JP2004201810A - 芳香性および/または消臭性に優れる寝具充填材 - Google Patents
芳香性および/または消臭性に優れる寝具充填材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】不快感を与えることなく、むしろ精神的なリラクゼーションを得るために適切な量の芳香消臭成分を長期にわたって放出することができる、寝具充填材を提供すること。
【解決手段】微香性、消臭性および長期安定性に優れる寝具充填材が開示されている。本発明の寝具充填材は、セルロース系粒子および樹脂成分を含有する基材に、芳香消臭成分を担持させてなる。本発明に用いられるセルロース系粒子は、例えば微粉化された木粉であり、吸湿性にも優れる。その結果、本発明の寝具充填材がマクラ充填材として使用される際、就寝者の頭部の温度を調節することもできる。
【選択図】 なし
【解決手段】微香性、消臭性および長期安定性に優れる寝具充填材が開示されている。本発明の寝具充填材は、セルロース系粒子および樹脂成分を含有する基材に、芳香消臭成分を担持させてなる。本発明に用いられるセルロース系粒子は、例えば微粉化された木粉であり、吸湿性にも優れる。その結果、本発明の寝具充填材がマクラ充填材として使用される際、就寝者の頭部の温度を調節することもできる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、芳香性および/または消臭性に優れる寝具充填材に関し、より詳細には、芳香消臭成分の徐放性によって心地よい睡眠を得ることができる寝具充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】
睡眠は生命を維持するためにヒトにとって必要不可欠なものである。心地よい睡眠を得るためには、適切な寝具が重要であり、特にマクラに対する要求が日々高まっている。
【0003】
ヒトの背骨は元来S字に曲がっている。そのため、例えば、人間が直立した姿勢からそのまま横になった場合、個体差はあるものの、首の間に平均して1cm〜6cmの隙間ができるといわれている。よって、この隙間を補い、就寝時においてもそのS字を自然に保たなければ、ヒトは心地よい睡眠を得ることが難しい。
【0004】
マクラはこの隙間を埋めるとともに、頭部の重みを支える頚椎も安定化させる役割を果たす。
【0005】
近年、マクラには、このような睡眠をさらに快適に行うために、種々の改良が施されている。例えば、就寝時の姿勢を安定化させるために、マクラに立体的な加工を施したもの;個人に合わせて高さまたは嵩を自在に調整可能なもの;消臭剤および/または抗菌剤を付与させたもの;吸湿性を高めて発汗による寝苦しさを解消するもの;および種々の芳香性材料をマクラ充填剤に使用するもの;が挙げられる。これらの改良においては、マクラカバーなどのヒトに直接接触する部分への素材の開発とともに、マクラ内に充填されるマクラ充填材に種々の材料が使用されている。
【0006】
マクラ充填材に使用される主要な材料としては、羽毛、ウール、低反発ウレタン、パイプまたは球状ビーンズと呼ばれる各種プラスチック、ヒノキチップ、キャメル、そばがら、備長炭などが知られている。これら材料は、適度な柔らかさ、芳香性、吸湿性、および/または消臭能力に優れている。
【0007】
このうち、ヒノキチップのような芳香性マクラ充填材は、近年のヒーリング(癒し)に対する要求から、特に注目されている。通常、このような芳香を生じる香りの成分は、ヒトの鼻を介して嗅粘膜に溶け込み、香りの成分を情報として嗅細胞によってキャッチされる。その後、その香りの情報は電気信号となって、嗅神経、嗅球および嗅索を通り、大脳(大脳皮質および大脳辺縁系)に伝えられる。ヒトは意識として香りを感じると言われている。結果として、就寝者にとって、好ましい香りは快適な感情を無意識に生み、安静時の精神的なリラクゼーションによる安眠を誘う。
【0008】
他方、好適とされる芳香の種類は個人の趣向によって多様である。このような要求を満足するために、各種ハーブオイルなどを上記材料(基材)に担持させた、種々の芳香性マクラ充填材が提案されている。
【0009】
しかし、従来の基材を使用してなるマクラ充填材には、いくつかの問題が指摘されている。例えば、使用する基材自体を一定にしながら、かつ使用者の趣向に合った種々の芳香成分を充分に担持させることができない;放出される芳香を充分に制御することができず、香りが強すぎてむしろ就寝者の安眠を妨げる恐れがある;および芳香性が長期間持続しない;点である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、不快感を与えることなく、むしろ精神的なリラクゼーションを得るために適切な量の芳香消臭成分を長期にわたって放出することができる、寝具充填剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セルロース系粒子および樹脂成分を含有する基材に、芳香消臭成分を担持させてなる、寝具充填材である。
【0012】
好ましい実施態様では、上記樹脂成分は、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0013】
好ましい実施態様では、上記セルロース系粒子は、上記基材の重量に対して5重量%から80重量%の割合で含有されている。
【0014】
好ましい実施態様では、上記芳香消臭成分は、感圧芳香性マイクロカプセルおよび徐放芳香性マイクロカプセルからなる群より選択される少なくとも1種のマイクロカプセルの形態で担持されている。
【0015】
好ましい実施態様では、上記芳香消臭成分は、オイルベースの天然香料およびオイルベースの人工香料からなる群から選択される少なくとも1種のオイルを用いて担持されている。
【0016】
好ましい実施態様では、上記寝具充填材はマクラ充填材として使用される。
【0017】
本発明はまた、上記寝具充填材を含有する寝具である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0019】
本発明の寝具充填材は、基材に芳香消臭成分を担持させてなる。
【0020】
本発明に用いられる基材は、その表面に、後述する種々の芳香消臭成分を担持させることにより、当該芳香消臭成分の徐放性に優れる芳香および/または消臭材としての役割を果たす。ここで、本明細書中に用いられるよう用語「担持」とは、本発明に用いられる基材に対し、後述する芳香消臭成分が当該基材の表面および/または内部に存在する状態を包含していい、例えば、物理的または化学的な吸着、結合などがこれに含まれる。また、本明細書中に用いられる用語「芳香消臭成分」とは、空間に芳香を付与し得る芳香成分;臭気を化学的または生物的作用により除去または緩和し得る消臭成分;臭気を物理的作用により除去または緩和し得る脱臭成分;および臭気を他の芳香によってマスキングし得る防臭成分;を包含していう。
