JP2000293655A - 物品の識別用タグ及びこれを用いた物品の識別装置 - Google Patents

物品の識別用タグ及びこれを用いた物品の識別装置

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JP2000293655A
JP2000293655A JP11097343A JP9734399A JP2000293655A JP 2000293655 A JP2000293655 A JP 2000293655A JP 11097343 A JP11097343 A JP 11097343A JP 9734399 A JP9734399 A JP 9734399A JP 2000293655 A JP2000293655 A JP 2000293655A
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JP11097343A
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Takanori Endo
貴則 遠藤
Masa Yonezawa
政 米澤
Takashi Tsuchida
隆 土田
Seiro Hachiman
誠朗 八幡
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】送信コイルから送信された電波の吸収を抑制し
て作動距離を比較的長くし、受信及び送信コイルののL
値の低下を防止し確実に物品を識別する。 【解決手段】識別タグは、物品16に添付され、受信コ
イル12と送信コイル13とこの受信及び送信コイル1
2,13がそれぞれ接続されたRFID素子14とを有
する。磁性材からなる単一の磁芯部材18に受信及び送
信コイル12,13がこれらのコイルに電流を流したと
きに発生するそれぞれの磁界方向を物品の取付面16a
に平行な面で互いに直交するように巻かれる。物品16
が磁性材料からなり、この物品16の取付面16aに対
向する受信及び送信コイル12,13に非磁性であって
かつ導電性を有する電磁遮蔽板17又は電磁遮蔽箔が接
着される。送信アンテナ22及び受信アンテナ23がそ
れぞれ磁界方向を直交するように質問器21に取付けら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RFID(無線周
波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用
いた物品の識別用タグ及びこれを用いた物品の識別装置
に関する。更に詳しくは別個に設けられた受信コイルと
送信コイルとこの受信及び送信コイルがそれぞれ接続さ
れたRFID素子とを有する物品の識別用タグと、この
タグを添付した物品を識別する物品の識別装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の識別装置として、タグと
質問器とにより構成されたものが知られており、質問器
は物品に一体的に取付けられたタグに向けて特定周波数
の電波を送信してタグのRFID素子に対してデータの
読出し・書込みを行いタグからの応答信号を受信してそ
の物品を識別するように構成される。タグにはその装置
からの電波を受ける受信コイルとその装置に電波を送信
する送信コイルとが設けられ、この受信及び送信コイル
は絶縁性誘電体の薄膜の両面に渦巻状にエッチング等す
ることにより作られる。
【0003】しかし、渦巻状にエッチング等して作られ
た受信及び送信コイルでは、これらのコイルに電流を流
したときに発生するそれぞれの磁界方向がコイルの取付
面に対して垂直であるため、タグを添付する物品が磁性
部材である場合には、物品の質問器がそのタグの受信コ
イルに向って電波を発信しても、受信コイルが上記磁性
部材の影響を受けてその質問器が物品を識別できない場
合があった。この点を解消するためには受信コイルを物
品の表面から所定の間隔をあけて取付ける必要があり、
間隔をあけて受信コイルを取付けることはタグ自体の厚
さを増大させる不具合がある。そこで、磁性材からなる
磁芯部材に巻いた導線からなる受信コイルが考えられ
る。この受信コイルでは、受信コイルに電流を流したと
