JP3087961U

JP3087961U - 芳香性クッション用充填素材及び芳香性枕並びに芳香性クッション

Info

Publication number: JP3087961U
Application number: JP2002000664U
Authority: JP
Inventors: ▲かん▼二池尻
Original assignee: 有限会社日本総業
Priority date: 2002-02-14
Filing date: 2002-02-14
Publication date: 2002-08-23
Anticipated expiration: 2008-02-14

Abstract

(57)【要約】【課題】枕やクッション製品の充填素材で一定期間効
果的な芳香を放ち、且つリラクゼーション作用を奏しめ
る芳香性クッション用充填素材及びこれを使用した芳香
性枕や芳香性クッションを提供する。【解決手段】天然香料を含有するマイクロカプセルを
軟質合成樹脂１００重量部に対し０．３〜３．０重量部
の一定比率に混ぜ合わせたものを溶融押出し、内径凡そ
４ｍｍ〜８ｍｍ程度、肉厚凡そ０．５ｍｍ程度で長さ凡
そ４ｍｍ〜１０ｍｍ程度の中空パイプに成形する。この
際、天然香料を柑橘系香料となしたり、また、上記成形
品を布袋や網袋に詰め込んで芳香性枕や芳香性クッショ
ンを作成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、香りを長期間維持するクッション用充填材及びこれを使用した芳香性枕並びに芳香性クッションに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に枕本体やクッション製品の充填素材としては、そば殻、綿、その他様々な材料が用いられているが、芳香性のある枕やクッション製品はほとんど存在しない。枕やクッション製品に芳香性を持たせるためには、ポプリやハーブなどの芳香材を枕やクッション内部に入れたり、充填素材や枕袋に各種香料を直接塗布することが行われている。

【０００３】しかしながら、この場合、枕やクッション製品の芳香性を一定した香りの強さで長期間維持することは出来ず、そのために芳香材を逐次取り替えたり補充しなければならなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、枕やクッション製品の充填素材で一定期間効果的な芳香を放ち、且つリラクゼーション作用を奏しめる芳香性クッション用充填素材及びこれを使用した芳香性枕や芳香性クッションを市販に供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、天然香料を含有するマイクロカプセルを軟質合成樹脂１００重量部に対し０．３〜３．０重量部の一定比率に混ぜ合わせたものを溶融押出し、内径凡そ４ｍｍ〜８ｍｍ程度、肉厚凡そ０．５ｍｍ程度で長さ凡そ４ｍｍ〜１０ｍｍ程度の中空パイプに成形する。この際、天然香料を含有するマイクロカプセルを粒子径凡そ２０μｍ程度の柑橘系香油含有球体となしたり、軟質合成樹脂は低密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。また、上記成形品を布袋や網袋に詰め込んで芳香性枕や芳香性クッションなどの充填製品とするのである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面を参照して説明する。図１は本考案の芳香性クッション用充填素材１の斜視図であり、図２はその使用例であって、該充填素材１を詰め込んだ芳香性枕２の斜視図である。本考案に於いて、芳香性クッション用充填素材１は、天然香料を含有するマイクロカプセルと軟質合成樹脂とを一定比率に攪拌混合し、従来の溶融押出法により一定長のパイプ材に形成される。

【０００７】ここに天然香料を含有するマイクロカプセルは、例えば任意の天然香料を芯物質として、多孔性の殻体粒子の中空部分にマイクロカプセル化して得られたものであり、該カプセル中に封入された芯物質が、殻体の孔を通過して外部に徐々に放出されるようになされるものである。該マイクロカプセルとしては、任意の粒子径のものが使用できるが、凡そ２０μｍ程度の球形に形成したものが長時間の芳香を安定的に維持できる点で好ましい。多孔性殻体粒子はシリカ、アルミナなどの無機質でもポリウレタン、メラミンなどの有機質でもよいが、軟質合成樹脂の成形加工温度で形状が保持できる程度の耐熱性を有し、また軟質合成樹脂との相溶性が優れたものであることが最終的に得られる成形品中への均一分散性の点で好ましい。

