JP3086520B2 - 再生画像の品質評価装置 - Google Patents

再生画像の品質評価装置

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JP3086520B2
JP3086520B2 JP04003069A JP306992A JP3086520B2 JP 3086520 B2 JP3086520 B2 JP 3086520B2 JP 04003069 A JP04003069 A JP 04003069A JP 306992 A JP306992 A JP 306992A JP 3086520 B2 JP3086520 B2 JP 3086520B2
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ラマ・タントリー
岩男 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機、ファクシミ
リ等の静電式あるいはその他の画像再生装置、特に高分
解能カラー画像再生装置によって得られた再生画像の品
質を評価する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像再生装置あるいは印字装置(例え
ば、複写機)によって得られた画像ないしは印字の品質
を評価する装置とその評価方法は、例えば特願平1−1
78158号および特願平1−178159号明細書に
より公知である。この印字評価装置は、画像検出部に2
次元CCD撮像素子を使用し、所謂テレビ方式により画
像の取り込みを行っている。その場合、印字用紙内の特
定箇所の印字または図形の品質を評価するため、電算機
で制御された機械的に移動可能な専用ステージ上に撮像
カメラを搭載し、このカメラによって印字の一部分、例
えば1本の線上あるいは局部的な領域にのみ限定して実
時間(オンライン)で印字の特性量を測定している。そ
のため、高分解能の検査では、ステージの微細な移動量
を検出し、移動量に対する高精度な制御を必要とし、所
要設置スペースもかなり大きくなる。従って、この印字
品質評価装置では、大型で高精度のため高価であり、振
動や温度の変化の少ない特別な部屋を用意する必要があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】それ故、この発明の課
題は、構造が単純で、小型で、取扱の容易で、しかも低
価格である、再生画像の品質評価装置を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、一次元CCD検出素子とこの素子を一定速度で
移動させる駆動機構とを保有する光電画像読取装置2
と、前記光電画像読取装置2の検出した画像信号を一時
的に収納し、取り出し可能なメモリーユニット10と、
内部の制御記憶装置に画像解析に要する制御手順を納
め、この制御指令に従って、前記メモリーユニット10
の記憶回路24に収納した画像信号の内容を所定の手順
で解析して、上記画像読取装置2が再生された画像から
読み取った画像の品質を評価するために設けてある中央
演算装置6と、から成る再生画像の品質評価装置の場
合、前記メモリーユニット10で、光電画像読取装置2
からの画像信号と付属する同期信号とを受け入れ、測定
画面を直線的に走査する走査線上の画像信号を間欠飛越
的に繰り返す少なくとも2っ以上のブループに分け、グ
ループ数に相当する個数のブロックに分割さてた記憶回
路24に前記画像信号と同期信号をそれぞれ分割して逐
次収納し、その際、前記グループ数から1を引いた数の
倍数ほど引き延ばした転送時間にして前記画像信号を転
送でき、所定のテストパターンに対して求めた再生画像
を線分、階調性に関して再生中実度を評価する、ことに
よって解決されている。
【0005】他の有利な構成は、特許請求の範囲の従属
請求項に記載されている。
【0006】
【実施例】以下では、添付図面を参照しながら好適実施
例に基づきこの発明をより詳しく説明する。