きに発生する磁界方向が磁芯部材の面方向に一致するた
め、この受信コイルを有するタグを磁性体からなる物品
に添付しても、コイルの取付面に対して平行に発せられ
る磁界線はこれらの磁性部材の影響を受けることが少な
い。この結果、物品の識別装置がタグに向って発信した
電波をその受信コイルに確実に受信させることが期待で
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、識別用タグが
受信コイル及び送信コイルの双方を有する場合に、その
受信コイル及び送信コイルとして磁芯部材に導線を巻い
たコイルをそれぞれ使用すると、送信コイルから送信さ
れた電波が受信コイルの磁芯部材に吸収されるため、そ
の作動距離が極めて短くなる不具合がある。また、磁芯
部材に導線を巻いたコイルからなる受信コイル及び送信
コイルが互いに平行に配置されると、送信コイルから送
信された電波が受信コイルの磁芯部材に吸収され、相互
誘導作用により受信コイルに高電圧がかかり受信回路が
破損するおそれもある。更に、物品の表面が鋼板等の磁
性材料により形成された場合にこの表面に直接タグを取
付けると、受信及び送信コイルのLが変化し、質問器が
そのタグを識別できない恐れもある。本発明の目的は、
送信コイルから送信された電波の吸収を抑制して作動距
離を比較的長くし得る物品の識別用タグ及びこれを用い
た物品の識別装置を提供することにある。本発明の別の
目的は、受信及び送信コイルののL値の低下を防止し確
実に識別し得る物品の識別用タグ及びこれを用いた物品
の識別装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、物品16に添付され、受信コイル1
2と送信コイル13とこの受信及び送信コイル12,1
3がそれぞれ接続されたRFID素子14とを有する識
別タグの改良である。その特徴ある構成は、磁性材から
なる単一の磁芯部材18に受信及び送信コイル12,1
3がこれらのコイル12,13に電流を流したときに発
生するそれぞれの磁界方向を物品16の取付面16aに
平行な面で互いに直交するように巻かれる点にある。こ
の請求項1に記載された物品の識別用タグでは、受信及
び送信コイル12,13が単一の磁芯部材18に巻かれ
るので、送信コイル12から送信された電波が受信コイ
ル13の磁芯部材に吸収されることを防止する。また、
受信及び送信コイル12,13はこれらのコイル12,
13に電流を流したときに発生するそれぞれの磁界方向
を物品16の取付面16aに平行な面で互いに直交する
ように巻かれるので、送信コイルから送信された電波が
受信コイルの磁芯部材に吸収されても受信コイルに高電
圧がかかることはない。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、物品16が磁性材料からなり、この物品1
6の取付面16aに対向する受信及び送信コイル12,
13に非磁性であってかつ導電性を有する電磁遮蔽板1
7又は電磁遮蔽箔が接着されたことを特徴とする。この
請求項2に記載された物品の識別用タグでは、磁性材料
からなる物品16の取付面16aに対向する受信及び送
信コイル12,13に上記電磁遮蔽板17又は電磁遮蔽
箔を接着すると、磁芯部材17から出た磁界のうち物品
16のタグ11を取付けた部分を通過しようとする磁界
が物品16を通過せず、高い導電性を有する上記電磁遮
蔽板17等上を通過する。この電磁遮蔽板17等は非磁
性であってかつ導電性を有するため、ヒステリシス損が
極めて少なく渦電流が殆ど発生しない。この結果、受信
及び送信コイル12,13のAL値の変化を防止でき
る。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1又は2記
載の物品の識別用タグ11と、この識別用タグ11の受
信コイル12に向けて特定周波数の電波を送信するリン
グ又はコイル状の送信アンテナ22と、タグ11の送信
コイル13からの応答信号を受信するリング又はコイル
状の受信アンテナ23とが設けられた質問機21とを備
え、物品16に一体的に取付けられたタグ11に向けて
質問機21から特定周波数の電波を送信してタグ11の
RFID素子14に対してデータの読出し・書込みを行
