JP3085507B2 - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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JP3085507B2
JP3085507B2 JP06054285A JP5428594A JP3085507B2 JP 3085507 B2 JP3085507 B2 JP 3085507B2 JP 06054285 A JP06054285 A JP 06054285A JP 5428594 A JP5428594 A JP 5428594A JP 3085507 B2 JP3085507 B2 JP 3085507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非接触カード等との信
号送受信に加えて動作電力を供給するアンテナ装置に関
し、特に、非接触カードを用いてドアロックの開閉制御
等を行うシステムに用いられるアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線電波を利用して利用者が携帯
する非接触カードから非接触でリーダライタが個人情報
やID情報などを読み出し、例えば部屋のドアロックの
開閉を制御する無線式のアクセスコントロールシステム
が実用化されている。このようなアクセスコントロール
システムにあっては、非接触カードに電池を内蔵せず、
アンテナからの誘導電磁界による受信電圧を非接触カー
ドで整流して動作電源を作り出しており、電池交換を必
要としないメリットがある。
【0003】このためリーダライタ側に使用されるアン
テナ装置にあっては、送受信アンテナとして使用される
と同時に非接触カードに対し動作電力を供給する必要が
ある。通常、FSK変調方式を使用した非接触カードと
の間で送受信を行う使用周波数は、数百KHzという比
較的低い周波数にあり、また非接触カードが有効に動作
できる通信可能距離も例えば1m以内というように比較
的短い距離にある。
【0004】また、ドアロック開閉等に使用する場合に
は、アンテナをドアに内蔵させることが望ましいことか
ら、アンテナの小型薄型化が要求されており、この要求
を満たすものとしてプリント基板上にループ状のコイル
パターンを形成した平板状アンテナが考えられている。
また銅線をボビンに巻いてアンテナコイルを形成する方
式もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アンテナ装
置から非接触カードに動作電力を供給するための誘導電
磁界の強さは、理論的には距離の3乗、実測では距離の
4乗に比例して減衰する関係にある。アンテナによって
電力供給のための十分な誘導電磁界を得るためにはアン
テナを流れる高周波電流が最大になるように構成し、通
信可能距離に見合った十分な送信電力をアンテナに供給
する必要がある。
【0006】しかし、プリント基板を利用した平板状ア
ンテナにあっては、プリント基板に形成したコイルパタ
ーンの導体抵抗分による損失が大きく、アンテナ放射効
率が低下して予定された通信可能距離が確保できない問
題がある。即ち、アンテナの放射効率は尖鋭度Qで決ま
る。通常、アンテナは、コイル成分L、調整用コンデン
サC及び導体抵抗RのLCR直列共振回路を形成してア
ンテナを流れる高周波電流が最大となるようにしてお
り、使用周波数をf(Hz)としたときの尖鋭度Qは、
次のようになる。
【0007】 Q=1/ω0 CR 但し、ω0 =2πf Q=ω0 L/R この関係から尖鋭度Qは、アンテナ導体の抵抗分Rに逆
比例する関係にある。更に、高周波電流の表皮効果によ
り導体抵抗R分が実質的に増加する関係にある。このた
め導体抵抗R分によって尖鋭度Qが下がってアンテナ放
射効率が低下し、これを補うために送信電力を上げざる
を得ず、消費電力の増加、回路の大型化、コストアップ
等の問題を生じている。
【0008】更に、最適状態に調整された平板状アンテ
ナは、ボックスに収納された状態で建物施設の壁面、天
井面、床面、更にはドアに設置又は内蔵して使用され
る。しかし、アンテナ設置場所の壁面、天井面、床面や
その内部に、鉄筋、鉄板、信号ケーブルなどの強磁性を
もつ部材が存在した場合、平板状アンテナの誘導電磁界
がアンテナ前面で大きく減衰し、極端な場合はアンテナ
面にカードを擦り付けるようにしなければ読出しができ
ないような場合もあり、アンテナ設置場所の条件に大き
く影響されるという問題があった。
【0009】また銅線をボビンに巻いてアンテナコイル