【0021】
本発明に用いられる基材は、セルロース系粒子と樹脂成分とを含有する。
【0022】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、植物体を適切な粒度にまで粉砕することにより得られる粉体である。本発明に用いられるセルロース系粒子の例としては、松、杉、ヒノキ、ツガ、カリン、タモ、ニレ、サクラまたはケヤキような天然木であって、その製材過程、あるいは廃屋または家具の解体過程によって生じる廃材および/または大鋸屑を微粉化して得られる木粉;バカスの粗破砕物;稲わらまたは籾殻の粗粉砕物;ならびにそれらの組合せが挙げられる。本発明においては、入手が安定して容易である等の理由から木粉が好ましい。
【0023】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、上記植物体を当業者に公知の手段を用いて微粉化したことにより、好ましくは1μm〜3000μm、より好ましくは50μm〜900μmの平均粒子径を有する。このような範囲に含まれる平均粒子径を有するセルロース系粒子を使用することにより、後述する樹脂成分と混合した際に、より均一に分散させることができる。
【0024】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、基材の重量を基準として、好ましくは5重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%の割合で含有されている。セルロース系粒子の含有量が5重量%を下回ると、基材中には、後述する樹脂成分がより多く含まれることとなり、単位重量あたりの芳香消臭成分の担持量が低下する。その結果、得られる寝具充填材が就寝者の安眠を誘うに適切な芳香を充分に発しないという恐れがある。他方、セルロース系粒子の含有量が80重量%を越えると、後述する樹脂成分が少ないために、得られた基材を所望の強度を保持したままで、任意の形状に成形することが困難になる恐れがある。
【0025】
本発明に用いられるセルロース系粒子はまた、芳香消臭成分をより効率的に担持させるために、含水量が低いものであることがさらに好ましい。このようなセルロース系粒子は、好ましくは乾燥粒子であり、より好ましくは絶乾状態の粒子である。セルロース系粒子中の含水量を設定は、公知の方法および手段によって当業者によって適宜選択され得る。
【0026】
本発明に用いられる樹脂成分は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。リサイクルが容易な点を考慮すれば、熱可塑性樹脂が好ましい。本発明に用いられる樹脂成分の例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトロリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトロリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、フェノール樹脂、ならびにこれらの組合せが挙げられる。リサイクルが容易であり、そして廃棄焼却時の環境に与える影響を考慮すれば、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリウレタン樹脂ならびにこれらの組合せが好ましい。
【0027】
本発明に用いられる基材には、上記セルロース系粒子および樹脂成分以外に、芳香消臭成分の担持量および徐放性を低減させない範囲内で、各種の添加剤が含有されていてもよい。このような添加剤の例としては、顔料、抗菌剤、殺菌剤、防藻剤、褐色防止剤、難燃剤、および補強剤が挙げられる。また、これら添加剤のより具体的な例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、銀、銀・リン酸カルシウム、トリクレジルホスフェート、トルマリン、銅、タルクおよびガラス繊維が挙げられる。
【0028】
上記セルロース系粒子および樹脂成分、ならびに必要に応じて添加される各種添加剤は、当業者に公知の手段で混合され、粒状物の形状に成形される。このような粒状物の形状としては、球型、俵(円柱)型、平板型、パイプ型、直方体型または他の任意の立体的形状が挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の寝具充填材においては、俵型の粒状物に成形されることが好ましい。寝具充填材用として、より好適な俵型の粒状物は、直径が好ましくは2mm〜8mmである底面を有し、かつ好ましくは3mm〜5mmの高さを有する。このような形状の粒状物は、例えば、押出成形を用いて当業者に容易に成形され得る。
【0029】
本発明に用いられる基材は、後述するような芳香消臭成分を担持させることにより寝具充填材として応用される。なお、本発明に用いられる用語「寝具充填材」とは、マクラ、クッション、座布団および布団を包含していう。本発明に用いられる基材は、適度な硬さを有することから、マクラ充填材として使用することが特に好ましい。
【0030】
次いで、上記基材に担持される芳香消臭成分について説明する。
【0031】
本発明に用いられる芳香消臭成分は、天然または人工の香料または消臭剤、あるいはそれらの組合せでなるマイクロカプセル、オイルおよび/または粉体である。上記芳香消臭成分に含まれる天然の香料または消臭剤の例としては、植物精油および樹液のような形態のものが挙げられる。より具体的には、ラベンダー、タイム、セージ、ローズマリー、ハジル、カモミール、ベルガモット、レモン、ユーカリ、ペパーミント、バジル、オレンジ、ローズ、ジャスミン、レモンバーベナ、レモンバーム、ネロリ、クラリーセージ、サイプレス、ゼラニウム、パイン、バニラ、リンゴ、ユズ、カボス、ジャバラ、ワサビなどのハーブ系のもの;ヒノキ、サンダルウッド(白檀)、ヒバ、クマザサなどの樹木系のもの;が挙げられる。他方、上記人工の香料または消臭剤の例としては、上記植物精油または樹液と同様の芳香または消臭作用を有するものが挙げられる。
【0032】
本発明においては、寝具における芳香および/または消臭効果が長期にわたって持続する点、および強い芳香によって就寝者の安眠を妨害することなく、心地よい程度での微香性および/または消臭性を保持し得る点から、上記芳香消臭成分をマイクロカプセルに封じ込めた形態で使用することが好ましい。このような好ましいマイクロカプセルの例としては、感圧芳香性マイクロカプセル、徐放性マイクロカプセルおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0033】
