JP3088192B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP3088192B2
JP3088192B2 JP13368392A JP13368392A JP3088192B2 JP 3088192 B2 JP3088192 B2 JP 3088192B2 JP 13368392 A JP13368392 A JP 13368392A JP 13368392 A JP13368392 A JP 13368392A JP 3088192 B2 JP3088192 B2 JP 3088192B2
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features
    • B65D1/0215Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features multilayered

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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガソリン等の炭化水素、
及び酸素含有有機化合物と炭化水素との混合物、例えば
アルコールとガソリンとの混合物に対する透過防止能
(バリヤー性)に優れた液状炭化水素等の容器用積層体
に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭55−49989に記されている
いるように、従来から、ポリオレフィンとポリアミドと
の積層体は、自動車用のガソリンタンクを始めとする液
状炭化水素の容器として用いた場合、優れた透過防止能
があることが認められている。環境汚染と石油資源の枯
渇の観点から、最近アルコールなどの酸素含有有機化合
物とガソリンとの混合物の使用が義務づけられる方向に
ある。ところが、ポリオレフィンとポリアミドの積層体
をアルコールとガソリンとの混合物の容器に用いた場
合、ポリアミドがアルコールで膨潤するため、透過防止
能が著しく低下してしまい致命的な欠陥となっている。
【0003】一方、カルボキシル基含有化合物を含有す
る変性ポリオレフィンを接着材としたポリオレフィン層
と高ニトリル樹脂層の積層体が知られている(特開昭4
9−28683、特公昭54−41634、特開昭62
−22043、特公平1−52180)。しかしこれら
の積層体では2層間の接着性が乏しいため耐衝撃性など
の機械的強度が得られず、ガソリンまたはアルコールと
ガソリンとの混合物に対する透過防止能も不十分であ
る。また、特公平1−52180においては、ポリオレ
フィン層と高ニトリル樹脂層との積層体において、ポリ
オレフィンに熱可塑性ポリウレタンエラストマーを配合
することによって、ポリオレフィン層と高ニトリル樹脂
層との接着性を向上させようとしているが、接着性は実
用レベルに至っておらず、接着耐久性が不十分なため経
時に従って剥離してしまうのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はガソリン等の
炭化水素、酸素含有有機化合物と炭化水素との混合物に
対して透過防止能に優れた液状炭化水素等の容器に用い
られる積層体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸素含有有
機化合物、例えばアルコールなどを、ガソリンなどの炭
化水素に混合した燃料に対するバリヤー性に優れた材料
を得るために鋭意研究を重ねた。その結果、ポリオレフ
ィン層と高ニトリル樹脂との接着層としてエポキシ基含
有エチレン系単量体をグラフトした変性ポリオレフィン
またはエポキシ基含有エチレン系単量体をグラフトした
変性ポリオレフィンとエポキシ基含有エチレン系単量体
を共重合した変性ポリオレフィンとの混合物(b)から
なる層を用いることによって、従来用いられていたカル
ボキシル基含有化合物を含有する変性ポリオレフィン層
よりも2層間の接着性を向上させることを見いだした。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】すなわち本発明は、不飽和ニトリル単量体
含有量が50〜95重量%で、不飽和カルボン酸または
不飽和カルボン酸の誘導体含有量が0.1〜50重量%
で、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、ビニ
ルエーテル、ビニリデン化合物、芳香族ビニルから選ば
れた少なくとも一種の不飽和化合物含有量が49.9重
量%以下である高ニトリル樹脂(a)からなる層及びエ
ポキシ基含有エチレン系単量体をグラフトした変性ポリ
オレフィンまたはエポキシ基含有エチレン系単量体をグ
