JP3088023B2 - 反射一体型光線式感知器 - Google Patents

反射一体型光線式感知器

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JP3088023B2
JP3088023B2 JP03072258A JP7225891A JP3088023B2 JP 3088023 B2 JP3088023 B2 JP 3088023B2 JP 03072258 A JP03072258 A JP 03072258A JP 7225891 A JP7225891 A JP 7225891A JP 3088023 B2 JP3088023 B2 JP 3088023B2
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修三 三ノ輪
淳一 成宮
義人 平井
真理子 石田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定距離を介して配置
した反射板に対して光線を発光し、反射板からの反射光
を受光し、受光レベルが予め設定した閾値以下の場合に
感知出力を行なう反射一体型光線式感知器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、このような反射一体型光線式感知
器としては、例えば火災感知器が知られている。即ち、
発光部から発せられる光の光軸上に反射板を配置し、反
射板による反射光を受光部で受光し、例えば煙の侵入に
よって光が遮られることにより、受光部での受光レベル
の変化を検出し、その検出した受光レベルにより火災の
判断を行なうものである。
【0003】このような火災感知器にあっては、例えば
通常監視状態で監視領域に煙以外の遮蔽物が存在する場
合、受光部側での受光出力が落込むことから誤って火災
検出を行なってしまうことがある。このような場合、係
員が火災感知器を設置してある現場に出向き、遮断の存
在を確認して遮蔽物を取除くことにより通常の監視状態
に戻るといった対処がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
反射一体型光線式感知器では、遮蔽物によって受光部の
受光レベルが変化し検出動作を行なえば、上記した方法
で対処することができるものの、遮蔽物の反射率が高い
場合発光部からの光が遮蔽物で反射して受光部に戻るこ
とにより感知器では正常と判断してしまう問題があっ
た。その場合、遮蔽物と反射板までの範囲においては監
視が不能となる問題があった。
【0005】本発明は、上記のような従来の課題を解決
するためになされたものであり、監視領域における感知
対象以外の遮蔽物の存在を的確に判別することができる
反射一体型光線式感知器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
る請求項1の本発明は、一定距離を介して配置した反射
板に対して光線を発光する発光部と、該反射板からの反
射光を受光する受光部と、該受光部の受光出力が予め設
定した閾値以下の場合に感知出力を行なう判断部を備え
てなる反射一体型光線式感知器において、上記発光部と
受光部による監視領域における遮蔽物体の存在を検出す
る遮蔽物検出手段を備え、該遮蔽物検出部は、遮蔽物が
存在しない場合には反射しないように反射板からずらし
て信号を送出するマイクロ波送信機からなる送出手段
と、遮蔽物で反射した該信号を受信するマイクロ波受信
機からなる受信手段と、該受信手段の出力が予め設定し
た閾値以上の場合に遮蔽物の判別を行なう判別手段とで
構成されることを特徴とする。
【0007】請求項2の反射一体型光線式感知器は、前
記発光部の発光出力を通常監視状態と遮蔽物監視状態に
切換える切換制御手段と、該切換制御手段による遮蔽物
監視時に前記受光部の受光出力に基づいて遮蔽物の存在
を判別する判別手段を設けたことを特徴とする。
【0008】請求項3の反射一体型光線式感知器は、請
求項2に記載の発明において、切換制御手段は、通常監
視状態と遮蔽物監視状態の切換えを定期的かつ自動的に
行ない、遮蔽物監視状態において発光部の出力光量を反
射板からの反射光が受光部に戻らない出力レベルに落と
す光量切換手段を備えることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図1は本発明の反射一体型光線式感知
器を火災感知器に適用した第1の実施例の構成を示すブ
ロック図、図2はその反射一体型光線式感知器の全体構