いタグ11からの応答信号を受信して質問機21が物品
16を識別するように構成された物品の識別装置であ
る。その特徴ある点は、送信アンテナ22及び受信アン
テナ23がこれらのアンテナ22,23に電流を流した
ときに発生するそれぞれの磁界方向を直交するように質
問器21に取付けられたところにある。
【0008】この請求項3に記載された物品の識別装置
では、磁界方向を直交するように送信アンテナ22及び
受信アンテナ23を取付けたので、送信アンテナ22を
タグの受信コイル12に正対させ、受信アンテナ23を
タグ11の送信コイル13に正対させることができる。
このように正対させて質問器21から特定周波数の電波
を送信すると、この電波によりRFID素子14のメモ
リ14fからデータの読出し・書込みが行われる。この
データに基づくRFID素子14からの応答信号を質問
器21が受信することにより、タグ11が取付けられた
物品16を識別することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、物品の識別装置
10はタグ11と質問器21とを備える。タグ11は受
信コイル12と送信コイル13とこの受信コイル12と
送信コイル13に接続されたRFID素子14とを有
し、物品16に添付される。RFID素子14はベース
板17に貼付され、図2に示すように、電源回路14a
と、無線周波数(RF)回路14bと、変調回路14c
と、復調回路14dと、CPU14eと、これに接続さ
れた物品固有のデータを記憶するメモリ14fとを有す
る。この実施の形態における電源回路14aはバッテリ
である。電源回路14aはこの電力をCPU14eに供
給し、RFID素子14を活性化するように構成され
る。一方、RFID素子14のメモリ14fはROM
(read only memory)、RAM(ramdom-access memor
y)或いは不揮発性メモリ等であり、CPU14eの制
御の下で後述する質問器21からの電波のデータ通信に
よる読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読出し
を行うとともに、質問器21からの書込みコマンドに応
じてデータの書込みが行われるように構成される。
【0010】図1に戻って、受信及び送信コイル12,
13は磁性材からなる単一の磁芯部材18に巻かれた導
線であり、受信及び送信コイル12,13とRFID素
子14は非磁性であってかつ導電性を有するアルミニウ
ムからなる電磁遮蔽板17にそれぞれ接着される。この
ように受信及び送信コイル12,13とRFID素子1
4を電磁遮蔽板17に接着することにより構成されたタ
グ11は、受信及び送信コイル12,13がこれらのコ
イル12,13に電流を流したときに発生するそれぞれ
の磁界方向を物品16の取付面16aに平行な面で互い
に直交するように物品16に添付される。
【0011】図3〜図5に示すように、この実施の形態
では、磁芯部材18に、受信コイル12を構成する導線
の直径と略同一の深さに形成された多数の第1凹溝18
aと、第1凹溝18aとは異なる方向に形成されかつ送
信コイル13を構成する導線の直径の約2倍の深さに形
成された多数の第2凹溝18bとが形成される(図4及
び図5)。受信及び送信コイル12,13を構成する導
線は同一直径を有する。第1凹溝18aは磁芯部材18
の両面に図3の略縦方向に延びて形成され、第2凹溝1
8bは磁芯部材18の両面に略横方向に延びて形成され
る。磁芯部材18の図3の横方向に延びる一対の横側面
には上記第1凹溝18aに連通し導線の直径と略同一の
深さを有する第1収容溝18cが形成される。また磁芯
部材18の縦方向に延びる一対の縦側面のうちの一方の
縦側面(図3では左側面)には上記第2凹溝18bに連
通し導線の直径の約2倍の深さを有する第1収容溝18
eが形成され、他方の縦側面(図3では右側面)には導
線の直径と略同一の深さを有する第2収容溝18fが形
成される。
【0012】一方、磁芯部材18の一方の縦側面には、
RFID素子14に対抗する横側面からこの横側面から
最も遠方の第1収容溝18eまでを連結するように縦側
面の長手方向に延びる第1結線収容溝18iが形成され
る。また、他方の横側面にはRFID素子14に対抗す