【0007】図1には、この発明で使用する非密着型の
光電式画像読取装置(イメージスキャナー)2の断面
と、この画像読取装置の中にある電気回路のブロック回
路図とが模式的に示してある。ここで、先ず光電式画像
読取装置の一般的な機能を説明しておくが、結像レンズ
光学系を使用しない密着型の光電式画像読取装置を、こ
の発明に基本的に使用できる。
【0008】図1の非密着型の光電式画像読取装置で
は、透明で平坦な支持板51の上に下面に画像または文
字を印字した用紙52を載置できる。この支持板51の
下には、用紙の走査領域を照明する照明装置50と、用
紙52の下面を画像センサ55の受光面に結像させるレ
ンズ光学系54とを固定装備している移動可能な走査本
体53が配設されている。この走査本体53は、光電式
画像読取装置2のタイプに応じて種々の構成にされる移
動機構が付属している。図1の場合、この移動機構は極
度に模式化して図示されているモータ駆動部57の助け
により、走査本体53をレール56の上で摺動させ、用
紙52の全体を撮像するため二重矢印Aの方向に移動さ
せる。図示していない他の構成では、このレールをスピ
ンドルとしても構成できる。また、走査本体53を移動
させることによって用紙の画像情報を取り込むのではな
く、用紙52自体をローラないしはドラム等で移動さ
せ、光学系や画像センサを固定しておく方式もある。何
れにしても、この発明による画像読取装置は、複写機、
ファクシミリ等で使用されている所要部を使用でき、そ
れ自体公知の装置を使用できる。
【0009】更に、光電式画像読取装置2には、入力端
CT1を介して導入された商用電源を所定の電流電圧に
して照明装置50とモータ駆動部57に供給する電源回
路58と、画像センサ55から供給された画像信号を所
定の手順で処理して、その出力信号を次に述べる画像解
析システムに供給するための出力端CT2に接続された
画像処理ユニット59が配設されている。この画像処理
ユニット59の動作電源も、前記電源回路58から供給
される。
【0010】図2は、この発明による印字評価装置の概
略機能を説明するための総合ブロック図を示す。画像読
取装置2は中央演算処理装置6から制御導線γを介して
供給される起動制御信号によって、画像の走査動作を開
始して、図示していない評価すべき文字または画像を有
する紙面の画像を光電的に走査して読取を行う。読み取
った画像信号とこの画像信号に対応する画面の位置を指
定するアドレス信号とは、データ導線L1 を介してメモ
リーユニット10の中に導入される。導入された画像信
号と付属するアドレス信号とは、メモリーユニット10
の記憶器(図示せず)中に収納される。記憶器に記憶さ
れたこれ等の画像データの内容は、中央演算処理装置6
の指示に基づき、この中央演算処理装置6の付属ディス
プレー6bおよび他のモニタ用ディスプレー8の上に再
現させて表示できる。それ等の指令はバス結線βを介し
て行われる。中央演算処理装置6には、更に制御指令の
入力や、印字評価用のプログラム(後で詳しく説明す
る)を打ち込むためのキーボード6aが接続されてい
る。メモリユニット10の記憶器中に収納した画像信号
データは、画面の所望領域にわたり印字評価用プログラ
ムに応じて解析処理される。
【0011】この発明による再生画像の品質評価装置の
メモリーユニット10は、画像として、特にカラー画像
で階調度の高い(8ビット= 256ステップ) 精緻な画像
の印字評価を可能にしているため、アクセス時間が短
く、大容量の記憶を可能にする工夫がなされている。
【0012】図3の(a)と(b)には、この発明によ
るメモリーユニット10の機能動作を説明するために使
用する図面であって、それぞれ走査画面と、走査時に画
像読取装置の一次元CCD検出素子アレー検出部が走査
する二種の同期パルスとが模式的に示してある。
【0013】図3(a)の走査画面20内の特定な画素
点Pの座標は、短辺方向に直線状に並べた一次元CCD
アレーの画素の間隔の整数倍で表現できる。この座標を