本発明に用いられ得る感圧芳香性マイクロカプセルは、マイクロカプセル自体に圧力が付与されることにより、マイクロカプセルの外皮(カプセル)が破れ、内部の芳香消臭成分を放出し得るものである。より具体的には、このような感圧徐放性マイクロカプセルを寝具充填材に使用することによって、通常そのまま静置した状態では、ほとんど芳香消臭成分を発することなく、就寝者の寝返り等によって、寝具が部分的に押圧された際に、マイクロカプセルが破れて、内部の芳香消臭成分を放出し得る。
【0034】
他方、本発明に用いられ得る徐放芳香性マイクロカプセルは、マイクロカプセルが経時的に自己崩壊することにより、マイクロカプセルの外皮(カプセル)が破れ、内部の芳香消臭成分を放出し得るものである。
【0035】
上記芳香消臭成分を含有する、このような感圧芳香性マイクロカプセルおよび徐放芳香性マイクロカプセルは、当業者に公知のものであり、例えば、(株)日本カプセルプロダクツより市販されている。
【0036】
本発明における芳香消臭成分は、上記基材100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜10重量部、より好ましくは0.005重量部〜5重量部の割合で担持されている。基材に担持される芳香消臭成分の割合が0.001重量部を下回ると、芳香消臭成分の放出量が少なすぎて、就寝時に心地よい芳香を感じることが困難になる恐れがある。他方、基材に担持される芳香消臭成分の割合が10重量部を上回ると、芳香消臭成分の放出量が多くなり、就寝者を不快に感じさせる恐れがある。
【0037】
本発明の寝具充填材は、通気性に優れる寝具カバー(例えば、マクラカバー)内にそのまま充填されてもよく、あるいは羽毛;ウール;木綿;化学繊維;低反発ウレタン、パイプまたは球状ビーンズと呼ばれる各種プラスチック;ヒノキチップ;キャメル;そばがら;備長炭;などの他の寝具充填材と混合して、通気性に優れる寝具カバー内に充填されてもよい。他の寝具充填材と混合する場合、その混合量は当業者により任意に選択され得る。
【0038】
本発明の寝具充填材は、以下のようにして基材に芳香消臭成分を担持することによって製造される。
【0039】
まず、適切な粒度に粉砕されたセルロース系粒子と樹脂成分とが、当業者によって公知の手段により混合され、所望の形状(例えば、俵型)でなる基材が成形される。
【0040】
次いで、得られた基材に対し芳香消臭成分が担持される。例えば、オイルまたはマイクロカプセルが使用される場合、基材は当該オイルまたはマイクロカプセルを含有する浴中に浸漬されるか、あるいは基材に当該オイルまたはマイクロカプセルを含有する溶液がスプレーされる。浸漬またはスプレーに使用される手段、時間などの条件は当業者によって任意に選択され得る。
【0041】
なお、本発明に用いられる基材に、オイルベースの天然香料または人工香料が担持される場合、より具体的には以下のようにして行われる。
【0042】
まず、上記天然または人工の香料または消臭剤、あるいはそれらの組合せでなるオイルを溶媒中に溶解させることにより処理液が作製される。用いられ得る溶媒の例としては、水;およびエタノール、メタノール、アセトンのような有機溶媒;ならびにそれらの混合溶媒が挙げられる。混合溶媒が用いられる場合、混合比は当業者によって適宜選択され得る。
【0043】
上記処理液において、オイルと溶媒との容量比は、好ましくは1:30〜1:2000であり、より好ましくは1:50〜1:1000であり、さらにより好ましくは1:100〜1:500である。1単位容量におけるオイルに対する溶媒の容量が30未満であると、処理液中でオイルが均一に分散せず、そして製造コストが高くなる恐れがある。他方、1単位容量におけるオイルに対する溶媒の容量が2000を越えると、本発明の基材にオイルが適切な量で担持されず、その結果、芳香性およびまたは消臭性が劣る恐れがある。
【0044】
次いで、上記処理液に基材が、例えば、浸漬によって付与される。浸漬される場合、基材と処理液との容量比は、好ましくは3:2〜1:1である。浸漬の際に付与される温度は好ましくは室温〜80℃である。浸漬時間は使用される基材および処理液の量によって変化するため、特に限定されないが、例えば、3時間〜48時間、好ましくは4時間〜10時間である。
【0045】
芳香消臭成分を担持した基材は、洗浄等の工程を得ることなく、一旦乾燥させることが好ましい。このようにして本発明の寝具充填材が製造される。
【0046】
本発明の寝具充填材は、就寝者にとって適度な硬さを有するとともに、基材に含まれるセルロース系粒子によって適切な吸湿作用を有する。その結果、本発明の寝具充填材は、特にマクラ充填材として使用される際に好適な、マッサージ機能、および吸湿による温度調節(冷感調整)機能をも発揮する。本発明の寝具充填材は、その使用により就寝者が芳香を感じなくなった場合、寝具カバーから取り出され、回収される。そして、再度、芳香消臭成分を担持させることにより、リサイクル可能である。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を記載する。しかし、これによって本発明は特に限定されない。
【0048】
<製造例1:基材の製造>
製材所より得られた木材粉を、ヘンシェルミキサー内で高速攪拌しながら120℃で乾燥させ、3.5重量%の含水率を有しかつ0.23mmの平均粒径を有する木粉を得た。次いで、単軸押出機(クリモト鉄工(株)製)を用い、この木粉40重量部をコンパクターにてサイドフィードし、そしてABS樹脂51重量部と二酸化チタン粒子9重量部とを充分に攪拌してなる混合物をホッパーから投入した。設定温度はダイヘッドを除いてすべて150℃〜100℃の間に保持した。
【0049】
連続的な押出しが行われ、直径約4mmおよび高さ約5mmでなる、円柱状の基材を得た。
【0050】
<実施例1:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)でなる処理液(10リットル)に、製造例1で得られた基材1kgを室温にて24時間浸漬した。その後、処理液を除去し、24時間自然乾燥させて、寝具充填材を得た。
【0051】
この寝具充填材を、木綿製のマクラカバー(120cm×45cm)に充填して試験用マクラを作製した。
【0052】
得られた試験用マクラを5人のモニターに使用させ、芳香の有無および強弱を以下の分類にしたがって採点した:
3点・・・適度な芳香を感じ、快適な睡眠を得ることができた。
1点・・・芳香が強すぎて、むしろ睡眠の妨げとなった。
0点・・・芳香を感じなかった。
【0053】
得られた結果を表1に示す。
【0054】
<実施例2:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、ラベンダー精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0055】
