JP3086022B2 - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP3086022B2 JP03234982A JP23498291A JP3086022B2 JP 3086022 B2 JP3086022 B2 JP 3086022B2 JP 03234982 A JP03234982 A JP 03234982A JP 23498291 A JP23498291 A JP 23498291A JP 3086022 B2 JP3086022 B2 JP 3086022B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍装置、空調装置に
組込まれる圧縮機に係り、特に、摺動部材の機械的強度
を改良した圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ロータリ式圧縮機では、ベー
ン、ローラ等の部品には、過酷な条件下で長時間の運転
に耐え得る機械的強度が要求されるため、その材質に
は、強度、硬度、耐磨耗性等の機械的性質の優れた材料
を選定することが必須の条件となる。 近年では、冷凍
装置、空調装置の性能の向上に伴って、圧縮機の使用条
件が厳しく、また、高速化されており、その摺動部材に
作用する負荷や周速、あるいは慣性力に基づく荷重が益
々増大する傾向にある。そこで、圧縮機の摺動部材の設
計上の要求に応ずる材料として、アルミニウム合金や、
あるいは非金属材料のなかではセラミックスなどの材料
が注目されるようになってきている。このうちセラミッ
クスについては、その特性として、耐磨耗性という機械
的性質に優れ摺動部材の要求に合致する。最近では、セ
ラミックス材料の摺動部材が組み込まれた圧縮機が使用
されるに至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、他方
で、セラミックスには、線膨脹係数がこの種の摺動部材
の材料として広く採用されている鋳鉄や、鉄系焼結合金
等の鉄系材料に比較して小さいという性質がある。この
ため、運転時に、摺動面の温度が100℃以上にも上昇
するような摺動部材の材料にセラミックスを採用した場
合には、部材間の線膨脹率の差に起因して隙間が生じ、
この隙間から圧縮室内の冷媒が漏洩し、圧縮能力の低下
が生じるという欠点があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題点を解消し、摺動部材間の熱膨脹の差による
隙間の発生を未然に防止するとともに、摺動部材の耐磨
耗性などの機械強度を改良し耐久性、信頼性の向上を図
った圧縮機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、圧縮機の互いに摺動する摺動部材の一方
の摺動部材をイットリア(Y)を3〜8(mol
%)配合した部分安定化ジルコニア(Y−PS
Z)焼結体で形成するとともに、他方の摺動部材を鉄系
材料で形成したことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、摺動部材の材料の部分安定化
ジルコニアは、他のセラミック材料と異なり線熱膨脹係
数が鉄の線熱膨脹係数と同程度であり、相手材が鉄系材
料であるようなときには、嵌め合い部分に隙間が生じな
いので圧縮能力低下が防止される。しかも、セラミック
ス材料の長所としての軽量化、優れた耐磨耗性が生かさ
れる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付の図面
を参照して説明する。この実施例は、本発明を空気調和
機用のローラピストン型の圧縮機に適用した例であり、
図1は、その圧縮部の断面を示したものである。この図
において、符号1は、密閉ケーシングを示している。こ
の密閉ケーシング1の内周面にシリンダ2が固定されて
おり、このシリンダ2の内部では、シャフト3とともに
偏心して回転するローラ4が吸気、圧縮の行程のサイク
ルを行なうようになっている。すなわち、シリンダ2に
は、ベーン5が進退自在なように嵌装されており、この
ベーン5がばね6によって弾発付勢されてその先端でロ
ーラ4に摺接する。従って、このベーン5によってシリ
ンダ室7は、膨張室7aと圧縮室7bに区画されてい
る。吸込管8から吹い込まれた気体は、ローラ4の偏心
回転ととも圧縮されて図示しない吐出管から吐出される
ようになっている。本実施例では、圧縮機の摺動部材の
うちシリンダ2の外周面に対して摺動するべーン5が、
以下に説明するようなイットリア(Y)を所定量
配合した部分安定化ジルコニア(Y−PSZ)焼
結体から成形されている。すなわち、この実施例では、
ジルコニア微粉末に焼結助材としてイットリアを配合割
合にして3(mol%)均一に分散させたものを焼結素
材として、ベーン5の所定形状に高圧で圧粉成形し、さ