図3(a)のように(s;h)で表す。ここで、sは短
辺方向の原点0からの画素の数を、またhは長辺方向の
走査線の位置(走査線の間隔は通常一次元CCDアレー
の画素の間隔と同じ)を表す。従って、図面の最大寸法
はhとsの最大値であるHとSに相当する間隔で決ま
る。
【0014】図3(b)には、各走査線の走査開始を指
定する同期パルスHSYNCと一本の走査線上での各画素を
指定する画素同期パルスpclk が示してある。これ等の
パルスの周期をそれぞれt1 およびt0 で表すと、t1
=St0 の関係がある。全画素数はS・H個になる。
【0015】ここで、この発明で画像情報の転送速度を
どのように遅延させ、入手し易い記憶素子を使用して高
速画像読取を可能にする画像読取装置用のメモリーユニ
ットを構成しているかの説明を図3に基づき説明する。
【0016】走査線を連続するn0 本づつにグループ分
けする。各グループをkで指定し、このkの最大値をK
とすると、走査線の全数Hは、H=K・n0 となる。こ
の発明によれば、画像読取装置から受け入れた1走査線
分の画像信号を、時間t1 かけて一旦バッファー回路に
入れて、(n0 −1)t1 の間にこのバッファー回路か
ら前記1走査線分の画像信号をn0 個準備した記憶素子
のうちの1つに収納させている。従って、記憶器のアク
セス時間を(n0 −1)倍増加させる、即ち、遅くでき
る。このような、画像情報の内容を分割して、別々に記
憶器に収納する方法では、各画素を指定するアドレスを
再構成する必要がある。即ち、図3(a)に示すよう
に、画面の点の位置(s;h)を、指数(s,k;n)
によって指定する必要がある。ここで、h=(k−1)
0 +nであり、0≦n≦n0 である。従って、当然H
=K・n0 である。
【0017】以上、この発明では、記憶素子の数をn0
倍に増加させ、同時に記憶素子への画像情報の転送速度
を(n0 −1)倍に伸ばし、その際、各画素のアドレス
を変更して画像情報と共に記憶器内に収納している。
【0018】次に、図4に基づきこの発明の主要部、特
にメモリーユニット10の内部構造のブロック回路図を
説明する。画像読取装置2より取り込む画像信号と、上
に述べた同期パルス信号HSYNC,pclk とは導線L1
介してメモリーユニット10の入出力バッファー21に
導入される。この画像信号は同期パルス信号の助けを借
りて起動する遅延転送回路22にデータバスδを介して
導入され、更に主にDRAM(ダイナミック・ランダム
・アクセス・メモリ)で形成されるn0 個の記憶器24
に振り分けて収納される。その場合、既に上で説明した
アドレスを再構成するため、入出力バッファー21を通
過した同期パルス信号HSYNC,pclk からアドレス計数
器25によって新しいアドレスを形成する。このアドレ
スはアドレスバスε,アドレス選択器26およびアドレ
スバスζを介して前記記憶器24に導入される。
【0019】記憶器24に収納された画像情報は中央処
理装置6の指示によって呼び出すことができる。それに
は、先ず変換されたアドレスをアドレスバスβおよびア
ドレス選択器26を経由して記憶器24のアドレスを指
定し、そのアドレス内の内容を、データバスγ,バス制
御部23およびデータバスαを介して中央処理装置6に
呼び出す。
【0020】画像データを記憶器24に収納するか、あ
るいは収納した画像データを中央演算処理装置6に呼び
出すかは、制御部28から出る制御信号によってバス制
御部23とアドレス選択器26の動作モードを切り替え
て行われる。制御部28は、その外、アドレス計数器2
5や入出力バッファ21の制御も司り、それ等の制御指
令は中央処理装置6から出るアドレスバスβとデータバ
スαとを介して導入されるアドレス信号およびデータ信
号に基づき指定される。
【0021】図4のメモリユニット10中のビデオ記憶
回路27は、この回路から導線L8 を介してモニターデ
イスプレーに画像信号を送るためにある。モニターデイ
スプレー上の画像は、中央演算処理装置6からの指令に