<実施例3:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、モモ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0056】
<実施例4:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、リンゴ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0057】
<実施例5:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、バナナ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0058】
<実施例6:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、ミント精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0059】
<比較例1>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示されるように、比較例1の結果と比較して、実施例1〜6で製造された寝具充填材は、いずれも高い採点結果を示し、快適な睡眠を得るために充分な芳香性を有していたことがわかる。
【0062】
<実施例7:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
製造例1で得られた基材1kgを真空乾燥機で80℃で5時間乾燥させた。乾燥後の基材における含水量は0.2重量%以下であった。次いで、この乾燥させた基材を、80℃のオーブン内にて、ラベンダーエッセンシャルオイル(Jean−noel lande社製)のメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液(20リットル)中に5時間浸漬した。その後、オーブンから取り出しそして処理液を除去して、3日間、自然乾燥させ、寝具充填材を得た。得られた寝具充填材中の残存香料の重量をケット式水分計FD620(ケット化学研究所製)を用いて測定した。寝具充填材中の残存香料の重量は1.68gであった。
【0063】
さらにこの寝具充填材を、木綿製のマクラカバー(120cm×145cm)に充填して試験用マクラを作製した。
【0064】
得られた試験用マクラを5人のモニターに使用させ、芳香の有無および強弱を以下の分類にしたがって採点した:
3点・・・適度な芳香を感じ、快適な睡眠を得ることができた。
1点・・・芳香が強すぎて、むしろ睡眠の妨げとなった。
0点・・・芳香を感じなかった。
【0065】
得られた結果を表2に示す。
【0066】
<実施例8:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液の容量比が1:100である処理液を用いる代わりに、1:500の容量比を有する処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0067】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0068】
<実施例9:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液の容量比が1:100である処理液を用いる代わりに、1:1000の容量比を有する処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0069】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0070】
<実施例10:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0071】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0072】
<実施例11:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:500)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0073】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0074】
<実施例12:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:1000)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0075】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0076】
<比較例2>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、メタノールでなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0077】
さらに、この寝具充填材を、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2に示されるように、比較例2の結果と比較して、実施例7〜12で製造された寝具充填材は、いずれも高い採点結果を示し、快適な睡眠を得るために充分な芳香性を有していたことがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、強度な芳香によって不快感をあたえることなく、むしろ精神的なリラクゼーションを得るために適切な量の芳香消臭成分を長期にわたって放出することができる。特に、本発明の寝具充填材をマクラ充填材として使用する場合は、就寝者の好みに応じて芳香消臭成分の種類を選択することにより、発せられる微かな芳香が適切なリラックス感を与え、就寝者に心地よい安眠を提供することができる。本発明の寝具充填材はまた、微粉砕されたセルロース系粒子を含有することにより、吸湿性にも優れる。その結果、就寝者の頭部から発せられる汗を適切に吸収して、頭部の温度を適度に調節する。芳香消臭成分が放出された後の使用済み寝具充填材は、再度芳香消臭成分を担持させることもできる。そのため、寝具充填材を大量に廃棄する問題も回避される。
【産業上の利用分野】
本発明は、芳香性および/または消臭性に優れる寝具充填材に関し、より詳細には、芳香消臭成分の徐放性によって心地よい睡眠を得ることができる寝具充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】
