内に収容して構成されている。そして、電
極2a〜2eはそれぞれ端板12で連結され、端板12
とケーシング8の内周壁面との間はふさがれている。こ
のように構成された電気化学デバイス55では、ガス
は、図10の(a)に矢印で示すように、電極3中を流
通し、ケーシング8の底で折り返されて、電極2a〜2
eを順次流通してケーシング8から排出されるように流
路を構成されている。
【0040】このように構成された電気化学デバイス5
5の動作を説明する。COを0.1%含むメタノール改
質模擬ガス(CO2−25%、水素バランス)を電極3
に供給すると、ガスは電極3中を流通した後、ケーシン
グ8の底で折り返されて、電極2a〜2e中を通り、ケ
ーシング8の出口から排出される。ここで、約0.05
Vの電圧を電極3と端板12との間に印加すると電極3
上で水素ガスの電解反応を起こり、0.5秒間で電極3
側の触媒がCOを吸着して被毒される。そこで、板板1
2に対して正のパルス状電位を電極3に印加すると、電
極3側の触媒に吸着されているCOを分解される。そし
て、直後に極性を逆転させると逆に電極2a〜2e側の
触媒にCOが吸着し、同様に0.5秒後に電極3に対し
て正のパルス状電位を端板12に印加する。これを周期
的に繰り返すと、CO濃度が低減されたガスがケーシン
グ8の出口から排出される。
【0041】実施の形態7.図11はこの発明の実施の
形態7に係る電気化学デバイスを示す断面図である。図
11において、電気化学セル10は、一対のガス拡散電
極2、3が電解質膜1の両面にそれぞれ触媒層を介して
配設されて構成されている。この電気化学セル10は、
ハウジング21内をガス拡散電極3が面する第1の空間
22とガス拡散電極2が面する第2の空間23とに区画
するように該ハウジング21に収容されている。ハウジ
ング21には、第1の空間22に一酸化炭素を含む水素
ガスを供給するガス供給口24と、第2の空間23から
ガスを排出するガス排出口25とが設けられている。こ
こで、電解質膜1にはナフィオン115、ガス拡散電極
2はカーボンペーパー製、ガス拡散電極3はチタンエク
スパンドメタルに白金メッキを行ったものを用いた。ま
た、ハウジング21にはチタン鋼板を用いた。
【0042】このように構成された電気化学デバイス5
6の動作について説明する。ガス供給口24からCOを
200ppm含む燃料電池排ガス模擬ガス(CO2−5
7%、水素バランス)を供給し、電極3に電極2に対し
て0.3Vの電圧を印加すると第1の空間22中の水素
だけがイオン化してプロトンとなり、電解質膜1中を伝
導して電極2に導かれ、電極2上で水素に還元され純水
素として精製される。この時、パルスを掛けない場合
は、電極3側の触媒がCOによる被毒を受け、電流が著
しく低下する。そこで、電極2に対して0.6Vのパル
ス状電位(パルス幅:0.01秒、パルス周期:0.5
秒)を電極3に連続的に印加すると、印加電圧0.3V
で600mA/cm2の電流密度を維持し、さらにガス
排出口25を閉じた場合には、100気圧の純水素を得
ることができた。このときのパルス電解に要する消費電
力は電解の0.4%にとどまった。
【0043】ここで、この電気化学デバイス56を用
い、純水素を流している状態から燃料電池排ガス模擬ガ
ス(図中CO混入表示)に変えた時の電解電圧の変化を
測定し、その結果を図12に示す。図12から、パルス
を印加しない場合は、セル電圧は図のように大きく増大
した。しかし、電解電圧より0.3V高いパルス電圧
(パルス幅:0.01秒、パルス周期:1.0秒)をか
けたところ、セル電圧の増大が小さくなった。さらに電
解電圧より0.5V高いパルス電圧(パルス幅:0.0
1秒、パルス周期:1.0秒)をかけたところ、完全に
セル電圧の増大を防止できた。
【0044】また、パルス状電位を0.5V、パルス周
期を1.0秒とし、パルス幅とセル電圧との経時変化を
測定し、その結果を図13に示す。図13から、パルス
幅が0.005秒未満では触媒に吸着したCOが残り、
セル電圧が時間の経過と共に増大したが、パルス幅を
0.01秒以上にするとCOの除去の効果が現れ、さら
に0.1秒にするとほぼ完全に除去できて、セル電圧の
増大はほとんど無くなった。また、パルス状電位を0.