よって、撮像した画面内の一箇所またはそれ以上の箇所
を指定して、所望の範囲内のみ表示することができる。
従って、この発明による所定の測定モード(例えば、撮
像画面の線幅、直線度あるいは輝度むら、ないしは色む
ら等の検査)をその特定な範囲に対してのみ実行するこ
とができる。
【0022】図5には、この発明によるメモリーユニッ
ト10の回路の一部がより詳しく図示されている。この
メモリーユニットでは記憶器24が4重(即ち、上に説
明したn0 =4)のブロックにして装備されていて、そ
の第一番目のブロックのみが示してある。更に、この回
路図では、カラー信号の場合、記憶ブロックの各々に、
それぞれ画像信号R,G,Bおよびアドレス内容用の都
合4つの記憶器が付属しているが、図5にはそのうちの
一つのみ示してある。図4で入出力バッファー21とし
て形成された回路は、図5の場合、画像信号に対するバ
ッファー211 と同期信号に対する分配回路212 とで
構成されている。このバッファー211 はイメージスキ
ャナー2から長いケーブルを介して導入された入力信号
を波形整形し、増幅する役目を有する。前記分配回路2
2 はバッファー211 から入力された垂直同期信号H
SYNCと画素同期信号pclk をそれぞれ記憶ブロックの数
(ここではn0 =4)に分割して導線B1 〜B4 とA1
〜A4 に出力する。これ等の信号は図6のタイミングチ
ャートに図示されている。垂直走査同期信号HSYNCは、
第一の記憶ブロックでSB1 のように、また画素同期信
号pclk はSA1 のように変換される。ここで、注意す
べきは4っの垂直同期信号を1サイクルとして繰り返し
動作が行われている。1サイクルの第1の垂直同期信号
の周期内では画像同期信号pclk が導線A1 に出力さ
れ、第2,3,4の周期では出力されない。また、同じ
ように垂直同期信号HSYNCも第1周期にのみ伝送され、
第2,3,4の周期では伝送されない。導線A2,2
3,3 ;A4,4 の同期信号は図6に示す通りで、そ
れぞれ互いに1周期づつ遅らせて伝送される。
【0023】転送部22に相当する回路はWT端子に入
力したA1 導線の信号によって、画素同期信号pclk
第2,3,4の周期にわたって拡大して(言い換えれ
ば、パルスの幅と間隔を3倍にして)、このパルス毎に
データバスδの画像信号を取り込んで、動作を3倍長く
してデータバスγを介して記憶器24に保管する。
【0024】図4のアドレス計数器25は、図5に示す
ように、4っの主要回路で構成されている。即ち、パル
ス発生回路251 はB1 導線の信号SB1 の立下がりま
たは立上りエッジによって、第1周期分の垂直同期パル
スに相当する矩形波パルスを発生させる。このパルスを
第1アドレス計数器252 で計数して、第1周期つまり
図2のn=1の走査線上のアドレスに対応する指数sを
形成する。パルス発生器の出力信号は転送部22の出力
信号の終了の指令にも使用される。波形整形回路253
はB1 導線の出力信号に所定の波形処理を施し、第2ア
ドレス計数器254 に送って入力したパルスをこの計数
器254 が計数する。この計数値はn=r・n0 +1
(r:任意の整数)の時の垂直走査同期信号の位置を指
定する指数k(図3参照)を与える。
【0025】以上二つのアドレス計数値(s,k)によ
って、図3で述べた画面の特定位置P(s;h)を指定
できる。これをアドレス選択器26を介して記憶器24
に入れて保存する。アドレス選択器26はアドレス信号
を切り替えるために使用され、記憶器24にアドレス信
号を入れるか、あるいは記憶器24から取り出して中央
処理装置6に送るかの選択に使用される。その指令は中
央処理装置6から指定される。
【0026】上に述べた転送部22の中には FIFO (fir
st in first out)タイプの回路素子か、あるいは高速S
RAM(スタテック・ランダム・アクセス・メモリ)を
使用すると有利である。
【0027】このように装備された画像読取装置2とメ
モリーユニット10および中央処理装置6を構成し、印