成を示す斜視図である。本反射一体型光線式感知器は、
図2に示す如く感知器本体1から一定距離を介して配置
した反射板2に対して光線を発し、その反射板2からの
反射光を受光することにより、受光出力が予め設定した
閾値以下の場合に火災の感知出力を行なうものである。
【0011】感知器本体1は、大きく本来の監視を行な
う火災検出部5と、遮蔽物の監視を行なう遮蔽物検出部
6とで構成される。このうち火災検出部5は、近赤外光
を発する発光ダイオード等の発光部10と、発光部10
を駆動する発光駆動部11と、発光と受光動作の制御を
行なう受発光制御部12と、反射板2で反射した光を受
光する受光部13と、受光部13からの出力を増幅する
増幅回路15と、増幅回路15からのアナログ信号をデ
ジタル信号の受光データに変換するA/D変換部16
と、受光データを蓄える受光データ記憶部17と、予め
火災感知を行なう閾値を設定する閾値設定部18と、閾
値に基づいて火災判断を行なう火災判断部19とで構成
されている。
【0012】一方、遮蔽物検出部6は、火災監視領域に
対してマイクロ波を発するマイクロ波発信器20と、マ
イクロ波の発信と受信の制御を行なう受発信制御部22
と、マイクロ波の受信を行なうマイクロ波受信器23
と、マイクロ波受信器23の受信出力を増幅する増幅回
路25と、増幅回路25からのアナログ信号をデジタル
信号のマイクロ波データに変換するA/D変換部26
と、マイクロ波データを蓄えるマイクロ波データ記憶部
37と、予め遮蔽物の検出を行なうための閾値を設定す
る閾値設定部38と、閾値に基づいて遮蔽物の判断を行
なう遮蔽物判断部39とで構成されている。マイクロ波
発信器20とマイクロ波受信器23は、それぞれ図2に
示す如く感知器本体1の発光部10及び受光部13を配
置した面に一緒に配置されている。また、マイクロ波発
信器20の発信方向は、マイクロ波が反射板2で反射し
てしまうことがないように感知器本体1と反射板2で形
成される光軸を僅かにずれた方向に設定してある。
【0013】次に、上記の如く構成される反射一体型光
線式感知器の動作を説明する。火災検出部5による通常
の監視状態では、受発光制御部12の制御により発光駆
動部11が発光部10を駆動し、発光部10からは例え
ば20μsecのパルス光が反射板2に向って発射され
る。この発光部10の発光は、一定周期で行なわれる。
また、発光部10の駆動に同期して受発光制御部12に
より受光側の増幅回路15が駆動される。発光部10か
らの光は反射板2で反射し、その反射光が受光部13で
受光される。受光部13の受光出力は、増幅回路15で
増幅された後A/D変換部16でデジタルの受光データ
に変換され、受光データ記憶部17に蓄えられる。火災
判断部19では、受光データ記憶部17の受光データを
閾値設定部18に設定された閾値と比較する。火災が発
生していない状態では、発光部10からの光がそのまま
反射板2で反射されて受光部13で受光されるため、受
光データは閾値よりも大きな値となり火災判断部19か
らは火災感知信号は出力されない。火災が発生し感知器
本体1と反射板2の間に煙が介在すると、発光部10か
らの光が煙によって遮断、減光され受光部13で受光さ
れる光量が少なくなる。この結果、受光データが閾値を
下回ると、火災判断部19から火災の感知信号が各反射
一体型光線式感知器からの情報を監視する受信装置等に
出力される。
【0014】遮蔽物検出部6は、プログラム制御により
定期的にあるいは受信装置等からの遠隔操作によって動
作し、受発信制御部22がマイクロ波発信器20を駆動
してマイクロ波を発信すると共に、それに同期して増幅
回路25を駆動する。ここで、マイクロ波を使用したの
は、マイクロ波は比較的波長が長いことから煙の影響を
受け難いためである。監視領域に遮蔽物が存在しない場
合、マイクロ波発信器20からのマイクロ波はどこへも
ぶつからずそのまま直進し、マイクロ波受信部23で受
信されない。従って、その場合には、当然閾値設定部3
8の閾値より大きいマイクロ波データは得られないの
で、遮蔽物判断部39から遮蔽物の検出信号は出力され
ない。
【0015】監視領域に遮蔽物が存在する場合、マイク
ロ波発信器20からのマイクロ波はその遮蔽物で反射し
てマイクロ波受信器23で受信され、受信出力は増幅回
路25で増幅された後A/D変換部26でデジタルのマ
イクロ波データに変換されてマイクロ波データ記憶部3
7に蓄えられる。そのマイクロ波データは遮蔽物判断部
39において閾値設定部38に設定された閾値と比較さ