る横側面からこの横側面近傍の第2収容溝18fまでを
連結するようにこの縦側面の長手方向に延びる第2結線
収容溝18jが形成される。第2凹溝18bに巻かれた
導線である送信コイル13の一端は第2凹溝18bから
第1結線収容溝18iを通ってRFID素子14に電気
的に接続され、送信コイル13の他端は第2凹溝18b
から第2結線収容溝18fを通ってRFID素子14に
電気的に接続される。また、第1凹溝18aに巻かれた
導線である受信コイル12の両端は第1凹溝18aから
直接引出されてRFID素子14に電気的に接続され
る。
【0013】このように構成された受信及び送信コイル
12,13は、それぞれび磁界方向が互いに直交するよ
うになる。このため、磁芯部材18の表面を電磁遮蔽板
17に接着することにより受信及び送信コイル12,1
3に容易に電磁遮蔽板17を接着することができ、タグ
11全体の厚さが薄くなり、この電磁遮蔽板17を物品
16の表面に接着することにより受信及び送信コイル1
2,13はそれぞれの磁界方向を取付面16aに平行な
面で互いに直交するようにその物品16に添付される。
【0014】図1に示すように、質問器21には識別用
タグ11の受信コイル12に向けて特定周波数の電波を
送信するリング又はコイル状の送信アンテナ22と、タ
グ11の送信コイル13からの応答信号を受信するリン
グ又はコイル状の受信アンテナ23とが設けられる。図
2に示すように、質問器21は、電源回路21aと、無
線周波数(RF)回路21bと、変調回路21c及び復
調回路21dとを有する。また質問器21のCPU21
eにはメモリ21f、ディスプレイ21g及び入力手段
21hが接続される。図1に戻って、この質問器21
は、物品16に一体的に取付けられたタグ11に向けて
特定周波数の電波を送信してタグ11のRFID素子1
4に対してデータの読出し・書込みを行いタグ11から
の応答信号を受信して物品16を識別するように構成さ
れる。この実施の形態における送信及び受信アンテナ2
2,23はリング状のものであり、送信アンテナ22及
び受信アンテナ23はこれらのアンテナ22,23に電
流を流したときに発生するそれぞれの磁界方向を直交す
るように質問器21に取付けられる。
【0015】このように構成された物品の識別装置の動
作を説明する。先ず、物品16に取付けられる識別タグ
11のメモリ14fにその物品16に関する情報を入力
し、その情報が入力された識別タグ11を物品16に取
付ける。質問器21によりその物品16を識別するに
は、先ず質問器21の送信アンテナ22をタグの受信コ
イル12に正対させ、受信アンテナ23をタグ11の送
信コイル13に正対させる。この状態で送信アンテナ2
2から識別タグ11の受信コイル12に向けて識別コー
ド質問信号を図1の一点鎖線で示すように特定周波数の
電波により送信する。この実施の形態における質問信号
は2値化されたデジタル信号である。質問器21から発
せられるデジタル信号は、図示しない信号発生器から発
せられ変調回路21cで変調を受ける。RF回路21b
ではこの変調した信号を増幅して送信アンテナ22から
送信する。この変調には例えばASK(振幅変調)、F
SK(周波数変調)又はPSK(位相変調)が挙げられ
る。
【0016】送信された質問信号の電波は識別タグ11
の受信コイル12に受信される。この場合、物品16が
磁性体であっても受信コイル12は電磁遮蔽板17を介
して物品16に添付されているため、受信コイル12の
Lの変化はなく、質問信号は受信コイル12に有効に受
信される。受信コイル12が受信した信号のうちRF回
路14bは復調に必要な信号のみ取込み、復調回路14
dで元のデジタル信号の質問信号を再現させてメモリ1
4fから物品16に関するデータを送信する。このデー
タの送信は2値化された識別コードを変調回路14cで
変調し、RF回路14bで増幅して送信コイル13から
送出することにより行われる。送信コイル13は受信コ
イル12とともに単一の磁芯部材18に巻かれるので、
送信コイル12から送信された電波が受信コイル13の
磁芯部材に吸収されることはなく、受信及び送信コイル
12,13は磁界方向が物品16の取付面16aに平行
な面で互いに直交するように巻かれるので、送信コイル