を形成する方式にあっても、設置環境により誘導電磁界
が影響を受けるという問題があった。本発明は、このよ
うな従来の問題を解決するためになされたもので、アン
テナ設置場所の条件に左右されずに最適状態に調整され
たアンテナ性能を発揮することのできるアンテナ装置を
提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、アンテナ設置場所の条件に
左右されないと同時に十分なアンテナの尖鋭度Qを確保
してアンテナ放射効率を高めるようにしたプリント基板
を利用したアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、次のように構成する。本発明のアンテナ装置
は、面等に設置もしくは内蔵され、無線電波を利用し
て非接触カードから情報を非接触で読み出すアンテナ装
置に於いて、コイル成分を持つ平板状アンテナと、該平
板状アンテナの背後に配置された比透磁率が1に近く且
つ導電率が十分に低い第1領域と、該第1領域に続いて
配置された比透磁率が1に近く且つ導電率が十分に高い
平板状の第2領域と、平板状アンテナ、第1領域及び
第2領域の周囲を囲むケースとを備えたことを特徴とす
る。
【0012】第1領域としては透磁率が1.0000
00365の空気層を設ける。また第2領域としては、
非磁性の導電部材、例えば透磁率が1.000214
のアルミニウム板、透磁率が0.9999906の銅
板、または透磁率が0.9999736の銀板を配置
する。更に、両側に放射パターンを持つ一対のアンテナ
装置を背中合わせに配置するには、第2領域の両側に一
対の第一領域を配置し、その外側に平板状アンテナを各
々配置すればよい。
【0013】また本発明に使用するアンテナ装置は、コ
イル成分をもつようにアンテナパターンを形成した複数
のプリント基板を多層に積層形成した構造をもつ。例え
ば、各プリント基板上に渦巻状のコイルパターンを形成
し、各コイルパターンの始端の各々と終端の各々を共通
接続して一対のアンテナ給電端子を形成することで実現
される。
【0014】また本発明のアンテナ装置は、各プリント
基板上に1ターンを越えない広い導体幅をもつループパ
ターンを形成し、各ループパターンがプリント基板の積
層方向で螺旋状となるように相互に接続することによっ
ても実現できる。更に、本発明のアンテナ装置には、ア
ンテナ放射電力の誘導電磁界によって他のユニット、例
えば非接触カード等に非接触で動作電力を供給すると同
時に信号送受信を行う適宜の装置が接続される。
【0015】更に又、平板状アンテナを、コイル成分を
もつように銅線を複数回巻いて形成するようにしてもよ
い。
【0016】
【作用】このような本発明のアンテナ装置によれば、プ
リント基板にアンテナパターンを形成した平板状アンテ
ナの背後に第1領域としての空気層を介して第2領域を
形成するアルミ板、銅板又は銀板を配置したアンテナ構
造とすることで、平板状アンテナを剥き出しで使用した
場合のアンテナ開口側の放射パターンがほぼそのまま得
られ、設置場所の壁面、天井面、床面やその中に鉄筋、
鉄板、信号ケーブルなどの強磁性をもつ部材が存在して
も、このアンテナ開口側への放射パターンはほとんど変
化せず、設置場所の制約を受けずに調整された最適性能
を発揮することができる。
【0017】また2つの平板状アンテナを背中合せに配
置して両側に異なったアンテナの放射パターンを得たい
場合、平板状アンテナの間に空気層を介してアルミニウ
ム板、銅板又は銀板を配置することで、相互に干渉する
ことなく独立したアンテナとして動作させることができ
る。更に、平板状アンテナとして、アンテナパターンを
形成した複数のプリント基板を多層に積層形成している
ことから、各アンテナパターンの導体抵抗分が並列接続
された関係にあり、この導体抵抗の並列接続によってア
ンテナ給電端子から見た導体抵抗値を大幅に低下させる
ことができ、十分な尖鋭度Qを確保して高いアンテナ放
射効率を得ることができる。
【0018】このため、少ない送信電力で、例えば3m
以内といった信号の送受信と同時に動作電力を供給する
ための誘導電磁界を保証した有効通信距離を確保するこ
とができる。また薄いプリント基板の積層構造で実現で
きるため、アンテナ装置の小型薄型化が確保でき、ドア
内蔵を可能とし、また壁面の設置も容易にできる。更
に、各ループパターンをプリント基板の積層方向で螺旋
状となるように相互に接続したスパイラルコイルを形成
することで、スパイラル方向のアンテナ指向性を高めた
放射パターンを得ることができる。