らに千数百度もの高温で焼成して熱的に安定したものを
得た。なお、べーン5が組み込まれるシリンダ2の材質
については、ベーン5の焼結体とのなじみ性の良さを考
慮して、鉄系材料、例えば、鉄系鋳物、鉄系焼結材、鉄
鋼材あるいはこれら鉄系材料に窒化または浸炭などの表
面処理をした材料が良好である。
【0008】しかして、図2は、本実施例のべーン5
と、アルミナ、窒化けい素、炭化けい素といった他のセ
ラミックス材料製の従来例のベーンとで、破壊じん性、
線熱膨脹係数について比較したものである。この図のデ
ータからわかるように、他のセラミックスに比べて部分
安定化ジルコニア(Y−PSZ)焼結体では、線
熱膨脹係数が高く、鉄の線熱膨脹係数(9×10−6
℃)と同程度である。このため、従来例のベーンでは、
相手材のシリンダが鉄系材料であるようなときに、線熱
膨脹係数の差に起因して嵌め合い部分に隙間が生じて、
この隙間から冷媒が漏れて圧縮能力低下につながるおそ
れがあったが、本実施例のベーン5ではそのような不都
合が解決される。また、破壊じん性についても従来例に
比べて大きく改善されており、これは、イットリアの配
合により部分安定することによるものと考えられる。こ
のじん性の強化は、イットリアの配合割合にも関係して
くるものであって、 2(mol%)以下では、成形の
際の高温で相変態(立方晶系から単斜晶系)により体積
が増加し、微小クラックが形成されて一部破壊が起こ
り、じん性が劣化する。逆に、8(mol%)を越える
イットリアを配合すると、性質が完全安定化ジルコニア
に近付き、破壊じん性が急激に低下し、これを材料とし
たベーンでは、起動時のジャンピングにより破壊する虞
がある。
【0009】次に、本実施例のベーン5を組み込んだ圧
縮機を搭載した実機にて、冷凍能力試験を行い、従来の
鉄系材料のベーンの圧縮機の試験結果を100としてそ
の他のセラミックス材料ベーンの圧縮機との冷凍試験結
果と比較したものを図3に示す。この図からも、本発明
では、従来のセラミックス材料のベーンの圧縮機よりも
能力の改善が見込まれ、鉄系材料のベーンの圧縮機と同
等の能力が得られることがわかる。しかも、部分安定化
ジルコニアのベーンでは、そのセラミックス材料の長所
としての軽量化、優れた耐磨耗性が生かされるので(実
機での磨耗試験において、鉄系ベーンでは、5000時
間運転で2μm、本実施例で1μm以下であった。)、
圧縮機の耐久性、信頼性が向上する。
【0010】なお、図4は、3(mol%)イットリア
配合の一部安定化ジルコニア焼結体について250℃の
もとで、曲げ強度の経時的変化を焼結体粒径d=0.
2、0.4、 0.8、 1.0、 1.2(単位μ
m)のそれぞれについてのデータをとったものである。
この試験結果からわかるように、粒径が1.0μmを越
えると熱経時劣化が急激に進行するので、圧縮機のベー
ンのように100〜200℃もの温度にさらされる摺動
部材の材料に選定する場合には、粒径は0.8μm以下
が好適である。以上、ローラピストン型の圧縮機につい
ての実施例を説明したが、本発明はこの実施例の範囲に
限定されるものではなく、ローラなどの他の摺動部材、
また他の形式の圧縮機ではオルダムリングなどの摺動部
材に適用できることは勿論である。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、圧縮機の互いに摺動する摺動部材の一方の摺
動部材をイットリア(Y)を3〜8(mol%)
配合した部分安定化ジルコニア(Y−PSZ)焼
結体で形成するとともに、他方の摺動部材を鉄系材料で
形成しているので、線熱膨脹率の差に起因する能力の低
下を防止することができ、また、耐磨耗性などの摺動部
材の機械的性質の強化により、信頼性、耐久性に優れた
圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をローラピストン式の圧縮機に適用した
実施例について、圧縮部の構成を示す断面図。
【図2】本発明の実施例と、従来例について破壊じん
性、線熱膨脹係数について比較した図。
【図3】本発明の実施例と、従来例について実機による
冷凍試験結果を比較した図。
【図4】本発明の実施例において、高温下での一部安定
化ジルコニア焼結体の曲げ強度の経時的変化を焼結体粒
径を異ならせてとった試験結果を示したグラフ。
【符号の説明】
2 シリンダ 3 シャフト 4 ローラ 5 ベーン 7 圧縮室

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機の互いに摺動する摺動部材の一方の
    摺動部材をイットリア(Y)を3〜8(mol
    %)配合した部分安定化ジルコニア(Y−PS
    Z)焼結体で形成するとともに、他方の摺動部材を鉄系
    材料で形成したことを特徴とする圧縮機。
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