から送信された電波が受信コイルの磁芯部材に吸収され
て受信コイルに高電圧がかかることもない。このため、
図1の二点鎖線で示すように送信されたデータは受信ア
ンテナ23を介して質問器21が確実に受信し、質問器
21は識別タグ11からのそのデータにより物品16を
識別する。この実施の形態では物品16に関する情報は
ディスプレイ21gで確認するようになっている。
【0017】なお、上述した実施の形態では、バッテリ
からなる電源回路14aを説明したが、電源回路14a
はコンデンサ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサが
受信コイル12とともに共振回路を形成するようにして
も良い。このような電源回路では受信コイルが特定の共
振周波数の電波を受信したときにコンデンサが共振する
ことにより生じる電力をCPUに供給される。また、上
述した実施の形態では、第1凹溝が巻き線の直径と略同
一の深さに形成し、第2凹溝の深さを巻き線の直径の約
2倍の深さに形成したが、第1凹溝の深さを巻き線の直
径より深く形成し、第2凹溝の深さを巻き線の直径の2
倍以上の深さに形成してもよい。この場合であっても磁
芯部材の表面を平滑にすることができる。更に、上述し
た実施の形態では、リング状の送信及び受信アンテナ2
2,23を磁界方向を直交するように質問器21に取付
けたが、送信及び受信アンテナ22,23はコイル状も
のであっても良い。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1に示すように、60×120×2mm
のフェライトからなる磁芯部材17を用意した。この磁
芯部材17に直径が0.2mmの被覆銅線を154回巻
回することにより受信コイルを作製した。この受信コイ
ル12が巻かれた磁芯部材17に磁界方向が直交するよ
う直径が0.2mmの被覆銅線を60回巻回することに
より送信コイル13を作製した。その後、この受信及び
送信コイル12,13に図2に示す構成のRFID素子
14を接続して物品の識別タグ11を得た。このタグを
実施例1とした。
【0019】<比較例1>図示しないが、100×10
0mmの非磁性体からなる枠を2つ用意した。一方の枠
に直径が0.3mmの被覆銅線を90回巻回することに
より受信コイルを作製した。他方の枠に直径が0.3m
mの被覆銅線を46回巻回することにより送信コイルを
作製した。その後、この受信及び送信コイルに実施例1
と同一構成のRFID素子を接続して物品の識別タグを
得た。このタグを比較例1とした。 <比較例2>図示しないが、30×120×2mmのフ
ェライトからなる磁芯部材を2つ用意した。一方の磁芯
部材に直径が0.2mmの被覆銅線を151回巻回する
ことにより受信コイルを作製した。他方の磁芯部材に直
径が0.2mmの被覆銅線を90回巻回することにより
送信コイルを作製した。その後、この受信及び送信コイ
ルに実施例1と同一構成のRFID素子を接続して物品
の識別タグを得た。このタグを比較例2とした。
【0020】<比較試験1>図1に示すように、直径が
0.3mmの被覆銅線を600mmの直径で30回巻回
することにより作製された送信アンテナ22と、直径が
0.3mmの被覆銅線を600mmの直径で20回巻回
することにより作製された受信アンテナ23とがそれぞ
れ磁界方向を直交するように取付けられ、作動周波数が
400kHzの質問器21を用意した。また、500×
500×10mmの木板を水平に配置してこの木板の上
方1mの位置に送信及び受信アンテナ22,23が位置
するように質問器21を固定した。次にこの木板の上に
比較例1におけるタグ11を、磁界方向が垂直になるよ
うに受信及び送信コイル12,13を重ねて水平にして
配置した。この状態で質問器21が正常に作動するか否
かを調べた結果、正常に作動した。
【0021】<比較試験2>図1に示すように、500
×500×1mmの鉄板を水平に配置してこの鉄板の上
方1mの位置に送信及び受信アンテナ22,23が位置
するように比較試験1で用いた質問器21を固定した。
次にこの鉄板の上に比較例1におけるタグ11を、磁界
方向が垂直になるように受信及び送信コイル12,13