5V、パルス幅を0.1秒とし、パルスの周期を変えた
ときのセル電圧の変化を測定し、その結果を図14に示
す。図14から、周期を10秒以上にすると、セルの電
圧の増大と変化が大きくなったが、周期を5秒以下にす
るとセル電圧の増大はほとんどなくなった。なお、電極
3の触媒を白金ブラックにした場合には、パルス電解で
COを除去するのに必要なパルス状電位は0.8Vと高
くなった。
【0045】このように、実施の形態7によれば、安全
にかつ簡易に一酸化炭素を含む水素ガスから純水素を得
ることができる。従って、この電気化学デバイス56を
電気化学的水素精製器として適用することができる。こ
の電気化学デバイス25は、図12乃至図14から、パ
ルス状電位が電解電圧に対して0.5V以上で、パルス
状電位のパルス幅が0.01〜0.5秒、パルス周期が
0.5〜10秒の条件で運転するのが好ましい。
【0046】実施の形態8.図15はこの発明の実施の
形態8に係る燃料電池の運転方法を示す断面図である。
図15において、単電池30は、一対のガス拡散電極
2、3が電解質膜1の両面にそれぞれ触媒層を介して配
設されて、実施の形態1の電気化学セル10と同様に構
成されている。この単電池30とセパレータ板31とを
交互に積層し、両端に端板32、33を配設して、単電
池30を30セル積層して燃料電池57が構成されてい
る。また、各セパレータ31、端板32、33には、各
ガス拡散電極2、3に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給
するガス流路6、7が形成されている。また、この燃料
電池57は、単電池30のガス拡散電極2、3間を短絡
させる短絡リング36を備えている。ここで、電解質膜
1と触媒層4、5には、ゴアテックス社のPRIMEA
5000を用い、ガス拡散電極2、3には、東レカーボ
ンペーパーTGP−H090を用いた。またセパレータ
31には、圧縮性カーボンシートを用いた。製のセパレ
ータで30セルを積層している。36が短絡リングであ
る。
【0047】このように構成された燃料電池57の動作
について説明する。ガス供給口34からガス流路7を通
して、COを100ppm含むメタノール改質ガス模擬
ガス(CO2−25%、水素バランス)を各単電池30
の電極3(燃料極に相当)に供給し、ガス供給口35か
らガス流路6を通して電極2(空気極に相当)に空気を
供給し、端板32、33間を電子的に導通させると式
(1)、(2)に示される燃料電池反応が生じ、発電で
きる。しかし、電極3(燃料極)側の触媒層5がCOを
吸着して被毒され、過電圧が高くなる。この状態で発電
を継続した場合、当初10kWの発電が同じ電流値で5
kWしか発電しなくなってしまった。そこで、各単電池
30の電極2、3間が0.01秒間短絡するように、短
絡リング36を各セパレータ31の外側で転がすと、短
絡が生じた単電池30の燃料極の電位が空気極の電位に
接近し、燃料極側の触媒層に吸着されたCOが酸化分解
して元の特性に回復した。これを、3秒周期で繰り返す
ことにより、高い特性をずっと維持できるようになっ
た。なお、各単電池30の電極2、3間を短絡する周期
は、5秒を越えると、燃料極側の触媒層に吸着されたC
Oの酸化分解が不十分となり、0.5秒で燃料極側の触
媒層に吸着されたCOを十分酸化分解でき、即ち0.5
秒より短くしても意味がなく、0.5〜5秒とするが好
ましい。
【0048】実施の形態9.図16はこの発明の実施の
形態9に係る燃料電池の運転方法を示す断面図、図17
はその燃料電池の運転方法に用いられる短絡バーを示す
平面図である。この実施の形態9による燃料電池58
は、短絡用穴38がセパレータ31および端板32、3
3に積層方向に穿設され、該短絡用穴38に挿入されて
単電池30の電極2、3間を短絡させる短絡バー37を
備えている。そして、短絡バー37は、棒状の絶縁部3
7aの長さ方向に導電部37bが所定間隔毎に形成され
ている。なお、他の構成は、上記実施の形態8と同様に
構成されている。
【0049】このように構成された燃料電池57の動作
について説明する。ガス供給口34からガス流路7を通
して、COを100ppm含むメタノール改質ガス模擬
ガス(CO2−25%、水素バランス)を各単電池30
の電極3(燃料極に相当)に供給し、ガス供給口35か
らガス流路6を通して電極2(空気極に相当)に空気を
供給し、端板32、33間を電子的に導通させると式
(1)、(2)に示される燃料電池反応が生じ、発電で
きる。しかし、電極3(燃料極)側の触媒層5がCOを