【０００８】天然香料としては、果実、草花、樹木などの各種植物から抽出されたエキスからなるものが使用できるが、例えば、オレンジ、レモン、ラベンダー、ジャスミン、バラ、ヒノキ、ヒバ、ユーカリ、シナモンなどの植物が挙げられ、これらを単独又は適宜組み合わせて使用する。とりわけ、オレンジやレモンなどの柑橘系のものは安眠効果やリラクゼーション効果を奏する上で好ましい。

【０００９】軟質合成樹脂としては低密度ポリエチレンやポリプロピレンを使用するが、低密度ポリエチレンの融点温度がポリプロピレンに比べて低く且つ安価に得られる点で優れる。一方、これら軟質合成樹脂からなる製品は、柔軟性に富み、防湿性や耐候性にも優れるのであり、枕やクッション製品への充填素材として利便がよい。

【００１０】本考案に於ける芳香性クッション用充填素材１は、例えば、天然香料としてオレンジ油をシリカの中空部分に封入した凡そ２０μｍ程度のマイクロカプセルを、低密度ポリエチレン１００重量部に対して０．３〜３．０重量部の一定比率で攪拌混合後、１５０℃〜１６０℃の温度で一軸或いは多軸押出機を用いて溶融混練してパイプダイスへ押し出し、次いでカッターで切断して、内径凡そ４ｍｍ〜８ｍｍ程度、肉厚凡そ０．５ｍｍ程度、長さ凡そ４ｍｍ〜１０ｍｍ程度の中空パイプに成形される。而して、中空パイプ１は、枕やクッション製品として適度の嵩密性と屈弾性に富み、且つ適度な柑橘系芳香を長時間に亘って徐々に放つものとなる。

【００１１】ここに上記マイクロカプセルと軟質合成樹脂の混合比率は、本考案者が弱すぎず且つ強すぎない芳香性を少なくとも一年間は確実持続できるように試行錯誤した結果、上記数値範囲に決定したものであり、好ましくは２．０％程度の重量割合で混合させるのがよい。

【００１２】上記の如く作成した中空パイプ１は、図２に示すように、適当量を枕袋３内部へ封入して芳香性枕２の充填物として使用される。また同様に、この中空パイプ１を布製のクッションやぬいぐるみ或いは通気性のある袋体に入れて、部屋や車などに載置してもよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案品は、以上の通り、天然香料を含有するマイクロカプセルを軟質合成樹脂に一定量練り込んで製造されることから、適度な香りを徐々に放ち続けるので、これを充填した枕やクッション製品は一定の芳香を長期間に亘って維持することができる。また、これら製品はそのまま洗濯しても芳香性を容易に消失しないので衛生面でも優れた効果を奏するものとなる。とりわけ柑橘系香油を含有したものは清涼感があり、またリラクゼーション効果があるので、ストレスの鎮静化作用を可能ならしめる上で著効を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る芳香性クッション用充填素材の斜
視図である。

【図２】上記充填素材を充填した枕の斜視図である。

【符号の説明】

１芳香性クッション用充填素材２芳香性枕３枕袋

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】天然香料を含有するマイクロカプセルを
軟質合成樹脂１００重量部に対し０．３〜３．０重量部
の一定比率に混ぜ合わせたものを溶融押出し、内径凡そ
４ｍｍ〜８ｍｍ程度、肉厚凡そ０．５ｍｍ程度で長さ凡
そ４ｍｍ〜１０ｍｍ程度の中空パイプに成形したことを
特徴とする芳香性クッション用充填素材。
【請求項２】天然香料を含有するマイクロカプセル
は、粒子径を凡そ２０μｍ程度の柑橘系香油含有球体で
あることを特徴とする請求項１記載の芳香性クッション
用充填素材。
【請求項３】軟質合成樹脂は、低密度ポリエチレンで
あることを特徴とする請求項１又は２記載の芳香性クッ
ション用充填素材。
【請求項４】請求項１，２又は３記載の芳香性クッシ
ョン用充填素材を布袋や網袋に詰め込んでなる芳香性
枕。
【請求項５】請求項１，２又は３記載の芳香性クッシ
ョン用充填素材を布袋や網袋に詰め込んでなる芳香性ク
ッション。