【0019】
【実施例】図1は本発明のアンテナ装置が使用されるド
アロック開閉システムの説明図である。図1において、
1は端末装置であり、ドアロックの開閉制御を行う各部
屋のドア5に対応して設置される。端末装置には本発明
のアンテナ装置3が設けられ、部屋の使用者が携帯して
いる非接触カード2のカードアンテナ4との間で無線方
式に従って動作電力の供給および信号の送受を行う。
【0020】非接触カード2のメモリには、予め所定の
個人情報あるいはID情報が記憶されている。非接触カ
ード2は、端末装置1に設けたアンテナ装置3の誘導電
磁界が有効に受信される通信可能エリアに入ると、動作
電力の供給を受けて動作し、端末装置1からのリードコ
マンドに対し、メモリに記憶している個人情報またはI
D情報を読み出して送信する。
【0021】端末装置1は非接触カード2から読み出し
た個人情報またはID情報を、予め登録している登録情
報と照合し、照合一致が得られると、ドア5に設けてい
る電気錠のロックを解除する開錠動作を行う。一旦開い
たドアロックは、利用者の入室または退室、あるいは一
定時間後に端末装置1が再びロック状態に戻すようにな
る。
【0022】更に、この実施例にあっては、複数の端末
装置1を伝送路6を介して上位の管理装置7に接続して
おり、端末装置1を用いた各部屋における入退室の状況
を管理装置7に転送して管理できるようにしている。図
2は図1の端末装置1および非接触カード2の実施例を
示す。まず、端末装置1側を説明する。端末装置1には
制御部108が設けられ、制御部108に対してはデー
タバッファ118、設定アドレスなどを記憶したメモリ
119が設けられる。また制御部108に対しては、送
信部としてI/O変換部109、変調部110、発振器
111、電力増幅部112、更に本発明のアンテナ装置
で実現される送受信アンテナ3が設けられる。
【0023】ここで、電力増幅部112に対しては電源
部114および電流制御部115が設けられ、電力増幅
部112に対する高周波電流を電流制御部115で制御
することで、送受信アンテナ3からの送信電力を調整可
能としている。この送信部は制御部108からの送信デ
ータのデータビット0,1に対応した周波数f1,f2
を予め定めており、ビット0で周波数f1、ビット1で
周波数f2の周波数信号に変換して送信するFSK変調
を行う。また通常のスタンバイ状態において、制御部1
08はI/O変換部109を介して例えばビット0の固
定出力を変調部110に与えている。
【0024】このため、変調部110は発振器111か
らのビット0又は1に対応した周波数f1又はf2信号
を電力増幅部112に出力し、送受信アンテナ3より常
時送信している。したがって、非接触カード2を携帯し
た人が端末装置1に対する通信可能領域に入ると、周波
数f1又はf2の送信信号を受信して動作電源を得るこ
とができる。制御部108と変調部110の間に設けた
I/O変換部109は、制御部108からの並列ビット
データを直列ビットデータに変換している。
【0025】制御部108に対する受信部には、増幅・
検波部116およびI/O変換部117が設けられる。
増幅・検波部116は非接触カード2から送信されたF
SK信号を復調してデータビットを出力する。I/O変
換部117は受信した直列ビットデータを並列ビットデ
ータに変換して制御部108に出力する。更に、制御部
108に対しては、管理装置7とのデータのやり取りを
行う伝送IF部120と、ドア5の電気錠の制御を行う
開錠制御部121が設けられている。
【0026】一方、非接触カード2には送受信アンテナ
4、変復調部122、I/O変換部123、制御部12
4、不揮発性メモリとしてのE2 PROM125および
カード電源部126が設けられる。送受信アンテナ4は
端末装置1からの送信信号を受信し、変復調部122お
よびカード電源部126に受信信号を出力する。カード
電源部126は、アンテナ受信信号を整流して各回路部
に対する電源電圧を作り出す。変復調部122は、受信
したFSK信号を復調してデータビットに変換すると共
に、送信するデータビットをFSK信号に変調する。な
お、非接触カードからの送信についてはFSK変調せず
データビットをそのまま送信するようにしてもよい。
【0027】I/O変換部123は、受信した直列デー
タビットを並列データビットに変換して制御部124に
出力し、逆に制御部124からの並列データビットを直
列データビットに変換して変復調部122に出力する。
制御部124は端末装置1からのコマンドを解読し、E
2 PROM125に対する書込みまたは読出しを行う。