吸着して被毒され、過電圧が高くなる。この状態で発電
を継続した場合、当初10kWの発電が同じ電流値で5
kWしか発電しなくなってしまった。そこで、短絡バー
37を短絡用穴38内に挿入し、導電部37bで各単電
池30の電極2、3間を0.01秒間短絡するように短
絡バー37を出し入れした。この時、短絡が生じた単電
池30の燃料極の電位が空気極の電位に接近し、燃料極
側の触媒層に吸着されたCOが酸化分解して元の特性に
回復した。これを、1秒周期で繰り返すことにより、高
い特性をずっと維持できるようになった。なお、各単電
池30の電極2、3間を短絡する周期は、5秒を越える
と、燃料極側の触媒層に吸着されたCOの酸化分解が不
十分となり、0.5秒で燃料極側の触媒層に吸着された
COを十分酸化分解でき、即ち0.5秒より短くしても
意味がなく、0.5〜5秒とするが好ましい。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】第1の発明によれば、一対のガス拡散電極
がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介
して配設されてなる電気化学セルの一側のガス拡散電極
に一酸化炭素を含む水素ガスを供給し、他側のガス拡散
電極に対して正のパルス状電位を該一側のガス拡散電極
に連続的に印加して、該一側のガス拡散電極中を流通す
る水素ガス中に含まれる一酸化炭素を電気化学的に酸化
分解して除去するので、一側のガス拡散電極側の触媒層
に吸着された一酸化炭素がパルス状電位が印加された時
に電気化学的に酸化分解され、水素ガス中の一酸化炭素
濃度を安全に低減することができる。
【0052】第2の発明によれば、一対のガス拡散電極
がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介
して配設されてなる電気化学セルの両ガス拡散電極に一
酸化炭素を含む水素ガスを供給し、連続的にパルス状電
位を該一対のガス拡散電極に交互に印加して、該一対の
ガス拡散電極中を流通する水素ガス中に含まれる一酸化
炭素を電気化学的に酸化分解して除去するので、両極の
触媒層に吸着された一酸化炭素がパルス状電位が印加さ
れた時に電気化学的に酸化分解され、水素ガス中の一酸
化炭素濃度を安全に低減することができる。
【0053】また、第1および第2の発明において、上
記連続的に印加するパルス状電位が水素参照極に対して
0.5V以上とし、また上記連続的に印加するパルス状
電位のパルス幅が0.003〜0.2秒の範囲で、パル
ス周期が0.2〜1秒の範囲としたので、水素ガス中の
一酸化炭素濃度を効率よく低減することができる。ま
た、上記電気化学セルをガスの流れ方向に直列に複数配
置するとともに、下流側の電気化学セルに印加するパル
ス状電位のパルス幅を上流側の電気化学セルに印加する
パルス状電位のパルス幅よりも小さくしたので、水素ガ
ス中の一酸化炭素濃度を効率よく低減することができ
る。
【0054】第3の発明によれば、一対のガス拡散電極
がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介
して配設されてなる電気化学セルと、一対のガス拡散電
極の一側のガス拡散電極に一酸化炭素を含む水素ガスを
供給する第1のガス供給手段と、一対のガス拡散電極の
他側のガス拡散電極に水素ガスを主成分とするガスを供
給する第2のガス供給手段と、他側のガス拡散電極に対
して正のパルス状電位を一側のガス拡散電極に連続的に
印加する電圧印加手段とを備えたので、一側のガス拡散
電極側の触媒層に吸着された一酸化炭素をパルス状電位
が印加された時に電気化学的に酸化分解でき、水素ガス
中の一酸化炭素濃度を安全に低減することができる電気
化学デバイスが得られる。また、上記電気化学セルがガ
スの流れに対して直列に複数配列されているので、水素
ガス中の一酸化炭素濃度を効率よく低減することができ
る。
【0055】第4の発明によれば、ガス拡散電極とイオ
ン伝導性の電解質膜とを触媒層を介して交互に積層され
てなる電気化学セル積層体と、電気化学セル積層体の両
端に配設されて該電気化学セル積層体に電圧を供給する
一対の端板と、ガス拡散電極に一酸化炭素を含む水素ガ
スを供給するガス供給手段と、連続的にパルス状電位を
一対の端板に交互に印加する電圧印加手段とを備えたの
で、両極の触媒層に吸着された一酸化炭素をパルス状電
位が印加された時に電気化学的に酸化分解でき、水素ガ
ス中の一酸化炭素濃度を安全に低減できる電気化学デバ
イスが得られる。