字品質を評価するのであるが、その前に画像読取装置2
自体の保有する画像の歪み、階調度のずれ等のような固
有の読取誤差を予め洗い出し、それを中央処理装置6の
記憶箇所、あるいはフロッピーデイスク装置のような記
憶ステーション(図示せず)に保管しておき、以下で説
明する印字品質を測定する毎に、その誤差分を補正する
計算を施して最終測定結果を与える。
【0028】上記の予備測定では、特願平3−2958
43号明細書に開示した方法を用いて、画像読取装置2
自体の画像読取精度を測定する。これには、詳しく説明
しないが、測定項目に適したテストパターン(例えば、
格子状の線分の配列、あるいは濃度の異なる領域を有す
る幾何学的な模様を有するカラーまたはモノクロの用
紙)を用紙支持板51(図1参照)の上に載置し、この
パターンの画像を画像読取装置2で読み取って測定され
る。このテスト結果に基づき、本来のパターンからのず
れを測定しておく。これは、例えば、直交であれば、完
全に直交している格子パターンを画像読取装置2で読み
取り、得られた画像信号を付属する中央処理装置6で所
望箇所での直交度のずれを求め、記憶部に記憶してお
く。その他、例えば階調度に関しても同様に完全なパタ
ーンを測定し、正しい値からの階調度のずれを求め、中
央処理装置の記憶部に保管しておく。
【0029】次いで、評価すべき模様を有するテストパ
ターンを何らかの印字装置、例えば複写機あるいはファ
クシミリで印字ないしは画像再生し、以下に述べる検査
項目に応じてその印字品質を測定し、測定結果を上記の
画像読取装置本来の誤差を加味して相殺し、最終結果を
求める。
【0030】中央演算処理装置6の測定と再生画像の評
価時の指令および機能には、下記のものがある。
【0031】(1) 画像のモニター上への再生とその
指令、(2) 画像の一部の拡大ズムーム表示とその指
令、(3) 解析位置(一箇所または複数の箇所)の指
定、(4) 解析位置の座標の表示あるいは指定、
(5) 画像信号から所定の手順に従って印字評価を行
う、(6) 評価解析の結果表示、(7) 光電画像読
取装置2の起動とメモリーユニット10との交信。
【0032】この発明による画像品質評価装置では、付
属ディスプレー6bと付属キーボード6aを含めた中央
演算処理装置6を市販のパーソナルコンピュータで構成
してもよい。更に、機能評価の解析結果の数値を印字す
るため、適当なプリンターのような印字装置(図示せ
ず)を中央演算処理装置6に接続してもよい。
【0033】画像品質評価のための代表的な試験項目と
その内容は下記の通りである。
【0034】(1) 倍率 縦および横方向に延びる細線によって、図7に示すよう
に、画面の所望箇所の横倍率(MVn)と縦倍率(MHn
を求める。この所望箇所(n)は、図2で先ずデイスプ
レ6aに写し出した画面上で対応する箇所の座標をキー
ボードないしは予めプログラムした入力情報によって指
定する。この時の図面は、中央処理装置6の指示により
メモリユニット10に収納した画像信号を取り出して、
モニター用デイスプレ8の上に拡大して表示される。こ
の結果は、レンズ光学系(A1 )の調節と送り機構(A
4 )の調節に関係がある。
【0035】(2) 直交度 図8に示すように、本来互いに直交している縦方向の細
線と横方向の細線との交差角度(θi )を指定した各領
域(i=1〜9)に対して求める(もちろん、領域iの
位置と数は任意に選べる)。
【0036】(3) 歪み 図9に示すように、取り込んだ画像の歪みを言うもの
で、完全な画像を点線とすると、糸巻型(図9では縦線
が内側に歪んでいる)と樽型(横線が外側に歪んでい
る)の歪みに分けることができる。
【0037】(4) 解像度 細線の幅と同じ間隔で並べてある細線の間の間隔を読み
取れるか否かで判断するもので、結果は単位長さ当たり
の線の数によって表現される。図10のように、画面上
の種々の箇所で、水平および垂直方向の間隔(DH 0
V 0 )に対して測定される。
【0038】(5) 細線再現性 この試験は、図11に示すように、印字された細線に対