ラフトした変性ポリオレフィンとエポキシ基含有エチレ
ン系単量体を共重合した変性ポリオレフィンとの混合物
(b)からなる層を接着してなる液状炭化水素等の容器
用積層体である。以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】高ニトリル樹脂(a)につき説明する。不
飽和ニトリル単量体は、構造式(I)で示される。
【化1】 (但し、R1 は水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基またはハロゲンである。)具体的には、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−
クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリ
ルなどがある。高ニトリル樹脂(a)中の不飽和ニトリ
ル単量体の含有量は50〜95重量%であり、好ましく
は55〜75重量%である。不飽和ニトリル単量体の含
有量が50重量%未満では積層体のバリヤー性が不十分
であり、また95重量%を超えると、高ニトリル樹脂の
熱分解温度と溶融温度が接近し成形が困難になる。
【0008】変性ポリオレフィンとの接着性を向上させ
るために不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸の誘
導体から選ばれる少なくとも一種の不飽和化合物を共重
合する必要がある。不飽和カルボン酸は一塩基性不飽和
カルボン酸および二塩基性不飽和カルボン酸に大別され
る。一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも
20個、好ましくは15個以下である。具体的にはアク
リル酸、メタクリル酸などが挙げられる。また二塩基性
不飽和カルボン酸の炭素数は一般に多くとも40個、好
ましくは30個以下である。具体的にはマレイン酸、イ
タコン酸、ナディック酸、フマル酸が挙げられる。
【0009】不飽和カルボン酸の誘導体は一塩基性不飽
和カルボン酸と二塩基性不飽和カルボン酸の金属塩なら
びに酸無水物が挙げられる。これらの誘導体のうち、金
属塩の金属としては、一般にはアルカリ金属および周期
律表第II族の金属が挙げられ、具体的には、ナトリウ
ム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウムが挙げ
られる。これらの誘導体の具体例としては、アクリル酸
ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリ
ウム、メタクリル酸カリウム、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。不飽和
カルボン酸または不飽和カルボン酸の誘導体含有量は
0.1〜50重量%であり、1〜5重量%が好ましい。
0.1重量%未満では、接着性の効果が少なく、50重
量%を超えるとバリヤー性が不十分となる。
【0010】溶融成形を容易にするために不飽和カルボ
ン酸エステル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニ
リデン化合物、芳香族ビニルからえらばれた少なくとも
一種の不飽和化合物を共重合することが必要である。不
飽和カルボン酸エステルは構造式(II)で示される単量
体である。
【化2】 (但し、R は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
またはハロゲンであり、R3 は、炭素数1〜30のアル
キル基である。)具体的にはメチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、
メチル−α−クロロアクリレート、エチル−α−クロロ
アクリレートなどがある。
【0011】ビニルエステルには、ビニルアセテート、
ビニルプロピオネート、ビニルブチレートなどがあり、
中でもビニルアセテートが好適である。
【0012】ビニルエーテルには、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、メチルイソプロペニルエーテ
ル、エチルイソプロペニルエ−テルなどがあり、中でも
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルが好適であ
る。
【0013】ビニリデン化合物は下の構造式(III)で示
される単量体である。
【化3】 (但しR4 、R5 は炭素数1〜7のアルキル基であ
る。)具体的には、イソブチレン、2−メチルブテン−
1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−
1、2−メチルヘプテン−1、2−メチルオクテン−