【0056】第5の発明によれば、ガス拡散電極とイオ
ン伝導性の電解質膜とを触媒層を介して交互に積層され
てなる電気化学セル積層体と、電気化学セル積層体の両
端に配設されて該電気化学セル積層体に電圧を供給する
一対の端板と、一酸化炭素を含む水素ガスを電気化学セ
ル積層体の各ガス拡散電極中を積層方向の一端側から他
端側に直列に流通させるガス流通手段と、連続的にパル
ス状電位を一対の端板に印加する電圧印加手段とを備え
たので、両極の触媒層に吸着された一酸化炭素をパルス
状電位が印加された時に電気化学的に酸化分解でき、水
素ガス中のCO濃度を低減できる電気化学デバイスが得
られる。
【0057】第6の発明によれば、一対のガス拡散電極
がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介
して配設されてなる電気化学セルを備え、一側のガス拡
散電極に一酸化炭素を含む水素ガスを供給し、他側のガ
ス拡散電極に対して正の電解電圧を一側のガス拡散電極
に印加して一酸化炭素を含む水素ガスを該一側のガス拡
散電極上でイオン化し、イオン化された水素イオンを電
解質膜中を伝導させて他側のガス拡散電極上で水素に還
元して純水素に精製する電気化学デバイスにおいて、他
側のガス拡散電極に対して正のパルス状電位を一側のガ
ス拡散電極に連続的に印加して、供給される水素ガスに
含まれる一酸化炭素を電気化学的に酸化分解して除去す
るので、僅かな消費電力を負荷するだけで、低い電圧で
水素ガスの精製・圧縮を行うことができる。また、上記
連続的にかけるパルス状電位がパルスとパルスとの間の
電解電圧よりも0.5V以上とし、また上記パルス状電
位のパルス幅が0.01〜0.5秒の範囲で、パルス周
期が0.5〜10秒の範囲としているので、効率よく水
素ガスの精製・圧縮を行うことができる。
【0058】第7の発明によれば、ハウジングと、一対
のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれ
ぞれ触媒層を介して配設されてなり、ハウジング内を該
一対のガス拡散電極の一側のガス拡散電極が面する第1
の空間と他側のガス拡散電極が面する第2の空間とに区
画するように該ハウジングに収容された電気化学セル
と、一側のガス拡散電極に電解電位にパルス状電位を連
続的に重畳した電圧波形を印加する電圧印加手段と、第
1の空間に一酸化炭素を含む水素ガスを供給するガス供
給口と、第2の空間からガスを排出するガス排出口とを
備え、一側のガス拡散電極に印加される電解電位によ
り、第1の空間内の水素ガスをイオン化し、イオン化さ
れた水素イオンを電解質膜中を伝導させ、他側のガス拡
散電極上で水素に還元させて第2の空間内に純水素を生
成させるとともに、一側のガス拡散電極に印加されるパ
ルス状電位により第1の空間内の一酸化炭素を電気化学
的に酸化分解して除去させるので、僅かな消費電力を負
荷するだけで、低い電圧で水素ガスの精製・圧縮を行う
ことができる電気化学デバイスが得られる。
【0059】第8の発明によれば、燃料極と空気極とが
電解質膜の両面にそれぞれ配設してなる単電池を備え、
燃料極に一酸化炭素を含有する燃料ガスを供給し、空気
極に空気を供給して発電を行う燃料電池において、0.
5〜5秒の周期で燃料極と空気極とを電子的に短絡させ
て、燃料ガスに含有する一酸化炭素を電気化学的に酸化
分解して除去するので、燃料極側の触媒表面をクリーン
な状態で燃料電池を運転でき、高特性を安定して維持で
きる。
【0060】第9の発明によれば、改質器で改質された
改質ガスを燃料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃
料電池の空気極に供給して発電を行う燃料電池発電シス
テムにおいて、改質器と燃料極との改質ガスの経路中
に、上記第の3乃至第5の発明のいずれかの発明に記載
された電気化学デバイスを配設し、該改質ガス中に含ま
れる一酸化炭素を除去して該燃料極に供給するようにし
たので、燃料ガス中のCO濃度を低減し、燃料極側の触
媒のCO被毒を抑え、特性の高い発電を起こすことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るCOの除去方
法に適用される電気化学デバイスを示す模式断面図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るCOの除去方
法による電圧印加の変化を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るCOの除去方