して記号Br で示す括れ(クニック)を問題にするもの
で、単位長さ当たりの括れの数を評価する。もちろん、
括れの数が殆どないものを最良で、不良ならその数が増
加する。
【0039】(6) シェーディング これには、例えば図12で画面の両端に現れる暗い部分
のように、所謂照明あるいは光電検出素子の検出能力の
むらによるものある。また、密着式の光電画像読取装置
では、照明にLEDを使用しているが、この場合には、
画面に走査方向に平行に線状の明るさのむらが生じる。
【0040】(7) ピッチ精度 一定間隔の細線をテストパターンの画面に対するもの
で、細線の間隔のずれを測定する。図13に示すよう
に、このずれの分布をヒストグラム表示する(この表示
様式は中央演算処理装置内のプログラムに設定されてい
る)。もちろん、この測定は水平方向、垂直方向の両方
にわたって行うのが普通である。
【0041】(8) 直線性 本来直線であるべき細線の図形を調べるのもので、再生
された画像の直線の正規の直線からのずれ(Dvi 1 )で
指定する。図14にその様子が示してある。
【0042】(9) ドット飛び出し これは、図15に示すように、線分の周りに本来あるべ
きはずのない点が無数に現れることがある。この点の個
数を計数して単位面積当たりの個数を求め、この値をド
ット飛び出しの目安とする。
【0043】(10) 階調性 図16に示すように、濃度の異なる領域を逐次読み取っ
た場合、その濃度を再現してモノクロ(あるいは輝度)
信号レベルを測定するもので、例えば濃度を8ビットで
表現している場合には、256 のステップの階調になる。
なお、図15ではカラー画像の場合の各原色に付いて示
してあるが、モノクロ信号の場合にも、図示のような種
々の濃度のパターンを用意して、画像読取を行う。この
テストでは、モノクロ(あるいは輝度)信号の階調が所
定の信号レベルに相当しているか否かを測定する。
【0044】(11) 感色性 前記階調性の測定を各原色R,G,B(図16を参照)
に対して測定する。
【0045】(12) 画像ノイズ 本来無地であるべき白紙を複写または再生した画面に、
望ましない斑点が生じることがある(例えば、図17を
参照)。単位面積当たりのこの斑点の数、あるいは斑点
部分の実効面積でこのノイズを表現する。
【0046】(14) NEP(Normal Edge Profile) この試験は画像の縁部分の鮮明度に関するもので、所謂
画像のキレの良さを表す。図18に示すように、線分に
垂直な方向に画像を走査して、信号レベルを求め、縁の
ダレ(We で表す)が短いほどシャープな画像が得られ
る。
【0047】 (15) TEP(Tangential Edge Profile) この試験も画像の縁部分の鮮明度に関するもので、図1
9に示すように、線分の縁をこの線分に平行に走査した
場合の画像信号レベルの変化を示す。この変化が少ない
ほど再現性は良好である。
【0048】
【発明の効果】この発明による再生画像の品質評価装置
によって、高分解能で階調度の高い再生画像を比較的早
い速度で測定できる。特に、メモリーユニットを用意
し、通常のパーソナルコンピュータと複写機を使用する
だけで、簡単に再生画像の品質評価が行える。それ故、
全体の装置を極めた低価格に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で使用する光学画像読取装置の簡略さ
れた断面図である。
【図2】この発明で使用する回路構成を示すブロック図
である。
【図3】走査画面上の位置を指定するための配置(a)
と対応する走査のタイミング信号波形(b)を示す図面
である。
【図4】この発明によるメモリーユニットと外部装置と
の結線を示す回路図である。
【図5】メモリーユニットの内部のブロック結線図であ
る。
【図6】メモリーユニット中の記憶器に収納される画像
信号のタイミングを示す波形図である。
【図7】倍率を指定する模式表示画面である。
【図8】直交度を指定する模式表示画面である。