1、2−エチルブテン−1、2−プロピルペンテン−
1、2,4,4−トリメチルペンテン−1などとその混
合物であり、なかでもイソブチレンが好適である。
【0014】芳香族ビニルには、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、インデン
などがあり、中でも、スチレンが好適である。
【0015】これらは単独あるいは2種以上を混合して
不飽和ニトリル単量体と共重合される。
【0016】また不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボ
ン酸または不飽和カルボン酸の誘導体から選ばれた少な
くとも一種の不飽和化合物、不飽和カルボン酸エステ
ル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニリデン化合
物、芳香族ビニルから選ばれた少なくとも一種の不飽和
化合物との共重合は、共役ジエンの単独重合体例えばポ
リブタジエンや共役ジエンとコモノマーとの共重合体例
えばイソプレン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリルなどのゴムの存在下で重合しても
よい。これによって耐衝撃性が向上する。
【0017】共役ジエン単量体には、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、ブロモプレン、シアノ
プレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,
3−ブタジエンなどがあり、中でも1,3−ブタジエン
やイソプレンが好適である。共役ジエン含量は50〜1
00%である。
【0018】共役ジエンと共重合させるコモノマーに
は、不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸エステ
ル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニリデン化合
物、芳香族ビニルなどがある。
【0019】次に、エポキシ基含有エチレン系単量体を
グラフトした変性ポリオレフィンまたはエポキシ基含有
エチレン系単量体をグラフトした変性ポリオレフィンと
エポキシ基含有エチレン系単量体を共重合した変性ポリ
オレフィンとの混合物(b)につき説明する。エポキシ
基含有エチレン系単量体をグラフトした変性ポリオレフ
ィンまたはエポキシ基含有エチレン系単量体をグラフト
した変性ポリオレフィンとエポキシ基含有エチレン系単
量体を共重合した変性ポリオレフィンとの混合物(b)
中のそれぞれの変性ポリオレフィン成分は、グラフト反
応または共重合反応によって得られ、従来用いられてき
た無水マレイン酸変性ポリオレフィンよりも2層間の接
着性を向上させることができる。
【0020】グラフト反応に使用されるポリオレフィン
は、各種のものが使用でき、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブチレンなど、炭素数2〜8のオレフ
ィン単量体の単独重合体、さらにはこれらのオレフィン
の2種以上あるいは他のコモノマー、例えば酢酸ビニ
ル、無水マレイン酸との共重合体等を包含する。特にエ
チレン系単独重合体、あるいはエチレンとブテン−1、
ヘキセン−1、プロピレン等のα−オレフィンとの共重
合体が好適である。具体的には、高、中及び低密度ポリ
エチレン、プロピレンホモポリマ−、耐衝撃性ポリプロ
ピレン等が挙げられる。また、このポリオレフィン系重
合体には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体などのエラストマーも混合
できる。一般には混合量は25重量%以下が好ましい。
【0021】グラフト反応はポリオレフィンとエポキシ
基含有エチレン系単量体をグラフト重合させることによ
って得られる。グラフト反応の方法としては、キシレ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物などの溶媒中でポ
リオレフィン、エポキシ基含有エチレン系単量体及びラ
ジカル開始剤を加熱混合させて製造する方法、ならびに
ポリオレフィン、エポキシ基含有エチレン系単量体及び
ラジカル開始剤をあらかじめ本質的に架橋しない条件で
混合させ、得られる混合物を押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーなどの一般に合成樹脂の分野で使われてい
る混練機を使用して溶融混合させることによる製造方法
などがあげられるが、操作性、経済性の点から後者の方
法が好んで採用される。
【0022】混練機を使用してグラフト変性した場合、
グラフト反応の温度条件については、ポリオレフィンの