非接触カード2には予め個人情報やID情報が書き込ま
れていることから、通常の使用におけるコマンドはリー
ドコマンドであり、このリードコマンドに基づきE2
ROM125から個人情報あるいはID情報を読み出し
て端末装置1に送信するようになる。
【0028】図3は本発明のアンテナ装置の実施例を示
す。図3において、アンテナ装置3は箱枠を構成するケ
ース8内に収納されている。ケース8の前面には平板状
アンテナ9が設置される。平板状アンテナ9には例えば
渦巻状のアンテナコイル10が形成されており、内蔵し
たドライブ回路11により送信駆動される。図4(A)
は図3に示した本発明のアンテナ装置3の断面構造を示
す。本発明のアンテナ装置3は、ケース8のアンテナ前
面側に図3に示したようにアンテナコイル10を形成し
た平板状アンテナ9を配置している。平板状アンテナ9
の背後には非磁性空間14として所定長のギャップを持
った空気層の領域が形成される。この空気層を用いた非
磁性空間14は、透磁率μsが1に近く導電率が十分
に低い第1領域を形成する。ここで、透磁率μsは、
媒質の透磁率μが真空の透磁率μ0と比較して何倍にな
るかを示している。非磁性空間14に空気層を使用した
場合、空気層の透磁率は1.000000365とな
る。
【0029】空気層で形成された非磁性空間14に続い
ては、非磁性体プレート12が配置される。非磁性体プ
レート12は、透磁率μsが1に近く且つ導電率が十
分に高い第2領域を構成する。この第2領域を構成する
非磁性体プレート12としては、例えばアルミニウム
板、銅板または銀板を配置することができる。ここで、
アルミニウム板の透磁率は1.000214、銅板の透
磁率は0.9999906、銀板の透磁率は0.999
9736であり、各々、透磁率が1に近い値を持って
いる。平板状アンテナ9と非磁性体プレート12の間に
設けた非磁性空間14としての空気層の厚さは、例えば
アンテナコイル10の直径を約200mmとした場合、
2〜3cmとすればよい。
【0030】実際には、アンテナの放射電界を測定しな
がら実験的に空気層の厚さを決めることになる。勿論、
非磁性空間14の間隔は前面側に放射されるアンテナパ
ターンをあまり減衰させない範囲で可能な限り狭めるこ
とが、小型薄型化のために望ましい。図4(B)は図3
に示すアンテナ装置3の他の断面構造を示す。この構造
にあっては、平板状アンテナ9と非磁性体プレート12
の間の非磁性空間に発泡ウレタン材15を充填したこと
を特徴とする。また、背後に設置する非磁性体プレート
12は、側面の支持枠部13を一体に備えることでケー
スとしての機能を併せてもっている。
【0031】発泡ウレタン材15はウレタン材料の中に
多数の気泡をもっているため、その非透磁率はほぼ空気
層に等しく、図4(A)の空気層の非磁性空間14と同
等である。また発泡ウレタン材15を充填したことで、
ケースとして機能する非磁性体プレート12に対する平
板状アンテナ9の位置決めと組込みが容易にでき、構造
も堅牢にできる。
【0032】発砲ウレタン以外に、ガラスウール、シリ
カゲル、スポンジ等を充填してもよい。また、この実施
例にあっては、ケース8内に平板状アンテナ9のドライ
ブ回路11を内蔵しているが、内蔵せずに外付けとして
もよい。図5は本発明のアンテナ装置の指向特性を示し
ている。図5(A)は図3に示した平板状アンテナ9を
単体で使用したときの放射パターンを示す。この場合に
は、平板状アンテナ9の両側に均等な放射パターン1
7,18が形成される。
【0033】図5(B)は本発明のアンテナ装置の指向
特性を示す。本発明のアンテナ装置3にあっては、非磁
性体プレート12を配置した後方への放射パターンはほ
とんど存在せず、平板状アンテナ9を設置しているアン
テナ前面側にのみ、図5(A)の開口時とほぼ同じ放射
パターン17を得ることができる。この放射パターン1
7は、例えば図示のように本発明のアンテナ装置3を鉄
板19の前面に設置した場合についても、アンテナパタ
ーン17に殆ど変化がないことが実験的に確認されてい
る。
【0034】この結果、本発明のアンテナ装置3を鉄板
などの化粧板が設けられた玄関出入口などの壁面に設置
したとしても、そのアンテナ放射パターンは最適調整状
態に対し殆ど変化することがない。また、設置場所の壁
面、天井面、床面などの内部に鉄筋や鉄骨、更には信号
ケーブルなどの強磁性をもつ部材が存在していたような
場合にも、これらの影響を受けることなく、最適調整さ
れた放射パターンをそのまま維持することができる。
【0035】図6は本発明のアンテナ装置の他の実施例