睡眠は生命を維持するためにヒトにとって必要不可欠なものである。心地よい睡眠を得るためには、適切な寝具が重要であり、特にマクラに対する要求が日々高まっている。
【0003】
ヒトの背骨は元来S字に曲がっている。そのため、例えば、人間が直立した姿勢からそのまま横になった場合、個体差はあるものの、首の間に平均して1cm〜6cmの隙間ができるといわれている。よって、この隙間を補い、就寝時においてもそのS字を自然に保たなければ、ヒトは心地よい睡眠を得ることが難しい。
【0004】
マクラはこの隙間を埋めるとともに、頭部の重みを支える頚椎も安定化させる役割を果たす。
【0005】
近年、マクラには、このような睡眠をさらに快適に行うために、種々の改良が施されている。例えば、就寝時の姿勢を安定化させるために、マクラに立体的な加工を施したもの;個人に合わせて高さまたは嵩を自在に調整可能なもの;消臭剤および/または抗菌剤を付与させたもの;吸湿性を高めて発汗による寝苦しさを解消するもの;および種々の芳香性材料をマクラ充填剤に使用するもの;が挙げられる。これらの改良においては、マクラカバーなどのヒトに直接接触する部分への素材の開発とともに、マクラ内に充填されるマクラ充填材に種々の材料が使用されている。
【0006】
マクラ充填材に使用される主要な材料としては、羽毛、ウール、低反発ウレタン、パイプまたは球状ビーンズと呼ばれる各種プラスチック、ヒノキチップ、キャメル、そばがら、備長炭などが知られている。これら材料は、適度な柔らかさ、芳香性、吸湿性、および/または消臭能力に優れている。
【0007】
このうち、ヒノキチップのような芳香性マクラ充填材は、近年のヒーリング(癒し)に対する要求から、特に注目されている。通常、このような芳香を生じる香りの成分は、ヒトの鼻を介して嗅粘膜に溶け込み、香りの成分を情報として嗅細胞によってキャッチされる。その後、その香りの情報は電気信号となって、嗅神経、嗅球および嗅索を通り、大脳(大脳皮質および大脳辺縁系)に伝えられる。ヒトは意識として香りを感じると言われている。結果として、就寝者にとって、好ましい香りは快適な感情を無意識に生み、安静時の精神的なリラクゼーションによる安眠を誘う。
【0008】
他方、好適とされる芳香の種類は個人の趣向によって多様である。このような要求を満足するために、各種ハーブオイルなどを上記材料(基材)に担持させた、種々の芳香性マクラ充填材が提案されている。
【0009】
しかし、従来の基材を使用してなるマクラ充填材には、いくつかの問題が指摘されている。例えば、使用する基材自体を一定にしながら、かつ使用者の趣向に合った種々の芳香成分を充分に担持させることができない;放出される芳香を充分に制御することができず、香りが強すぎてむしろ就寝者の安眠を妨げる恐れがある;および芳香性が長期間持続しない;点である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、不快感を与えることなく、むしろ精神的なリラクゼーションを得るために適切な量の芳香消臭成分を長期にわたって放出することができる、寝具充填剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セルロース系粒子および樹脂成分を含有する基材に、芳香消臭成分を担持させてなる、寝具充填材である。
【0012】
好ましい実施態様では、上記樹脂成分は、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0013】
好ましい実施態様では、上記セルロース系粒子は、上記基材の重量に対して5重量%から80重量%の割合で含有されている。
【0014】
好ましい実施態様では、上記芳香消臭成分は、感圧芳香性マイクロカプセルおよび徐放芳香性マイクロカプセルからなる群より選択される少なくとも1種のマイクロカプセルの形態で担持されている。
【0015】
好ましい実施態様では、上記芳香消臭成分は、オイルベースの天然香料およびオイルベースの人工香料からなる群から選択される少なくとも1種のオイルを用いて担持されている。
【0016】
好ましい実施態様では、上記寝具充填材はマクラ充填材として使用される。
【0017】
本発明はまた、上記寝具充填材を含有する寝具である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0019】
本発明の寝具充填材は、基材に芳香消臭成分を担持させてなる。
【0020】
本発明に用いられる基材は、その表面に、後述する種々の芳香消臭成分を担持させることにより、当該芳香消臭成分の徐放性に優れる芳香および/または消臭材としての役割を果たす。ここで、本明細書中に用いられるよう用語「担持」とは、本発明に用いられる基材に対し、後述する芳香消臭成分が当該基材の表面および/または内部に存在する状態を包含していい、例えば、物理的または化学的な吸着、結合などがこれに含まれる。また、本明細書中に用いられる用語「芳香消臭成分」とは、空間に芳香を付与し得る芳香成分;臭気を化学的または生物的作用により除去または緩和し得る消臭成分;臭気を物理的作用により除去または緩和し得る脱臭成分;および臭気を他の芳香によってマスキングし得る防臭成分;を包含していう。
【0021】
本発明に用いられる基材は、セルロース系粒子と樹脂成分とを含有する。
【0022】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、植物体を適切な粒度にまで粉砕することにより得られる粉体である。本発明に用いられるセルロース系粒子の例としては、松、杉、ヒノキ、ツガ、カリン、タモ、ニレ、サクラまたはケヤキような天然木であって、その製材過程、あるいは廃屋または家具の解体過程によって生じる廃材および/または大鋸屑を微粉化して得られる木粉;バカスの粗破砕物;稲わらまたは籾殻の粗粉砕物;ならびにそれらの組合せが挙げられる。本発明においては、入手が安定して容易である等の理由から木粉が好ましい。
【0023】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、上記植物体を当業者に公知の手段を用いて微粉化したことにより、好ましくは1μm〜3000μm、より好ましくは50μm〜900μmの平均粒子径を有する。このような範囲に含まれる平均粒子径を有するセルロース系粒子を使用することにより、後述する樹脂成分と混合した際に、より均一に分散させることができる。
【0024】
本発明に用いられるセルロース系粒子は、基材の重量を基準として、好ましくは5重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%の割合で含有されている。セルロース系粒子の含有量が5重量%を下回ると、基材中には、後述する樹脂成分がより多く含まれることとなり、単位重量あたりの芳香消臭成分の担持量が低下する。その結果、得られる寝具充填材が就寝者の安眠を誘うに適切な芳香を充分に発しないという恐れがある。他方、セルロース系粒子の含有量が80重量%を越えると、後述する樹脂成分が少ないために、得られた基材を所望の強度を保持したままで、任意の形状に成形することが困難になる恐れがある。