劣化、エポキシ基を含有するエチレン系単量体の分解、
ラジカル開始剤の分解温度などを考慮して適宜選定され
るが、一般には100〜350℃であり、150〜30
0℃が好適である。
【0023】エポキシ基含有エチレン系単量体として
は、一般式(IV)
【化4】 (式中、R6 はCn2n(n=1〜6)、あるいはCm
2m−O−CH2 (m=0〜6)、あるいはCl2l
COO−CH2 (l=0〜6))で示される不飽和グリ
シジルエステル類や不飽和グリシジルエーテル類などが
挙げられる。具体的にはグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メ
タクリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0024】またグラフト反応で使用されるラジカル開
始剤としては、ラジカル開始剤の一分半減期温度が通常
100℃以上であり、105℃以上が好ましく、特に1
20℃以上のものが好適である。ラジカル開始剤の代表
例としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−第3級−ブチルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチル−パーオキ
シ)ヘキサンなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0025】またポリオレフィン100重量部に対する
エポキシ基含有エチレン系単量体ならびにラジカル開始
剤の使用割合は通常下記の通りである。エポキシ基含有
エチレン系単量体は一般に0.01〜5.0重量部であ
り、0.05〜3.0重量部が好ましく、特に0.1〜
2.0重量部が好ましい。不飽和カルボン酸またはその
誘導体が0.01重量部未満では、接着性が不十分であ
る。一方5.0重量部を超えると、グラフト反応の際、
分解または架橋反応が併発し、製造が困難なばかりでな
く、接着性が低下する。またラジカル開始剤は一般に
0.001〜1.0重量部であり、0.01〜1.0重
量部が好ましく、特に0.01〜0.5が好適である。
ラジカル開始剤の使用割合が0.001重量部未満で
は、グラフト反応が十分ではなく、一方1.0重量部を
超えると分解及び架橋反応を起こすため好ましくない。
【0026】また、エポキシ基含有エチレン系単量体を
共重合した変性ポリオレフィンはエチレンとの共重合体
であり、高圧法低密度ポリエチレンの製造設備を使用し
て得ることができる。共重合反応に使用されるエポキシ
基含有エチレン系単量体はグラフト反応の場合と同じ化
合物であり、その共重合割合は0.2〜20モル%が好
ましく、特に0.5〜15モル%が好適である。エポキ
シ基含有エチレン系単量体の共重合割合が0.2モル%
未満では高ニトリル樹脂との十分な接着が得られず、一
方、20モル%を超えると、接着力は有するが製造が難
しく、経済的に困難である。
【0027】エポキシ基含有エチレン系単量体をグラフ
トした変性ポリオレフィンとエポキシ基含有エチレン系
単量体を共重合した変性ポリオレフィンとの混合物は押
出機等の混練機を使用して、溶融混練することによって
得ることができる。またエポキシ基含有エチレン系単量
体をグラフトした変性ポリオレフィンとエポキシ基含有
エチレン系単量体を共重合した変性ポリオレフィンとの
混合物中の共重合した変性ポリオレフィンの混合割合は
70重量%以下が好ましい。70重量%を超える場合は
初期接着力はあるが、接着耐久性に乏しく、時間が経過
するに従い2層間で剥離を起こす。また予めポリオレフ
ィンと共重合タイプの変性ポリオレフィンを混合後、混
練機を使用してグラフト変性することによって変性ポリ
オレフィン混合物を得てもよい。
【0028】本発明の積層体は、基本的には少なくとも
上記高ニトリル樹脂(a)からなる層と変性ポリオレフ
ィンまたはその混合物(b)からなる層より構成される
が、通常は機械的強度の点からポリオレフィン層を加え
て使用する。また他にリグラインド層やポリアミド、E
VOHなどの他のバリヤー層を加えてもかまわない。そ
してそれぞれの厚みについては特に限定するものではな
い。また本発明においてエポキシ基含有エチレン系単量
体をグラフトした変性ポリオレフィンまたはエチレン系
単量体をグラフトした変性ポリオレフィンとエポキシ基
含有エチレン系単量体を共重合した変性ポリオレフィン
との混合物(b)はこれと未変性のポリオレフィンを混
合してもよい。
【0029】本発明の積層体を製造するには、一般のポ
リオレフィンの分野において実施されているような成形
方法、例えばT−ダイ成形、インフレーション成形、吹
き込み成形、射出成形、スタンピング成形などを適用す
ればよい。この成形方法の代表例としては、ポリオレフ
