JP3085908U - 園芸鑑賞鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、利用者にとって汎用性、利便性、
リサイクル性、処分性を兼ね備えた二重構造の園芸鑑賞
鉢に関するものである。 【解決手段】 広く普及している底面給水方式を利用
し、植物の生産販売用に広く利用されている汎用性の高
いヨーロッパ規格のプラスチック製の中鉢（１）に吸水
ひも（４）を取り付けて、通水性のない素材を利用した
外鉢（５）に差し込むことにより組み合わせる。さらに
本考案独自の説明点検ラベル（２）を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、底面給水方式を利用した二重構造の園芸鑑賞鉢に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、植物の管理を省力化または最適化する事を目的として、底面給水方式を 利用し、保水性や通気性を確保するために二重構造とした鉢は多数みうけられる が、中鉢または内体として利用されるものはその規格または構造が独自のもので 、市販されている園芸鉢をそのまま中鉢として利用することが困難であり汎用性 に欠けていた。

【０００３】 また従来の二重構造の鉢は、鉢自体に給水量や保水量をコントロールさせる機 能を持たせたため、どんな植物も同じ状態にたもつことになり、かえって植物の 種類、状態に応じた水の管理がしにくい点で利便性に欠けていた。

【０００４】 さらに植物をこのような鉢で管理することは水や土、肥料によって外観上汚れ 易く、利用者が繰り返し利用しようとする動機につながらず結果としてリサイク ル性に欠けていた。

【０００５】 従来の鉢は軽量性、加工のし易さ、コストの安さからプラスチック類を材料に しているものが多い。プラスチック類の焼却はダイオキシン等の有害な物質を発 生させることが問題となっており、利用後は材質に応じて適正に処分されなけれ ばならないが、従来の鉢は使用されている材質の特定が困難な場合や、鉢を構成 する部品を材質ごとに簡単に分離できないなど、利用後に消費者が処分する場合 の配慮に欠けていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は、それらの欠点を除いて、植物を中鉢ごと簡単に取り替えられる汎用 性、植物に応じた管理方法が簡単にできる利便性、繰り返し何度も利用できるリ サイクル性を兼ね備えながら処分時にも困らないシンプルな構造の園芸鑑賞鉢を 開発しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案における園芸鑑賞鉢は請求項１記載の中 鉢（１）、外鉢（５）、吸水ひも（４）、また請求項２記載の説明点検ラベル（ ２）を組み合わせることにより構成される。いまその解決手段を図面に追いなが ら説明する。 イ） 図１に示すように、中鉢の底穴（３）に吸水ひも（４）を取り付けるが、 中鉢（１）は園芸生産用に広く利用され、そのまま出荷鉢としても利用さ れているヨーロッパ規格のものを利用する。 ロ） 外鉢（５）に吸水ひもを取り付けた中鉢（１）を差し込む。外鉢（５）は 、あらかじめ中鉢（１）の外寸、規格が図２のようにはめ込まれる内寸を 持ち、底に水がためられる通水性のない素材を採用する。

【０００８】 図１に示すように、請求項２記載の説明点検ラベル（２）を中鉢の底穴（３）に 取り付ける。

【考案の実施の形態】

本考案は以上のような構成であるから、これを使用するときは、中鉢（１）と 外鉢（５）は通常あらかじめ組み合わせて販売提供されるので、利用者はまず中 鉢の植物の状態、種類に応じて、以下を選択する。 イ） 中鉢（１）と外鉢（５）組み合わせたまま中鉢（１）の植物の根元から水 をやる。 ロ） 根元に水をやらず、図４のように中鉢（１）を取り出した後、外鉢（５） の底に直接注水し吸水させる。 ハ） 中鉢（１）を取り出して別の容器で灌水させる。 上記のように利用者は中鉢（１）の植物の状態を整えたうえで、そのまま外鉢（ ５）にはめ込む。中鉢（１）と外鉢（５）は規格、外寸を考慮して組み合わせて 提供されるので図２の断面図に示すように外鉢（５）の内側と中鉢（１）の側面 の一部または全部が接触することにより、中鉢（１）は外鉢（５）の内側最上部 からやや低い位置で固定され安定し、外鉢（５）の底部まで落ち込まず、図２に 示すように、中鉢（１）の底部と外鉢（５）の内側に水がたまる部分（６）と、 根腐れを生じさせないための、植物の根が直接水に触れることのない空間（７） を確保できる。