【0025】
本発明に用いられるセルロース系粒子はまた、芳香消臭成分をより効率的に担持させるために、含水量が低いものであることがさらに好ましい。このようなセルロース系粒子は、好ましくは乾燥粒子であり、より好ましくは絶乾状態の粒子である。セルロース系粒子中の含水量を設定は、公知の方法および手段によって当業者によって適宜選択され得る。
【0026】
本発明に用いられる樹脂成分は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。リサイクルが容易な点を考慮すれば、熱可塑性樹脂が好ましい。本発明に用いられる樹脂成分の例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトロリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトロリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、フェノール樹脂、ならびにこれらの組合せが挙げられる。リサイクルが容易であり、そして廃棄焼却時の環境に与える影響を考慮すれば、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリウレタン樹脂ならびにこれらの組合せが好ましい。
【0027】
本発明に用いられる基材には、上記セルロース系粒子および樹脂成分以外に、芳香消臭成分の担持量および徐放性を低減させない範囲内で、各種の添加剤が含有されていてもよい。このような添加剤の例としては、顔料、抗菌剤、殺菌剤、防藻剤、褐色防止剤、難燃剤、および補強剤が挙げられる。また、これら添加剤のより具体的な例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、銀、銀・リン酸カルシウム、トリクレジルホスフェート、トルマリン、銅、タルクおよびガラス繊維が挙げられる。
【0028】
上記セルロース系粒子および樹脂成分、ならびに必要に応じて添加される各種添加剤は、当業者に公知の手段で混合され、粒状物の形状に成形される。このような粒状物の形状としては、球型、俵(円柱)型、平板型、パイプ型、直方体型または他の任意の立体的形状が挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の寝具充填材においては、俵型の粒状物に成形されることが好ましい。寝具充填材用として、より好適な俵型の粒状物は、直径が好ましくは2mm〜8mmである底面を有し、かつ好ましくは3mm〜5mmの高さを有する。このような形状の粒状物は、例えば、押出成形を用いて当業者に容易に成形され得る。
【0029】
本発明に用いられる基材は、後述するような芳香消臭成分を担持させることにより寝具充填材として応用される。なお、本発明に用いられる用語「寝具充填材」とは、マクラ、クッション、座布団および布団を包含していう。本発明に用いられる基材は、適度な硬さを有することから、マクラ充填材として使用することが特に好ましい。
【0030】
次いで、上記基材に担持される芳香消臭成分について説明する。
【0031】
本発明に用いられる芳香消臭成分は、天然または人工の香料または消臭剤、あるいはそれらの組合せでなるマイクロカプセル、オイルおよび/または粉体である。上記芳香消臭成分に含まれる天然の香料または消臭剤の例としては、植物精油および樹液のような形態のものが挙げられる。より具体的には、ラベンダー、タイム、セージ、ローズマリー、ハジル、カモミール、ベルガモット、レモン、ユーカリ、ペパーミント、バジル、オレンジ、ローズ、ジャスミン、レモンバーベナ、レモンバーム、ネロリ、クラリーセージ、サイプレス、ゼラニウム、パイン、バニラ、リンゴ、ユズ、カボス、ジャバラ、ワサビなどのハーブ系のもの;ヒノキ、サンダルウッド(白檀)、ヒバ、クマザサなどの樹木系のもの;が挙げられる。他方、上記人工の香料または消臭剤の例としては、上記植物精油または樹液と同様の芳香または消臭作用を有するものが挙げられる。
【0032】
本発明においては、寝具における芳香および/または消臭効果が長期にわたって持続する点、および強い芳香によって就寝者の安眠を妨害することなく、心地よい程度での微香性および/または消臭性を保持し得る点から、上記芳香消臭成分をマイクロカプセルに封じ込めた形態で使用することが好ましい。このような好ましいマイクロカプセルの例としては、感圧芳香性マイクロカプセル、徐放性マイクロカプセルおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0033】
本発明に用いられ得る感圧芳香性マイクロカプセルは、マイクロカプセル自体に圧力が付与されることにより、マイクロカプセルの外皮(カプセル)が破れ、内部の芳香消臭成分を放出し得るものである。より具体的には、このような感圧徐放性マイクロカプセルを寝具充填材に使用することによって、通常そのまま静置した状態では、ほとんど芳香消臭成分を発することなく、就寝者の寝返り等によって、寝具が部分的に押圧された際に、マイクロカプセルが破れて、内部の芳香消臭成分を放出し得る。
【0034】
他方、本発明に用いられ得る徐放芳香性マイクロカプセルは、マイクロカプセルが経時的に自己崩壊することにより、マイクロカプセルの外皮(カプセル)が破れ、内部の芳香消臭成分を放出し得るものである。
【0035】
上記芳香消臭成分を含有する、このような感圧芳香性マイクロカプセルおよび徐放芳香性マイクロカプセルは、当業者に公知のものであり、例えば、(株)日本カプセルプロダクツより市販されている。
【0036】
本発明における芳香消臭成分は、上記基材100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜10重量部、より好ましくは0.005重量部〜5重量部の割合で担持されている。基材に担持される芳香消臭成分の割合が0.001重量部を下回ると、芳香消臭成分の放出量が少なすぎて、就寝時に心地よい芳香を感じることが困難になる恐れがある。他方、基材に担持される芳香消臭成分の割合が10重量部を上回ると、芳香消臭成分の放出量が多くなり、就寝者を不快に感じさせる恐れがある。
【0037】
本発明の寝具充填材は、通気性に優れる寝具カバー(例えば、マクラカバー)内にそのまま充填されてもよく、あるいは羽毛;ウール;木綿;化学繊維;低反発ウレタン、パイプまたは球状ビーンズと呼ばれる各種プラスチック;ヒノキチップ;キャメル;そばがら;備長炭;などの他の寝具充填材と混合して、通気性に優れる寝具カバー内に充填されてもよい。他の寝具充填材と混合する場合、その混合量は当業者により任意に選択され得る。