を示したもので、2つの独立した平板状アンテナを背中
合せに配置したことを特徴とする。図6(A)の断面構
造において、ケース8の両側に平板状アンテナ9a,9
bが設置され、その間に空気層でなる非磁性空間14
a,14bを介して1枚の非磁性体プレート12として
アルミニウム板、銅板または銀板が配置されている。
【0036】図6(B)は、そのアンテナ指向特性を示
している。2つの平板状アンテナ9a,9bを備えたこ
の実施例のアンテナ装置3は、全く独立した2つのアン
テナとして一方に平板状アンテナ9aの放射パターン2
0を形成し、反対側に平板状アンテナ9bの放射パター
ン21を形成することができる。この図6の実施例に示
す構造のアンテナ装置は、例えば図1に示したドアロッ
ク開閉システムでドア5に内蔵させるアンテナ装置とし
て使用できる。即ち、図6のアンテナ装置3を制御対象
とするドアに内蔵させることで、ドアを挟んだ廊下側と
部屋の中のそれぞれに対し、独立したアンテナによる通
信可能領域を形成できる。
【0037】そして、外側のアンテナと内側のアンテナ
のそれぞれについて、利用者が携帯する非接触カードと
の間で動作電力の供給および送受信を行い、これによっ
て、利用者が入室したか退室したかの判別を含めた処理
ができる。例えば、ドア外部に通信可能エリアを設定し
ているアンテナで非接触カードとの通信を行ってドアロ
ックを開錠したならば、続いて、利用者が部屋に入るこ
とによるドア内側に通信可能エリアを設定しているアン
テナとの通信で入室を確認して、開錠したドアロックを
再び施錠制御することができる。
【0038】また、外側のアンテナ受信から内側へのア
ンテナ受信であることから、部屋への入室を判断して管
理できる。また、部屋から出る場合には、入る場合と逆
の処理を行えばよい。ここで、図4および図6に示した
第2領域を形成する非磁性体プレート12としては、軽
量化およびコスト低減のため、プラスチックなどの非磁
性体プレートの表面にアルミニウム、銅または銀などを
蒸着により被膜形成したものを使用してもよい。
【0039】次に本発明のアンテナ装置で使用する平板
状アンテナの詳細を説明する。図7(A)は本発明のア
ンテナ装置で使用する平板状アンテナ9の組立分解図を
示し、同図(B)に側面図を示す。本発明の平板状アン
テナ9は薄いプリント基板30−1〜30−nを準備
し、各プリント基板30−1〜30−n上に同一形状の
渦巻状コイルパターン32−1〜32−nを形成してい
る。各渦巻状コイルパターン32−1〜32−nの巻始
めとなる始端と巻終りとなる終端は下部に引き出され、
スルーホール33,34を形成している。
【0040】このような渦巻状コイルパターン32−1
〜32−nを形成した各プリント基板30−1〜30−
nは、図示のように一体に積層され、この積層によって
スルーホール33,34が電気的に接触導通し、一対の
アンテナ給電端子を形成する。したがって、スルーホー
ル33,34の共通接続により形成された一対のアンテ
ナ給電端子から見て、各渦巻コイルパターン32−1〜
32−nは並列接続されたことになる。
【0041】図7(C)は本発明の平板状アンテナ9に
より形成されるアンテナLCR共振回路を示す。このア
ンテナ共振回路において、コイル成分Lは並列接続され
た渦巻状コイルパターン32−1〜32−nがもつ各コ
イル成分の並列合成値である。また、容量Cはアンテナ
整合調整用に設けたコンデンサにより実現される。更
に、抵抗成分Rは共通のアンテナ給電端子に対し並列接
続した各渦巻状コイルパターン32−1〜32−nがも
つ各導体抵抗の並列抵抗値である。
【0042】この並列抵抗値Rは各導体の抵抗分をr、
コイルパターンの数をn個とすると、 R=r/n で与えられる。したがって、1枚のプリント基板に渦巻
状コイルを形成した場合に比べ、コイル積層数nに応じ
て導体抵抗分を低減することができ、この結果、アンテ
ナの尖鋭度Qを大きくしてアンテナ放射効率を高めるこ
とができる。
【0043】図8は本発明の平板状アンテナの第2実施
例を示す。この第2実施例にあっては、図5(A)に示
すように、複数のプリント基板30−1〜30−nのそ
れぞれに約1ターン分のループパターン37−1〜37
−nを形成している。ここで、両側に位置するループパ
ターン37−1,37−nの2つについては、アンテナ
給電端子38,40とスルーホール39をパターンの両
端に形成している。
【0044】これに対し、間に位置するループパターン
37−2〜37−(n−1)については、アンテナ給電
端子38,40に相当する部分がなく、ループの両端を