法によるパルス印加電圧・時間とCO除去効果の関係を
示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るCOの除去方
法によるパルス印加周期とCO除去効果の関係を示す図
である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係るCOの除去方
法に適用される電気化学デバイスを示す模式図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係るCO除去方法
による電気化学デバイスのガスの流れ方向におけるCO
濃度を測定した結果を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係るCOの除去方
法に適用される電気化学デバイスを示す模式図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係るCOの除去方
法に説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態5に係るCOの除去方
法に説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態6に係るCOの除去
方法に適用される電気化学デバイスを示す模式図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態7に係るCOの除去
方法に適用される電気化学デバイスを示す模式断面図で
ある。
【図12】 この発明の実施の形態7に係るCOの除去
方法によるパルス印加電圧とセル電圧増加防止効果の関
係を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態7に係るCOの除去
方法によるパルス印加時間とセル電圧増加防止効果の関
係を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態7に係るCOの除去
方法によるパルス印加周期とセル電圧増加防止効果の関
係を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態8に係るCOの除去
方法に適用される燃料電池を示す模式断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態9に係るCOの除去
方法に適用される燃料電池を示す模式断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態9に係るCOの除去
方法に適用される燃料電池の短絡バーを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 電解質膜、2、3 ガス拡散電極、4、5 触媒
層、6 ガス流路(第2のガス供給手段)、7 ガス流
路(第1のガス供給手段)、10、10a、10b、1
0c、10A、10B 電気化学セル、12、13 端
板、16 マニホールド(ガス供給手段)、19A、1
9B マニホールド(ガス流通手段)、21 ハウジン
グ、22 第1の空間、23 第2の空間、24 ガス
供給口、25 ガス排出口、30 単電池、36 短絡
リング、37 短絡バー、50、51、52、53、5
4、55、56 電気化学デバイス、57、58 燃料
電池。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01M 8/06 B01D 53/36 Z (56)参考文献 特開 昭62−7886(JP,A) J.Electrochem.So c.,135[10](1988)p.2459− 2465 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/32 B01D 53/86 - 53/90 B01J 10/00 - 12/02 B01J 14/00 - 16/00 B01J 19/00 - 19/32 H01M 4/86 - 4/98 H01M 8/04 - 8/06 C10K 3/04 C01B 3/56

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電
    解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなる
    電気化学セルの一側のガス拡散電極に一酸化炭素を含む
    水素ガスを供給し、他側のガス拡散電極に対して正のパ