れ、閾値より大きい場合には遮蔽物判断部39から遮蔽
物の検出信号が出力される。この場合、遮蔽物の反射率
が低い場合には火災検出部5においても、遮蔽物によっ
て発光部10からの光が遮断されるため、火災判断部1
9から感知信号が出力されるが、遮蔽物判断部39の検
出信号が出力された場合には、火災の感知信号を無効と
するよう設定しておく。また、遮蔽物の反射率が高い場
合には遮蔽物によって発光部10からの光が反射して受
光部13で受光されるため、火災判断部19から感知信
号は出力されないが、遮蔽物判断部39の検出信号が出
力された場合には遮蔽物が存在するものと判断する。こ
こで、閾値設定部38の閾値は、煙によるマイクロ波の
反射によって得られるマイクロ波データを基準に設定し
てあり、煙より反射率の高い遮蔽物であればほとんど検
出できるようにしてある。
【0016】また、火災による煙が存在する場合、マイ
クロ波の極く一部が反射し、マイクロ波受信器23で受
信されるが、マイクロ波データは閾値に較べて極めて小
さいものとなるため、遮蔽物判断部39から遮蔽物の検
出信号は出力されない。従って、この場合は火災検出部
5による火災の感知信号が有効となる。以上により、煙
による感知信号とそれ以外の遮蔽物による感知信号の区
別がなされるので、誤報のない正確な監視が可能とな
る。
【0017】さらに、本発明の反射一体型光線式感知器
を火災感知器に適用した第2の実施例について説明す
る。図3は本発明の第2の実施例による反射一体型光線
式感知器の構成ブロック図である。この反射一体型光線
式感知器の全体構成は図2と同様の構成となっている。
また、図1の実施例と同一の構成部分については共通の
符号を付している。
【0018】本反射一体型光線式感知器の感知器本体3
0は、第1の実施例のように遮蔽物を検出するための遮
蔽物検出部6を別途に設けることなく遮蔽物の検出を可
能としており、火災検出部5の構成に加えて発光部10
の光量を切換える光量切換制御部31と、火災監視状態
と遮蔽物監視状態の切換えを制御する切換制御部32
と、発光部10の発光周期等を設定するタイマ33と、
受光部13の出力を火災判断側と遮蔽物判断側のいずれ
かに切換える切換スイッチ34と、遮蔽物判断のために
受光データを蓄える受光データ記憶部47と、遮蔽物判
断の閾値を設定する閾値設定部38と、遮蔽物の判別を
行なう遮蔽物判断部39とを備えてなる。
【0019】以下、第2の実施例による反射一体型光線
式感知器の動作を説明する。受発光制御部12により発
光駆動部11を制御することにより、発光部10からは
20μsec のパルス光が出力される。また、発光部10
の駆動は、タイマ33によって3sec の周期で間欠的に
行なわれる。また、発光部10の駆動に同期して受発光
制御部12により増幅回路15が駆動されるのは、第1
の実施例の場合と同様である。火災監視状態において
は、発光部10は通常の発光量をもって発光され、また
切換スイッチ34が火災監視側に設定されており、受光
部13で受光されて得られた受光データが火災判断部1
9で閾値と比較されて火災判別がなされる。
【0020】発光部10の5〜6回(周期)の発光に対
して1回の割合でタイマ33によって切換制御部32が
起動されるように設定されている。切換制御部32は、
光量切換制御部31を制御して発光部10の発光量を落
とすと共に、切換スイッチ34を遮蔽物監視側へ設定
し、遮蔽物監視状態となる。遮蔽物検出時の発光部10
の発光量は、遮蔽物が存在しない状態では途中で減衰し
反射光が受光部13で受光できないレベルに設定されて
いる。監視領域に遮蔽物がある場合は、遮蔽物で反射し
た光が受光部13で受光され、受光部13の受光出力は
受光データとして受光データ記憶部47に蓄えられる。
また、遮蔽物判断部39は、受光データを閾値設定部3
8に設定された閾値と比較し、閾値を上回っていれば遮
蔽物として判断し、遮蔽物検出信号を出力する。
【0021】遮蔽物監視状態では、発光部10の発光量
が上記のように制御されるため、監視領域に煙が存在す
る場合、煙による反射によって受光部13で受光される
光は極めて微弱となる。従って、閾値設定部38の閾値
を煙による反射で得られる受光データの値より大きくと
っておけば、遮蔽物判断部39では煙以外の遮蔽物だけ
を検出することできる。また発光部10の5〜6回(周
期)の発光に対して1回の割合でタイマ33によって切
換制御部32が起動されるように設定されているが、例
えば煙の監視と遮蔽物の監視をおこなった際に、順次両
方から火災感知信号と遮蔽物検出信号の両方を検出した