ィン、接着材、バリヤー材の各肉薄物(フィルム、シー
ト)を、これらの分野で使用される成形機を用いて別々
に溶融押出し、これらの各肉薄物を接着材層が中間にく
るようにダイ内で接着させることによって積層体を製造
する方法があげられる。次いで、このシートを真空成形
法、圧空成形法またはプレス成形法によって容器を製造
することができる。またポリオレフィン層、接着層、バ
リヤー層を構成する樹脂を共押出成形法により、前記積
層体を製造してもよい。
【0030】本発明でいう液状炭化水素とは、常温で液
体である炭化水素をいい、例えば、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ブテン−1、ペ
ンテン−1等の鎖状炭化水素、シクロヘキサン、シクロ
ヘキセン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族系炭化水素が挙げられ、これらの混合
物も含まれる。液状炭化水素等とは、炭化水素に50重
量%未満の他の有機化合物を含有していることをいい、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール類、エーテル類、フェノール類、アルデヒド
類、ケトン類、エステル類、アミン類、チオール類等が
あげられる。特に、本発明ではガソリンや酸素含有有機
化合物と炭化水素との混合物を対象とする。
【0031】容器とは、液状炭化水素等を入れる容器を
いい、例えば、自動車用の燃料タンク、有機溶剤の瓶等
が挙げられる。
【0032】
【実施例】次に実施例および比較例により更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。用いた高ニトリル樹脂、エポキシ基含有エ
チレン系単量体を含有する変性ポリオレフィンなどを以
下に示す。
【0033】(a)高ニトリル樹脂 (a−1)アクリロニトリル−ブタジエンゴム10重量
部の存在下に、アクリロニトリル70重量部、メチルア
クリレート15重量部、アクリル酸5重量部の混合物を
乳化重合してなるアクリロニトリル含有量約70重量%
の高ニトリル樹脂。MFRは0.18g/10min (JIS
K6760 に準拠。なお、荷重は2.16kg)であった。
【0034】(a−2)アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム10重量部の存在下に、アクリロニトリル70重量
部、メチルアクリレート20重量部の混合物を乳化重合
してなるアクリロニトリル含有量約70重量%の高ニト
リル樹脂。MFRは0.18g/10min (JIS K6760 に
準拠。なお、荷重は2.16kg)であった。
【0035】(b)エポキシ基含有エチレン系単量体を
含有する変性ポリオレフィン (b−1)グラフトタイプの変性ポリオレフィン MFRが0.7g/10min で、密度が0.917g/c
3 である直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対
してグリシジルメタクリレート0.6重量部、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン0.04重量部を予めヘンシェルミキサーを使っ
て混合し、得られた混合物を40mmφ単軸押出機を使
用して樹脂温度250℃で溶融混練して得たグリシジル
メタクリレートをグラフトした変性ポリオレフィン。
【0036】(b−2)グラフトタイプ変性ポリオレフ
ィン MFRが0.7g/10min で、密度が0.917g/c
3 である直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対
してアリルグリシジルエーテル0.6重量部、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン0.04重量部を予めヘンシェルミキサーを使っ
て混合して得られた混合物を40mmφ単軸押出機を使
用して樹脂温度250℃で溶融混練して得たアリルグリ
シジルエーテルをグラフトした変性ポリオレフィン。
【0037】(b−3)グラフトタイプ変性ポリオレフ
ィンと共重合タイプ変性ポリオレフィン混合物 MFRが0.7g/10min で、密度が0.917g/c
3 である直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対
してグリシジルメタクリレート0.6重量部、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン0.04重量部を予めヘンシェルミキサーを使っ
て混合し、得られた混合物を40mmφ単軸押出機を使
用して樹脂温度250℃で溶融混練して得たグリシジル