【図9】歪を指定する模式表示画面である。
【図10】分解能を与える模式表示画面である。
【図11】細線の再現性を指定する模式表示画面であ
る。
【図12】シェーディングを指定する模式表示画面であ
る。
【図13】ピッチ間隔を指定する模式表示画面である。
【図14】線分の直線性を指定する模式表示画面であ
る。
【図15】ドット飛び出しを示す模式表示画面である。
【図16】階調度を示す模式表示画面である。
【図17】画像ノイズを示す模式表示画面である。
【図18】NEPを示す模式表示画面である。
【図19】TEPを示す模式表示画面である。
【符号の説明】
2 画像読取装置 6 中央処理装置 6a キーボード 6b ディスプレー 8 モニタ用ディスプレー 10 メモリユニット 20 走査画面 21 入出力バッファー 22 転送部 23 バス制御部 24 記憶器 25 アドレス計数器 26 アドレス選択器 27 ビデオ記憶回路 28 制御部 50 照明ユニット 51 用紙支持台 52 用紙 53 走査本体 54 レンズ光学系 55 画像センサ(一次元CCD) 56 レールまたはスピンドル 57 駆動モータ 58 電源 59 画像信号処理ユニット CT1 入力端子 CT2 出力端子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−188357(JP,A) 特開 平3−44542(JP,A) 特開 昭64−46877(JP,A) 特開 昭63−191459(JP,A) 特開 昭63−126355(JP,A) 特開 昭63−19082(JP,A) 特開 昭62−281561(JP,A) 特開 昭62−98476(JP,A) 特開 平5−136916(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次元CCD検出素子とこの素子を一定
    速度で移動させる駆動機構とを保有する光電画像読取装
    置2と、 前記光電画像読取装置2の検出した画像信号を一時的に
    収納し、取り出し可能なメモリーユニット10と、 内部の制御記憶装置に画像解析に要する制御手順を納
    め、この制御指令に従って、前記メモリーユニット10
    の記憶回路24に収納した画像信号の内容を所定の手順
    で解析して、上記画像読取装置2が再生された画像から
    読み取った画像の品質を評価するために設けてある中央
    演算装置6と、 から成る再生画像の品質評価装置において、 前記メモリーユニット10で、光電画像読取装置2から
    の画像信号と付属する同期信号とを受け入れ、測定画面
    を直線的に走査する走査線上の画像信号を間欠飛越的に
    繰り返す少なくとも2っ以上のブループに分け、グルー
    プ数に相当する個数のブロックに分割さてた記憶回路2
    4に前記画像信号と同期信号をそれぞれ分割して逐次収
    納し、その際、前記グループ数から1を引いた数の倍数
    ほど引き延ばした転送時間にして前記画像信号を転送で
    き、 所定のテストパターンに対して求めた再生画像を線分、
    階調性に関して再生中実度を評価することを特徴とする
    再生画像の品質評価装置。
  2. 【請求項2】 前記画像の再生中実度の試験は、倍率、
    直交度、歪み、解像度、細線再現性、シェーデイング、
    ピッチ精度、直線性、ドット飛び出し、階調性、感色
    性、画像ノイズ、NEP,TEPの一つまたはそれ以上
    を含む項目に渡って行われることを特徴とする請求項1
    に記載の再生画像の品質評価装置。
  3. 【請求項3】 前記光電画像読取装置2としては、市販
    の静電式の複写機を使用し、中央演算装置6としては、
    市販のパーソナル・コンピュータを使用することを特徴
    とする請求項1または2に記載の再生画像の品質評価装
    置。
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