JP3085463U - 小便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 公衆が利用する便所の男子用小便器におい
て、利用者が便器に近く立って排尿するように誘うこと
により、便器の手前や周囲の床に尿を落とすことなく、
すべて便器内に排出するようにした小便器を提供するこ
と。 【解決手段】 小便器（１）の尿を受ける面（２）の、
底部から１０〜１５cmの高さであって、縦の中心線から
１０〜１５cm左または右にずれた位置に、耐水耐尿性の
材料で作った、蝿の模型（３）をとりつける。多くの利
用者に共通する心理を利用し、これを実物の蝿と誤認し
て尿をかけて落とそうとして、小便器に近く立つように
誘導する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、公衆が利用する便所の男子用小便器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

公衆が利用する便所、すなわち街角や公園にある公衆便所、鉄道の駅の便所、 劇場・映画館・各種集会所などの便所、とりわけ自動車道のサービスエリア・パ ーキングエリアの便所において、男子用の小便器を並べたものは、便器の手前の 床に尿が落とされる傾向が強く、管理者の悩みの種になっている。これは、多数 の者が使用する便所にあっては、利用者の中に行儀の悪い者がいて便器の前に尿 を落とすと、つぎの利用者は十分に便器に近寄らずに用を足すため、いきおい外 に尿がこぼれ、以下これが繰り返されるために起こることである。

【０００３】 これらの施設においては、もちろん定期的に掃除をするが、利用者が立て込ん でいる間は掃除が困難であり、長時間にわたって床に尿が付いたままにならざる を得ない。すると、臭気や不衛生といった利用者の不便もさることながら、床の タイルが変色し腐食を受けて、交換を余儀なくされるから、管理者にとっては、 その対応に要する労力と費用が容易ならざるものになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、上記の事実に対処し、公衆が利用する便所の男子用小便器で あって、多くの利用者に共通の心理を利用し、利用者が便器に近く立って排尿す るように誘うことにより、便器の手前や周囲の床に尿を落とすことなく、すべて 便器内に排出するようにした小便器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成する本考案の小便器は、公衆が利用する小便器において、図 １に示すように、小便器（１）の尿を受ける面（２）の、底部から１０〜１５cm の高さであって、縦の中心線から１０〜１５cm左または右にずれた位置に、耐水 耐尿性の材料で作った、小昆虫の模型（３）をとりつけたことを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施形態】

小昆虫の模型または絵としては、人間にとって有害な、または不快に感じるも の、たとえば図２に示したような、蝿の模型または絵が適切である。したがって 、以下の説明においては、小昆虫を、蝿の模型で代表させる。蝿のほかにも、場 合によっては、ゴキブリその他、人間にとってその存在が不快な、または存在に 敵意を感じる類の小昆虫が選択できる。

【０００７】 この小便器の前に立った利用者は、便器の面に蝿の模型があると、それが実物 の蝿であると誤認して、自分の尿で打ち落としてやろうという心理に、多くの者 がなる。そこで、この意図を確実に実行すべく、小便器の近くに立って排尿をす ることになる。尿をかけても蝿が落ちないと、模型であることに気づく者もある が、そのまま排尿を続ける結果、小便器の前や周囲に尿がこぼれることはないま ま終わる。このようにして、大部分の者が小便器に近づいて用を足すため、前の 床が汚れる可能性は、従来にくらべ著しく小さくなる。

【０００８】 小便器に近づかないで用を足す者がなかなか出現しなければ、その間は小便器 の前や周囲は清潔に保たれる。利用者の中には、小便器の前が汚れていても、あ えて蝿を落とすために小便器に近づく者も出てくるから、蝿の模型の存在が、小 便器の汚れを軽減することが期待できる。

【０００９】 蝿の模型を取り付ける位置を、小便器の尿を受ける面の底部から１０〜１５cm の高さであって、縦の中心線から１０〜１５cm左または右にずれた位置に選ぶ理 由は、つぎのとおりである。まず、用便前に蝿の存在に気づかせるためには、あ まり低い位置は好ましくない。少なくとも底部から１０cmの高さが必要である。 一方、日本の成人男子の平均身長からみて、１５cmを超える高い位置に置いたの では、尿で打ち落とせる可能性が低く感じられて、尿をかけてみようという意欲 が沸きにくくなる。

【００１０】 つぎに、あえて中心線を外したのは、ひとつは蝿の存在が真実味をもつからで あり、いまひとつは、蝿を落とす目的で狙った方向に尿を向けるためには、小便 器により近づかなければならない、という心理を誘発するからである。あまり端 に近くては、気付かれにくいし、狙ったつもりの尿が外れて、かえって周囲を汚 す心配があるからで、中心線から１０〜１５cm左または右にずれた範囲が適当で ある。

【００１１】 蝿の模型（３）は、ある程度の立体感をもったものが効果的である。絵のよう な平面的なものでも足りるが、真実味が低くなり、実際の蝿と誤認ずる可能性に おいて模型に劣る。といって、完全に忠実な模型である必要もない。一見したと ころ、蝿が止まっているように見えればよい。これは、陶器・磁器、ステンレス 鋼、合成樹脂など耐水耐尿性をもった材料で製作し、別に用意した、または既設 の小便器に取り付けるとよい。取り付けるには、やはり耐水耐尿性をもった接着 剤を使用するのが、もっとも簡便である。絵を用いる場合は、写真でもよく、こ れも耐水耐尿性をもった材料に印刷し、接着材で貼り付ける。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の小便器は、公衆が利用する便所、とりわけ自動車道のサービスエリア ・パーキングエリアの便所に設置した男子用の小便器において、その手前の床が 尿で汚されやすいという傾向を、利用者に共通の心理を利用して著しく緩和し、 定期的な清掃を行なうだけでも、タイルが常に汚れている時間を短縮することが できる。その結果、尿による汚損が招くタイルの変色傾向を弱め、管理者の労力 と費用とを軽減する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の小便器の一例を示す斜視図。

【図２】 図１の円内の拡大図。

【符号の説明】

１ 小便器 ２ 小便器の尿を受ける面 ３ 小昆虫の模型

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 公衆が利用する小便器において、尿を受
   ける面の、底部から１０〜１５cmの高さであって、縦の
   中心線から１０〜１５cm左または右にずれた位置に、耐
   水耐尿性の材料で作った、小昆虫の模型をとりつける
   か、または絵を貼り付けたことを特徴とする小便器。
2. 【請求項２】 小昆虫の模型が、蝿の模型である請求項
   １の小便器。