メタクリレートをグラフトしたポリオレフィンと、高圧
法低密度ポリエチレンの製造設備を用いて製造したエチ
レン(ET)とグリシジルメタクリレート(GMA)か
らなるET/GMA=98.0/2.0モル%、MFR
=3.0g/10minの二元共重合体との混合物で、
二元共重合体の混合割合が20重量%である変性ポリオ
レフィン混合物。
【0038】(b−4)グラフトタイプ変性ポリオレフ
ィンと共重合タイプ変性ポリオレフィン混合物 MFRが0.3g/10min で、密度が0.945g/c
3 である直鎖状高密度ポリエチレン40重量部とMF
Rが0.7g/10min で、密度が0.917g/cm3
である直鎖状低密度ポリエチレン35重量部と上記の共
重合タイプの変性ポリオレフィン(b−5)25重量部
の混合物に対してグリシジルメタクリレート0.6重量
部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン0.04重量部を予めヘンシェルミ
キサーを使って混合し、得られた混合物を40mmφ単
軸押出機を使用して樹脂温度250℃で溶融混練して得
たグリシジルメタクリレートをグラフトした変性ポリオ
レフィン。
【0039】(b−5)共重合タイプの変性ポリオレフ
ィン 高圧法低密度ポリエチレンの製造設備を用いて製造した
エチレン(ET)とグリシジルメタクリレート(GM
A)と酢酸ビニル(VAc)からなるET/GMA/V
Ac=96/2.3/1.7モル%、MFR=3.0g
/10min の三元共重合体である変性ポリオレフィン。
【0040】(c)その他の樹脂 (c−1)高密度ポリエチレン 密度:0.945g/cm3 (JIS K6760に準
拠) HLMFR:5.0g/10min (JIS K6760に
準拠、荷重は21.6kg)
【0041】(c−2)低ニトリル樹脂 アクリロニトリル−ブタジエンゴム10重量部の存在下
に、アクリロニトリル20重量部、メチルアクリレート
70重量部の混合物を乳化重合してなるアクリロニトリ
ル含有量15重量%のニトリル樹脂。但し、MFRは
7.0g/10minであった。
【0042】(c−3)ポリアミド6 溶融粘度(250℃)は1.78×104(poise)であっ
た。
【0043】(c−4)無水マレイン酸をグラフトした
ポリオレフィン MFRが0.7g/10min で、密度が0.917g/c
3 である直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対
して無水マレイン酸0.3重量部、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(第3級−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.
02重量部を予めヘンシェルミキサーを使って混合し
た。得られた混合物を40mmφ単軸押出機を使用して
樹脂温度250℃で溶融混練して得た無水マレイン酸を
グラフトしたポリオレフィン。
【0044】なお、以下の実施例および比較例で用いる
積層体は内径40mmの押出機3台からなる共押出シー
ト成形機を用いて成形された厚さ1mmの多層シートで
ある。
【0045】ガソリン及びアルコ−ルとガソリンの混合
物に対するバリヤー性試験は直径6cm、深さ2.5c
mのカップの中にそれぞれ30ccのトルエン/イソオ
クタン=40/60(容量%)混合液、及びトルエン/
イソオクタン/メタノール=45/45/10(容量
%)混合液を入れ、成形したシートを完全に漏れないよ
うに取り付け、40℃のオーブンの中にカップを逆さま
にして置き、その重量の経時変化を測定し、単位厚み
(1mm)、単位表面積(1m2 )、24時間の重量変
化である透過係数(P)を求めた。
【0046】多層シートの接着性は、多層シートから1
0mm幅の短冊状の試験片を打ち抜き、引張試験機を用
いて、引張速度50mm/min 、T型剥離の条件で剥離
したときの強度から求めた。
【0047】また耐久性は、10mm幅の短冊状の試験
片をトルエン/イソオクタン=50/50(容量%)混
合液、及びトルエン/イソオクタン/メタノール=45
/45/10(容量%)混合液に1500時間浸漬し、
その外観から判断した。
【0048】実施例1 高ニトリル樹脂(a−1)と変性ポリオレフィン(b−
1)と高密度ポリエチレン(c−1)を、最外層/接着
層/中間層/接着層/最内層=(c−1)/(b−1)
/(a−1)/(b−1)/(c−1)=94/1.5
/3/1.5/3(厚み比)になる構成の厚み1mmの
共押出シートを作成して、該シートの各種特性試験を行
った。結果を表1に示す。
【0049】実施例2 高ニトリル樹脂(a−1)と変性ポリオレフィン(b−
2)と高密度ポリエチレン(c−1)を、実施例1と同
様にして1mmのシートを作成し、該シートの各種特性