場合は遮蔽物検出信号のみを出力してもよい。
【0022】なお、上記第1及び第2の実施例におい
て、火災感知信号と遮蔽物検出信号の2つの信号を入力
し、遮蔽物検出信号が入力された場合には、火災感知信
号が入力されても出力しないようなゲートを設けること
も可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
光部と受光部による監視領域における遮蔽物体の存在を
検出する遮蔽物検出手段を備え、該遮蔽物検出部は、遮
蔽物が存在しない場合には反射しないように反射板から
ずらして信号を送出するマイクロ波送信機からなる送出
手段と、遮蔽物で反射した該信号を受信するマイクロ波
受信機からなる受信手段と、該受信手段の出力が予め設
定した閾値以上の場合に遮蔽物の判別を行なう判別手段
とで構成されること遮蔽物のみを検出することができる
構成としたことにより、監視領域における感知対象以外
の遮蔽物の存在を的確に判別でき、遮蔽物によって本来
の感知対象の監視が不能になるのを確実に防止できる。
【0024】請求項2の本発明によれば、発光部と受光
部を兼用して通常の監視と遮蔽物の監視を行なうので、
遮蔽物検出のための大掛かりな手段を設けることなく的
確な遮蔽物の検出が行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による反射一体型光線式
感知器の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例による反射一体型光線式
感知器の全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例による反射一体型光線式
感知器の構成ブロック図である。である。
【符号の説明】
1 感知器本体 2 反射板 5 火災検出部 6 遮蔽物検出部 10 発光部 11 発光駆動部 12 受発光制御部 13 受光部 18 閾値設定部 19 火災判断部 20 マイクロ波発信器 22 受発信制御部 23 マイクロ波受信器 38 閾値設定部 39 遮蔽物判断部 31 光量切換制御部 32 切換制御部 33 タイマ 34 切換スイッチ
フロントページの続き (72)発明者 石田 真理子 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−184041(JP,A) 実開 昭59−63785(JP,U) 実開 昭63−143996(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定距離を介して配置した反射板に対し
    て光線を発光する発光部と、該反射板からの反射光を受
    光する受光部と、該受光部の受光出力が予め設定した閾
    値以下の場合に感知出力を行なう判断部を備えてなる反
    射一体型光線式感知器において、 上記発光部と受光部による監視領域における遮蔽物の存
    在を検出する遮蔽物検出部を備え、 該遮蔽物検出部は、遮蔽物が存在しない場合には反射し
    ないように反射板からずらして信号を送出するマイクロ
    波送信機からなる送出手段と、遮蔽物で反射した該信号
    を受信するマイクロ波受信機からなる受信手段と、該受
    信手段の出力が予め設定した閾値以上の場合に遮蔽物の
    判別を行なう判別手段とで構成されることを特徴とする
    反射一体型光線式感知器。
  2. 【請求項2】 一定距離を介して配置した反射板に対し
    て光線を発光する発光部と、該反射板からの反射光を受
    光する受光部と、該受光部の受光出力が予め設定した閾
    値以下の場合に感知出力を行なう判断部を備えてなる反
    射一体型光線式感知器において、 上記発光部の発光出力を通常監視状態と遮蔽物監視状態
    に切換える切換制御手段と、該切換制御手段による遮蔽
    物監視時に前記受光部の受光出力に基づいて遮蔽物の存
    在を判別する判別手段を設けたことを特徴とする反射一
    体型光線式感知器。
  3. 【請求項3】 切換制御手段は、通常監視状態と遮蔽物
    監視状態の切換えを定期的かつ自動的に行ない、遮蔽物
    監視状態において発光部の出力光量を反射板からの反射
    光が受光部に戻らない出力レベルに落とす光量切換手段
    を備えることを特徴とする請求項2の反射一体型光線式
    感知器。
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