それぞれスルーホールとしている。これによってループ
パターン37−1〜37−nは、プリント基板30−1
〜30−nの積層により積層方向にスパイラルコイルを
形成するように、各スルーホールによって接続される。
【0045】このため、図8(A)に示す平板状アンテ
ナ3は、同図(B)に示す積層方向のスパイラルコイル
40をもったアンテナとなる。またループパターン37
−1〜37−nのそれぞれは、パターンの導体幅を十分
に広くとって単位長さ当りの抵抗分を低く抑えている。
図9(A)は図7に示した渦巻状コイルパターン32を
もつ平板状アンテナ9の放射特性を示し、また図9
(B)は図8に示したスパイラルコイル40をもつ平板
状アンテナ9の指向特性を示している。図9(A)の渦
巻状コイルパターン32を用いた平板状アンテナ9にあ
っては、パターン41に示すように、両側に比較的指向
角の広いパターンを生ずる。これに対し、図9(B)の
スパイラルコイル40を形成した平板状アンテナ9にあ
っては、スパイラル方向の指向性を高めた指向角の狭い
パターンを得ることができる。
【0046】図10は本発明のアンテナ装置の他の実施
例を示したもので、この実施例はプリント基板を使用し
ない通常のアンテナコイルについて本発明を適用したこ
とを特徴とする。図10(A)に示すように、アンテナ
装置3のケース8内には細い被覆銅線などを巻いて作ら
れたアンテナコイル50が設置され、アンテナコイル5
0は背後の非磁性体プレート12に対し支持部材51,
52により所定のギャップを介して支持されている。
【0047】即ち、図10(B)に示すように、アンテ
ナコイル50と背後の非磁性体プレート12の間には、
空気層でなる非磁性空間14が形成されるように支持部
材51で支持している。このようなアンテナ構造につい
て、図10(B)に示すようにアンテナ装置3を鉄板1
9の前に設置しても、アンテナコイル50の前方に対す
る放射パターンの変化は殆ど起きることがない。
【0048】尚、上記の実施例はドアロック開閉システ
ムでのアンテナ装置を例にとるものであったが、本発明
はこれに限定されず、リーダライタ側からの動作電力を
供給して非接触カードの読み書きを行う適宜のシステム
のアンテナ装置としてそのまま適用できる。また、アン
テナ装置のパターン形状、サイズ、積層数などは必要に
応じて適宜に定めることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、設置場所の壁面、天井面、床面などや、その内部に
鉄筋、鉄板、信号ケーブルなどの強磁性をもつ部材が近
接して存在しても、最適状態に調整された放射パターン
をほぼそのまま得ることができ、アンテナ設置場所の条
件による制約を受けない。
【0050】また、2つの平板状アンテナを背中合せに
配置して両側に異なったアンテナの放射パターンを得た
いような場合にも、間に空気層を介してアルミ板、銅板
または銀板などの非磁性導電プレートを配置すること
で、相互に干渉することなく独立したアンテナとして動
作させることができ、ドアに内蔵して入口側出口側の両
方で非接触カードとの間の動作電力の供給と信号送受を
行う場合に、最適なシステム構成ができる。
【0051】更に、平板状アンテナとしてアンテナパタ
ーンを形成した複数のプリント基板を多層に積層形成す
ることで、各アンテナパターンの導体抵抗分が並列接続
されて、アンテナ給電端子から見た導体抵抗値を大幅に
低下させることができ、平板状アンテナであっても十分
な尖鋭度Qを確保して高いアンテナ放射効率を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ装置が使用されるドアロック
開閉システムの説明図
【図2】図1で使用される非接触カードと端末装置の実
施例を示したブロック図
【図3】本発明のアンテナ装置の実施例を示した説明図
【図4】図3の実施例の断面図
【図5】本発明のアンテナ装置の指向特性を示した説明
【図6】本発明のアンテナ装置の他の実施例を示した説
明図
【図7】本発明の平板状アンテナの第1実施例を示した
説明図
【図8】本発明の平板状アンテナの第2実施例を示した
説明図
【図9】図8と図9の平板状アンテナの指向特性を示し
た説明図
【図10】平板状コイルアンテナを用いた本発明の他の
実施例を示した説明図
【符号の説明】