    ルス状電位を該一側のガス拡散電極に連続的に印加し
    て、該一側のガス拡散電極中を流通する水素ガス中に含
    まれる一酸化炭素を電気化学的に酸化分解して除去する
    ことを特徴とする一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化
    炭素を除去する方法。
  2. 【請求項2】 一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電
    解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなる
    電気化学セルの両ガス拡散電極に一酸化炭素を含む水素
    ガスを供給し、連続的にパルス状電位を該一対のガス拡
    散電極に交互に印加して、該一対のガス拡散電極中を流
    通する水素ガス中に含まれる一酸化炭素を電気化学的に
    酸化分解して除去することを特徴とする一酸化炭素を含
    む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法。
  3. 【請求項3】 上記連続的に印加するパルス状電位が水
    素参照極に対して0.5V以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の一酸化炭素を含む水素ガスか
    ら一酸化炭素を除去する方法。
  4. 【請求項4】 上記連続的に印加するパルス状電位のパ
    ルス幅が0.003〜0.2秒の範囲であり、パルス周
    期が0.2〜1秒の範囲であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の一酸化炭素を含む水素ガスから一酸
    化炭素を除去する方法。
  5. 【請求項5】 上記電気化学セルをガスの流れ方向に直
    列に複数配置するとともに、下流側の電気化学セルに印
    加するパルス状電位のパルス幅を上流側の電気化学セル
    に印加するパルス状電位のパルス幅よりも小さくしたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の一酸化炭素を
    含む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法。
  6. 【請求項6】 一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電
    解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなる
    電気化学セルと、前記一対のガス拡散電極の一側のガス
    拡散電極に一酸化炭素を含む水素ガスを供給する第1の
    ガス供給手段と、前記一対のガス拡散電極の他側のガス
    拡散電極に水素ガスを主成分とするガスを供給する第2
    のガス供給手段と、前記他側のガス拡散電極に対して正
    のパルス状電位を前記一側のガス拡散電極に連続的に印
    加する電圧印加手段とを備えたことを特徴とする一酸化
    炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去する電気化学
    デバイス。
  7. 【請求項7】 上記電気化学セルがガスの流れに対して
    直列に複数配列されていることを特徴とする請求項6に
    記載の一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去
    する電気化学デバイス。
  8. 【請求項8】 ガス拡散電極とイオン伝導性の電解質膜
    とを触媒層を介して交互に積層されてなる電気化学セル
    積層体と、前記電気化学セル積層体の両端に配設されて
    該電気化学セル積層体に電圧を供給する一対の端板と、
    前記ガス拡散電極に一酸化炭素を含む水素ガスを供給す
    るガス供給手段と、連続的にパルス状電位を前記一対の
    端板に交互に印加する電圧印加手段とを備えたことを特
    徴とする一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除
    去する電気化学デバイス。
  9. 【請求項9】 ガス拡散電極とイオン伝導性の電解質膜
    とを触媒層を介して交互に積層されてなる電気化学セル
    積層体と、前記電気化学セル積層体の両端に配設されて