【０００９】 なお、本考案の実施に当たって次のことができる。説明点検ラベル（２）を中 鉢の底穴（３）に取り付けて、組み合わせて重なった中鉢（１）と外鉢（５）の 間に挟み込むようにして鉢上部に、説明点検ラベル（２）の上部を露出させる。 請求項２記載の説明点検ラベル（２）の下部先端は矢印状になっており、下部先 端を丸めて差し込むことにより、かえしの部分が中鉢の底穴（３）の内側にひっ かかり、図４に示すように説明点検ラベル（２）の上部先端を引き上げて中鉢（ １）ごと持ち上げることができる。説明点検ラベル（２）はこのように中にたま った水の量、状態を確認できる点検機能と、上部に植物の品種名、育て方等の文 字情報や写真、イラストを表示できるので説明機能も果たす。この説明点検ラベ ル（２）は指でつまみやすいように上部先端に円形の穴を持つことを特徴とする 。

【００１０】

【考案の効果】

したがって、中鉢（１）は生産販売用に広く利用されているヨーロッパ規格の ものを利用するので、規格が同じものなら園芸店から購入した鉢植えを中鉢（１ ）として利用し自由に取り替えて外鉢（５）にはめ込んで組み合わせることがで きる。中鉢（１）は外鉢（５）の内側最上部よりやや低い位置に固定されるので 、水やりなどで中鉢が汚れても目立たず、図３に示すように外観的にも優れてい る。

【００１１】 鉢自体の機能よりも利用者の裁量や経験を重視し、本考案の園芸鑑賞鉢の構造 は底面給水方式のみを利用し、中鉢を簡単に取り出せるシンプルな二重構造にす ることにより、植物の種類、状態に応じた水の管理をしやすくした。さらに請求 項２記載の説明点検ラベル（２）の点検機能を利用することにより、中鉢（１） 取り出しが一層容易になり、さらに利便性が向上する。

【００１２】 中鉢（１）は植物が植えられた状態で生産販売用にも利用されているものなので 、植木鉢や本考案の中鉢として繰り返し利用できるため、リサイクルの動機付け が期待できる。また利用を終えた場合にも、本考案を構成する材質ごとに完全に 分離し適正に処分できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の中鉢と、中鉢に取り付ける吸水ひもと
請求項２記載の説明点検ラベルおよびその取り付け位置
を示す底面から見た立体斜視図。

【図２】本考案の中鉢と外鉢を組み合わせ、請求項２記
載の説明点検ラベルを取り付けた状態の断面図。

【図３】本考案の中鉢と外鉢を組み合わせた、請求項２
記載の説明点検ラベルを取り付けた状態を示す外観図。

【図４】本考案における請求項２記載の説明点検ラベル
の点検機能により、中鉢の取り出し方法の実施図。

【符号の説明】

１は中鉢 ２は説明点検ラベル ３は中鉢の底穴 ４は吸水ひも ５は外鉢 ６は水がたまる部分 ７は植物の根が直接水に触れることのない空間

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヨーロッパ規格のプラスチック製の中鉢
   に、通水性のない素材を採用した外鉢を組み合わせた二
   重構造の園芸鑑賞鉢で イ） プラスチック製の中鉢の底穴（３）に吸水ひも
   （４）を取り付ける。 ロ） 吸水ひも（４）を取り付けた中鉢（１）を外鉢
   （５）に差し込む。 以上、イ）ロ）の構成からなる園芸鑑賞鉢。
2. 【請求項２】 前記イ）ロ）の構成からなる園芸鑑賞鉢
   の中鉢の底穴（３）に説明点検ラベル（２）を取り付け
   た請求項１記載の園芸鑑賞鉢。