JP3085261U - 電子顕微鏡試料を検鏡するために使用するグリッド用保持ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】グリッドが移動することなく確実に保持でき、
作業が簡単かつ迅速に行え、操作性を向上できるグリッ
ド保持ケースを提供することにある。 【解決手段】ベースプレート４の上に粘着面５を有する
円形グリッド保持パッド１において、グリッド３を貼着
する円形保持パッド２を有するグリッド保持ケース本体
１と、ピンセット等でグリッドを挟みやすくするためベ
ースプレート４とグリッド保持パッド２に段差を具備し
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、超薄切片を載せたグリッドを電子染色などを含め、電子顕微鏡で 検鏡するときになどにグリッドを保持するケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

生物を構成する組織、細胞は大量の水分を含んでおり、細胞機能観察等で採取 した試料の微細構造を電子顕微鏡で観察しようとしたとき、試料を固定し、水分 を除去するためにエタノール等で脱水処理した後、樹脂に浸漬して樹脂包埋した ものをウルトラミクロトームで超薄切片を作製している。

【０００３】 薄切作業には、ウルトラミクロトームを用いダイヤモンドナイフ又はガラスナ イフで超薄切片を作製している。 ダイヤモンドナイフにはボート部が設けられ 、切削した切片をボート水面に浮かべた状態で一時的にストックできるようにな っている。

【０００４】 超薄切片を電子顕微鏡によって検鏡する際には、切片をグリッドに移載し、電 子染色などを施して行う。 通常、電子染色並びに検鏡はグリッド一枚ずつ行い 、他のグリッドは濾紙を敷いたケースにストックしておく。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のグリッド保持ケースは濾紙等を使用しているため電子染 色や検鏡で電子顕微鏡室へ移動する際、ケースが他のものと接触したり、又は、 静電気などによりグリッドが移動する問題がある。又、濾紙上のグリッドをピン セットで挟みにくい問題もある。

【０００６】 この考案は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、 ケース内にあるグリッドが持ち運びなどで移動せず、また、ピンセット作業など でも操作性の良いグリッド保持ケースを提供するところにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】

この考案は、前述した目的を達成するために、 請求項１は、円形パッドの 端面にグリッド保持部を設け、この保持部に複数のグリッドすくなくとも一部を 粘着保持する粘着面を設けると供に、粘着面が水洗可能な事を特徴とするグリッ ド用保持ケースにある。

【０００８】 請求項２は円形パッド保持部面とベースプレートの間に、グリッド把持用の段 差を設けた事を特徴とするグリッド用保持ケースにある。

【０００９】 前記構成によれば、 粘着面が水洗可能で、ピンセットで挟みやすい段差を有 したグリッド保持パッドを販売することにより、使用者は切片を載せたグリッド をピンセット等によって挟み、グリッド保持部の粘着面にその一部を接すること により、グリッドが粘着面に保持され、グリッドが接触の衝撃および静電気など で移動せず、ピンセットで操作しやすいグリッド保持ケースを得る事ができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、 この考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。

【００１１】 グリッド保持パッド２は円形をなしており、直径が約３０ｍｍの縁に約１ｍｍ の粘着面５を設けている。 グリッドの一部を貼着し、残りの一部を側縁部から 突出した状態に貼着保持出来るようになっている。 グリッド保持パッド２はベ ースプレート４上にあり、ベースプレート４より約２ｍｍほど高く形成されて、 グリッドを貼着保持した場合ベースプレート４とグリッド３間に隙間ができ、ピ ンセットで挟みやすくなっている。ベースプレート４上に濾紙などを置くことも でき、グリッドの余分な水分を吸い取ることも出来る構造になっている。

【００１２】 次に、生物試料を切削した超薄切片をグリッドに載せ、電子染色、検鏡までの 手順について説明する。

【００１３】 ウルトラミクロトームを使用し、ダイヤモンドナイフまたは、ガラスナイフ で電子顕微鏡用超薄切片を作製する。 薄切された切片をグリッドに移載する。 通常電子染色処理を行う場合，水滴状にした染色液上にグリッドを載せて一枚 ずつ染色作業を行い、その後電子顕微鏡で検鏡する。 電子染色及び検鏡する場 合その他のグリッドを保持パッドに保管し順次行う。グリッド保持パッドにグリ ッドを保管及び持ち運ぶ場合、接触の衝撃・静電気などでグリッドが移動しない 様になっている。

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、グリッドを粘着面に貼着することに より、グリッドを持ち運ぶ時などの接触の衝撃、又は，静電気などでグリッドが 移動することがない。従って、グリッドが移動することなく作業が簡単かつ迅速 に行え、操作性を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】グリッド保持ケースを示し、（ａ）は斜視図、
（ｂ）はグリッド保持パッドの一部を拡大した斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ …… グリッド保持ケース本体 ２ …… 保持パッド ３ …… グリッド ４ …… ベースプレート ５ …… 粘着面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円形パッドの端面にグリッド保持部を設
   け、この保持部に複数のグリッドの少なくとも一部を粘
   着保持する粘着面を設けると供に、粘着面が水洗可能な
   事を特徴とするグリッド用保持ケース。
2. 【請求項２】円形パッド保持部面とベースプレートの間
   に、グリッド把持用の段差を設けた事を特徴とするグリ
   ッド用保持ケース。