試験を行った。結果を表1に示す。
【0050】実施例3 高ニトリル樹脂(a−1)と変性ポリオレフィン混合物
(b−3)と高密度ポリエチレン(c−1)を、実施例
1と同様にして1mmのシートを作成し、該シートのバ
リヤー性試験を行った。結果を表1に示す。
【0051】実施例4 高ニトリル樹脂(a−1)と変性ポリオレフィン混合物
(b−4)と高密度ポリエチレン(c−1)を、実施例
1と同様にして1mmのシートを作成し、該シートのバ
リヤー性試験を行った。結果を表1に示す。
【0052】比較例1 高密度ポリエチレン(c−1)の1mmのシートを作成
し、バリヤー試験を行った。結果は表1に示すように極
端に低いバリヤー性を示した。
【0053】比較例2 高ニトリル樹脂(a−1)の代わりに、不飽和カルボン
酸または不飽和カルボン酸の誘導体を含有しない高ニト
リル樹脂(a−2)を用いた以外は、実施例1と同様に
して1mmのシート作成して、該シートの各種特性試験
を行った。結果は表1に示すように低い接着性を示し
た。
【0054】比較例3 高ニトリル樹脂(a−1)のかわりに低ニトリル樹脂
(c−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシー
トを作成したところ、表1に示すごとく低いバリヤー性
を示した。
【0055】比較例4 接着層として、グラフトタイプ変性ポリオレフィンを含
まない変性ポリオレフィン(b−5)を用いた以外は実
施例1と同様にしてシートを作成したところ、表1に示
すごとく高ニトリル樹脂層との間で剥離が見られた。
【0056】比較例5 接着層として、特開昭62−220436で用いられて
いるイソプレン−スチレンブロック共重合体“PR−1
111”を用いた以外は実施例1と同様のシートを作成
した。結果は表1に示すごとく接着性、耐久性は低い性
能を示した。
【0057】比較例6 接着層として、特開昭49−38683や特開平1−5
2180で用いられている無水マレイン酸をグラフトし
たポリオレフィン(c−4)を用いた以外は実施例1と
同様のシートを作成した。接着性は低い性能を示した。
【0058】比較例7 高ニトリル樹脂(a)のかわりに、ポリアミド6(c−
3)を用いた以外は実施例1と同様のシートを作成し
た。ガソリンに対応するトルエン/イソオクタン50/
50混合液に対するバリヤー性は実施例1と同様に高か
ったが、アルコールとガソリンとの混合物に対応するト
ルエン/イソオクタン/メタノール45/45/10混
合液に対するバリヤー性は低い性能を示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層体
は、ガソリン等の炭化水素、及び酸素含有有機化合物と
炭化水素との混合物、特にアルコールとガソリンとの混
合物に対する耐性に優れるとともに、透過防止能に優れ
ているため、容器(例えば、自動車用燃料タンク)とし
て有用である。この容器は、ガソリン、アルコールとガ
ソリンの混合物の他、有機溶剤の容器として用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−138837(JP,A) 特開 平5−77370(JP,A) 特開 平4−214344(JP,A) 特開 昭62−124655(JP,A) 特開 昭58−81159(JP,A) 特開 昭56−167446(JP,A) 特開 昭55−124655(JP,A) 特開 昭52−13580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 1/00 - 1/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ニトリル単量体含有量が50〜9
    5重量%で、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸
    の誘導体含有量が0.1〜50重量%で、不飽和カルボ
    ン酸エステル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニ
    リデン化合物、芳香族ビニルから選ばれた少なくとも一
    種の不飽和化合物含有量が49.9重量%以下である高
    ニトリル樹脂(a)からなる層及びエポキシ基含有エチ
    レン系単量体をグラフトした変性ポリオレフィンまたは
    エポキシ基含有エチレン系単量体をグラフトした変性ポ
    リオレフィンとエポキシ基含有エチレン系単量体を共重
    合した変性ポリオレフィンとの混合物(b)からなる層
    を接着してなる液状炭化水素等の容器用積層体。
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