1:端末装置 2:非接触カード 3:アンテナ装置 4:カード用アンテナ 5:ドア 6:伝送路 7:管理装置 8:ケース 9:平板状アンテナ 10:アンテナコイル 11:ドライブ回路 12:非磁性体プレート(第2領域) 13:支持枠部 14:非磁性空間(第1領域) 15:発泡ウレタン材 17,18,20,21:放射パターン 19:鉄板 30−1〜30−n:プリント基板 32−1〜32−n:渦巻状コイルパターン 33,34:スルーホール(アンテナ給電端子) 37−1〜37−n:ループパターン 39:スルーホール 38,40:アンテナ給電端子 108,124:制御部(CPU) 119,117,123:I/O変換部 110:変調部 111:発振器 112:電力増幅部 114:電源部 115:電流制御部 116:増幅・検波部 118:データバッファ 119:メモリ 120:伝送IF部 122:変復調部 125:E2 PROM 126:カード電源部

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】面等に設置もしくは内蔵され、 無線電波を利用して非接触カードから情報を非接触で読
    み出すアンテナ装置に於いて、 コイル成分を持つ平板状アンテナと、該平板状アンテナ
    の背後に配置された比透磁率が1に近く且つ導電率が十
    分に低い第1領域と、該第1領域に続いて配置された比
    透磁率が1に近く且つ導電率が十分に高い平板状の第2
    領域と、 平板状アンテナ、第1領域及び第2領域の周囲を囲
    ースとを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 【請求項2】ドア等に設置もしくは内蔵され、 無線電波を利用して非接触カードから情報を非接触で読
    み出すアンテナ装置に於いて、 比透磁率が1に近く且つ導電率が十分に高い平板状の第
    2領域と、該第2領域の両側に配置された比透磁率が1
    に近く且つ導電率が十分に低い一対の第1領域と、該第
    1領域の外側に各々に配置された一対のコイル成分を持
    つ平板状アンテナと、 第2領域、一対の第1領域、平板状アンテナの周囲を
    むケースとを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  3. 【請求項3】請求項1,2記載のアンテナ装置に於い
    て、前記第1領域として空気層を設けたことを特徴とす
    るアンテナ装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のアンテナ装置に於いて、前
    記第2領域とケースは一体に同一部材で形成したことを
    特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2記載のアンテナ装置に於い
    て、前記第2領域としてアルミニウム板、銅板または銀
    板を配置したことを特徴とするアンテナ装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2記載のアンテナ装置に於い
    て、前記平板状アンテナとして、コイル成分をもつよう
    にアンテナパターンを形成した複数のプリント基板を多
    層に積層構成したことを特徴とするアンテナ装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載のアンテナ装置に於いて、前
    記各プリント基板上に渦巻状のコイルパターンを形成
    し、各コイルパターンの始端の各々と終端の各々を共通
    接続して一対のアンテナ給電端子を形成したことを特徴
    とするアンテナ装置。
  8. 【請求項8】請求項6記載のアンテナ装置に於いて、前
    記各プリント基板上に1ターンを越えない広い導体幅を
    もつループパターンを形成し、各ループパターンがプリ
    ント基板の積層方向で螺旋状となるように相互に接続し
    たことを特徴とするアンテナ装置。
  9. 【請求項9】請求項1,2記載のアンテナ装置に於い
    て、前記平板状アンテナを、コイル成分をもつように導
    線を複数回巻いて形成したことを特徴とするアンテナ装
    置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9記載のアンテナ装置に於
    いて、更に、アンテナ放射電力の誘導電磁界によって他
    のユニットに非接触で電力を供給すると共に信号を送受
    信する装置を前記アンテナ給電端子に接続したことを特
    徴とするアンテナ装置。
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