を重ねて水平にして配置した。この状態で質問器21が
正常に作動するか否かを調べた結果、正常に作動しなか
った。その後、受信及び送信コイル12,13を持上げ
て鉄板との距離を増していったところ、受信及び送信コ
イル12,13と鉄板との距離が50mmのところで質
問器21が正常に作動した。
【0022】<比較試験3>比較試験1における木板の
上に比較例1におけるタグ11に代えて比較例2におけ
るタグを、磁界方向が水平になるように受信及び送信コ
イル12,13を平行に並べて配置した。この状態で質
問器21が正常に作動するか否かを調べた結果、正常に
作動しなかった。 <比較試験4>比較試験2における鉄板の上に比較例1
におけるタグ11に代えて実施例1におけるタグを、そ
れぞれの磁界方向が水平になるように受信及び送信コイ
ル12,13を配置した。この状態で質問器21が正常
に作動するか否かを調べた結果、正常に作動しなかっ
た。その後、受信及び送信コイル12,13を持上げて
鉄板との距離を増していったところ、受信及び送信コイ
ル12,13と鉄板との距離が8mmのところで質問器
21が正常に作動した。 <比較試験5>比較試験2における鉄板の受信及び送信
コイル12,13が接する部分に175×90×1mm
のアルミ板を配置し、このアルミ板の上に実施例1にお
けるタグを、それぞれの磁界方向が水平になるように受
信及び送信コイル12,13を配置した。この状態で質
問器21が正常に作動するか否かを調べた結果、正常に
作動した。
【0023】<評価>比較試験1の結果より、受信及び
送信コイルを通る磁界線の方向がコイルの取付面に対し
て垂直であっても、タグを添付する物品が非磁性体であ
る場合には、質問器がそのタグの受信コイルに向って電
波を発信しても、受信コイルが物品のの影響を受けるこ
となく、識別装置が正常に動作することが判る。一方、
比較試験2の結果より、受信及び送信コイルを通る磁界
線の方向がコイルの取付面に対して垂直である場合であ
って、タグを添付する物品が磁性体である場合には、物
品の質問器がそのタグの受信コイルに向って電波を発信
しても、受信コイルが上記磁性体の影響を受けて識別装
置が正常に動作しないことが判る。受信コイルが磁性体
の影響を受けていることは、その後、受信及び送信コイ
ルを持上げて鉄板との距離を増していったところ、質問
器が正常に作動したことからも明らかである。
【0024】磁芯部材に導線を巻いた受信コイル及び送
信コイルを平行に並べて配置した比較試験3において、
質問器が正常に作動しないのは、送信コイルから送信さ
れた電波が受信コイルの磁芯部材に吸収されるためと考
えられる。また、磁芯部材に導線を巻いたコイルからな
る受信コイル及び送信コイルを磁性体の上に磁芯が互い
に直交するように直接配置した比較試験4においても、
正常に作動しなかったのは、受信コイルが上記磁性体の
影響を受けたためと考えられる。しかし、磁芯部材に導
線を巻いた受信コイル及び送信コイルが比較例1におけ
る空芯コイルよりも優れていることは、受信及び送信コ
イル12,13を持上げたところ、質問器21が正常に
作動した鉄板と受信及び送信コイル12,13との距離
が比較試験2の50mmから比較試験4の8mmに低減
したことから明らかである。一方、磁性材料の取付面と
受信及び送信コイルとの間に非磁性であってかつ導電性
を有する電磁遮蔽板を介挿させた比較試験5において、
質問器が正常に作動したのは、その電磁遮蔽板の存在に
より受信及び送信コイルの自己インダクタンスが変化し
なかったことに起因するものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の物品の識別
タグでは、磁性材からなる単一の磁芯部材に電流を流し
たときに発生するそれぞれの磁界方向を物品の取付面に
平行な面で互いに直交するように巻かれた導線からなる
受信及び送信コイルを備えるので、送信コイルから送信
された電波が受信コイルの磁芯部材に吸収されることを
防止でき、送信コイルから送信された電波が受信コイル
の磁芯部材に吸収されて受信コイルに高電圧がかかるこ
とを防止することができる。この結果、この物品の識別
用タグ及びこれを用いた物品の識別装置における作動距
離を比較的長くすることができる。