    該電気化学セル積層体に電圧を供給する一対の端板と、
    一酸化炭素を含む水素ガスを前記電気化学セル積層体の
    各ガス拡散電極中を積層方向の一端側から他端側に直列
    に流通させるガス流通手段と、連続的にパルス状電位を
    前記一対の端板に印加する電圧印加手段とを備えたこと
    を特徴とする一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素
    を除去する電気化学デバイス。
  10. 【請求項10】 一対のガス拡散電極がイオン伝導性の
    電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてな
    る電気化学セルを備え、一側のガス拡散電極に一酸化炭
    素を含む水素ガスを供給し、他側のガス拡散電極に対し
    て正の電解電圧を一側のガス拡散電極に印加して一酸化
    炭素を含む水素ガスを該一側のガス拡散電極上でイオン
    化し、イオン化された水素イオンを電解質膜中を伝導さ
    せて他側のガス拡散電極上で水素に還元して純水素に精
    製する電気化学デバイスにおいて、前記他側のガス拡散
    電極に対して正のパルス状電位を前記一側のガス拡散電
    極に連続的に印加して、供給される水素ガスに含まれる
    一酸化炭素を電気化学的に酸化分解して除去することを
    特徴とする電気化学デバイスの運転方法。
  11. 【請求項11】 上記連続的にかけるパルス状電位がパ
    ルスとパルスとの間の電解電圧よりも0.5V以上であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の電気化学デバイ
    スの運転方法。
  12. 【請求項12】 上記パルス状電位のパルス幅が0.0
    1〜0.5秒の範囲であり、パルス周期が0.5〜10
    秒の範囲である請求項10に記載の電気化学デバイスの
    運転方法。
  13. 【請求項13】 ハウジングと、一対のガス拡散電極が
    イオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介し
    て配設されてなり、前記ハウジング内を該一対のガス拡
    散電極の一側のガス拡散電極が面する第1の空間と他側
    のガス拡散電極が面する第2の空間とに区画するように
    該ハウジングに収容された電気化学セルと、前記一側の
    ガス拡散電極に電解電位にパルス状電位を連続的に重畳
    した電圧波形を印加する電圧印加手段と、前記第1の空
    間に一酸化炭素を含む水素ガスを供給するガス供給口
    と、前記第2の空間からガスを排出するガス排出口とを
    備え、前記一側のガス拡散電極に印加される正の電圧に
    より、第1の空間内の水素ガスをイオン化し、イオン化
    された水素イオンを前記電解質膜中を伝導させ、前記他
    側のガス拡散電極上で水素に還元させて前記第2の空間
    内に純水素を生成させるとともに、前記一側のガス拡散
    電極に印加されるパルス状電位により前記第1の空間内
    の一酸化炭素を電気化学的に酸化分解して除去させるこ
    とを特徴とする電気化学デバイス。
  14. 【請求項14】 燃料極と空気極とが電解質膜の両面に
    それぞれ配設してなる単電池を備え、燃料極に一酸化炭
    素を含有する燃料ガスを供給し、空気極に空気を供給し
    て発電を行う燃料電池において、0.5〜5秒の周期で
    燃料極と空気極とを電子的に短絡させて、燃料ガスに含
    有する一酸化炭素を電気化学的に酸化分解して除去する
    ことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  15. 【請求項15】 改質器で改質された改質ガスを燃料電
    池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の空気極に
    供給して発電を行う燃料電池発電システムにおいて、前
    記改質器と前記燃料極との改質ガスの経路中に、上記請
    求項6、8および9のいずれかに記載された電気化学デ
    バイスを配設し、該改質ガス中に含まれる一酸化炭素を
    除去して該燃料極に供給するようにしたことを特徴とす
    る燃料電池発電システム。
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