【0038】
本発明の寝具充填材は、以下のようにして基材に芳香消臭成分を担持することによって製造される。
【0039】
まず、適切な粒度に粉砕されたセルロース系粒子と樹脂成分とが、当業者によって公知の手段により混合され、所望の形状(例えば、俵型)でなる基材が成形される。
【0040】
次いで、得られた基材に対し芳香消臭成分が担持される。例えば、オイルまたはマイクロカプセルが使用される場合、基材は当該オイルまたはマイクロカプセルを含有する浴中に浸漬されるか、あるいは基材に当該オイルまたはマイクロカプセルを含有する溶液がスプレーされる。浸漬またはスプレーに使用される手段、時間などの条件は当業者によって任意に選択され得る。
【0041】
なお、本発明に用いられる基材に、オイルベースの天然香料または人工香料が担持される場合、より具体的には以下のようにして行われる。
【0042】
まず、上記天然または人工の香料または消臭剤、あるいはそれらの組合せでなるオイルを溶媒中に溶解させることにより処理液が作製される。用いられ得る溶媒の例としては、水;およびエタノール、メタノール、アセトンのような有機溶媒;ならびにそれらの混合溶媒が挙げられる。混合溶媒が用いられる場合、混合比は当業者によって適宜選択され得る。
【0043】
上記処理液において、オイルと溶媒との容量比は、好ましくは1:30〜1:2000であり、より好ましくは1:50〜1:1000であり、さらにより好ましくは1:100〜1:500である。1単位容量におけるオイルに対する溶媒の容量が30未満であると、処理液中でオイルが均一に分散せず、そして製造コストが高くなる恐れがある。他方、1単位容量におけるオイルに対する溶媒の容量が2000を越えると、本発明の基材にオイルが適切な量で担持されず、その結果、芳香性およびまたは消臭性が劣る恐れがある。
【0044】
次いで、上記処理液に基材が、例えば、浸漬によって付与される。浸漬される場合、基材と処理液との容量比は、好ましくは3:2〜1:1である。浸漬の際に付与される温度は好ましくは室温〜80℃である。浸漬時間は使用される基材および処理液の量によって変化するため、特に限定されないが、例えば、3時間〜48時間、好ましくは4時間〜10時間である。
【0045】
芳香消臭成分を担持した基材は、洗浄等の工程を得ることなく、一旦乾燥させることが好ましい。このようにして本発明の寝具充填材が製造される。
【0046】
本発明の寝具充填材は、就寝者にとって適度な硬さを有するとともに、基材に含まれるセルロース系粒子によって適切な吸湿作用を有する。その結果、本発明の寝具充填材は、特にマクラ充填材として使用される際に好適な、マッサージ機能、および吸湿による温度調節(冷感調整)機能をも発揮する。本発明の寝具充填材は、その使用により就寝者が芳香を感じなくなった場合、寝具カバーから取り出され、回収される。そして、再度、芳香消臭成分を担持させることにより、リサイクル可能である。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を記載する。しかし、これによって本発明は特に限定されない。
【0048】
<製造例1:基材の製造>
製材所より得られた木材粉を、ヘンシェルミキサー内で高速攪拌しながら120℃で乾燥させ、3.5重量%の含水率を有しかつ0.23mmの平均粒径を有する木粉を得た。次いで、単軸押出機(クリモト鉄工(株)製)を用い、この木粉40重量部をコンパクターにてサイドフィードし、そしてABS樹脂51重量部と二酸化チタン粒子9重量部とを充分に攪拌してなる混合物をホッパーから投入した。設定温度はダイヘッドを除いてすべて150℃〜100℃の間に保持した。
【0049】
連続的な押出しが行われ、直径約4mmおよび高さ約5mmでなる、円柱状の基材を得た。
【0050】
<実施例1:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)でなる処理液(10リットル)に、製造例1で得られた基材1kgを室温にて24時間浸漬した。その後、処理液を除去し、24時間自然乾燥させて、寝具充填材を得た。
【0051】
この寝具充填材を、木綿製のマクラカバー(120cm×45cm)に充填して試験用マクラを作製した。
【0052】
得られた試験用マクラを5人のモニターに使用させ、芳香の有無および強弱を以下の分類にしたがって採点した:
3点・・・適度な芳香を感じ、快適な睡眠を得ることができた。
1点・・・芳香が強すぎて、むしろ睡眠の妨げとなった。
0点・・・芳香を感じなかった。
【0053】
得られた結果を表1に示す。
【0054】
<実施例2:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、ラベンダー精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0055】
<実施例3:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、モモ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0056】
<実施例4:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、リンゴ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0057】
<実施例5:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、バナナ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0058】
<実施例6:マイクロカプセルを担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、ミント精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセル(三木理研工業(株)製)の水溶液(濃度10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0059】
<比較例1>
処理液として、ヒノキ精油を含有する感圧徐放性マイクロカプセルの水溶液の代わりに、水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして寝具充填材および試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示されるように、比較例1の結果と比較して、実施例1〜6で製造された寝具充填材は、いずれも高い採点結果を示し、快適な睡眠を得るために充分な芳香性を有していたことがわかる。
【0062】