【0026】また、物品が磁性材料からなる場合には、
その物品の取付面に対向する受信及び送信コイルに上記
電磁遮蔽板又は電磁遮蔽箔を接着することにより、受信
及び送信コイルのL値の変化を防止できる。更に、質問
器の送信アンテナ及び受信アンテナを電流を流したとき
に発生するそれぞれの磁界方向を直交するように取付け
れば、その送信アンテナをタグの受信コイルに正対さ
せ、その受信アンテナをタグの送信コイルに正対させる
ことができる。このように正対させて質問器から特定周
波数の電波を送信することにより、RFID素子からの
応答信号を受信アンテナが確実に受信することになり、
質問器はタグが取付けられた物品を正確に識別すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品の識別タグを用いた物品の識別装
置を示す斜視図。
【図2】その物品の識別タグを用いた物品の識別装置の
回路構成図。
【図3】その物品の識別タグの正面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】図3のB−B線断面図。
【符号の説明】
10 物品の識別装置 11 物品の識別タグ 12 受信コイル 13 送信コイル 14 RFID素子 16 物品 16a 取付面 17 電磁遮蔽板 18 磁芯部材 21 質問機 22 送信アンテナ 23 受信アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 隆 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 八幡 誠朗 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 知 財サービス株式会社内 Fターム(参考) 5B035 AA00 BB09 BC00 CA23 5B058 CA17 YA20 5J020 BC10 CA01 EA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品(16)に添付され、受信コイル(12)と
    送信コイル(13)とこの受信及び送信コイル(12,13)がそ
    れぞれ接続されたRFID素子(14)とを有する識別タグ
    (11)において、 磁性材からなる単一の磁芯部材(18)に前記受信及び送信
    コイル(12,13)がこれらのコイル(12,13)に電流を流した
    ときに発生するそれぞれの磁界方向を前記物品(16)の取
    付面(16a)に平行な面で互いに直交するように巻かれた
    ことを特徴とする物品の識別用タグ。
  2. 【請求項2】 物品(16)が磁性材料からなり、物品(16)
    の取付面(16a)に対向する受信及び送信コイル(12,13)に
    非磁性であってかつ導電性の電磁遮蔽板(17)又は電磁遮
    蔽箔が接着された請求項1記載の物品の識別用タグ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の物品の識別用タグ
    (11)と、 前記識別用タグ(11)の受信コイル(12)に向けて特定周波
    数の電波を送信するリング又はコイル状の送信アンテナ
    (22)と、前記タグ(11)の送信コイル(13)からの応答信号
    を受信するリング又はコイル状の受信アンテナ(23)とが
    設けられた質問機(21)とを備え、 物品(16)に一体的に取付けられた前記タグ(11)に向けて
    前記質問機(21)から特定周波数の電波を送信して前記タ
    グ(11)のRFID素子(14)に対してデータの読出し・書
    込みを行い前記タグ(11)からの応答信号を受信して前記
    質問機(21)が前記物品(16)を識別するように構成された
    物品の識別装置であって、 前記送信アンテナ(22)及び前記受信アンテナ(23)がこれ
    らのアンテナ(22,23)に電流を流したときに発生するそ
    れぞれの磁界方向を直交するように前記質問器(21)に取
    付けられたことを特徴とする物品の識別装置。
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