<実施例7:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
製造例1で得られた基材1kgを真空乾燥機で80℃で5時間乾燥させた。乾燥後の基材における含水量は0.2重量%以下であった。次いで、この乾燥させた基材を、80℃のオーブン内にて、ラベンダーエッセンシャルオイル(Jean−noel lande社製)のメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液(20リットル)中に5時間浸漬した。その後、オーブンから取り出しそして処理液を除去して、3日間、自然乾燥させ、寝具充填材を得た。得られた寝具充填材中の残存香料の重量をケット式水分計FD620(ケット化学研究所製)を用いて測定した。寝具充填材中の残存香料の重量は1.68gであった。
【0063】
さらにこの寝具充填材を、木綿製のマクラカバー(120cm×145cm)に充填して試験用マクラを作製した。
【0064】
得られた試験用マクラを5人のモニターに使用させ、芳香の有無および強弱を以下の分類にしたがって採点した:
3点・・・適度な芳香を感じ、快適な睡眠を得ることができた。
1点・・・芳香が強すぎて、むしろ睡眠の妨げとなった。
0点・・・芳香を感じなかった。
【0065】
得られた結果を表2に示す。
【0066】
<実施例8:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液の容量比が1:100である処理液を用いる代わりに、1:500の容量比を有する処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0067】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0068】
<実施例9:オイルベースの天然香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液の容量比が1:100である処理液を用いる代わりに、1:1000の容量比を有する処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0069】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0070】
<実施例10:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0071】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0072】
<実施例11:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:500)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0073】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0074】
<実施例12:オイルベースの人工香料を担持させてなる寝具充填材およびマクラの製造>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、シンプルローズエッセンシャルオイル((株)カリス成城製)のメタノール溶液(容量比1:1000)でなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0075】
さらに、この寝具充填材を用いて、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0076】
<比較例2>
ラベンダーエッセンシャルオイルのメタノール溶液(容量比1:100)でなる処理液の代わりに、メタノールでなる処理液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして寝具充填材を製造した。
【0077】
さらに、この寝具充填材を、実施例7と同様にして試験用マクラを作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2に示されるように、比較例2の結果と比較して、実施例7〜12で製造された寝具充填材は、いずれも高い採点結果を示し、快適な睡眠を得るために充分な芳香性を有していたことがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、強度な芳香によって不快感をあたえることなく、むしろ精神的なリラクゼーションを得るために適切な量の芳香消臭成分を長期にわたって放出することができる。特に、本発明の寝具充填材をマクラ充填材として使用する場合は、就寝者の好みに応じて芳香消臭成分の種類を選択することにより、発せられる微かな芳香が適切なリラックス感を与え、就寝者に心地よい安眠を提供することができる。本発明の寝具充填材はまた、微粉砕されたセルロース系粒子を含有することにより、吸湿性にも優れる。その結果、就寝者の頭部から発せられる汗を適切に吸収して、頭部の温度を適度に調節する。芳香消臭成分が放出された後の使用済み寝具充填材は、再度芳香消臭成分を担持させることもできる。そのため、寝具充填材を大量に廃棄する問題も回避される。
Claims (7)
- セルロース系粒子および樹脂成分を含有する基材に、芳香消臭成分を担持させてなる、寝具充填材。
- 前記樹脂成分が、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の寝具充填材。
- 前記セルロース系粒子が、前記基材の重量に対して5重量%から80重量%の割合で含有されている、請求項1または2に記載の寝具充填材。
- 前記芳香消臭成分が、感圧芳香性マイクロカプセルおよび徐放芳香性マイクロカプセルからなる群より選択される少なくとも1種のマイクロカプセルの形態で担持されている、請求項1から3のいずれかに記載の寝具充填材。
- 前記芳香消臭成分が、オイルベースの天然香料およびオイルベースの人工香料からなる群から選択される少なくとも1種のオイルを用いて担持されている、請求項1から3のいずれかに記載の寝具充填材。
- マクラ充填材として使用される、請求項1から5のいずれかに記載の寝具充填材。
- 請求項1から6のいずれかに記載の寝具充填材を含有する、寝具。
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JP2002372742A JP2004201810A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 芳香性および/または消臭性に優れる寝具充填材 |
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